(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335903
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】火炎シート燃焼器ドーム
(51)【国際特許分類】
F23R 3/10 20060101AFI20180521BHJP
F23R 3/16 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
F23R3/10
F23R3/16
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-535720(P2015-535720)
(86)(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公表番号】特表2015-532412(P2015-532412A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】US2013062673
(87)【国際公開番号】WO2014055427
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】61/708,323
(32)【優先日】2012年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/038,064
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516089843
【氏名又は名称】アンサルド エネルジア アイ・ピー ユー・ケイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANSALDO ENERGIA IP UK LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジョン スタッタフォード
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ジョージェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー フイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイニー リズカラ
(72)【発明者】
【氏名】カリド オウメジョウド
【審査官】
金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0162337(US,A1)
【文献】
特開平09−318061(JP,A)
【文献】
特開平07−133931(JP,A)
【文献】
特開2010−281513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/04−3/16,
3/28−3/34
F02C 7/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン燃焼器において、
燃焼器軸線に沿って延びる概して円筒状の流れスリーブと、
該流れスリーブに対して同軸に、かつ半径方向で該流れスリーブ内に配置された概して円筒状の燃焼ライナであって、該ライナは、入口端部と、反対側の出口端部とを有する、燃焼ライナと、
該燃焼ライナの半径方向外側に、前記流れスリーブの上流端部の近くにおいて位置決めされた主燃料インジェクタのセットと、
前記燃焼ライナの入口端部を包囲した燃焼器ドームアセンブリであって、該ドームアセンブリは、前記主燃料インジェクタのセットの近くから、前記燃焼ライナの入口端部の前方に所定の距離に位置決めされた概して半球状のキャップまで延びており、前記燃焼ライナ内へ所定の距離だけ延びるように方向転換しており、これにより、前記燃焼ライナと、ドームアセンブリ外壁との間に、第1の通路と、第2の通路とが形成されており、前記燃焼ライナと、ドームアセンブリ内壁との間に、第3の通路が形成されている、燃焼器ドームアセンブリと、を備え、
前記第1の通路は第1の半径方向高さを有しており、前記第2の通路は第2の半径方向高さを有しており、前記第3の通路は第3の半径方向高さを有しており、前記第2の半径方向高さは、ガスタービン燃焼器に進入する燃料−空気混合物の体積を調節するものであり、前記第2の半径方向高さは、前記第3の半径方向高さよりも小さく、前記第3の半径方向高さに対する前記第2の半径方向高さの比によって、前記ガスタービン燃焼器において火炎を固定しかつ安定させるための捕捉された渦のサイズが制御されていることを特徴とする、ガスタービン燃焼器。
【請求項2】
前記第2の通路および前記第3の通路は、円筒状である、請求項1記載のガスタービン燃焼器。
【請求項3】
前記燃焼ライナの入口端部と、前記燃焼器ドームアセンブリとの間で測定される第4の高さを有する第4の通路をさらに備える、請求項1記載のガスタービン燃焼器。
