特許第6335904号(P6335904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335904
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】酸素供給器
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   A61F9/007 170
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-535873(P2015-535873)
(86)(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公表番号】特表2015-533568(P2015-533568A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013063720
(87)【国際公開番号】WO2014055989
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/710,233
(32)【優先日】2012年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508230226
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
(73)【特許権者】
【識別番号】308013333
【氏名又は名称】ドヘニー アイ インスティテュート
(73)【特許権者】
【識別番号】314005562
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フマユン,マーク,エス.
(72)【発明者】
【氏名】マラリ,カルシック
(72)【発明者】
【氏名】リベイオ,ラミロ,マガリャエシュ
(72)【発明者】
【氏名】タイ,ユ−チョン
(72)【発明者】
【氏名】シャンマエロ,ニコラス
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0046028(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0186533(US,A1)
【文献】 特表2011−509120(JP,A)
【文献】 特表2010−516389(JP,A)
【文献】 特表2009−529968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞳孔、強膜、および黄斑を含む眼を有する人体の中に埋め込まれる酸素供給器は、
電解質を含むとともに、前記人体の中に、かつ、前記強膜によって囲まれた前記眼の体積の外に配置される電解質貯蔵槽と、
前記電解質貯蔵槽から分離され一部ではなく、電極を含み、前記瞳孔から前記黄斑に入射する光の経路の実質的に中ではなく、かつ、前記眼において前記強膜に囲まれた体積の中において前記黄斑を実質的に取り囲む電気分解バッグを有し前記電解質の電気分解を実行し、前記電気分解バッグの領域において酸素を生成する電気分解システムと、
前記電解質を前記電解質貯蔵槽から前記電気分解システムに流通させるカニューレと、を含む酸素供給器。
【請求項2】
前記電気分解システムによって生成される酸素の濃度を制御する構成を有する内部制御システムを、さらに含む請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項3】
前記内部制御システムは、前記電気分解システムによって生成される酸素の所望の濃度を示す制御情報を無線で受信し、この受信した情報に従い前記電気分解システムによって生成される酸素の濃度を制御する請求項2に記載の酸素供給器。
【請求項4】
前記内部制御システムは、前記電気分解システムによって生成される酸素の濃度を検出するように構成した酸素センサを含む請求項2に記載の酸素供給器。
【請求項5】
前記電気分解システムによって酸素が生成される時を制御するように構成した内部制御システムをさらに含む請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項6】
前記内部制御システムは、前記電気分解システムによって酸素が生成されるべき時を示す制御情報を無線で受信し、この受信した情報に従い前記電気分解システムによって生成される酸素の生成を制御するように構成を有する請求項5に記載の酸素供給器。
【請求項7】
前記眼の網膜に取り付けるのに適した前記電気分解システムのための留め鋲をさらに含む請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項8】
前記眼の網膜上に光を制御可能に照射するのに適した構成を有する電灯をさらに含む請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項9】
前記眼に入射する光を受光し、酸素供給器によって使用するために受光した光を電気に変換する構成を有する太陽電池をさらに含む請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項10】
前記電解質貯槽は、補充ポートを有する請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項11】
前記電気分解システムは、2つの異なる種類の材料を用いて区画を形成し、一の前記材料が有する酸素の拡散率は、他の前記材料の表面が有する酸素の拡散率と異なる請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項12】
前記電気分解バッグは、U字状である請求項1に記載の酸素供給器。
【請求項13】
瞳孔、強膜、および黄斑を含む眼を有する人体の中に埋め込まれる酸素供給器であって、
