特許第6335897号(P6335897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335897
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ロータリバルブ用バルブアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/06 20060101AFI20180521BHJP
   F16K 31/122 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F15B15/06 C
   F16K31/122
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-525454(P2015-525454)
(86)(22)【出願日】2013年7月23日
(65)【公表番号】特表2015-523527(P2015-523527A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013051579
(87)【国際公開番号】WO2014022144
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】13/563,217
(32)【優先日】2012年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, トレントン フランク
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−158203(JP,U)
【文献】 特公昭45−018357(JP,B1)
【文献】 特開昭47−020583(JP,A)
【文献】 特開昭61−084403(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102005012164(DE,A1)
【文献】 米国特許第02468943(US,A)
【文献】 特開2010−071309(JP,A)
【文献】 実開昭49−114391(JP,U)
【文献】 旧東ドイツ国経済特許第026813(DD,A1)
【文献】 米国特許第03183792(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/00−15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブシャフトの回転によって流量制御部材が開くおよび/または閉じるように配設された前記流量制御部材および前記バルブシャフトを備えるロータリバルブと、
前記バルブシャフトを回転させるように配設されたバルブアクチュエータと、を備えるバルブ組立体であって、前記バルブアクチュエータが、
内側ハウジングを有するハウジングであって、前記内側ハウジングが前記ハウジングを貫通する孔を画定し、前記孔が第1の軸を有する、ハウジングと、
前記内側ハウジングと摺動可能に係合し、前記孔内に配置されるピストンであって、前記ピストンは、第1の位置と第2の位置との間で前記第1の軸に沿って摺動可能であり、前記内側ハウジングは、前記ピストンが前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記第1の軸に沿って摺動するにつれて、前記ピストンの回転運動を制御するように配設される、ピストンと、
第2の軸を画定し、前記孔内に配置されるアクチュエータロッドであって、前記ピストンを貫通して延在し、前記バルブシャフトに結合する、アクチュエータロッドと、を備え、
前記第1の位置と前記第2の位置との間の第1の軸に沿う前記ピストンの軸方向運動により、前記アクチュエータロッドが前記バルブシャフトを回転させて、それによって前記流量制御部材を開くおよび/または閉
(i) 前記孔は第1の軸に沿って長方形形状を有し、前記ピストンが孔の断面形状に相補的な周縁を有し、前記アクチュエータロッドが第2の軸に沿って螺旋形状を有し、前記ピストンは、アクチュエータロッドの螺旋形状に係合する螺旋状のねじれ角度を有する開口部を有し
又は(ii) 前記ハウジングは環状壁を含み、孔の外周は、環状壁の内側ハウジング面の長手方向に沿う第1の軸の周りに孔の角部がねじれるように、三角形の形状を有し、前記ピストンは孔の外周の三角形の形状に相補的である周縁部を有し、前記ピストンは第1の軸に沿って並進して回転し、アクチュエータロッドはピストンと共に回転する、バルブ組立体。
【請求項2】
前記孔が長方形形状を有し、前記ピストンが回転せずに第1の軸に沿って平行移動し、前記アクチュエータロッドが前記ピストンに対して回転する、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項3】
前記孔が長方形形状を有し、前記アクチュエータロッドが前記ピストン内の開口部を貫通して延在し、前記開口部の螺旋状のねじれ角度が前記ピストンの第1の側に第1の半径方向角度位置と、前記ピストンの第2の側に第2の半径方向角度位置とを有する、請求項1又は2に記載のバルブ組立体。
【請求項4】
前記孔が第1の軸に沿って螺旋形状を有する、請求項に記載のバルブ組立体。
【請求項5】
前記孔の外周縁は三角形を有し、前記アクチュエータロッドは、前記ピストンが前記アクチュエータロッドと共に移動するにつれて前記ピストンに対して回転可能に固定される、請求項に記載のバルブ組立体。
【請求項6】
内側ハウジングを有するアクチュエータハウジングであって、内側ハウジングが前記アクチュエータハウジングを貫通する孔を画定し、前記孔が第1の長手軸を画定する、アクチュエータハウジングと、