【請求項4】
十分な逆火マージン速度を達成するために燃料−空気混合物を加速するように、前記第1の通路は前記第2の通路に向かってテーパしている、および/または前記第1の通路は、前記主燃料インジェクタのセットに隣接した領域において最大の高さを有する、請求項1記載のガスタービン燃焼器。
【請求項5】
前記第1の半径方向高さは、15mm〜50mmの範囲である、前記第2の半径方向高さは、10mm〜45mmの範囲である、および/または前記第3の半径方向高さは、30mm〜100mmの範囲である、請求項1記載のガスタービン燃焼器。
【請求項6】
燃料−空気混合物は、前記第1の通路および前記第2の通路を前記ドームアセンブリに向かって通過し、前記燃料−空気混合物は、前記ドームアセンブリにおいて方向転換し、下流へ前記第3の通路を通って前記燃焼ライナ内へ通過する、請求項1記載のガスタービン燃焼器。
【請求項7】
ガスタービン燃焼器のための燃料−空気混合物の速度を制御する方法において、
燃料−空気混合物を、燃焼ライナの半径方向外側に配置された第1の通路を通って方向付け、
前記燃料−空気混合物を、前記第1の通路から、前記燃焼ライナの半径方向外側に配置された第2の通路内へ方向付け、
前記燃料−空気混合物を、前記第2の通路から、半球状のドームキャップにおける第4の通路内へ方向付け、これにより、前記燃料−空気混合物の流れ方向を反転させ、
前記燃料−空気混合物を、前記燃焼ライナ内に配置された第3の通路を通って前記燃焼ライナ内へ方向付け、前記第2の通路は、第2の半径方向高さを有し、前記第3の通路は、第3の半径方向高さを有し、前記第3の半径方向高さに対する前記第2の半径方向高さの比によって、前記ガスタービン燃焼器において火炎を固定しかつ安定させるための捕捉された渦のサイズを制御する、ことを含むことを特徴とする、ガスタービンのための燃料−空気混合物の速度を制御する方法。
【請求項8】
前記第1の通路は、前記第2の通路に向かってテーパした円錐状の断面を有する、前記第2の通路は、円筒状の断面を有する、および/または前記第3の通路は、円筒状の断面を有する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第2の通路は、前記第1の通路と、前記第2の通路と、前記第3の通路との間で最小の断面積を有する、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記第3の半径方向高さに対する前記第2の半径方向高さの比は、0.1〜0.5である、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記燃焼ライナの壁部は、前記第1の通路、前記第2の通路および前記第3の通路の部分を形成している、請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、燃料−空気混合物を燃焼システム内へ方向付ける装置および方法に関する。より具体的には、燃焼ライナに進入する燃料−空気混合物の速度をより良好に制御するために燃料−空気混合物をより有効な形式で方向付けるように、燃焼ライナへの入口の近くに半球状のドームが位置決めされている。
【0002】
発明の背景
ガス駆動式タービンからの汚染エミッションの量を低減する努力において、政府省庁は、窒素酸化物(NOx)および一酸化炭素(CO)の量の低減を要求する多くの規則を制定してきた。より少ない燃焼エミッションは、しばしば、特に燃料インジェクタ位置、空気流量および混合効率に関して、より効率的な燃焼プロセスに帰することができる。
【0003】
初期の燃焼システムは、拡散型ノズルを利用していた。拡散型ノズルでは、燃料は、火炎領域の近くで、拡散によって、燃料ノズルの外部の空気と混合される。拡散型ノズルは、従来、十分な燃焼器安定性および低い燃焼ダイナミクスを維持するために燃料と空気とが、混合することなく、高温において化学量論的に実質的に相互作用時に燃焼することにより、比較的大量のエミッションを発生する。
【0004】
燃料と空気を予混合し、より低いエミッションを得る択一的な主段は、複数の燃焼段を利用することによって得ることができる。複数の燃焼段を備える燃焼器を提供するために、混合され、燃焼されて高温燃焼ガスを形成する燃料および空気も、段付けされなければならない。燃焼システム内へ通過する燃料および空気の量を制御することにより、利用可能な電力およびエミッションを制御することができる。燃料は、燃料システム内の一連の弁または特定の燃料インジェクタへの専用の燃料回路によって段付けすることができる。しかしながら、エンジン圧縮機によって大量の空気が供給されると、空気を段付けすることはより困難となり得る。実際には、
図1に示したように、ガスタービン燃焼システムの一般的設計により、燃焼器への空気流は通常、燃焼ライナ自体における開口のサイズによって制御され、したがって、容易に調節可能ではない。従来の燃焼システム100の一例が、
