特許第6336091号(P6336091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336091操作命令の実行をトリガする方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336091
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】操作命令の実行をトリガする方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20180528BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20180528BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G06F3/01 570
   G06F3/16 540
   H04M1/00 R
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-545289(P2016-545289)
(86)(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公表番号】特表2017-513078(P2017-513078A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】CN2015093407
(87)【国際公開番号】WO2016112731
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】201510020749.7
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513309030
【氏名又は名称】シャオミ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(74)【代理人】
【識別番号】100163038
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 武志
(72)【発明者】
【氏名】ウェン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ・フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】リャオ・バイシュ
【審査官】 ▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−053103(JP,A)
【文献】 特開2009−143454(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1480655(KR,B1)
【文献】 特開2004−334740(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103761984(CN,A)
【文献】 特開昭60−241096(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103780757(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/16
H04M 1/00
G06F3/033−G06F3/039
G06F3/048−G06F3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作命令の実行をトリガする方法であって、
ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することと;
検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定することと;
前記第1の操作命令を実行すること;
とを含み、
前記ローカル端末の内部では、音声処理チップをアナログ−デジタル変換機と接続し、前記アナログ−デジタル変換機は電力増幅機と接続され、前記電力増幅機は音声出力装置の信号入力端子と接続され、電力増幅機と音声出力装置との間の線は音声出力装置の信号入力線であ
前記第1の信号特性が、閉鎖環境における前記ローカル端末の信号特性を含み、
前記第1の操作命令が、音量の増大及び鳴動強度の増大の少なくともいずれかの操作命令を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することが、前記ローカル端末における前記音声出力装置が音声を出力している間に前記音声出力装置の前記信号入力線から発せられる前記電気信号を検出することを含請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予め保存されている信号特性が、以下の信号特性のうちの1以上を含む請求項1から2のいずれかに記載の方法:
クリックされている前記ローカル端末の信号特性;
連続してクリックされている前記ローカル端末の信号特性;
往復運動している前記ローカル端末の信号特性。
【請求項4】
前記操作命令は、スクリーンロックを解除する操作命令、電話を受ける操作命令、カメラ機能を起動させる操作命令のうちの1以上を含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することが、前記ローカル端末における前記音声出力装置の前記信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出することを含む請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
操作命令の実行をトリガする装置であって、
ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出するようになっている検出モジュールと;
検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定するようになっている決定モジュールと;
前記第1の操作命令を実行するようになっている実行モジュールと
を含み、
前記ローカル端末の内部では、音声処理チップをアナログ−デジタル変換機と接続し、前記アナログ−デジタル変換機は電力増幅機と接続され、前記電力増幅機は音声出力装置の信号入力端子と接続され、電力増幅機と音声出力装置との間の線は音声出力装置の信号入力線であ
前記第1の信号特性が、閉鎖環境における前記ローカル端末の信号特性を含み、
前記第1の操作命令が、音量の増大及び鳴動強度の増大の少なくともいずれかの操作命令を含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
