特許第6335837号(P6335837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335837
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】回転プレス機
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20180521BHJP
   B30B 3/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B30B11/08 Z
   B30B3/00 B
   B30B11/08 D
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-91805(P2015-91805)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2015-213959(P2015-213959A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】10 2014 106 405.4
(32)【優先日】2014年5月7日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2014 113 211.4
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513282331
【氏名又は名称】フェッテ・コンパクティング・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンタク・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(72)【発明者】
【氏名】ヤンケ・アネット
(72)【発明者】
【氏名】コルベ・スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ハムダン・アダム
【審査官】 貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−501724(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0042639(US,A1)
【文献】 特開2000−225495(JP,A)
【文献】 特開2009−269079(JP,A)
【文献】 特開平4−367398(JP,A)
【文献】 特開2009−248141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
B30B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスフレームおよびその上に配置されているロータ(16)を備え、前記ロータ(16)は、ダイプレート(18)を有し、複数の上部パンチを受ける上部パンチ受け器(20)を有し、複数の下部パンチを受ける下部パンチ受け器(22)を有し、前記上部パンチを案内する上部カム要素を支持する上部カム(24)を有し、前記下部パンチを案内するための下部カム要素を支持する下部カム(26)を有し、
ロータ駆動装置をさらに備え、これによって前記ロータ(16)が回転式に駆動可能であり、少なくとも1つの投与ステーションをさらに備え、圧縮材料が前記ダイプレート(18)の受け器に充填され、少なくとも1つの上部プレス・ローラ(35,36)を有する少なくとも1つの上部プレス・ステーションと、少なくとも1つの下部プレス・ローラ(37,38)を有する少なくとも1つの下部プレス・ステーションとをさらに備えた回転プレス機であって、
連結手段が備えられており、前記回転プレス機を作動するために使用される前記ロータの少なくとも1つの駆動装置が、前記少なくとも1つの駆動装置の移動によって、プレス加工品を製造するために占有されるその作動位置から除去位置に前記ロータ(16)が上昇するように、前記ロータ(16)に前記連結手段が連結可能であり、前記ロータ(16)を除去位置から前記プレスフレームの外に側方に除去することができ
前記回転プレス機を作動させるために使用される前記ロータ(16)に前記連結手段を介して連結可能な前記少なくとも1つの駆動装置が、少なくとも1つのプレス・ステーション駆動装置であり、前記少なくとも1つの上部プレス・ステーションおよび/または少なくとも1つの下部プレス・ステーションの高さを調整する役割をしており、
前記連結手段が、少なくとも1つのプッシュ要素を備え、前記少なくとも1つのプッシュ要素は、一方で少なくとも1つの下部プレス・ステーションの下部プレス・ローラ(37,38)を支持する少なくとも1つのフォーク・プレート(42)に取付けられ、他方で前記ロータ(16)に取付けられる
ことを特徴とする、回転プレス機。
【請求項2】
