特許第6335518号(P6335518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎エナジーシステム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000002
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000003
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000004
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000005
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000006
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000007
  • 特許6335518-ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335518
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/16 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   G01N27/16 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-6654(P2014-6654)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-135270(P2015-135270A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】宮城 敦子
(72)【発明者】
【氏名】奥野 辰行
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−247240(JP,A)
【文献】 特許第5016599(JP,B2)
【文献】 特開2004−045324(JP,A)
【文献】 特開平08−233764(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0032745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱抵抗体に酸化触媒を被膜してなり検知対象ガスの濃度に応じた信号を出力するセンサ素子を少なくとも覆うガスセンサ用フィルタであって、
前記センサ素子が搭載される基台と共に前記センサ素子の外周を覆い、一部に開口部が形成されたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口部と前記センサ素子との間に設けられ、前記センサ素子の被毒対象となるシリコーンガス及び硫黄系ガスの双方を吸着するフィルタ部と、を備え、
前記フィルタ部は、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトの少なくとも1つからなる第1フィルタ部と、パラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれかからなる第2フィルタ部と、を有し、
前記第1フィルタ部は、前記第2フィルタ部の前記開口部側及び前記開口部反対側の双方に設けられている
ことを特徴とするガスセンサ用フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサ用フィルタと、
前記ガスセンサ用フィルタのケーシング内に収納される前記センサ素子と、
を備えることを特徴とするガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサ用フィルタ及びガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ素子と温度補償素子とで構成された接触燃焼式のCOセンサが提案されている。このCOセンサにおいて、センサ素子は発熱抵抗体上に酸化触媒が被膜されており一酸化炭素ガスと接触燃焼反応し、センサ素子内の発熱抵抗体の抵抗値が大きくなる。一方、温度補償素子は、その周囲に設けられる防爆用の金網内に一酸化炭素ガスを選択酸化させるフィルタを備えるため、一酸化炭素ガスがフィルタで燃焼除去されて温度補償素子内の発熱抵抗体の抵抗値は微小にしか変化しないこととなる。このCOセンサは、このような抵抗値の変化に基づいて一酸化炭素ガスを検出する(特許文献1参照)。
【0003】
また、センサ素子に対して、焼結フィルタと、シリコントラップフィルタとを設けたガスセンサについても提案されている。このガスセンサでは、シリコントラップフィルタによって、シリコン化合物によるセンサ素子の触媒被毒を防止するようにしている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-226908号公報
