特許第6336206号(P6336206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336206動画ファイルの識別子を処理する方法、装置、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336206
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】動画ファイルの識別子を処理する方法、装置、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/92 20060101AFI20180528BHJP
   H04N 5/775 20060101ALI20180528BHJP
   H04N 21/4545 20110101ALI20180528BHJP
   H04N 21/4728 20110101ALI20180528BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20180528BHJP
【FI】
   H04N5/92 010
   H04N5/775
   H04N21/4545
   H04N21/4728
   H04N21/431
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-521284(P2017-521284)
(86)(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公表番号】特表2017-526316(P2017-526316A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(86)【国際出願番号】CN2015095145
(87)【国際公開番号】WO2016192325
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2016年1月20日
(31)【優先権主張番号】201510290508.4
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 小勇
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲維▼
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102426647(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102281384(CN,A)
【文献】 特開2000−350095(JP,A)
【文献】 特開2003−333424(JP,A)
【文献】 特開2006−148263(JP,A)
【文献】 特開2014−110531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/262−5/28
5/76−5/775
5/80−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画端末に適用される、動画ファイルの識別子を処理する方法であって、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップと、
前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップと、
前記動画識別子が存在する場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記動画識別子を遮蔽するステップとを含み、
更に、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで前記動画識別子を遮蔽するステップと、
前記検出区域が確定された後、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行するステップとを含むことを特徴とする動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項2】
前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップは、
前記動画ファイルについて所定数のフレームを確定するステップと、
前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出するか、又は、
前記動画ファイルの関連情報をサーバに送信するステップと、
前記サーバからの、前記関連情報に基づいて確定した、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項3】
前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出するステップは、
前記所定数のフレームの擬似区域を確定するステップと、
前記擬似区域内において、前記所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項4】
前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップは、
前記動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定するステップと、
前記複数の識別子マスクをそれぞれ前記検出区域内の画像内容とマッチングし、所定数のマッチング結果を得るステップと、
前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定するステップと、
前記所定閾値より大きい場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項5】
前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記動画識別子を遮蔽するステップは、
前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の前記マスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定するステップと、
前記新たな画素値に基づいて前記マスクの中心の画素点の元画素値を修正するステップと、
修正後の前記新たな画素値を前記フレーム画面において表示するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項6】
前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ前記所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の画素値を確定するステップにおいて、下記のような式を通じて前記検出区域のエッジ画素を確定し、
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスク内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表すことを特徴とする請求項5に記載の動画ファイルの識別子を処理する方法。
【請求項7】
動画端末に適用される、動画ファイルの識別子を処理する装置であって、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第1確定モジュールと、
前記第1確定モジュールによって確定された前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出する検出モジュールと、
前記検出モジュールにおいて前記動画識別子が存在すると検出された場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記フレーム画面における前記動画識別子を遮蔽する第1遮蔽モジュールとを備え、