前記回転プレス機を作動させるために使用される前記ロータ(16)に前記連結手段を介して連結可能な前記少なくとも1つの駆動装置が、少なくとも1つの投与ステーション駆動装置であり、当該投与ステーション駆動装置が前記少なくとも1つの投与ステーションの高さを調整する役割をすることを特徴とする、請求項1に記載の回転プレス機。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプッシュ要素が、少なくとも1つのプッシュ・ブラケット(58)であることを特徴とする、請求項1に記載の回転プレス機。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプッシュ要素が、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションに着脱自在に取付けられ、および/または前記ロータ(16)に着脱自在に取付けられることを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の回転プレス機。
【請求項5】
前記回転プレス機が、一方で前記ロータ駆動装置に連結され他方で前記ロータ(16)に連結されるロータ軸(14)を備え、前記連結手段が、回転可能に前記ロータ軸(14)を包囲し、前記ロータ(16)に載置されている昇降カラー(68)を備え、前記昇降カラー(68)が回転することによって、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションと選択的に係合したり係合が外れたりするようになる少なくとも1つの係合要素が前記昇降カラー(68)に設けられており、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションと前記少なくとも1つの係合要素とを係合することによって、前記昇降カラー(68)および前記ロータ(16)が、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションの上昇移動によって上昇することを特徴とする、請求項1に記載の回転プレス機。
【請求項6】
前記連結手段が、回転可能に取付けられた昇降リング(71)を備え、前記昇降リング(71)の回転によって選択的に前記ロータ(16)と係合したり係合が外れたりすることができる少なくとも1つの係合要素が前記昇降リング(71)に設けられ、前記ロータ(16)と前記少なくとも1つの係合要素とを係合することによって、前記昇降リング(71)および前記ロータ(16)が、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションの移動によって上昇することを特徴とする、請求項1に記載の回転プレス機。
【請求項7】
前記連結手段が、一方で前記少なくとも1つの下部プレス・ステーション駆動装置に連結され、他方で前記ロータ(16)に連結されている少なくとも1つの昇降レバー(72)を備え、前記少なくとも1つの下部プレス・ステーションが前記少なくとも1つの下部プレス・ステーション駆動装置によって下向きに移動することで、前記ロータが(16)前記少なくとも1つの昇降レバー(72)によって上昇することを特徴とする、請求項1または請求項6に記載の回転プレス機。
【請求項8】
前記少なくとも1つの昇降レバー(72)が前記ロータ(16)を係合する少なくとも1つの要素を介して前記ロータ(16)に連結されていることを特徴とする、請求項7に記載の回転プレス機。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプレス・ステーション駆動装置が、スピンドル駆動装置であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の回転プレス機。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプレス・ステーション駆動装置のスピンドル(73)またはスピンドルナットが、前記少なくとも1つの昇降レバー(72)に連結されていることを特徴とする、請求項9に記載の回転プレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転プレス機に関し、プレスフレームおよびその上に配置されているロータを備える。ロータは、ダイプレートを有し、複数の上部パンチを受ける上部パンチ受け器を有し、複数の下部パンチを受ける下部パンチ受け器を有し、上部パンチを案内する上部カム要素を支持する上部カムを有し、下部パンチを案内する下部カム要素を支持する下部カムを有する。回転プレス機は、ロータ駆動装置をさらに備え、これによってロータが回転式に駆動可能であり、少なくとも1つの投与ステーションをさらに備え、ここで圧縮材料がダイプレートの受け器に充填され、少なくとも1つの上部プレス・ローラを有する少なくとも1つの上部プレス・ステーションと、少なくとも1つの下部プレス・ローラを有する少なくとも1つの下部プレス・ステーションとをさらに備える。
【背景技術】
【0002】