前記内側ハウジングと摺動可能に係合し、前記孔内に配置されるピストンであって、前記ピストンは、第1の位置と第2の位置との間で前記孔の前記第1の長手軸に沿って摺動可能であり、前記内側ハウジングは、前記ピストンが前記第1の位置と第2の位置との間で前記第1の長手軸に沿って摺動するにつれて、前記ピストンの回転運動を制御するように配設される、ピストンと、
第2の長手軸を有し、前記孔内に配置されるアクチュエータロッドであって、前記ピストンを貫通して延在し、ロータリバルブのバルブシャフトに結合するように配設され、前記ピストンが前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記アクチュエータロッドに沿って摺動する、アクチュエータロッドと、を備え、
前記ピストンおよび前記アクチュエータロッドが、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記孔に沿う前記ピストンの軸方向運動が前記アクチュエータロッドを前記第2の長手軸を中心として回転させるように配設され、
(i) 前記孔は第1の長手軸に沿って長方形形状を有し、前記ピストンが孔の長方形形状に相補的な長方形の周縁を有し、前記アクチュエータロッドが第2の長手軸に沿って螺旋形状を有し、前記ピストンは、アクチュエータロッドに係合する角度を有する開口部を有し
又は(ii) 前記アクチュエータハウジングは環状壁を含み、孔の外周は、環状壁の長手方向に沿う第1の長手軸の周りに螺旋構成を有するように、三角形の形状を有し、前記ピストンは孔の外周の三角形の形状に相補的である周縁部を有し、前記ピストンは第1の長手軸に沿って並進して回転し、アクチュエータロッドはピストンと共に回転する、バルブアクチュエータ。
【請求項7】
前記孔が長方形形状を有し、前記ピストンが前記第1の長手軸に沿って平行移動するにつれて、前記アクチュエータロッドが前記ピストンに対して回転する、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項8】
前記アクチュエータロッドが前記螺旋形状を有し、前記ピストンの開口部が螺旋状のねじれ角度を有して、前記アクチュエータロッドの前記螺旋形状と係合して、前記ピストンが前記第1の位置と第2の位置との間で摺動するにつれて前記アクチュエータロッドを回転させる、請求項6又は7に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項9】
前記アクチュエータロッドがロッド断面を有し、前記ピストンのねじれ角度を有する前記開口部が前記ロッド断面に相補的に成形され、前記ねじれ角度を有する開口部が前記ピストンの第1の側で前記第2の長手軸に対して第1の角度方向に整合され、前記ねじれ角度を有する開口部が前記ピストンの第2の側で前記第2の長手軸に対して第2の角度方向に整合される、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項10】
前記孔が長方形形状を有し、前記孔は前記第1の長手軸に直角である面内に外周を有し、前記ピストンが回転せずに前記第1の長手軸に沿って平行移動する、請求項6〜9のいずれかに記載のバルブアクチュエータ。
【請求項11】
前記ピストンが、前記ピストンの第1の側の第1のチャンバーと前記第1の側の反対である前記ピストンの第2の側の第2のチャンバーとに前記孔を分割し、前記第1および第2のチャンバーの各々は囲まれて、前記ピストンが第1の位置と第2の位置との間を移動するにつれて体積を変化させ、前記第1のチャンバー内に開く第1の流体ポート、および前記第2のチャンバー内に開く第2の流体ポートをさらに備え、前記流体ポートは、少なくとも1つの加圧空気源に連係可能に接続されるように配設され、前記第1または第2のチャンバー内に選択的に空気を注入して前記ピストンを前記アクチュエータロッドに沿って互いの反対方向に選択的に動かす、請求項6〜10のいずれかに記載のバルブアクチュエータ。
【請求項12】
前記ピストンが、前記ピストンの第1の側の第1のチャンバーと前記第1の側の反対である前記ピストンの第2の側の第2のチャンバーとに前記孔を分割し、前記第1および第2のチャンバーの各々は囲まれて、前記ピストンが前記第1の長手軸に沿って移動するにつれて体積を変化させ、前記第1のチャンバー内に開く第1の流体ポート、および前記第2のチャンバー内に配置されたスプリングをさらに備え、前記スプリングは前記ピストンを前記第1のチャンバーに向かって付勢するように配設され、前記第1の流体ポートは、加圧空気源に連係可能に接続されるように配設され、前記第1のチャンバー内に空気を注入して前記ピストンを前記第2のチャンバーに向かって動かす、請求項6〜10のいずれかに記載のバルブアクチュエータ。
【請求項13】
前記孔の外周縁は三角形を有し、前記ピストンが前記第1の長手軸に沿って移動するにつれて、前記ピストンが前記アクチュエータハウジングに対して回転する、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項14】
前記孔の外周縁は三角形を有し、前記ピストンが前記第1の長手軸に沿って移動するにつれて、前記アクチュエータロッドが前記ピストンに対して回転する、請求項6又は13に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項15】
前記孔の外周縁は三角形を有し、かつ前記孔が前記第1の長手軸に沿って螺旋形状を有するように成形される、請求項6、13又は14に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項16】
