(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の順番管理システムにおいては、従業者は、順番待ちをしている客の数や受付順などを管理することはできた。しかし、待ち客の案内に関しては、従業者が実際に店内の空席の種類や利用可能人数を確認し、待ち客の希望席種や人数、受け付け順を考慮して適切に案内を行う必要があった。特に、様々な種類や容量の座席がある店舗では、受付順を考慮しながら効率的に待ち客を案内することは従業者にとって負担の大きい作業であった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、従業者が受付登録順を考慮しつつ、空いた席に効率よく順番待ち客を案内できるように支援することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、施設における順番待ちを管理する情報処理システムであって、
順番待ちを登録した利用者の順番待ちのステータスを管理する順番管理サーバと、
順番が到来した利用者に対して割り当てる設備の利用状況の情報を含む設備状況データを管理する設備状況管理サーバと、を備え、
前記順番管理サーバは、
前記設備状況サーバから定期的に前記設備状況データを取得する設備状況データ取得部と、
前記設備状況データに基づいて、利用が終了した空き設備を抽出する空き設備抽出部と、
各順番待ち組が指定した設備の条件と、順番待ちの登録順に基づいて、前記空き設備を割り当てる順番待ち組を選択する順番待ち組選択部と、
選択された順番待ち組と割り当てる空き設備の組み合わせの情報を通知する通知部と、を備えたものである。
【0008】
また、前記設備の利用状況の情報は会計情報を含み、
前記空き設備抽出部は、
前記会計情報に基づいて、会計が終了した設備を抽出するようにしてもよい。
【0009】
また、前記順番待ち組選択部は、
登録されている順番待ち組の中から、指定した設備の種類が前記空き設備の種類と一致する順番待ち組のうち、登録順が最も早い順番待ち組を選択するようにしてもよい。
【0010】
また、前記順番待ち組選択部は、
登録されている順番待ち組の中から、指定した設備の種類が前記空き設備の種類と一致し、且つ各順番待ち組の人数が前記空き設備の利用可能人数以下である順番待ち組のうち、登録順が最も早い順番待ち組を選択するようにしてもよい。
【0011】
また、前記通知部は、
前記施設の従業者が順番待ちのステータスを管理するために利用する、順番待ち組の一覧が表示された管理端末上で、前記選択された順番待ち組の欄に、前記割り当てる空き設備の情報を表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従業者が受付登録順を考慮しつつ、空いた席に効率よく順番待ち客を案内できるように支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態では、レストランAにおける順番待ち管理の例について説明するが、その他、アミューズメント施設、ショッピングモール、デパート、修理専門店、銀行、旅行代理店など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用できる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1000の概略構成を示す図である。
図1に示すように情報処理システム1000は、管理センター等に設置された順番管理サーバ(順番管理装置)100と、施設の入口付近などに設置された順番管理端末200と、POS(Point of sales:販売時点情報管理)サーバ(設備状況管理サーバ)300と、POSレジ端末400を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200、およびPOSサーバ300と通信ネットワークNを介して接続されている。
【0017】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。
図1の例では、1つの施設の順番管理端末200のみが図示されているが、順番管理サーバ100は、実際には複数の施設に設置されている順番管理端末200と通信ネットワークNで接続され、各施設の順番待ちを管理している。順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0018】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース110と、プロセッサ(順番待ち状況管理部、設備状況データ取得部、空き設備抽出部、順番待ち組選択部、通知部)120と、を備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2と、座席情報管理テーブルTA3を備えている。
【0019】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)が登録されている。クライアント管理テーブルTA1の1レコードには、例えば「レストランA」のレコードとして、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」等が設定されている。これらの情報は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、施設のオーナーなど)によって設定される。なお、1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用してもよいが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。
【0020】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。順番待ちリストの1レコードには、受付番号「1」、受付時刻「13:03」、待ち項目「テーブル席」、人数「3」、ステータス「呼出中」等の情報が含まれている。その他、氏名、連絡先のメールアドレス、電話番号などの情報も含むことができる。
