(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336039
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】プロトコルデータユニットの配信
(51)【国際特許分類】
H04L 29/10 20060101AFI20180528BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20180528BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20180528BHJP
【FI】
H04L13/00 309B
H04W80/02
H04W28/04 110
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-505781(P2016-505781)
(86)(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公表番号】特表2016-521038(P2016-521038A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】EP2014056418
(87)【国際公開番号】WO2014161804
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】13/856,951
(32)【優先日】2013年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/067,509
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ヘンリ マルクス
【審査官】
阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0294281(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0281564(US,A1)
【文献】
特表2010−512691(JP,A)
【文献】
特表2009−543494(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/064772(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/10
H04W 28/04
H04W 80/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトコルエンティティによって、ユーザ装置においてあるいは進化型ノードBにおいて、データ転送を与える複数の無線リンクコントロール確認モードエンティティから受信したプロトコルデータユニットのシーケンスにおいてギャップを観察し、ここで前記ユーザ装置及び前記進化型ノードBにおいて終端されるパケットデータコンバージェンスプロトコルのベアラは、それぞれが前記ユーザ装置の2つの無線インターフェイスの各々を経た、2つの独立した無線リンクコントロールベアラにわたって搬送され;
プロトコルデータユニットの前記シーケンスにおける前記ギャップが充填されることが期待されないときを決定するため、前記ギャップの観察時にタイマーをスタートさせ;及び
前記タイマーが満了になったとき、上位層へのサービスデータユニットの配信を行う;
ことを含む方法。
【請求項2】
無線リソースコントロールによりタイマーの満了値を構成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2つ以上の下位層プロトコルエンティティからのプロトコルデータユニットの受信は、少なくとも部分的に並列の性質である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タイマーのスタートは、更に、タイマーの使用がアクチベートされるか又はデアクチベートされるかの決定を条件とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サービスデータユニットの配信を行うことは、フォワーディング状態レポートを処理することにさらに基づくものである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サービスデータユニットの配信を行うことは、受信が期待されない少なくとも1つのプロトコルデータユニットを識別することにさらに基づくものである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備えた装置において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、
プロトコルエンティティによって、ユーザ装置においてあるいは進化型ノードBにおいて、データ転送を与える複数の無線リンクコントロール確認モードエンティティから受信したプロトコルデータユニットのシーケンスにおいてギャップを観察し、ここで前記ユーザ装置及び前記進化型ノードBにおいて終端されるパケットデータコンバージェンスプロトコルのベアラは、それぞれが前記ユーザ装置の2つの無線インターフェイスの各々を経た、2つの独立した無線リンクコントロールベアラにわたって搬送され;
プロトコルデータユニットの前記シーケンスにおける前記ギャップが充填されることが期待されないときを決定するため、前記ギャップ観察時にタイマーをスタートさせ;及び
前記タイマーが満了になったとき、上位層へのサービスデータユニットの配信を行う;
ように構成される、装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、無線リソースコントロールによりタイマーの満了値を構成するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
