(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予約処理部は、前記予約時刻から所定の期間以上が経過した場合に、前記出金予約の取消を指示し、前記予約番号を含む予約取消指示を、前記管理サーバ装置に送信するとともに、当該取消を指示した前記出金予約の前記出金金額を、前記預金出金口から前記出金予約の前記預金者の口座に移動させる指示を、前記金融機関に送信し、
前記取引処理部は、前記予約取消指示に含まれる前記予約番号に対応する前記出金予約を取り消す
ことを特徴とする請求項1に記載の現金自動取引システム。
ネットワークを介して金融機関の取引サービスを提供するWebサーバ装置が受け付けた出金予約であって、前記ネットワークを介して、指定された出金金額を預金者の口座から出金する出金予約を識別する第1予約識別情報と、前記金融機関を識別する金融機関情報及び前記出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を受信する受信処理部と、
現金自動取引装置に入力された第2予約識別情報を取得し、取得した前記第2予約識別情報と一致する前記第1予約識別情報に対応する前記出金指示情報に基づいて、前記出金金額の現金を前記現金自動取引装置に出金させるとともに、前記預金者の口座とは異なる口座であり、出金用の金額を蓄積し、出金により前記出金用の金額を減額可能な預金出金口であって、前記預金者の口座から前記出金金額が移動されている預金出金口から前記出金金額を減額させる取引処理部と
を備え、
前記第1予約識別情報及び前記第2予約識別情報には、前記出金予約に対応する予約番号と、前記出金予約を受け付けた予約時刻とが含まれる
ことを特徴とする管理サーバ装置。
ネットワークを介して金融機関の取引サービスを提供するWebサーバ装置と、現金自動取引装置を管理する管理サーバ装置とを備える現金自動取引システムの現金自動取引方法であって、
前記Webサーバ装置が、前記ネットワークを介して、指定された出金金額を預金者の口座から出金する出金予約を受け付ける予約受付ステップと、
前記Webサーバ装置が、前記予約受付ステップによって受け付けた前記出金予約に応じて、前記出金予約を識別する第1予約識別情報と、前記金融機関を識別する金融機関情報及び前記出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を前記管理サーバ装置に送信するとともに、前記預金者の口座から前記出金金額を、前記預金者の口座とは異なる預金出金口であって、出金用の金額を蓄積し、出金により前記出金用の金額を減額可能な預金出金口に移動させる指示を前記金融機関に送信する予約処理ステップと、
前記管理サーバ装置が、前記出金予約情報を受信する受信処理ステップと、
前記管理サーバ装置が、前記現金自動取引装置に入力された第2予約識別情報を取得し、取得した前記第2予約識別情報と一致する前記第1予約識別情報に対応する前記出金指示情報に基づいて、前記出金金額の現金を前記現金自動取引装置に出金させるとともに、前記預金出金口から前記出金金額を減額させる取引処理ステップと
を含み、
前記第1予約識別情報及び前記第2予約識別情報には、前記出金予約に対応する予約番号と、前記出金予約を受け付けた予約時刻とが含まれる
ことを特徴とする現金自動取引方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態による現金自動取引システムについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、現金自動取引システムの一例として、ATM取引システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態によるATM取引システム1の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、ATM取引システム1は、携帯情報端末10と、IB(インターネットバンク)サーバ装置20と、管理サーバ装置30と、勘定系ホスト装置40と、ATM50とを備えている。
【0017】
なお、説明の便宜上、ATM取引システム1は、携帯情報端末10と、IBサーバ装置20と、管理サーバ装置30と、勘定系ホスト装置40と、ATM50との各構成を1つ備える例を説明するが、各構成を複数そなえてもよい。
【0018】
携帯情報端末10は、例えば、スマートフォンなどの端末装置であり、インターネットに接続されたネットワークNW1を介してIBサーバ装置20と接続可能である。携帯情報端末10は、ネットワークNW1を介してIBサーバ装置20に接続し、IBサーバ装置20が提供するインターネットバンクの各種サービスの操作を行う。携帯情報端末10は、例えば、インターネットバンクのサービスの1つである出金(引き出し)予約の操作を行い、IBサーバ装置20から出金予約の認証情報(例えば、予約番号及び予約時刻)を取得する。また、携帯情報端末10は、IBサーバ装置20から取得した認証情報をNFC(Near Field Communication)通信により、ATM50に送信し、出金予約した出金金額の現金をATM50に出力(払い出し)させる。なお、認証情報の詳細については後述する。
また、携帯情報端末10は、NW(ネットワーク)通信部11と、NFC通信部12と、端末記憶部13と、端末制御部14と、入力部15と、表示部16とを備えている。
【0019】
NW通信部11は、例えば、携帯電話などの移動通信、無線LAN(Local Area Network)通信などを利用してネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部11は、例えば、ネットワークNW1を介して、IBサーバ装置20に接続し、インターネットバンクの各種通信を行う。
【0020】
NFC通信部12は、近距離無線通信を利用した通信を行う。NFC通信部12は、例えば、インターネットバンクで予め実行した出金予約の認証情報を、出金処理を行う際に、ATM50に送信する。
端末記憶部13は、携帯情報端末10が実行する処理に利用する各種情報を記憶する。端末記憶部13は、例えば、上述した出金予約を用いた出金取引に利用する、出金予約情報、口座情報、認証情報などを記憶する。
【0021】
端末制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、携帯情報端末10を統括的に制御する。端末制御部14は、例えば、インターネットバンクの処理、上述した出金予約を用いた出金取引の処理などを実行する。端末制御部14は、例えば、NW通信部11を介して、少なくとも出金金額を含む出金予約をIBサーバ装置20に送信し、NW通信部11を介して、認証情報を取得する。また、端末制御部14は、ATM50により出金取引を行う際に、NFC通信部12を介して、認証情報をATM50に送信する。
【0022】
入力部15は、例えば、タッチパネルなどの入力デバイスであり、携帯情報端末10に対する各種入力を受け付ける。入力部15は、例えば、インターネットバンクの各種操作などを受け付ける。
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイ装置などであり、各種情報を表示する。表示部16は、例えば、インターネットバンクの操作メニュー、入力情報、取引内容などを表示する。
【0023】
IBサーバ装置20(Webサーバ装置の一例)は、IBセンタCT1内に備えられたサーバ装置であり、ネットワークNW1を介して金融機関CT3の取引サービスを提供する。IBサーバ装置20は、携帯情報端末10のユーザ(例えば、金融機関CT3の預金者)に対して、インターネットバンクのWebサービスを提供する。ネットワークNW1を介して、指定された出金金額を預金者口座43から出金する出金予約を受け付ける。IBサーバ装置20は、受け付けた出金予約に応じて、出金予約情報を管理サーバ装置30に送信する。出金予約情報は、少なくとも出金予約を識別する第1予約識別情報(例えば、予約番号)と、金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた情報であり、出金予約情報の詳細については後述する。また、IBサーバ装置20は、預金者口座43から出金金額を預金出金口に移動させる指示を金融機関CT3の勘定系ホスト装置40に送信する。
IBサーバ装置20は、NW通信部21と、IB記憶部22と、IB制御部23とを備えている。
【0024】
NW通信部21は、ネットワークNW1、管理サーバ装置30、及び勘定系ホスト装置40に接続可能な通信部であり、ネットワークNW1、管理サーバ装置30、及び勘定系ホスト装置40と通信を行う。
IB記憶部22は、IBサーバ装置20が実行する処理に利用する各種情報を記憶する。IB記憶部22は、予約記憶部221を備えている。
【0025】
予約記憶部221は、出金予約処理の予約情報を記憶する。予約記憶部221は、例えば、
図2に示すように、「出金金額」と、「口座情報」と、「予約番号」と、「予約時刻」と、「予約完了」と、「予約取消」とを対応付けて記憶する。
図2は、本実施形態における予約記憶部221のデータ例を示す図である。
図2において、「出金金額」は、出金予約において指定された出金金額(取引金額)を示し、「口座情報」は、出金予約により出金する預金者の口座情報を示している。ここで、口座情報には、例えば、銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号などが含まれ、口座情報は、金融機関CT3を識別する金融機関情報の一例である。また、「予約番号」は、出金予約を識別する識別情報であり、「予約時刻」は、出金予約が受け付けられた時刻を示している。なお、「予約時刻」を、出金予約を識別する識別情報の一部としてもよい。