【特許文献2】特開2004-20377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記に示すようなフィルタ(特許文献1のフィルタ及び特許文献2の焼結フィルタ)は、常温常湿環境下において特定のガスに対してフィルタ機能を発揮するものである。このため、高温高湿環境下においては充分なフィルタ機能を発揮できない可能性が有る。そこで、特許文献2に記載のシリコントラップフィルタのように、更にもう1つのフィルタを設けることが考えられるが、シリコントラップフィルタを更に設けたとして、シリコン化合物に対してフィルタ機能を発揮するだけであり、フィルタ機能としては充分とはいえず、センサ素子の被毒を招いてしまう。
【0006】
特に、近年では省エネの観点から、低消費電力型センサの要求が高まっており、センサ素子の小型化に伴って素子自体の耐久性が低下してしまうことが問題となっている。
【0007】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より的確にセンサ素子の触媒被毒を防止して小型素子を用いた場合においてもセンサ素子の耐久性を向上させることが可能なガスセンサ用フィルタ及びガスセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のガスセンサ用フィルタは、発熱抵抗体に酸化触媒を被膜してなり検知対象ガスの濃度に応じた信号を出力するセンサ素子を少なくとも覆うガスセンサ用フィルタであって、前記センサ素子が搭載される基台と共に前記センサ素子の外周を覆い、一部に開口部が形成されたケーシングと、前記ケーシングの前記開口部と前記センサ素子との間に設けられ、前記センサ素子の被毒対象となるシリコーンガス及び硫黄系ガスの双方を吸着するフィルタ部と、を備え、前記フィルタ部は、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトの少なくとも1つからなる第1フィルタ部と、パラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれかからなる第2フィルタ部と、を有し、前記第1フィルタ部は、前記第2フィルタ部の前記開口部側及び前記開口部反対側の双方に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このガスセンサ用フィルタによれば、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトの少なくとも1つからなる第1フィルタ部と、パラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれかからなる第2フィルタ部と、を有するため、常温常湿環境下においてシリコーンガス及び硫黄系ガスの双方の被毒ガスが第1フィルタ部により吸着されると共に、高温高湿環境下において第1フィルタ部の双方の被毒ガスの吸着性能が低下する際に双方の被毒ガスが第2フィルタ部により吸着されることとなる。このため、常温常湿環境下から高温高湿環境下に亘ってセンサ素子が双方の被毒ガスから保護されることとなり、より的確にセンサ素子の触媒被毒を防止して小型素子を用いた場合においてもセンサ素子の耐久性を向上させることができる。また、第1フィルタ部の一部は、第2フィルタ部よりも開口部側に設けられているため、双方の被毒ガスはまず第1フィルタ部により吸着され、吸着しきれなかった微量の被毒ガスが第2フィルタ部により吸着されることとなる。これにより、高温高湿環境下におけるフィルタ機能の低下を抑制でき、センサ素子の耐久性をより向上させることができる。
【0014】
また、本発明のガスセンサは、上記のいずれか1つに記載のガスセンサ用フィルタと、前記ガスセンサ用フィルタのケーシング内に収納される前記センサ素子と、を備えることを特徴とする。
【0015】
このガスセンサによれば、上記ガスセンサ用フィルタと、ガスセンサ用フィルタのケーシング内に収納されるセンサ素子とを備えたガスセンサであるため、小型のセンサ素子が用いられていたとしても、確実に耐久性の向上をさせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より的確にセンサ素子の触媒被毒を防止して小型素子を用いた場合においてもセンサ素子の耐久性を向上させることが可能なガスセンサ用フィルタ及びガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るガスセンサを含む回路モデルを示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るガスセンサの断面図である。
図3】センサ素子の断面図である。
図4】本実施形態の第1変形例に係るガスセンサの断面図である。
図5】本実施形態の第2変形例に係るガスセンサの断面図である。
図6】本実施形態の第3変形例に係るガスセンサの断面図である。
図7】第1変形例に係るガスセンサと従来のガスセンサとのメタン感度劣化率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサを含む回路モデルを示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係るガスセンサ1は、いわゆる接触燃焼式のガスセンサの一要素として用いられるセンサ素子F1を有している。このセンサ素子F1は、ブリッジ回路を構成する第1の辺E1に配置される。また、第1の辺E1に直列接続される第2の辺E2には、参照素子F2が配置されており、第1の辺E1と並列接続される第3及び第4の辺E3,E4には、それぞれ第1の固定抵抗R1及び第2の固定抵抗R2が配置されている。