更に、前記第1確定モジュールが前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで前記動画識別子を遮蔽する第2遮蔽モジュールを備え、
前記第1確定モジュールによって前記検出区域が確定された後、前記検出モジュールは、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行することを特徴とする動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項8】
前記第1確定モジュールは、
前記動画ファイルについて所定数のフレームを確定する第1確定サブモジュールと、
前記第1確定サブモジュールによって確定された前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出する第1検出サブモジュール、又は、
前記動画ファイルの関連情報をサーバに送信する送信サブモジュールと、
前記サーバからの、前記送信サブモジュールによって送信された前記関連情報に基づいて確定した、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信する受信サブモジュールとを有することを特徴とする請求項7に記載の動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項9】
前記第1検出サブモジュールは、
前記所定数のフレームの擬似区域を確定する第2確定サブモジュールと、
前記擬似区域内において、前記第2確定サブモジュールによって確定された前記所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、これにより前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第2検出サブモジュールとを有することを特徴とする請求項8に記載の動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項10】
前記検出モジュールは、
前記動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定する第3確定サブモジュールと、
前記第3確定サブモジュールによって確定されたそれぞれの前記複数の識別子マスクを前記検出区域内の画像内容とマッチングして、所定数のマッチング結果を得るマッチングサブモジュールと、
前記マッチングサブモジュールによって得られた前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定する第4確定サブモジュールと、
前記第4確定サブモジュールにおいて前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいと確定された場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定する第5確定サブモジュールとを有することを特徴とする請求項7に記載の動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項11】
前記第1遮蔽モジュールは、
前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の前記マスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定する画素確定サブモジュールと、
前記画素確定サブモジュールによって確定された前記新たな画素値に基づいて前記マスクの中心の画素点の元画素値を修正する画素修正サブモジュールと、
前記画素修正サブモジュールによって修正された前記新たな画素値を前記フレーム画面において表示する表示サブモジュールとを有することを特徴とする請求項7に記載の動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項12】
前記画素確定サブモジュールは下記のような式を通じて前記検出区域のエッジ画素を確定し、

ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスク内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表すことを特徴とする請求項11に記載の動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項13】
プロセッサと、
プロセッサが実行可能なコマンドを記憶するためのメモリとを備え、
前記プロセッサは、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定し、
前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出し、
前記動画識別子が存在する場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記フレーム画面における前記動画識別子を遮蔽するように構成されており、
更に、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで前記動画識別子を遮蔽するステップと、
前記検出区域が確定された後、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行するように構成されることを特徴とする動画ファイルの識別子を処理する装置。
【請求項14】
プロセッサに実行されることにより、請求項1から請求項6のいずれかに記載の動画ファイルの識別子を処理する方法を実現する記録媒体に記録されたプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が201510290508.4であって、出願日が2015年5月29日である中国特許出願に基づき、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容を本願に援用する。
【0002】
本発明はインターネット技術分野に関し、特に動画ファイルの識別子を処理する方法装置、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートテレビの急速な発展に伴い、スマートテレビが提供した全面開放型プラットホームはユーザが普通のテレビ内容を観賞することができると同時に、各動画ウェブサイトが提供する動画ファイルも観賞できるようにした。関連技術において、動画ウェブサイトはそのウェブサイトを宣伝する目的で、提供する動画ファイルに動画識別子を追加し、該動画識別子を通じて宣伝の目的を実現する。しかしながら、ユーザが動画ファイルを観賞する時、動画識別子はユーザの視覚的な見た目を悪くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術に存在する問題を解決するために、動画ファイルの識別子を処理する方法装置、プログラム及び記録媒体を提供し、ユーザが動画ファイルを観賞する時の視覚的な見た目を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の第1の態様によれば、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップと、
前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップと、
前記動画識別子が存在する場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記動画識別子を遮蔽するステップとを含む動画ファイルの識別子を処理する方法を提供する。
【0006】
一つの実施例において、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップは、
前記動画ファイルについて所定数のフレームを確定するステップと、
前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出するか、又は、
前記動画ファイルの関連情報をサーバに送信するステップと、