2つ以上の下位層プロトコルエンティティからのプロトコルデータユニットの受信は、少なくとも部分的に並列の性質である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記タイマーのスタートは、更に、タイマーの使用がアクチベートされるか又はデアクチベートされるかの決定を条件とする、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記サービスデータユニットの配信を行うことは、フォワーディング状態レポートを処理することにさらに基づくものである請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記サービスデータユニットの配信を行うことは、受信が期待されない少なくとも1つのプロトコルデータユニットを識別することにさらに基づくものである請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2013年10月30日に出願された米国特許出願第14/067,509号の利益及び優先権を主張するもので、該出願は、2013年4月4日に出願された米国特許出願第13/856,951号の一部継続出願であり、その利益及び優先権も主張される。この以前の出願は、両方とも、参考としてここにそのまま援用される。
【0002】
種々の通信システムにおけるプロトコルデータユニット又は他の適当なデータ又は情報ユニットの配信は、適当な方法及び装置により改善することができる。例えば、多数の下位層確認モードプロトコルエンティティから並列に受信されるプロトコルデータユニットのシーケンス内配信は、再順序付けタイマー及び/又はフォワーディング状態レポートから利益が得られる。更に、多数の下位層確認モードプロトコルエンティティから並列に受信されるプロトコルデータユニット(PDU)のシーケンス内配信は、受信プロトコルエンティティにおいて上位層へのデータ配信を促進するためにサービスデータユニット(SDU)を含まないデータPDUから利益が得られる。
【背景技術】
【0003】
進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)エアインターフェイスプロトコルスタックでは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)が、現在、無線リンクコントロール(RLC)プロトコルの上に存在する。PDCPは、現在、参考としてここに援用される第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術仕様書(TS)36.323により規定されている。RLCは、参考としてここに援用される3GPP TS 36.322により規定されている。
【0004】
PDCPでは、リストされた「下位層から予想されるサービス」は、とりわけ、確認データ転送サービスを含み、これは、下位層の再確立時を除き、PDCPプロトコルデータユニットの首尾良い配信及びシーケンス内(in-sequence)配信の指示を含むものである。
【0005】
対応的に、次のPDCP「ファンクション」がリストされる:下位層の再確立時の上位層PDUのシーケンス内配信。
【0006】
E−UTRANの二重接続の研究において、プロトコルスタックは、二重接続の各ノードに独立したRLCを有することをベースとされた。
図1は、コントロール/ユーザ(C/U)平面プロトコルスタックを示す。より詳細には、
図1は、オフロード又はサイト間キャリアアグリゲーションのためのマルチ無線U平面プロトコルスタックを示している。
【0007】
ステージ2レベルにおいて、PDCPとRLCとの間のシーケンス内配信における作業分担は、それ自体を、例えば、参考としてここに援用する3GPP TS 36.300§§10.1.2.3及び10.1.2.3.1において次のように示している。「ハンドオーバーの際に、ソースeNBは、ターゲットeNBに全てのダウンリンクPDCP SDU[サービスデータユニット]を、UEにより確認されていないそれらのSNと共に順次にフォワーディングする。・・・通常のハンドオーバーの後に、UEは、ターゲットeNBからPDCP SDUを受信するとき、それを、考えられるギャップに関わらず低いSNをもつ全てのPDCP SDUと一緒に上位層へ配信することができる。」
【0008】
上述した考えられるギャップは、ハンドオーバー後に、UEのPDCPが、ハンドオーバー前に受信が失敗したPDUを受信するために生じるが、それらがソースeNBによりターゲットeNBへフォワーディングされる場合だけである。いずれの場合にも、UEのPDCPは、ハンドオーバー後に受信したPDUがPDUのシーケンス番号の増加する順に到着すると仮定することが許される。
【0009】
この原理のステージ3の実現は、3GPP TS 36.323 §§5.1.2、5.1.2.1、及び5.1.2.1.2において次のように見える。「・・・PDCPにより受信されたPDCP PDUが下位層の再確立によるものでない場合に:関連COUNT値の上昇順に上位層へ:受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値より低い関連COUNT値をもつ記憶された全てのPDCP SDU;受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値からスタートする連続的に関連するCOUNT値をもつ記憶された全てのPDCP SDU;・・・を配信する。」
【0010】
従って、ソースeNBのキーで暗号化された全ての受信RLC SDUを配信するためにハンドオーバーにおいて遂行されるRLC再確立によってPDUがフラッシュされない限り、システムは、低いSNをもつPDUが受信の後に続かず、従って、SDUを上位層へ配信すると仮定する。
【0011】