【0026】
また、「予約完了」は、出金予約の取引がATM50において完了しているか否かを示す情報であり、例えば、出金予約の取引が完了している場合に、“1”が記憶され、出金予約の取引が完了していない場合に、Null(ヌル)又は“0”となる。また、「予約取消」は、出金予約が取り消されたか否かを示す情報であり、例えば、出金予約が取り消された場合に、“1”が記憶され、出金予約が取り消されていない場合に、Null又は“0”となる。
【0027】
図2に示す例では、「出金金額」が“1,000円”、「口座情報」が“XXX−XXX・・・”、「予約番号」が“XXX0001”、「予約時刻」が“11:00”の出金予約は、「予約完了」が“1”であり、既に取引が完了していることを示している。また、出金金額」が“50,000円”、「口座情報」が“XXX−XXX・・・”、「予約番号」が“XXX0002”、「予約時刻」が“12:00”の出金予約は、「予約取消」が“1”であり、予約が取り消されたことを示している。また、「出金金額」が“10,000円”、「口座情報」が“XXX−XXX・・・”、「予約番号」が“XXX0003”、「予約時刻」が“17:00”の出金予約は、「予約完了」及び「予約取消」がNull又は“0”であり、まだ取引が完了していない、且つ、取消もされていないことを示している。
【0028】
図1の説明に戻り、IB制御部23は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、IBサーバ装置20を統括的に制御する。IB制御部23は、例えば、予約受付部231と、予約処理部232とを備えている。
予約受付部231は、ネットワークNW1を介して、指定された出金金額を預金者口座43(預金者の口座)から出金する出金予約を受け付ける。予約受付部231は、例えば、ネットワークNW1及びNW通信部21を介して、携帯情報端末10から、出金金額を含む出金予約を、インターネットバンクのWebサービスを利用して受け付ける。
【0029】
予約処理部232は、予約受付部231が受け付けた出金予約に応じて、出金予約を識別する第1予約識別情報と、金融機関CT3を識別する金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を管理サーバ装置30に送信する。ここで、第1予約識別情報は、例えば、上述した予約番号及び予約時刻であり、金融機関情報は、例えば、上述した口座情報である。予約処理部232は、予約受付部231が受け付けた出金予約に応じて、予約番号を生成するとともに、予約時刻を取得する。また、予約処理部232は、出金予約を行った預金者の口座情報を取得する。予約処理部232は、出金金額と、口座情報(銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号)と、予約番号及び予約時刻(第1予約識別情報)とを対応付けた出金予約情報を、予約記憶部221に記憶させる。また、予約処理部232は、出金予約情報を、NW通信部21を介して、管理サーバ装置30に送信する。
【0030】
また、予約処理部232は、予約受付部231が受け付けた出金予約に応じて、預金者口座43から出金金額を、別段預金出金口44(預金出金口)に移動させる指示を金融機関CT3に送信する。すなわち、予約処理部232は、NW通信部21を介して、出金予約において指定された出金金額を、預金者口座43から別段預金出金口44に移動させる指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
また、予約処理部232は、出金予約の送信元の携帯情報端末10に、例えば、予約番号及び予約時刻(認証情報)を第2予約識別情報として、ネットワークNW1及びNW通信部21を介して送信する。
【0031】
また、予約処理部232は、管理サーバ装置30から出金予約の取引が完了したことを示す予約完了通知を受信した場合に、予約記憶部221における当該出金予約に対応する「予約完了」に“1”を記憶させる。
また、予約処理部232は、予約時刻から所定の期間以上が経過した場合に、予約記憶部221における当該予約時刻に対応する「予約取消」に“1”を記憶させる。また、この場合、予約処理部232は、取消を行った出金予約において指定された出金金額を、別段預金出金口44から預金者口座43に移動させる(戻させる)指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0032】
また、予約処理部232は、予約時刻から所定の期間以上が経過した場合に、出金予約の取消を指示する予約取消指示を、NW通信部21を介して、管理サーバ装置30に送信する。
なお、予約処理部232は、携帯情報端末10からの依頼により、上述した取消処理と同様の処理を実行してもよい。また、予約処理部232は、預金者がIBセンタCT1又は運営センタCT2の図示しないオペレータに電話等で連絡し、オペレータからの取り消し操作に応じて、上述した取消処理と同様の処理を実行してもよい。
【0033】
管理サーバ装置30は、運営センタCT2内に備えられたサーバ装置であり、ATM50を管理するサーバ装置である。管理サーバ装置30は、出金予約情報をIBサーバ装置20から受信するとともに、ATM50に入力された上述した予約番号及び予約時刻(認証情報)が、出金予約情報に含まれる予約番号及び予約時刻とが一致するか否かを判定する。管理サーバ装置30は、ATM50に入力された予約番号及び予約時刻と、出金予約情報に含まれる予約番号及び予約時刻とが一致する場合に、当該予約番号に対応する出金指示情報に基づいて、出金金額の現金をATM50に出金(払い出し)させる。また、管理サーバ装置30は、勘定系ホスト装置40に対して、別段預金出金口44から出金金額を減額させる。
【0034】
なお、管理サーバ装置30は、勘定系ホスト装置40と統合ATMネットワークNW2を介して接続されており、管理サーバ装置30は、統合ATMネットワークNW2を介して、別段預金出金口44から出金金額を減額させる。ここで、統合ATMネットワークNW2は、統合ATMシステム60の一部であり、統合ATMシステム60は、異なる金融機関同士のATM50間で相互に接続して、異なる金融機関の間における取引の実行を可能にする。
また、管理サーバ装置30は、NW通信部31と、管理記憶部32と、管理制御部33とを備えている。
【0035】
NW通信部31は、IBサーバ装置20、ATM50、及び勘定系ホスト装置40に接続可能な通信部であり、IBサーバ装置20、ATM50、及び統合ATMネットワークNW2を介して勘定系ホスト装置40と通信を行う。
管理記憶部32は、管理サーバ装置30が実行する処理に利用する各種情報を記憶する。管理記憶部32は、予約記憶部321を備えている。
【0036】
予約記憶部321は、IBサーバ装置20から受信した出金予約情報を記憶する。予約記憶部321は、例えば、
図2に示す予約記憶部221と同様に、「出金金額」と、「口座情報」と、「予約番号」と、「予約時刻」と、「予約完了」と、「予約取消」とを対応付けて記憶する。
【0037】
管理制御部33は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、管理サーバ装置30を統括的に制御する。管理制御部33は、例えば、受信処理部331と、取引処理部332とを備えている。
受信処理部331は、NW通信部31を介して、IBサーバ装置20が送信した出金予約情報を受信する。受信処理部331は、受信した出金予約情報を予約記憶部321に記憶させる。
【0038】
取引処理部332は、ATM50に入力された認証情報(予約番号及び予約時刻)を取得し、取得した認証情報(予約番号及び予約時刻)と一致する第1予約識別情報(予約番号及び予約時刻)に対応する出金指示情報に基づいて、出金金額の現金をATM50に出金(払い出し)させる。すなわち、取引処理部332は、ATM50に入力された予約番号及び予約時刻と、予約記憶部321が記憶する出金予約情報に含まれる予約番号及び予約時刻とが一致するか否かを判定する。取引処理部332は、両者が一致する場合に、当該予約番号及び予約時刻に対応する出金指示情報をATM50に送信して、出金金額の現金をATM50から出金(払い出し)させる。
【0039】
また、この場合、取引処理部332は、NW通信部31及び統合ATMネットワークNW2を介して、勘定系ホスト装置40に別段預金出金口44から出金金額を減額させる。また、取引処理部332は、出金取引の完了した出金予約情報に対応する予約記憶部321の「予約完了」に“1”を記憶させるとともに、当該出金予約の予約完了通知を、NW通信部31介して、IBサーバ装置20に送信する。
なお、取引処理部332は、上述した両者が一致し、当該出金予約情報に対応する「予約完了」又は「予約取消」に“1”が記憶されている場合には、出金指示情報をATM50に送信しない。
【0040】
また、取引処理部332は、出金予約の取消を指示する予約取消指示を、NW通信部31を介して、IBサーバ装置20から受信した場合に、予約取消指示に対応する出金予約情報を取り消す。すなわち、取引処理部332は、予約取消指示に対応する予約記憶部321の「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0041】
