(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336207
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】バイブレータ
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20180528BHJP
A61H 19/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
A61H23/02 330
A61H23/02 380
A61H19/00
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-521308(P2017-521308)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-522158(P2017-522158A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015065722
(87)【国際公開番号】WO2016005507
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2017年1月13日
(31)【優先権主張番号】14176777.2
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516010973
【氏名又は名称】アモール・グンミヴァレン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】AMOR Gummiwaren GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ディルズ
【審査官】
立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0181784(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0082441(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0165747(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0119767(US,A1)
【文献】
特表2008−523850(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3189370(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 19/00−31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイブレータ(1)であって、
前部(5)と、電気モータ(25)によって発生されたバイブレーションを身体に伝達するように構成された後部(7)とを含み、女性の生体構造に適合した湾曲した筐体3と、
前記筐体(3)内部において、電源(21)、制御ユニット、データを保管するためのメモリユニット、外部デバイスとデータ通信するための通信ユニット、及びバイブレーションを発生させる前記電気モータ(25)と、を備え、
前記バイブレータ(1)を固定機構によって衣料品に固定するための締結手段を備え、該締結手段の一部は前記筐体(3)の締結部(13)に取り外し自在に取り付けられ、前記前部(5)と面一状である、バイブレータ。
【請求項2】
前記締結手段は磁気的に構成される、請求項1に記載のバイブレータ(1)。
【請求項3】
前記締結手段は磁性材料の締結板(11)と前記締結部(13)に配置された少なくとも1つの磁石(19)とを含む、請求項2に記載のバイブレータ(1)。
【請求項4】
前記後部(7)は、身体部位刺激のためのバイブレーション部として構成された突出部(10)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項5】
前記筐体(3)の前記前部(5)と前記締結板(11)との間の表面移行部は実質的に滑らかである、請求項3に記載のバイブレータ(1)。
【請求項6】
前記筐体(3)は頭部(9)を備え、該頭部(9)と前記後部(7)との間の移行部は可撓部(15)によって形成される、請求項3と5のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項7】
前記頭部は、ヒンジの軸として機能する前記可撓部(15)を中心に、実質的に180度折り曲げ可能である、請求項6に記載のバイブレータ(1)。