同じ3GPP TSから続いて:「・・・Last_Submitted_PDCP_RX_SNを、上位層に配信された最後のPDCP SDUのPDCP SNにセットし、さもなければ、受信PDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN+1又は受信PDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN−Maximum_PDCP_SNである場合に:関連COUNT値の上昇順に上位層へ:受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値からスタートする連続的に関連するCOUNT値をもつ記憶された全てのPDCP SDUを配信し;Last_Submitted_PDCP_RX_SNを、上位層に配信された最後のPDCP SDUのPDCP SNにセットする。」
【0012】
従って、PDUがRLC再確立によりフラッシュされた場合には、システムは、上位層へのSDU配信を控え、これは、配信されるSDUのSNシーケンスにホールを残す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、上述した従来の手順では、2つの分岐があり、その第1は、SNの低い未受信のPDUは、受信後に予想できないと仮定することであり、この仮定に対する唯一の例外である第2の分岐は、PDUがRLC再確立のために受信されるときである。
【0014】
別のプロトコルアーキテクチャーオプションは、分散型RLCプロトコルを含み、
図1を参照すれば、eNBのPDCPエンティティは、共通位置にあるマスターRLCエンティティにインターフェイスし、このマスターRLCは、UEを行先とするRLC PDUを、この場合に二重無線モードと称される、共通位置のMAC/PHY層を経て直接無線インターフェイス送信するためのものと、LTE−Hi APで動作するスレーブRLCにより送信されるもの、に分割する。上述した方法と同様に、このオプションでは、PDCPベアラと、所与の方向のデータ流を伴うRLCベアラとの間には1対1のマッピング関係がある。
【0015】
3GPP TS 36.322によれば、各受信未確認モードのRLCエンティティは、次のもの、即ちVR(UR)−UM受信状態変数、VR(UX)−UM t−再順序付け状態変数、VR(UH)−UM最高受信状態変数、及びt−再順序付けを実施する。VR(UR)−UM受信状態変数は、再順序付けのために依然考慮される最も早期のUMDPDUのSNの値を保持することができる。VR(UX)−UM t−再順序付け状態変数は、t−再順序付けをトリガーしたUMD PDUのSNに続くSNの値を保持することができる。VR(UH)−UM最高受信状態変数は、受信したUMD PDUの中で最も高いSNをもつUMD PDUのSNに続くSNの値を保持し、そして再順序付けウインドウの上位縁として働くことができる。t−再順序付けは、下位層におけるRLC PDUのロスを検出するためにAM RLCエンティティ及び受信UM RLCエンティティの受信側により使用されるタイマーである。
【0016】
3GPP TS 36.322、§5.1.2.2.4は、t−再順序付けが満了になったときのアクションを説明している。特に、3GPP TS 36.322は、「t−再順序付けが満了になったときに、受信UM RLCエンティティは、VR(UR)を、第1のUMD PDUのSNに、SN≧非受信VR(UX)で更新し;UMD PDUからのRLC SDUをSN<更新VR(UR)で再アッセンブルし、そのように行うときにRLCヘッダを除去し、そして再アッセンブルされたRLC SDUを、以前に配信されていない場合にRLC SNの上昇順に上位層へ配信し;VR(HU)>VR(UR)の場合に、t−再順序付けをスタートし;VR(UX)をVR(UH)にセットする」と説明している。
【0017】
従来、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)データPDUは、PDCP SDU SN;及び非圧縮のPDCP SDUを含むユーザ平面データ;又は圧縮されたPDCP SDUを含むユーザ平面データ;又はコントロール平面データ;及びSRBのためのMAC−1フィールド;又はRNに対して、DRBのMAC−1フィールド(完全性保護が構成される場合)を搬送するのに使用される。
【0018】
従来、PDCPは、無線リンクコントロール(RLC)再確立時を除いて、受信されたものの中で、PDU欠落を待機しない。従って、eNBでのPDCP破棄によって生じるギャップは、UEにおいてTCP/IPで直ちに見ることができる。その結果、UEは、複写TCP ACKを送信し、そしてネットワーク側のTCPがスローダウンされる。
【0019】
例えば、参考としてここにそのまま援用される3GPPテクニカルレポート(TR)36.842 v.0.3.0には、上位層の小さなセル層の改善が説明されている。例えば、テクニカルレポートのオプション3Cには、使用されるU平面プロトコルアーキテクチャーが説明されている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の実施形態によれば、方法は、データ転送を与える複数の下位層プロトコルエンティティから受信したプロトコルデータユニットのシーケンスにおいてギャップを観察することを含む。又、この方法は、ギャップ観察時にタイマーをスタートさせることも含む。更に、この方法は、タイマーが満了になったとき、ギャップが上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止するのを防止することも含む。
【0021】
変形例において、前記方法は、フォワーディング状態レポートを検出し、そして上位層へのデータ配信の直前に、ハンドオーバーにおいてフォワーディング欠落ためにギャップを含ませることを含む。
【0022】
第2の実施形態によれば、方法は、どのプロトコルデータユニットシーケンス番号がユーザ装置にフォワーディングされないか決定することを含む。又、この方法は、レポートにおいてユーザ装置へプロトコルデータユニットシーケンス番号を明確に識別することを含む。
