(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サブパイロットループは、前記下流側の管路に接続される前記他端が、前記下流側の管路に設けられたベンチュリーの細管部に接続されることを特徴とする請求項1に記載のガス圧力調整装置。
前記サブパイロットループは、前記下流側に接続される前記他端が、前記下流側の管路の前記メインバルブ出力口近くに接続されることを特徴とする請求項1に記載のガス圧力調整装置。
【背景技術】
【0002】
例えば都市ガス等のガス供給においては、上流側輸送管(以下、「上流管」と称する)内を一次圧力(高圧・中圧)で運ばれるガスを予め設定されている二次側設定圧力に減圧して下流側輸送管(以下、「下流管」と称する)に供給するために、ガス圧力調整装置(ガスガバナ)が設けられている。
【0003】
従来のガスガバナは、
図10に示す通り、一般的に、上流から下流へのガスの量を調整するメインバルブ(ガバナ本体)11と、下流管13に接続されており下流側の圧力(以下「二次圧」と称する)P2の変化に応じてガバナ本体11を制御するパイロットガバナ21を備えている。パイロットガバナ21は二次圧P2が所定の基準動作制御圧Ps以下になると、メインバルブ(ガバナ本体)11を作動させて下流側にガスを供給するように設定されている。
このようなパイロットガバナ21を使用したガス圧力調整装置は、下流側の圧力変動に対する応答性を良くすると、アオリが発生し易くなり、アオリの発生を抑えると応答性が悪くなるという、相反する特性があった。
【0004】
ガス等の供給ライン中に設置されるガバナ等ではアオリを発生させてはならない。そのため、流量を確保しながらアオリが発生しないようにする方法としてパイロットガバナ21の大気ブリード用絞り22を十分に絞ることが考えられるが、この方法では二次圧P2
の低下に対応してガバナ本体を開く動作の応答性が著しく低下する。特にガス圧力調整装置が完全に停止した完全閉塞状態から下流管13側の使用が開始されて使用量が増えた場合、使用を開始して二次圧P2が低下した時点から実際にガバナ本体11が動作するまでに待ち時間が必要となるため、下流側の使用量と配管容量の関係如何によってはこの待ち時間内に二次圧低下が大きくなりすぎることもある。
【0005】
このように応答が遅れて二次圧P2が極端に低下する状態を避けるため、アオリの発生を抑制しつつ応答特性を良くするための先行技術として、
図11に示すような特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、メインパイロットガバナSBに加えて、サブパイロットガバナSCを設けている。サブパイロットガバナSCの下流管13側は、サブパイロットラインS28を介して、メインパイロットガバナSBを下流管13に接続するメインパイロットラインS26に接続されている。また、サブパイロットガバナSCの動作設定圧力はメインパイロットガバナSBよりも低く設定されている。このように構成して、メインパイロットガバナSBのアオリを抑制するように調整しつつ、二次圧P2が低下したときには、まずサブパイロットガバナSCが応答することによりの応答特性を良くしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のガスガバナにおいては、応答特性は良くなるものの、サブパイロットガバナSCが動作すると、サブパイロットガバナSCからサブパイロットラインS28及びメインパイロットラインS26を介して下流管13へガスが流れる。このガス流はメインパイロットラインS26に供給される二次圧P2に影響を与える。そのためサブパイロットガバナSCが動作を開始すると、下流管の二次圧P2をメインパイロットガバナSBに正確に伝えることができず、メインパイロットガバナSBの動作が不安定になるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、アオリの発生を抑制しつつ、迅速な応答特性を得ることができ、しかも安定して十分な流量を確保することのできるガス圧力調整装置(ガスガバナ)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るガス圧力調整装置は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、管路の途中に設置されて上流側から一次圧で輸送されてくるガスを二次圧に減圧して下流側に流すメインバルブと、