ATM50(現金自動処理装置の一例)は、例えば、出金予約を行った携帯情報端末10から入力された認証情報(予約番号及び予約時刻)に基づいて、現金の出金処理を実行する。ATM50は、NW通信部51と、NFC通信部52と、入出金機構53と、ATM制御部54と、を備えている。
【0042】
NW通信部51は、管理サーバ装置30に接続可能な通信部であり、管理サーバ装置30と通信を行う。
NFC通信部52は、近距離無線通信を利用した通信を行う。NFC通信部52は、例えば、インターネットバンクで予め実行した出金予約の認証情報を、携帯情報端末10から受信する際に利用する。
【0043】
入出金機構53は、現金(例えば、現金硬貨及び現金紙幣)の出金(排出)、又は入金(受け取り)を行う機構である。
ATM制御部54は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、ATM50を統括的に制御する。ATM制御部54は、NFC通信部52を介して、出金予約の認証情報を携帯情報端末10から受信した場合に、当該認証情報を、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30に送信する。また、ATM制御部54は、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30から送信された出金指示情報を受信した場合に、当該出金指示情報に基づいて、予め出金予約された出金金額の現金を入出金機構53に出金(払い出し)させる。
【0044】
ここで、
図3を参照して、ATM50及び携帯情報端末10について説明する。
図3は、本実施形態におけるATM50及び携帯情報端末10の一例を示す外観図である。
図3に示すように、携帯情報端末10をATM50のNFC通信部12に近づけて、NFC通信(無線通信の一例)を利用して、認証情報(予約番号及び予約時刻)をATM50に送信する。ATM50は、NFC通信を利用して認証情報(予約番号及び予約時刻)を受信し、受信した認証情報を、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30に送信し、当該認証情報に応じた出金指示情報を、NW通信部51を介して管理サーバ装置30から受信する。そして、ATM50は、出金指示情報に基づいて、予約された出金金額の現金を、入出金機構53の硬貨入出金口531及び紙幣入出金口532から排出する。
このように、携帯情報端末10をATM50のNFC通信部52に近づけることで、ATM50は、IBサーバ装置20に予め予約された出金金額の現金を入出金機構53から排出する。
【0045】
再び
図1に戻り、勘定系ホスト装置40は、金融機関CT3内に備えられており、金融機関CT3に開設されている口座を管理する。勘定系ホスト装置40は、統合ATMネットワークNW2に接続されている。勘定系ホスト装置40は、NW通信部41と、ホスト制御部42と、預金者口座43と、別段預金出金口44とを備えている。
【0046】
NW通信部41は、IBサーバ装置20、及び統合ATMネットワークNW2に接続可能な通信部である。NW通信部41は、統合ATMネットワークNW2を介して管理サーバ装置30と通信を行う。
【0047】
ホスト制御部42は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、勘定系ホスト装置40を統括的に制御する。ホスト制御部42は、IBサーバ装置20、又は統合ATMネットワークNW2を介した管理サーバ装置30からの依頼により、各種勘定処理を実行する。ホスト制御部42は、例えば、IBサーバ装置20からの金額移動の指示に応じて、指定された預金者口座43と別段預金出金口44との間で、金額を移動させる処理を実行する。また、ホスト制御部42は、例えば、統合ATMネットワークNW2を介して管理サーバ装置30からの出金指示に応じて、別段預金出金口44から出金金額を出金する処理を実行する。
【0048】
預金者口座43は、預金者の口座領域であり、例えば、預金者の預金額を記憶する。なお、IBサーバ装置20が提供するインターネットバンクサービスにおいて、預金者口座43が記憶する預金を移動する各種取引処理を実行する場合には、預金者の承認処理を必要とする。
別段預金出金口44は、預金者口座43とは異なる口座領域であり、例えば、複数の預金者口座43から預金を移動させて、共通の出金用の金額(出金用プール金額)として蓄積する。なお、別段預金出金口44が記憶する金額は、統合ATMネットワークNW2を介した出金指示に対して、預金者の承認なしに、出金金額を出金(減額)することができるものとする。
【0049】
次に、図面を参照して、本実施形態によるATM取引システム1の動作について説明する。まず、
図4を参照して、ATM取引システム1による出金処理の動作について説明する。
図4は、本実施形態によるATM取引システム1の出金処理の一例を示す図である。
まず、出金処理を行う預金者により、携帯情報端末10が操作され、出金予約を実行すると、
図4に示すように、携帯情報端末10は、出金予約をIBサーバ装置20に送信する(ステップS101)。なお、預金者がIBサーバ装置20によるインターネットバンクのサービスの提供を受けるには、通常のキャッシュカード及び暗証番号を用いた場合よりもセキュリティの高い認証処理が必要となる。携帯情報端末10の端末制御部14は、出金金額を示す情報を含む出金予約を、NW通信部11及びネットワークNW1を介してIBサーバ装置20に送信する。
【0050】
次に、IBサーバ装置20は、出金予約情報を記憶する(ステップS102)。IBサーバ装置20の予約受付部231は、NW通信部21を介して、携帯情報端末10(預金者)からの出金予約を受け付け、出金予約に含まれる出金金額に、予約番号、予約時刻、及び、預金者の口座情報を追加して、
図2に示すように、出金予約情報を予約記憶部221に記憶させる。
【0051】
次に、IBサーバ装置20は、金額移動を勘定系ホスト装置40に指示する(ステップS103)。すなわち、IBサーバ装置20の予約処理部232は、予約受付部231が受け付け出金予約に含まれる出金金額を当該預金者に対応する預金者口座43から別段預金出金口44に移動させる指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0052】
次に、勘定系ホスト装置40は、別段預金出金口44に出金金額を移動する(ステップS104)。すなわち、勘定系ホスト装置40のホスト制御部42は、預金者口座43から別段預金出金口44に出金金額を移動させる。なお、ホスト制御部42は、当該預金者に対応する預金者口座43の預金額と、出金金額とを比較して当該預金者口座43の預金額が出金金額より大きいことを確認する。ホスト制御部42は、当該預金者口座43の預金額が出金金額より大きい場合に、出金金額を預金者口座43から別段預金出金口44に移動させる。
【0053】
また、IBサーバ装置20は、出金予約情報を管理サーバ装置30に送信する(ステップS105)。予約処理部232は、例えば、出金金額と、口座情報(銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号)と、予約番号と、予約時刻とを対応付けた出金予約情報を管理サーバ装置30に送信する。ここで、管理サーバ装置30に送信する予約番号及び予約時刻を予約識別情報(第1予約識別情報)とする。
【0054】
次に、管理サーバ装置30は、出金予約情報を記憶する(ステップS106)。管理サーバ装置30の受信処理部331は、NW通信部31を介して、出金予約情報を受信し、受信した出金予約情報を予約記憶部321に記憶させる。
【0055】
また、IBサーバ装置20は、認証情報を携帯情報端末10に送信する(ステップS107)。予約処理部232は、例えば、予約番号及び予約時刻を認証情報(第2予約識別情報)として、NW通信部21及びネットワークNW1を介して携帯情報端末10に送信する。なお、携帯情報端末10の端末制御部14は、NW通信部11を介して認証情報を受信し、受信した認証情報を端末記憶部13に記憶させる。
【0056】
次に、預金者は、
図3に示すように、携帯情報端末10をATM50のNFC通信部52に近づけると、携帯情報端末10は、認証情報をATM50に送信する(ステップS108)。すなわち、携帯情報端末10の端末制御部14は、NFC通信部12による無線通信を利用して、端末記憶部13が記憶する予約番号及び予約時刻を認証情報(第2予約識別情報)として、ATM50に送信する。
【0057】
次に、ATM50は、認証情報(第2予約識別情報)を管理サーバ装置30に送信する(ステップS109)。ATM50のATM制御部54は、NFC通信部52を介して受信した認証情報を、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30に送信する。
【0058】
次に、管理サーバ装置30は、認証情報と予約識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、管理サーバ装置30の取引処理部332は、ATM50から受信した認証情報(第2予約識別情報)と、予約記憶部321が記憶する予約識別情報(第1予約識別情報)とが一致するか否かを判定する。取引処理部332は、認証情報と予約識別情報とが一致する場合(ステップS110:YES)に、処理をステップS111に進め、出金予約による出金処理を実行する。また、取引処理部332は、認証情報と予約識別情報とが一致しない場合(ステップS110:NO)に、出金予約による出金処理を実行しない。