【0023】
第3の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、データ転送を与える複数の下位層プロトコルエンティティから受信したプロトコルデータユニットのシーケンスにおいてギャップを観察するように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、ギャップ観察時にタイマーをスタートさせるようにも構成される。更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、タイマーが満了になったとき、ギャップが上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止するのを防止するようにも構成される。
【0024】
変形例において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、フォワーディング状態レポートを検出し、そして上位層へのデータ配信の直前に、ハンドオーバーにおいてフォワーディング欠落ためにギャップを含ませるように構成される。
【0025】
第4の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、どのプロトコルデータユニットのシーケンス番号がユーザ装置へフォワーディングされないか決定するように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、レポートにおいてユーザ装置へプロトコルデータユニットシーケンス番号を明確に識別するようにも構成される。
【0026】
第5の実施形態によれば、装置は、データ転送を与える複数の下位層プロトコルエンティティから受信したプロトコルデータユニットのシーケンスにおいてギャップを観察するための観察手段を備えている。又、この装置は、ギャップ観察時にタイマーをスタートさせるスタート手段も備えている。更に、この装置は、タイマーが満了になったとき、ギャップが上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止するのを防止するための防止手段も備えている。
【0027】
変形例において、この装置は、フォワーディング状態レポートを検出するための検出手段と、上位層へのデータ配信の直前に、ハンドオーバーにおいてフォワーディング欠落ためにギャップを含ませるための配信手段とを備えている。
【0028】
第6の実施形態によれば、装置は、どのプロトコルデータユニットのシーケンス番号がユーザ装置へフォワーディングされないか決定するための決定手段を備えている。又、この装置は、レポートにおいてユーザ装置へプロトコルデータユニットシーケンス番号を明確に識別するための識別手段も備えている。
【0029】
第7の実施形態によれば、方法は、シーケンス番号をもつが、非ゼロサイズのサービスデータユニットを伴わないプロトコルデータユニットを受信することを含む。又、この方法は、非ゼロサイズで且つシーケンス番号との関連性を有するサービスデータユニットが存在しないことで上位層へのサービスデータユニットの配信が阻止されるのを防止することも含む。
【0030】
第8の実施形態によれば、方法は、データ受信エンティティへ配信されないサービスデータユニットを決定することを含む。サービスデータユニットは、シーケンス番号に関連している。又、この方法は、シーケンス番号を含むが、サービスデータユニットは除外するプロトコルデータユニットを送信することも含む。
【0031】
第9の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、シーケンス番号をもつが、非ゼロサイズのサービスデータユニットを伴わないプロトコルデータユニットを受信するように構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、非ゼロサイズで且つシーケンス番号との関連性を有するサービスデータユニットが存在しないことで上位層へのサービスデータユニットの配信が阻止されるのを防止するように構成される。
【0032】
第10の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、データ受信エンティティへ配信されないサービスデータユニットを決定するように構成される。サービスデータユニットは、シーケンス番号に関連している。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、シーケンス番号を含むが、サービスデータユニットは除外するプロトコルデータユニットを送信するように構成される。
【0033】
第11の実施形態によれば、装置は、シーケンス番号を伴うが、非ゼロサイズのサービスデータユニットを伴わないプロトコルデータユニットを受信するための手段を備えている。又、装置は、非ゼロサイズで且つシーケンス番号との関連性を有するサービスデータユニットが存在しないことで上位層へのサービスデータユニットの配信が阻止されるのを防止する手段も備えている。
【0034】
第12の実施形態によれば、装置は、データ受信エンティティへ配信されないサービスデータユニットを決定するための手段を備えている。サービスデータユニットは、シーケンス番号に関連している。又、装置は、シーケンス番号を含むが、サービスデータユニットは除外するプロトコルデータユニットを送信する手段も備えている。
【0035】
第13から第16の実施形態によれば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときに、プロセスを遂行するインストラクションでエンコードされる。このプロセスは、各々、第1の実施形態、第2の実施形態、第7の実施形態、第8の実施形態の方法、及びそれらの変形形態である。
【0036】