図1の断面図に示されている。燃焼システム100は、燃焼ライナ104を含む流れスリーブ102を有する。燃料インジェクタ106はケーシング108に固定されており、ケーシング108は半径方向ミキサ110を収容している。ケーシング108の前側部分には、カバー112と、パイロットノズルアセンブリ114とが固定されている。
【0005】
しかしながら、燃焼の前に燃料と空気を予混合することは、より低いエミッションを助長することが示されたが、噴射される燃料−空気予混合物の量は、様々な燃焼器変数により変化する傾向がある。これにより、燃焼器内へ噴射される燃料−空気予混合物の量を制御することに関して、いまだ障害が残っている。
【0006】
発明の概要
本発明は、多段燃焼システムの燃焼ライナへ混合物を噴射する前における燃料−空気混合の制御を改良する装置および方法を開示する。より具体的には、本発明の1つの実施の形態において、概して円筒形の流れスリーブと、この流れスリーブ内に収容された概して円筒形の燃焼ライナとを有するガスタービン燃焼器が提供される。ガスタービン燃焼器は、さらに、主燃料インジェクタのセットと、燃焼ライナの入口端部を取り囲み、概して半球状の断面を有する燃焼器ドームアセンブリとを有する。ドームアセンブリは、主燃料インジェクタのセットに向かって軸方向にかつ燃焼ライナ内に延びており、燃料−空気混合物が通過する一連の通路を形成している。通路は、燃料−空気予混合物の流れを調整するように対応してサイズ決めされている。
【0007】
本発明の択一的な実施の形態では、ガスタービン燃焼器用のドームアセンブリが開示される。ドームアセンブリは、燃焼器の軸線を中心に延びる、環状で、半球状のキャップと、半球状のキャップの半径方向外側部分に固定された外側環状壁部と、半球状のキャップの半径方向内側部分に固定された内側環状壁部とを有する。結果的に得られるドームアセンブリは、燃焼ライナの入口部分を取り囲むようにサイズ決めされた概してU字形の断面を有する。
【0008】
本発明のさらに別の実施の形態では、ガスタービン燃焼器のための燃料−空気混合物の速度を制御する方法が開示される。この方法は、燃料−空気混合物を、燃焼ライナの半径方向外側に配置された第1の通路を通って方向付け、次いで、燃料−空気混合物を、第1の通路から、第1の通路に隣接して配置された第2の通路を通って方向付けることを含む。次いで、燃料−空気混合物は、第2の通路から、半球状のドームキャップによって形成された第4の通路を通って方向付けられ、これにより、燃料−空気混合物の方向を反転させる。次いで、燃料−空気混合物は、燃焼ライナ内に配置された第3の通路を通過する。
【0009】
本発明の付加的な利点および特徴は、以下に続く説明において部分的に示され、部分的に以下の説明の検討により当業者に明らかになるか、または本発明の実施によって学ばれ得る。ここで、添付の図面を特に参照して、本発明を説明する。
【0010】
添付の図面を参照して、本発明を以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明の1つの実施の形態によるガスタービン燃焼器の断面図である。
【
図3】本発明の1つの実施の形態による、
図2のガスタービン燃焼器の一部の詳細な断面図である。
【
図4A】本発明の1つの実施の形態によるドームアセンブリの断面図である。
【
図4B】本発明の択一的な実施の形態によるドームアセンブリの断面図である。
【
図5】ガスタービン燃焼器に進入する燃料−空気混合物を調節するプロセスを開示する流れ図である。
【0012】
発明の詳細な説明
引用により、本願は、米国特許第6935116号明細書、米国特許第6986254号明細書、米国特許第7137256号明細書、米国特許第7237384号明細書、米国特許第7308793号明細書、米国特許第7513115号明細書および米国特許第7677025号明細書の内容を含む。
【0013】
本発明は、燃焼システム内へ噴射される燃料−空気混合物の速度を制御するシステムおよび方法を開示する。すなわち、燃料−空気混合物が通過する公知の有効流れ領域の環を形成する2つの同軸的な構造により、所定の有効流れ領域が維持される。
【0014】
ここで、
図2から
図5に関して本発明を説明する。本発明が機能するガスタービン燃焼システム200の1つの実施の形態が、
図2に示されている。燃焼システム200は、多段燃焼システムの一例であり、長手方向軸線A−Aを中心に延びており、所定の量の圧縮空気を概して円筒状で同軸的な燃焼ライナ204の外面に沿って方向付けるための概して円筒状の流れスリーブ202を有している。燃焼ライナ204は、入口端部206と、反対側の出口端部208とを有する。燃焼システム200は、さらに、燃焼ライナ204の半径方向外側で、流れスリーブ202の上流端部の近くに位置決めされた主燃料インジェクタ210のセットを有する。主燃料インジェクタ210のセットは、燃焼システム200用の燃料−空気混合物を提供するために、制御された量の燃料を、通過する空気流内へ方向付ける。