バルブアクチュエータによるバルブシャフトの回転が流量制御部材を開くおよび/または閉じるように配設された前記流量制御部材および前記バルブシャフトを備えるロータリバルブの流量制御部材を開くおよび/または閉じる方法であって、
前記バルブアクチュエータが、軸を中心とした孔であって、非円形軸方向断面周辺を有する、孔を形成する、ハウジングと、
前記孔内に配置され、前記孔の周縁に相補的な外周縁を有するピストンであって、第1の位置から第2の位置へ前記孔の前記軸に沿って平行移動するピストンと、前記孔内に配置されて前記ピストンを貫通して延在して前記バルブシャフトに連係可能に結合するアクチュエータロッドと、を備え、前記孔および前記アクチュエータロッドの少なくとも1つが前記軸に沿う前記ピストンの軸方向運動に応じて前記アクチュエータを回転させるように配設された螺旋形状を有し、
(i) 前記孔は軸に沿って長方形形状を有し、前記アクチュエータロッドが螺旋形状を有し、前記ピストンは、アクチュエータロッドの螺旋形状に係合する角度を有する開口部を有し
又は(ii) 前記ハウジングは環状壁を含み、孔の外周縁は、孔の角部が環状壁の長手方向に沿う軸の周りに螺旋構成を有するように、三角形の形状を有し、前記ピストンは孔の外周の三角形の形状に相補的である周縁部を有し、
前記方法が、
前記軸に沿って第1の方向に前記ピストンを付勢するステップと、
前記第1の方向の前記ピストンの運動に応じて第1の角度方向に前記アクチュエータロッドおよび前記バルブシャフトを回転させるステップと、
前記第1の角度方向の前記バルブシャフトの前記回転に応じて前記流量制御部材を開くステップと、を含む、方法。
【請求項17】
前記第1の方向と反対の前記軸に沿う第2の方向に前記ピストンを付勢するステップと、
前記第2の方向の前記ピストンの前記運動に応じて第2の角度方向に前記アクチュエータロッドおよび前記バルブシャフトを回転させるステップと、
前記第2の角度方向の前記バルブシャフトの前記回転に応じて前記流量制御部材を閉じるステップと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記孔は第1の軸に沿って長方形形状を有し、前記ピストンは前記孔の断面形状と相補的な周縁を有し、前記アクチュエータロッドは第2の軸に沿って螺旋形状を有し、前記ピストンは、アクチュエータロッドの螺旋形状に係合する螺旋状のねじれ角度を有する開口部を有する、請求項1に記載のバルブ組立体
【請求項19】
前記ハウジングは環状壁を含み、孔の外周は、環状壁の内側ハウジング面の長手方向に沿う第1の軸の周りに孔の角部がねじれるように、三角形の形状を有し、前記ピストンは孔の外周の三角形の形状に相補的である周縁部を有し、前記ピストンは第1の軸に沿って並進して回転し、アクチュエータロッドはピストンと共に回転する、請求項1に記載のバルブ組立体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にロータリバルブのためのバルブ組立体およびバルブアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
大部分のバルブは、2つの主要な一般的な類型、リニアバルブおよびロータリバルブに分類できる。リニアバルブは、直線的経路に沿ってバルブシャフトを動かし、それによりバルブ本体内で流量制御部材を前後に動かすことによって開閉される流量制御部材を有する。ロータリバルブは、バルブ本体内で流量制御部材を回転させることによって開閉される流量制御部材に接続されたバルブシャフトを有する。
【0003】
多くのバルブアクチュエータは、直線的または軸方向運動を生成する駆動機構を有する。いくつかの駆動機構の代表的実施例は、油圧または空気圧ピストン、ダイヤフラムアクチュエータ、およびベローズを含む。したがって、直線駆動機構を備えたアクチュエータを使用してロータリバルブを作動させるために、アクチュエータの軸方向運動を、流量制御部材を開閉するために必要な回転運動に変換する連結システムを備えることが一般的である。
【0004】
1つの広く知られている例示的なバルブアクチュエータは、図1に概略的に示され、スプリングおよびダイヤフラム空気圧アクチュエータである。バルブアクチュエータ10は、柔軟なダイヤフラム組立体18によって2つの隔室14、16に分割されたアクチュエータハウジング12を含む。硬いダイヤフラム板20は、柔軟なダイヤフラムおよびアクチュエータロッド22に接続され、スプリング24はダイヤフラム板を第1の方向に付勢させる。空気はスプリング24と反対の隔室14内に選択的に注入され、第1の方向と反対の第2の方向の軸方向にダイヤフラム18とアクチュエータロッド22を駆動する。アクチュエータロッド22の軸方向運動をロータリバルブ28の流量制御部材26を開閉するために必要な回転運動に変換するために、レバー連結30はバルブシャフト32をアクチュエータロッド22に接続する。レバー連結30は、アクチュエータロッド22の軸方向運動をバルブシャフト32の必要な回転運動に変換する。
【0005】
別の広く知られている例示的なバルブアクチュエータ40は、図2に概略的に示され、アクチュエータ駆動機構(図示せず)とバルブシャフト32との間にラック・ピニオン連結を有する。既知の駆動機構によって生成される軸方向運動は、ピニオンギア44を通過するラックギア42の運動によって流量制御部材26を開閉するための回転運動に変換される。
【0006】
