特許第6335900号(P6335900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335900環状流量制御部材を持つ軸方向流体バルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335900
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】環状流量制御部材を持つ軸方向流体バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/12 20060101AFI20180521BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20180521BHJP
   F16K 31/53 20060101ALI20180521BHJP
   F16K 1/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F16K1/12 A
   F16K31/44 C
   F16K31/53
   F16K1/00 Q
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-529884(P2015-529884)
(86)(22)【出願日】2013年8月26日
(65)【公表番号】特表2015-526675(P2015-526675A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013056560
(87)【国際公開番号】WO2014035855
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】13/595,140
(32)【優先日】2012年8月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャーデ, ロス アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム, ダレン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ベル, ジェイコブ ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】プラサパジングヘ, ドゥミンドゥ ガヤン
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−530846(JP,A)
【文献】 特表2000−514163(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0183044(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01371885(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0035462(US,A1)
【文献】 国際公開第98/055784(WO,A1)
【文献】 実開平07−044560(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00− 1/54
F16K 31/44−31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口との間に通路を画定する軸流バルブ本体と、
前記バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、開放位置と閉鎖位置の間の前記通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動であり、第1の端部と第2の端部を有し、前記長手方向軸は第2の端部に形成された開口に垂直に延びたスリーブと、
前記スリーブを運動させて、前記スリーブを通る前記入口と前記出口との間の流体の流量を変化させるように、前記スリーブに動作可能に接続されたリンケージまたはギアと、
前記スリーブの第2の端部内にて、前記通路の長手方向軸に実質的に平行な方向に沿って延びる複数の開孔を備え、
前記スリーブが開放位置にあるときに、流体は前記複数の開孔と、前記複数の開孔以外の箇所であるスリーブの第2の端部から流れ出る、装置。
【請求項2】