第17から第20の実施形態によれば、コンピュータプログラムは、装置にロードされたときに、コンピュータシステムが第1の実施形態、第2の実施形態、第7の実施形態、第8の実施形態の方法、及びそれらの変形形態を遂行するようにさせるプログラムインストラクションを含む。
【0037】
本発明を適切に理解するために添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】単一のPDCPベアラとして働く独立したRLCプロトコルベアラを含むプロトコル−アーキテクチャーのオプションを示す。
【
図4】ある実施形態によるフォワーディング状態レポートの取り扱いを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
進化型ノードB(eNB)のようなベースステーションのネットワーク側の送信TCP装置をスローダウンする方法は色々ある。1つの方法は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)のデータユニット破棄をベースステーションにおいて使用することである。ベースステーションは、送信TCP装置のデータレートがベースステーションの無線インターフェイスのデータレートを越えるときに送信TCP装置にスローダウンを求める。例えば、この破棄は、eNBの送信バッファが確立をスタートするときに有用である。
【0040】
再順序付けの役割を果たす層が、そのようなパケット破棄を行う層と同じ層又はそれより上位の層である場合には、再順序付けプロトコルは、送信側で破棄されるパケットを、下位層でまだ処理されているパケットと区別することができない。例えば、おそらく間欠的にスケジュールされるマクロeNB(MeNB)及び小型セルeNB(SeNB)のような複数の別の配信岐路がある。
【0041】
あるシーケンス番号をもつSDUが受信されなくても、UEの受信PDCPが、受信データを上位層へいつ送るべきか判断するための種々のオプションがある。例えば、再順序付けタイマーが使用される。この再順序付けタイマーは、長い満了値を有する必要がある。或いは又、PDCPは、デフォールトにより、それ自身、まだ受信していないPDUに続くデータを上位層へ配信することを阻止する。データが続くかどうかは、シーケンス番号により確立される。
【0042】
両オプションは、送信PDCPエンティティから受信PDCPエンティティへの明確な指示から利益が得られる。この指示は、所与のSNに関連したSDUが予想されないことを特定する。この特徴及び他の特徴は、以下で説明する。
【0043】
ある実施形態では、E−UTRANの現在ベアラモデルとは異なり、ユーザ装置及びeNBに終端されるPDCPベアラは、ユーザ装置の2つの無線インターフェイスの各々を経て1つづつの、2つの独立したRLCベアラにわたって搬送される。従って、ある実施形態では、ベアラは、確認モード(AM)ベアラである。この説明では、eNBは、アクセスポイントの一例に過ぎない。
【0044】
複数の独立したRLC−AMベアラがPDCPベアラのデータを搬送するようハーネスされる
図1に示す更新されたベアラモデルについて考えると、ユーザ装置のPDCPエンティティは、複数の基礎的RLCエンティティからPDCPプロトコルデータユニットを高度にインターレースされた状態で受信するように結合される。換言すれば、受信の後に低いSNの未受信のPDUが予想されないという仮定が維持される状態は、ルールではなく、稀な例外となる。唯一の例外は、ネットワーク側のPDCPエンティティのeNB間ハンドオーバーにより生じ、ここでは、ソースeNBは、ユーザ装置にまだ首尾良く配信されていないPDCPプロトコルデータユニットのフォワーディングを実行しない。しかし、この例外は、適切に取り扱う必要があり、即ちユーザ装置のPDCPが、上位層へのデータ配信の前に、受信ギャップを充填するのを常に待機する場合には、ベアラをフォワーディングしないハンドオーバーがデッドロック状態に至る。というのは、フォワーディングされないパケットにより生じるギャップは、受信されることがないからである。
【0045】
ある実施形態では、ユーザ装置のPDCPエンティティが、受信ギャップの充填を予想すべきでないときを推測するための装置及び方法が提供される。
【0046】
例えば、ある実施形態では、
図3に示すように、再順序付けタイマーのようなタイマーが利用される。PDCPエンティティが、その下で動作している複数のRLC−AMエンティティからプロトコルデータユニットを受信して、受信したプロトコルデータユニットのギャップが充填されるともはや予想されないときを結論付けるため、タイマー及びその取り扱いは、RLC−UMに対して現在特定されている必要な関連状態変数と共に、AMデータ転送に転用される。
【0047】
図3に示したように、受信したプロトコルデータユニットのギャップを310において観察し、例えば、プロトコルデータユニットのシーケンスにおけるギャップを観察したときに、再順序付けタイマーのようなタイマーが320においてスタートされる。プロトコルデータユニットは、データ転送を行う複数の下位層プロトコルエンティティから受信される。プロトコルデータユニットは、交互に受信される。下位層エンティティの各々は、プロトコルデータユニットの確認された転送を行う。330においてタイマーが満了すると、そのギャップは、340において、上位層へのサービスデータユニットの配信をブロックすることがもはや許されない。VR(UX)のような状態変数は、PDCPにおいて導入され、一方、VR(UR)及びVR(UH)のような状態変数は、現存のPDCP状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SN及びNext_PDCP_RX_SNに対して各々簡単な関係を有する。配信阻止の防止は、プロトコルデータユニットを待機することにより生じる遅延を伴わずに上位層へのサービスデータユニットの配信を進めることで実行される。2つ以上の下位層プロトコルエンティティからのプロトコルデータユニットの受信は、少なくとも実質的に並列の性質であり、そして複数の下位層プロトコルエンティティは、確認モードプロトコルエンティティである。
