特許第6335935号(P6335935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェッター ファルマ−フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲーの特許一覧

特許6335935注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント
<>
  • 特許6335935-注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント 図000002
  • 特許6335935-注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント 図000003
  • 特許6335935-注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント 図000004
  • 特許6335935-注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335935
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/34 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   A61M5/34 510
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-562020(P2015-562020)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-509894(P2016-509894A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】EP2014054142
(87)【国際公開番号】WO2014139832
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2016年9月27日
(31)【優先権主張番号】102013204134.9
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513220920
【氏名又は名称】フェッター ファルマ−フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(74)【代理人】
【識別番号】100160668
【弁理士】
【氏名又は名称】美馬 保彦
(72)【発明者】
【氏名】ツェンカー,ヨッヒェン
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−515582(JP,A)
【文献】 特表2012−530585(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/144026(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器又はカルプルの突起部が挿入可能な内部空間(7)を包囲する基体(3)を備えており、
前記基体(3)が、前記内部空間(7)を取り囲む外被(5)を含んでおり、且つ
前記外被(5)と結合し、前記外被(5)に対して同軸に配置され、内壁(11)を有する内側体(9)を備えており、アタッチメント(1)を装着した状態では前記内壁(11)が、前記内部空間(7)に面した内面(13)で、前記突起部又は前記注射器又はカルプルの外面に当接する、注射器又はカルプルのためのアタッチメントにおいて、
前記内側体(9)の前記内壁(11)が、多数の橋絡部(15)を介して前記アタッチメント(1)の前記外被(5)と結合しており、
前記基体(3)の中心軸(17)を通過し、かつ、径方向に延びる仮想線(21)に対して、0°より大きく鋭角である角度αを成すように、少なくとも一つの橋絡部(15)が、前記外被(5)から前記内側体(9)に延在していることを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