【0059】
ステップS111において、管理サーバ装置30は、出金指示をATM50に送信する。取引処理部332は、ATM50から受信した認証情報(予約番号及び予約時刻)に一致する予約識別情報に対応する出金金額を出金する出金指示をATM50に送信する。
【0060】
次に、ATM50は、出金金額を出金する(ステップS112)。ATM制御部54は、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30から出金指示を受信し、受信した出金指示に基づいて、入出金機構53に出金金額の現金を排出させる。これにより、出金予約を行った預金者は、予約した出金金額の現金を受け取る。
【0061】
次に、ATM50は、出金完了通知を管理サーバ装置30に送信する(ステップS113)。すなわち、ATM制御部54は、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30に、ATM50における出金処理が完了したことを示す出金完了通知を管理サーバ装置30に送信する。
【0062】
次に、管理サーバ装置30は、出金指示を勘定系ホスト装置40に送信する(ステップS114)。取引処理部332は、ATMから受信した出金完了通知に応じて、出金金額を別段預金出金口44から減額する出金指示を、統合ATMネットワークNW2を介して、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0063】
次に、勘定系ホスト装置40は、別段預金出金口44から出金金額を出金する(ステップS115)。ホスト制御部42は、管理サーバ装置30から統合ATMネットワークNW2を介して受信した出金指示に基づいて、別段預金出金口44が記憶する金額(出金用プール金額)のうちから、出金金額を減額させる。
【0064】
また、管理サーバ装置30は、出金予約の完了を記録する(ステップS116)。すなわち、取引処理部332は、予約記憶部321が記憶する予約情報のうち、出金予約の完了した予約情報の「予約完了」に“1”を記憶させる。これにより、管理サーバ装置30は、同一の出金予約が複数回実行されることを禁止する。
【0065】
次に、管理サーバ装置30は、出金予約完了通知をIBサーバ装置20に送信する(ステップS117)。取引処理部332は、NW通信部31を介して、出金予約が完了したことを示す出金予約完了通知をIBサーバ装置20に送信する。なお、出金予約完了通知には、例えば、予約番号及び予約時刻を含んでいる。
【0066】
次に、IBサーバ装置20は、出金予約の完了を記録する(ステップS118)。すなわち、予約処理部232は、予約記憶部221が記憶する予約情報のうち、出金予約の完了した予約情報の「予約完了」に“1”を記憶させる。
【0067】
このように、本実施形態によるATM取引システム1では、携帯情報端末10が、インターネットバンクを利用して、出金取引を予め予約し、認証情報(予約番号及び予約時刻)を取得する。そして、携帯情報端末10をATM50に近づけて(かざして)、NFC通信を利用して、認証情報をATM50に送信するだけで、予約した出金金額の出金(引き出し)が可能になる。
【0068】
次に、
図5を参照して、本実施形態によるATM取引システム1の予約取消処理の動作について説明する。
図5は、本実施形態によるATM取引システム1の予約取消処理の一例を示す図である。なお、
図5に示す例は、予約された出金予約がATM50において実行されずに、所定の期間以上経過した場合に、予約取消を行う予約取消処理について説明する。
図5において、ステップS201からステップS207までの処理は、上述した
図4に示すステップS101からステップS107までの処理と同様であるのでここではその説明を省略する。
【0069】
ステップS208において、IBサーバ装置20は、予約時刻から所定の期間以上経過したか否かを判定する。IBサーバ装置20の予約処理部232は、予約記憶部221が記憶する出金予約情報のうち、出金予約情報に含まれる予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報があるか否かを判定する。予約処理部232は、予約時刻から所定の期間以上経過した場合(ステップS208:YES)に、処理をステップS209に進め、予約取消を実行する。また、予約処理部232は、予約時刻から所定の期間以上経過していない場合(ステップS208:NO)に、処理をステップS208に戻す。
【0070】
ステップS209において、IBサーバ装置20は、出金予約を取り消す。すなわち、予約処理部232は、予約記憶部221が記憶する出金予約情報のうち、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0071】
次に、IBサーバ装置20は、金額移動を勘定系ホスト装置40に指示する(ステップS210)。すなわち、予約処理部232は、取消した出金予約の出金金額を別段預金出金口44から、出金予約の預金者に対応する預金者口座43に移動させる(戻させる)指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0072】
次に、勘定系ホスト装置40は、別段預金出金口44から出金金額を戻す(ステップS211)。すなわち、ホスト制御部42は、別段預金出金口44から預金者口座43に出金金額を移動させる。
【0073】
また、IBサーバ装置20は、予約取消指示を管理サーバ装置30に送信する(ステップS212)。予約処理部232は、例えば、予約番号を含む予約取消指示を管理サーバ装置30に送信する。
【0074】
次に、管理サーバ装置30は、出金予約を取り消す(ステップS213)。すなわち、取引処理部332は、予約記憶部321が記憶する出金予約情報のうち、予約取消指示に含まれる予約番号に対応する出金予約情報を、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報と判定し、当該出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によるATM取引システム1(現金自動取引システム)は、ネットワークNW1を介して金融機関CT3の取引サービスを提供するIBサーバ装置20(Webサーバ装置)と、ATM50(現金自動取引装置)を管理する管理サーバ装置30とを備える。IBサーバ装置20は、予約受付部231と、予約処理部232とを備えている。予約受付部231は、ネットワークNW1を介して、指定された出金金額を預金者口座43(預金者の口座)から出金する出金予約を受け付ける。予約処理部232は、予約受付部231が受け付けた出金予約に応じて、出金予約を識別する予約識別情報(第1予約識別情報)と、金融機関CT3を識別する金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を管理サーバ装置30に送信する。そして、予約受付部231は、預金者口座43から出金金額を、預金者口座43とは異なる別段預金出金口44(預金出金口)に移動させる指示を金融機関CT3に送信する。また、管理サーバ装置30は、受信処理部331と、取引処理部332とを備えている。受信処理部331は、IBサーバ装置20から出金予約情報を受信する。取引処理部332は、ATM50に入力された認証情報(第2予約識別情報)を取得し、取得した認証情報と一致する予約識別情報に対応する出金指示情報に基づいて、出金金額の現金をATM50に出金させるとともに、別段預金出金口44から出金金額を減額させる。
【0076】
これにより、本実施形態によるATM取引システム1は、出金予約の予約時期別情報に一致する認証情報がATM50に入力されることで、ATM50が、出金予約に対応した出金金額の現金を出金する。そのため、本実施形態によるATM取引システム1は、例えば、キャッシュカードの挿入や取引の画面選択などの操作を行う必要がなく、ATM50の待ち時間を低減することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、認証情報は、無線通信(例えば、NFC通信)を利用して、携帯情報端末10からATM50に入力される。
これにより、本実施形態によるATM取引システム1は、携帯情報端末10をATM50に近づけることで、出金予約による出金処理を行うことができる。そのため、本実施形態によるATM取引システム1は、さらに利便性を向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、IBサーバ装置20は、出金予約が行われた予約時刻から所定の期間以上経過した場合に、当該出金予約を取り消す予約取消指示を管理サーバ装置30に送信し、管理サーバ装置30は、予約取消指示に基づいて、出金予約を取り消す。
これにより、本実施形態によるATM取引システム1は、予約から所定の期間経過した場合に、予約を無効化することができ、出金処理のセキュリティを向上させることがきる。
【0079】
また、本実施形態では、IBサーバ装置20は、出金予約を行う際に、インターネットバンクの取引サービスを利用するため、通常のキャッシュカード及び暗証番号を用いた場合よりもセキュリティの高い認証処理が必要とする。また、IBサーバ装置20は、予約された出金金額を、預金者口座43から預金者の認証状を必要としない別段預金出金口44に移動させて、管理サーバ装置30が、統合ATMシステム60を介して、別段預金出金口44から予約された出金金額を出金する。