【請求項8】
前記筐体(3)は、前記電源(21)の充電に適応した接続素子(17)を含む、請求
項1〜7のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項9】
前記接続素子(17)は、USBタイプAポートとの電気的接続に適応したUSBタイプAプラグとして構成される、請求項8に記載のバイブレータ(1)。
【請求項10】
前記筐体(3)は、前記電源(21)の充電に適応した接続素子(17)を含み、
前記頭部(9)が180度折り曲げられ且つ締結板(11)が取り外されると、接続素子(17)が露出される、請求項6と7のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項11】
締結板(11)を除き、前記筐体(3)の外部要素はシリコン材料を含む、請求項3、5〜7、10のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項12】
前記通信ユニットは、双方向の無線通信に適応したBluetooth(登録商標)モジュールを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【請求項13】
前記バイブレータ(1)から身体にバイブレーションを伝達するように適応した、小型の複数のバイブレーションモータを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のバイブレータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイブレータに関する。
【背景技術】
【0002】
バイブレータは、性的刺激や性的なマッサージを目的とするエロティックなおもちゃであり、人への医療的適用にも用いられ得る。このため、バイブレータは、バイブレーション、或いはより一般的な用語における振動及び/又は動きを生じさせ、これは偏心ウエイトを備えた電気モータによって通常発生される。バイブレータは、これを用いて人を刺激するため、外性器又は内性器などの身体の特に敏感な部分に接触させる。
【0003】
身体の敏感な部分に配置されるバイブレータは、女性の身体の生体構造に特に適合される。バイブレータによって生じたバイブレーションによって、目的の身体の部位が刺激される。
【0004】
このタイプのバイブレータは、例えば特許文献1に記載されており、平坦な実質的に三角形の形状である。また、既知のバイブレータでは、その機能を容易に起動するため、筐体の外面に表示フィールドやコントロールパッドが包含される。バイブレーションは、駆動軸の偏心ウエイトを回転させる電気モータによって発生される。電源は、好ましくは再充電可能であって筐体に配置されたバッテリによって供給される。既知のバイブレータの不利な点は外向きのコントロールパッドによって制御されることである。これは、ユーザがある機能から他の機能に変更したいときに身体上の位置からバイブレータを移動させる必要性に伴う不便性のため不利である。さらに、バイブレータをその動作位置に固着する手段もない。
【0005】
性産業では、特に料金の支払いに対して写真や映像を提供することで現在のところその売上げの多くをインターネットから得ている。顧客とサービス提供者との相互のやりとりは、顧客がサービス提供者からインターネットを介してリアルタイムで映像や音声信号を受信する、ウエブカメラ又はスマートフォンを介して接続するアプリケーションプログラム(「アプリ」)の使用によって可能になるものなどのように、増加傾向でさらに広がってきている。技術的可能性のさらなる発展によって、インターネットメディアを介した顧客とサービス提供者との通信や相互のやりとりにおける新しい方法が探求されている。サービス提供者によるバイブレータの使用は人気の高い変形である。
【0006】
さらに、ソーシャルネットワークにおいて世界的にデータ交換される時代において、データ共有が顕著に増加している。同様に、スマートフォンや、タブレット型コンピュータ、及びその他のモバイルコンピュータデバイスで使用可能ないわゆる「アプリ」と呼ばれるアプリケーションプログラムの使用を介して、あらゆるタイプの電気デバイスを制御する技術的可能性も高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】英国出願公開第2479735A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