上記の既知のバルブアクチュエータ10、40の各々は、ロータリバルブを適切に開閉するが、該アクチュエータのハウジングは多くの場合嵩張り、および/または該バルブの近傍に比較的大きな空間量を必要とする。しかしながら、製油所、発電所、または化学処理プラントなどの多くの産業環境において、空間は多くの場合非常に制限される。
【発明の概要】
【0007】
1つの例示的態様によれば、バルブ組立体は、バルブシャフトの回転が流量制御部材を開くおよび/または閉じるように配設された流量制御部材およびバルブシャフトを有するロータリバルブを備える。バルブアクチュエータは、バルブシャフトを回転させるように配設される。バルブアクチュエータは、ハウジングを貫通する孔を画定する内側ハウジング隔壁を有するハウジングと、内側ハウジング隔壁に摺動可能に係合して該孔内に配置されたピストンを含む。該孔は第1の軸を有する。ピストンは、第1の位置と第2の位置との間で第1の軸に沿って摺動することができる。内側ハウジング隔壁は、ピストンが第1の位置と第2の位置との間で該孔の第1の軸に沿って摺動するにつれて、ピストンの回転運動を制御するように配設される。第2の軸を画定するアクチュエータロッドは、該孔内に配置される。アクチュエータロッドは、ピストンを貫通して延在し、バルブシャフトに結合する。第1の位置と第2の位置との間の第1の軸に沿うピストンの軸方向運動は、アクチュエータロッドを回転させて流量制御部材を開くおよび/または閉じる。
【0008】
別の例示的態様によれば、バルブアクチュエータは、シリンダを貫通する孔を画定する内側ハウジング隔壁を有するシリンダを含む。該孔は第1の長手軸を画定する。内側ハウジング隔壁に摺動可能に係合するピストンは、該孔内に配置される。ピストンは、第1の位置と第2の位置との間で第1の長手軸に沿って摺動可能である。ピストンが第1の位置と第2の位置との間で第1の長手軸に沿って摺動するにつれて、内側ハウジング隔壁はピストンの回転運動を制御するように配設される。アクチュエータロッドは、該孔内に配置される。アクチュエータロッドは、第2の長手軸を有する。アクチュエータロッドは、ピストンを貫通して延在し、ロータリバルブのバルブシャフトに結合するように配設される。ピストンは、第1の位置と第2の位置との間でアクチュエータロッドに沿って摺動するように配設される。第1の位置と第2の位置との間で該孔に沿うピストンの軸方向運動は、第2の長手軸を中心としてアクチュエータロッドを回転させる。
【0009】
さらなる例示的態様によれば、ロータリバルブの流量制御部材を開くおよび/または閉じる方法が開示される。ロータリバルブは、バルブアクチュエータによるバルブシャフトの回転が流量制御部材を開くおよび/または閉じるように配設された流量制御部材およびバルブシャフトを有する。バルブアクチュエータは、軸を中心とした非円形軸方向断面周囲を有する孔を形成するハウジングと、該孔に相補的であり、該孔内に配置されたピストンであって、第1の位置から第2の位置へ該孔の軸に沿って平行移動する、ピストンと、該孔内に配置されて該ピストンを貫通して延在するアクチュエータロッドであって、バルブシャフトに連係可能に結合する、アクチュエータロッドとを備える。該孔およびアクチュエータロッドのうちの少なくとも1つは、該軸に沿うピストンの軸方向運動に応じてアクチュエータロッドを回転させるように配設された螺旋形状を有する。本方法は、該軸に沿う第1の方向にピストンを付勢するステップと、第1の方向のピストンの運動に応じて第1の角度方向にアクチュエータロッドおよびバルブシャフトを回転させるステップと、第1の角度方向のバルブシャフトの回転に応じて流量制御部材を開くステップと、第1の方向と反対の該軸に沿う第2の方向にピストンを付勢するステップと、第2の方向のピストンの運動に応じて第2の角度方向にアクチュエータロッドおよびバルブシャフトを回転させるステップと、第2の角度方向のバルブシャフトの回転に応じて流量制御部材を閉じるステップとを含む。
【0010】
さらに任意の1つ以上の前述の例示的態様によれば、バルブ組立体、バルブアクチュエータ、および/または方法は、さらに任意の1つ以上の以下の好ましい形態を任意で含むことができる。
【0011】
いくつかの好ましい形態では、該孔は管形状を有することができる。ピストンは、回転せずに第1の長手軸に沿って平行移動することができる。アクチュエータロッドは、ピストンが第1の長手軸に沿って平行移動するにつれて、ピストンに対して回転することができる。アクチュエータロッドは、螺旋形状を有することができる。アクチュエータロッドは、ピストン内の開口部を貫通して延在することができ、該開口部は、ピストンの第1の側の第1の半径方向角度位置およびピストンの第2の側の第2の半径方向角度位置を有する。該開口部は、ピストンが第1の位置と第2の位置との間で摺動するにつれて該ロッドを回転させることができる。
【0012】
いくつかの好ましい形態では、管状孔は第1の長手軸に直角である面内に非円形の外周を有することができる。該孔の外周は、3つの角部を有することができ、概して三角形であり得る。他の望ましい形態では、該孔の外周は、4つの角部を有することができ、概して長方形または正方形であり得る。ピストンは、該管状孔の外周に相補的である概して三角形、長方形、または正方形の環状縁を有することができる。
【0013】
いくつかの好ましい形態では、アクチュエータロッドは非円形のロッド断面を有することができる。ピストンの開口部は、該ロッド断面に対して相補的に成形することができる。該開口部は、ピストンの第1の側の第2の長手軸に対して第1の角度方向に位置合わせることができる。該開口部は、ピストンの第2の側の第2の長手軸に対して第2の角度方向に位置合わせることができる。
【0014】
