【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明は、第1の偏波及び第2の偏波を検出する少なくとも第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナを備える受信機によって受信されたフレームにおける少なくとも1つの交差偏波干渉体の電力を求める方法であって、フレームは、少なくとも第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを備える衛星送信機から送信され、第1の送信アンテナは、フレームを表す信号を受信機に第1の偏波上で転送することに用いられ、第2の送信アンテナは、同じ周波数及び第2の偏波を用いて信号を別の受信機に転送することに用いられ、方法は、
衛星送信機と受信機との間のアンテナ利得を取得するステップと、
衛星送信機と受信機との間の大気減衰を推定するステップと、
交差偏波減衰を推定するステップと、
第1の送信アンテナと受信機との間のチャネルがフレームの転送中に静的であることを考慮して、チャネルを推定するステップと、
第2の送信アンテナと受信機との間のアンテナ利得と、大気減衰とから、第2の送信アンテナと受信機との間のチャネルを推定するステップと、
取得されたアンテナ利得及び推定から、少なくとも1つの干渉体の電力を推定するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0010】
また、本発明は、第1の偏波及び第2の偏波を検出する少なくとも第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナを備える受信機によって受信されたフレームにおける少なくとも1つの交差偏波干渉体の電力を求めるデバイスであって、フレームは、少なくとも第1の送信アンテナ及び第2の送信アンテナを備える衛星送信機から送信され、第1の送信アンテナは、フレームを表す信号を受信機に第1の偏波上で転送することに用いられ、第2の送信アンテナは、同じ周波数及び第2の偏波を用いて信号を別の受信機に転送することに用いられ、デバイスは、
衛星送信機と受信機との間のアンテナ利得を取得する手段と、
衛星送信機と受信機との間の大気減衰を推定する手段と、
交差偏波減衰を推定する手段と、
第1の送信アンテナと受信機との間のチャネルがフレームの転送中に静的であることを考慮して、チャネルを推定する手段と、
第2の送信アンテナと受信機との間のアンテナ利得と、大気減衰とから、第2の送信アンテナと受信機との間のチャネルを推定する手段と、
取得されたアンテナ利得及び推定から、少なくとも1つの干渉体の電力を推定する手段と、
を備える、デバイスに関する。
【0011】
したがって、受信機は、干渉緩和方式を実施することができる。
【0012】
特定の特徴によれば、衛星送信機と受信機との間のアンテナ利得は、受信機のロケーションに関連した情報と、衛星送信機に関連した情報と、受信機のアンテナ利得に関連した情報とから取得される。
【0013】
したがって、受信機においてアンテナ利得を取得することができる。
【0014】
特定の特徴によれば、大気減衰の推定された値は、第1の送信アンテナを通じて衛星送信機によって転送されたフレームにおけるパイロットシンボル位置において第1の受信アンテナを通じて受信機によって受信された信号に基づいて計算される。
【0015】
したがって、受信機において大気減衰を推定することができる。
【0016】
特定の特徴によれば、大気減衰の推定された値は、以下の式に従って求められる。
【数1】
ここで、E{・}は、フレームにおける多い場合には全てのパイロットシンボル位置において計算された平均値であり、zは、パイロットシンボルを示し、
*は、複素共役を示し、y
1’は、第1の送信アンテナを通じて衛星送信機によって転送されたフレームにおけるパイロットシンボル位置において第1の受信アンテナを通じて受信機によって受信された信号であり、a
1は、第1の送信アンテナと第1の受信アンテナとの間のアンテナ利得である。
【0017】
したがって、受信信号と、既知のパイロットシーケンス及びパイロットシンボルの位置とに基づいて、大気減衰の推定された値を計算することができる。
【0018】
特定の特徴によれば、大気減衰の推定された値は、以下の式に従って求められる。
【数2】
ここで、a
1は、第1の送信アンテナと第1の受信アンテナとの間のアンテナ利得であり、
【数3】
は、第1の送信アンテナと受信機との間のチャネルの推定された値である。
【0019】
したがって、これまでのチャネル推定方法に基づいて、大気減衰の推定された値を計算することができる。
【0020】
特定の特徴によれば、交差偏波減衰の推定された値は、大気減衰の推定された値に基づいて計算される。
【0021】
したがって、交差偏波干渉体のパラメーターの事前知識なしで、交差偏波減衰の推定された値を計算することができる。
【0022】
特定の特徴によれば、推定された交差偏波減衰は、
【数4】
であり、ここで、y
2’は、第1の送信アンテナを通じて衛星送信機によって転送されたフレームにおけるパイロットシンボル位置において第2の受信アンテナを通じて受信機によって受信された信号である。
【0023】
したがって、受信信号及び事前推定に基づいて、交差偏波減衰の推定された値を計算することができる。
【0024】
特定の特徴によれば、推定された交差偏波減衰は、
【数5】
又は
【数6】
であり、ここで、y
2’は、第1の送信アンテナを通じて衛星送信機によって転送されたフレームにおけるパイロットシンボル位置において第2の受信アンテナを通じて受信機によって受信された信号である。
【0025】
したがって、受信信号のみに基づいて、交差偏波減衰の推定された値を計算することができる。
【0026】
特定の特徴によれば、推定された干渉体電力は、
【数7】
であり、ここで、a
2は、第2の送信アンテナと第2の受信アンテナとの間のアンテナ利得であり、平均関数E{・}は、干渉の性質が変化しないフレームの幾つかのサブキャリア/タイムスロットにわたって作用し、
【数8】
は、受信機のアンテナ上での加法性白色ガウス雑音の分散である。
【0027】
したがって、受信機は、干渉体のパラメーター(例えば、変調符号化方式、パイロット位置、パイロットシーケンス等)の事前知識なしに、交差偏波干渉体の電力を推定することができる。
【0028】
特定の特徴によれば、推定された干渉体電力は、
【数9】
であり、ここで、a
2は、第2の送信アンテナと第2の受信アンテナとの間のアンテナ利得であり、平均関数E{・}は、干渉の性質が変化しない幾つかのサブキャリア/タイムスロットにわたって作用する。
【0029】
したがって、受信機は、干渉体のパラメーターの事前知識も、受信機のアンテナ上での加法性白色ガウス雑音の事前知識もなしに、交差偏波干渉体の電力を推定することができる。
【0030】
特定の特徴によれば、第2の送信アンテナと受信機との間のチャネルの推定された値
【数10】
は、以下の式を計算することによって推定される。
【数11】
ここで、a
2は、第2の送信アンテナと第2の受信アンテナとの間のアンテナ利得であり、
【数12】
は、大気減衰の推定された値である。
【0031】
したがって、衛星と受信機Recとの間のチャネルの特定の性質に基づいて、本発明は、干渉体の事前知識なしで、また、送信機側において実施される干渉緩和方式を何ら伴わずに、干渉チャネルの品質を推定することができる。
【0032】
特定の特徴によれば、本方法は、
推定された干渉体電力の信頼性を検査するステップと、
推定された干渉体電力が信頼性のあるものである場合には、干渉緩和技法を実施するステップと、
を更に含む。
【0033】
したがって、干渉体が確実に推定されたときにのみ干渉緩和を実施することによって、複雑度が低減される。
【0034】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、当該コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0035】
コンピュータープログラムに関連する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関して既に言及されたのと同じであるので、ここでは繰り返されない。
【0036】
本発明の特性は、実施形態例の以下の説明を読むことから更に明らかになり、その説明は添付の図面を参照しながら行われる。