電極を含む電気分解バッグであって、電解質の電気分解を実行し、前記電気分解バッグの領域において酸素を生成するとともに、前記瞳孔から前記黄斑に入射する光の経路の実質的に中ではなく、かつ、前記眼において前記強膜に囲まれた体積の中において前記黄斑を実質的に取り囲む電気分解バッグを有する、酸素供給器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋込型酸素供給器および人体中の領域の酸素処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この開示は、埋込型酸素供給器に関し、人間の眼の中に埋え込まれる大きさおよび構成の埋込型酸素供給器を含む。
【0003】
糖尿病性網膜症(DR)および網膜静脈閉鎖(RVO)のような虚血性の網膜の疾病は、失明の主要な原因である。DRとRVOは、異なる根本的な病理を有するが、共通する最終の結果としては、内側の網膜の虚血かもしれない。
【0004】
網膜の虚血性の疾患は、焦点レーザー、全網膜の光凝固療法、薬物療法、または硝子体切除術によって、治療することができる。焦点レーザー、全網膜の光凝固療法(PRP)、および薬理学的物質の毎月の注射は、根本的な病理を治療できない。レーザー療法は、暗点および遅い明順応のような副作用を引き起こすことがある。扁平部硝子体切除術(PPV)は、虚血性の網膜に酸素を供給することなく、前眼房の血管の新生につなげることができる。
【発明の概要】
【0005】
埋込型酸素供給器は、人間の眼の中のように人体内への埋め込みに適した構成を有することができる。埋込型酸素供給器は、電解質の格納に適した構成を有する電解質貯蔵槽と、電解質の一部において電気分解を実行し、電気分解システムの領域において酸素を生成する構成を有する電気分解システムと、を含むことができる。
【0006】
埋込型酸素供給器は、電気分解システムによって生成される酸素の濃度を制御する内部制御システムを含むことができる。内部制御システムは、電気分解システムによって生成される酸素の所望の濃度を示す制御情報を無線によって受信し、この受信した情報に従い電気分解システムによって生成される酸素の濃度を制御することができる。内部制御システムは、電気分解システムによって生成される酸素の濃度を検出する酸素センサを含むことができる。
【0007】
埋込型は、電気分解システムによって酸素が生成される時を制御する内部制御システムを含むことができる。内部制御システムは、電気分解システムによって酸素が生成されるべき時を示す制御情報を無線によって受信し、この受信した情報に従い電気分解システムによって生成される酸素の生成を制御することができる。
【0008】
電気分解システムは、電解質貯槽とは別体の電気分解隔室を含むことができる。電気分解隔室は、その電気分解隔室内に電極を含むことができる。カニューレは、電解質を電解質貯槽から電気分解隔室へ流通させることができる。
【0009】
電気分解隔室は、黄斑に到達する眼の瞳孔に入射する光を実質的に遮断することなく、眼の中の黄斑の大部分を取り囲む、適切な大きさおよび構成を有することができる。
【0010】
埋込型酸素供給器は、眼の網膜に隔室を取り付ける留め鋲を含むことができる。
【0011】
埋込型酸素供給器は、眼の網膜に光を制御可能に照射する電灯を含むことができる。
【0012】
埋込型酸素供給器は、眼に入射する光を受光する太陽電池を含むことができ、その埋込型酸素供給器によって使用するために受光した光を電気に変換する。
【0013】
電解質貯槽は、補充ポートを有することができる。
【0014】
電解質貯留槽は、埋込型酸素供給器が人体内に埋え込まれた後、その透過性の表面が身体内の流体と接触するように位置する透過性の表面を含むことができ、浸透を介して電解質貯蔵槽の中に流体の移動を促進するように流体に対して透過性である。
【0015】
これら、他の構成要素と同様に、手段、特徴、対象、利益、および利点は、例示的な実施形態、添付図面、および特許請求の範囲に関する以下の詳細な説明のレビューによって、ここで明らかになる。
【0016】
図面は、例示的な実施形態に関する。それらは、全ての実施形態を示すものではない。他の実施形態は、加えられまたは代わりに用いられてもよい。明白または不必要な詳細は、スペースを節約しまたはより有効な説明のために省略されていてもよい。いくつかの実施形態は、追加の構成要素、または手段、および/または全ての構成要素無し、または図示されている手段によって、実施することができる。同じ数字が異なる図面に表れている場合、それは、同一または同様の構成要素または手段を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、埋込型酸素供給器の例を示している。
図2図2は、図1に示された埋込型酸素供給器の一部とすることができる電解質貯蔵槽体を示している。
図3図3は、人間の眼の網膜に取り付けられ図1に示された埋込型酸素供給器の一部とすることができる電気分解システムを示している。
図4図4は、人間の眼の中に埋め込まれ図1に示された埋込型酸素供給器の例を示している。
図5図5は、図1に示された電気分解システムの上面図および側面図をそれが有しうる寸法の例と共に示している。
図6図6は、埋込型酸素供給器に用いることができる電気回路の例を示している。
図7図7は、生成された酸素を拡散できる透過膜を含む埋込型酸素供給器の一部とすることができる電気分解システムの一部の例を示している。
図8図8は、各側に異なる厚みの材料を有する電気分解システムの両側から記録された酸素分圧の値を示している。
図9A図9Aおよび図9Bは、走査型電子顕微鏡によってもたらされた一の電極のスキャンを示している。図9Aは、白金の微小電極のスキャンを示し、および図9Bは、電極の有効表面積を劇的に増加させる白金−イリジウム被膜を示す白金−イリジウムの微小電極のスキャンを示している。
図9B図9Aおよび図9Bは、走査型電子顕微鏡によってもたらされた一の電極のスキャンを示している。図9Aは、白金の微小電極のスキャンを示し、および図9Bは、電極の有効表面積を劇的に増加させる白金−イリジウム被膜を示す白金−イリジウムの微小電極のスキャンを示している。
図10図10は、時間および空間位置の関数として変化する、生体内の硝子体腔内の電気分解システムによって、どのように酸素圧力を発生させるかについての例を示している。
図11図11は、0.05M、硫酸、毎秒50mにおいて電気メッキされた未被膜の白金および白金/イリジウム電極の例のサイクリックボルタンメトリー(CV)を示している。