いくつかの好ましい形態では、該孔は螺旋形状を有することができる。ピストンは、該長手軸に沿って平行移動して回転することができる。アクチュエータロッドは、該ロッドがピストンと共に回転するようにアクチュエータロッドに沿ってピストンが移動するにつれて、ピストンに対して回転可能に固定することができる。内側ハウジング隔壁は、該長手軸に沿って該孔の螺旋形状を画定するように成形された非円形軸方向断面内周を有することができる。
【0015】
いくつかの好ましい形態では、ピストンは、ピストンの第1の側の第1のチャンバーと第1の側の反対のピストンの第2の側の第2のチャンバーとに該孔を分割する。第1および第2のチャンバーの各々は囲まれて、ピストンがストロークに沿って移動するにつれて、体積を変化させることができる。第1の流体ポートは第1のチャンバー内に開くことができる。第2の流体ポートは第2のチャンバー内に開くことができる。該流体ポートは、少なくとも1つの加圧空気源に連係可能に接続され、第1および/または第2のチャンバーのいずれかまたは両方に空気を選択的に注入してアクチュエータロッドに沿って互いの反対方向にピストンを選択的に動かすように配設することができる。スプリングは第2のチャンバー内に配置することができる。該スプリングは、ピストンを第1のチャンバーに向かって付勢するように配設され、第1の流体ポートは、第1のチャンバー内に空気を注入してピストンを第2のチャンバーに向かって動かすように加圧空気源に連係可能に接続することができる。
【0016】
他の様態および形態は、以下の詳細な説明を考慮することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術によるロータリバルブおよびバルブアクチュエータの切取図である。
図2】別の従来技術のロータリバルブ用バルブアクチュエータの切取図である。
図3】本発明のいくつかの様態によるバルブアクチュエータを備えたロータリバルブの部分切取等角図である。
図4図3の線4−4に沿う本開示の原理によるバルブおよびバルブアクチュエータの部分断面の側面図である。
図5図3のバルブアクチュエータの分解組立図である。
図6】本開示の追加の様態による別のバルブアクチュエータおよびロータリバルブの部分断面の側面図である。
図7A図6のアクチュエータバルブの線7−7に沿う部分切取図であり、図7Aは第1の位置にあるピストンを示す。
図7B図6のアクチュエータバルブの線7−7に沿う部分切取図であり、図7Bは第2の位置にあるピストンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3図5を参照すると、バルブ組立体50は、ロータリバルブ52およびロータリバルブに連係可能に結合されてバルブを開位置と閉位置との間で回転させるように配設されたバルブアクチュエータ54を含む。ロータリバルブ52は、当技術分野で理解できる様式でバルブ入口とバルブ出口との間に流路を画定するバルブ本体58内に配置された、ディスクまたはボールなどの流量制御装置56を含む。バルブシャフト60は、流量制御装置56に接続され、適当なバルブパッキング、ボンネット等を介してバルブ本体58の外に上方に延在する。(上、下、左、右等の全て方向修飾語句は、図面の参照で理解を容易にするために使用されるが、本開示の範囲を限定しない。)バルブシャフト60は、直線状のロッドなどの細長いシャフトの形態であり、軸と、流量制御装置56に接続された第1の端部と、バルブパッキングの外側に延在する第2の端部を有する。したがって、当技術分野で理解されているように、バルブシャフト60および流量制御装置56をバルブシャフト60の軸を中心として時計回りなどの第1の方向に回転させることにより、バルブ本体58内の流路を開くことができ、該軸を中心として反対方向にバルブシャフト60および流量制御装置56を通常90度回転させることにより、該流路を閉じることができる。
【0019】
バルブアクチュエータ54は、アクチュエータハウジング74の孔72内に配置されて軸方向に該孔を通って上下に平行移動で摺動するように配設されたピストン70を含む。バルブアクチュエータ54は、ピストン70の直線的軸運動をバルブシャフト60の回転運動に変換するように配設される。螺旋状のアクチュエータロッド76は、孔72の軸78に沿い、ピストン70を貫通する中央に位置する開口部80を貫通して延在する。螺旋状のアクチュエータロッド76は、該アクチュエータロッドの回転を十分に可能にすると共にバルブシャフト60を回転させ、および/または流量制御装置56を開くおよび/または閉じるように任意の様式でバルブシャフト60に結合される。好ましくは、螺旋状のアクチュエータロッド76の軸79は、該孔の軸78に位置合わせられ、および/または同軸である。ピストン70は、孔72に沿って摺動すると同時に、螺旋状のアクチュエータロッド76に沿って軸方向に上下に摺動するように配設される。好ましくは、孔72に沿うピストン70の軸方向運動が軸79および/または軸78を中心として螺旋状のアクチュエータロッド76を回転させて、流量制御装置56を開くおよび/または閉じるように、ピストン70、孔72、および螺旋状のアクチュエータロッド76が配設される。
【0020】
アクチュエータハウジング74は、孔72を画定するハウジング隔壁82を有する。ピストン70が軸78および/または79に沿って平行移動で動くにつれて、所望により、ピストン70の軸方向回転を回転させるか、または回転させないかのいずれかに制御するために十分な任意の様式で、ハウジング隔壁82および孔72は成形される。好ましい配設では、孔72は非円形の断面84を有する。図3〜5に示す実施形態において、ハウジング隔壁82は、細長い正方形または長方形の管状孔を画定するが、以下にさらに詳細に説明するように、軸78および/または79を中心としたピストン70の回転運動をハウジング隔壁82が制御する限り、本開示の原理に従って、三角形、楕円形、月形、クローバー形、星形などの他の非円形の形状の孔も使用することができる。