【0015】
図2に示された本発明の実施の形態の場合、主燃料インジェクタ210は、燃焼ライナ204の半径方向外側に配置されており、燃焼ライナ204の周囲に環状の配列で広がっている。主燃料インジェクタ210は、2つの段に分割されており、第1の段は、燃焼ライナ204の周囲に約120°にわたって延びており、第2の段は、燃焼ライナ204の周囲に、残りの環状部分、もしくは約240°にわたって延びている。主燃料インジェクタ210の第1の段は、メイン1火炎を発生するために使用され、主燃料インジェクタ210の第2の段は、メイン2火炎を発生する。
【0016】
燃焼システム200は、さらに、
図2および
図3に示したように燃焼ライナ204の入口端部206を包囲する燃焼器ドームアセンブリ212を有する。より具体的には、ドームアセンブリ212は、外側環状壁部214を有する。外側環状壁部214は、主燃料インジェクタ210のセットの近くから、概して半球状のキャップ216まで延びている。キャップ216は、燃焼ライナ204の入口端部206の前方の所定の距離に位置決めされている。ドームアセンブリ212は、半球状キャップ216において方向転換し、ドームアセンブリ内壁218において燃焼ライナ204内へ所定の距離だけ延びている。
【0017】
燃焼ライナ204に関連した燃焼器ドームアセンブリ212の形状の結果、燃焼器ドームアセンブリ212の部分と、燃焼ライナ204との間に、一連の通路が形成されている。外側環状壁部214と燃焼ライナ204との間には、第1の通路220が形成されている。
図3を参照すると、第1の通路220のサイズは、主燃料インジェクタ210のセットの近くにおける第1の半径方向高さH1から、第2の通路222におけるより小さな高さH2までテーパ(減少)している。第1の通路220は、十分な逆火マージンを提供するために、位置H2において流れを目標しきい値速度まで加速するように、所定の角度でテーパしている。すなわち、燃料−空気混合物の速度が十分に高い場合、燃焼システムにおいて逆火が生じるならば、第2の通路を通る燃料−空気混合物の速度は、火炎がこの領域に維持されるのを防止する。
【0018】
第2の通路222は、燃焼ライナの入口端部206の近くにおいて、外側環状壁部214の円筒状部分と、燃焼ライナ204との間に形成されており、第1の通路220と流体通流可能に接続されている。第2の通路222は、2つの円筒状部分の間に形成されており、燃焼ライナ204の外面と、外側環状壁部214の内面との間で測定される第2の半径方向高さH2を有する。燃焼器ドームアセンブリ212は、さらに、第3の通路224を有し、第3の通路224は、やはり円筒状であり、燃焼ライナ204と内壁218との間に位置決めされている。第3の通路は、第3の半径方向高さH3を有しており、第2の通路のように、2つの円筒状壁部、すなわち燃焼ライナ204と、ドームアセンブリの内壁218とによって形成されている。
【0019】
上述のように、第1の通路220は、性質上概して円筒状である第2の通路222へ向かって縮小している。第2の半径方向高さH2は、燃料−空気混合物が通過しなければならない制限領域として機能する。半径方向高さH2は、その形状によって部分ごとに調整され、一貫して保たれており、
図3に示したように2つの円筒状の(すなわちテーパしていない)面によって制御されている。すなわち、制限流れ領域として円筒状の面を利用することによって、より良好な寸法制御が提供される。なぜならば、テーパした面の場合と比較して、より正確な機械加工技術および円筒面の機械加工公差の制御が達成可能であるからである。例えば、円筒面の公差を±0.001インチ以内に保つことは、標準的な機械加工能力の十分な範囲内である。
【0020】
第2の通路222および第3の通路224の円筒状の形状を利用することは、有効流れ領域を制御および調整するためのより有効な方法を提供し、有効流れ領域を制御することにより、燃料−空気混合物が所定の公知の速度に維持される。混合物の速度を調節することができることにより、速度を、ドームアセンブリ212において火炎の逆火が生じないことを保証するのに十分な高い速度に維持することができる。
【0021】
図2〜
図4Bに示されたこれらの重要な通路形状を表すための1つのこのような方法は、第3の通路高さH3に対する第2の通路高さH2の回転半径比によるものである。すなわち、燃焼入口領域の高さに対する最小高さである。例えば、本明細書に示された本発明の実施の形態では、H2/H3の比は約0.32である。このアスペクト比は、ライナに隣接して存在する、再循環および安定化捕捉渦のサイズを制御し、これは、全体的な燃焼器安定性を提供する。例えば、
図2および