二つの隣接する橋絡部(15)と、前記外被(5)と、前記内側体(9)の前記内壁(11)との間で、自由空間(31)が取り囲まれていることを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記橋絡部(15)が中心軸(17)に対して旋回したときに前記橋絡部(15)を支持するための少なくとも一つの支持受け部(25)が設けられており、前記支持受け部(25)が、前記外被(5)の内側(24)から出ており、且つ橋絡部(15)から間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記支持受け部(25)が、前記外被(5)の前記内側(24)から延在するベース体(27)を備えており、前記ベース体(27)が、前記外被(5)の前記内側(24)に対して間隔をあけて自由端を有していることを特徴とする請求項3に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記ベース体(27)が、前記外被(5)の前記内側(24)から前記ベース体(27)の自由端に向かって先細りしていることを特徴とする請求項4に記載のアタッチメント。
【請求項6】
好ましくは前記自由端の領域内で、前記ベース体(27)が横の突出部(29)を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記橋絡部(15)が中心軸(17)に対して旋回したときに前記橋絡部(15)を支持するための二つの支持受け部(25)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記支持受け部(25)が、互いに面していない外側で、それぞれ少なくとも一つの突出部(29)を備えていることを特徴とする請求項7に記載のアタッチメント。
【請求項9】
一つの自由空間(31)内で、前記橋絡部(15)が中心軸(17)に対して旋回したときに前記橋絡部(15)を支持するための一つ又は二つの支持受け部(25)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項10】
周方向に連なった二つの自由空間(31)を備えており、周方向に連なった二つの自由空間(31)に、少なくとも一つの支持受け部(25)を備えており、周方向に連なった二つの自由空間(31)の間には、支持受け部(25)のない隙間が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のアタッチメント。
【請求項11】
互いに対して周方向に間隔をあけて配置された少なくとも二つの自由空間(31)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項12】
それぞれ少なくとも一つの自由空間(31)を含むリングセグメントが構成されており、前記自由空間(31)が、二つの隣接する橋絡部(15)と、前記外被(5)と、前記内側体(9)の前記内壁(11)とによって取り囲まれていることを特徴とする請求項11に記載のアタッチメント。
【請求項13】
一つのリングセグメントが、二つの隣接する自由空間(31)を有することを特徴とする請求項12に記載のアタッチメント。
【請求項14】
二つの自由空間(31)の間の少なくとも一つの隙間内に、前記橋絡部(15)が中心軸(17)に対して旋回したときに前記橋絡部(15)を支持するための少なくとも一つの支持受け部(25)が設けられていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記基体()の中心軸(17)の方向で測定した前記内側体(9)の高さが、前記基体()の高さより小さいことを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の注射器又はカルプルのためのアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