【0021】
ピストン70は、孔72の断面形状に対して相補的である周縁86を有する。図示された配設では、ピストン70は、ピストン70が孔72全体に完全にまたがるように、長方形の外側の周縁86を有し、周縁86はハウジング隔壁82の内側断面周囲全体に密封的に係合する。
【0022】
図5で最もよくわかるように、一実施形態では、ピストン70は、ハウジング隔壁82に対して密閉する外側シール90、開口部80を画定してアクチュエータロッド76を密閉的に囲む内側シール92、内側シール92および外側シール90を受け取るコア94、およびピストンコアに取り付けられてピストンコア94上の適所に外側シール90および内側シール92を保持するカバー板96を含む。外側シール90は、ピストン70とハウジング隔壁82との間に液密シールを形成して、以下で説明される上側および/または下側チャンバー120、122内の圧力を封じ込める。外側シール90は、ピストンの外側の周縁86を囲む。外側シール90は、例えばOリングであってもよく、任意で平坦なストリップまたはバンドの形態を有することができる。カバー板96はピストンの第1の側98を画定し、ピストンコア94は第1の側と反対のピストンの第2の側100を画定し、外側シール90と内側シール92は、クランプ留めによって、または機械的固定具を使用してそれらの間に挟まれて保持される。以下に説明する理由によって、開口部80は、好ましくはピストン70を貫通して延在して軸78および/または79に沿う螺旋状のねじりを含む孔を画定し、その結果、開口部80は、ピストンの第1の側98を通る軸79に対して第1の半径方向角度整合、およびピストンの第2の側100を通る軸79に対して第2の半径方向角度整合を有し、第2の半径方向角度整合は、軸79に直角である面内で第1の半径方向角度整合から角度に関してオフセットされる。好ましくは、開口部80は、第1の側98から第2の側100に約1°〜15°の螺旋状の角度のねじれを有する長方形などの細長いスロットの形態である。カバー板96は、ねじ、ボルト、溶接、接着剤などの任意の簡便な機構によってピストンコア94に取り付けることができる。
【0023】
螺旋状のアクチュエータロッド76は、好ましくはスパイラル形状の、軸78に沿うねじり形状を有する。図示された配設では、螺旋状のアクチュエータロッド76は、軸78に沿う幅と厚みおよび長さを備えた長方形の軸方向断面を有する長方形のバーの形態であり、該バーの長方形の断面は、該バーの対向する上側、下側端部間で約90度の角度だけ、その長さに沿ってねじれており、したがってスパイラルまたは螺旋状の形状を形成する。スタッド102、104は、好ましくは螺旋状のアクチュエータロッド76の対向する端部から突出する円筒状のセクションの形態である。スタッド102は、アクチュエータハウジング74の上部端部を覆う上側板106内の軸孔105a内に回転可能に配置され、スタッド104は、アクチュエータハウジング74の底部端部に配置された下側板108内の軸孔105b内に回転可能に配置される。軸78を中心としたアクチュエータロッド76の容易な回転を促進するために、必要に応じてスタッド102、104に、および/または軸孔105a、105b内にブッシングおよび/またはベアリングを搭載してもよい。スタッド102、104は、アクチュエータロッド76の軸79、および好ましくは孔72の軸78と整合する。スタッド104は、好ましくはバルブシャフト60の正方形の端部を受け取る正方形のソケット110(図4で最もよくわかる)などのバルブシャフト60に直接に取り付けられるコネクタを含み、その結果、バルブシャフト60は、螺旋状のアクチュエータロッド76の回転によって回転する。しかしながら、螺旋状のアクチュエータロッド76は、他のおよび/または追加のコネクタによってバルブシャフト60に動作可能に接続してもよい。
【0024】
上側および下側板106、108は、孔72のそれぞれの上側または下側端部を完全に覆い、好ましくはそれらの上に圧力シールを形成する。上側または下側板106、108は、ハウジング隔壁82と一体化していてもよい、またはボルト、溶接および/または接着などの固定具によってハウジング隔壁82に取り外し可能に取り付けてもよい。
【0025】
ピストン70は、孔72を上側チャンバー120と下側チャンバー122とに分割する。チャンバー120、122の各々は、ピストン70が軸78に沿うそのストロークに沿う螺旋状のアクチュエータロッド76に沿って摺動するにつれて体積を変化させ、好ましくは実質的に密閉されて流体圧力を蓄積してピストン70に作用させることを可能にする。上側チャンバー120は、該ピストンの第1の側98に隣接して部分的に画定され、下側チャンバー122は、該ピストンの第2の側100に隣接して部分的に画定される。ピストン70が上側板106に隣接する第1の位置へ上方に動くにつれて、上側チャンバー120の体積は減少して下側チャンバー122の体積は増加する。ピストン70が下側板108に隣接する第2の位置へ下方に動くにつれて、下側チャンバー122の体積が続いて減少して上側チャンバー120の体積が増加する。
【0026】