これにより、本実施形態によるATM取引システム1は、キャッシュカード及び暗証番号を用いた場合よりも高いセキュリティを維持しつつ、キャッシュカード及び暗証番号による認証処理を必要としないATM50からの出金処理を可能にする。よって、本実施形態によるATM取引システム1は、高いセキュリティを維持しつつ、利便性を向上させることができる。また、本実施形態によるATM取引システム1は、インターネットバンクや統合ATMシステム60などの既存のシステムをそのまま流用することがでるため、既存のシステムと共存させつつ、利便性を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態によるATM取引システム1では、ATM50が、操作画面及び操作入力部を必要としない。そのため、ATM50は、大量の操作画面データを保持する必要がなく、構成を簡略化することができる。よって、本実施形態によるATM取引システム1では、ATM50を低コスト化することができる。
【0081】
また、本実施形態によるATM取引システム1では、予約識別情報(第1予約識別情報)及び認証情報(第2予約識別情報)には、予約番号及び予約時刻が含まれる。本実施形態によるATM取引システム1は、予約識別情報(第1予約識別情報)及び認証情報(第2予約識別情報)に予約時刻を含めることにより、予約した預金者の成りすましを低減することができ、セキュリティを向上させることができる。
また、さらにセキュリティを向上するために、携帯情報端末10が、認証情報(第2予約識別情報)を送信する際に、携帯情報端末10の所有者認証を行うようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態による管理サーバ装置30は、受信処理部331と、取引処理部332とを備えている。受信処理部331は、出金予約情報を受信する。ここで、出金予約情報は、ネットワークNW1を介して金融機関CT3の取引サービスを提供するIBサーバ装置20が受け付けた出金予約であって、ネットワークNW1を介して、指定された出金金額を預金者口座43から出金する出金予約を識別する第1予約識別情報と、金融機関CT3を識別する金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた情報である。取引処理部332は、ATM50に入力された第2予約識別情報を取得し、取得した第2予約識別情報と一致する第1予約識別情報に対応する出金指示情報に基づいて、出金金額の現金をATM50に出金させるとともに、預金者口座43とは異なる預金出金口であって、預金者口座43から出金金額が移動されている別段預金出金口44から出金金額を減額させる。
これにより、本実施形態による管理サーバ装置30は、上述したATM取引システム1と同様に、ATM50の待ち時間を低減することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態による現金自動取引方法は、ネットワークNW1を介して金融機関CT3の取引サービスを提供するIBサーバ装置20と、ATM50を管理する管理サーバ装置30とを備えるATM取引システム1の現金自動取引方法であって、予約受付ステップと、予約処理ステップと、受信処理ステップと、取引処理ステップとを含んでいる。
予約受付ステップにおいて、IBサーバ装置20が、ネットワークNW1を介して、指定された出金金額を預金者口座43から出金する出金予約を受け付ける。予約処理ステップにおいて、IBサーバ装置20が、予約受付ステップによって受け付けた出金予約に応じて、出金予約を識別する第1予約識別情報と、金融機関CT3を識別する金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を管理サーバ装置30に送信するとともに、預金者口座43から出金金額を、預金者口座43とは異なる預金出金口に移動させる指示を金融機関CT3に送信する。受信処理ステップにおいて、管理サーバ装置30が、出金予約情報を受信する。取引処理ステップにおいて、管理サーバ装置30が、ATM50に入力された第2予約識別情報を取得し、取得した第2予約識別情報と一致する第1予約識別情報に対応する出金指示情報に基づいて、出金金額の現金をATM50に出金させるとともに、預金出金口から出金金額を減額させる。
これにより、本実施形態による現金自動取引方法は、上述したATM取引システム1と同様に、ATM50の待ち時間を低減することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【0084】
なお、上述した本実施形態では、予約識別情報(第1予約識別情報)及び認証情報(第2予約識別情報)として、予約番号及び予約時刻を用いる例を説明したが、予約識別情報(第1予約識別情報)及び認証情報(第2予約識別情報)には、少なくとも予約番号が含まれていればよい。
また、上述した本実施形態では、金融機関CT3を識別する金融機関情報として口座情報を用いる例を説明したが、予約番号に、金融機関CT3を識別する識別コードを含めてもよい。
【0085】
また、上述した本実施形態では、予約記憶部221及び予約記憶部321が記憶する予約情報を「予約完了」及び「予約取消」を用いて、予約完了及び予約取消の処理を行う例を説明したが、予約記憶部221及び予約記憶部321から該当する予約情報を削除してもよい。また、IBサーバ装置20は、出金予約情報を管理サーバ装置30に送信した後に、予約記憶部221から該当する出金予約情報を削除するようにしてもよい。
【0086】
また、上述した本実施形態では、別段預金出金口44に共通の出金用の金額(出金用プール金額)として蓄積する例を説明したが、別段預金出金口44は、預金者口座43に対応して預金者ごとに備えられていてもよい。この場合、出金予約情報には、預金者口座43を示す口座情報が含まれるようにして、取引処理部332は、口座情報に基づいて、預金者口座43に対応する別段預金出金口44から出金金額を減額させるようにしてもよい。これにより、本実施形態によるATM取引システム1は、さらにセキュリティを高めることができる。
また、本実施形態によるATM取引システム1では、管理サーバ装置30が取引処理した出金金額と、別段預金出金口44の出金用プール金額との間で突合処理を定期的に実行するようにしてもよい。
【0087】
また、上述した本実施形態では、管理サーバ装置30と勘定系ホスト装置40とが、統合ATMシステム60(統合ATMネットワークNW2)を介して接続される例を説明したが、他の回線を用いて接続されるようにしてもよい。例えば、管理サーバ装置30と勘定系ホスト装置40とは、運営センタCT2を含めた1つの銀行のシステムとして接続され、ATM取引システム1は、自行利用者に対して、自行のATM50に対してのみ利用可能なシステムとして実現してもよい。
また、上述した本実施形態では、預金者口座43から別段預金出金口44に出金金額を移動させる際に、勘定系ホスト装置40のホスト制御部42が、出金金額より当該預金者口座43の預金額が大きいことを確認する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、予約処理部232は、勘定系ホスト装置40の当該預金者に対応する預金者口座43の預金額を取得し、当該預金者口座43の預金額が出金金額より大きい場合に、出金金額を預金者口座43から別段預金出金口44に移動させる指示を、勘定系ホスト装置40に送信するようにしてもよい。
【0088】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるATM取引システム1aについて説明する。上述した第1の実施形態では、出金予約による出金処理を説明したが、本実施形態では、さらに入金予約の入金処理まで拡張した場合の例について説明する。
図6は、本実施形態によるATM取引システム1aの一例を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、ATM取引システム1aは、携帯情報端末10と、IBサーバ装置20aと、管理サーバ装置30aと、勘定系ホスト装置40aと、ATM50とを備えている。なお、この図において、上述した
図1と同一の構成には同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0089】
IBサーバ装置20a(Webサーバ装置の一例)は、IBセンタCT1内に備えられたサーバ装置であり、ネットワークNW1を介して金融機関CT3の取引サービスを提供する。IBサーバ装置20aは、NW通信部21と、IB記憶部22aと、IB制御部23aとを備えている。
IB記憶部22aは、IBサーバ装置20aが実行する処理に利用する各種情報を記憶する。IB記憶部22aは、予約記憶部221aを備えている。
【0090】
予約記憶部221aは、出金予約処理及び入金予約処理の予約情報を記憶する。予約記憶部221aは、例えば、
図7に示すように、「出入金金額」と、「口座情報」と、「予約番号」と、「予約時刻」と、「予約完了」と、「予約取消」とを対応付けて記憶する。
図7は、本実施形態における予約記憶部221aのデータ例を示す図である。
