(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336212
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】固定可能な導光装置を有する照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/00 20180101AFI20180528BHJP
F21S 43/00 20180101ALI20180528BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20180528BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20180528BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20180528BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20180528BHJP
【FI】
F21S8/10 171
F21S8/10 151
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-533661(P2017-533661)
(86)(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公表番号】特表2017-528901(P2017-528901A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】AT2015050189
(87)【国際公開番号】WO2016040971
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2017年4月28日
(31)【優先権主張番号】A50650/2014
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】エドレッツベルガー、トマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントグルーバー、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】エトリンガー、シュテファン
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−164975(JP,A)
【文献】
特表2014−508380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 43/00
F21S 45/00
F21W 103/00
F21W 104/00
F21W 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源に割り当てられた少なくとも1つの導光装置(10)を含み、少なくとも1つの導光装置(10)は、少なくとも1つの光源から放射されかつ当該導光装置に入射される光を案内するよう構成された、乗り物の、とりわけ自動車両の照明装置(20)であって、
導光装置(10)は、照明装置(20)の支持フレーム(22)に組付け可能に構成され、かつ、
・入射された光の少なくとも一部を出射するための少なくとも1つの出射要素(18)を有するヘッド部分(12)と、
・光源からの光の入射に適合された入射領域(15)を含みかつ入射された光をヘッド部分(12)に案内可能に構成された案内部分(11)
を含み、
入射領域(15)は、当該入射領域(15)の長手軸(c)に対し横方向に突出する少なくとも1つのロック要素(131、132)を含む第1固定装置(13)を有し、入射領域(15)は、支持フレーム(22)の第1固定部位(23)に嵌込み可能に構成されかつ第1固定部位(23)において第1固定装置によってロック可能に構成されており、
ヘッド部分(12)は、当該ヘッド部分(12)を支持フレーム(22)の第2固定部位(24)に固定するための第2固定装置(14)を有し、
導光装置(10)は、入射領域(15、15’)は第1固定部位(23、26、27)に嵌め込まれているがヘッド部分(12)は第2固定部位(24)にまだ固定されていない状態では、第1固定部位(23、26、27)において、長手軸(c)の周りで又はその横方向に運動可能、即ち旋回可能ないしシフト可能である、
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置(20)において、
少なくとも1つのロック要素(131、132)は、入射領域(15)と一体的に構成されている、
照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置(20)において、
ロック要素(131)は、入射領域(15)における突出するノーズであり、該ノーズは、入射領域(15)の光入射面(17)から離隔する側において、当接面(133)を形成している、
照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の照明装置(20)において、