前記リンケージまたは前記ギアに連結されたアクチュエータであって、前記リンケージまたは前記ギアを介して前記スリーブを運動させる、アクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータが線形アクチュエータであり、前記スリーブが沿って運動する軸に対して実質的に直角な方向に前記アクチュエータのステムを運動させるように位置付けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記アクチュエータが線形アクチュエータであり、前記スリーブが沿って運動する軸からずれていて、かつこれに対して実質的に平行な軸に沿って前記アクチュエータのステムを運動させるように位置付けられる、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記スリーブの第2の端部と係合するように前記通路内に配置された封止をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記スリーブが、前記ギアと係合するように、前記スリーブの外側壁上に複数の歯を備える、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記スリーブの外側壁と前記バルブ本体との間に連結されたバネをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
入口と出口との間に通路を画定する軸流バルブ本体と、
前記バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、開放位置と閉鎖位置の間の前記通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動である環状流量制御部材であって、第1の端部と第2の端部を有し、前記長手方向軸は第2の端部に形成された開口に垂直に延びた環状流量制御部材を備え、
該流量制御部材が開放位置にあるとき、流体の流れが、前記流量制御部材を通過することができ、
前記流量制御部材は更に、第2の端部に軸方向に配列された複数のスロットを備え、前記流量制御部材が開放位置にあるときに、流体流れは軸方向に配列された複数のスロットを通ることができる、装置。
【請求項9】
前記流量制御部材を運動させて、前記入口と前記出口との間の前記流体の流量を変化させるように、前記流量制御部材に動作可能に接続されたアクチュエータをさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータと、前記流量制御部材とに対して枢動可能に取り付けられたリンクをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータが線形アクチュエータであり、前記流量制御部材が沿って運動する軸に対して実質的に直角な方向に前記アクチュエータのステムを運動させるように位置付けられる、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記アクチュエータが、前記流量制御部材が沿って運動する前記軸からずれていて、かつこれに対して実質的に平行な軸に沿って位置付けられる、請求項9〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記流量制御部材の端部と係合するように前記通路内に配置された封止をさらに備える、請求項8〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記封止が前記出口に隣接する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記流量制御部材の外面と前記バルブ本体との間に連結された封止をさらに備える、請求項8〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
入口と出口との間に通路を画定する軸流バルブ本体と、
前記バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、開放位置と閉鎖位置の間の前記通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動であり、第1の端部と第2の端部を有し、前記長手方向軸は第2の端部に形成された開口に垂直に延び、更に第2の端部に軸方向に配列された複数のスロットを備えたスリーブと、
前記入口と前記出口との間での流体の流量を変化させるために、前記スリーブを前記通路内で運動させる手段と、を備え、
前記スリーブが開放位置にあるときに、流体流れは前記スリーブの第2の端部と軸方向に配列された複数のスロットから流れ出ることができる、装置。
【請求項17】
前記バルブ本体が、前記入口と前記出口との間に単一構造を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記通路、前記入口、および前記出口が、前記スリーブが沿って運動する前記軸に沿って実質的に整列される、請求項16又は17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には軸方向流体バルブに関し、より具体的には、環状流量制御部材を有する軸方向流体バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