前記検出モジュールが、前記ローカル端末における前記音声出力装置が音声を出力している間に前記音声出力装置の前記信号入力線から発せられる前記電気信号を検出するようになっている請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記予め保存されている信号特性が、以下の信号特性のうちの1以上を含む請求項6から7のいずれかに記載の装置:
クリックされている前記ローカル端末の信号特性;
連続してクリックされている前記ローカル端末の信号特性;
往復運動している前記ローカル端末の信号特性。
【請求項9】
前記操作命令は、スクリーンロックを解除する操作命令、電話を受ける操作命令、カメラ機能を起動させる操作命令のうちの1以上を含む請求項6から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記決定モジュールが、更に、前記ローカル端末における前記音声出力装置の前記信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出するようになっている請求項6から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
コンピュータ上での実行時に、請求項1から5のいずれかに記載の操作命令の実行をトリガする方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムが保存されているコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年1月15日に出願された中国特許出願第201510020749.7号に基づき、これに対する優先権を主張し、全文を参照することによって本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般的に、コンピュータ技術の分野に関し、より具体的には、操作命令の実行をトリガする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
通信技術及びコンピュータ技術の急激な発展に伴い、携帯端末(例えば、携帯電話)が普及し、人々の日常生活に欠かすことのできない要素となっている。携帯端末は、様々な操作命令を実行することによって実現可能な様々な機能を有する。
【0004】
一般的に、操作命令の実行をトリガするために頻用されているアプローチは、タッチスクリーンにおけるタッチ操作である。しかし、かかるアプローチの問題点は、スクリーン表示状態でしか機能しないことである。更に、操作命令の実行をトリガするには、端末に配置されている物理キーを押すという別のアプローチも頻用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連技術における既存の問題点を解決するために、本開示の実施形態は、操作命令の実行をトリガする方法及び装置を提供する。技術的解決策は、以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態の第1の態様によれば、操作命令の実行をトリガする方法であって、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することと;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定することと;前記第1の操作命令を実行することとを含む方法が提供される。
【0007】
或いは、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することは、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間に音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することを含み、第1の信号特性は、閉鎖環境における端末の信号特性を含み;第1の操作命令は、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令を含む。
【0008】
或いは、予め保存されている信号特性は、以下の信号特性のうちの1以上を含む:クリックされている端末の信号特性;連続してクリックされている端末の信号特性;往復運動している端末の信号特性。
【0009】
或いは、信号特性と操作命令との関係は、以下の操作命令のうちの1以上を含む:スクリーンロックを解除する操作命令;電話を受ける操作命令;カメラ機能を起動させる操作命令。
【0010】
或いは、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することは、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出することを含む。
【0011】
本開示の実施形態の第2の態様によれば、操作命令の実行をトリガする装置であって、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出するようになっている検出モジュールと;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定するようになっている決定モジュールと;前記第1の操作命令を実行するようになっている実行モジュールとを含む装置が提供される。
【0012】
或いは、検出モジュールは、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間に音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出するようになっており、第1の信号特性は、閉鎖環境における端末の信号特性を含み;第1の操作命令は、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令を含む。
【0013】
或いは、予め保存されている信号特性は、以下の信号特性のうちの1以上を含む:クリックされている端末の信号特性;連続してクリックされている端末の信号特性;往復運動している端末の信号特性。
【0014】
或いは、信号特性と操作命令との関係は、以下の操作命令のうちの1以上を含む:スクリーンロックを解除する操作命令;電話を受ける操作命令;カメラ機能を起動させる操作命令。
【0015】
或いは、検出モジュールは、更に、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出するようになっている。
【0016】
本開示の実施形態の第3の態様によれば、操作命令の実行をトリガする装置であって、プロセッサと;前記プロセッサによって実行可能な命令を保存するメモリとを含み、前記プロセッサが、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行するようになっている装置が提供される。
【0017】
本開示の実施形態によって提供される技術的解決策は、以下の利点を含み得る。