前記サーバからの、前記関連情報に基づいて確定した、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信するステップとを含むことができる。
【0007】
一つの実施例において、前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出するステップは、
前記所定数のフレームの擬似区域を確定するステップと、
前記擬似区域内において、前記所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップとを含むことができる。
【0008】
一つの実施例において、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップは、
前記動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定するステップと、
前記複数の識別子マスクをそれぞれ前記検出区域内の画像内容とマッチングし、前記所定数のマッチング結果を得るステップと、
前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定するステップと、
前記所定閾値より大きい場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定するステップとを含むことができる。
【0009】
一つの実施例において、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記動画識別子を遮蔽するステップは、
前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ前記所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の前記マスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定するステップと、
前記新たな画素値に基づいて前記マスクの中心の画素点の元画素値を修正するステップと、
修正後の前記新たな画素値を前記フレーム画面において表示するステップとを含むことができる。
【0010】
一つの実施例において、前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ前記所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の画素値を確定するステップにおいて、下記のような式を通じて前記検出区域のエッジ画素を確定し、
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクBにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスクB内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表す。
【0011】
一つの実施例において、前記方法は、
更に、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで前記動画識別子を遮蔽するステップと、
前記検出区域が確定された後、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行するステップとを含むことができる。
【0012】
本発明の実施例の第2の態様によれば、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第1確定モジュールと、
前記第1確定モジュールによって確定された前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出する検出モジュールと、
前記検出モジュールにおいて前記動画識別子が存在すると検出された場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記フレーム画面における前記動画識別子を遮蔽する第1遮蔽モジュールとを備えることを特徴とする動画ファイルの識別子を処理する装置を提供する。
【0013】
一つの実施例において、前記第1確定モジュールは、
前記動画ファイルについて所定数のフレームを確定する第1確定サブモジュールと、
前記第1確定サブモジュールによって確定された前記所定数のフレームに基づいて、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出する第1検出サブモジュール、又は、
前記動画ファイルの関連情報をサーバに送信する送信サブモジュールと、
前記サーバからの、前記送信サブモジュールによって送信された前記関連情報に基づいて確定した、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信する受信サブモジュールとを有することができる。
【0014】
一つの実施例において、前記第1検出サブモジュールは、
前記所定数のフレームの擬似区域を確定する第2確定サブモジュールと、
前記擬似区域内において、前記第2確定サブモジュールによって確定された前記所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、これにより前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第2検出サブモジュールとを有することができる。
【0015】
一つの実施例において、前記検出モジュールは、
前記動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定する第3確定サブモジュールと、
前記第3確定モジュールによって確定されたそれぞれの前記複数の識別子マスクを前記検出区域内の画像内容とマッチングして、前記所定数のマッチング結果を得るマッチングサブモジュールと、
前記マッチングサブモジュールによって得られた前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定する第4確定サブモジュールと、
前記第4確定モジュールにおいて前記所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいと確定された場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定する第5確定サブモジュールとを有することができる。
【0016】
一つの実施例において、前記第1遮蔽モジュールは、
前記検出区域のエッジ方向に沿って、且つ前記所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、前記検出区域内の前記マスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定する画素確定サブモジュールと、
前記画素確定サブモジュールによって確定された前記新たな画素値に基づいて前記マスクの中心の画素点の元画素値を修正する画素修正サブモジュールと、
前記画素修正サブモジュールによって修正された前記新たな画素値を前記フレーム画面において表示する表示サブモジュールとを有することができる。
【0017】
一つの実施例において、前記画素確定サブモジュールは下記のような式を通じて前記検出区域のエッジ画素を確定し、
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクBにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスクB内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表す。
【0018】
一つの実施例において、前記装置は、
更に、前記第1確定モジュールが前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで前記動画識別子を遮蔽する第2遮蔽モジュールを備え、
