特許第6336078号(P6336078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6336078-医薬組成物 図000009
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336078
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/496 20060101AFI20180528BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20180528BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180528BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   A61K31/496
   A61K9/28
   A61K47/26
   A61K47/36
   A61K47/38
   A61K47/32
   A61K47/02
   A61K47/12
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/16
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-536190(P2016-536190)
(86)(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公表番号】特表2016-539141(P2016-539141A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】EP2014076035
(87)【国際公開番号】WO2015082367
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2016年6月2日
(31)【優先権主張番号】13195401.8
(32)【優先日】2013年12月3日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブールマン,ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】シフマン,アクセル
【審査官】 横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−044464(JP,A)
【文献】 特開2008−201713(JP,A)
【文献】 特開2008−260778(JP,A)
【文献】 特表2007−501820(JP,A)
【文献】 特表2013−533297(JP,A)
【文献】 特表2005−500364(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0269755(US,A1)
【文献】 Nippon Rinsho,2013年 4月,Vol.71, No.4,pp.730-736
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,2010年 5月21日,Vol.53, No.12,pp.4603-4614
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00−33/44
A61K47/00−47/69
A61K9/00−9/72
A61P1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合失調症における陰性症状又は認知症状、自閉症スペクトラム障害(ASD)における社会的コミュニケーション及び社会的相互作用の欠陥、初期アルツハイマー病(AD)におけるアパシー、最近の大うつ病エピソード後の動機付けの残遺症状、又は外傷後ストレス障害(PTSD)の処置のための、統合失調症の高リスク患者のための予防のための、或いはパーキンソン病におけるアパシー又は認知欠陥の処置のための、フィルムコーティング錠の形態の錠剤用の医薬組成物であって、微粒子化ビトペルチン又はその塩と、微細な平均粒度を有する増量賦形剤とを含該増量賦形剤が、トウモロコシデンプンとラクトースとの組み合わせ又はトウモロコシデンプンと結晶セルロースとの組み合わせであり、該トウモロコシデンプンが10〜25μmの平均粒子径(d50)を有する、医薬組成物。
【請求項2】
素錠重量150mg及びフィルムコート重量5mgを有する、請求項1記載の医薬組成物
【請求項3】
粒子化ビトペルチン又はその塩3、5、10、20、30又は60mgを含む、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
【表1】

(ここで、ビトペルチンは微粒子化ビトペルチンであり、増量賦形剤は微細な平均粒度を有する)
を含む、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項5】
【表2】

(ここで、ビトペルチンは微粒子化ビトペルチンであり、増量賦形剤は微細な平均粒度を有する)
を含む、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項6】
【表3】

(ここで、ビトペルチンは微粒子化ビトペルチンであり、増量賦形剤は微細な平均粒度を有する)
を含む、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項7】
1日1回投与される、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物を調製するための方法であって、