【0018】
本開示の実施形態では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行する。この方法では、ユーザ操作又は端末の状態によってもたらされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の特性に基づいて、対応する操作命令の実行がトリガされ得る。したがって、スクリーンが表示状態であろうとなかろうと、操作命令の実行をトリガすることができる。更に、物理キーの他に、操作命令の実行をトリガする様々な多くのアプローチを提供することにより、操作命令の実行のトリガの自由度を高めることができる。
【0019】
前述の概説及び以下の詳細な説明は、いずれも例示及び説明のためだけに提供されるものであり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書の一部に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示に一致する実施形態を示し、明細書の記載と共に、本開示の原理を説明するためのものである。
図1図1は、例示的実施形態に係る、操作命令の実行をトリガする方法を示すフローチャートである。
図2図2は、例示的実施形態に係る回路を示す概略図である。
図3図3は、例示的実施形態に係る、操作命令の実行をトリガする装置の概略図である。
図4図4は、例示的実施形態に係る端末の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記図面を参照して明示的に示されている本開示の実施形態について、以下に詳細に説明する。これら図面及び明細書は、如何なる方法によっても本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、具体的な実施形態を参照して当業者に本開示の概念を示すものである。
【0022】
添付図面に例を示す例示的な実施形態を詳細に参照する。以下の記載は、添付図面を参照するが、特に定めのない限り、異なる図面における同じ数字は、同じ又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載されている実施は、本発明に一致する全ての実施を表すものではなく、添付の特許請求の範囲に記載されている発明に関連する態様に一致する装置及び方法の単なる例である。
【0023】
実施形態1
本開示の実施形態は、操作命令の実行をトリガする方法を提供する。図1に示す通り、前記方法の処理フローは、以下の工程を含み得る。
【0024】
工程101では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出する。
【0025】
工程102では、検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定する。
【0026】
工程103では、第1の操作命令を実行する。
【0027】
本開示の実施形態では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行する。この方法では、ユーザ操作又は端末の状態によってもたらされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の特性に基づいて、対応する操作命令の実行がトリガされ得る。したがって、スクリーンが表示状態であろうとなかろうと、操作命令の実行をトリガすることができる。更に、物理キーの他に、操作命令の実行をトリガする様々な多くのアプローチを提供することにより、操作命令の実行のトリガの自由度を高めることができる。
【0028】
実施形態2
本開示の実施形態は、操作命令の実行をトリガする方法を提供する。前記方法は、携帯端末(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ)等の端末で用いることができる。この実施形態では、前記解決策を詳細に説明するために実行体の一例として携帯端末を取り上げる。他の類似の場合については、本明細書には詳細に記載しないものとする。
【0029】
図1に示す処理フローについて、実施形態と合わせて詳細に説明する。
【0030】
工程101では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出する。
【0031】
実施においては、携帯端末は、スピーカー等の音声出力装置を備えていてよい。音声出力装置は、端末の底部、頂部、又は背部等に設置してよい。携帯端末の内部では、音声処理チップをアナログ−デジタル変換機と接続してよく、前記アナログ−デジタル変換機は、電力増幅機と接続され、前記電力増幅機は、音声出力装置の信号入力端子と接続される。電力増幅機と音声出力装置との間の線は、音声出力装置の信号入力線であり、そこから電気信号を検出することができる。電気信号は、電圧信号及び電流信号を含み得る。
【0032】
音声出力装置によって受信されたとき、出力信号が、音声出力装置において電磁場を発生させ得、前記電磁場が、前記音声出力装置における振動板を振動させて、音を鳴らすことができる。対照的に、携帯端末が移動したとき、例えば、ユーザが前記端末を振ったりクリックしたりしたとき、音声出力装置における振動板が振動して電磁場を発生させることができ、このようにして、音声出力装置の信号入力線において電気信号が発せられる。音声出力装置が動作状態ではない場合でさえも、携帯端末が振動したとき、上記原理に基づいて音声出力装置の信号入力線から電気信号が発せられ得る。
【0033】
電力増幅機の構造は、図2に示す通りであってよく、ここでは、通常の電力増幅機と比べて、追加のフィードバック信号入力端子及び追加のフィードバック信号出力端子を有している。フィードバック信号入力端子は、音声出力装置の信号入力線から電気信号を得るようになっている。電力増幅機の外側又は内側にアナログ−デジタル変換回路を配置してもよく、前記アナログ−デジタル変換回路は、信号入力線における電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するようになっている。フィードバック信号出力端子は、携帯端末のセントラルプロセッサに接続してもよく、前記フィードバック信号出力端子は、変換されたデジタル信号を後続処理のために前記セントラルプロセッサに送信するようになっている。また、フィードバック信号入力端子は、フィードバック電流信号入力端子とフィードバック電圧信号入力端子とを含んでよく、また、フィードバック信号出力端子は、フィードバック電流信号出力端子とフィードバック電圧信号出力端子とを含んでよい。
【0034】
或いは、工程101は、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間に前記音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出してもよい。