ピストン70の運動を軸78に沿って上および/下に作動させるために、流体ポート124は上側板106を貫通して上側チャンバー120に流体連通し、流体ポート126はハウジング隔壁82を貫通して下側チャンバー122に流体連通する。流体ポート124、126の各々は、Iowa、MarshalltownのFisher Controls International LLC が提供するFIEDVUE(商標登録)デジタルバルブ制御装置などのフィールド装置(図示せず)によって生成される空気供給ラインなどの加圧供給ライン128a、128bに連係可能に接続される。供給ライン128、128bは、圧力空気などの加圧流体をそれぞれの上側および下側チャンバー120、122内に駆動する。ピストン70を第1の位置に上方に動かすためには、供給ライン128bが下側チャンバー122内に加圧流体を注入すると共に、流体ポート124を介して上側チャンバー120内の流体を排出する、これにより、ピストン70を上側板106に向かって上方に押し動かす。ピストン70を下側板108に隣接する第2の位置に下方に動かすためには、供給ライン128aが上側チャンバー120内に流体ポート124を介して加圧流体を注入すると共に、流体ポート126の外に流体を同時に排出する、これによりピストン70を下側板108に向かって下方に押し動かす。
【0027】
図4に示すように、ピストン70を上側板106に向かうなどの少なくとも1つの方向に付勢させるためにスプリング130が任意で使用される。スプリング130は好ましくは下側チャンバー122内などの孔72内に配置されて、ピストン70および下側板108などの対向するシリンダヘッドを押圧する。他の配設では、スプリング130は、圧縮力ではなくて収縮力を提供するように配設される。スプリング130の他の付勢配設もまた本開示の全般的な原理内で使用することができる。
【0028】
ピストン70がその摺動ストロークに沿う孔72の軸78に沿って平行移動で動くにつれて、開口部80と螺旋状のアクチュエータロッド76の螺旋形状との間の係合によって、螺旋状のアクチュエータロッド76は軸78および/または79を中心として回転する。ピストン70が下側板106に向かって動くにつれて、螺旋状のアクチュエータロッド76、バルブシャフト60、および流量制御装置56は全て第1の方向に回転し、ピストン70がシリンダヘッド108に向かって孔72の軸78に沿う該ストロークに沿って動く、または摺動する時、螺旋状のアクチュエータロッド76、バルブシャフト60、および流量制御装置56はその反対方向に回転する。したがって、従来技術のレバー連結やギア連結を使用せず、バルブアクチュエータ54は、アクチュエータハウジング74に沿うピストン70のストロークの形態である該アクチュエータの直線的運動を、流量制御装置56を開くおよび/または閉じるために必要な回転運動に変換するので、貴重な空間を節約できる。
【0029】
図6図7Bは、本開示の追加の原理を組み入れた別のバルブ組立体150を示す。バルブ組立体150はバルブアクチュエータ154に連係可能に結合するロータリバルブ152を含み、バルブアクチュエータ154はロータリバルブ52を開閉するように配設される。ロータリバルブ152は、ディスクまたはボールなどの流量制御装置156と、流量制御装置156に取り付けられてバルブパッキング158を介して上方に延在するバルブシャフト157を含む。ロータリバルブ152は他に入口164と出口166との間に延在する流路162を画定するバルブ本体160を含み、流量制御装置156は、流路162を横切って配置され、流路162内の回転によって開くおよび/または閉じる。1つの配設では、バルブ152は実質的にバルブ52と同一である。
【0030】
バルブアクチュエータ154は、バルブパッキング158およびバルブシャフト157の真上に配置される。バルブアクチュエータ154は、ハウジング172の底部に接続されてボルトなどの固定具176によってバルブパッキングに取り付けられたフランジ174の手段によってバルブパッキング158に取り付けられたハウジング172内に配置されたピストン170を含む。バルブアクチュエータ154は、ピストン170の直線的軸方向運動をバルブシャフト157の回転運動に変換するように配設される。ハウジング172は、ハウジング隔壁178の上端を覆う上側ハウジング板182まで軸180に沿ってフランジ174から上方に延在する管状隔壁の形態であるハウジング隔壁178をさらに含む。ハウジング隔壁178は軸180と同軸整合する孔184を画定し、ピストン170は、孔184内の軸180に沿って、シリンダヘッド182に隣接する上部位置とフランジ174またはハウジング隔壁178の底部端部を横切って配置される任意の下側ハウジング板186に隣接する底部位置との間のストローク長を上下に平行移動で摺動する。
【0031】
バルブアクチュエータ54と同様に、ピストン170は孔184を上側チャンバー190と下側チャンバー192とに分割し、該ピストンの第1の側194は上側チャンバー190および上側ハウジング板182に面し、該ピストンの第2の側196は下側チャンバー192と下側ハウジング板186に面する。ストローク中、該孔内でシリンダヘッド182またはシリンダヘッド186に向かってピストン170が動くにつれて、上側チャンバー190および下側チャンバー192の各々の体積が変化する。好ましい配設では、ピストン170は、カバー板とピストンコアとの間に挟まれた、ハウジング隔壁178に密閉的に係合する外側シール、および孔184内で軸180に沿って延在するアクチュエータロッド200に密閉的に係合する内側シールを含み、全ては前述したピストン70と同様である。
【0032】