前記第1確定モジュールによって前記検出区域が確定された後、前記検出モジュールは、前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行する。
【0019】
本発明の実施例の第3の態様によれば、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能なコマンドを記憶するためのメモリとを備え、
前記プロセッサは、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、前記動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定し、
前記検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出し、
前記動画識別子が存在する場合、前記検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、前記フレーム画面における前記動画識別子を遮蔽するように構成されることを特徴とする動画ファイルの識別子を処理する装置を提供する。
【0020】
本発明の実施例の第4の態様によれば、プロセッサに実行されることにより、前記動画ファイルの識別子を処理する方法を実現する記録媒体に記録されたプログラムを提供する。
【0021】
本発明の実施例の第5の態様によれば、前記プログラムが記録された記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例が提供する技術案は下記のような有益な効果を含むことができる。
【0023】
ユーザは動画ファイルを再生する必要がある時、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定することで、フレーム画面全体に対して検出することを避け、動画識別子に対する遮蔽がより高い対応性を持ち、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在することが検出された場合、検出区域内において動画ファイルのフレーム画面における動画識別子を遮蔽し、ユーザが動画ファイル観賞する時の視覚的な見た目を向上させることができる。
【0024】
また、上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は単なる例示及び解釈に過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の図面は明細書に取り込まれて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、また、明細書と共に本発明の原理の解釈に用いられる。
図1A】一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートである。
図1B】一つの例示的な実施例1にかかる動画ファイル再生時の場面模式図である。
図2A】一つの例示的な実施例1にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートである。
図2B】一つの例示的な実施例1にかかる識別子ピラミッドを確定する方法のフローチャートである。
図2C】一つの例示的な実施例1にかかる識別子ピラミッドの模式図である。
図2D】一つの例示的な実施例1にかかるステップS202のフローチャートである。
図3】一つの例示的な実施例2にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートである。
図4】一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する装置のブロック図である。
図5】一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する他の装置のブロック図である。
図6】一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルに適用される、識別子を処理する装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで例示的な実施例について詳細に説明を行うが、その例示は図面において示されている。以下の説明が図面に関する場合、特に示さない限り、異なる図面の中の同一の数字は同一又は類似の要素を表す。また、以下の例示的な実施例で説明する実施形態は、本発明と一致する全ての実施形態を代表するものではなく、これらは特許請求の範囲において詳述した、本発明の一部の態様と一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0027】
図1Aは一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートであり、図1Bは一つの例示的な実施例1にかかる動画ファイル再生時の場面模式図である。動画ファイルの識別子を処理する該方法は動画端末(例えばスマートフォン、タブレットPC、スマートテレビ等)に適用することができ、例えば図1Aに示すように、該動画ファイルの識別子を処理する方法は以下のステップS101−S103を含む。
【0028】
ステップS101において、動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する。
【0029】
一つの実施例において、フレーム画面は動画ファイルを再生する時のフレームごとの画像画面である。一つの実施例において、ユーザが選択された動画ファイルに対し再生操作を行う時、動画端末において動画ファイルの当該画面においての検出区域を確定することができる。他の実施例において、動画ファイルの内容提供業者はサーバにおいて該内容提供業者が所有する動画ファイルにおいての識別子の位置を検出して、識別子が置する検出区域を記録することができ、ユーザが動画ファイルを再生する必要がある時、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域をサーバから取得することができる。検出区域はフレーム画面の画素位置を基に確定することができる。例えば図1Bは動画端末10により再生された解像度が480×360であるフレーム画面を表示しており、該フレーム画面における動画識別子は点線枠11内の「ABC」であり、該動画ファイルの検出区域は例えば点線枠11によって限定された矩形区域のように、フレーム画面における画素点[50、30]から画素点[70、51]によって限定された矩形区域である。
【0030】
ステップS102において、検出区域において、再生する必要があるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出する。
【0031】
一つの実施例において、検出区域における画像内容と所定の動画識別子マスクをマッチングすることで、フレーム画面に動画識別子が存在するか否かを確定することができる。他の実施例においては、画像認識方法(image recognition)に基づいてフレーム画面における画像内容について特徴認識することで、さらにフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを確定することができる。
【0032】
ステップS103において、動画識別子が存在する場合、検出区域のエッジ(edge)画素点の画素値に基づいて、フレーム画面における動画識別子を遮蔽する。
【0033】
一つの実施例において、動画識別子が位置する検出区域のエッジ画素点を参考に、動画識別子が位置する画素点の画素値を修正して、修正後の画素値を対応する画素点において表示することで、遮蔽された動画識別子を比較的に自然にフレーム画面にマージ(Merge)させることができる。
【0034】