【0035】
実施においては、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間、携帯端末が位置する環境の変化が振動板の振動に影響を及ぼし得、その結果、音声出力装置の信号入力線からの電気信号において変化が生じる。例えば、携帯端末が、バッグ又はポケット等の閉鎖環境にあるとき、スピーカーを介して鳴動音が再生された場合、周囲が前記鳴動音を反射して、反射された音波の強度が比較的高くなり、その結果、前記反射された音波が、スピーカーの振動板の振動に大きく影響を及ぼし、延いては、音声出力装置の信号入力線からの電気信号に影響を及ぼす。この場合、信号入力線からの電気信号は、音声出力装置に送信される実際の出力信号とは異なり、また、携帯端末が開放環境にあるときの、信号入力線からの電気信号とも異なる。したがって、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間に、後続解析のために音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号が検出される。具体的な検出方法については、上記の関連する内容を参照してよい。
【0036】
工程102では、検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定する。
【0037】
実施においては、様々な操作に対応する様々な信号特性をサーバに保存していてよい。特定の操作に対応する信号特性を決定するために、操作によって引き起こされる携帯端末の運動を解析してよく、それによって運動中の音声出力装置における振動板の振動特性を解析してよく、そして、前記振動特性によって引き起こされる音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の信号特性を更に解析してよい。例えば、クリック操作は、予測可能な振幅及び周波数範囲の携帯端末の運動を引き起こし、それによって振動板の振動の振幅及び周波数範囲を決定することができ、そして、前記振動板の振動によって引き起こされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の信号特性を更に決定することができる。携帯端末が位置している特定の環境に対応する信号特性を決定するために、携帯端末が前記環境において音声を出力しているときの振動板の振動特性を解析し、前記振動特性によって引き起こされる音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の信号特性を更に解析してよい。
【0038】
或いは、特定の操作又は環境に対応する信号特性を決定するために実験を行ってもよい。対応する操作が実施されている間又は携帯端末が対応する環境にある間に音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し、多数の実験に対応する電気信号のパラメータ特性を記録し、それによって対応する操作に対応する信号特性を決定するか、又はそれによって携帯端末が位置している対応する環境に対応する信号特性を決定する。
【0039】
更に、様々な操作及び/又は様々な環境は、前記操作及び/又は環境がトリガする操作命令と共に提供され得る。例えば、クリック操作によってトリガされる操作命令は、スクリーンロックの解除として提供され得る。したがって、信号特性と操作命令との関係を確立することができ、前記関係をサーバに保存することができる、具体的には、対応関係表の形態で保存することができる。
【0040】
或いは、任意の操作及び/又は環境に対応する信号特性を、要求に応じてサーバに保存してもよい。予め保存されている信号特性は、以下の信号特性のうちの1以上を含んでよいが、これらに限定されない:クリックされている端末の信号特性;連続してクリックされている端末の信号特性;往復運動している端末の信号特性。
【0041】
前記連続クリックは、ダブルクリックであってよい。往復運動している端末は、ユーザが携帯端末を振っている状態であるとみなしてよい。
【0042】
或いは、信号特性に対応する操作命令は、要求に応じてサーバが設定してもよい。前記操作命令は、以下の操作命令のうちの1以上を含んでよいが、これらに限定されない:スクリーンロックを解除する操作命令;電話を受ける操作命令;カメラ機能を起動させる操作命令。
【0043】
或いは、ローカル端末における音声出力装置が音声を出力している間に音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出する場合、それに応じて、工程102では、第1の信号特性は、閉鎖環境にある端末の信号特性であってよく、第1の操作命令は、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令であってよい。
【0044】
実施においては、閉鎖環境にある端末の信号特性は、携帯端末から音声出力装置に送信される出力信号に関する、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の信号変化特性であってよく、前記信号変化特性は、バッグ又はポケット等の閉鎖環境にある携帯端末の信号特性である。検出された電気信号が信号変化特性を満たす場合、携帯端末は現在閉鎖環境にあると決定することができる。丁度その時に電話がかかってきた場合、ユーザが携帯端末の鳴動に気付くことはできない可能性があるので、この場合、トリガされる操作命令を、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令として設定してよい。
【0045】
工程103では、第1の操作命令を実行する。
【0046】
実施においては、様々な操作命令が、様々な信号特性に従ってトリガされ得る。例えば、クリックされている端末の信号特性は、スクリーンロックを解除する操作命令に対応し、連続してクリックされている端末の信号特性は、電話を受ける操作命令に対応し、往復運動している端末の信号特性は、カメラ機能を起動させる操作命令に対応する等である。一旦操作命令の実行がトリガされたら、携帯端末は、対応する操作を実施することができる。
【0047】
本開示の実施形態では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行する。この方法では、ユーザ操作又は端末の状態によってもたらされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の特性に基づいて、対応する操作命令の実行がトリガされ得る。したがって、スクリーンが表示状態であろうとなかろうと、操作命令の実行をトリガすることができる。更に、物理キーの他に、操作命令の実行をトリガする様々な多くのアプローチを提供することにより、操作命令の実行のトリガの自由度を高めることができる。