【0020】
センサ素子F1は、検出対象ガス(メタンガス(CH4)、プロパンガス(C3H8)、ブタン(C4H10)など)を燃焼させる酸化触媒が被膜されており、酸化触媒上で検出対象ガスが燃焼する燃焼熱により発熱抵抗体の抵抗値に変化が発生するものである。参照素子F2は、検出対象ガスが接触燃焼しないように処理が施されている。
【0021】
このような接触燃焼式ガスセンサが検知対象ガスに曝されると、検出対象ガスの濃度に応じてセンサ素子F1の抵抗値が変化する一方、参照素子F2においては抵抗値がほぼ変化せず、両素子F1,F2間の生じた電位差信号を検知対象ガスの濃度信号として検出することができる。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係るガスセンサ1の断面図である。ガスセンサ1は、ガスセンサ用フィルタ10と、ガスセンサ用フィルタ10のケーシング内に収納されるセンサ素子F1とから構成されている。
【0023】
図3は、センサ素子F1を示す断面図である。図3に示すようにセンサ素子F1は、白金(Pt)をパターニングした発熱抵抗体101と、この発熱抵抗体101に保護膜を介して被膜された酸化触媒102とを備え、基板103の上面から形成された凹部104に跨る薄膜ダイアフラムD上に形成されている。発熱抵抗体101の両端には、発熱抵抗体101と一体に接続用パッド部が形成され、このパッド部が図2に示すステム105を貫通するリード端子106にワイヤ107でボンディングされている。
【0024】
なお、酸化触媒102は、パラジウム若しくは白金の貴金属単体、又はパラジウム及び白金(数wt%〜数十wt%)の少なくとも一方を担持したセラミック担持体により構成されている。
【0025】
センサ用フィルタ10は、ケーシング11と、フィルタ部12と、支持部材13とを備えている。ケーシング11は、センサ素子F1が搭載されるステム(基台)105と共にセンサ素子F1の外周を覆うものであって、ステム105と対向する天板(一部)11aに開口部11bが形成されている。開口部11bは、例えば複数の通気孔を有して構成されている。なお、ステム105には、参照素子F2についても搭載されている。すなわち、本実施形態に係るセンサ用フィルタ10は、センサ素子F1のみならず参照素子F2についても覆う構成となっている。
【0026】
フィルタ部12は、ケーシング11の開口部11bとセンサ素子F1との間に設けられ、センサ素子F1の被毒対象となるシリコーンガス及び硫黄系ガスの双方を吸着するものである。
【0027】
このようなフィルタ部12は、第1フィルタ部12aと、第2フィルタ部12bとから構成されており、第1フィルタ部12aは、その全部が第2フィルタ部12bよりも開口部11b側に設けられている。
【0028】
第1フィルタ部12aは、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトの少なくとも1つから構成されており、シリコーンガス及び硫黄系ガスの双方に対して常温常湿環境下で良好な吸着性能を示すものである。
【0029】
第2フィルタ部12bは、パラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金(数wt%〜数十wt%)の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれかから構成されており、シリコーンガス及び硫黄系ガスの双方に対して高温高湿環境下で良好な吸着性能を示すものである。
【0030】
支持部材13は、フィルタ部12の下方からフィルタ部12を支持する部材であって、金網等により構成されている。
【0031】
なお、ガスセンサ1は、以下のように構成されていてもよい。図4図6は、本実施形態の第1〜第3変形例に係るガスセンサの断面図である。図4に示すように、第1変形例に係るガスセンサ2は、第1フィルタ部12aにより第2フィルタ部12bを挟み込む3層構造となっている。このため、第1フィルタ部12aは、その一部が第2フィルタ部12bよりも開口部11b側に設けられ、残部が第2フィルタ部12bよりもステム105側に設けられた状態となっている。
【0032】
また、図5に示すように、第2変形例に係るガスセンサ3は、第1フィルタ部12aが第2フィルタ部12bよりもステム105側に設けられた2層構造となっている。さらに、図6に示す第3変形例に係るガスセンサ4は、第1フィルタ部12a及び第2フィルタ部12bが混合されて1の吸着部材とされている。
【0033】
以上のような、本実施形態及び各変形例に係るガスセンサ1〜4によれば、検知対象ガスと共に開口部11bから被毒ガスであるシリコーンガス及び硫黄系ガスがケーシング11内に流入したとしても、常温常湿環境下においては第1フィルタ部12aにより吸着されてセンサ素子F1の触媒被毒の進行が抑制されることとなる。一方、高温高湿環境下においてはシリコーンガス及び硫黄系ガスが第2フィルタ部12bにより吸着される。このため、高温高湿環境下においてもセンサ素子F1の触媒被毒の進行が抑制されることとなる。さらに、本実施形態、及び第1変形例に係るガスセンサ1,2によれば、第1フィルタ部12aの全部又は一部は、第2フィルタ部12bよりも開口部11b側に設けられているため、双方の被毒ガスはまず第1フィルタ部12aにより吸着され、吸着しきれなかった微量の被毒ガスが第2フィルタ部12bにより吸着されることとなる。これにより、高温高湿環境下におけるフィルタ機能の低下を抑制できる。