本実施例において、ユーザは動画ファイルを再生する必要がある時、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定することで、フレーム画面全体に対して検出することを避け、動画識別子に対する遮蔽がより高い対応性を持ち、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在することが検出された場合、検出区域内において、検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて動画ファイルのフレーム画面における動画識別子を遮蔽し、ユーザが動画ファイル観賞する時の視覚的な見た目を向上させることができる。
【0035】
一つの実施例において、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップは、
動画ファイルについて所定数のフレームを確定するステップと、
所定数のフレームに基づいて、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出し、又は、
動画ファイルの関連情報をサーバに送信するステップと、
サーバからの、関連情報に基づいて確定した、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信するステップとを含むことができる。
【0036】
一つの実施例において、所定数のフレームに基づいて、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出するステップは、
所定数のフレームの擬似区域(suspected area)を確定するステップと、
擬似区域内において、所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定するステップとを含むことができる。
【0037】
一つの実施例において、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップは、
動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定するステップと、
それぞれの複数の識別子マスクを検出区域内の画像内容とマッチングし、所定数のマッチング結果を得るステップと、
所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定するステップと、
所定閾値より大きい場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定するステップとを含むことができる。
【0038】
一つの実施例において、検出区域のエッジ画素点の画素値に基づいて、フレーム画面における動画識別子を遮蔽するステップは、
検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、検出区域内のマスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定するステップと、
新たな画素値に基づいてマスクの中心の画素点の元画素値を修正するステップと、
修正後の新たな画素値をフレーム画面に表示するステップとを含むことができる。
【0039】
一つの実施例において、検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、検出区域内のマスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定するステップにおいて、下記のような式を通じて検出区域のエッジ画素を確定する。
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクBにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスクB内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表す。
【0040】
一つの実施例において、方法は、
動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックス(preset box)で動画識別子を遮蔽するステップと、
検出区域が確定された後、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行するステップとを更に含むことができる。
【0041】
具体的に、如何に動画ファイルにおける動画識別子を遮蔽するかについては、後続の実施例を参考できる。
【0042】
これまで、本発明の実施例が提供する上述の方法は、フレーム画面全体に対して検出することを避けることができ、動画識別子に対する遮蔽がより高い対応性を持ち、ユーザが動画ファイルを観賞する時の視覚的な見た目を向上させることができる。
【0043】
下記において具体的な実施例で本発明の実施例が提供する技術案を説明する。
【0044】
図2Aは一つの例示的な実施例1にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートであり、図2Bは一つの例示的な実施例1にかかるステップS202のフローチャートであり、図2Cは一つの例示的な実施例1にかかる識別子ピラミッドの模式図であり、図2Dは一つの例示的な実施例1にかかる識別子ピラミッドを確定する方法のフローチャートである。本実施例は本発明の実施例が提供する上述の方法を利用して、動画端末のローカルにおいてフレーム画面における検出区域を検出する、及び識別子ピラミッドを通じて動画識別子を検出することを例として例示的な説明を行う。図2Aに示すように、下記のようなステップを含む。
【0045】
ステップS201において、動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、動画ファイルについて所定数のフレームを確定する。
【0046】
一つの実施例において、所定数は動画端末の計算能力によって決まることができる。動画端末が比較的に高い計算能力を有する場合、所定数を更に大きく設定することができ、検出区域の位置をより正確にすることができる。
【0047】
ステップS202において、所定数のフレームに基づいて、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出する。
【0048】
ステップS202の説明は図2Bの説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0049】
ステップS203において、動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定する。
【0050】
識別子ピラミッドの説明は図2Cを参照することができ、ステップS203における識別子ピラミッドを確定する説明は図2Dの説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0051】
ステップS204において、複数の識別子マスクをそれぞれ検出区域内の画像内容とマッチングし、所定数のマッチング結果を得る。
【0052】
図2Cに示すように、識別子マスクは4個で、該4個の識別子マスクは、例えは解像度が小さい方から大きい方の順番で50×50、100×50、200×100、200×200である等のような異なる解像度の大きさの動画識別子「ABC」に対応する。図2Cに示される識別子マスクの解像度は、マスクの大きさが異なることを例示的に説明することに過ぎず、識別子マスクは動画ファイルのフレーム画面の解像度及び動画識別子の大きさにより確定することができることを当業者は理解すべきである。本発明は識別子マスクの大きさを限定しない。
【0053】
例えば、上述の4個の識別子マスクと図1Bに示されるフレーム画面における動画識別子「ABC」をマッチングすることを通じて、4個のマッチング結果を得ることができる。
【0054】
ステップS205において、所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定する。
【0055】
一つの実施例において、所定閾値は動画識別子に対する検出精度により確定されることができ、精度が比較的に高い場合、所定閾値を比較的に大きく設定でき、本発明は所定閾値の大きさを限定しない。