前記メインバルブの上流側の管路と下流側の管路とをリストリクタを介して接続するメインパイロットループと、
前記メインパイロットループ内の前記リストリクタの下流側に設けられて、前記二次圧が所定の基準動作制御圧以下になったときに、前記メインパイロットループを通過するガスの量を制御して、前記二次圧が一定となるように前記メインバルブを動作制御するメインパイロットガバナと、
一端が前記メインパイロットループの前記リストリクタと前記メインパイロットガバナの間に接続され、他端が前記下流側の管路に前記メインパイロットループとは異なる経路で接続されるサブパイロットループと、
前記サブパイロットループ内に設けられて、前記二次圧が前記基準動作制御圧よりも低い第2の基準圧となったときに、前記サブパイロットループ内を通過するガスの量を制御することにより前記メインバルブを動作制御するサブパイロットガバナとを備えることを特徴とする。
【0011】
また、下流管側にベンチュリーを設けて、サブパイロットループをベンチュリーの細管部に接続することにより、さらに応答性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
サブパイロットループの下流管への接続ポイントをメインパイロットループとは異なる位置とし、サブパイロットループをメインパイロットループとは異なる独立した別の経路とすることにより、サブパイロットガバナが動作してもメインパイロットガバナに影響を与えることがなく、安定した動作が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に係るガス圧力調整装置10について説明する。
図1は、本発明に係るガス圧力調整装置10の構成の一例を示す図であり、
図2は、メインバルブ(ガバナ本体)11の一例を模式的に示す図である。
図1のガス圧力調整装置10においては、
図10示した従来技術と同様の機能を有する部分は同じ番号を使用することとする。
【0015】
このガス圧力調整装置10は、管路の途中に設置されて上流側から一次圧P1で輸送されてくるガスを二次圧P2に減圧して下流側に流すメインバルブ11を有している。
本実施形態においてメインバルブ11として採用しているアキシャルフロー型ガバナは現在広く普及している。その概略構造は
図2に示すように、周面に多数のスリットを有する鼓型の一対のクロージャ16と該クロージャ16のスリットを塞ぐゴム製のスリーブ17とこれらを収納する円筒状のバルブボディ18を含み、バルブボディ18とスリーブ17との間の空間に制御圧Pcをかけることにより、鼓形状の一対のクロージャ16のスリットをスリーブ17で開閉させるようにしたものである。
【0016】
本発明のガス圧力調整装置10は、メインバルブ11を迂回するように上流管12と下流管13とが接続されるパイロットループが設けられている。パイロットループは、メインパイロットループ20とサブパイロットループ30から構成される。
【0017】
メインパイロットループ20及びサブパイロットループ30はいずれも、接続ポイントC1で上流側管路12に接続され、上流管側にリストリクタ14が設けられている。このリストリクタ14により、メインバルブ11を動作制御する制御圧Pcが発生される。リストリクタ14の出力側は下流側管路13の接続ポイントC
2において下流側管路13と接続されるメインパイロットループ20と、接続ポイントC
3において下流管路13に接続されるサブパイロットループ30の2つの経路に分かれている。
【0018】
メインパイロットループ20には、リストリクタ14と接続ポイントC2の間に、メインパイロットガバナ21が設けられており、サブパイロットループ30には、リストリクタ14と接続ポイントC3の間にサブパイロットガバナ31が設けられる。
【0019】