注射器、カルプル、又はその類似物のためのアタッチメントが知られている。このアタッチメントはアダプタとしても使用され、且つカニューレ又はその他の装置、例えば注入機構若しくはその類似物のための固定手段を提供するために用いられる。このアタッチメントは、注射器、カルプル、又はその類似物の突起部に装着されて固定される。アタッチメントは一般的に雌ネジ山を備えており、この雌ネジ山にカニューレ又はその類似物の連結部をねじ込むことができる。ここで論じる種類のアタッチメントは、しばしばセーフティロック又は保証封止としても形成されており、且つ固定部品を備えており、この固定部品は、注射器、カルプル、又はその類似物の末端にある突起部に固定的に装着され、そこでラッチ式に保持される。このような封止の場合、固定部品とキャップが規定破断線を介して結合されており、このキャップが、注射器、カルプル、又はその類似物から遠ざかる方向に向けられた突起部の自由端を確実にカバーし、これにより、注射器、カルプル、又はその類似物の内部空間も保護される。キャップを外すときに規定破断線が裂き開かれ、これによりキャップが取り外されたことを不可逆的に認識することができる。したがってアタッチメントの操作を防ぐことも保証されている。突起部は自由端を有しており、そのうえ好ましくはこの自由端に対して間隔をあけて突起部の外面に施された少なくとも一つの凹部を有しており、この凹部はリング溝を形成していることが好ましい。このリング溝に、注射器、カルプル、又はその類似物で固定されたアタッチメントがラッチ式に噛み合う。ここで論じる発明は、セーフティキャップを備えたアタッチメントにも、このような開封明示機能のないアタッチメントにも関している。ここで論じる種類のアタッチメントは、トルクが作用する際にしばしば注射器、カルプル、又はその類似物の突起部に対して相対的に回転する可能性があり、その際に外れる可能性もあり、これにより、注射器、カルプル、又はその類似物の内部にある媒体が汚染される可能性があり、使い物にならなくなることが分かった。これは、大きな金銭的損失を発生させる可能性があり、又は患者を危機に曝す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって本発明の課題は、ここで論じる種類のアタッチメントを、注射器又はカルプルに確実に取り付けることができ、その際、アタッチメントと注射器又はカルプルの間の相対的な回転が高い信頼性で回避されるように形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、請求項1に挙げた特徴を含むここで論じる種類のアタッチメントを提案する。このように実現されたアタッチメントは、内部空間を包囲し、外被を有する基体と、基体と結合しており、同軸に配置された内側体とを備えている。このアタッチメントの特徴は、アタッチメントを装着した状態では注射器又はカルプルの突起部に当接する内側体の内壁が、多数の橋絡部を介してアタッチメントの外被と結合しており、この橋絡部が、橋絡部の一方の端部と交差するか又は接触する径方向に延びる仮想線と角度を挟んでいることである。この角度は0°より大きくて鋭角である。このようなアタッチメントにトルクが導入されると、径方向の仮想線に対して角度をつけて延びている橋絡部は、橋絡部が、径方向に延びるように旋回し、よって外被と内側体の内壁との間で押しつぶされる。これにより内壁は、注射器、カルプル、又はその類似物の突起部にさらに強い力で押し当てられて確実に保持される。したがって突起部に対するアタッチメントの回転が高い信頼性で回避される。
【0005】
アタッチメントの好ましい一つの例示的実施形態の特徴は、外被の内側から出ており、且つ橋絡部に対して間隔をあけて配置されている少なくとも一つの支持受け部である。この支持受け部は、アタッチメントにトルクが作用すると、橋絡部が径方向の仮想線に対して鋭度で配置されている状態から、最大で、橋絡部が径方向に延びて、これにより突起部に最大の押当て力が掛かる位置にまで旋回され得るように配置されている。アタッチメントが径方向の線を越えて旋回する場合、それは、突起部に向かって内壁を押し当てる力を減少させるであろう。支持受け部はこれを阻止し、したがってアタッチメントにトルクが作用すると、橋絡部は最大の押当て力が作用する位置までは旋回することができ、その後、支持受け部によりこの位置で保持される。
【0006】
さらなる好ましい一つの例示的実施形態は、支持受け部が横の突出部を備えることを特徴とし、この突出部は、帰属の橋絡部に向かって周方向に延びており、したがって支持受け部に橋絡部が当接する位置が規定されている。これにより橋絡部に作用する力を予め定めることができ、したがってトルクの導入時のアタッチメントの挙動を正確に予め定めることができる。
【0007】
さらなる好ましい一つの例示的実施形態では、二つの支持受け部が設けられており、したがって複数の橋絡部で、径方向の位置を越えて旋回することを阻止することもできる。ただし、両方向での意図しない回転に対してアタッチメントの橋絡部を突っ張り支持するように、支持受け部を配置することも考えられる。