【0021】
ステータスには、順番到来前の状態である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態である「呼出中」、順番が来た者を実際に座席等に案内した状態である「案内済」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0022】
待ち項目は、受付登録時に選択が可能な受付項目の情報であり、レストランAの場合、利用者は待ち項目として席の種類を選択することができる。ここでは、席の種類として「テーブル席」、「カウンター席」、「テラス席」、「個室」が設定されている。
【0023】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。順番待ちリストの内容は、順番管理端末200から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0024】
座席情報管理テーブルTA3には、各施設における座席(設備)の種類や利用可能人数の情報が登録されている。具体的には、1レコードに、座席番号「01」、席の種類「テーブル席」、利用可能人数「4」等の情報が含まれている。
【0025】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0026】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と順番管理端末200との間などで、相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0027】
順番管理端末200は、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。なお、順番管理端末200は、1施設で複数台利用することもできる。
【0028】
図2は、順番管理端末200の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末200は、プロセッサ210と、入力装置215と、表示装置216と、通信インタフェース220と、記憶資源230を備える。順番管理端末200は、施設に来た利用者や、施設の従業者がタッチパネルなどの入力装置215を操作することで、順番待ちリストへの登録や更新等の入力を受け付ける。
【0029】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源230に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0030】
入力装置215は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル215aを備えている。
【0031】
表示装置216は、順番待ちリストや、受付画面やステータス管理画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0032】
通信インタフェース220は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNを介して他の装置と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース220は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0033】
記憶資源230は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源230は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0034】
記憶資源230には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース220を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源230には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0035】
POSサーバ300は各施設におけるPOSデータ(設備状況データ)を管理するサーバである。POSデータには、OES(オーダーエントリーシステム)のデータと、POSレジ端末400から送信されるレジのデータが含まれる。POSサーバ300は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。POSサーバ300は、プロセッサ310と、通信インタフェース320と、記憶資源330とを備える。
【0036】
本実施形態では、順番管理サーバ100が、POSサーバ300から会計が終了した席の情報を取得し、順番待ち組の案内を行う際に利用する。
【0037】
(順番待ちの受付登録)
まず、順番管理サーバ100による順番待ちの受付登録処理について
図3のフローチャートを用いて説明する。施設(ここでは、レストランA)に来訪した利用者は、施設に設置された順番管理端末200を操作して、受付登録を行うことができる。
【0038】
まず、順番管理端末200は通信インタフェース220を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS31)。
【0039】
次に、順番管理端末200は、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置216に表示させる(ステップS32)。受付画面には、例えば、順番待ちリストの情報(順番待ちをしている者の受付番号と現在のステータス情報)が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。さらに、現在順番待ちをしている待ち組数なども表示される。