図12図12は、電気分解システムの流量を制御することによって酸素の発生の速度を制御するために用いることができる流量センサの例を示している。
図13図13は、電力の計算のパラメータを例示した表である。
図14A図14Aおよび14Bは、電気分解システム内における過酸化水素の再結合を最小化するために用いることができる親水性のパリレングリッドの例を示している。図14Aは断面図であり、図14Bは上面図である。
図14B図14Aおよび14Bは、電気分解システム内における過酸化水素の再結合を最小化するために用いることができる親水性のパリレングリッドの例を示している。図14Aは断面図であり、図14Bは上面図である。
図15図15は、埋込型酸素供給器に関して用いることが可能な構成要素の例である。
図16図16は、人間の眼に埋め込まれた埋込型酸素供給器に給電および/または通信するために用いることができ、耳に装着することができる外部装置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示的な実施形態がここで説明されている。他の実施形態は、追加または代わりに用いることができる。詳細は、明らかにされ、またはスペースを節約したり更に効果的な開示したりするために不要であれば省略されている。いくつかの実施形態は、追加の構成部材または手段と共に、および/または説明された全ての構成部材または手段無しに、実施することができる。
【0019】
小さく最低限の侵襲性の生電気的インプラントによる一回の外科的介入によって、生理食塩水の電気分解を制御して眼の中に酸素(O)を生成し、網膜の低酸素症を安全に緩和することができる。この処置は、網膜血管疾患の重度の症例の緩和に適用可能である。この一回の外科的介入によって、糖尿病性網膜症および網膜静脈閉塞の患者に長期治療を提供することができる。
【0020】
埋込型酸素供給器は、根本的な病態生理を標的にすることによって網膜虚血を治療することができる。埋込型酸素供給器は、既存の網膜細胞を殺したり傷つけたりすることなく視力を維持できる。
【0021】
埋込型酸素供給器の一部は、後眼房、人間のレンズ位置、硝子体腔、網膜上の空間、網膜に直接接触、または網膜下、または超脈絡膜空間に埋め込むことができる。
【0022】
図1は、埋込型酸素供給器101の例を示している。埋込型酸素供給器101は、生理食塩水、硫酸マグネシウム、または硫酸ナトリウムのような生体適合性の電解質を格納するのに適した構成を備えた電解質貯留槽を有する電解質貯留槽体103を含むことができる。埋込型酸素供給器101は、電解質の一部の電気分解を実行する構成を有する電気分解システム105を含むことができ、それによって電気分解システムの領域内に酸素を生成する。埋込型酸素供給器101は、電解質を電解質貯留槽体103から電気分解システム105に流通させる構成を有するカニューレ107を含めることができる。埋込型酸素供給器は、人間の眼の中のような人体内への埋め込みに適した構成を有することができる。
【0023】
電解質貯留槽体103は、カニューレ107を介した槽内および電気分解システム105へ電解液を制御可能な状態で送液するポンプを含めることができる。ポンプは、ミニポンプ社(Minipump Inc)によって開発された埋め込み可能な薬用ポンプのプラットホームを用いることができる。
【0024】
埋込型酸素供給器101は、任意の生物学的組織における虚血の後の低酸素症の治療に用いることができる。それは、小サイズ、生体適合性、低消費電力、高効率を有し、様々な異なる用途で使用可能である。例えば、それは、放射線治療、糖尿病性網膜症、虚血性脳卒中、網膜血管疾患、および加齢黄斑変性症のような、正確な酸素療法を必要とする医療において用いることができる。
【0025】
埋込型酸素供給器101は、電気分解システム105の内部にある生理食塩水のような電解質を直接的に電気分解することによって、人間の眼の中のような埋め込まれた場所の溶存酸素レベルを上げることができる。
【0026】
電気分解システムは、人工合成アーケード(ASA)とも称される、電気分解バッグを含めることができる。電気分解バックは、そのバッグの中の電解質から水素と酸素ガスを抽出する電極を含めることができる。
【0027】
図2は、図1に示された埋込型酸素供給器の一部とすることができる電解質貯蔵槽体103を示している。
【0028】
電解質貯留槽体103は、電気分解が行われる時間、および/またはその速度、および/または開ループベースまたは電気分解装置105によって放出される酸素の近くに位置する酸素センサからのフィードバックに基づき生成される酸素の濃度を制御できる特定用途向け集積回路(ASIC)を収容することができる。
【0029】
電解質貯留槽体103は、電解質と共にその電解質貯留槽体103内の電解質貯留槽への充填および補充に用いることができる補充ポート109を含めることができる。
【0030】
電解質貯留槽体103は、酸素化スケジュールと組み合わせて用いることができ、電気分解装置105によって酸素が生成される時間を制御するリアルタイム時計を含めることができる。
【0031】
電解質貯留槽体103は、電力消費に起因した装置の加熱、ひいては組織の過熱を防止するために使用可能な温度センサを含めることができる。対応するコントローラは、この過熱を防止するように電解質を制御するように設けられてもよい。
【0032】
電解質貯留槽体103は、酸素センサ、温度センサ、および/または使用可能な任意の他のタイプのセンサに接続して使用可能な1つ以上の増幅器を含めることができる。
【0033】
電解質貯留槽体103は、電池および電力を再充電するための無線式充填器のような電源を含めることができる。無線式充電器は、外部の誘導コイルから充電エネルギを受け取る構成とすることができる。電解質貯留槽体103は、任意の電源を含むことなく、誘導コイルを介して無線で受け取る電力に依存することができる。
【0034】
電解質貯留槽体103は、酸素レベル、電解質量、電池容量、電気分解履歴、および/または眼圧のような情報を遠隔の受信機に対して無線によって送信するように構成された無線遠隔測定システムを含めることができる。