入射領域(15)は、長手軸(c)に沿ってずらされて配置されている2つのロック要素(131、132)を有する、
照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置(20)において、
前記2つのロック要素(131、132)は、長手軸(c)に関し異なる角度位置に配置されている、
照明装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の照明装置(20)において、
2つのロック要素(131、132)は夫々1つの当接面(133、134)を有し、該2つの当接面は互いに対し逆方向に配向されており、及び、
第1固定部位(23)には、ロック要素の当接面と協働する対向面(232、233)が設けられている、
照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置(20)において、
前記2つの当接面は向い合っている、
照明装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の照明装置(20)において、
対向面(232、233)は、支持フレーム(22)の少なくとも1つの棚状部材(25)の上面及び下面として構成されている、
照明装置。
【請求項9】
請求項1〜3の何れかに記載の照明装置(20)において、
入射領域は、対向配置された複数の当接面を有するロック要素を有し、及び、
第1固定部位には、支持フレームの夫々1つの棚状部材に形成されておりかつロック要素の当接面と協働する2つの対向面が設けられている、
照明装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の照明装置(20)において、
入射領域(15)は、導光装置の実質的に円柱状の端部として構成されており、光の入射は、光入射面としての円柱状端部の前額面(17)を介して実行される、
照明装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の照明装置(20)において、
第2固定装置(14)は、少なくとも1つの係止要素(141)、即ち係止爪又は係止爪受け、を含み、該係止要素は、第2固定部位(24)の対応する対向要素(241)、即ち係止爪受け又は係止爪、と係止が行われるように協働する、
照明装置。
【請求項12】
請求項11に記載の照明装置(20)において、
第2固定装置(14)は、更に、支持フレーム(22)におけるヘッド部分(12)のセンタリングのために第2固定部位(24)の対応するノッチ及び/又突起と協働する少なくとも1つのセンタリング装置(142)を含む、
照明装置。
【請求項13】
請求項1〜12の何れかに記載の照明装置(20)において、
固定部位(13)は、非透光性であり、かつ、その中に嵌め込まれた導光装置(10)の入射領域(15)と共に、照明装置の内部への散乱光を遮断する結合を形成する、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物のための、とりわけ自動車両のための照明装置に関し、とりわけ、少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源に割り当てられた少なくとも1つの導光装置を含み、少なくとも1つの導光装置は、少なくとも1つの光源から放射されかつ当該導光装置に入射される光を案内するよう構成された照明装置に関し、とりわけ更に、導光装置は、照明装置の支持フレームに組付け可能に構成され、かつ、
・入射された光の少なくとも一部を出射するための1つの又は(好ましくは)複数の出射要素を有するヘッド部分(とりわけいわゆる照明リング(Leuchtring))と、
・入射方向に沿った光源からの光の入射に適合された入射領域を含みかつそのように入射された光をヘッド部分に案内可能に構成された案内部分
を含む照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明装置は、例えば、自動車両のヘッドライトのようなヘッドライトである。この種の照明装置は、例えば、DE10040302B4から既知である。この文献は、光源からの光が導光体を介して案内され、導光体は照明リングに類似する末端部分を有し、該末端部分から照明目的で光放射されること;導光体はスリーブによってホルダに保持されることを記載している。しかしながら、スリーブのような特別の構造部材の使用は不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE10040302B4
【0004】