i. ビトペルチンを希釈剤、増量剤、崩壊剤及び結合剤と混合すること、
ii. 段階iからの混合された粉末を、精製水を使用して造粒すること、
iii. 段階iiからの造粒物を乾燥及び篩過すること、
iv. 段階iiiからの造粒物に滑沢剤及び圧縮助剤を添加し、混合すること、
v. 段階ivからの造粒物を錠剤に圧縮すること、
vi. コーティング剤、着色剤、可塑剤、滑沢剤及び精製水を含有する事前混合物を使用してフィルムコーティング懸濁物を調製すること、並びに
vii. 段階viからの懸濁物で錠剤をフィルムコーティングすること
を含み、
ここで、ビトペルチンは微粒子化ビトペルチンであり、増量賦形剤は微細な平均粒度を有する、
方法。
【請求項9】
i. ビトペルチンをラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム及びポビドンと混合すること、
ii. 段階iからの混合された粉末を、精製水を使用して造粒すること、
iii. 段階iiからの造粒物を乾燥及び篩過すること、
iv. 段階iiiからの造粒物にタルク、ステアリン酸マグネシウム及び結晶セルロースを添加し、混合すること、
v. 段階ivからの造粒物を錠剤に圧縮すること、
vi. ポリビニルアルコール、二酸化チタン、マクロゴール3350、タルク、黄酸化鉄及び精製水を含有する事前混合物を使用してフィルムコーティング懸濁物を調製すること、並びに
vii. 段階viからの懸濁物で錠剤をフィルムコーティングすること
を含み、
ここで、ビトペルチンは微粒子化ビトペルチンであり、増量賦形剤は微細な平均粒度を有する、
請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物、特にビトペルチン又はその塩を含む医薬組成物に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、フィルムコート錠155mg中にビトペルチン5、10又は20mgを含む医薬組成物であって、
i. ビトペルチンをラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロース(crosarmellose)ナトリウム及びポビドンと混合すること、
ii. 段階iからの混合された粉末を、精製水を使用して造粒すること、
iii. 段階iiからの顆粒(granulate)を乾燥及び篩過すること、
iv. 段階iiiからの顆粒にタルク、ステアリン酸マグネシウム及び結晶セルロースを添加し、混合すること、
v. 顆粒を錠剤に圧縮すること、
vi. ポリビニルアルコール、二酸化チタン、マクロゴール3350、タルク、任意で黄酸化鉄及び精製水を含有する事前混合物を使用してフィルムコーティング懸濁物を調製すること、並びに
vii. 段階viからの懸濁物で錠剤をフィルムコーティングすること
によって入手可能な医薬組成物に関する。
【0003】
本発明は、また、フィルムコート錠中にビトペルチン3、30及び60mgを含む医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は錠剤の溶解に賦形剤の粒度が及ぼす影響を表すグラフである。
【0005】
ビトペルチン([4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(5−メタンスルホニル−2−(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)フェニル]−メタノン)は、国際公開公報第2005/014563号に記載されており、前脳における主要なグリシン輸送体であるグリシン輸送体(GlyT1)の阻害による統合失調症及び他の精神病性障害の処置のために使用することができる。したがって、グルタミン酸欠損が統合失調症の病態生理に意味づけられるならば、グルタミン酸伝達、特にNMDA受容体活性化を介したグルタミン酸伝達を高めることは、抗精神病効果及び認知増強効果の両方を生じると予想される。
【0006】
したがって、GlyT−1阻害を介してNMDA受容体活性化を増大させることは、精神病、統合失調症、認知症、及び注意欠陥障害又はアルツハイマー病などの認知過程が障害されている他の疾患を処置する薬剤につながり得る。
【0007】
ビトペルチンは、特に、アパシー、引きこもり、感情の鈍化、日常生活における快楽を予期する能力の障害である統合失調症における陰性症状の処置のために、並びに作業記憶、注意及び計画の困難の処置のために有用である。
【0008】
今回、ビトペルチンを用量3、5、10、20、30又は60mgで含む医薬組成物が、特に、統合失調症における陰性症状又は認知症状を処置することに特に有効であることが見出された。さらに、本発明による錠剤製剤は、自閉症スペクトラム障害(ASD)における社会的コミュニケーション及び社会的相互作用の欠陥の処置のために、初期アルツハイマー病(AD)におけるアパシーの処置に、最近の大うつ病エピソード後の動機付けの残遺症状の処置に、外傷後ストレス障害(PTSD)の処置に、統合失調症の高リスク患者のための予防のために、並びにパーキンソン病(PD)におけるアパシー及び認知欠陥の処置のために、適切であり得る。
【0009】
ビトペルチンは、事実上、水性緩衝液及び水に不溶性であるが、極性有機溶媒に溶けやすい。BCS 2分子であるので(Biopharmaceutics Classification Systemによる、分子が高い透過性及び低溶解性を有する場合)、APIの粒度分布は、原薬の主要な重大品質属性として特定されている。ヒト及びカニクイザルの両方におけるインビボ研究から、錠剤中のAPIの粒度分布と、結果としての製剤のバイオアベイラビリティーの間の直接相関関係が示された。したがって、微粒子化APIが、適切な製剤の開発のために選択された。