故に、本発明の目的は、安価に生産可能であり、無線データ通信交換をするように適応され、故に無線で動作可能であり、そしてその動作位置に簡単に固着可能である、簡易な構造で寸法の小さいバイブレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においてバイブレータが提供され、該バイブレータは、前部と後部とを備え且つ女性の生体構造に適合された湾曲した筐体を有し、筐体の内部に、電源、制御ユニット、メモリユニット、通信ユニット、及び電気モータを有し、後部はバイブレータから身体にバイブレーションを伝達するように適応され、バイブレータを衣料品に締結するため、筐体の締結部に取り外し可能に取り付けられて前部と面一状である締結手段が提供される。バイブレータの簡易な構造と設計とにより、寸法を小さく、例えば、非常に小型化され、干渉を受けないほどとすることができる。バイブレータは、その平坦で、わずかに湾曲し、生体構造に適した形状のため、快適に装着可能であり、外部からほぼ特定されない。例えばユーザの下着などに締結される方法は、固定機構の使用により確実且つ簡易であり、その結果としてユニットを快適に装着でき、取扱いが容易である。
【0010】
締結手段が磁気を利用して構成されることは有利である。締結手段は、磁性材料の締結板と締結部に配置された少なくとも1つの磁石とを好ましくは含む。締結板は、例えばハイグレードフェライト鋼などの強磁性材料製であり、磁石は、例としてネオジム・鉄・ボロン合金又は同等の材料で製造されるネオジム磁石である。磁性締結手段の代わりに、対向する要素間の衣料品の層を固定するように設計されたインターロックスナップボタンなどのその他のタイプの固定機構を用いることも、代替として可能である。これらのいくつかのインターロック要素は、締結板が筐体にしっかりと確実に取り付けられることを確かにするために提供され得るが、いずれにせよ容易に取り外すことができる。
【0011】
また、後部が、身体部分を刺激するためのバイブレータ部として構成された突出部を含むことも有利である。つまり、後部を、クリトリス領域などの敏感な身体部分にバイブレーションを効率的に伝達するように適応された形状にすることが可能である。また、複数の突出部が提供され、そのそれぞれがバイブレーションモータを備え、モータが互いに個別に駆動されるか、又はユニットとして駆動されることができるものも考えられる。
【0012】
筐体前部から締結手段への移行部表面は好ましくは実質的に滑らかである。つまり、本発明のバイブレータを装着するときに、好ましくない感覚をもたらしうる端部や角部などが身体の敏感な領域に存在しないため、デバイスを快適に装着可能である。
【0013】
また、筐体が頭部を含み、頭部と後部との間の移行部が可撓部によって形成されることも好ましい。ヒンジの軸として機能する可撓部を中心に、頭部を実質的に180度折り曲げるか又は裏返して開くことが可能であることは有利である。
【0014】
筐体は、電源を充電するように適応された接続素子を有利には含む。接続素子は、USBタイプAポートに差し込むように設計されて電気的接続を得るUSBタイプAプラグとして好ましくは構成される。
【0015】
頭部を180度開き、締結板を取り除くと、筐体の接続素子が好ましくは露出される。このように、バイブレータの蓄電ユニット、つまりバッテリを充電するための接続部を露出する簡易な機構が得られる。そのために、締結板を取り外し、頭部を折り返すか又は後ろに開くことが単に必要とされる。故に、締結板以外に紛失し得る個別の部品はない。
【0016】
締結板を除く筐体の外部要素がシリコン材料を含むことは特に好ましい。シリコン材料は、医学的に安全であり、衛生的で、皮膚に対して中性である。また、加工しやすく、産業上広く使用され、安価である。
【0017】
通信ユニットは、双方向の無線通信に適応されたBluetooth(登録商標)モジュールを好ましくは含む。つまり、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パソコン等からの制御など遠隔制御が可能になる。このため、バイブレータは、インターネットを介して、即ち遠隔のコンピュータ又はスマートフォンによって制御されることも可能になる。これは本発明のバイブレータの使用についての新しい可能性を提案する。
【0018】
また、バイブレーションをバイブレータから身体に伝達するように適応された、好ましくは小型である複数のバイブレーションモータを、バイブレータが含むことも有利である。
【0019】
本発明のバイブレータは無線で遠隔制御可能であり、小型部品を使用することでバッテリの長寿命を備え、とはいえバイブレーション効果は相応の有用な効果をユーザにもたらすのに十分なものである。
【0020】