回転プレス機では、メンテナンスのため、または作動パラメータを変更するために、ロータをプレスフレームから取外すことが時には必要となる。この目的のために、ロータをロータ駆動装置に接続されているロータ軸から昇降させなければならない。そうして、ロータをプレスフレームから側方に取外すことができる。ロータを昇降させるために、従来技術では、ロータを昇降するのに適した駆動装置および変速機を有する個別の昇降装置(リフトトラック)を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、時間がかかり、回転プレス機の稼働率に影響を与える。さらに、追加の昇降装置を設けることは、コストがかかり、かつ、空間が必要となる。洗浄の可能性が制限され、例えば水圧を提供するために、備えて維持しなければならないさらなる媒体がある程度必要となる。
【0004】
したがって、従来技術に基づいて、本発明の目的は、上述のタイプの回転プレス機を提供することであり、従来技術と比較して簡単な方法でロータをプレスフレームから除去可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1の主題により本目的を達成する。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および図面に見られる。
【0006】
最初に指定されたタイプの回転プレス機として、本発明は以下の目的を解決する。すなわち、連結手段が備えられており、回転プレス機を作動させるために使用されるロータの少なくとも1つの駆動装置の移動によって、プレス加工品を製造するために占有されるその作動位置から除去位置にロータが上昇するように、回転プレス機を作動するために使用される回転プレス機の少なくとも1つの駆動装置が連結手段によってロータに連結可能であり、ロータを除去位置からプレスフレームの外に側方に除去することができる。
【0007】
ロータのダイプレートは、周知の方法で凹部を有し、投与ステーションで充填された粉末がこの中で加圧されて、プレス加工品、特にタブレットになる。ダイプレートは、リング状の切片(弓状)からなっていてもよく、あるいは一体的な環状形であってもよい。回転プレス機は、特に、ロータと共に回転する上部パンチ受け器に受容される複数の上部パンチと、ロータと共に回転する下部パンチ受け器に受容される複数の下部パンチとを含み、上部および下部パンチは、プレス加工品を製造するためにダイプレートの凹部と相互に作用する。特に、回転プレス機は、上部カムで保持される上部パンチを案内する上部カム要素と、下部カムで保持される下部パンチを案内する下部カム要素とを備える。
【0008】
本発明によると、連結手段が設けられており、これを介して、別の方法で存在し、回転プレス機を作動するのに使用される回転プレス機の駆動装置が、ロータをその除去位置に昇降させるのに使用可能である。連結手段は、この駆動装置をロータに接続する。除去位置では、ロータをロータ駆動装置に接続されているロータ軸から昇降させることができるので、例えば、適切な除去装置を使用して、ロータをプレスフレームから側方に除去することができる。しかし、ここでは、ロータを持ち上げるために除去装置によって持ち上げる力を作用させてはならない。したがって、この除去装置は、昇降駆動装置を必要としない。当然、すでに作動するために使用され存在する回転プレス機の駆動装置を使用して、連結手段によって、ロータをその除去位置からその作動位置に下降することもできる。このことは、さらなる構成部品を駆動装置に取り付けることなく行うことができる。
【0009】
回転プレス機の上部駆動装置および/または下部駆動装置は、ロータをそれぞれ上昇または下降させるのに使用可能である。特に有利な方法において、ロータを側方に除去するために、少なくとも必要となる待機位置への回転プレス機のステーションの移動を使用することが可能であり、それによって、結果としてさらに時間が節減され、それに伴い回転プレス機の稼働率が高まる。本発明によれば、個別の昇降装置の組立が省かれる。さらなる駆動装置部品が、プレス機の空間では不要になるので、洗浄が容易となる。さらに、追加の装置、特に外部の昇降装置のメンテナンスが省かれる。手動操作することなく完全に自動的にロータをその除去位置に移動することができるので、コストが低減し、操作が容易となる。
【0010】
1つの設計によると、連結手段によって回転プレス機を作動するロータに連結可能な少なくとも1つの駆動装置が、少なくとも1つの投与ステーション駆動装置であってもよく、少なくとも1つの投与ステーションの高さを調整する役割をする。
【0011】
ロータを除去するために、通常、上部プレス・ステーションが上方へ移動し、下部プレス・ステーションは下方に移動するので、ロータが上下のプレス・ローラ間でプレスフレームから除去可能である。したがって、特に有利な方法では、連結手段を介して回転プレス機を作動するロータに連結可能な少なくとも1つの駆動装置が、少なくとも1つのプレス・ステーション駆動装置であってもよく、少なくとも1つの上部および/または少なくとも1つの下部プレス・ステーションの高さを調整する役割をする。回転プレス機のプレス・ステーション駆動装置は、ロータを昇降するのに必要とされる力を加えることが可能である。プレス・ステーションがそのそれぞれの待機位置へ移動することは、少なくともロータを除去するのに必要であるが、除去位置にロータを上昇させるのにもまた有利に使用される。複数の上部または複数の下部のプレス・ステーション駆動装置で、特に、すべての上部プレス・ステーション駆動装置および/またはすべての下部プレス・ステーション駆動装置を、ロータを上昇(または下降)させる連結手段を介してロータに連結することができる。