【0008】
アタッチメントのさらなる形態は従属請求項から明らかである。
【0009】
以下に、本発明を図面に基づいてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】アタッチメントの第1の例示的実施形態の下面の透視図法による原理図である。
図2】アタッチメントの第2の例示的実施形態の下面の原理図である。
図3図2に示したアタッチメントの内面の透視図である。
図4】アタッチメントの第3の例示的実施形態の内面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示したアタッチメント1の第1の例示的実施形態は、注射器又はカルプルに適しており、且つ基体3を備えており、この基体の外被5が内部空間7を取り囲んでいる。外被5と内側体9が結合されており、この内側体は内壁11を備えており、アタッチメント1を注射器、カルプル、又はその類似物の突起部に装着した状態ではこの内壁がその内面13で突起部の外面と接触する。内側体9の内壁11は、多数の橋絡部15を介して外被5と結合されており、この橋絡部は外被5の内側から出ている。つまり内側体9は外被5に対して同軸に配置されている。
【0012】
アタッチメント1の基体3は、図1で観察者に面しているアタッチメント1の下面19がある仮想平面上に垂直に立つ中心軸17を有している。この中心軸17を通って、径方向に延びる仮想線21が延びており、この線はさらに、橋絡部15の一方の端部を通って、又は橋絡部15の一方の端部と内壁11の間の移行点23を通って延びている。この線21と、外被5と内側体9の間に延びている少なくとも一つの橋絡部15とが、0°より大きく鋭角である角度αを挟んでいる。この角度は、具体的な橋絡部15’が図1で径方向に延びる線21の下側に配置されているように、移行点23から外側に開いている。図1に示した例示的実施形態では、アタッチメント1のすべての橋絡部が、径方向に延びる仮想線21に対し、橋絡部15’に対応する向きで配置されている。
【0013】
図1に示した例示的実施形態は、内壁11が一続きに形成されており、つまり橋絡部15によってアタッチメント1の基体3の外被5に対して間隔をあけて保持されたリングであることを特徴とする。
【0014】
内壁11の内面13によって規定された内側体9の内径は、アタッチメント1を装着すべき注射器、カルプル、又はその類似物の突起部の外径より少し小さい。つまり、ここでは示されていない突起部にアタッチメント1を装着すると、内側体9が拡張される。好ましいとされているように突起部がその外面の領域内に好ましくはリング状の凹部を有する場合、突起部にアタッチメント1を装着すると、内壁11の内面13がこのリング溝にパチンと嵌り込み、アタッチメント1を注射器、カルプル、又はその類似物の突起部で確実に保持する。
【0015】
橋絡部11の少なくとも一つに支持受け部25が割り当てられており、この支持受け部は、外被5の内側24から出ており、且つ内部空間7の方向に延びている。支持受け部25はベース体27を備えており、このベース体は、内側24からベース体の反対側の自由端に向かって先細りしていくことが好ましく、且つ片側に、好ましくは自由端から出ている突出部29を備えており、この突出部は、隣接する橋絡部に向かって、ここでは橋絡部15’に向かって延びている。
【0016】
ここに示したアタッチメント1の例示的実施形態では、各々の橋絡部15にこのような支持受け部25が割り当てられている。
【0017】
二つの隣接する橋絡部15及び内壁11の帰属の領域により自由空間31が作り出されており、この自由空間は、外被5の内側24と、橋絡部の自由空間31に面した内面と、内壁11とによって包囲されている。
【0018】
図1に示した例示的実施形態では、互いに対して同じ周方向間隔をあけて配置されており、径方向に延びる仮想線21に対する同じ角度位置に配位された八つの橋絡部15が設けられており、周方向に見たこれらの橋絡部の間でそれぞれ一つの自由空間31が構成されており、この自由空間は、径方向の外側では外被5の内側24によって、及び径方向の内側では内壁11の内側によって、及び最後に隣接する橋絡部15の内面によって画定されている。ここでは各々の自由空間31内に一つの支持受け部25を設けることが好ましく、この支持受け部は、上で説明したようにベース体27及び突出部29を備えている。
【0019】