締結又は固着機能により、直接的に身に着けた衣料品上の最良の位置からバイブレータが意図せず変位又は離脱することが防止される。同様に、ユーザは少々の手動操作によりバイブレータを下着等の衣料品から取り外し、他の箇所に移動させるか又は完全に取り除くことが可能である。締結板は、バイブレータの前面又は外面に取り付けられ、それと面一状であるので、端部などの煩わしい移行部は存在しない。このように、ユーザにとってさらに使いやすいものとなっている。
【0021】
また、バイブレータは任意の種類のコントロールパッド又は操作要素を有さず、また遠隔地から実質的に操作されるため、その使用がさらに簡易になり、取り扱いが向上する。バイブレータが所定の位置に配置されると、ユーザは、リラックスした快適な姿勢をとり、例えばスマートフォンなどからバイブレータ機能をオンにして制御する。スマートフォンとインターネットとのデータ交換を介して、第2の人がバイブレータを遠隔的に制御することも可能である。これは、デバイス使用についての多くの新しい可能性を開く。
【0022】
さらに、バイブレータの充電プラグは、バッテリを再充電するためにほぼすべてのUSBポートに接続できるように露出可能である。加えてまた、バイブレータのUSBプラグに他のコンタクトを提供することで、例えばメモリユニット若しくは中央処理ユニットにデータが供給される、又はそうしたユニットからデータが伝送されることが可能となる。
【0023】
本発明は、いくつかの例示的な実施形態の概略的な図に基づいて以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明のバイブレータの好ましい実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図2も、
図1の本発明のバイブレータの好ましい例示的実施形態の斜視図を示す。
【
図7】
図7は、第1位置における
図1のバイブレータの側面図を示す。
【
図8】
図8は、第2位置における
図1のバイブレータの側面図を示す。
【
図9】
図9は、第2位置の背面からの、
図1のバイブレータの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明のバイブレータ1の好ましい実施形態の、上からの斜視図を示し、バイブレータは前と側とにわずかに傾けられている。バイブレータ1は、前部5、後部7、及び上部領域に締結板11を備えた、滑らかでわずかに湾曲した筐体3を有する。締結板11は頭部9において筐体3の前面に配置され、前部5と面一状である。この実施形態における締結板11は、筐体の締結部13に磁性締結手段によって着脱可能に接続される。代替的に、スナップボタンまたは他のラッチ型接続手段など、固定機構を備えた他の非磁性締結手段も使用可能である。凡そ締結部13の高さの筐体3の背面に可撓部15があり、その機能は以下に詳細に記載される。バイブレータ1の下部領域において、後部7は、バイブレータから身体、特にクリトリス領域にバイブレーションを伝達するように適応された突出部10を含む。
【0026】
図2は、バイブレータ1の好ましい実施形態の、
図1と類似するがさらに下からの斜視図を示す。簡潔にするため要素は繰り返して説明されない。筐体3の前部5と締結板11との間の表面移行部は実質的に滑らかである、つまり突出や端部がない、ということが
図2において見てとれる。
【0027】
図3はバイブレータ1の好ましい実施形態の正面図を示す。
図4はバイブレータ1の好ましい実施形態の背面図を示し、実質的にバイブレーション部といえる突出部10が筐体3の後部7の下部領域に配置される。
図5は本発明のバイブレータの下からの図を示し、
図6はバイブレータ1の好ましい実施形態の上からの図を示す。
図3と
図5では前部が主な面として見えるが、
図4と
図6では後部が見える。頭部9に直接的に載置された締結板11は、
図6においても明確に捉えられる。
図3〜
図6から、バイブレータは、いずれの鋭い端部もない、丸みを帯びた滑らかな表面を有することが把握される。
【0028】
例えばRTVシリコンなどのシリコンは、バイブレータの筐体3と外部要素の好ましい材料である。シリコンと類似の特性を有する他の熱可塑性エラストマも使用され得る。
【0029】
図7は、バイブレータ1の好ましい実施形態の側面図を示す。下部領域において、筐体3の後部7における突出部10は明確に捉えられる。周囲表面からの突出部10の上昇は、例えば、厚さ1mm〜5mmの近似範囲であり、表面の寸法、即ちその長さは10mm〜30mmの近似範囲である。これらの値は単に指針(定位)であり、そのため、バイブレータのサイズと材料に応じて、これらの範囲より大きい寸法又は小さい寸法を突出部10に選択することも可能である。
【0030】
図7において、締結板11の下部領域は締結部13に平らに載置され、締結板11の上部領域が頭部9に平らに載置されることが見て取れる。本発明のバイブレータの好ましい実施形態において締結板11がどのように取り付けられるかは、