【0048】
実施形態3
同じ技術的精神に基づいて、本開示の実施形態は、更に、操作命令の実行をトリガする装置を提供する。図3に示す通り、前記装置は、検出モジュール310と、決定モジュール320と、実行モジュール330とを含む。
【0049】
検出モジュール310は、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出するようになっている。
【0050】
決定モジュール320は、検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定するようになっている。
【0051】
実行モジュール330は、前記第1の操作命令を実行するようになっている。
【0052】
或いは、検出モジュール310は、前記ローカル端末における前記音声出力装置が音声を出力している間に前記音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出するようになっており;前記第1の信号特性は、閉鎖環境における端末の信号特性を含み;前記第1の操作命令は、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令を含む。
【0053】
或いは、予め保存されている信号特性は、以下の信号特性のうちの1以上を含む:クリックされている端末の信号特性;連続してクリックされている端末の信号特性;往復運動している端末の信号特性。
【0054】
或いは、信号特性と前記操作命令との関係は、以下の操作命令のうちの1以上を含む:スクリーンロックを解除する操作命令;電話を受ける操作命令;カメラ機能を起動させる操作命令。
【0055】
或いは、検出モジュール310は、更に、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出するようになっている。
【0056】
本開示の実施形態では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行する。この方法では、ユーザ操作又は端末の状態によってもたらされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の特性に基づいて、対応する操作命令の実行がトリガされ得る。したがって、スクリーンが表示状態であろうとなかろうと、操作命令の実行をトリガすることができる。更に、物理キーの他に、操作命令の実行をトリガする様々な多くのアプローチを提供することにより、操作命令の実行のトリガの自由度を高めることができる。
【0057】
実施形態4
本開示の実施形態は、更に、端末の概略図を示す。前記端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ等であってよい。
【0058】
図4を参照すると、端末1000は、以下のコンポーネントのうちの1以上を含んでよい:処理コンポーネント1002、メモリ1004、電力コンポーネント1006、マルチメディアコンポーネント1008、音声コンポーネント1010、インプット/アウトプット(I/O)インターフェース1012、センサコンポーネント1014、及び通信コンポーネント1016。
【0059】
処理コンポーネント1002は、典型的に、ディスプレイ、電話による通話、データ通信、カメラ操作、及び記録操作に関連する操作等、装置1000の操作全体を制御する。処理コンポーネント1002は、上記方法における工程の全て又は一部を実施するための命令を実行する1以上のプロセッサ1020を含んでいてよい。更に、処理コンポーネント1002は、処理コンポーネント1002と他のコンポーネントとの間の相互作用を促進する1以上のモジュールを含んでいてよい。例えば、処理コンポーネント1002は、マルチメディアコンポーネント1008と処理コンポーネント1002との間の相互作用を促進するマルチメディアモジュールを含んでいてよい。
【0060】
メモリ1004は、端末1000の操作をサポートするために様々な種類のデータを保存するようになっている。かかるデータの例としては、端末1000で操作される任意のアプリケーション又は方法のための命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、写真、ビデオ等が挙げられる。メモリ1004は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、消去書込み可能な読出し専用メモリ(EPROM)、書込み可能な読出し専用メモリ(PROM)、読出し専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気又は光ディスク等の任意の種類の揮発性若しくは不揮発性メモリデバイス、又はこれらの組み合わせを用いて実行され得る。
【0061】
電力コンポーネント1006は、端末1000の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント1006は、電力管理システム、1以上の電源、及び端末1000における発電、電力管理、及び配電に関連する任意の他のコンポーネントを含んでいてよい。
【0062】
マルチメディアコンポーネント1008は、端末1000とユーザとの間に出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。幾つかの実施形態では、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含んでいてよい。スクリーンがタッチパネルを含んでいる場合、スクリーンは、タッチスクリーンとして実行されて、ユーザからの入力信号を受信することができる。タッチパネルは、タッチパネル上におけるタッチ、スワイプ、及びジェスチャーを感知するために1以上のタッチセンサを含む。タッチセンサは、タッチ又はスワイプ動作の境界を感知するだけでなく、タッチ又はスワイプ動作に関連する継続時間及び圧力も感知することができる。幾つかの実施形態では、マルチメディアコンポーネント1008は、フロントカメラ及び/又はリアカメラを含む。フロントカメラ及び/又はリアカメラは、端末1000が、撮影モード又はビデオモード等の操作モードにある間、外部マルチメディアデータを受信することができる。フロントカメラ及びリアカメラは、それぞれ、固定光学レンズシステムであってもよく、フォーカス及び光学ズーム機能を有していてもよい。
【0063】
音声コンポーネント1010は、音声信号を出力及び/又は入力するようになっている。例えば、音声コンポーネント1010は、端末1000が、例えば、通話モード、記録モード、及び音声認識モード等の操作モードにあるとき、外部音声信号を受信するようになっているマイクロホン(「MIC」)を含む。受信された音声信号は、更にメモリ1004に保存してもよく、通信コンポーネント1016を介して送信してもよい。幾つかの実施形態では、音声コンポーネント1010は、音声信号を出力するためのスピーカーを更に含む。