流体制御バルブ(例えば、滑りステムバルブ、グローブバルブ、回転バルブ、バタフライバルブ、ボールバルブなど)は、プロセス流体流量を制御するためにプロセス制御システムで用いられており、一般的には、バルブの動作を自動化するために、アクチュエータ(例えば、回転アクチュエータ、線形アクチュエータなど)を含む。これらの流体制御バルブの一部は、多くの応用分野で効果的であるとはいえ、トレードオフを伴う。例えば、バタフライバルブは、効率的な様式で大流量を制御するために用いられ得るが、大きくない精度しか可能でなく、内部の封止の寿命および温度範囲は、しばしば限られている。グローブバルブは、一方、一般的には剛性のトリムおよび精密な制御を提供するが、しばしば、所与の管サイズに対してより低い流量を提供する。
【0003】
管内バルブまたは軸方向流体制御バルブは、上記の流体制御バルブに対する代替物である。軸方向バルブの1つの恩典は、それがグローブバルブスタイルトリムを組み込んでおり、したがって、それにより利点が提供されることである。具体的には、軸方向バルブでは、このトリムは流体流路に対して方位付けして、効率を増大させ、雑音および乱流によるエネルギー損失を軽減し得る。アクチュエータの出力シャフトは、通常は、ラックオンラック、ラックアンドピニオン、または類似のギアセンブリを介して軸方向バルブのバルブ本体内の流量制御部材(例えば、プラグに)に接続される。アクチュエータは、開放位置と閉鎖位置との間のシートリングに対してバルブ本体内の流量制御部材を移動させて、バルブを通る流体の流れを許容または防止する。
【0004】
しかしながら、多くの周知の軸方向流体バルブはそれでも、乱流によるかなりの混乱およびエネルギー損失無しで流体の流量を制御するのに問題を示す。これらの周知の軸方向流体バルブは、流体の流路内のアクチュエータおよびトランスミッションをしばしば利用し、その結果、軸方向流体バルブ中で乱流を増大させるという制約を生じる。さらに、これらの軸方向流体バルブの多くが、起動および封止(例えば、ガスケット、パッキン、封止リング)の問題を示す。流体流路内のアクチュエータおよびトランスミッションは、内部のギアおよび他の起動用構成要素を加圧されたプロセス流体から保護するために、多くの封止およびガスケットを必要とする。例えば、外部に搭載されたアクチュエータを有するこれらの周知の軸方向流体バルブは、一般的には、バルブ本体中に延在するバルブステムに対して封止するためにパッキンの使用を必要とする。パッキンは、故障し、結果として、プロセス流体の漏えいを引き起こしかねない。他の例では、一部の周知の軸方向バルブは、アクチュエータからの運動をプラグの線形運動に変換するために、複雑なギアボックスを用いる。一般的には、ギアボックスは、流体流路中にあり、したがって、プロセス流体がギアボックスに進入することを防止するために、多くの封止を必要とする。多くの封止を必要とするこのような多くの運動部品を持つ軸方向流体バルブを動作させると、流体がバルブ本体の外部に漏えいして、製造コストおよび保守コストを増加させる可能性が大幅に増す。
【発明の概要】
【0005】
例としての装置は、入口と出口との間の通路を画定する軸流バルブ本体を含む。例としての装置は、バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動であるスリーブを含む。例としての装置は、スリーブを移動させて、スリーブを通る入口と出口との間の流体の流量を変化させるように、スリーブに動作可能に接続されたリンケージまたはギアを含む。
【0006】
別の例では、装置は、入口と出口との間の通路を画定する軸流バルブ本体を含む。環状流量制御部材は、バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動であり、流体の流量は、流量制御部材を介して通過する。
【0007】
さらに別の例では、装置は、入口と出口との間の通路を画定する軸流バルブ本体を含む。スリーブは、バルブ本体の内面によって滑動可能に受容され、通路の長手方向軸に実質的に平行な軸に沿って可動である。この例は、スリーブを通路内で軸方向に移動させて、入口と出口との間の流体の流量を変化させる手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の教示に関わる、第1の位置に線形アクチュエータを持つ例としての軸方向流体バルブの断面側面図を示す。
図1B】第2の位置での図1Aの例としての軸方向流体バルブの断面側面図を示す。
図2】代替例の線形アクチュエータの方位を持つ例としての軸方向流体バルブの断面側面図を示す。
図3A】第1の位置の回転アクチュエータを持つ例としての軸方向流体バルブの断面上面図を示す。
図3B】第2の位置の図3Aの例としての軸方向流体バルブの断面上面図を示す。