【0056】
ステップS206において、所定閾値より大きい場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定し、フレーム画面における動画識別子を遮蔽する。
【0057】
一つの実施例において、フレーム画面における動画識別子を遮蔽する説明は上述のステップS103の説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0058】
以下では図2B乃至図2Dと併せて、上述のステップS201乃至ステップS203について例示的な説明を行う。
【0059】
上述のステップS202において、所定数がMであることを例として説明を行い、図2Bに示すように、下記のようなステップを含む。
【0060】
ステップS211において、M枚のフレームをM枚のグレースケールイメージに処理する。
【0061】
動画ファイルにおいて、動画ファイルのフレームは通常カラー方式でユーザに表示する。画像処理の計算量を低減させるために、本発明はまずM枚のフレームをM枚のグレースケールイメージ(Grayscale images)に処理することができる。
【0062】
ステップS212において、M枚のフレームの擬似区域を確定する。
【0063】
一つの実施例において、例えば「ABC」内容提供業者が提供した動画ファイルは、その動画識別子はフレーム画面の左上に位置し、「DEF」内容提供業者が提供した動画ファイルは、その動画識別子がフレーム画面の右下に位置する等などのように、動画端末に記憶された動画識別子ベースを通じて擬似区域を確定することができる。擬似区域を通じて、フレーム画面における動画識別子の大よその位置を確定することができ、これによりフレーム画面全体において動画識別子を検出することを避け、動画識別子を検出する計算量を低減させることができる。
【0064】
ステップS213において、擬似区域において、M枚のグレースケールイメージに対してエッジ検出を行い且つ加重平均した後、強化されたグレースケールイメージが得られる。
【0065】
ステップS214において、該強化されたグレースケールイメージに対し二値化処理を行う。
【0066】
ステップS215において、擬似区域において、二値化処理されたグレースケールイメージについて検出を行い、検出区域を得る。
【0067】
上述のステップS211乃至ステップS215の処理を通じて、擬似区域の画像内容に対してのみグレースケールイメージ処理、加重平均、二値化等の処理を行うことで、検出区域を確定する計算量を大幅に低減することができる。
【0068】
図2Dに示すように、ステップS202は下記のようなステップを含むことができる。
【0069】
ステップS221において、内容提供業者が提供した動画ファイルの動画識別子を確定する時、該動画識別子に対応する識別子ピラミッドのマルチスケール画像(Multi−scale image)を確定する。
【0070】
一つの実施例において、識別子ピラミッドのマルチスケール画像は複数の異なる解像度のマスクを含むことができる。例えば「ABC」内容提供業者が提供した動画ファイルにおいて、動画識別子「ABC」に対応する識別子ピラミッドのマルチスケール画像は50×50、100×50、200×100、200×200等の解像度のマスクを含み、「DEF」内容提供業者が提供した動画ファイルにおいて、動画識別子「DEF」に対応する識別子ピラミッドのマルチスケール画像は25×25、50×50、100×50、200×100等の解像度のマスクを含む。これから分かるように、本発明における異なる動画識別子にとって、対応する識別子ピラミッドのマルチスケール画像の解像度の大きさは異なる可能性もあり、本発明はこれを限定しない。
【0071】
ステップS222において、マルチスケール画像に基づいて該動画識別子をズーム処理(Zoom)させる。
【0072】
ステップS223において、マルチスケールにズーム処理された動画識別子を膨張させて、該動画識別子に対応する識別子ピラミッドを得る。
【0073】
例えば、マルチスケールにズーム処理された動画識別子上の有効画素点はその周囲の1個の画素点の距離範囲内に向けて膨張され、該動画識別子に対応する一組の膨張された識別子ピラミッドを得ることができる。
【0074】
本実施例において、ユーザは動画ファイルを再生する必要がある時、動画ファイルのフレーム画面においての擬似区域について画像処理を行いた後、検出により検出区域が得られ、大雑把から細かへの検出プロセスを実現し、フレーム画面全体に対して検出することを避け、動画識別子に対する遮蔽がより高い対応性を持つようにし、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在することを検出した場合、検出区域内において動画ファイルのフレーム画面における動画識別子を遮蔽し、ユーザが動画ファイルを観賞する時の視覚的な見た目を向上させることができる。
【0075】
図3は一つの例示的な実施例2にかかる動画ファイルの識別子を処理する方法のフローチャートである。本実施例は本発明の実施例が提供する上述の方法を利用して、サーバにおいてフレーム画面における検出区域の取得及び如何に動画識別子を遮蔽するかを例として説明を行う。図3に示すように、下記のようなステップを含む。
【0076】
ステップS301において、動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、動画ファイルの関連情報をサーバに送信する。
【0077】
ステップS302において、サーバからの、関連情報に基づいて確定した、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信する。
【0078】
上述のステップS301及びステップS302において、スマートテレビのメーカーは、ユーザのため動画ファイルを提供することを確定した後、それぞれの動画ファイルにおける動画識別子の位置を検出し、該動画識別子の位置をスマートテレビのメーカーのクラウドサーバに記憶させて、これにより動画端末が動画ファイルを再生する時に動画識別子の位置を検出することを避け、動画端末の計算の複雑度を低下させることができる。
【0079】
ユーザはテレビを観賞し該動画ファイルを再生する時、該動画ファイルの関連情報をサーバに送信することができ、サーバは関連情報に基づいて該動画ファイルに関連する検出区域を確定する。一つの実施例において、関連情報は動画ファイルの内容提供業者の名称(例えば、ABC内容提供業者)、動画ファイルの出処情報(例えば、どの動画ウェブサイトから来たか)等などであってもよい。
【0080】
ステップS303において、検出区域において、再生する必要があるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出する。
【0081】
ステップS303の説明は上述のステップS203の説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0082】
ステップS304において、動画識別子が存在する場合、検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、検出区域内のマスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定する。
【0083】
ステップS305において、新たな画素値に基づいてマスクの中心の画素点の元画素値を修正する。
【0084】
ステップS306において、修正後の新たな画素値をフレーム画面に表示する。
【0085】