図7において、「出入金金額」は、出金予約及び入金予約において指定された予約金額(取引金額)を示し、「口座情報」は、出金予約及び入金予約により取引される預金者の口座情報を示している。ここで、口座情報には、例えば、銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号などが含まれ、口座情報は、金融機関CT3を識別する金融機関情報の一例である。また、「予約番号」は、出金予約又は入金予約を識別する識別情報であり、「予約時刻」は、出金予約又は入金予約が受け付けられた時刻を示している。なお、「予約時刻」を、出金予約又は入金予約を識別する識別情報の一部としてもよい。また、「予約番号」は、例えば、出金予約である場合に、最上位桁に“0”を付与し、入金予約である場合に、最上位桁に“1”を付与する。
【0091】
また、「予約完了」は、出金予約又は入金予約の取引がATM50において完了しているか否かを示す情報であり、例えば、出金予約又は入金予約の取引が完了している場合に、“1”が記憶され、出金予約又は入金予約の取引が完了していない場合に、Nullとなる。また、「予約取消」は、出金予約又は入金予約が取り消されたか否かを示す情報であり、例えば、出金予約又は入金予約が取り消された場合に、“1”が記憶され、出金予約又は入金予約が取り消されていない場合に、Nullとなる。
【0092】
図7に示す例では、「出入金金額」が“1,000円”、「口座情報」が“XXX−XXX・・・”、「予約番号」が“0XXX0001”、「予約時刻」が“11:00”の予約は、出金予約を示し、「予約完了」が“1”であり、既に取引が完了していることを示している。また、出金金額」が“50,000円”、「口座情報」が“XXX−XXX・・・”、「予約番号」が“1XXX0002”、「予約時刻」が“12:00”の予約は、入金予約を示し、「予約完了」が“1”であり、既に取引が完了していることを示している。
【0093】
図6の説明に戻り、IB制御部23aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、IBサーバ装置20aを統括的に制御する。IB制御部23aは、例えば、予約受付部231aと、予約処理部232aとを備えている。
なお、予約受付部231a及び予約処理部232aにおける出金処理に関する処理は、第1の実施形態の予約受付部231及び予約処理部232と同様である。予約受付部231a及び予約処理部232aは、入金処理に関する処理を実行する点が、第1の実施形態の予約受付部231及び予約処理部232と異なる。
【0094】
予約受付部231aは、ネットワークNW1を介して、指定された入金金額を預金者口座43(預金者の口座)に入金する入金予約を受け付ける。予約受付部231aは、例えば、ネットワークNW1及びNW通信部21を介して、携帯情報端末10から、入金金額を含む入金予約を、インターネットバンクのWebサービスを利用して受け付ける。
【0095】
予約処理部232aは、予約受付部231aが受け付けた入金予約に応じて、入金予約を識別する第3予約識別情報と、金融機関CT3を識別する金融機関情報及び出金金額を含む出金指示情報とを対応付けた出金予約情報を管理サーバ装置30aに送信する。ここで、第3予約識別情報は、例えば、上述した予約番号及び予約時刻であり、金融機関情報は、例えば、上述した口座情報である。予約処理部232aは、例えば、出金金額と、口座情報(銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号)と、予約番号及び予約時刻(第1予約識別情報)とを対応付けた入金予約情報を、予約記憶部221aに記憶させる。また、予約処理部232aは、入金予約情報を、NW通信部21を介して、管理サーバ装置30aに送信する。
また、予約処理部232aは、入金予約の送信元の携帯情報端末10に、例えば、予約番号及び予約時刻を認証情報(第2予約識別情報)として、ネットワークNW1及びNW通信部21を介して送信する。
【0096】
また、予約処理部232aは、管理サーバ装置30aから入金予約の取引が完了したことを示す予約完了通知を受信した場合に、予約記憶部221aにおける当該出金予約に対応する「予約完了」に“1”を記憶させる。
また、予約処理部232aは、予約された入金金額を、預金者口座43から別段預金振込口45(預金振込口)に移動させる指示を金融機関CT3に送信する。すなわち、予約処理部232aは、NW通信部21を介して、入金予約において指定された入金金額を、別段預金振込口45から預金者口座43に移動させる指示を、勘定系ホスト装置40aに送信する。
【0097】
また、予約処理部232aは、入金予約の予約時刻から所定の期間以上が経過した場合に、予約記憶部221aにおける当該予約時刻に対応する「予約取消」に“1”を記憶させる。
また、予約処理部232aは、入金予約の予約時刻から所定の期間以上が経過した場合に、入金予約の取消を指示する予約取消指示を、NW通信部21を介して、管理サーバ装置30aに送信する。
【0098】
管理サーバ装置30aは、運営センタCT2内に備えられたサーバ装置であり、ATM50を管理するサーバ装置である。管理サーバ装置30aは、NW通信部31と、管理記憶部32aと、管理制御部33aとを備えている。
管理記憶部32aは、管理サーバ装置30aが実行する処理に利用する各種情報を記憶する。管理記憶部32aは、予約記憶部321aを備えている。
【0099】
予約記憶部321aは、IBサーバ装置20aから受信した入金予約情報及び出金予約情報を記憶する。予約記憶部321aは、例えば、
図7に示す予約記憶部221aと同様に、「出入金金額」と、「口座情報」と、「予約番号」と、「予約時刻」と、「予約完了」と、「予約取消」とを対応付けて記憶する。
【0100】
管理制御部33aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、管理サーバ装置30aを統括的に制御する。管理制御部33aは、例えば、受信処理部331aと、取引処理部333aとを備えている。
なお、受信処理部331a及び取引処理部333aにおける出金処理に関する処理は、第1の実施形態の受信処理部331及び取引処理部333と同様である。受信処理部331a及び取引処理部333aは、入金処理に関する処理を実行する点が、第1の実施形態の受信処理部331及び取引処理部333と異なる。
【0101】
受信処理部331aは、NW通信部31を介して、IBサーバ装置20aが送信した入金予約情報を受信する。受信処理部331aは、受信した入金予約情報を予約記憶部321aに記憶させる。
【0102】
取引処理部332aは、ATM50に入力された認証情報(予約番号及び予約時刻)を取得し、取得した認証情報(予約番号及び予約時刻)と一致する第1予約識別情報(予約番号及び予約時刻)に対応する入金指示情報に基づいて、入金金額の現金をATM50に入金させる。すなわち、取引処理部332aは、ATM50に入力された予約番号及び予約時刻と、予約記憶部321aが記憶する入金予約情報に含まれる予約番号及び予約時刻とが一致するか否かを判定する。取引処理部332aは、両者が一致する場合に、当該予約番号及び予約時刻に対応する入金指示情報をATM50に送信して、入金金額の現金をATM50から入金させる。
【0103】
また、この場合、取引処理部332aは、NW通信部31及び統合ATMネットワークNW2を介して、勘定系ホスト装置40aに別段預金振込口45に入金金額を振り込みさせる。また、取引処理部332aは、入金取引の完了した入金予約情報に対応する予約記憶部321aの「予約完了」に“1”を記憶させるとともに、当該入金予約の予約完了通知を、NW通信部31介して、IBサーバ装置20aに送信する。
【0104】
また、取引処理部332aは、入金予約の取消を指示する予約取消指示を、NW通信部31を介して、IBサーバ装置20aから受信した場合に、予約取消指示に対応する入金予約情報を取り消す。すなわち、取引処理部332aは、予約取消指示に対応する予約記憶部321aの「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0105】
勘定系ホスト装置40aは、金融機関CT3内に備えられており、金融機関CT3に開設されている口座を管理する。勘定系ホスト装置40aは、統合ATMネットワークNW2に接続されている。勘定系ホスト装置40aは、NW通信部41と、ホスト制御部42と、預金者口座43と、別段預金出金口44と、別段預金振込口45とを備えている。
【0106】
別段預金振込口45は、預金者口座43とは異なる口座領域であり、例えば、共通の振込用の金額(入金用プール金額)を蓄積し、入金の際に、預金者口座43に振込金(入金金額)として移動させる。なお、別段預金振込口45が記憶する金額は、統合ATMネットワークNW2を介した入金指示に対して、預金者口座の確認なしに、入金金額を入金(振込)することができるものとする。
【0107】
次に、図面を参照して、本実施形態によるATM取引システム1aの動作について説明する。
図8は、本実施形態によるATM取引システム1aの入金処理の一例を示す図である。
まず、入金処理を行う預金者により、携帯情報端末10が操作され、入金予約を実行すると、
図8に示すように、携帯情報端末10は、入金予約をIBサーバ装置20aに送信する(ステップS301)。携帯情報端末10の端末制御部14は、入金金額を示す情報を含む入金予約を、NW通信部11及びネットワークNW1を介してIBサーバ装置20aに送信する。
【0108】