導光体の固定は、従来の装置では、追加の構造部材を使用して螺合又は締付固定によって行われる。このため、導光体の固定及び所望の位置でのセンタリングは、相当に大がかりなものとなる。この場合、更に、導光体を外部に対して覆い隠す導光体の不可欠の遮蔽を達成するために、追加のカバー部材が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、本発明の課題は、とりわけ自動車両ヘッドライトのような照明装置における導光装置の簡単な固定を提供することであり、とりわけ、光の入射部位に関しても放射のための出射要素に関しても導光体の位置の固定を、簡単な手段で、それにも拘らず高い信頼性を以って可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭に掲げたタイプの導光装置ないし照明装置によって以下の如く解決される。この装置において、本発明に応じ、入射領域は、当該入射領域の長手軸に対し横方向に突出する少なくとも1つのロック要素を含む第1固定装置を有する。ヘッド部分は、当該ヘッド部分を支持フレームの第2固定部位に固定するための第2固定装置を有する。入射領域は、かくして、支持フレームの第1固定部位に(例えば第1固定部位に設けられている相応の開口部に)嵌込み可能に構成されかつ第1固定部位において第1固定装置によってロック可能に構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この方策により、支持フレーム従って光源に対する正確な位置決めを保証する(例えばヘッドライトにおける)照明装置の支持フレームにおける導光装置のための信頼性の高いロック及びセンタリングシステムが得られる。同時に、支持フレームにおいて入射領域を第1固定部位に嵌め込むことにより、外部に対する光供給(漏光:Lichteinspeisung)は遮断される。更に、導光体構造部材のより簡単かつより迅速な組付けが達成され、ネジ及び/又は止め具のような追加の固定用部材を不要とすることができる。従って、有利なことに、追加の部材を使用することなく、第1固定部位における入射領域の固定を行うことができる。
【0008】
更に、簡単化され、それにも拘らず高信頼性でかつ確実な組付けが、一発展形態によって得られる。この形態によれば、導光装置は、入射領域が第1固定部位に嵌め込まれているが、ヘッド部分は第2固定部位にまだ固定されていない状態で、第1固定部位において、長手軸の周りで又は長手軸に対し横方向に運動可能である、即ち、長手軸の周りで旋回可能ないし長手軸に対し横方向にシフト可能である。
【0009】
構造部材の数の削減及びその結果としての組付け(組立て)の簡単化は、(1つ又は複数の)ロック要素が入射領域と一体的に構成されることによっても達成することができる。
【0010】
有利な一実施形態において、ロック要素は、入射領域における突出するノーズによって実現されるように構成可能である。ここで、このノーズは、入射領域の光入射面から離隔する側(反対側)において、当接面(Anschlagsflaeche)を形成する。この当接面は、嵌込み状態において固定部位から外部への運動を1つの方向において阻止するために、とりわけ固定部位の対応する面と協働(係合)することができる。
【0011】
有利な一実施形態において、入射領域は、好ましくは長手軸に沿ってずらされた位置に配された(離隔配置されている)2つのロック要素を有することができる。2つのロック要素は、好ましくは(互いに)異なる角度位置に配置可能である。2つのロック要素は、好ましくは互いに向い合っている(向い合うよう配向された)当接面を有することができる。これらの当接面は、好ましい一実施形態においては共通のハウジングリブ(Gehaeuserippe)(棚状(帯状)部材:Leiste)の上面及び下面として構成されているハウジングの対向面(複数)に対応する(協働する);一変形形態においては、複数の対向面は夫々異なる棚状部材に設けられることも可能である。複数のロック要素を異なる角度位置に配置することは、第1ロック要素の嵌込みに応じて、第2ロック要素がハウジング棚状部材の上側対向面に当接(係合)し、かくしてロック運動の回転面が機械的に確定されるという利点を有する。
【0012】
代替的に、当接面(複数)は、互いに対し背く方向に配向されることも可能である。この実施形態では、これらの当接面は、異なる又は同じロック要素に設けられることも可能である。この場合、関連する対向面(複数)は、好ましくは異なるハウジングリブ(ないし棚状部材)に設けられる。これら2つの実施形態は、固定部位から外への(抜け出す)運動を、嵌込み方向においても、その反対方向においても阻止する。
【0013】
導光装置の有利な組付け(組立て)は、とりわけ、以下の形態、即ち、入射領域が導光体(Lichtleiter)の実質的に円柱(円筒)状の端部として構成され、光の入射が光入射面としての円筒状端部の前額面(前端面)を介して実行される形態によっても達成される。
【0014】
これは、嵌込み及び嵌込み方向の周りでの旋回(回転)による丸い導光体の組付けを可能にし、導光体とハウジングの形状結合的結合(ありつぎ結合等の形状面間の嵌め合いによる結合)を可能にする。ハウジングは光学的に非透過性の材料で製造されているので、とりわけ固定部位が非透光性であるため、リフレクタやミラー化絞り(ミラーパネル)のようなヘッドライトの要素は入射領域により散乱光に対して遮蔽される。これは、とりわけ、光源からの出射角度がより大きいために導光体の全反射角の外部において入射面に入射するが導光体内には伝搬しない光に関する。
【0015】