上述のステップS304乃至ステップS306において、一つの実施例において、検出区域を確定した後、例えば、検出区域の解像度の大きさは100×100に、マスク(mask)の大きさは5×5に設定され、まず検出区域のエッジ方向に沿ってマスクを移動させた後、マスクを通じて検出区域のエッジ画素点の新たな画素値を確定し、エッジ画素点の新たな画素値が確定された後、さらに検出区域の98×98のエッジ画素点に沿って同じ方法で98×98のエッジ画素点の新たな画素値を確定する。このように、検出区域内の全ての画素点の新たな画素値が確定されるまで、この方法で類推し、且つ検出区域内の新たな画素値を検出区域内に表示する。例えば、検出区域のエッジ画素点の新たな画素値を確定し終わった後、検出区域内における新たな画素値の未確定区域を98×98に縮小し、98×98の検出区域に対して、上記と類似する方法で解像度の大きさが98×98であるエッジ画素点の画素値を確定する。即ち、検出区域のエッジ画素点の新たな画素値を確定し、且つ検出区域の中心に向けて96×96に内向きに推し進め、さらに94×94にする、等のように、一歩一歩内向きに推し進める方法で検出区域をさらに縮小させ、検出区域における画素点の画素値を新たな画素値に修正し、動画識別子に対する遮蔽を実現する。
【0086】
一つの実施例において、ステップ304は下記のような式を通じて検出区域のエッジ画素を確定することができる。
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクBにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスクB内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表す。一つの実施例において、w(p、q)はp画素点に対するマスクB内のそれぞれの画素点の貢献度の大きさを限定するために使うことができ、w(p、q)はp、q画素点の距離に基づいて設定することも、p、q画素点の距離、p点におけるqの法線、切線方法距離を総合的に考慮して設定することもでき、本発明はこれを限定しない。
【0087】
本実施例において、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域をサーバから取得することで、動画端末のリアルタイム検出を避けることができ、動画端末の検出計算量を低下させると同時に、素早く動画識別子を位置決めすることができ、動画識別子と隣接する画素点を参考に、動画識別子が位置する画素点の画素値を修正して、修正後の画素値を対応する画素において表示することで、遮蔽された動画識別子を比較的に自然にフレーム画面にマージさせることができる。
【0088】
図4は一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する装置のブロック図である。図4に示すように、動画ファイルの識別子を処理する装置は、
動画ファイルを再生する操作コマンドを検出した場合、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第1確定モジュール41と、
第1確定モジュール41によって確定された検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出する検出モジュール42と、
検出モジュール42において動画識別子が存在すると検出された場合、フレーム画面における動画識別子を遮蔽する第1遮蔽モジュール43とを備える。
【0089】
図5は一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルの識別子を処理する他の装置のブロック図である。図5に示すように、上述の図5に示された実施例を基に、第1確定モジュール41は、
動画ファイルについて所定数のフレームを確定する第1確定サブモジュール411と、
第1確定サブモジュール411によって確定された所定数のフレームに基づいて、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を検出する第1検出サブモジュール412、又は、
動画ファイルの関連情報をサーバに送信する送信サブモジュール413と、
サーバからの、送信サブモジュール413によって送信された関連情報に基づいて確定した、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を受信する受信サブモジュール414とを有することができる。
【0090】
一つの実施例において、第1検出サブモジュール412は、
所定数のフレームの擬似区域を確定する第2確定サブモジュール4121と、
擬似区域内において、第2確定サブモジュール4121によって確定された所定数のフレームに対しエッジ検出を行い、動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定する第2検出サブモジュール4122とを有することができる。
【0091】
一つの実施例において、検出モジュール42は、
動画ファイルの、複数の識別子マスクを含む識別子ピラミッドを確定する第3確定サブモジュール421と、
第3確定モジュール421によって確定された複数の識別子マスクをそれぞれ検出区域内の画像内容とマッチングして、所定数のマッチング結果を得るマッチングサブモジュール422と、
マッチングサブモジュール422によって得られた所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいか否かを確定する第4確定サブモジュール423と、
第4確定モジュール423おいて所定数のマッチング結果における最大値が所定閾値より大きいと確定された場合、フレーム画面に動画識別子が存在することを確定する第5確定サブモジュール424とを有することができる。
【0092】
一つの実施例において、第1遮蔽モジュール43は、
検出区域のエッジ方向に沿って、且つ所定大きさのマスクの中心方向に向けて、所定大きさのマスク内の既知画素値を基に、検出区域内のマスクの中心に位置する画素点の新たな画素値を確定する画素確定サブモジュール431と、
画素確定サブモジュール431によって確定された新たな画素値に基づいてマスクの中心の画素点の元画素値を修正する画素修正サブモジュール432と、
画素修正サブモジュール432によって修正された新たな画素値をフレーム画面において表示する表示サブモジュール433とを有することができる。
【0093】
一つの実施例において、画素確定サブモジュール432は下記のような式を通じて検出区域のエッジ画素を確定する。
ここで、pは画素値が修正される必要がある現在の画素点を表し、前記マスクの中心に位置し、qは前記所定大きさのマスクBにおける既知画素点を表し、I(p)は前記現在の画素点に対応する修正後の画素値を表し、I(q)は前記マスクB内の画素値既知の画素点の画素値を表し、w(p、q)は加重値を表し、▽I(q)は前記既知画素点の勾配値を表す。
【0094】
一つの実施例において、装置は、更に
第1確定モジュール41が動画ファイルのフレーム画面においての検出区域を確定できない場合、所定ボックスで動画識別子を遮蔽する第2遮蔽モジュール44を備えることができ、
第1確定モジュール41によって検出区域が確定された後、検出モジュール42は、検出区域において、再生必要のあるフレーム画面に動画識別子が存在するか否かを検出するステップを実行する。
【0095】
上述の実施例における装置に関しては、それぞれのモジュールが操作を実行する具体的な方法は既に関連する実施例において詳細な説明を行っており、ここでは繰り返し説明しない。
【0096】
図6は一つの例示的な実施例にかかる動画ファイルに適用される、識別子を処理する装置のブロック図である。例えば、装置600は、携帯電話、コンピューター、デジタル放送端末、メッセージ送受信デバイス、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療デバイス、フィットネス設備、パーソナルデジタルアシスタント等であってもよい。
【0097】
図6を参照して、装置600は、プロセス部材602、メモリ604、電源部材606、マルチメディア部材608、オーディオ部材610、入出力(I/O)インターフェイス612、センサ部材614、及び通信部材616のような一つ以上の部材を含んでよい。
【0098】