【0040】
表示された受付画面に対して利用者が所定の操作入力を行い、順番待ちの受付に必要な情報(待ち項目、利用人数、呼出(電話又はメール)の希望の有無、呼出時の連絡先の電話番号またはメールアドレス等)の入力が完了すると(ステップS33:YES)、順番管理端末200は受付完了画面を表示する(ステップS34)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、現時点での待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、順番管理端末200に接続されたプリンタから印刷される順番券を受け取ることができる。
【0041】
順番券には、受付番号と対応付けられた二次元コードが印刷されている。利用者が自身の携帯端末を利用して順番券に印刷された二次元コードを読み取ることで、携帯端末の表示装置に、利用者の現在の順番待ち状況(現状の待ち組数や予想待ち時間など)が表示される。また、利用者が、二次元コードを読み込むことによって表示される案内にしたがって電話番号やメールアドレスを入力することにより、順番が到来した際に電話またはメールによるメッセージを受信したり、順番が近づいたときにリマインドメッセージを受信したりすることができる。
【0042】
確定した新規登録情報は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS35)。順番管理サーバ100は、ある施設から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、その施設の順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS36)。
【0043】
なお、利用者が自身の携帯端末から受付登録を行うこともできる。この場合、携帯端末で専用のウェブサイトにアクセスして利用したい施設(レストランA)を選択し、当該施設用の受付画面を表示させる。その後は、順番管理端末200を用いて登録する場合と同様の手順で行うことができる。携帯端末を利用すれば、施設へ実際に行く前に自宅や外出先などから遠隔で受付登録を行うことができる。
【0044】
(順番待ちリストの更新)
各施設の順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者が順番管理端末200を用いて「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」等の操作を行った際に更新される。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た組を口頭で呼出したり、電話や呼出メールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た組に対して実際に対応を開始した状態であることを意味する。
【0045】
従業者は、順番管理端末200に表示された順番待ちリストの中から、更新対象の順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組に対して「呼出」、「取消」、「変更」のいずれかの更新操作を行う。更新対象の順番待ち組を特定する情報(例えば受付番号「1」)と更新操作の情報(例えば「呼出」)は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100にアップロードされる。順番管理サーバ100は、受信した情報に基づき、当該施設の順番待ちリストを更新する。例えば、受付番号「1」に対して「呼出」操作を行った場合には、受付番号「1」の順番待ち組のステータスが「呼出中」に更新される。
【0046】
(POSサーバからのデータの利用)
次に、順番管理サーバ100とPOSサーバ300との連携処理について、
図4のシーケンス図を用いて説明する。
【0047】
まず、順番管理サーバ100は、定期的(例えば1分おき)にPOSサーバ300にPOSデータの取得依頼を送信する(ステップS41)。POSサーバ300が、POSデータの取得依頼を受信すると、順番管理サーバ100に現在のPOSデータが送信される(ステップS42)。
【0048】
POSデータには、例えば、施設毎の「座席番号」、「オーダー受付時間」、「オーダー情報」、「レジ情報」が含まれる。「オーダー受付時間」は、オーダーを受け付けた時刻であり、「オーダー情報」は、オーダーされた商品の情報である。「レジ情報」には、POSレジ端末400から会計が終了したタイミングで受信する会計終了時刻が記録される。
【0049】
順番管理サーバ100は、POSデータを受信すると、「レジ情報」に会計の終了時間が記録されている座席番号、すなわち、会計が終了して空席(空き設備)となった座席番号を抽出する(ステップS43)。
次に、順番管理サーバ100は、当該施設の座席情報管理テーブルTA3を参照し、ステップS43で抽出した座席番号に対応するレコードを抽出し、席の種類と利用可能人数の情報を取得する(ステップS44)。
【0050】
次に、順番管理サーバ100は、当該施設の順番待ちリストからステータスが「待ち中」のレコードを抽出する(ステップS45)。さらに、順番管理サーバ100は、ステップS44で抽出した会計が終了した座席(空席)の「席の種類」および「利用可能人数」と、ステップS45で抽出した各レコードの「待ち項目(席の種類)」および「人数」を比較する(ステップS46)。
【0051】
順番管理サーバ100は、順番待ちリストから抽出したレコードの中から、「待ち項目」が空席の「席の種類」と一致し、且つ「人数」が空席の「利用可能人数」以下のレコードのうち、「受付時刻」が最も早い(もっとも登録順の早い)レコードを選択する(ステップS47)。
【0052】