次に、IBサーバ装置20aは、入金予約情報を記憶する(ステップS302)。IBサーバ装置20aの予約受付部231aは、NW通信部21を介して、携帯情報端末10(預金者)からの入金予約を受け付け、入金予約に含まれる入金金額に、予約番号、予約時刻、及び、預金者の口座情報を追加して、
図7に示すように、入金予約情報を予約記憶部221aに記憶させる。
【0109】
また、IBサーバ装置20aは、入金予約情報を管理サーバ装置30aに送信する(ステップS303)。予約処理部232aは、例えば、入金金額と、口座情報(銀行コード、店番コード、口座種別、口座番号)と、予約番号と、予約時刻とを対応付けた入金予約情報を管理サーバ装置30aに送信する。ここで、管理サーバ装置30aに送信する予約番号及び予約時刻を予約識別情報(第1予約識別情報)とする。
【0110】
次に、管理サーバ装置30aは、入金予約情報を記憶する(ステップS304)。管理サーバ装置30aの受信処理部331aは、NW通信部31を介して、入金予約情報を受信し、受信した入金予約情報を予約記憶部321aに記憶させる。
【0111】
また、IBサーバ装置20aは、認証情報を携帯情報端末10に送信する(ステップS305)。予約処理部232aは、例えば、予約番号及び予約時刻を認証情報(第2予約識別情報)として、NW通信部21及びネットワークNW1を介して携帯情報端末10に送信する。なお、携帯情報端末10の端末制御部14は、NW通信部11を介して認証情報を受信し、受信した認証情報を端末記憶部13に記憶させる。
【0112】
次に、預金者は、
図3に示すように、携帯情報端末10をATM50のNFC通信部52に近づけると、携帯情報端末10は、認証情報をATM50に送信する(ステップS306)。
次に、ATM50は、認証情報(第2予約識別情報)を管理サーバ装置30aに送信する(ステップS307)。ATM50のATM制御部54は、NFC通信部52を介して受信した認証情報を、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30aに送信する。
【0113】
次に、管理サーバ装置30aは、認証情報と予約識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS308。すなわち、管理サーバ装置30aの取引処理部332aは、ATM50から受信した認証情報(第2予約識別情報)と、予約記憶部321aが記憶する予約識別情報(第1予約識別情報)とが一致するか否かを判定する。取引処理部332aは、認証情報と予約識別情報とが一致する場合(ステップS308:YES)に、処理をステップS309に進め、入金予約による入金処理を実行する。また、取引処理部332aは、認証情報と予約識別情報とが一致しない場合(ステップS308:NO)に、入金予約による入金処理を実行しない。
【0114】
ステップS309において、管理サーバ装置30aは、入金指示をATM50に送信する。取引処理部332aは、ATM50から受信した認証情報(予約番号及び予約時刻)に一致する予約識別情報に対応する入金金額を入金させる入金指示をATM50に送信する。
【0115】
次に、ATM50は、入金金額を入金させる(ステップS310)。ATM制御部54は、NW通信部51を介して、管理サーバ装置30aから入金指示を受信し、受信した入金指示に基づいて、預金者に入出金機構53を介して入金金額の現金を入金させる。これにより、入金予約を行った預金者は、予約した入金金額の現金を入金する。
次に、ATM50は、入金完了通知を管理サーバ装置30aに送信する(ステップS311)。
【0116】
次に、管理サーバ装置30aは、入金指示を勘定系ホスト装置40aに送信する(ステップS312)。取引処理部332aは、ATMから受信した入金完了通知に応じて、入金金額を別段預金振込口45に移動する入金指示を、統合ATMネットワークNW2を介して、勘定系ホスト装置40aに送信する。
【0117】
次に、勘定系ホスト装置40aは、別段預金振込口45に入金金額を入金する(ステップS313)。ホスト制御部42は、管理サーバ装置30aから統合ATMネットワークNW2を介して受信した入金指示に基づいて、別段預金振込口45が記憶する金額(入金用プール金額)に入金金額を加算させる。
【0118】
また、管理サーバ装置30aは、入金予約の完了を記録する(ステップS314)。すなわち、取引処理部332aは、予約記憶部321aが記憶する予約情報のうち、入金予約の完了した予約情報の「予約完了」に“1”を記憶させる。これにより、管理サーバ装置30aは、同一の入金予約が複数回実行されることを禁止する。
【0119】
次に、管理サーバ装置30aは、入金予約完了通知をIBサーバ装置20aに送信する(ステップS315)。取引処理部332aは、NW通信部31を介して、入金予約が完了したことを示す入金予約完了通知をIBサーバ装置20aに送信する。なお、入金予約完了通知には、例えば、予約番号及び予約時刻を含んでいる。
【0120】
次に、IBサーバ装置20aは、金額移動を勘定系ホスト装置40aに指示する(ステップS316)。すなわち、IBサーバ装置20aの予約処理部232aは、入金金額を別段預金振込口45から当該預金者に対応する預金者口座43に移動させる指示を、勘定系ホスト装置40aに送信する。
【0121】
次に、勘定系ホスト装置40aは、別段預金振込口45から入金金額を移動する(ステップS317)。すなわち、勘定系ホスト装置40aのホスト制御部42は、別段預金振込口45から預金者口座43に入金金額を移動させる。
【0122】
次に、IBサーバ装置20aは、入金予約の完了を記録する(ステップS318)。すなわち、予約処理部232aは、予約記憶部221aが記憶する予約情報のうち、入金予約の完了した予約情報の「予約完了」に“1”を記憶させる。
【0123】
このように、本実施形態によるATM取引システム1aでは、携帯情報端末10が、インターネットバンクを利用して、入金取引を予め予約し、認証情報(予約番号及び予約時刻)を取得する。そして、携帯情報端末10をATM50に近づけて(かざして)、NFC通信を利用して、認証情報をATM50に送信するだけで、予約した入金金額の入金が可能になる。
【0124】
なお、本実施形態によるATM取引システム1aの入金処理の取消処理は、出金処理が入金処理に変更になっている点を除いて第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、本実施形態によるATM取引システム1aの出金処理及び出金処理の取消処理は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0125】
以上説明したように、本実施形態によるATM取引システム1aは、予約受付部231aは、ネットワークNW1を介して、指定された入金金額を預金者口座43に入金する入金予約を受け付ける。予約処理部232aは、予約受付部231aが受け付けた入金予約に応じて、入金予約を識別する予約識別情報(第3予約識別情報)と、金融機関情報及び入金金額を含む入金指示情報とを対応付けた入金予約情報を管理サーバ装置30aに送信するとともに、預金者口座43とは異なる別段預金振込口45(預金振込口)から預金者口座43に入金金額を移動させる指示を金融機関CT3に送信する。また、受信処理部331aは、入金予約情報を受信する。取引処理部332aは、取得した認証情報(第2予約識別情報)と一致する予約識別情報(第3予約識別情報)に対応する入金指示情報に基づいて、ATM50に入金金額の現金を入金させるとともに、入金金額を別段預金振込口45に移動させる。
【0126】
これにより、本実施形態によるATM取引システム1aは、入金予約の予約時期別情報に一致する認証情報がATM50に入力されることで、ATM50が、出金予約に対応した入金金額の現金を入金する。そのため、本実施形態によるATM取引システム1aは、例えば、キャッシュカードの挿入や取引の画面選択などの操作を行う必要がなく、ATM50の待ち時間を低減することができるとともに、利便性をさらに向上させることができる。
【0127】
なお、上述した本実施形態では、入金金額の現金を入金が入力された後に、IBサーバ装置20aが、別段預金振込口45(預金振込口)から預金者口座43に入金金額を移動させる指示を金融機関CT3(勘定系ホスト装置40a)に送信する例を説明したが、これに限定されるものではない。IBサーバ装置20aは、出金予約と同様に、入金予約を受け付けた際に、別段預金振込口45(預金振込口)から預金者口座43に入金金額を移動させる指示を金融機関CT3(勘定系ホスト装置40a)に送信するようにしてもよい。
【0128】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態によるATM取引システム1bについて説明する。上述した第1の実施形態では、出金予約の取消処理を、IBサーバ装置20から実行する例を説明したが、本実施形態では、管理サーバ装置30から実行する一例について説明する。
図9は、本実施形態によるATM取引システム1bの一例を示す機能ブロック図である。
【0129】
図9に示すように、ATM取引システム1bは、携帯情報端末10と、IBサーバ装置20bと、管理サーバ装置30bと、勘定系ホスト装置40と、ATM50とを備えている。本実施形態では、IBサーバ装置20bが、IB制御部23b(予約処理部232b)を備える点と、管理サーバ装置30bが、管理制御部33b(取引処理部332b)を備える点とが、第1の実施形態と異なる。