【0048】
タイマーの満了値は、350において無線リソースコントロール(RRC)により構成され、そして360において充分長くセットされて、例えば、MAC及びRLCレベルでの全ての考えられるHARQ及びARQ再送信を各々含めてeNBにより小型セルノードを経てユーザ装置へ送られるプロトコルデータユニットの通常の配信遅延中にタイマーが満了しないようにする。タイマーの満了を充分長い値にこのようにセットする必要性のために、ソースがPDCPサービスデータユニットをフォワーディングせず、従って、ギャップが残るeNB間ハンドオーバーの場合に、ユーザ装置による上位層へのデータ配信は、著しく遅延されない。
【0049】
更に、ある実施形態では、上述した遅延を短縮するためフォワーディング状態レポートが利用される。
図4は、ある実施形態によるフォワーディング状態レポートの取り扱いを示す。フォワーディング状態レポートとは、ネットワーク、例えば、ハンドオーバーターゲットeNBが、410において、ユーザ装置に(ハンドオーバーの後に)、ユーザ装置が全く受信を期待できないのはどのプロトコルデータユニットシーケンス番号(PDU SN)かを明確に告げられるようにする新規なPDCPコントロールPDUである。又、任意であるが、420において、フォワーディング状態レポートは、おそらく、ユーザ装置に(ハンドオーバーの後に)、ユーザ装置が受信を期待するのはどのプロトコルデータユニットシーケンス番号かも告げることができる。従って、410において、フォワーディング状態レポートのようなコントロールデータユニットが送信されて、受信が期待されない少なくとも1つのプロトコルデータユニットを識別する。
【0050】
ユーザ装置によってそのようなレポートにおいて430で受信された情報は、次いで、当該未受信のプロトコルデータユニットに関する一般的な不確実性を無効にする。というのは、ユーザ装置が440において付加的なプロトコルデータユニットシーケンス番号が期待されるかどうか決定するときにタイマーが既に動作しているからである。435において、この方法は、少なくとも1つの識別されたプロトコルデータユニットが上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止することを防止することを含む。ユーザ装置は、直ちに450へ進み、ハンドオーバーにフォワーディングが欠落するためにギャップを含む上位層へのデータ配信を行う。ユーザ装置へ配信されるPDCPプロトコルデータユニットにSNのギャップが生じないことをハンドオーバーターゲットeNBが観察するケースでは、そのようなレポートを送信することが単に控えられる。従って、405において、レポートを送信すべきかどうかの決定がなされる。435において、少なくとも1つの識別されたプロトコルデータユニットは、上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止することが防止される。
【0051】
原理的に、タイマーは、フォワーディング状態レポートとは独立して使用される。タイマーは、プロトコルエンティティが実行するための付加的な連続的ランニング手順を導入する。これらの手順は、例えば、フォワーディングなしのハンドオーバーが存在するシナリオにおいて、受信したプロトコルデータユニットの中のギャップが永久的であることを示すときだけ動作を変更する。370において、例えば、ハンドオーバーコマンドが受信されたときに無線リソースコントロールによる特徴のアクチベーションは、1つのオプションである。従来、PDCPは、ハンドオーバーのためにPDCP再確立が呼び出されるかどうか知らない。更に、380において、特徴のデアクチベーションは、示されたSNの後にプロトコルデータユニットのSNにギャップがもはや生じることがないとのハンドオーバーターゲットeNBのピアPDCPエンティティからの指示により、遂行される。この指示は、フォワーディング状態レポートの一形式と考えられる。特徴をアクティブ又はインアクティブにする可能性は、手順の説明において個別の分岐を要求する。
【0052】
フォワーディング状態レポートのみへの依存は、ユーザ装置によるその受信が確実になされることを要求する。というのは、通過中にそのようなレポートが失われることは、ユーザ装置のPDCPがデッドロックとなり、あり得ない受信ギャップの充填を待機することになるからである。配信を保証するための考えられるオプションは、RLC AMの基礎的確認モード配信への依存、及び/又は送信ノードが460において確認を待機するところのPDCPレベルでのフォワーディング状態レポートの受信の明確な確認の要求、等の特徴を含む。PDCPコントロールPDUは、目的に対して定義される。更に、フォワーディング状態レポートは、所定の時間内に確認が受け取られない場合に、470において再送される。
【0053】
従って、ある実施形態は、複数のRLC−AMエンティティからプロトコルデータユニットを受信するPDCPエンティティがプロトコルデータユニットのギャップなし受信を仮定すべきとき及び仮定すべきでないとき、並びにそれに応じてサービスデータユニットを上位層へどのように配信すべきかについての装置及び方法を提供する。
【0054】