【0034】
図7は、第1変形例に係るガスセンサ2と従来のガスセンサとのメタン感度劣化率を示すグラフである。なお、図7において第1変形例に係るガスセンサ2には、センサ素子F1のサイズが0.1ミリ程度であって比較的耐久性能が低いものを用いた。また、第1フィルタ部12aには活性炭を使用し、第2フィルタ部12bには白金を担持したセラミック担持体を使用した。一方、従来に係るガスセンサは、活性炭のみをフィルタとして用いた点を除き、第1変形例に係るガスセンサ2と同じものとした。
【0035】
図7に示すように、従来に係るガスセンサを、高温高湿環境下(温度35℃、湿度80%)に450日間通電状態で曝した結果、メタン感度は、100日で約20%劣化し、300日の時点では40%超劣化した。さらに、450日の時点では約50%劣化した。
【0036】
これに対して、第1変形例に係るガスセンサ2を、高温高湿環境下(温度35℃、湿度80%)に450日間通電状態で曝した結果、メタン感度は、100日で約10%超劣化し、300日の時点では20%超劣化した。さらに、450日の時点では約25%劣化した。
【0037】
このように、第1変形例に係るガスセンサ2は、従来のガスセンサを比較して約2倍の耐久性を有することが確認された。
【0038】
このようにして、本実施形態に係るガスセンサ用フィルタ10によれば、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトの少なくとも1つからなる第1フィルタ部12aと、パラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれかからなる第2フィルタ部12bと、を有するため、常温常湿環境下においてシリコーンガス及び硫黄系ガスの双方の被毒ガスが第1フィルタ部12aにより吸着されると共に、高温高湿環境下において第1フィルタ部12aの双方の被毒ガスの吸着性能が低下する際に双方の被毒ガスが第2フィルタ部12bにより吸着されることとなる。このため、常温常湿環境下から高温高湿環境下に亘ってセンサ素子F1が双方の被毒ガスから保護されることとなり、より的確にセンサ素子F1の触媒被毒を防止して小型素子を用いた場合においてもセンサ素子F1の耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、第1フィルタ部12aの全部又は一部は、第2フィルタ部12bよりも開口部側に設けられているため、双方の被毒ガスはまず第1フィルタ部12aにより吸着され、吸着しきれなかった微量の被毒ガスが第2フィルタ部12bにより吸着されることとなる。これにより、高温高湿環境下におけるフィルタ機能の低下を抑制でき、センサ素子F1の耐久性をより向上させることができる。
【0040】
また、第1フィルタ部12a及び第2フィルタ部12bとは、混合されて1の吸着部材とされているため、第1フィルタ部12a及び第2フィルタ部12bとを別部品で構成する場合と比較して部品点数を抑えることができ、且つ、フィルタ部12のケーシング11への取付工数の削減に寄与することができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係るガスセンサ1〜4によれば、上記ガスセンサ用フィルタ10と、ガスセンサ用フィルタ10のケーシング11内に収納されるセンサ素子F1とを備えたガスセンサ1〜4であるため、小型のセンサ素子F1が用いられていたとしても、確実に耐久性の向上をさせることができる。
【0042】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態においてセンサ用フィルタ10は、センサ素子F1及び参照素子F2の双方を収納しているが、これに限らず、センサ素子F1のみを収納する構成となっていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態においてセンサ素子F1は、基板103の上面から形成された凹部104に跨るダイアフラムD上に形成されているが、凹部は基板下面側から形成されてもよい。さらに、センサ素子F1は基板上に形成される小型素子に限られるものではない。
【0044】
また、第1フィルタ部12aは、活性炭、活性白土、メゾ多孔シリカ、アルミナ及びゼオライトのいずれか1つに限らず、2つ以上から構成されていてもよいし、第2フィルタ部12bについてもパラジウム又は白金の貴金属単体、並びにパラジウム及び白金の少なくとも一方を担持したセラミック担持体のいずれか1つに限らず、2つ以上から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1〜4…ガスセンサ
10…センサ用フィルタ
11…ケーシング
11a…天板
11b…開口部
12…フィルタ部
12a…第1フィルタ部
12b…第2フィルタ部
13…支持部材
101…発熱抵抗体
102…酸化触媒
103…基板
104…凹部
105…ステム
106…リード端子
107…ワイヤ
D…薄膜ダイアフラム
F1…センサ素子
F2…参照素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7