【0035】
無線遠隔測定システムは、無線によって受信し、および必要に応じてデータおよび/または制御命令を保存するように構成することができ、そのような命令には、酸素が生成されるべき時、その速度および/または濃度、および酸素治療が中止されるべき時に関連したものがある。
【0036】
電気分解システム105は、電解質貯蔵槽からカニョーレ107を介して電気分解システム105に流通される電解液の中に含まれた水分子を加水分解するように構成された電極を含めることができる。電解質は、電気分解システム105の透過性の壁を介して浸透できる酸素および水素ガスを生成することできる。
【0037】
電解質貯留槽体103は、任意の寸法を有することができる。これらの寸法は、電解質貯留槽体103を眼の中のような人体の様々な領域への埋め込みを可能にするくらい、十分に小さくすることができる。例えば、電解質貯留槽体103は、約14mm×16mm×5mmの寸法とすることができる。
【0038】
カニョーレ107は、任意の寸法を有することができる。その長さは、電解質貯留槽体103が電気分解システム105から必要な距離を隔てることを可能とし、例えば約0.5〜2mmである。カニューレ107の幅は、電解質貯留槽体103から電気分解システム105へ電解液の所望の流量を単に促進するための十分な長さであればよく、例えば約0.01〜0.2mmである。
【0039】
図3は、人間の眼303の網膜301に取り付けられ図1に示された埋込型酸素供給器101の一部とすることができる電気分解システム105を示している。留め鋲305は、この目的のために用いることができ、例えばチタンのような任意の材料から作ることができる。留め鋲305は、その直径を約0.25mmにすることができる。
【0040】
電気分解システム105は、眼303の瞳から黄斑307に対する光の伝搬を大幅に遮断せずに、眼303の黄斑307を実質的に囲むような大きさおよび配置の、U字状のバックを含むことができる。例えば、バッグは、約6mm×5mm×0.625mmとすることができ、埋込型酸素供給器の機能的表面積(例えば、約18.4平方mm)と体積(例えば、約3.06立方mm)の比(例えば、約6)を最大化し、黄斑の電気分解システム105内において発生したガスの拡散を最大化することができる。
【0041】
酸素センサ309は、電気分解システム105の近傍に配置することができ、電気分解装置105によって生成される酸素の濃度を検出する。
【0042】
電解液として使用される生理食塩水は、網膜に損傷を生じさせない重量を有し、例えば約3.06立方mm(密度=1g/立方cm)分の重量である。
【0043】
電気分解バッグは、光路の遮断、および網膜のような眼の敏感な組織との物理的な接触による損傷を防止するように、眼303の曲率と実質的に一致する曲率を有してもよい。
【0044】
電解質貯留槽体103は、任意の材料から作ることができる。例えば、本体は、生物学的に適合したチタン合金から作られた電子的な気密ケースとしてもよい。電解質貯留槽は、電解質貯留槽体103内に含まれていてもよく、パリレンCから作ることができる。無線式送受信コイルは、この本体内に存在してもよく、純金によって作られパリレンCで絶縁されている。
【0045】
カニューレ107および電気分解システム105は、パリレンC、PDMSシリコーン、および/またはNUSIL Med4−4210シリコーンのような任意の材料から作ることができる。これらの半透過性材料は、酸素勾配の大きさおよび有効方向について積極的な制御を行うことができる、電気分解システム105の電極を封入するために使用することができる。
【0046】
電解質バッグの材料は、死角を防止するように、光学的に透明とすることができる。しかしながら、シリコーンおよびパリレンは、それぞれ1.46および1.64の屈折率を有することができる。黄斑の周囲において、光の入射角は、約7°とすることができる。加えて、電気分解に用いられる食塩水は、約1.343の屈折率を有することができる。これは、光を、そのデバイスが無い状態のときに到達する場所から、約54ミクロン移動させる。光は、したがって、約0.127度ずれるかもしれない。電気分解バックのシリコーン層は、外側への水の浸透を防止するようにその疎水性を増加させる、酸素プラズマおよび/またはナノパターニングのいずれかによって、変更することができる。それぞれ、M.E. Vlachopoulou, P.S. Petrou, S.E. Kakabakos, A. Tserepi, K. Beltsios, E.Gogolides. “Effect of surface nanostructuring of PDMS on wetting properties, hydrophobic recovery and protein adsorption.” Microelec. Eng. 2009, Vol. 86, Issues 4−6, 1321 −1324 Meihua Jin, Xinjian Feng, Jinming Xi, Jin Zhai, Kilwon Cho, Lin Feng, Lei Jiang. “Super−Hydrophobic PDMS Surface with Ultra−Low Adhesive Force.” Macromol. Rapid Commun. 2005, 26, 1805−1809,を参照。
【0047】
ミニポンプのポンプ体は、いかなるハードウェアの変更をすることなく、電解質貯留槽体103に使用することができる。カニューレ107は、電気分解システム105のバックに成形することができる。鋼の金型の2つの半体は、シリコーンバック用のアーケード状に形成され、デバイスの必要な寸法を備えて、成形することができる。シリコーンは、両方の金型半体に加えることができる。充填された金型半体は、NUSIL Med4−4210規格の製法において、回転(例えば、毎分約6000回転)することができる。これによって、シリコーン層の厚みを決定できる。金型は、オーブン内で加熱できる(例えば、約80℃)。
【0048】