図3C図3Aおよび3Bの例としての軸方向流体バルブの断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ある例を、上記の図に示し、以下に詳細に説明する。これらの例の説明において、同様のまたは同じ参照番号は、同じまたは類似の部品を特定するために用いられる。図は、必ずしも原寸に比例していないし、ある特徴およびある図面の図は、明瞭さおよび/または簡潔さのための縮尺または概要が誇張されて示され得る。加えて、いくつかの例が、この明細書全体を通じて説明されている。任意の例の任意の特徴が、他の例の他の特徴の交換物と共に含まれ、または別様に組み合わされ得る。
【0010】
例としての本明細書に説明する軸方向流体バルブは、バルブ雑音を軽減し、軸方向に整列した流体流路を提供して、乱流を軽減して流量を向上させ、多くの封止およびガスケットを必要とする流れ内の起動用構成要素をかなり解消し、および流れ効率を増加させて、より小さいポンプおよびパイピングの使用を可能とする。一般に、本明細書に説明する例としての軸方向流体バルブは、環状流量制御部材(例えば、スリーブ)の中および封止の周りを通過する流体の流量を変化させるために、軸方向バルブ本体の通路内に(例えば、中央に)配置される環状流量制御部材を用いる。
【0011】
より具体的には、本明細書に説明する例としての軸方向流体バルブでは、スリーブが、バルブ本体の内面によって滑動可能に受容されて、流体流路に沿って移動する(例えば、平行移動する)。スリーブは、通路の中心軸と同軸に整列された中心軸を有し得る。スリーブは、スリーブを移動させて、軸方向流体バルブの入口と出口との間の流体の流量を制御するように、アクチュエータ(例えば、線形アクチュエータ、回転アクチュエータなど)に動作可能に連結され得る。軸方向流体バルブはまた、バルブ本体の通路内の中央に配置され、かつ複数のウェブ(例えば、支持部材)を介してバルブ本体の内面に連結される封止を含み得る。動作中、流体はスリーブ中に第1の端部から流入し、スリーブから第2の端部を介して流出し、封止の周りから、軸方向流体バルブの出口に向かう。スリーブは、アクチュエータを介して封止に向かって移動し、それにより、スリーブの第2の端部が封止と係合して、流体がスリーブを通って、したがって軸方向流体バルブを通って流れるのを防止するようになっている。この軸方向流体流路は、制約、したがって、バルブの通路中での乱流を軽減することによって流れ効率を大幅に増加させる。
【0012】
本明細書に説明する例としての軸方向流体バルブは、軸方向流体バルブを通る流体の流れに実質的に直角に位置付けられたステムを有する線形アクチュエータを含む。線形アクチュエータのステムは、リンク(例えば、リンケージ)を介してスリーブに動作可能に連結(例えば、接続)される。このリンクは、バルブ本体の空洞内に配置され、スリーブの外面に連結される。動作中、リンクは、アクチュエータの線形運動をバルブ本体の通路内のスリーブの線形運動に変換する。例としての軸方向流体バルブは、スリーブがバルブ本体内を軸方向に滑動することを可能にして、軸方向流体バルブの流体流路内の構成要素の数を減少させる。
【0013】
別の例としての軸方向流体バルブでは、スリーブは、スリーブの外面上に複数の歯を含む。ピニオン(例えば、ギア)を有する回転アクチュエータは、これらの歯と係合して、スリーブをバルブ本体内で軸方向に運動させて、スリーブおよび、したがって、軸方向流体バルブの通路の中での流体の流量を制御する。
【0014】
本明細書に説明する例としての軸方向流体バルブでは、流体流路は実質的に線形であり、これが、流体を、多くの周知のバルブよりも少ないエネルギー損失と雑音とでバルブ中を走行することを許容する。さらにそのうえ、本明細書に説明する例は、軸方向流体バルブの運動構成要素の比較的大きい部分を流体流路またはストリームの外側に配置し、それにより、必要とされる封止およびガスケットの数をかなり減少させることを可能とする。本明細書に説明するスリーブおよびアクチュエータもしくは起動用手段は、軸方向流体バルブを動作させるために必要とされる運動部品の数をかなり減少させる。したがって、スリーブおよび起動用手段は、製造と機械加工との要件を大幅に単純化し、したがって、軸方向流体バルブの製造コストを軽減する。
【0015】
図1Aは、本明細書に説明する例としての軸方向流体制御バルブ100の断面側面図を示す。軸方向流体制御バルブ100は、第1のバルブ本体部分102、第2のバルブ本体部分104、スリーブ106、線形アクチュエータ108、リンク110(例えば、リンケージ)、および封止112を含む。バルブ本体部分102および104は連結されて通路114を画定し、この通路は、軸方向流体バルブ100が流体プロセスシステム(例えば、分配用パイピングシステム)中に搭載されたときに、入口116と出口118との間に流体流路を提供する。一部の例では、第1のバルブ本体部分102および第2のバルブ本体部分104は、軸方向流体制御バルブ100を実質的に単一物または単一構造として画定するように一体形成され得る。
【0016】