また、リストリクタ14の出力は、管路40を介してメインバルブ11に接続されており、制御圧Pcをメインバルブ11に供給する。二次圧P2が低下すると、サブパイロットガバナ31及びメインパイロットガバナ21が動作して制御圧Pcが下がり、制御圧Pcの低下に比例してメインバルブ11は開く。メインバルブ11が開くことにより、上流管12から下流管13にガスが供給される。
【0020】
メインパイロットガバナ21には、メインパイロットライン20を介して下流側の二次圧P2が供給される。メインパイロットガバナ21は、二次圧P2が、所定の基準動作制御圧Ps以下になると、内部に設けられたダイヤフラムに接続されたバルブが開くように、スプリング圧及び大気圧とを用いて調整されている。大気ブリード用絞り22は大気圧への開口の大きさを変化させる絞りであり、これによりメインパイロットガバナ21の応答感度を調整する。
【0021】
メインパイロットガバナ21の応答性を良くすると、メインバルブ11が一気に開き二次圧P2が急激に上がるため、メインパイロットガバナ21の開閉が繰り返されアオリが発生し易くなる。アオリの発生は安定制御の観点からガス圧力調整装置にとって極めて好ましくないため、多少応答性が悪くなってもアオリを抑制するように、メインパイロットガバナ21の大気ブリード用絞り22を調整しておく。
【0022】
サブパイロットガバナ31もメインパイロットガバナ21とほぼ同様の構造及び機能を有している。しかし、サブパイロットガバナ31では大気ブリード用絞りの機能は無くても良い。また、サブパイロットガバナ31は、メインパイロットガバナ21の立ち上がり応答性を補助するものであるため、メインパイロットガバナ21に比べて流量の小さいもので良い。例えば、サブパイロットガバナ31はメインパイロットガバナ21の1/3程度の流量のもので良い。
【0023】
サブパイロットガバナ31は、メインパイロットガバナの基準動作制御圧Psよりも高い動作制御圧Pssで動作するように調整されており、応答性も良い。また、サブパイロットガバナ31は流量が小さいので、制御圧Pcの低下が少なくアオリも発生し難い。
例えば、メインパイロットガバナの動作制御圧Psを2.2kPaに設定し、サブメインパイロットガバナの動作制御圧Pssを2.5kPa前後に設定することができる
【0024】
以上のように構成されたガス圧力調整装置10によれば、下流側の二次圧力P2が下がり、サブパイロットガバナの動作制御圧Pss以下になると、まずサブパイロットガバナ31が開き、ガスが上流管12からサブパイロットループ30を経由して下流管13に流れる。すると、リストリクタ14の下流側管路40の制御圧Pcが低下する。メインバルブ11の制御圧Pcが低下するとメインバルブ11が開き、上流管12から下流管13にガスが供給される。なお、流量の大きいサブパイロットガバナ31を用いた場合等、アオリを抑制する必要がある場合には、
図1に示すように、サブパイロットループ30の下流管13側に可変絞り23を設けるよう構成しても良い。可変絞り23を設けるか否かは任意である。
【0025】
サブパイロットガバナ31が開きしばらくすると、アオリを抑制するように大気ブリード用絞り22により応答性を抑えたメインパイロットガバナ21のバルブが開く。これによりメインバルブ11の制御圧Pcがさらに下がり、メインバルブ11から大量のガスが下流側に供給され、二次圧P2が所定の設定圧力(基準動作制御圧Ps)に調整される。
【0026】
図3を用いて説明する。
図3はメインバルブ11が閉塞している状態からガス圧力調整装置が動作した場合の二次圧力の変動を模式的に示すグラフである。(a)は、メインパイロットループ20のみでサブパイロットループ30の無い構成のガス圧力調整装置により調整した場合を示し、(b)は本発明の構成であるメインパイロットループ20及びサブパイロットループ30の双方を備える構成のガス圧力調整装置により調整した場合を示している。
【0027】
メインバルブ11が閉塞しており流量が“0”の状態では、ロックアップにより、基準動作制御圧Psよりも若干高くなっている。
図3(a)からわかる通り、サブパイロットループ30が無い場合には、アオリを抑制するために大気ブリード用絞り22を絞ってあるので応答性が遅く、下流側の使用量が多い場合には、二次圧P2が“0”になるまで落ちてしまう場合も起こり得る。
【0028】
