【実施例】
【0022】
図1に示すように、金属板11の一方の面に、立方晶窒化ホウ素層又は多結晶焼結ダイヤモンド層12を形成してなる板状素材13を準備する(準備工程)。
詳しくは、超硬円板等からなる金属板11の上面に、立方晶窒化ホウ素層又は多結晶焼結ダイヤモンド層12を積層してなる板状素材13を、適当な鋼板14に半田15で固定する。
【0023】
そして、鋼板14をワイヤカット放電加工機のテーブルに載せてクランパ16でクランプする。鋼板14は必須ではないが、板状素材13を直接クランプするよりは、鋼板14を介して抑える方がクランプが容易となる。なお、立方晶窒化ホウ素層又は多結晶焼結ダイヤモンド層12の厚さは0.5〜2.0mm、金属板11の厚さは5.0〜13.0mmである。
【0024】
次に、ワイヤカット放電加工機で外径が2.0mmを超えない円柱部を切り出す切り出し工程を、
図2、
図3に基づいて説明する。なお、板状素材13の縁19は曲線であるが、
図2、
図3では便宜的に直線とした。
【0025】
図2(a)に示すように、縁19に平行になるように、板状素材13にワイヤカット放電加工機のワイヤ18で第1溝21を入れ、更に縁19に直角に第2溝22を切り込む。以降の切り込み予定線を想像線で示す。この想像線のうち、円柱部の外周線の一部23を、ワイヤ18で切り込む。
図2(b)に示すように、円柱部の外周線の一部23の先端から円柱部の外周線の内部に進入するU字進入線24をワイヤ18で切り込む。
図2(c)に示すように、円柱部の外周線の残部25を、ワイヤ18で切り込む。
これで、
図2(d)の形態が得られる。
【0026】
図3(a)に示すように、縁19に平行に第1溝(
図2(a)、符号21)に相当する溝26を入れ、
図2(b)〜(d)を繰り返す。得られた溝21〜26で分離することで、
図3(b)に示すように、幹部28と円柱部29、29の形態が得られる。
図3(c)に示すように、円柱部29、29を幹部28から分離する。
図3(d)に示すように、円柱部29の外周に軸方向に延びるU溝状のクーラント通路31が形成されている。
【0027】
図4に示すように、円柱部29の外径より大きな径のシャンク32を準備する。このシャンク32には、中心からオフセットした位置に予めクーラント供給路33が設けられている。このクーラント供給路33とU溝状のクーラント通路31を合致させつつ、円柱部29の金属層34をシャンク32の一端にロー付けで固定する(一体化工程)。
【0028】
次に、
図5に示すように、円柱部29の非金属層(立方晶窒化ホウ素層又は多結晶焼結ダイヤモンド層)35に、レ断面の刃36を形成する(刃付け工程)。刃36の先がU溝状のクーラント通路31に干渉しない。結果、円柱部29の外周に軸方向に延びるU溝状のクーラント通路31を備えた微細工具37が得られる。円柱部29の外径は、2.0mm以下であり、このような微細工具37にクーラント通路31を設けることができた。
または、
図6に示すように、円柱部29の先端に、V断面の刃38を形成するようにしてもよい。
【0029】
次に、
本発明の実施例を説明する。
図7(a)に示すように、縁19に平行になるように、板状素材13にワイヤ18で第1溝21を入れ、更に縁19に直角に第2溝22を切り込む。以降の切り込み予定線を想像線で示す。この想像線のうち、円柱部の外周線の一部23を、ワイヤ18で切り込む。
図7(b)に示すように、円柱部の外周線の一部23の先端から円柱部の外周線の内部に進入するΩ字進入線41をワイヤ18で切り込む。
図7(c)に示すように、円柱部の外周線の残部25を、ワイヤ18で切り込む。
これで、
図7(d)の形態が得られる。
【0030】
図8(a)に示すように、縁19に平行に溝26を入れ、
図7(b)〜(d)を繰り返す。得られた溝21〜26、41で分離することで、
図8(b)に示すように、幹部28と円柱部29、29の形態が得られる。
図8(c)に示すように、円柱部29、29を幹部28から分離する。
図8(d)に示すように、円柱部29の中心に軸方向に延びるΩ字断面のクーラント通路42が形成されている。
【0031】
図9に示すように、円柱部29の外径より大きな径のシャンク32を準備する。このシャンク32には中心に予めクーラント供給路33が設けられている。このクーラント供給路33とΩ字断面のクーラント通路42を合致させつつ、円柱部29の金属層34をシャンク32の一端にロー付けで固定する(一体化工程)。
【0032】
次に、
図10に示すように、円柱部29の先端の両隅に、刃43、43を形成する(刃付け工程)。刃43、43がΩ字断面のクーラント通路42に干渉しない。結果、円柱部29の中心に軸方向に延びるΩ字断面のクーラント通路42を備えた微細工具
37が得られる。円柱部29の外径は、2.0mm以下であり、このような微細工具
37にクーラント通路42を設けることができた。
【0033】
なお、本発明の微細工具は、エンドミルの他、ドリルであってもよい。
【0034】
また、2.0mm以下である円柱部29の外径は、1.0mm以下、好ましくは0.5〜1.0mmの範囲であってもよい。すなわち、本発明は、外径が0.5〜1.0mmの超微細工具に適用することができる。結果、従来法ではクーラント通路を設けることが困難であった1.0mm以下の径の超微細工具に、本発明によりクーラント通路が形成可能となる。