第1のバルブ本体部分102は、入口116での第1のフランジ120と、第2のバルブ本体部分104の第3のフランジ124に取り外し可能に連結された第2のフランジ122と、を含む。第1のバルブ本体部分102の第2のフランジ122と、第2のバルブ本体部分104の第3のフランジ124とは、任意の適切な締結機構(複数可)と取り外し可能に連結され得る。第2のバルブ本体部分104はまた、出口118で第4のフランジ126を含む。動作中、第1のバルブ本体部分102の第1のフランジ120は、上流パイプ128に連結され、第2のバルブ本体部分104の第4のフランジ126は、下流パイプ130に連結され得る。
【0017】
図1Aに示す例では、軸方向流体制御バルブ100は第1の位置(例えば、開放)にあり、図1Bに示す例では、軸方向流体制御バルブ100は第2の位置(例えば、閉鎖)にある。軸方向流体制御バルブ100は、上流パイプ128を介する上流供給源と下流パイプ130を介する下流供給源との間の流体流路中に挿入される。プロセス流体は、例えば天然ガスなどの任意のプロセス流体を含み得る。動作中、スリーブ106は、入口116と出口118との間での流体の流れを許容する第1の位置(例えば、開放位置)と、入口116と出口118との間での流体の流れを防止する第2の位置(例えば、閉鎖位置)との間で動作する。
【0018】
図1Aおよび1Bに示す例としての軸方向流体制御バルブ100では、スリーブ106は、内面132、外面134、第1の端部136、および第2の端部138を有する。第1のバルブ本体部分102の内面140は、第1の端部136の近傍でスリーブ106の外面134を滑動可能に受容し、第2のバルブ本体部分104の内面142は、第2の端部138の近傍でスリーブ106の外面134を滑動可能に受容する。スリーブ106は、第1のバルブ本体部分102、第2のバルブ本体部分104、およびスリーブ106を通る流体流路を画定するように、軸方向流体制御バルブ100の軸144と実質的に軸方向(例えば、同軸方向)に整列される。
【0019】
図1Aおよび1Bに示すように、封止112は、通路114内で中央に配置され、かつ軸方向流体制御バルブ100の軸144に沿って実質的に整列される。封止112は、円錐形表面146と封止表面148とを含む。円錐形表面146は、軸方向バルブ100内での乱流流体流れを軽減するために、封止112の周りに平滑な流路を提供する。封止表面148は、スリーブ106の第2の端部138を受容するように適合される。封止112は、スリーブ106を通る、したがって通路114を通る流体の流れを防止するために、スリーブ106の第2の端部138と係合するまたはこれを受容するように設計された任意の封止部材(例えば、プラグ)であり得る。封止112は、複数の支持部材150(例えば、ウェビング)によって第2のバルブ本体部分104の内面142に連結される。支持部材150は、流体流路中での妨害を減少させるために最低限度に制限され、かつプロセス流体および/またはスリーブ106からの圧力を受けるときに封止112を支持するに十分強力である、封止112を支持するために用いられる任意の構造であり得る。
【0020】
図1Aおよび1Bに示す例としての軸方向流体バルブ100では、スリーブ106は、リンク110を介してアクチュエータステム152に動作可能に接続される。アクチュエータ108は、線形のアクチュエータステム152が、軸方向流体バルブ100の軸144に対して実質的に直角である軸154に沿って運動するように位置付けられる。リンク110は、第1のジョイント156でアクチュエータステム152に枢動可能に連結され、かつ、第2のジョイント158でスリーブ106に枢動可能に連結される。スリーブ106の外面134は、ジョイント158が置かれるカラー160をさらに含む。一部の例では、カラー160は、実質的に単一物または単一構造として、スリーブ106と一体形成され得る。リンク110は、第1のバルブ本体部分102と第2のバルブ本体部分104との間に形成される空洞162内に配置される。アクチュエータステム152は、アクチュエータステム152が滑動することを可能とするための表面を支持してこれを提供する第1のステム封止166と第2のステム封止168とによって封止されるボア164を介して第1のバルブ本体部分102中を運動する。他の実施形態では、ボア164は、より多いまたはより少ないステム封止を含み得る。
【0021】
バルブ本体102、104の通路114内でスリーブ106を運動させるために、線形アクチュエータ108は、アクチュエータステム152を空洞162中に運動させる。この場合、アクチュエータステム152は、リンク110を、反時計回り方向(図示する方位)に平行移動させて回転させ、スリーブ106を軸144に沿って封止112に向かって運動させる。軸方向流体制御バルブ100は境界封止170をさらに備えるが、これらは、それぞれ、第1のバルブ本体部分102中の第1の環状溝172と、第2のバルブ本体部分104中の第2の環状溝174との内部に配置される。境界封止170は、スリーブ106の外面134と、バルブ本体部分102および104の内面140および142との間を緊密に封止する。より具体的には、境界封止170は、プロセス流体が空洞162中に漏えいすることを防止するために、圧密封止を提供する。