下型が冷却された後、カニューレ107が取り付けられ、シリコーンをスピニングコートされた後の上型が、調整された下型の上に配置される。金型全体をオーブンに再度入れて、シリコーンバッグをカニューレ107の内側と融合させてもよい。パリレンとの融合は、良好な接着性を有することができる。漏れ無く更にシール性を確保するために、カニューレ107全体に塗装することによって、追加のシリコーン浸漬を加えることができる。他の硬化の後、電気分解バックを備えたカニューレ107は、配置の設計を容易にするため、湾曲形状に熱形成されてもよい。カニューレ107は、主に生体適合性のエポキシを用いたミニポンプの技術によって、その後に電解質貯留槽体103に接続することができる。
【0049】
埋込型酸素供給器101は、その後にエチレンオキシド(ETO)によって滅菌することができ、補充ポート109を介して生理食塩水によって満たされる。埋込型酸素供給器は、その後、チタンレーザによる溶接によって供給された100%純粋なサファイアとルビーの材料によって密封するようにシールすることができる。
【0050】
図4は、人間の眼303の中に埋め込まれた図1に示された埋込型酸素供給器101の例を示している。埋込型酸素供給器は、LEDのような、電解質貯留槽体103内の制御回路によって選択的に作動させることができ、治療および/または検査の目的において網膜上に光を照射する、電灯401を含むことができる。埋込型酸素供給器は、眼303に入射する光を受光するように配置された太陽電池405を含むことができ、その埋込型酸素供給器によって使用するために受光した光を電気に変換するように構成している。
【0051】
埋込型酸素供給器101は、低侵襲の手順を用いて注入されるように構成してもよい。電解質貯留槽は、硝子体腔の内部に配置できないが、ほぞまたは結膜下腔の目上の一時的な四分円において、強膜409の上方であって結膜407の下方に配置できる。異種の強膜は、この手順において必要とされない。本明細書における”人間の眼の中”は、結膜下であって強膜上の配置を含むことが意図されている。請求項の解釈の目的において、電気分解システム105は、前眼房、後眼房、人間のレンズ位置、硝子体腔、網膜上の空間、網膜に直接接触、網膜下、超脈絡膜空間に埋め込むことができる。
【0052】
前部への埋め込みにおいて、埋込型酸素供給器は、約1.5mmの透明な角膜の切開を介して配置することができる。後部への埋め込みにおいて、扁平部硝子体切除術の後、埋込型酸素供給器は、特別に設計された道具を用い、約1.5mmの強膜切開を介して挿入することができる。埋込型酸素供給器の導入眼体は、タック111を用いて黄斑に一時的に固定することができる。
【0053】
図5は、図1に示された電気分解システム105の上面図および側面図をそれが有しうる寸法の例と共に示している。
【0054】
網膜に対する酸素の流れの方向は、制御することができる。これは、網膜を優先的に酸素によって処理することを可能とし、レンズおよび前眼房の構造から過剰な酸素を除去することができる。これは、パリレンCおよびシリコーンの両方を用いて電極を包むことによって達成することができる。これは、酸素勾配から前眼房の遮蔽を可能にしつつ、酸素の大部分の方向を選択的に眼の後極に向ける、これらの材料間の拡散率の差を利用することができる。電気分解バックの両側は、厚み約100μmのMED4−4210シリコーンとすることができ、厚み19μmのパリレンCは、孔(例えば、約2mm×4mm×0.5mmの内部容積)を塞ぐためにバックの片側に用いることができる。
【0055】
図6は、埋込型酸素供給器に用いることができる電気回路の例を示している。回路は、エネルギ源、制御信号(例えば、時間、および/または速度、および/または生成される酸素の濃度、および/または内部光が作動される時を制御する信号。)、および/または遠隔測定情報(例えば、残りの電解質の量、および/または生成された酸素の量を示す情報)の受信機に関する帰納的な結合が構成された、コイル601を含むことができる。コイル601は、電解質貯留槽体103内に配置されてもよい。回路は、電気分解システム105のバックの中に配置することができ、挟まれつつも電気的に絶縁された一対の電極603を含むことができる。電気回路は、本明細書で論じられているように、電力、通信、および/または制御機能を実装するように構成された、1つ以上の集積回路および個別部品605を含むことができる。
【0056】
図7は、生成された酸素を拡散できるシリコーン透過膜701を含む埋込型酸素供給器101の一部とすることができる電気分解システム105の一部の例を示している。酸素は、電解液705と接触している間、電極703の両端に電圧の電位差を形成することによって、生成させることができる。電極703の未露光の部分は、非透過性のパラリエン−C709および711によって、覆われていてもよい。一方向フラップ弁707は、電解質が電極703に露出されたチャンバ領域に入ることを許可しつつ、退出ガスがチャンバに再び入ることを許可しないことから、電極におけるガスの再結合を防止する。この構成によって、電極から発生する酸素の一方向の拡散のみ可能とする。
【0057】
図8は、各側に異なる厚みの材料を有する電気分解システムの両側から記録された酸素分圧の値を示している。酸素の拡散は、シリコーン面において優先的に発生することがある。
【0058】
白金/イリジウム電極は、高い電気分解効率で不活性ではなく、および理想的な過酸化水素の再結合の触媒ではないかもしれないことから、電気分解に用いることができる。過酸化水素の再結合をさらに低減するために、機械弁は、電解バック内の露出した電極を覆うようにしてもよい。シリコーンチャンバは、成形されてもよく、脱気した生理食塩水によって満たされ、完全に密閉したチャンバを作り出す平面電極アレイによって覆われている。シリコーンのチャンバの壁の厚みは、チャンバの酸素透過性が網膜の酸素消費量(例えば、毎分約6μL)と殆ど一致するようにしてもよい。市販のペーハー、水素、および酸素センサは、電気分解内の全てのパラメータを監視するために使用することができる。
【0059】
電気分解は、電解バッグ内の2つの電極に二相の電流パルスを印加することによって、もたられます。最適なパルス振幅、幅、および周波数は、効率的な酸素の発生のために、実験的に決定されるかもしれない。二相の電流パルスは、繰り返し印加され、および、電気分解は、物理および電気化学的な安定性を確認するために周期的に監視される。