図9〜
図11に関して以下により詳細に記載される。好ましい実施形態の頭部9と後部7との間の移行部は、
図8〜
図10に関して以下に記載されるように、ヒンジの一種の機能を担う可撓部15によって形成される。
【0031】
図7に関して
図8に示される側面図において、締結板11が取り外され頭部9を開いた、第2の位置における本発明のバイブレータの好ましい実施形態を見ることができる。
図8に示される第2の位置は、上部領域に配置された接続素子17によって、バイブレータがバッテリーを充電するために電源又はエネルギー供給源に接続されるときの配置状態を表す。記載される実施形態では、接続素子17は、任意の市販の標準的なUSBタイプAポートに挿入可能であるUSBタイプAプラグの形態で構成される。締結板11(
図7参照)が取り外されると、接続素子17はバイブレータの前部に実質的に自由に露出されるが、それでも頭部9によって上と背後とから被覆される。本明細書に記載される実施形態では、頭部9は、可撓部15によって凡そ筐体3の締結部13の高さで後部7に接続される。薄肉可撓部15の可撓性特性によって、頭部9は折り返すか又は裏返されて開けられ、接続素子17を完全に露出することができる。故に
図8に示されるこの位置において、接続素子17は、バイブレータのバッテリを充電するために、対応する連結部分に接続されることができる。
【0032】
図8に示される第2の位置の状態は、斜視図で
図9に再び示される。頭部9が実質的に180度開けられて、接続素子17を完全に露出することが見て取れる。また、可撓部15がバイブレータの全幅にわたって延びていることも見て取れる。すべての外部筐体部品がシリコン製であることから、可撓部15が適切な薄さの壁で構成される場合にその曲げ特性が自動的に得られることは明らかである。
【0033】
図9において、締結板11を頭部9に取付ける役割を担う締結デバイスの部品も見て取れる。磁石19はこのために設けられた凹みに挿入されるか、又は頭部9に押し入れられる。これらの磁石は、好ましい実施形態において、市販の標準的なネオジム磁石として構成される。ネオジム・鉄・ボロン合金のネオジム磁石は非常に強力な磁場強度と高い残留磁気とを有し、このため、(強)磁性締結板11を固定する目的に実に適切である。
【0034】
図9のような第2の位置においてバイブレータの好適な実施形態の斜視図を示す
図10では、前からの図で、筐体3の上部外側部のそれぞれに締結部13があることが同様に見て取れ、磁石19がこれらの部分のそれぞれの対応する凹みに押し入れられる。つまり、これらの磁石は前向きである。
図9において示される頭部9の磁石19のように、これらの磁石は締結板11をその適切な位置に保持する役割をする。
【0035】
図11は、締結板11を所定の位置に設置して磁石19により適切な位置に保持する前の配置における、バイブレータ1の好ましい実施形態を示す。
図10においても見受けられるように、締結板11は実質的に横断する端部に設置されるので、筐体3の前部と面一状である。締結板11は背面において接続素子17と面一状であり、コンタクト素子18(
図11では見えない)が接続素子17の背面又は背後に配置される。
図8〜
図10に示されるものとは異なり、頭部9はここでは通常の位置に閉じられており、接続素子17の上部領域を保護するように封入する。ここで示される実施形態における頭部9の磁石19は、接続素子17のすぐ右と左とに配置されるので、全部で4つの磁石19が締結板11を固定するために設けられる。接続素子17に近接する磁石19の位置により、頭部9により提供されるカバーが接続素子17を特に効果的に保護する。締結板11を固定するため、4つより少ないか又は多い磁性要素が頭部9又は筐体3の他の部分にも配置され得ることは明らかである。締結板11の材料は、例えば前面即ち可視側にブランド名又はロゴを含み得る、好ましくは1.5mmの厚さのハイグレードフェライト鋼である。
【0036】
上述されたことから、可撓部15を備えた頭部9の後部壁を含む、バイブレータ筐体3の後ろ側、即ち後部7は、完全に閉じられた面になるということが容易に理解可能である。この背面全体がユーザの身体に直接的に載置され、このため任意の端部、溝、又は他の変則部を有するべきではないという理由から、これは特に重要である。
【0037】
図12は本発明のバイブレータの好ましい実施形態における「内部構造」を示し、後部と締結板11とは