タイマー及びフォワーディング状態レポートの両方が含まれるある実施形態では、次の特徴は、PDCP手順の一部分である。例えば、RLC AMにマップされた1つのDRBのみからのPDCPデータプロトコルデータユニットの受信が構成され、且つPDCPにより受信されたPDCP PDUが下位層の再確立によるものではない場合は、関連COUNT値の上昇順に上位層へ:受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値より小さい関連COUNT値をもつ全ての記憶されたPDCP SDU;受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値からスタートして連続的に関連するCOUNT値をもつ全ての記憶されたPDCP SDUを配信し;Last_Submitted_PDCP_RX_SNを、上位層に配信された最後のPDCP SDUのPDCP SNにセットし、さもなければ、受信PDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN+1又は受信PDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN−Maximum_PDCP_SNである場合に:関連COUNT値の上昇順に上位層へ:受信したPDCP SDUに関連したCOUNT値からスタートする連続的に関連するCOUNT値をもつ記憶された全てのPDCP SDUを配信し;Last_Submitted_PDCP_RX_SNを、上位層に配信された最後のPDCP SDUのPDCP SNにセットする、ことが特定される。これは、1つの規範的実施形態に過ぎないことを理解されたい。
【0055】
更に、t−再順序付け及びVR(UX)のような変数は、参考としてここに援用される3GPP TS 36.322に示されたものと同様に取り扱うことができる。
【0056】
更に、PDCPフォワーディング状態レポートの受信に関して、RLC AMにマップされる無線ベアラに対してPDCPフォワーディング状態レポートが受信されるときに:受信が期待されないとレポートに示されたPDCP SN[又はCOUNT値]ごとに、ユーザ装置は、全ての関連する状態変数及びt−再順序付けを、更に特定されるものとして更新し、そして他のサービスデータユニットを上位層へ、そのPDCP SNをもつPDCPデータPDUが受信されたかのように、配信する。
【0057】
図5は、本発明のある実施形態によるシステムを示す。
図2、3又は4のフローチャートの各ブロック及びその組み合わせは、種々の手段又はその組み合わせ、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、1つ以上のプロセッサ及び/又は回路によって実施できることを理解されたい。1つの実施形態では、このシステムは、多数の装置、例えば、ネットワーク要素510、及びユーザ装置(UE)又はユーザデバイス520を備えている。このシステムは、2つ以上のUE520及び2つ以上のネットワーク要素510を備えてもよいが、例示の目的で各々1つしか示されていない。ネットワーク要素は、アクセスポイント、ベースステーション、eNode B(eNB)、サーバー、ホスト、又はここに述べる他のネットワーク要素のいずれかである。これらの各装置は、514及び524で各々示された少なくとも1つのプロセッサ又はコントロールユニット又はモジュールを含む。各装置には少なくとも1つのメモリが設けられ、各々515及び525で示されている。メモリには、コンピュータプログラムインストラクション又はコンピュータコードが含まれる。1つ以上のトランシーバ516及び526が設けられ、そして各装置は、517及び527で各々示されたアンテナも備えている。1つのアンテナしか示されていないが、各装置には多数のアンテナ及び多数のアンテナ要素が設けられる。例えば、これら装置の他の構成も設けられる。例えば、ネットワーク要素510及びUE520は、ワイヤレス通信に加えて、ワイヤード通信用に構成されてもよく、そしてそのようなケースでは、アンテナ517及び527は、単にアンテナに限定されずに、任意の形態の通信ハードウェアでもよい。同様に、あるネットワーク要素510は、単にワイヤード通信用に構成されてもよく、そしてそのようなケースでは、アンテナ517は、ネットワークインターフェイスカードのような任意の形態のワイヤード通信ハードウェアでもよい。
【0058】
トランシーバ516及び526は、各々、独立した送信器、受信器、又は送受信器、或いは送信及び受信の両方に構成されたユニット又は装置である。送信器及び/又は受信器(無線部に関する限り)は、装置自体に配置されずに、例えば、マストに配置されるリモート無線ヘッドとして実施されてもよい。又、「液体」又は柔軟な無線手段の概念によれば、動作及び機能は、ノード、ホスト又はサーバーのような異なるエンティティにおいて柔軟な仕方で実行されることも明らかである。換言すれば、「分業(division of labor)」は、ケースバイケースである。1つの考えられる使い方は、ローカルコンテンツを配信するためのネットワーク要素を形成することである。サーバーで実行できるソフトウェアであるバーチャルアプリケーションとして1つ以上の機能を実施することもできる。
【0059】
ユーザデバイス又はユーザ装置は、移動ステーション(MS)、例えば、移動電話又はスマートホン又はマルチメディア装置、ワイヤレス通信能力が設けられたタブレットのようなコンピュータ、ワイヤレス通信能力が設けられたパーソナルデータ又はデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルメディアプレーヤ、デジタルカメラ、ポケットビデオカメラ、ワイヤレス通信能力が設けられたナビゲーションユニット、或いはその組み合わせである。
【0060】
規範的な実施形態において、ノード又はユーザ装置のような装置は、
図2、3又は4を参照して上述した実施形態を具現化するための手段を備えている。又、規範的な実施形態において、ユーザ装置のような装置は、受信したプロトコルデータユニットにおけるギャップを観察し、そのギャップ観察時にタイマーをスタートし、そしてタイマーが満了すると、ギャップが上位層へのサービスデータユニットの配信を阻止するのを防止するための手段(524)を備えている。ノードのような別の規範的な装置は、どのプロトコルデータユニットのシーケンス番号がユーザ装置へフォワーディングされないか決定し、そしてユーザ装置へのプロトコルデータユニットシーケンス番号をレポートにおいて明確に識別するための手段(514)を備えている。
【0061】