【0060】
白金/イリジウム合金および電気メッキの技術は、より高い電荷蓄積容量および白金電極と比べて低い電気インピーダンスを示す電極に変更するために用いることができる。U.S. PGPub 2011 /0048955 A1を参照。電着させた白金/イリジウムの被膜は、非常に大きな表面積の白金とその合金被膜によって、粒状であって多数の結節から構成することができる。
【0061】
図9Aおよび図9Bは、走査型電子顕微鏡による一の電極のスキャンを示している。図9Aは、白金の微小電極の評価を示し、および図9Bは、電極の有効表面積を十分に増加させる白金−イリジウム被膜を表した白金−イリジウムの微小電極の評価を示している。
【0062】
図10は、時間および空間位置の関数として変化する、生体内の硝子体腔内の電気分解システムによって、どのように酸素圧力を発生させるかについての例を示している。生きているウサギにおける一連の実験中、酸素は、硝子体腔を通り、空間および時間的に拡散された。全ての動物は、扁平部硝子体切除術(PPV)を受け、4つの異なる群(各n=3)に分けられた。最初のグループ(対照)は、60分間にわたり網膜の近くに配置された酸素高感度検出器を使用し、扁平部硝子体切除術の後の酸素の減少を測定するために用いられた。扁平部硝子体切除術を施術した他の3つのグループは、引き続き100%の酸素源に接続された酸素供給器の試作機に挿入された。酸素分圧は、酸素供給器から0.5mm(グループ2)、2mm(グループ3)、4mm(グループ4)の3つの異なる距離において60分間にわたり測定された。結果は、図10に概説されている。
【0063】
この実験は、2mm離間した酸素レベルを選択的に調整して上昇させる、電気分解システムの能力を実証する。したがって、黄斑または網膜中心にまたがる電気分解バックは、全黄斑部への拡散を提供することができ、このような結晶性の線のような前眼構造へは未だ提供しないことができる。
【0064】
図11は、0.05M、硫酸、毎秒50mにおいて電気メッキされた未被膜の白金および白金/イリジウム電極の例のサイクリックボルタンメトリー(CV)を示している。白金/イリジウムのCVは、曲線の下に大面積を示し、これは被膜の大きな電荷蓄積容量を表している。
【0065】
図12は、電気分解システムの流量を制御することによって、酸素の発生の速度を制御するために使用することができる、流量センサの例を示している。この流量センサは、ミニポンプ社によって開発されたモデルのような、流れの検出器に基づく熱の伝熱器であってもよい。流量センサは、毎分約0.1nLの感度を有することができ、全流量が毎分9nLの制御にとって十分である。
【0066】
図13は、電力の計算に関するパラメータを例示した表である。この図に反映されているように、毎分6.1μLの酸素発生速度(例えば温度37℃および水銀柱15mmの条件における典型的な眼内でのガス容積)は、提供される必要があるかもしれない酸素の最大レベルであってもよい。埋込型酸素供給器は、そのような要求を満たすように操作することができる。追加で典型的である100μLの貯蔵容量を備えた状態において、埋込型酸素供給器は、補給することなく、連続的に約8.8日間使用することができる。この酸素の発生速度では、生理食塩水の電解質において毎分約7.92nLのみ消費することがあり、補充ポートを使用して容易に補充することができる。例えば、小さな31ゲージの注射針は、結膜を介して補充ポートによる貯蔵槽に、電解液を注入するために使用することができる。電極材料は、白金または白金/イリジウムであってもよく、電気分解効率は、約80%とすることができ、電圧は、わずか3Vとすることができる。黄斑への酸素の供給を100%にするためには、約35μΑの合計電流が必要になる。
【0067】
図14Aおよび14Bは、電気分解システム内における過酸化水素の再結合を最小化するために使用できる、親水性のパリレングリッドの例を示している。図14Aは断面図であり、図14Bはこのグリッドの上面図である。パリレンの親水性グリッド層を加えることによって、メニスカスの力で、電極の表面の水を取り込む。電極は、したがって、過酸化水素の再結合を排除する電解質によって、常に覆われていてもよい。
【0068】
発生した酸素の量を測定することは、各々の患者の治療を個別化する治療計画の作成に重要で有り得る。埋込型酸素供給器の酸素の出力は、エネルギ効率を最大化する入力電力を制御する、フィードバックループによって使用することができる。酸素発生量は、充電効率、すなわち、実際に電気分解によって酸素を生成する電流源によって供給される電荷のパーセント、に基づく電気分解の電流を制御することによって、達成することができる。充電効率は、経時的に比較的安定であって、50〜80%の範囲であってもよい。各デバイスについて、効率は、全電荷の関数として放出した酸素を測定することによって、すなわち電流の時間積分として、決定することができる。酸素の生成の制御は、このように電流の制御に基づくことができる。酸素の生成を制御する別の方法は、電気分解バック内における生理食塩水の流量を制御することによってなされてもよい。これは、図12に図示されているようなカニューレ内の高感度流れセンサを調整することによって達成することができる。
【0069】