ここで説明した例示的実施形態は、支持受け部25を二つだけ設けることにより、又は一つおきの自由空間31にのみ一つの支持受け部を割り当てることにより、又はそれに類することにより、変形することができる。
【0020】
それだけでなく、内壁11を閉じたリングとして形成するのではなく、二つの直接隣接する橋絡部15と、この両方の橋絡部を結合する内壁11の一区域とによって構成されたリングセグメントを設けることができる。その際、内壁11の一区域によって結合された橋絡部の左右には内壁を設けない。この場合、左右に続く橋絡部は、それぞれ隣り合う橋絡部と、これらの橋絡部に割り当てられた内壁の一区域とにより、さらなるリングセグメントを構成する。言い換えれば、図1ですべての自由空間31に渡されている一続きの内壁11が、変形された一つの例示的実施形態では、一つおきの自由空間で省略されており、この場合、八つの橋絡部15を備えたアタッチメント1で四つのリングセグメントが構成される。一つのリングセグメントが二つの隣接する自由空間31を取り囲んでもよく、その際、自由空間の各々は二つの隣接する橋絡部によって横を画定されており、真ん中の橋絡部は両方の自由空間に面している。
【0021】
このような一形態では、支持受け部25を二つの隣接するリングセグメントの間に設けること、及びこのような支持受け部25のない自由空間31を形成することが可能である。さらに、図1に示した例示的実施形態は、自由空間31を包囲するリングセグメントを四つ構成することにより、及びこれらの包囲された自由空間31内でのみ支持受け部を設けることにより、変形することができる。
【0022】
図1は、支持受け部25が自由空間31内で真ん中には配置されていないことを認識させる。むしろ支持受け部25は自由空間31の仮想中心線に対してずれて、図1では右側にずれて配置されている。つまり特定の支持受け部25’は、橋絡部15’により近い。
【0023】
図2は、アタッチメント1の第2の例示的実施形態の下面を示している。同じ部分には同一の符号を付しており、したがってその点では前の説明を参照されたい。
【0024】
図2に基づく例示的実施形態では、内側体9が、一続きの、つまりリング状の内壁11を備えているのではなく、それぞれ一つの自由空間31を取り囲んでいる幾つかのリングセグメント33が構成されていることが明白である。図2に示したアタッチメント1の例示的実施形態は、二種類のリングセグメントを含んでいる。第1のタイプのリングセグメント33/1は橋絡部15/1aを備えており、この橋絡部15/1aは径方向に延びる仮想線21/1と、中心軸17から見て外側に開いている角度α/1を挟んでいる。この橋絡部15/1は線21/1のいわば左側に存在している。
【0025】
もう一つのタイプのリングセグメント33/2では、帰属の橋絡部15/2が、径方向に延びる仮想線21/2に対して一つの方向を指しており、且つこの線21/2と、中心軸17から見て外側に開いている角度α/2を挟んでいる。ただしここでは橋絡部15/2が線21/2のいわば右側に存在している。
【0026】
第1のリングセグメント33/1の自由空間31/1は、橋絡部15/1aの向かい側では橋絡部15/1bによって画定されており、橋絡部15/1bは、図1での橋絡部15’に対応する橋絡部15/2bと角度を挟んでおり、したがって橋絡部15/1bもまた、径方向に延びる仮想線のいわば左側で延びている。これに対応してリングセグメント33/2の自由空間31/2は、橋絡部15/2aの向かい側の橋絡部15/2bによって画定されており、この橋絡部15/2bは径方向に延びる仮想線に対して角度を挟んでおり、これによりこの橋絡部15/2bは仮想線のいわば右側に配置されている。
【0027】
図2に示した例示的実施形態では、リングセグメント33/1、33/2の各々において包囲された自由空間31/1及び31/2に一つの支持受け部が設けられており、その際、支持受け部25/1は橋絡部15/1aに、及び支持受け部25/2は橋絡部15/2aの向かい側の橋絡部15/2bに割り当てられている。つまり、両方の支持受け部25/1及び25/2もまた自由空間の仮想中心線に対してずれて配置されている。
【0028】
両方の支持受け部25/1及び25/2は、図1に基づいて説明したのと同一の構造である。つまり支持受け部はベース体及びベース体から横に出ている突出部を備えており、その際、支持受け部25/1はベース体27/1を備えており、ベース体27/1から突出部29/1が出ており、突出部29/1は反時計回りに突き出ている。支持受け部25/2は鏡像的に配置されている。すなわち支持受け部25/2はベース体27/2を備えており、ベース体27/2から突出部29/2が左側に、つまり時計回りに突き出ている。