【0010】
バイオアベイラビリティー及び溶解性能を最適化するために、種々の賦形剤が、増量剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤として試験された。驚くことに、結果として生じた錠剤の溶解挙動が、選択された賦形剤の粒度分布に依存したことが見出された。選択された賦形剤の粒子が微細であったほど、溶解は良好であり(図1参照)、コーンスターチとラクトースとの組合せが、最良の錠剤溶解を有する最も微細な平均粒度分布を提供し、そのことは、錠剤の圧縮に適切な最終調合物の流動に適切な顆粒の粒度分布も保証することができた。微細な平均粒度を有する増量賦形剤を使用することで、圧縮手順の間にAPIが焼結するリスクを減らした場合に限り、微粒子化ビトペルチンは錠剤製剤内に最適に細かく分散することができるという仮説が立てられている。
【0011】
APIの焼結する結果、より大きなAPI粒子を生じることで、溶解及びバイオアベイラビリティーの減少が生じる。
【0012】
図1:錠剤の溶解に賦形剤の粒度が及ぼす影響。
表1:ビトペルチン30mg錠についての種々の増量剤/希釈剤組合せの評価
【0013】
【表1】
【0014】
患者のコンプライアンスに関して、飲み込みやすい固形剤形が好ましい適用である。錠剤製剤が、所望の投薬量並びに輸送及びパッケージングのための頑丈さという良好な性能を有することが見出された。本錠剤の性能は、即時放出製剤の基準を満たすように選択され、薬物負荷の80%超が15分以内に溶解し、60分後に最大量が遊離することが目指された。
【0015】
苦味を覆い隠すために、フィルムコートが選択された。
【0016】
驚くことに、錠剤形態のビトペルチンを用量範囲3、5、10、20、30及び60mgで含む医薬組成物が、上述の疾患の治療又は予防に特に有効であることが見出された。好ましい投薬量範囲は、ビトペルチン5、10及び20mgである。
【0017】
本明細書において、用語「希釈剤」及び「増量剤」は、錠剤又はカプセル剤のサイズを増量し、製造に実用的にし、消費者が使用しやすくする賦形剤を表す。適切な希釈剤及び増量剤は、例えば、結晶セルロース、ラクトース一水和物、リン酸水素カルシウム糖、糖アルコール、コーンスターチ、スクロース、無水ケイ酸、多糖、N−メチルピロリドン(Pharmasolve(ISP))及びそれらの混合物などの薬学的に許容し得る不活性増量剤を含む。糖及び糖アルコールという用語は、マンニトール、ラクトース、フルクトース、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン、デキストラート(dextrate)、デキストリン、ラクチトール及びそれらの混合物を含む。
【0018】
結合剤は、散剤に凝集性を付加することによって、顆粒剤を形成するために必要な結合を提供するために錠剤製剤に添加されるものであり、該顆粒剤は、圧縮されると錠剤としてコンパクトな塊を形成する。メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポビドン30、デンプン及びアルファ化デンプンが、結合剤の適切な例である。個別の結合剤、又は2、3種以上の結合剤の混合物を製剤中に使用することができる。
【0019】
用語「崩壊剤」は、濡れると膨張して溶解し、消化管内で錠剤を崩壊させ、溶解促進のために利用可能な表面積の増加を経て吸収のための活性成分の放出を引き起こす賦形剤を表す。適切な崩壊剤は、例えば、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、及び加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン(crossprovidone)、デンプングリコール酸ナトリウム及びそれらの混合物を含む。
【0020】
粒子間摩擦及び圧縮する凝集力を減らすことによって粉末の流動性に作用する薬剤を含む、適切な滑沢剤は、アエロジルなどのコロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム及びシリカゲルである。錠剤用の圧縮助剤として結晶セルロースが使用される。
【0021】
用語「コーティング」は、錠剤の表面に適用される賦形剤であって、空気中の水分による劣化から錠剤成分を保護し、大型又は味の悪い錠剤を飲み込みやすくする賦形剤を表す。コーティング剤の例は、PVA(ポリビニルアルコール)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)及びPEG(ポリエチレングリコール)を含む。
【0022】
フィルムコーティング混合物には、二酸化チタン及び黄酸化鉄などの着色剤も含まれる。フィルムコート中の適切な可塑剤は、マクロゴール3350である。
【0023】
本発明により、ビトペルチン用の製剤は、サイズができるだけ小さく(10×4.63mm)、錠剤重量150mg及びコート重量5mgの卵形の1日1回フィルムコート錠であることが意図される。全ての用量力価は、刻印及び異なる色合いによって区別すべき同じサイズを有する。錠剤は、卵形の両凸フィルムコート錠である。
【0024】
本発明の一目的は、錠剤重量150mg及びコート重量5mgについてビトペルチン3、5、10、20、30及び60mgを含むフィルムコート錠である。
【0025】
フィルムコート錠は、以下を含有する:
実施例1:錠剤重量150mg(及びコート重量5mg)についてビトペルチン5mg