図12に図示されない。筐体3内部の上部領域には、300mAhの容量を有するリチウムイオン又はリチウムポリマーバッテリとして好ましくは構成される電源又は蓄電ユニット21がある。その下では、電子回路部品の形態で制御、メモリ、及び通信のユニットのすべてを実質的に包含するプリント回路基板又はPCB23が接続される。特に、回路基板23は、中央処理ユニットと、双方向の無線通信を担うBluetooth(登録商標)モジュールとして構成された通信素子とを含む。Bluetooth(登録商標)モジュールは、バイブレータのすべての制御機能を伝達するように構成される。つまりこれは追加のメモリ素子が回路基板23に必ずしも必要ではないことを意味する。このすべての要素がウェブ、プレート、凹み、及び突出部を使用して筐体に設けられ、筐体の一体的部品として好ましくは構成される。結果として、電子部品と電子連結素子(図示せず)とは筐体内に永続的に押止され、そこに固定される。
【0038】
下部には電気モータ25が配置され、これは駆動軸に載置された偏心ウエイトを備えたバイブレーションモータとして構成される。本明細書に示される実施形態において、単一のバイブレーションモータ25のみがバイブレータ1の内部に示されるが、モータのサイズと利用可能な空間次第で、バイブレータに2以上の小型バイブレーションモータ25を配置することも可能である。バイブレーションモータ25が、筐体3の後部7における突出部10と実質的に同じ領域に配置されるということが見て取れ、これはバイブレーションの多くは突出部10の領域で発生するということを意味する。また、小型バイブレーションモータがバイブレータ1の背面の他の部分に配置され得るということも考えられる。
図12において周辺の溝も見て取れ、その溝には、別の筐体部品として構成された後部において対応して配置された突出部が挿入可能であるので、部品間での連結が確実におこなわれる。
【0039】
提示される好ましい実施形態では、バイブレータの厚みが、その多くの範囲で約9mmであり、突出部10領域の下部では約12mmである。バイブレータの全体的な幅は約52mmであり、突出部10の下部における幅は約20mmである。また、本明細書に提示されるデザイン用に他の寸法が選択され得るが、特に、厚みをさらに薄くすることが可能であり、バイブレータの長さと幅とをさらに小さいものにすることができる。デバイスがより小さい寸法になると、ユーザがこれを身体に用いることがより便利になるので、このことは特に重要である。さらに、バイブレータは可能な限り小さいこと、また容易に持ち運べるように十分に軽いことが必要とされる。
【0040】
バイブレータ1を衣類、好ましくは女性の下着に締結又は固定することは、まず締結板11を取り外し、そして、バイブレータの突出部10が敏感な身体領域に可能な限り近接してそれらの領域にバイブレーションを伝達可能であるようにバイブレータを例えば膣領域などの身体に配置することで、有利におこなわれる。配置ステップの後、締結板11がバイブレータの上部の上に配置された下着布地部の上に配置されて、下着の内面(布地の身体に面した面)に面したバイブレータの筐体3又は頭部9の磁石19が金属の締結板11を引き付け、結果として締結板11の下端部がバイブレータの前部5の上端部と好ましくは係合する。このように、バイブレータと締結板11との間にある下着布地の領域は堅固に固定される。つまり、バイブレータは所望の位置で確実に固定されるが、単に締結板を(簡単に)取り除き、バイブレータを所望されるように再配置した後、板を再び設置することで、ユーザにより容易に移動、再配置、又は取り外しされることができる。この締結方法は、ポケット又はロック要素等の追加要素を必要とせず、故に非常に簡易で安価である。
【0041】
本発明のバイブレータは、Tバックショーツ、スリップ、タンガ、ショーツ、ビキニ、ボディストッキングなどの多様な種々のタイプの下着と併せて用いられることができる。
【0042】
上述の実施形態の代替として、締結板は、バイブレータの上部に必ずしも配置される必要はなく、代わりに中央部分でその機能を実行することが可能である。このため、筐体の保持磁石は平らに作製可能である。また、保持機能を向上するために2つ以上の締結板を使用することも可能である。
【0043】
代替として、磁性締結システムとは異なる締結手段を用いることができる。例として、下着の布地を十分な力で固定し、且つ再び取り外すことも簡単にできるインターロックスナップボタン、はとめなどが使用可能である。
【0044】
また、バイブレータは異なる基本となる外形を有し得り、例として、8の字の形態で作製される、つまり、広い上部領域と下部領域との間に狭いくびれ部分を有することができる。
【0045】
本発明において、小さい寸法で簡単な構造のバイブレータが提供され、該バイブレータは、安価に作製可能であり、無線データ交換に適応され、故に無線で操作可能であり、そしてその動作位置に容易に固定できる。