これに対し、サブパイロットループ30がある場合、二次圧がサブパイロットガバナ31の動作制御圧Pssに落ちたらすぐにサブパイロットガバナ31が起動して、メインバルブ11の制御圧Pcが下がる。これにより、メインバルブ11が開くため、メインパイロットガバナ21がすぐに応答しなくても上流管12から下流管13にガスが供給される。そのため、二次圧P2が極端に下がることはない。またサブパイロットガバナ31が動作を開始してしばらくすると、遅れてメインパイロットガバナ21も起動するので、二次圧P2はすぐに所定の設定圧力(動作制御圧Ps)に調整され、アオリも発生しない。
【0029】
このようにサブパイロットループ30を設けることにより、メインパイロットガバナ21の応答性を落としてアオリを抑制しても、ガス圧力調整装置全体として、応答性を良くすることが可能となる。
また、メインパイロットループ20とサブパイロットループ30において、メインパイロットガバナ21とサブパイロットガバナ31から下流管13への接続経路を、それぞれ独立した異なる経路となるように構成している。そのため、サブパイロットガバナ31が動作しても、メインパイロットループ20へ供給される二次圧P2には影響を与えない。従って、メインパイロットガバナ21は、下流管13の実際の二次圧P2に応じて安定した制御動作行うことができる。
【0030】
図4は本発明の第2の実施形態を示し、
図5は第2の実施形態及びその他の実施形態における、サブパイロットループ30の下流管13への接続形態を示す模式図である。
【0031】
第2の実施形態においては、サブパイロットループ30の下流側管路13への接続位置C
3’を、下流管に設けたベンチュリーの細管部53に接続している。メインバルブ11が開いてガスが供給されると、下流管13にガスが流入するが、このときベンチュリー51の細管部53は二次圧P2よりも低くなるので、メインバルブ11が開いた直後のサプパイロットガバナ31の応答性がより良くなる。
【0032】
また、他の実施形態として、サブパイロットループ30の下流管13への接続位置を、メインバルブから下流管路への入り口近傍の管路が急激に広がる部分近傍C
3”に設けてもよい。このように構成することにより、メインバルブ11の出力側の細い管から広い下流管13にガスが流れ出る際の負圧がサブパイロットガバナ31の動作制御圧Pssに作用し、サブパイロットガバナ31の応答性を良くすることができる。
【0033】
図6−
図8に本発明にかかるガス圧力調整装置と従来の圧力調整装置による圧力調整時における二次圧P2と流量Qの動特性を比較したグラフである。
図6−
図8の(a)は、本発明の構成、すなわち
図1示すように、メインパイロットループ20の下流管側を下流管13の二次圧P2が安定した所C
2から分岐した整圧管に接続し、サブパイロットループ30の下流管側をメインパイロットループ30の接続位置C
2とは異なる下流管13の出口近傍の位置C
3に接続した構成(以下、「実施例1」と称する)のガス圧力調整装置のP2−Q動特性の測定結果を示している。
図6−
図8の(b)は、
図1のガス圧力調整装置のメインバイロットループ20の下流管側を実施例1と同様に整圧管に接続し、サブパイロットループ30の下流管側をメインパイロットループ20と同じ位置C
2である整圧管に接続した構成(以下、「比較例1」と称する)のP2−Q動特性の測定結果を示す。
図6−
図8の(c)はサブパイロットループ30を設けずにメインパイロットループだけで二次圧P2の調整を制御する構成のガス圧力調整装置のP2−Qの動特性の測定結果を示す(以下、「比較例2」と称する)。
【0034】
図6−
図8はそれぞれ、一次圧P1を0.2MPa、0.25MPa、及び0.3MPaに変化させた場合を示している。また、
図6−
図8のいずれの場合も流量Qは50m
3/hを流す場合を示している。
【0035】
図6−8からわかるように、本願発明のガス圧力調整装置10(実施例1)及び比較例1では、比較例2に比べるといずれの場合も比較的早く二次圧P2が安定する。これは、サブパイロットループを設けた効果である。
【0036】
また、
図6−