同様に好都合な一実施形態では、第2固定装置は、少なくとも1つの係止要素、即ち係止爪又は係止爪受け(Rastanschlag)、を含み、該係止要素は、第2固定部位の対応する対向要素、即ち係止爪受け又は係止爪、と係止が行われるように協働(係合)することができる。
【0016】
以下に、本発明並びに更なる利点及び更なる形態を、添付の図面に示されている非限定的な実施例を用いて詳細に説明する。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例の導光体(導光装置)の斜視図。
【
図4】ヘッドライトの支持フレームに導光体が組付けられた状態にある場合の入射領域。
【
図5】支持フレームにおける(組付けられた)導光体の固定部位の底面図。
【
図6】支持フレームにおける(組付けられた)導光体の固定部位の側面図。
【
図7】組付けられた状態にある
図1の導光体、但し、この導光体は第2の導光体と一緒に支持フレームに嵌め込まれている。
【
図8】対応する固定部位に組付けられた状態にある照明リングの固定装置の詳細図。
【
図9】関連する固定部位に導光体の入射領域を嵌め込んだ状態を示す図。
【
図10】
図9の状態に続いて導光体をその組付け位置に運動させる様子を示す図。
【
図11】組付け位置における2つの導光体の入射領域の配置を示す図。
【
図12】導光体がスロットガイド(Kulissenfuehrung)としてのスリット状切欠へのスライド挿入によって嵌込可能な他の一実施例の固定部位の斜視図。
【
図13】屈曲したスロットガイドを有する一変形例。
【
図14】
図12又は
図13の固定部位に嵌込可能な導光体の案内部(Zuleitung)の入射領域。
【実施例】
【0018】
以下に説明する本発明の実施例は、(例えばPKW(乗用車)のような)自動車両のためのヘッドライトにおける2つの導光体のロック可能な構成を示す。但し、本発明はそのような実施例に限定されず、寧ろ、該実施例に対し、当業者が容易に想到可能でありかつ特許請求の範囲の保護範囲に包含される任意の変形、修正、付加を施すことが可能であることに留意すべきである。
【0019】
図1は、実施例の導光装置10の斜視図である。導光装置10は、以下においては、単に、導光体と称する。導光体10は、これは既知の技術に応じて適切な導光材料から構成されかつ本質的に堅固(starr)であるが、案内部分11とヘッド部分12に分けられている。案内部分11は、これは「案内部」とも略称されるが、有利には長尺に(細長く)形成され、好ましくはその横断面は長手方向において実質的に一定である(変化しない);即ち、案内部は、概ね直線的な部分と湾曲した部分を有し得るロッド状形態を有し、図示の実施例では、短い直線的部分の形での入射領域15と、これに引き続く2つの湾曲した屈曲部分と、これらの間に配された直線的部分から構成されている。例えば、案内部の横断面は−以下に説明するノーズのような付加的構造部材を除くと−丸みが付けられており、有利には円形をなす。ヘッド部分12は、例えば、組付け状態(
図7)において窓状のヘッドライト開口部の縁の周りに延在しかつその(延在の)推移に沿って1つ又は好ましくは複数の出射要素18を有する照明リング(Leuchtring)である。なお、導光体に入射した光は出射要素18を介して前方に出射することができる(
図1にその放射方向dを矢印で示した)。出射要素18に関する照明リング12の形状は、本発明の対象ではなく、従って、本書において詳細には説明しないので、従来技術を参照されたい。本発明に応じ、案内部11もヘッド部分(照明リング)12も夫々固定装置13、14を有し、これらによって、導光体10はヘッドライト20(
図7)に固定(結合)され、そこで所望の組付け位置においてロックされることができる。
【0020】
図7から分かるように、図示の実施例の導光装置10は、異なる又は同じ機能を有し得る2つの開口部21、21’(例えば一方の開口部21はロービーム用、他方の開口部21’はハイビーム用)を有するダブルヘッドライト20の構造要素である。光窓の各々に対し、夫々特別に構成された照明リング12、12’を有する特有の導光装置10、10’が設けられる。そのため、第2導光装置10’は、有利には、第1導光装置10に対応するが、第2開口部21’に適合された形状を有する。導光体10、10’及びヘッドライトの更なる不図示の構造要素は、ヘッドライトのハウジングないし支持フレーム22に組込まれている。支持フレーム22は、ヘッドライトの内部部材を外部から見えないようにするというその役割の観点から、「ブラインド(遮蔽部材:Blende)」とも称される。
図7は、前方から見た支持フレーム22の斜視図であり、従って、光放射は実質的に観察者に向って実行される。有利には、2つの導光体10、10’は、ヘッドライトの支持フレーム22内に、本発明に従って同じ作業工程で嵌め込まれる。
図7及びこれに関連する各図には、見易さの観点から、ヘッドライトのうち(2つの導光体及びこれらに付随する構造要素の他には)支持フレーム22しか図示されていないが、導光体の案内部11、11’のカバーも、開示の目的のため、これらの案内部を視認可能にするために、除去されている(図示されていない)。更に、