【0064】
I/Oインターフェース1012は、処理コンポーネント1002と、キーボード、クリックホイール、及びボタン等の周辺インターフェースモジュールとの間のインターフェースを提供する。ボタンとしては、例えば、ホームボタン、音量ボタン、スタートボタン、及びロックボタン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0065】
センサコンポーネント1014は、端末1000の様々な態様のステータスアセスメントを提供するための1以上のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント1014は、端末1000の開閉状態、及び端末1000のコンポーネント(例えば、ディスプレイ及びキーパッド)の相対配置、端末1000又は端末1000のコンポーネントの位置変化、端末1000と接触しているユーザの有無、端末1000の配向又は加速/減速、及び端末1000の温度変化も検出し得る。センサコンポーネント1014は、任意の物理的接触なしに近傍の物体の存在を検出するようになっている近接センサを含んでいてよい。また、センサコンポーネント1014は、イメージングアプリケーションで用いるための光センサ、例えば、CMOS又はCCD画像センサを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、センサコンポーネント1014は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサ、又は温度センサを含んでいてよい。
【0066】
通信コンポーネント1016は、端末1000と他の装置との間の有線又は無線の通信を促進するようになっている。端末1000は、WiFi、2G、若しくは3G等の通信規格、又はこれらの組み合わせに基づいて無線ネットワークにアクセスすることができる。1つの例示的な実施形態では、通信コンポーネント1016は、放送チャネルを介して外部放送管理システムから放送信号又は放送に関連する情報を受信する。1つの例示的な実施形態では、通信コンポーネント1016は、更に、近距離通信を促進するために近距離無線通信(NFC)モジュールを含む。例えば、NFCモジュールは、無線ICタグ(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術、及び他の技術に基づいて実行してよい。
【0067】
例示的な実施形態では、端末1000は、上記方法を実施するために、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、第1の充電管理デバイス、第2の充電管理デバイス、又は他の電子部品を用いて実行してよい。
【0068】
例示的な実施形態では、上記方法を実施するために、例えば、端末1000におけるプロセッサ1020によって実行可能な、メモリ1004に含まれている命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光学データ記録装置等であってよい。
【0069】
端末のプロセッサによって実行されるとき、前記端末に操作命令の実行をトリガする方法を実施させる命令が保存されている、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。前記方法は、
ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出する工程と;
検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定する工程と;
前記第1の操作命令を実行する工程
とを含む。
【0070】
或いは、前記ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することは、前記ローカル端末における前記音声出力装置が音声を出力している間に前記音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することを含み、前記第1の信号特性は、閉鎖環境における端末の信号特性を含み;前記第1の操作命令は、音量及び/又は鳴動強度を増大させる操作命令を含む。
【0071】
或いは、予め保存されている信号特性は、以下の信号特性のうちの1以上を含む:クリックされている端末の信号特性;連続してクリックされている端末の信号特性;往復運動している端末の信号特性。
【0072】
或いは、信号特性と前記操作命令との関係は、以下の操作命令のうちの1以上を含む:スクリーンロックを解除する操作命令;電話を受ける操作命令;カメラ機能を起動させる操作命令。
【0073】
或いは、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出することは、前記ローカル端末における前記音声出力装置の前記信号入力線から発せられる電圧信号及び電流信号を検出することを含む。
【0074】
本開示の実施形態では、ローカル端末における音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号を検出し;検出された前記電気信号が、予め保存されている信号特性のうちの第1の信号特性を満たす場合、前記予め保存されている信号特性と操作命令との関係に従って、前記第1の信号特性に対応する第1の操作命令を決定し;前記第1の操作命令を実行する。この方法では、ユーザ操作又は端末の状態によってもたらされる、音声出力装置の信号入力線から発せられる電気信号の特性に基づいて、対応する操作命令の実行がトリガされ得る。したがって、スクリーンが表示状態であろうとなかろうと、操作命令の実行をトリガすることができる。更に、物理キーの他に、操作命令の実行をトリガする様々な多くのアプローチを提供することにより、操作命令の実行のトリガの自由度を高めることができる。
【0075】
本発明の他の実施形態は、本明細書に開示する本発明の詳細及び実施を考慮して当業者に明らかになるであろう。本願は、当技術分野における公知の実施又は慣行の範囲内であるとき、本開示の一般的な原理に従い、且つ本開示からの下記逸脱を含む本発明の任意の変形例、使用、又は適応を網羅することを意図する。明細書及び実施例は、単なる例示であるとみなされ、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることを意図する。
【0076】
本発明は、上に記載した及び添付図面に図示した正確な構造に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなしに様々な改変及び変更を行い得ることが理解されるであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する。
図1
図2
図3
図4