【0015】
さらなる設計による連結手段は、一方で少なくとも1つの下部プレス・ステーションに、特に下部プレス・ローラを支持する少なくとも1つのフォーク・プレートに固締され、他方でロータに、特に下部カムまたはロータの下部パンチ受け器に固締される少なくとも1つのプッシュ要素を備えていてもよい。さらに、複数の下部プレス・ステーション駆動装置が存在する場合、少なくとも1つのプッシュ要素が各下部プレス・ステーション駆動装置に取付けられていてもよい。ついで、このプッシュ要素はすべてロータに取付けられる。この場合、プッシュ要素を介して上昇移動する下部プレス・ステーション駆動装置は、ロータをその除去位置に上方にも押圧する。少なくとも1つのプッシュ要素は、少なくとも1つのプッシュ・ブラケットであってもよい。このようなプッシュ・ブラケットを介して大きな力が安全に伝達される。
【0016】
順に、少なくとも1つのプッシュ要素を、少なくとも1つの下部プレス・ステーションに着脱自在に固締することができ、および/またはロータに着脱自在に固締することができる。
【0017】
代替として、回転プレス機が、一方でロータ駆動装置に連結され他方でロータに連結されるロータ軸を備えていてもよく、連結手段が、回転可能にロータ軸を包囲し、ロータに、特に下部カムまたはロータの下部パンチ受け器に載置されている昇降カラーを備え、昇降カラーの回転中に、少なくとも1つの下部プレス・ステーションと選択的に係合したり係合が外れたりするようになる少なくとも1つの係合要素が昇降カラーに設けられている。少なくとも1つの下部プレス・ステーションと少なくとも1つの係合要素とを係合することによって、昇降カラーおよびロータが、少なくとも1つの下部プレス・ステーションの上昇移動によって上昇する。昇降リングまたはそれぞれの昇降カラーを回転することによって、特に、下部駆動ローラを保持する下部プレス・ステーション駆動装置のフォーク・プレートの場合、複数の下部プレス・ステーション駆動装置で、係合要素またはおそらくは複数の係合要素が、すべての下部プレス・ステーション駆動装置と係合することができるようになる。
【0018】
さらなる設計によると、連結手段が回転可能に取付けられた昇降リングを備えていてもよく、昇降リングの回転によって、選択的にロータと係合したり係合が外れたりすることができる少なくとも1つの係合要素が設けられている。ロータと少なくとも1つの係合要素とを係合することによって、昇降リングおよびロータが、少なくとも1つの下部プレス・ステーションの移動によって上昇することができる。
【0019】
さらなる設計によると、連結手段が、一方で少なくとも1つの下部プレス・ステーション駆動装置に連結され、他方でロータに、特に下部カムまたは、ロータの下部パンチ受け器に連結されている少なくとも1つの昇降レバーを備え、少なくとも1つの下部プレス・ステーションが少なくとも1つの下部プレス・ステーション駆動装置によって下向きに移動することで、ロータが少なくとも1つの昇降レバーによって上昇する。順に、複数の下部プレス・ステーション駆動装置で、いずれの場合も、少なくとも1つの昇降レバーが各下部プレス・ステーション駆動装置に連結可能であり、特に、いずれの場合においても、下部プレス・ローラを保持する下部プレス・ステーション駆動装置のフォーク・プレートに連結可能である。ついで、順に、昇降レバーはすべてロータに連結される。この設計で、ロッカーの様式の昇降機構が昇降レバーを使用して実現可能である。下部プレス・ステーション駆動装置が待機位置まで下向きに移動することによって、ロータがその除去位置まで上昇する。昇降機構によって、プレス・ステーション側の短い移動路および短い移動時間を実現させる伝達率を達成することができる。例えば、少なくとも1つの昇降ロッドなどの、ロータ、特に下部カム、またはロータの下部パンチ受け器と係合する少なくとも1つの適した要素を介して、少なくとも1つの昇降レバーはロータに連結可能である。
【0020】
少なくとも1つのプレス・ステーション駆動装置は、スピンドル駆動装置であってもよい。スピンドル駆動装置は、正確な方法で大きな力を伝達することができる。これらは、一般的に、いずれの場合においてもスピンドルおよびスピンドルナットを有し、スピンドルまたはスピンドルナットは通常、電気モータによって回転駆動する。スピンドルまたはスピンドルナットは、それによって軸方向に移動する。ついで、昇降レバーは、いずれの場合においても軸方向に移動する構成部品に、したがって主軸またはそれぞれスピンドルナットに連結される。例えば、各下部プレス・ステーション駆動装置のスピンドルは、ついで昇降レバーを介して昇降機構を作動させ、ロータと係合し、ロータを上昇および下降させる。
【0021】