酸素発生の正確な推定では、フィードバックシステムを用いることができる。露光中に、酸素の消費量の50〜70%の減少があるかもしれない。L. M. Haugh, R. a Linsenmeier, and T. K. Goldstick, “Mathematical models of the spatial distribution of retinal oxygen tension and consumption, including changes upon illumination.,” Annals of biomedical engineering, vol. 18, no. 1 , pp. 19−36, Jan. 1990.; R. a Linsenmeier, “Effects of light and darkness on oxygen distribution and consumption in the cat retina.,” The Journal of general physiology, vol. 88, no. 4, pp. 521 −42, Oct. 1986.; G. Birol, S. Wang, E. Budzynski, N. D. Wangsa−Wirawan, and R. a Linsenmeier, Oxygen distribution and consumption in the macaque retina.,” American journal of physiology. Heart and circulatory physiology, vol. 293, no. 3, pp. H 1696−704, Sep. 2007.を参照。したがって、酸素の生産は、昼夜サイクルにわたる酸素需要の既知の変動に基づき、プログラム可能な回路設計によって調整することができる。Hardarson, S. H., Basit, S., Jonsdottir, T. E., Eysteinsson, T., Halldorsson, G. H., Karlsson, R. A. & Stefansson, E. (2009). Oxygen saturation in human retinal vessels is higher in dark than in light. Investigative ophthalmology & visual science, 50(5), 2308−231 1 .; R. a Linsenmeier, “Effects of light and darkness on oxygen distribution and consumption in the cat retina.,” The Journal of general physiology, vol. 88, no. 4, pp. 521 −42, Oct. 1986.を参照。
【0070】
埋込型酸素供給器は、電磁結合を介して供給されてもよい。外部装置は、変化する磁界を介して埋込型内部装置に、無線によって電力を送信することができる。常時電源は、酸素の断続的な供給が視力の喪失をもたらすことから、不可欠である。電磁結合は、埋込型酸素供給器の物理的な大きさを、小さいままに留めることを可能にする。埋込型電池は、高効率ではあるが、合理的な電池の大きさおよび重量によって少量の電力を提供するだけであることから使用されないかもしれない。赤外線およびバイオ燃料電池のような他の電力源は、使用することができるが、電磁結合よりも効率が低い。電磁結合は、アメリカ食品医薬品局(FDA)および電気電子学会(IEEE)の基準によって設定された仕様を満たすことができる。Weiland, J.D., W. Liu, et al. (2005). “Retinal Prosthesis”. Annual Review of Biomedical Engineering 7(1 ): 361 −401 ; Cameron T, Loeb GE, Peck RA, Schulman JH, Strojnik P, Troyk PR. 1997; Micromodular implants to provide electrical stimulation of paralyzed muscles and limbs, IEEE Trans. Biomed. Eng. 44(9):781−90を参照。
【0071】
図15は、埋込型酸素供給器に関して用いることが可能な電気的な構成要素の例である。これらは、無線によって電力を供給し、データを受信し、および/または制御情報を送信する、外部構成要素1501を含んでいてもよい。外部構成要素1501は、電池1503、電力および/または遠隔測定回路を含むことができる電力増幅器1505、電力の送信および/または電力および/または遠隔測定の情報を受信できる外部誘導コイル1507のような、電源を含むことができる。
【0072】
埋込型酸素供給器101によって課される負荷は、負荷1513によって示されている。埋込型酸素供給器101は、同様に、無線によって電力を受電し、制御信号を受信し、および/またはデータを送信する内部誘導コイル1509を含むことができる。埋込型酸素供給器101は、内部電子機器を動作させるためおよび/または制御情報を処理するために、受信した電力を直流に変換する電力回収回路を含むことができる。
【0073】
図16は、人間の眼に埋め込まれた埋込型酸素供給器とともに、電力および/または通信するために使用でき、耳に装着することができる外部装置の例である。外部装置は、スタイリッシュなブルートゥースの顎骨ヘッドセットに似ている。耳フック1601は、耳の後ろに配置した電池1503と共に、耳の上に掛けてもよい。電力増幅器1505は、ヘッドセットのアーム1603の中に埋め込むことができ、外部コイル1507は、アーム1603の前方部分に埋め込むことができ、埋込型酸素供給器に最も近い。アームは、約9センチの長さであってもよく、外部コイル1507の最適な直径によって決定される幅を有し、埋込型酸素供給器の中で対応するコイルの結合距離、送信周波数、および大きさに応じて変化してもよい。
【0074】
電池は、任意のタイプとすることができ、サイズ13(直径7.9mm×高さ5.4mm、280mAh)または675(直径11.6mm×高さ5.4mm、620mAh)であって1つ以上の亜鉛空気補聴器円筒状電池のようなものがある。黄斑の10%に供給するため、サイズ13の1つの電池であれば11時間継続でき、サイズ675の1つの電池であれば24時間継続できる(順方向電力の遠隔測定の効率が50%において)。クラスAのE級増幅器(効率が90〜97パーセント)は、電池の直流電力を高周波電力に変換するために使用されてもよい。外部コイル1507は、電解質貯留槽体103に埋め込むことができる、埋込型酸素供給器の中の対応するコイルと空気を介して結合することができる。埋込型酸素供給器は、順方向電力の遠隔測定のために、単一バンドの遠隔測定システムを使用してもよい。低い搬送周波数は、送電を最適化するために使用されてもよい。電解質貯留槽体103内のコイルは、交流から直流に電力を変換する整流器、並びに出力電圧を安定化させることができる調整回路に接続されていてもよい。埋込型酸素供給器は、コイルとの距離7mm、コイルの外径が40mm、コイルの内径が22mm、および1MHzの搬送周波数における250mW以内の電力において、75%の送電効率を達成することができる。2Aアおよび2MHzの周波数の外部コイル電流によって、眼の中で結果的に増加した温度は、定常状態において、0.1℃未満にすることができた。