図8のグラフ(a)からわかるように、実施例1では、二次圧P2の過渡的な振動が収まった後は一次圧P1の如何に拘わらず、二次圧P2は安定した状態に維持される。これに対して、特にサブパイロットループ30を設けない構成(比較例2)のP2−Q動特性測定結果(c)では、調整開始時の過渡的な振動が収まった後も二次圧P2が上下に比較的大きく変動(振動)をしている(
図6−
図8の(c)参照)。
【0037】
サブパイロットループの下流端をメインループの下流端側に接続した構成(比較例1)の動特性(
図6−
図8の(b)参照)は、比較例2の構成(
図6−
図8の(c)参照)ほど顕著では無いものの、本願発明の実施例1の動特性(
図6−
図8の(a)参照)に比べて、二次圧P2が安定状態に移行した後の二次圧P2の上下振動が比較的大きく、実施例1に比べて安定性に欠けることがわかる。
初期の過渡的振動が収まった後はできるだけ安定していることが望ましく、このような上下振動幅(振幅)は、ほぼ0.1kPaが許容限界値であり、比較例1の動特性は限界ぎりぎりの振動値となっている(特に
図7、
図8の(b)参照)。
【0038】
また、
図7の動特性を見るとわかるように、一次圧P1が高くなると、比較例1、2では、本願発明の実施例の動特性(a)に比べて、メインバルブを閉じた直後の二次圧P2が大きく圧力上昇する。この二次圧P2の圧力上昇は小さいほど良いが、
図7に示す動特性では、実施例1に比較して比較例1、2では2倍ほど大きな圧力上昇があり、二次圧P2が安定するのに要する時間も2倍ほど長くかかり、実施例1に比べてかなり不安定であることがわかる。
【0039】
この現象(動特性)は、流量が少ない50m
3/h程度では、さほど顕著に表れないが、流量Qが多くなるほど、また一次圧P1が高くなるほど顕著に表れる。参考までに、流量を100m
3/hに増やしたときの動特性を
図9に示す。
図9の(a)−(c)は、流量Qを100m
3/hに増やし、一次圧P1をそれぞれ0.2MPa、0.25MPa、0.3MPaと増やした場合についての動特性を示している。
図9の(a)−(c)はいずれも左側に本願発明の実施例1の構成における動特性を示し、右側に比較例1の動特性を比較して示している。なお、
図9では、比較例2については示していないが、メインバルブ11を閉じたときに、比較例2も比較例1と同様またはそれ以上に二次圧P2が急激に圧力上昇している。
【0040】
図9からわかるように、流量Qを100m
3/hに増やすと、一次圧P1が0.2MPa、0.25MPa、0.3MPaのときのいずれも、メインバルブ11が閉じた直後の二次圧P2が、本願発明の実施例1と比較して2倍以上大きな圧力上昇がある。2次圧P2が安定するのに要する時間もそれに比例して約2倍程度の時間を要している。
【0041】
なお、比較例1のサブパイロットループ30の下流管側をメインパイロットループ20に接続した構成では、ときおり、メインバルブ11が開いていない状態でも、二次圧が常時変動することがある。この現象が
図7の(b)に顕著に表れている。これは、メインバルブ11がほぼ閉塞状態で僅かに1m
3/h程度の僅かな量のガスを上流管12から下流管13に流しているときに、二次圧P2がふらついて安定していない現象が起こっていることを示している。このようなふらつき現象は、本発明の構成、すなわち、サブパイロットループ30の下流管側とメインパイロットループ20の下流管側を独立した別経路とすることにより、完全になくなる(
図6−
図8の(a)及び
図9参照)。
【0042】
以上からわかるように、本発明によると、メインパイロットループ20とサブパイロットループ30の下流管側の接続をそれぞれ異なる位置C
2,C
3として、各ループ20,30をそれぞれ独立した異なる経路としたことにより、応答特性が良く、アオリが少なくかつ安定して二次圧P2を一定値に維持することができるガス圧力調整装置を提供することができることがわかる。
【0043】
また、下流管にベンチュリー51を設けて、サブパイロットループ30の下流管側をベンチュリー51の細管部に接続することにより、メインバルブ11弁開時の応答性をさらに向上させることが可能である。
【0044】
さらに、サブパイロットループ30の下流管側を、下流管のメインバルブ11の出力近傍に接続することにより、メインバルブ11弁開時の応答性を向上させることも可能である。