本発明の例示的実施形態を、図面を使用して、以下により詳細に説明する。図面は、以下のように概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の例示的実施形態による本発明の回転プレス機の部分斜視図である。
図2図2は、第2の例示的な実施形態による本発明の回転プレス機の部分透明斜視図である。
図3】第3の例示的な実施形態による本発明の回転プレス機の部分斜視図である。
図4】第4の例示的な実施形態による本発明の回転プレス機の部分拡大断面を備えた斜視図である。
図5】第5の例示的な実施形態による本発明の回転プレス機の部分拡大断面を備えた斜視図である。
図6】第6の例示的な実施形態による本発明の回転プレス機の部分透明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
同じ参照番号は、特に明記しない限り図において同じ対象物を示す。図1は、回転プレス機のプレスフレームの上部支持プレート10および下部支持プレート12を示す。回転プレス機のロータ16は、ロータ駆動装置に接続されているロータ軸14に配置されている。ロータ16は、ダイプレート18と、複数の上部パンチ(図示せず)を受ける上部パンチ受け器20と、複数の下部パンチ(また図示せず)を受ける下部パンチ受け器22とを備える。さらに、ロータ16が、上部パンチを案内する上部カム要素(図示せず)を支える上部カム24と、下部パンチを案内する下部カム要素(図示せず)を支える下部カム26とを備える。
【0024】
回転プレス機は、2組の上部プレス・ステーションと、2組の下部プレス・ステーションとをさらに備える。2つの上部プレス・ステーションはそれぞれ、上部予プレス・ガイド・ハウジング28を有する上部予プレス・ステーションを備える。2つの下部プレス・ステーションのそれぞれは、下部予プレス・ガイド・ハウジング30を有する下部予プレス・ステーションを備える。さらに、上部プレス・ステーションはそれぞれ、上部主プレス・ステーション・ガイド・ハウジング32を備えた上部主プレス・ステーションを有する。2つの下部プレス・ステーションは同様に、下部主プレス・ステーション・ガイド・ハウジング34を備えた下部主プレス・ステーションを有する。上部プレス・ステーションのそれぞれが、上部予プレス・ローラ35および上部主プレス・ローラ36をさらに備える。したがって、下部プレス・ステーションのそれぞれは、下部予プレス・ローラ37および下部主プレス・ローラ38を有する。プレス・ローラ35、36、37、38は、上部フォーク・プレート40または下部フォーク・プレート42によってそれぞれ保持される。このような回転プレス機の設計は、周知である。
【0025】
図1に示すように、引張棒44は、一端が上部プレス・ローラ36を支持するフォーク・プレート40に、他端がロータ16の上部カム24に取付けられている。したがって、合計で4本の引張棒44が設けられており、そのうち2本のみが図1において視認可能になっている。回転プレス機の上部および下部プレス・ステーションは、上部および下部プレス・ステーション駆動装置を備え、図2において視認可能な上部および下部駆動モータ46、48をそれぞれ備える。駆動装置モータ46、48は、歯車50、52を介して上部または下部プレス・ステーションに作用する。明確にするために、プレス・ステーション駆動装置を図1および図3から図5には示していない。上部または下部プレス・ステーションは、それぞれ、上部および下部プレス・ステーション駆動装置を介して、周知のように上下に移動可能である。図1は、ロータ16のその作動位置を示し、プレス加工品を製造する。ロータ16は、この時、引張棒44を介して上部プレス・ステーション駆動装置および上部プレス・ステーションの上昇移動によって、その除去位置に上昇可能である。ロータ16は、例えば除去装置によってプレスフレームから側方に除去可能である。ロータを除去するのに十分な空間を得るために、下部プレス・ステーションは、それらのプレス・ステーション駆動装置によって同時に待機位置まで下方へ移動することができる。したがって、簡単な方法で、この場合の上部プレス・ステーション駆動装置のそれらの待機位置への上昇移動が、ロータ16をその除去位置に同時に上昇させるために用いられる。
【0026】
図2は、本発明による回転プレス機のさらなる例示的実施形態を示し、図2に示す回転プレス機は、大部分が図1に示す回転プレス機に対応している。図2に示す回転プレス機が図1に示す回転プレス機と異なるのは、単に、上部カム24に取付けられている引張棒44の代わりに、引張棒54が設けられ、それぞれがその一方で上部プレス・ステーションの上部フォーク・プレート40に取付けられ、他方で上部カム24の中央支持用取付け部品56に取付けられている点だけである。この支持用取付け部品56は、例えばマッシュルーム状に形成されてもよく、除去位置にあるロータをプレスフレームから側方に除去する除去装置を係合する役割をする。このようなマッシュルーム状の取付け部品56は、図3にて視認可能である。取付け部品56は、すべての例示的実施形態に備えられていてもよい。さらに、図2の実施例に示すロータ16は、図1ですでに説明したように、上部プレス・ステーション駆動装置の上昇移動によってその除去位置に上昇している。