【0026】
【表2】
【0027】
実施例2:錠剤重量150mgについてビトペルチン10mg
【0028】
【表3】
【0029】
実施例3:錠剤重量150mgについてビトペルチン20mg
【0030】
【表4】
【0031】
ビトペルチン3、30及び60mgを含有する錠剤は、同じ一貫性を有し、ビトペルチン及びラクトース一水和物の重量は錠剤中に常に83.75mgであり、それは、ビトペルチン3mgを有する錠剤がラクトース一水和物80.75mgを含有し、又はビトペルチン30mgを有する錠剤がラクトース一水和物53.75mgを含有し、又はビトペルチン60mgを有する錠剤がラクトース一水和物23.75mgを含有することを意味する。
【0032】
本発明は、また、医薬としての使用のための、好ましくは統合失調症及び他の精神病性障害の処置のための、特に統合失調症における陰性症状又は認知症状の処置のための、自閉症スペクトラム障害(ASD)における社会的コミュニケーション及び社会的相互作用の欠陥の処置のための、初期アルツハイマー病(AD)におけるアパシーの処置における、最近の大うつ病エピソード後の動機付けの残遺症状の処置における、外傷後ストレス障害(PTSD)の処置における、統合失調症の高リスク患者のための予防のための、並びにパーキンソン病(PD)におけるアパシー及び認知欠陥の処置のための、医薬としての使用のための、上記医薬組成物に関する。
【0033】
さらに本発明は、また、上述の疾患を処置するための上記医薬組成物の使用に関する。
【0034】
本発明は、さらに、統合失調症及び他の精神病性障害の処置方法、特に統合失調症における陰性症状又は認知症状の処置のための、自閉症スペクトラム障害(ASD)における社会的コミュニケーション及び社会的相互作用の欠陥の処置のための、初期アルツハイマー病(AD)におけるアパシーの処置における、最近の大うつ病エピソード後の動機付けの残遺症状の処置における、外傷後ストレス障害(PTSD)の処置における、統合失調症の高リスク患者のための予防のための、並びにパーキンソン病(PD)におけるアパシー及び認知欠陥の処置のための、方法であって、上記医薬組成物を、それを必要とする患者に投与する段階を含む方法に関する。
【0035】
より詳細には、本発明は、コート重量5mgを有する錠剤サイズ150mg中にビトペルチン3、5、10、20、30又は60mgを含む医薬組成物であって、
i. ビトペルチンを希釈剤、増量剤、崩壊剤及び結合剤と混合すること、
ii. 段階iからの混合された粉末を、精製水を使用して造粒すること、
iii. 段階iiからの顆粒を乾燥及び篩過すること、
iv 段階iiiからの顆粒に滑沢剤及び圧縮助剤を添加し、混合すること、
v. 顆粒を錠剤に圧縮すること、
vi. コーティング剤、着色剤、可塑剤、滑沢剤及び精製水を含有する事前混合物を使用してフィルムコーティング懸濁物を調製すること、並びに
vii. 段階viからの懸濁物で錠剤をフィルムコーティングすること
によって入手可能な医薬組成物に関する。
【0036】
より具体的には、本発明は、コート重量5mgを有する錠剤サイズ150mg中にビトペルチン3、5、10、20、30又は60mgを含む医薬組成物であって、
i. ビトペルチンをラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム及びポビドンと混合すること、
ii. 段階iからの混合された粉末を、精製水を使用して造粒すること、
iii. 段階iiからの顆粒を乾燥及び篩過すること、
iv. 段階iiiからの顆粒にタルク、ステアリン酸マグネシウム及び結晶セルロースを添加し、混合すること、
v. 顆粒を錠剤に圧縮すること、
vi. ポリビニルアルコール、二酸化チタン、マクロゴール3350、タルク、黄酸化鉄及び精製水を含有する事前混合物を使用してフィルムコーティング懸濁物を調製すること、並びに
vii. 段階viからの懸濁物で錠剤をフィルムコーティングすること
によって入手可能な医薬組成物に関する。
【0037】
錠剤の調製のために、以下の手順をたどることができる:
錠剤は、湿式高剪断造粒、流動層乾燥、調合、圧縮及びフィルムコーティングという従来の薬学的操作を用いて製造される。
【0038】
製造工程の詳細な説明:
1. 粉砕されたビトペルチン原薬、ラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム及びポビドン30を高剪断ミキサー中に装入する。
2. 適切なrpmで5〜10分間調合する。
3. 10分経過中に水を添加し、適切なrpmでさらに5〜10分間練合する。
4. 5mm篩を通して湿式顆粒を流動層乾燥機内に移し、以下の条件で乾燥する:給気温度:50〜70℃、風量:300〜600m3/h。LODによって決定された乾燥終点4%(範囲:2.5〜5.5%)、運転時間:45分。
5. 1.5mm Frewittコーン型篩により適切なロータ速度で顆粒を篩過する。
6. 結晶セルロースをそのままで添加し、タルク及びステアリン酸マグネシウムを、0.5mmの手篩を通して顆粒に添加し、ビンブレンダー(bin blender)を用いて6rpmで20分間調合する。
7. [段階6]からの最終調合物を適切な圧縮力及びロータ速度で錠剤核に圧縮して、硬さ50〜90Nの錠剤を得る。
8. 精製水並びにOpadry II Yellow 85F32645フィルムコーティング混合物(ポリビニルアルコール(部分けん化物)、二酸化チタン、マクロゴール/PEG3350、タルク及び黄酸化鉄)を使用してコーティング懸濁物を調製し、少なくとも1時間撹拌する。
9. [段階8]からのコーティング懸濁物を、[段階7]からの錠剤核上に噴霧する。
図1