【0029】
リングセグメント31/1と31/2の間にはそれぞれ隙間が設けられており、この隙間のそれぞれ一方は内部空間7へとV字形に開いており、これに対しもう一方の隙間はリングセグメントの内壁から外被5に向かってV字形に開いている。両方の隙間のうち後者、つまり基体3の外被5に向かってV字形に開いている隙間内にも、橋絡部15/1a又は15/2bのいずれかに割り当てられた突出部を備えた支持受け部を取り付けることができる。隙間を相応に大きく形成すれば、互いに対して鏡像的に配置された二つの支持受け部を設けることもできる。つまりこのような支持受け部は、帰属の橋絡部を図2に示したように自由空間31から外に向かって支持するのではなく、外側から、二つの隣接するリングセグメントの間隙つまり隙間から支持する。
【0030】
図2に示した例示的実施形態では、アタッチメント1は、全部で六つのリングセグメントに割り当てられた十二個の橋絡部を備えている。
【0031】
図3は、図2に示したアタッチメント1の縦断面を透視図で示している。同じ部分には同一の符号を付しており、したがって繰り返しを避けるため、その点では前の説明を参照されたい。
【0032】
図3は、外被5及び外被から出ている内側体9を備えたアタッチメントの基体3を示しており、この内側体は、外被5の内側から出ている橋絡部15/1a、15/1b、15/2a、及び15/2bを備えており、橋絡部の端部の間に内壁11のセグメントがあり、アタッチメント1を装着した状態ではこの内壁がその内面13で、注射器、カルプル、又はその類似物の突起部の外面に当接する。
【0033】
図3に基づく断面図は、垂直方向で、つまりアタッチメント1のここでは示されていない中心軸17の方向で測定した内側体9の高さが、外被5の高さよりかなり小さく、外被5がその内面24にネジ山35を備えていることを認識させ、このネジ山は、上で明細書の導入部において既に言及しており、且つ図4に基づいてもう一度より詳しく論じる。
【0034】
内側体9は、アタッチメント1の下端、つまり下面19の付近に配置されている。なぜならこれが従来の注射器、カルプル、又はその類似物の突起部でアタッチメント1を固定するために有利と分かったからである。必要の際には内側体9を、下面19に対して間隔をあけて上にずらして外被5に設けてもよい。
【0035】
内側体9の高さは、突起部にアタッチメントを装着した際及びアタッチメントを突起部に対して回転させようとする際に、十分に大きな力が発生し得るように選択される。
【0036】
最後に図3は、内側体9及び外被5が、下面19に平行に延びている平面内で同軸に存在していることを示している。
【0037】
図4は、アタッチメント1の第3の例示的実施形態を上から見た図において示している。ここでも同じ部分には同一の符号を付しており、したがってその点では前の図の説明を参照されたい。
【0038】
アタッチメント1は外被5を有する基体3を備えており、この外被の内側24にはネジ山35が設けられており、このネジ山は、カニューレ又は別の要素の連結部での雄ネジ山と協働することができる。アタッチメントのここで説明したすべての例示的実施形態はこのような雌ネジ山を備えることが好ましい。ただし、カニューレ、注入機構の連結部、又はそれに類する物のために、バヨネットロック又はその類似物を設けることも考えられる。
【0039】
アタッチメント1は内壁11を有する内側体9を備えており、内壁11はここでは一続きに形成され、つまりリングとして実現されている。内壁11は、前の例示的実施形態でもそうであったように橋絡部15を介し、内側体9に対して同軸に配置された外被5と結合している。
【0040】
この図に示した例示的実施形態では六つの橋絡部が設けられており、これらの橋絡部は互いにペアになって割り当てられており、これらのペアは互いに対して同じ周方向間隔をあけて配置されている。第1の自由空間31/1は二つの橋絡部15/1a及び15/1bによって画定されており、したがってこれらの橋絡部と、外被5の内側24と、内壁11との間で自由空間31/1が取り囲まれている。
【0041】