【0027】
図3は、本発明による回転プレス機のさらなる例示的実施形態を示す。この場合、上部支持プレート10および上部プレス・ステーションを説明の便宜上示していない。さらにまた、図3に示す例実施形態は、大部分が図1の例実施形態に対応している。図1の上部プレス・ステーションに接続されている引張棒44の代わりに、図3の例示的実施形態では、合計で4個のプッシュ・ブラケット58が設けられており、いずれの場合も、一方で下部プレス・ステーションの予プレス・ガイド・ハウジング30および主プレス・ガイド・ハウジング34に取付けられており、他方で、ロータ16、特に下部パンチ受け器22の底面と係合する。下部プレス・ステーション、特に、予プレス・ガイド・ハウジング30および主プレス・ガイド・ハウジング34の移動によって、プッシュ・ブラケット58を介して、ロータ16は、その作動位置からその除去位置に移動可能である。
【0028】
図4は、本発明による回転プレス機のさらなる例示的実施形態を示し、図3の例示的実施形態と大部分が対応している。図3のように、上部支持プレート10および上部プレス・ステーションは、説明の便宜上示していない。図4に示す例示的実施形態によって、昇降リング60が下部支持プレート12に回転可能に取り付けらており、複数の昇降ロッド62を介してロータ16の下部カム26と係合する。ここに示す実施例では、4本の係合ロッド64が昇降リング60に旋回可能に取付けられており、係合ロッド64は昇降リング60の表面を始点に上向きに延び、その自由端で外方に角度をつけられている。特に図4の拡大説明図66に示すように、係合ロッド64は、適したピボット回転によって下部プレス・ステーションのフォーク・プレート42と係合するようになり、特に、係合ロッド64は、フォーク・プレート42の上面にわたって旋回可能である。このような係合設定において、下部プレス・ステーションが下部プレス・ステーション駆動装置を介して上方へ移動すると、下部プレス・ステーションが係合ロッド64を介して昇降リング60とともに動き、係合ロッド64は昇降ロッド62を介して順にロータ16をその除去位置に上昇させる。係合ロッド64は、対応する戻りのピボット回転によって下部プレス・ステーションのフォーク・プレート42との係合から外れるようになる。
【0029】
図5は、この代替案を示す。この例示的実施形態は、図4に示される例示的実施形態と大部分が対応している。しかし、図4と比べると、昇降ロッド62および係合ロッド64を有する昇降リング60がなく、手動で、あるいは適した駆動装置によって回転可能なロータ軸14を包囲する昇降カラー68がある。示される実施例の昇降カラー68は、4つの係合ブラケット70を有し、昇降カラー68の上面を始点として外方に延びる。図5に示されるように、再び拡大断面説明図66において、係合ブラケット70は、昇降カラー68の適した回転によって、特に図4の例示的実施形態に備わる係合ロッドと類似の方法でフォーク・プレート42の上面を覆うように、下部プレス・ステーションのフォーク・プレート42と係合するようになる。図4の例示的実施形態に類似し、上昇移動によって、下部プレス・ステーションは、係合ブラケット70を介して、昇降カラー68とともにロータ16を除去位置に移動させる。
【0030】
図6は、さらなる例示的実施形態を示し、ここでも、図4に示す例示的実施形態と大部分が対応している。図4の例示的実施形態に比べて、この例示的実施形態では、回転可能な昇降リング71がある。昇降リング71は、手動および適した駆動装置の両方によって回転可能である。図6の例示的実施形態では、昇降レバー72は、一方で下部プレス・ステーションに、他方でロータ16に連結されている。ここに示した例では、いずれの場合においても、下部プレス・ステーションのスピンドル駆動装置のスピンドル73が、昇降レバー72の1つと一端で係合し、スピンドル73および昇降レバー72は関節方式で共に連結されている。また、昇降レバー72の他端は、いずれの場合においても回転可能な昇降リング71に作用する昇降ロッド74に関節方式で接続されている。昇降リング71を回転することによって、選択的にロータ16と係合したりロータ16との係合が外れたりする。図6の例示的実施形態では、下部プレス・ステーション駆動装置、特にスピンドル73や昇降リング71の下向き移動によって、かつロータ16との適切な係合によって、ロータ16が昇降レバー72および昇降ロッド74を介してその除去位置まで上向きに移動する。
【0031】
理解されるのは、すべての例示的実施形態では、ロータがその作動位置からその除去位置に上昇可能であり、かつその除去位置からその作動位置に下降可能なことである。プレス・ステーション駆動装置とロータとの間の上述のすべての連結手段を回転プレス機に恒久的に、あるいは一時的に、したがって着脱可能に設けることができるので、連結手段が回転プレス機のロータの昇降のためにのみ設置される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6