プロセッサ514及び524は、計算又はデータ処理装置、例えば、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルエンハンスト回路又は同等の装置、或いはその組み合わせによって具現化される。プロセッサは、単一のコントローラとして実施されてもよいし、又は複数のコントローラ又はプロセッサとして実施されてもよい。
【0062】
ファームウェア又はソフトウェアについては、実施は、少なくとも1つのチップセットのモジュール又はユニット(例えば、手順、機能、等)を含む。メモリ515及び525は、独立した適当なストレージ装置、例えば、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体である。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、又は他の適当なメモリが使用される。メモリは、単一の集積回路上でプロセッサと組み合わされてもよいし、又はそれとは個別であってもよい。更に、コンピュータプログラムインストラクションは、メモリに記憶されそしてプロセッサにより処理されるもので、適当な形態のコンピュータプログラムコード、例えば、適当なプログラミング言語で書かれたコンパイル型又は解釈型コンピュータプログラムである。メモリ又はデータストレージエンティティは、典型的に、内部にあるが、外部にあってもよいし又はその組み合わせでもよく、そのようなケースでは、付加的なメモリ容量がサービスプロバイダーから得られる。メモリは、固定でもよいし、取り外し可能でもよい。
【0063】
メモリ及びコンピュータインストラクションは、特定の装置のプロセッサとで、ネットワーク要素510及び/又はUE520のようなハードウェア装置が、上述したプロセスのいずれかを遂行するように構成される(例えば、
図2、3及び4を参照されたい)。それ故、ある実施形態では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されたときに、ここに述べるプロセスの1つのようなプロセスを遂行するコンピュータインストラクション又は1つ以上のコンピュータプログラム(追加又は更新されたソフトウェアルーチン、アプレット又はマクロ)でエンコードされる。コンピュータプログラムは、プログラミング言語、例えば、オブジェクティブ−C、C、C++、C#、Jaba、等の高レベルプログラミング言語、又はマシン言語又はアッセンブラーのような低レベルプログラミング言語によりコード化される。或いは又、本発明のある実施形態は、全体的にハードウェアで実行されてもよい。
【0064】
更に、
図5は、ネットワーク要素510及びUE520を備えたシステムを示しているが、本発明の実施形態は、ここに図示して述べたように、他の構成、及び付加的な要素を伴う構成にも適用できる。例えば、複数のユーザ装置及び複数のネットワーク要素が存在してもよく、或いは同様の機能を果たす他のノード、例えば、ユーザ装置及びアクセスポイントの機能を合成したノード、例えば、リレーノードが存在してもよい。
【0065】
ある実施形態では、PDCPデータPDUを標準的なLTEエアインターフェイスにわたって使用する特殊なケースもある。
【0066】
図2は、ある実施形態による方法を示す。
図2に示されたように、210において、データ送信PDCPエンティティは、所与のPDCPシーケンス番号に関連したSDUがピアプロトコルエンティティに配信されないことを決定する。この決定は、既に番号付けされたPDUの中での意図的な破棄であるので、例えば、PDCPエンティティによりなされる判断である。
【0067】
データ送信PDCPエンティティが、所与のPDCPシーケンス番号に関連したSDUがピアプロトコルエンティティに配信されないことを決定すると、220において、データ送信PDCPエンティティは、PDCPデータPDUを、そのSNを伴うがSDUなしに、ピアエンティティへ送信する。或いは又、SDUが含まれるが、ゼロサイズである。210及び220における方法の部分は、データ送信PDCPエンティティにより実行されるが、この方法の残り部分は、受信ピアエンティティにより実行される。
【0068】
230において、受信ピアエンティティはPDUを受信する。そのようなPDUを受信するとき、受信ピアエンティティは、PDUを、そのSNに関連したゼロ長さのSDUを含んでいるかのように処理する。これは、240において、非ゼロサイズで且つシーケンス番号との関連性を有するサービスデータユニットの不存在で上位層へのサービスデータユニットの配信が阻止されるのを受信エンティティがどのように防止するかの一例である。それ故、受信ピアエンティティは、250において、他のSDUを上位層へ配信する前にそのSNを長時間待機するのを回避する。
【0069】
ある実施形態は、種々の利益及び/又は効果を有する。例えば、ある実施形態では、付加的なPDCP PDUを導入する必要がない。
【0070】
当業者であれば、上述した本発明は、異なる順序のステップで、及び/又はここに開示するものとは異なる構成のハードウェア要素で実施できることが容易に理解されよう。それ故、本発明は、それらの好ましい実施形態に基づいて述べたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多数の修正、変更及び別の構造が明らかであることが理解されよう。例えば、プロトコルデータユニットが一例として使用されたが、ある実施形態は、プロトコルデータユニットだけではなく、他の適当なデータ又は情報ユニットにも適用することができる。それ故、本発明の範囲を決定するためには、特許請求の範囲を参照されたい。
【0071】
用語
ACK 肯定確認
AM 確認モード
NACK 否定確認
RLC 無線リンクコントロール
PDCP パケットデータコンバージェンスプロトコル
PDU プロトコルデータユニット
SDU サービスデータユニット
SN シーケンス番号
UM 非確認モード
【符号の説明】
【0072】
510:ネットワーク要素
514:プロセッサ
515:メモリ
516:トランシーバ
520:ユーザ装置
524:プロセッサ
525:メモリ
526:トランシーバ