図4に示したようなアタッチメント1は三つの自由空間31/1、31/2、及び31/3を有しており、これらの自由空間はすべて、先ほど言及した自由空間31/1と同一に形成されている。画定する橋絡部15/1a及び15/1bに割り当てられた支持受け部25/1a及び25/1bは、ここでは簡単に31とだけ表されている自由空間の仮想中心平面に対してそれぞれずれて割り当てられており、これらの支持受け部は、仮想中心平面に対して鏡像的に方向づけられている。すなわち支持受け部25/1aはベース体27/1aから右側に突き出ている突出部29/1aを備えており、これに対し支持受け部25/1bはベース体27/1bから左側に突き出ている突出部29/1bを備えている。両方の突出部は、割り当てられた橋絡部の方向に向いており、つまり突出部29/1aは橋絡部15/1aに、及び突出部29/1bは橋絡部15/1bに向いている。
【0042】
自由空間31/2の表現から、自由空間31/2を画定している一方の橋絡部15/2aが、径方向に延びる仮想線21/2aと、中心軸17から見て外側に開いている角度α/aを挟んでいることが明らかであり、その際、橋絡部15/2aは、時計回りに見て仮想線21/2aにいわば先行している。
【0043】
これに対応して、自由空間31/2を取り囲んでいる第2の橋絡部15/2bは、径方向に延びる仮想線21/2bと、中心線17から見て外側に開いている角度α/bを挟んでおり、その際、橋絡部15/2bは、時計回りに見て線21/2bをいわば後追いしている。
【0044】
自由空間の間には、扇形に、つまり実質的には三角形に形成された隙間があり、この三角の底辺は外被5の内側24と重なっている。この三角の外被5に面していない先端は内壁11によって閉じられている。図4に示したアタッチメント1を変形した一つの例示的実施形態では、内壁11をここで中断させてもよく、したがって三つの同一で別個のリングセグメントが構成される。
【0045】
以下では、アタッチメント1の機能をより詳しく論じる。
【0046】
最初は図1に基づく例示的実施形態に関する。
【0047】
アタッチメント1は、注射器、カルプル、又はその類似物の突起部に装着され、これによりアタッチメントが内側体9を介して突起部で確実に保持される。内側体9の内壁11の内面13は、突起部の外面に固定的に当接し、好ましくは、そこに設けられたとりわけ一周している溝として形成された凹部にパチンと嵌り込む。内壁11は、突起部に装着されると拡がり、これにより内面13と突起部の外面の間に摩擦力が作用する。
【0048】
この場合、図1での表現に基づくアタッチメント1が、内壁11を通り抜けるここでは示されていない突起部に対し、矢印Pによって示唆したように反時計回りで回転すると、内壁11は上述の摩擦力によってしっかり保持され、その一方で外被9は反時計回りの矢印の方向に移動する。これにより橋絡部15’は、またすべてのその他の橋絡部も同様に、移行点23を中心として反時計回りに旋回する。同時にこの橋絡部15’はその根本23’の領域内で、つまり外被9の内側24での橋絡部15’が出ている領域内で旋回する。橋絡部15’の旋回移動により、この橋絡部は中心軸17に対して径方向に延びるように変位する。つまり、移行点23及び根本23’が橋絡部15’のいわば支点を構成し、内側体の内壁11に対して外被5を相対的に回転させると、この支点を中心として旋回する。その際、長期安定性の材料から成る橋絡部15’が押しつぶされ、したがって内壁11が突起部の外面に対して大きな力で押し当てられ、これにより回転しないように突起部で保持される。
【0049】
同じことがアタッチメント1のすべての橋絡部15に当てはまり、これらの橋絡部は、関節式ジョイントロッドのように挙動し、且つ内側体9の内壁11を高い摩擦力により回転しないように突出部で保持するために用いられる。橋絡部を押しつぶすために必要な力を発生させ得るよう、アタッチメント1の外被5は安定的に形成されている。
【0050】
橋絡部が中心軸17に対して径方向の位置に旋回すると、支持受け部25が橋絡部15に当接し、これにより内壁11に対する外被5のさらなる回転移動が阻止される。
【0051】
この機能方式を実現するため、橋絡部15は頑丈な材料から製造されており、したがってこの橋絡部はその長さを著しく縮小させずに可能な限り押しつぶされ得る。このときこの橋絡部は、最大の押当て力を発生させており、その一方で図1に示した位置からその径方向の状態に旋回している。
【0052】