プロセス部材602は、一般的には装置600の全体の操作を制御するものであり、例えば、表示、電話呼び出し、データ通信、カメラ操作、及び記録操作と関連する操作を制御する。プロセス部材602は、一つ以上のプロセッサ620を含み、これらによって命令を実行することにより、上記の方法の全部、或いは一部のステップを実現するようにしてもよい。なお、プロセス部材602は、一つ以上のモジュールを含み、これらによってプロセス部材602と他の部材の間のインタラクションを容易にするようにしてもよい。例えば、プロセス部材602は、マルチメディアモジュールを含み、これらによってマルチメディア部材608とプロセス部材602の間のインタラクションを容易にするようにしてもよい。
【0099】
メモリ604は、各種類のデータを記憶することにより装置600の操作を支援するように構成される。これらのデータの例は、装置600において操作されるいずれのアプリケーションプログラム又は方法の命令、連絡対象データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオ等を含む。メモリ604は、いずれの種類の揮発性、不揮発性記憶デバイスまたはそれらの組み合わせによって実現されてもよく、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、PROM(Programmable ROM)、ROM、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、或いは光ディスクである。
【0100】
電源部材606は、装置600の多様な部材に電力を供給する。電源部材606は、電源管理システム、一つ以上の電源、及び装置600のための電力の生成、管理及び割り当てに関連する他の部材を含んでもよい。
【0101】
マルチメディア部材608は、前記装置600とユーザの間に一つの出力インターフェイスを提供するスクリーンを含む。上記の実施例において、スクリーンは液晶モニター(LCD)とタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含むことにより、スクリーンはタッチスクリーンを実現することができ、ユーザからの入力信号を受信することができる。タッチパネルは一つ以上のタッチセンサを含んでおり、タッチ、スライド、及びタッチパネル上のジェスチャを検出することができる。前記タッチセンサは、タッチ、或いはスライドの動作の境界だけでなく、前記のタッチ、或いはスライド操作に係る継続時間及び圧力も検出できる。上記の実施例において、マルチメディア部材608は、一つのフロントカメラ、及び/又はリアカメラを含む。装置600が、例えば撮影モード、或いはビデオモード等の操作モードにある場合、フロントカメラ、及び/又はリアカメラは外部からマルチメディアデータを受信できる。フロントカメラとリアカメラのそれぞれは、一つの固定型の光レンズ系、或いは可変焦点距離と光学ズーム機能を有するものであってもよい。
【0102】
オーディオ部材610は、オーディオ信号を入出力するように構成されてもよい。例えば、オーディオ部材610は、一つのマイク(MIC)を含み、装置600が、例えば呼出しモード、記録モード、及び音声認識モード等の操作モードにある場合、マイクは外部のオーディオ信号を受信することができる。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ604に記憶されたり、通信部材616を介して送信されたりされる。上記の実施例において、オーディオ部材610は、オーディオ信号を出力するための一つのスピーカーをさらに含む。
【0103】
I/Oインターフェイス612は、プロセス部材602と周辺インターフェイスモジュールの間にインターフェイスを提供するものであり、上記周辺インターフェイスモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタン等であってもよい。これらのボタンは、ホームページボタン、ボリュームボタン、起動ボタン、ロッキングボタンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0104】
センサ部材614は、装置600に各方面の状態に対する評価を提供するための一つ以上のセンサを含む。例えば、センサ部材614は、装置600のON/OFF状態、装置600のディスプレイと小さなキーパッドのような部材の相対的な位置決めを検出できる。また、例えば、センサ部材614は、装置600、或いは装置600の一つの部材の位置変更、ユーザと装置600とが接触しているか否か、装置600の方位、又は加速/減速、装置600の温度の変化を検出できる。センサ部材614は、何れの物理的接触がない状態にて付近の物体の存在を検出するための近接センサを含んでもよい。センサ部材614は、撮影アプリケーションに適用するため、CMOS、又はCCDイメージセンサのような光センサを含んでもよい。上記の実施例において、当該センサ部材614は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサ、及び温度センサをさらに含んでもよい。
【0105】
通信部材616は、装置600と他の機器の間に有線、又は無線形態の通信を提供する。装置600は、例えばWiFi(登録商標)、2G、3G、或いはこれらの組み合わせのような、通信規格に基づいた無線ネットワークに接続されてもよい。一つの例示的な実施例において、通信部材616は、放送チャンネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号、又は放送に関連する情報を受信する。一つの例示的な実施例において、前記通信部材616は、近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含むことにより、近距離通信を推進するようにする。例えば、NFCモジュールは、RFID(Radio Frequency Identification)技術、IrDA(Infrared Data Association)技術、UWB(Ultra WideBand)技術、BT(Bluetooth(登録商標))技術、他の技術に基づいて実現できる。
【0106】
例示的な実施例において、装置600は、一つ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、DSPD(Digital Signal Processing Device)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子部品によって実現されるものであり、上記方法を実行する。
【0107】
例示的な実施例において、さらに、命令を含むコンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体、例えば命令を含むメモリ604を提供しており、装置600のプロセッサ620により上記命令を実行して上記方法を実現する。例えば、前記コンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体は、ROM、RAM、CD-ROM(登録商標)、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶デバイス等である。
【0108】
当業者は明細書を検討し、ここで開示した発明を実践した後、本発明のその他の実施方案を容易に思いつくことができる。本願は本発明の全ての変更、用途又は適応性の変化を含む。これらの変更、用途又は適応性の変化は本発明の一般的な原理に基づいており、本発明に未開示の本技術分野における周知技術又は慣用技術手段を含む。明細書及び実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の真の範囲及び主旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0109】
本発明は、上記で説明した、また図面において示した寸分違わぬ構成に限定されず、その範囲を逸脱しない前提のもとで種々の変更及び修正を行うことができることを理解すべきである。本発明の範囲は付された特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6