アクチュエータロッド200は、ピストン170が孔184内で軸180に沿って上および/または下などにそのストロークに沿って動くにつれて、軸180を中心として回転するように配設される。図7A〜7Bで最もよくわかるように、孔184は、例えば図で示されるように3つの丸められた、また尖った角部204a、204b、204cを有する概して三角形である外周202、または例えば本明細書で前述したように任意の他の非円形の外周を備えた非円形の軸方向断面形状、即ち軸180に対して直角である断面平面内の形状を有する。ピストン170は、孔184の外周202に相補的であって、好ましくはピストン170とピストン170の全周にわたるハウジング隔壁178との間に液密シールを形成する周縁206を有する。しかしながら、バルブアクチュエータ54と異なり、ハウジング隔壁178は施条がつけられて、角部204a、204b、204cおよび外周202の断面形状全体がシリンダヘッド182とシリンダヘッド186との間のハウジング隔壁178の長さに沿う軸180を中心としてねじれ、これにより、スパイラルなどの螺旋形状として孔184を形成する。この配設では、角部204a〜cはハウジング隔壁178の半径方向の内面に沿って延在する螺旋状の溝を形成する。該溝はアングルドフライトの形態を有することもできる。該螺旋形状は、好ましくはハウジング隔壁178の対向する端部間の軸180を中心として約90度の角度で通ることができる。したがって、ピストン170が孔184内の軸180に沿って上または下に平行移動するにつれて、ピストン170は同時にハウジング隔壁178の螺旋形状に沿って軸180を中心として回転する。
【0033】
アクチュエータロッド200は図で示されるように三角形状などの非円形の軸方向断面形状を有し、かつピストン170はアクチュエータロッド200の断面形状に相補的である、例えば三角形状などの内側シールの中央部分を貫通する開口部210を有する。ピストン170は、アクチュエータロッド200に沿って軸方向に摺動するように配設される。したがって、ピストン170が孔184内で軸方向に上または下に平行移動し、かつ軸180を中心として回転するにつれて、ピストン170は同時に軸180を中心としてアクチュエータロッド200を回転させる。1つの配設では、アクチュエータロッド200の底部端部は、本明細書で前述したように例えばプラグおよびソケット接続、または任意の他の適当なコネクタなどを使用してバルブシャフト157に連係可能に結合され、その結果、アクチュエータロッド200の回転がバルブシャフト157も回転させて流量制御装置156を開および閉位置間で回転させる。例えば図7Aで示されるように、シリンダヘッド182に隣接するストロークの上部では、ピストン170は軸180に対して第1の角度位置にあり、7Bで示されるように、該ストロークの底部では、該ピストンは、軸180に対して、好ましくは第1の角度位置から90度回転した第2の角度位置にある。
【0034】
ピストン170は、空気圧または油圧、またはスプリングなどの、任意の十分な様式によって孔184内で軸方向に前後に付勢することができる。図6の図示された配設では、バルブアクチュエータ154は、上側チャンバー190または下側チャンバー192に与えられる例えば空気圧または油圧などの、加圧流体によって作動するように配設される。したがって、例えばニップルなどの流体ポート212a、212bは、上側チャンバー190および下側チャンバー192の各々内に導かれる。前述したように、流体ポート212aは上側チャンバー190内に導かれて加圧流体に接続されるように構成され、その結果、加圧流体は、流体ポート212aを介して上側チャンバー190内に注入されて下側ハウジング板186に向かってピストン170を軸180に沿って下に押し動かすことができる。同様に流体ポート212bは、下側チャンバー192に接続されて例えばコンプレッサなどの加圧流体源に接続されるように構成され、かつ流体212bを介して注入される加圧流体が下側チャンバー192に入って上側板182に向かってピストン170を軸180に沿って上に付勢するように配設される。したがって、ピストン170は、流体ポート212aまたは流体ポート212bを介して加圧流体を選択的に注入することにより、軸180に沿ういずれかの方向に選択的に作動させることができ、したがって、流量制御装置156を回転させてロータリバルブ152を開くおよび/または閉じることができる。
【0035】
本明細書で詳細に説明したバルブアクチュエータ54、154の各々は、以下に添付した特許請求項に記載された本開示の1つ以上の原理の例示である。いくつかの配設では、バルブアクチュエータ54、154は、ロータリバルブ用アクチュエータで以前に使用されたギア式またはレバー式連結を任意で除去でき、したがって、いくつかの配設では、以前の既知のバルブアクチュエータよりも単純かつよりコンパクトにすることができる。いくつかの配設では、本バルブアクチュエータは、よりコンパクトであるロータリバルブ用バルブアクチュエータを有利に提供することができ、および/または他の類型のバルブアクチュエータよりも必要とする空間を少なくすることができる。もちろん、他の用途、利点、および利益は、当業者に明らかであるように以下にさらに詳細に説明する装置から、さらにまたは代替的に実現されてもよい。
【0036】
本明細書で開示されたバルブおよびバルブアクチュエータに対する多くの変更は、以上の説明の観点から当業者には明らかである。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を作成して使用することおよび本発明を実施する最良の形態を教示することを可能にする目的のために提供される。添付の特許請求項の範囲内の全ての変更に対する排他的権利を保有している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B