内壁11の内面13と、アタッチメント1が装着される突起部との間に高い摩擦力を発生させるため、内面13は、少なくとも部分的により軟らかい材料、例えばTPEを有することが好ましく、又は完全にこの材料から成ることが好ましい。よって、内壁11を硬い材料から形成し、且つ内面11でより軟らかい材料を包摂するか又はこの軟らかい材料から成る層を取り付けることもできる。
【0053】
好ましいのは、橋絡部と、内壁11の部分領域又はこの内壁の内面13全体がプラスチックから成ることである。とりわけ好ましいのは、アタッチメント1を二成分射出成形法で二種のプラスチック材料から製造することであり、これらの材料のうち一方は硬く、且つ圧力に対して抵抗力があり、これに対してもう一方の材料は軟らかく、且つ高い摩擦力が発生するように突起部の外面にぴったりと合う。
【0054】
図1に基づく例示的実施形態では、すべての支持受け部25が、自由空間11内で、仮想中心平面に対して橋絡部の一方に向かってずれている。したがって図1に基づくアタッチメント1は、内壁11に対する外被5の反時計回りでの回転に対する高い抵抗力が阻止されるように形成されている。
【0055】
図1に基づく例示的実施形態では、少なくとも一つの、好ましくは一つおきの支持受け部25を、自由空間31の仮想中心平面に対して鏡像的に配置することが考えられる。こうすることで高い抵抗力を、しかも上で説明したような反時計回りでの回転の際だけでなく時計回りでの回転の際にも発生させることができる。
【0056】
図2に基づく例示的実施形態では、交互に鏡像的に形成された幾つかのリングセグメントを設けることができる。リングセグメント33/1はそれぞれ一つの支持受け部25を備えており、この支持受け部は自由空間31内に配置されており、しかも仮想中心線に対して右側にずれている。これによりリングセグメント33/1の支持受け部はそれぞれ橋絡部15/1aと協働し、したがって図1に基づいて説明したように反時計回りでのアタッチメント1の回転に対する高い抵抗力を発生させる。
【0057】
リングセグメント31/2では鏡像的な構造が存在しているので、このリングセグメント33/2は、注射器、カルプル、又はその類似物の突起部に装着した後のアタッチメント1の時計回りでの回転を妨げる。
【0058】
つまり鏡像的に形成されたリングセグメント33/1及び33/2により、このアタッチメント1を両方向の回転に対して固定することが達成される。
【0059】
アタッチメント1の図4に示した例示的実施形態を考察すると、六つの橋絡部が設けられており、これらの橋絡部のうち橋絡部15/1a及び15/1bは自由空間31/1を画定しており、この自由空間は、中心軸17の方向へは内壁11によって、及び径方向の外側へは外被5の内面24によって閉ざされていることが分かる。
【0060】
自由空間31/1の中心平面に対してずれて、橋絡部15/1a及び15/1bの付近で、自由空間31/1の仮想中心平面に対して鏡像的に方向づけられた支持受け部25/1a及び25/1bが設けられており、これらの支持受け部のうち支持受け部25/1aはベース体27/1aを備えており、このベース体27/1aから、橋絡部15/1aに向かって突出部29/1aが延在している。これに対応して突出部29/1bは橋絡部15/1bに向いている。反時計回りで回転させると、橋絡部15/1aが、図1に基づいて説明したようにこの橋絡部が最終的に径方向に方向づけられて内壁11に最大の圧縮力が掛かるまで押しつぶされる。アタッチメント1のさらなる回転は、突出部29/1aが橋絡部15/1aにぶつかり、さらなる回転を阻止することによって阻止される。
【0061】
これに対応して反対方向に回転移動させると、突出部29/1bが、径方向の位置を越える橋絡部15/1bの旋回を阻止する。なぜならこの突出部29/1bが橋絡部にぶつかり、アタッチメント1が装着されている突起部に対するアタッチメント1のさらなる回転を阻止するからである。
【0062】
つまり、図4に示した例示的実施形態は、図2に基づく例示的実施形態のように、時計回りでの回転に対しても反時計回りでの回転に対しても固定されている。
【0063】
本発明によるアタッチメントは、ここでは注射器又はカルプルに基づいて説明されている。しかしながらこのアタッチメントがその他の適用目的のために、詳しく言えば、ここで論じた種類のアタッチメントによって封止可能な任意の注入機構、潅流機構、配量機構、及び輸血機構のためにも用い得ることは明白である。
図1
図2
図3
図4