【0022】
図1Aおよび1Bに示すように、例としての軸方向流体バルブ100はまた、第2のバルブ本体部分104とカラー160との間に配置されたバネ176を含む。バネ176は、スリーブ106を1つの方向に付勢し、したがって、運動構成要素間での失われる運動を最小化する。他の例では、バネ176は、カラー160と第1のバルブ本体部分102との間または第1のバルブ本体部分102とアクチュエータステム152との間に配置され得る。バネ176は、失われる運動を解消するための付勢手段を提供するために、軸方向流体バルブ100内の任意の他の位置に置かれ得る。
【0023】
動作中、流体は、上流の源128によって入口116に供給され、第1の端部136からスリーブ106に流入する。開放位置では、図1Aの例に示すように、流体は、スリーブ106の第2の端部138から出て、封止112の周りを出口118に向かい、下流の源130に流出する。閉鎖位置では、図1Bの例に示すように、アクチュエータステム152は、下方に平行移動して、スリーブ106の第2の端部138を封止112の封止表面148と係合するように運動させて、流体のスリーブ106中での、したがって、軸方向流体バルブ100の入口116と出口118との間での流れを防止する。しかしながら、他の例では、この流れは軸方向流体バルブ100を介して逆転され得るし、したがって、流体は、第一に封止112上を通過して、次に、第二にスリーブ106を通過し得る。
【0024】
図1Aおよび1Bに示す例では、スリーブ106の断面は形状が円形である。しかしながら、他の例では、スリーブ106の断面は、方形、矩形、楕円形、または、それぞれのバルブ本体部分102および104の内面140および142の形状に対応する(例えば、係合する)他の任意の形状であり得る。
【0025】
図2は、図1Aおよび1Bの軸方向流体制御バルブ100に類似しているが、代替的に方位付けられた線形アクチュエータ208を有する軸方向流体制御バルブ200の断面図を示す。軸方向流体制御バルブ200は、第1のバルブ本体部分202、第2のバルブ本体部分204、スリーブ206、線形アクチュエータ208、リンク210、および封止212を含む。スリーブ206は、第1のバルブ本体部分202、第2のバルブ本体部分204、およびスリーブ206を通る流体流路を画定するように、軸方向流体制御バルブ200の軸214と実質的に軸方向(例えば、同軸方向)に整列される。
【0026】
図2に示す例としての軸方向流体バルブ200では、スリーブ206は、リンク210を介してアクチュエータステム216に動作可能に接続される。線形アクチュエータ208は、アクチュエータステム216が、軸方向流体バルブ200の軸214に対して実質的に平行であるが、ずれている(すなわち、非同軸的である)軸218に沿って運動するように位置付けられる。リンク210は、アクチュエータステム216およびスリーブ206に剛性的に連結される。他の例では、アクチュエータステム216は、当業者には周知の任意の締結機構を介してスリーブに取り付けられ得る。リンク210は、第1のバルブ本体部分202と第2のバルブ本体部分204との間に形成された空洞220内に配置される。アクチュエータステム216は、アクチュエータステム216が滑動することを可能とするための表面を支持してこれを提供するステム封止224によって封止されるボア222を介して第1のバルブ本体部分202中を運動する。バルブ本体部分202および204の通路226内でスリーブ206を運動させるために、線形アクチュエータ208は、アクチュエータステム216を空洞220内に運動させる。この場合、リンク210は、アクチュエータステム216からの線形運動を転送して、スリーブ206を軸214に沿って封止212に向かって運動させ、したがって、軸方向流体バルブ200中での流体の流れを防止する。
【0027】
図3Aは、本明細書に説明する代替例としての軸方向流体制御バルブ300の断面上面図を示す。軸方向流体制御バルブ300は、第1のバルブ本体部分302、第2のバルブ本体部分304、スリーブ306、第1のピニオン308(例えば、ギア)、第2のピニオン310(例えば、ギア)、および封止312を含む。第1のバルブ本体部分302と第2のバルブ本体部分304とは、軸方向流体バルブ300が流体プロセスシステムに組み込まれるときに、入口316と出口318との間に流体流路を提供する通路314を画定するように結合される。動作中、スリーブ306は、入口316と出口318との間での流体の流れを許容する、図3Aに示す第1の位置(例えば、開放位置)と、入口316と出口318との間での流体の流れを防止する、図3Bに示す第2の位置(例えば、閉鎖位置)との間で動作する。
【0028】