次に、順番管理サーバ100は、順番管理端末200に表示される、施設の従業者が順番待ちリストの更新操作を行うためのステータス管理画面において、ステップS47で選択したレコードの欄に、当該空席の座席番号と共にアラートを表示する(ステップS48)。
【0053】
図5は、ステータス管理画面を例示する図である。順番管理端末200は、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を取得し、表示装置216にステータス管理画面を表示する。
【0054】
図5に示すように、ステータス管理画面には、順番待ちリストに登録されている順番待ち組のステータス情報が受付をした順番で表示される。具体的には、順番待ち組の「受付番号」、「受付時間」、「人数」、「希望席種」、「ステータス」等が表示される。
【0055】
さらに、
図5に示すように、ステップS47で選択されたレコードに対応する順番待ち組の行(図中、受付番号「2」の行)には、空席の座席番号(図中、「13」)がアラート表示される。
図5の例では、受付番号「2」の組よりも前に受付番号「1」の組が同じテーブル席希望で順番待ちを登録しているが、座席番号「13」の席は、利用可能人数が「4」であるため、受付番号「2」の組が選択されている。このように、従業者は、ステータス管理画面を確認することにより、空いている席の情報とその席に案内すべき順番待ち組を確認することができる。
【0056】
従業者は、対象の順番待ち組を座席に案内したら、当該順番待ち組のステータスを「案内済」に更新する。具体的には、ステータス管理画面上で、対応する順番待ち組の行をスワイプすると、指定した順番待ち組に対して「呼出」、「案内」、「取消」、「変更」のいずれかの操作を行うための操作ボタンが表示される。従業者が、表示された操作ボタンのうちの「案内」をタップすると、順番管理サーバ100にステータス更新情報(更新対象のレコードを特定する情報(受付番号「2」)と更新操作内容(「案内」)が送信され、対応するレコードのステータスが「案内済」に更新される。
【0057】
なお、空席に新たに順番待ち組が案内されると、例えば注文を取る従業者がOES端末を操作することにより、POSサーバ300が管理するPOSデータ(案内した座席についてのオーダー情報やレジ情報)も更新される。したがって、新たに案内された客が会計を済ませるまで、順番管理サーバ100には当該座席は使用中と判断される。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、順番管理サーバ100がPOSサーバ300から定期的に会計が終了した座席(空席)の情報を取得し、空席の種類および利用可能人数と、順番待ちリスト中の各順番待ち組の希望席種および人数を照らし合わせ、受付順も考慮して、空席に案内するのに最適な順番待ち組を選択し、順番管理端末200上で通知するようにした。これにより、従業者は、順番管理端末200を確認するだけで、空席に最も適切な順番待ち組を案内することができる。このように、順番管理サーバ100が、POSサーバ300が保持するデータを取得して順番待ちリストの情報との照合を行うという簡易な処理によって、従業者が、受付順を考慮しつつ空席に効率よく順番待ち客を案内できるように支援することができる。また、順番管理サーバ100は、空席を確認したタイミングで、案内する順番待ち組の選択と順番管理端末200上での通知を行うので、空席に待ち客が案内されず、いつまでも空いたままの状態になることを防止することができる。
【0059】
なお、上記の実施形態では、順番管理サーバ100はPOSサーバ300から取得したPOSデータを利用しているが、利用するデータはPOSデータに限られない。例えば、他の各種レジシステムから取得可能なレジデータなど、各座席の会計が終了していることが確認できるデータであればよい。また、上記の実施形態では、会計終了時刻によって会計の終了を判断しているが、その他、会計が完了していることを示す他の情報(売上金額等)を利用するようにしてもよい。
【0060】
また、本発明は、上述のようなレストランにおける座席への案内以外にも、順番が到来した利用者にサービスを提供するための設備を割り当てるあらゆる施設での順番待ちに適用することができる。例えば、アミューズメント施設において指定したアトラクションに利用客を案内する場合や、旅行代理店、銀行、修理専門店などにおいて、指定した用件を扱う窓口に利用客を案内する場合などが挙げられる。また、設備(座席、アトラクション、窓口等)の利用が終了していること(空いていること)を確認するために、会計が済んでいるか否か以外の情報(アトラクションが終了したことを示す情報や、窓口での対応が完了したことを示す情報等)を利用してもよい。
【0061】
また、上述のレストランの座席の例では、席の種類と利用人数を考慮して案内する順番待ち組を選択しているが、旅行代理店等の窓口の場合は、窓口の種類のみを考慮するだけでもよい。また、上述の例では、順番待ち組の人数が空席の利用可能人数以下の場合には、選択の対象としているが、より座席の利用効率を高くするために、人数の上限だけでなく下限も設定してもよい。例えば、空席が10人まで利用可能な席である場合には、5人以上10人以下の順番待ち組を選択するようにしてもよい。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【解決手段】施設における順番待ちを管理する情報処理システムであって、順番待ちを登録した利用者の順番待ちのステータスを管理する順番管理サーバと、順番が到来した利用者に対して割り当てる設備の利用状況の情報を含む設備状況データを管理する設備状況管理サーバと、を備え、順番管理サーバは、設備状況サーバから定期的に設備状況データを取得する設備状況データ取得部と、設備状況データに基づいて、利用が終了した空き設備を抽出する空き設備抽出部と、各順番待ち組が指定した設備の条件と、順番待ちの登録順に基づいて、空き設備を割り当てる順番待ち組を選択する順番待ち組選択部と、選択された順番待ち組と割り当てる空き設備の組み合わせの情報を通知する通知部とを備える。