図3に示された実施の形態の場合、この形状を利用することにより、第2の通路における燃料−空気混合物の速度は、毎秒約40〜80メートルの範囲にとどまることができる。しかしながら、比は、所望の通路高さ、燃料−空気混合物の質量流量、および燃焼器速度に応じて変化することができる。開示された燃焼システムの場合、H2/H3の比は、約0.1〜約0.5の範囲であることができる。より具体的には、本発明の1つの実施の形態の場合、第1の半径方向高さH1は、約15mm〜約50mmの範囲であることができ、第2の半径方向高さH2は、約10mm〜約45mmの範囲であることができ、第3の半径方向高さH3は、約30mm〜約100mmの範囲であることができる。
【0022】
上述のように、燃焼システムは、第4の高さH4を有する第4の通路226も有しており、第4の通路226は、燃焼ライナの入口端部206と、半球状のキャップ216との間に配置されている。
図3から分かるように、第4の通路226は、半球状のキャップ216内に位置決めされており、ライナの入口端部206から半球状のキャップ216における交差位置までの距離に沿って測定された第4の高さを有している。これにより、第4の高さH4は、第2の半径方向高さH2よりも大きいが、第4の高さH4は、第3の半径方向高さH3よりも小さい。第2、第3および第4の通路のこの相対的な高さの構成により、燃料−空気混合物は、制御され(H2において)、半球状のキャップ216を通って方向転換し(H4において)、燃焼ライナ204に進入し(H3において)、これらは全て、燃料−空気混合物の速度が、燃料−空気混合物がドームアセンブリ212の表面に付着したままであるように十分に速いことを保証するような形式でなされる。なぜならば、付着されていない、もしくは分離された燃料混合物が、逆火の際に火炎を支持するための可能な条件を提供する恐れがあるからである。
【0023】
図3に示したように、少なくとも部分的に外側環状壁部214の形状の結果、第1の通路220の高さはテーパしている。より具体的には、第1の通路220は、主燃料インジェクタ210のセットに隣接する領域において最大の高さを、第2の通路に隣接する領域において最小の高さを有している。上述の通路形状を有するドームキャップアセンブリ212の択一的な実施の形態が、
図4Aおよび
図4Bにさらに詳しく示されている。
【0024】
図5を参照すると、ガスタービン燃焼器のための燃料−空気混合物の速度を制御する方法500が開示されている。この方法500は、燃料−空気混合物を、燃焼ライナの半径方向外側に配置された第1の通路を通って方向付けるステップ502を含む。次いで、ステップ504において、燃料−空気混合物は、第1の通路から、やはり燃焼ライナの半径方向外側に配置された第2の通路へ方向付けられる。ステップ506において、燃料−空気混合物は、第2の通路から、半球状のドームキャップ216によって形成された第4の通路内へ方向付けられる。その結果、燃料−空気混合物は、流れ方向を反転させ、今度は燃焼ライナ内へ方向付けられる。次いで、ステップ508において、燃料−空気混合物は、燃焼ライナ内に配置された第3の通路を通って方向付けられ、燃料−空気混合物は、下流へ燃焼ライナ内に進入する。
【0025】
当業者が理解するように、ガスタービンエンジンは通常、複数の燃焼器を有する。概して、議論のために、ガスタービンエンジンは、ここに開示されるような低エミッション燃焼器を有してよく、ガスタービンエンジンの周囲に缶型環状構成で配置されていてよい。ガスタービンエンジンの1つのタイプ(例えばヘビーデューティガスタービンエンジン)には、通常、6〜18個の個々の燃焼器が設けられていてよいが、このような数に限定されない。各燃焼器は、上に概説した構成部材によって取り付けられている。したがって、ガスタービンエンジンのタイプに基づいて、ガスタービンエンジンを作動させるために利用される複数の異なる燃料回路があり得る。
図2および
図3に開示された燃焼システム200は、エンジンの負荷に基づいて4つの燃料噴射段を有する多段予混合燃焼システムである。しかしながら、特定の燃料回路および関連する制御機構を、より少ないまたは付加的な燃料回路を有するように変更することができると考えられる。
【0026】
現時点で好適な実施の形態として知られるものについて、本発明は説明されているが、本発明は、開示された実施の形態に限定されるのではなく、反対に、以下の請求項の範囲の様々な変更および同等の配列を包含することが意図されている。本発明は、全ての観点から制限的ではなく例示的である特定の実施の形態に関して説明されている。
【0027】
前記説明から、本発明が、システムおよび方法にとって明白でかつ固有である他の利点とともに、全ての目的および課題を達成するために十分に適応されたものであることが分かる。ある特徴および準組合せは利用でき、他の特徴および準組合せを参照することなく使用されて良いことが理解されるであろう。これは、請求項の範囲によっておよび請求項範囲において考慮される。