図3Aおよび3Bに示す例としての軸方向流体制御バルブ300では、スリーブ306は、内面320、外面322、第1の端部324、および第2の端部326を有する。第1のバルブ本体部分302の内面328は、スリーブ306の外面322を滑動可能に受容する。第1のバルブ本体部分302、第2のバルブ本体部分304、およびスリーブ306は、流体の流れのための通路314を形成する。スリーブ306は、軸方向流体制御バルブ300の軸330に沿って実質的に軸方向(例えば、同軸方向)に整列される。
【0029】
図示する例では、スリーブ306の外面322は、第1の歯付き部分332および第2の歯付き部分334をさらに含む。回転アクチュエータ336(図3Cに示す)に連結されている第1のピニオン308および第2のピニオン310は、それぞれ第1および第2の歯付き部分332および334と係合して、スリーブ306を軸方向流体バルブ300内で軸方向に運動させる。図示する例では、第1のピニオン308は、第1のバルブ本体部分302内に形成された第1の空洞338で配置され、第2のピニオン310は、第1のバルブ本体部分302内に形成された第2の空洞340内に配置される。他の例では、単一の回転アクチュエータおよびピニオンが用いられ得る。
【0030】
封止312は、通路314内で中央に、かつ軸方向流体制御バルブ300の軸330と軸方向に整列して配置される。封止312は、円錐形表面342と封止表面344とを含む。封止表面344は、スリーブ306の第2の端部326を受容するように適合される。スリーブ306の第2の端部326は、軸方向流体バルブ300を通る流体の流量の微細制御をさらに許容するために、複数の開孔346(例えば、開口、穴、窓、スロット)をさらに含む。図3Bに示すように、スリーブ306の第2の端部326が封止312と係合するにつれて、開孔346は、より小さくなり、したがって、より少ない流体が、スリーブ306を通過して第2の端部326から出ることを許容する。開孔346は、軸方向バルブ300を通る流体のより制御された(例えば、絞られた)流れを許容する。封止312は、複数の支持部材350(例えば、ウェブ、リブなど)によって第2のバルブ本体部分304の内面348に結合される。軸方向流体バルブ300は、スリーブ306の外面322と第1のバルブ本体部分302の内面328との間に配置された複数の境界封止352をさらに備える。他の例では、軸方向流体バルブ300は、プロセス流体の漏えいを防止するために、より多いまたはより少ない境界封止352を含み得る。
【0031】
図3Cは、スリーブ306無しの軸方向流体バルブ300の断面側面図を示す。この例に見るように、回転アクチュエータ336は、第1のスピンドル354を介して第1のピニオン308に動作可能に連結される。第1のスピンドル354は、第1のバルブ本体部分302中の第1の空洞338内のノッチ356と係合する。他の例では、スピンドル354は、ピニオン308の平滑な回転を保証するために、ブッシング(例えば、ベアリング)をさらに含み得る。
【0032】
図3A〜Cを参照すると、動作中、プロセス流体は、第1のバルブ本体部分302に入口316から進入し、スリーブ306には第1の端部324から流入する。開放位置では、図3Aの例に示すように、流体は第2の端部326から、封止312の周りを出口318にまで流出する。閉鎖位置に到達するには、図3Bに示すように、第1のピニオン308は反時計回り方向に回転し、第2のピニオン310は時計回り方向に回転して、スリーブ306を封止312に向かって運動させる。スリーブ306の第2の端部326が封止312の封止表面328と係合するにつれて、プロセス流体は、スリーブ306を通って、したがって、軸方向流体バルブ300の入口316と出口318との間を流れることを防止される。他の例では、スリーブは、電気式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、圧電式アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、およびこれらの任意の組み合わせなどの任意のデバイスまたは機構によって、軸方向流体バルブ内を滑動可能に運動され得る。
【0033】
本明細書に説明する例としての軸方向制御バルブ100および300は、有利に乱流および雑音を減少させ、流れ内の起動用構成要素の数をかなり減少させ、最低限度に制限された流路を持つ入口と出口との間に実質的に線形の通路を提供することによって、流れ効率を増加させる。例としての軸方向流体制御バルブ100および300もまた、望まれない漏えいを軽減するが、それは、起動用構成要素が、流体流の圧力境界の外側に配置されるからである。
【0034】
ある例としての装置を本明細書に説明したが、本特許の及ぶ範囲は、それに限られない。対照的に、本特許は、文言的にまたは均等物の原理下で添付クレームの範囲内に当然入る全ての方法、装置、および製造物品を範囲に収める。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C