【0075】
光源は、網膜の暗い代謝を低減する閉じた瞼に低レベルの光を透過させるように、含まれおよび配向される。これは、異なる外部の着用可能な装置、イヤーフック1601、または埋込型酸素供給器101に結合されてもよい。
【0076】
引用された全ての論文、特許、特許出願、および他の刊行物は、参照として本明細書に組み込まれている。
【0077】
構成要素、手段、特徴、対象、利益、および利点は、単なる例示として説明されている。それら、それらに関連する議論のいずれも、いかなる方法において保護の範囲を限定することを意図されていない。多数の他の実施例も熟考される。これらは、若干の、付加的な、および/または異なる、構成要素、ステップ、特徴、目的、利点、および利点を有する実施形態を含む。これらは、配置されおよび/または異なって順序付けされた、構成要素および/またはステップの実施形態も含む。
【0078】
例えば、酸素供給器は、脳腔、血液潰瘍、くも膜下腔、肝臓、肺、腎臓、中央血管系、および末梢血管系にも、埋め込むことができる。
【0079】
特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含め、本明細書に記載されている、全ての測定、値、評価、位置、大きさ、サイズは、および他の仕様は、概算であり、正確とは限らない。それらは、関係する機能、および関係する技術分野の慣例であるものに関連することと矛盾しない合理的な範囲を有することが意図されている。
【0080】
この開示によって引用された全ての論文、特許、特許出願、および他の刊行物は、参照として本明細書に組み込まれている。
【0081】
請求項において使用される場合の「の手段」の語句は、意図され、記載されおよびその均等物に対応する構造および材料を包含するものと解釈されるべきである。請求項において使用される場合の「のステップ」の語句は、意図され、記載されおよびその均等物に対応する作用を包含するものと解釈されるべきである。請求項に存在しないこれらの語句は、請求項に意図されず、これらに対応する構造、材料、または作用、同等物に限定されると解釈されるべきではない。
【0082】
保護範囲は、現状の以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。その範囲は、意図され、特定の意味が記載されている場合を除いて、出願経過に照らして解釈するときの特許請求の範囲において用いられる語句の通常の意味と一致するよう広いものと解釈されるべきであり、全ての構造および機能的な均等物を包含している。
【0083】
「第1」および「第2」等のような関係語は、必ずしも必要とすることなく、実際のいかなる関係、またはそれらの間の順序を示唆することなく、他から1つの構成要素または作用を区別するためにのみ使用できる。「含む」、「含むこと」、およびそれらの任意の他の変形に関する用語は、明細書または特許請求の範囲における要素のリストに関連して使用される場合、そのリストは、排他的ではなく、他の要素を含むことができることを示すことが、意図されている。同様に、「a」または「an」が先行する要素は、さらなる制約なく、同じタイプの追加要素の存在を排除しない。
【0084】
いずれの請求項も、米国特許法第101、102、または103条の要求を満たさない主題を含有することを意図せず、そのような方法で解釈されるべきでない。このような主題のいかなる意図しない適用範囲は、ここでは放棄されている。この段落において単に明示されているものを除き、特許請求の範囲に記載されているか記載されていないかに関わらず、意図されて記載または図示されたものはなく、または任意の構成要素、手段、機能、目的、利益、利点、または一般と同等の献身を根拠として解釈されるべきではない。
【0085】
要約は、読者が技術的な開示の本質を迅速に確認することを助けるために設けられている。それは、特許請求の範囲または意味について、解釈または制限するために用いられないとの理解のもとに提出されている。さらに、先の詳細な説明における様々な特徴は、開示を合理化するために、様々な実施形態の中で一まとめにされている。この開示の方法によって、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするように請求される実施形態が必要とされるように、解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲を反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態における全ての特徴よりも少ない特徴にある。このように、以下の特許請求の範囲は、本明細書の詳細な説明に組み込まれ、それぞれ自立した請求項が個別に主題を主張している。
【0086】
この出願は、特許弁護士協議事項表番号028080−0795であって、2013年10月5日に出願され、「網膜虚血のための新規の酸素療法の治療」と題され、優先権主張された米国仮特許出願61/710,233に基づく。
【0087】
この出願は、特許弁護士協議事項表番号028080−0484であって、「虚血性疾患を治療するための方法および装置」と題され、2008年1月22日に出願され、PCT/US08/00742の国内段階出願である、米国特許出願第12/523,990(米国特許第8,209,024 B2として2012年6月26日に発行)にも関連している。
【0088】
これらの全出願の全内容は、参照によってここに組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16