なお、
図9において、上述した
図1と同一の構成には同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0130】
管理制御部33bの取引処理部332bは、予約時刻から所定の期間以上が経過しても、IBサーバ装置20bから受信した予約識別情報(第1予約識別情報)と一致する認証情報(第2予約識別情報)を取得できなかった場合に、出金予約情報に対応する出金予約の取り消し指示をIBサーバ装置20bに送信する。取引処理部332bは、例えば、予約記憶部321が記憶する出金予約情報のうち、出金予約情報に含まれる予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報があるか否かを判定する。取引処理部332bは、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報がある場合に、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。また、取引処理部332bは、NW通信部31を介して、予約取消指示をIBサーバ装置20bに送信する。
【0131】
IB制御部23bの予約処理部232bは、管理サーバ装置30bから予約取消指示を受信した場合に、予約記憶部221における当該予約取消指示に対応する出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。また、この場合、予約処理部232bは、取消を行った出金予約において指定された出金金額を、別段預金出金口44から預金者口座43に移動させる(戻させる)指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0132】
次に、
図10を参照して、本実施形態によるATM取引システム1bの予約取消処理の動作について説明する。
図10は、本実施形態によるATM取引システム1bの予約取消処理の一例を示す図である。なお、
図10に示す例は、予約された出金予約がATM50において実行されずに、所定の期間以上経過した場合に、予約取消を行う予約取消処理について説明する。
図10において、ステップS401からステップS407までの処理は、上述した
図4に示すステップS101からステップS107までの処理と同様であるのでここではその説明を省略する。
【0133】
ステップS408において、管理サーバ装置30bは、予約時刻から所定の期間以上経過したか否かを判定する。管理サーバ装置30bの取引処理部332bは、予約記憶部321が記憶する出金予約情報のうち、出金予約情報に含まれる予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報があるか否かを判定する。取引処理部332bは、予約時刻から所定の期間以上経過した場合(ステップS408:YES)に、処理をステップS409に進め、予約取消を実行する。また、取引処理部332bは、予約時刻から所定の期間以上経過していない場合(ステップS408:NO)に、処理をステップS408に戻す。
【0134】
ステップS409において、管理サーバ装置30bは、出金予約を取り消す。すなわち、取引処理部332bは、予約記憶部321が記憶する出金予約情報のうち、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0135】
次に、管理サーバ装置30bは、予約取消指示をIBサーバ装置20bに送信する(ステップS410)。取引処理部332bは、例えば、予約番号を含む予約取消指示をIBサーバ装置20bに送信する。
【0136】
次に、IBサーバ装置20bは、出金予約を取り消す(ステップS411)。すなわち、予約処理部232bは、予約記憶部221が記憶する出金予約情報のうち、予約取消指示に含まれる予約番号に対応する出金予約情報を、予約時刻から所定の期間以上経過した出金予約情報と判定し、当該出金予約情報の「予約取消」に“1”を記憶させる。
【0137】
次に、IBサーバ装置20bは、金額移動を勘定系ホスト装置40に指示する(ステップS412)。すなわち、予約処理部232bは、取消した出金予約の出金金額を別段預金出金口44から、出金予約の預金者に対応する預金者口座43に移動させる(戻させる)指示を、勘定系ホスト装置40に送信する。
【0138】
次に、勘定系ホスト装置40は、別段預金出金口44から出金金額を戻す(ステップS413)。すなわち、ホスト制御部42は、別段預金出金口44から預金者口座43に出金金額を移動させる。
【0139】
以上説明したように、本実施形態によるATM取引システム1bでは、出金予約情報には、出金予約を受け付けた予約時刻が含まれる。取引処理部332bは、予約時刻から所定の期間以上が経過しても、予約識別情報(第1予約識別情報)と一致する認証情報(第2予約識別情報)を取得できなかった場合に、出金予約情報に対応する出金予約の取り消し指示をIBサーバ装置20bに送信する。
これにより、本実施形態によるATM取引システム1bは、予約から所定の期間経過した場合に、予約を無効化することができ、出金処理のセキュリティを向上させることがきる。
【0140】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、ATM50は、NFC通信を利用して認証情報を取得する例を説明したが、これに限定されるものではない。ATM50は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)などの2次元コードを利用して認証情報を取得するようにしてもよいし、NFC通信とは異なる通信手段により認証情報を取得するようにしてもよい。また、2次元コードを利用する場合、2次元コードは、携帯情報端末10の表示部16に表示させてもよいし、紙等に印刷したものであってもよい。
【0141】
また、上記の各実施形態において、IBサーバ装置20(20a、20b)、管理サーバ装置30(30a、30b)、及び勘定系ホスト装置40(40a)のそれぞれは、1つのサーバ装置として説明したが、複数のサーバ装置によって実現されてもよい。
【0142】
また、上記の各実施形態において、携帯情報端末10が、例えば、GPS(Global Positioning System)などにより、携帯情報端末10位置情報を検出可能な場合には、ATM取引システム1(1a、1b)は、以下の
図11に示すような処理を実行するようにしてもよい。
図11は、ATM取引システム1(1a、1b)のATM位置表示サービスの一例を示す図である。
図11に示すように、携帯情報端末10は、GPSなどにより検出した位置情報をIBサーバ装置20(20a、20b)に送信する(ステップS501)。
【0143】
次に、IBサーバ装置20(20a、20b)は、携帯情報端末10の位置情報を管理サーバ装置30(30a、30b)に送信する(ステップS502)。
次に、管理サーバ装置30(30a、30b)は、携帯情報端末10の位置情報の示す位置から所定の距離以内のATM50の位置情報の一覧を生成する(ステップS503)。管理サーバ装置30(30a、30b)は、自装置が管理するATM50のうちから、受信した携帯情報端末10の位置情報の示す位置から所定の距離以内のATM50を抽出する。管理サーバ装置30(30a、30b)は、抽出したATM50の位置情報の一覧を生成する。
【0144】
次に、管理サーバ装置30(30a、30b)は、ATM50の位置情報の一覧をIBサーバ装置20(20a、20b)に送信する(ステップS504)。
次に、IBサーバ装置20(20a、20b)は、ATM50の位置情報の一覧を携帯情報端末10に送信する(ステップS505)。
次に、携帯情報端末10は、受信したATM50の位置情報の一覧に基づいて、ATMの位置情報を表示部16に表示する(ステップS506)。
【0145】
このように、IBサーバ装置20(20a、20b)は、預金者の位置情報(例えば、携帯情報端末10の位置情報)を取得し、取得した預金者の位置情報を管理サーバ装置30(30a、30b)に送信する。そして、管理サーバ装置30(30a、30b)は、IBサーバ装置20(20a、20b)から送信された預金者の位置情報に基づいて、預金者の位置から所定の距離以内に存在するATM50の位置情報を、IBサーバ装置20(20a、20b)に送信する。
これにより、預金者が出金予約又は入金予約した後に、近くにあるATM50の位置を知ることができる。そのため、ATM取引システム1(1a、1b)は、さらに利便性を向上させることができる。
【0146】
なお、上述したATM取引システム1(1a、1b)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したATM取引システム1(1a、1b)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したATM取引システム1(1a、1b)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0147】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にATM取引システム1(1a、1b)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0148】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。