図7には、導光体10、10’に割り当てられた光源16も模式的にしか図示されていない。これらの光源は、例えばLED光源とすることができる。
【0021】
図2及び
図3を参照すると、案内部11は、ヘッド部分12から遠い側のその端部に、光源16(
図7)からの光を入射方向eに沿って入射のために設けられた入射面17を介して入射するための既に説明した入射領域15を有する。例えば、入射領域は、案内部11の末端部分として構成され、円形の横断面と長手軸cを有する円柱体を有し、入射面17はこの円柱体の前額面(前端面)によって構成される。一般的には、入射方向eは、長手軸cに対し平行である。
【0022】
入射領域15は、本発明に応じ、更に、入射領域15を支持フレーム22の対応する固定部位23(
図7)に固定可能にする第1固定装置13を構成する(実現する)1つ又は複数の要素を含む。図示の例では、固定装置13は、2つの突起ないしノーズ131、132から構成されている。尤も、これらは他の実施形態では異なる形態で構成されること、例えばただ1つの突起によって構成されることも勿論可能である。ノーズ131、132は、互いに対しずらされた位置に配置されており、有利には、入射領域15の長手軸cに沿って異なる高さに及び/又は長手軸cの周りで異なる角度位置に配置される。
【0023】
例えば図示の例ではノーズとして構成されているロック要素(複数)は、導光体の長手軸(図示の例では長手軸c)に対し横方向に突出する部材であり、その境界面(複数)のうち少なくとも1つは、以下に説明するように−有利には平らな面部分(Flaechenstueck)として構成された−コンタクト面133、134として使用される。導光体及びその組込み要素は射出成形で製造可能である。組付けをより容易にするためには、バリや尖ったエッジは避ける必要がある。このため、境界面(複数)は、面取り斜面(Ansatzschraegen)135、136を介して入射領域の円柱体に移行する。
【0024】
図4は、固定部位23が位置する支持フレーム22の領域についての、
図5の矢視4−4断面図である。嵌め込まれている導光体(複数)の2つの入射領域の間に切断面が延在しているため、2つの導光体(より正確にはその案内部11)の一方のみが視認可能である。導光体は組付け状態で図示されている(終位置)。下側ノーズ131は、固定部位23の当接面233に係合している。より正確にいえば、ノーズ131は、光入射面17から離隔する側に、当接面233に接触する上面133(
図2及び
図3参照)を有する。かくして、ノーズ131は、固定部位23から抜け出す(離脱する)(即ち
図4の紙面上側への)入射領域の不所望の運動を妨げる。この不所望の運動は、導光体への光の入射の不良化或いは完全な無効化(阻止)を引き起こし得るものである。他方、上側ノーズ132は、光源に向う光入射面17の過大な移動/押付け(Andruecken)を阻止するために、反対方向への係止を可能にする下面134を有する。このため、下面134は、例えば入射領域が挿し込まれるフレーム棚状部材(Rahmenleiste)25の上側によって形成される固定部位23の対向面232に当接する。
【0025】
図5は、固定部位23の底面図であり、嵌め込まれている2つの導光体の端部、従って光入射面17が視認可能になっている。
図6は、固定部位23の側面についての、
図5の矢視6−6断面図である。第1導光体10の第1固定装置13の例では、下側ノーズ131と、該ノーズ131の終位置に対し所定の角度αだけ回転された位置に形成された切欠231を見出すことができる。切欠231は、入射領域15の嵌込みを可能にするために利用され、入射領域15は、導光体の嵌込みの間に、長手軸cの周りで角度αだけ回転される。
図6には、当接面233の形態も見出すことができる。当接面233は、回転運動の最終段階における当接面233へのノーズ131の嵌め合せ(乗り上げ)を容易化するために、面取り斜面(ないし乗り上げ斜面:Auflaufschraegung)234を有する。
【0026】
再び
図1及び
図7を参照すると、導光体10のヘッド部分12には、関連する開口部21の縁に設けられた支持フレームの固定部位24と協働(係合)する第2固定装置14が設けられている。これによって達成される固定は、有利には、開口部21の周縁部の正確な位置への照明リング12の取付けに役立つ。
【0027】
図8は、関連する固定部位24において嵌め込まれた状態にある、斜め上方から見た第2固定装置14を示す。第2固定装置14は、ロック要素(ないし係止要素)141、この例では例えばフレームの形での係止爪受け(Rastanschlag)を含む。ロック要素141は、この例では固定部位24の例えば上方に配向された面に形成された弾性爪241として形成された対応する対向要素241と協働(係合)する。一変形例において、係止(ロック)作用を奏するこれらの2つの要素は異なるように構成することも勿論可能である。とりわけ、係止爪と係止爪受けを逆にすることも可能である。更に、照明リング12のセンタリングのための装置を好都合な態様で設けることも可能である。例えば、固定部位24には、係止爪241の両側に、2つの楔状ノッチ(陥凹部)242が設けられ、該ノッチには、照明リング12の対応するセンタリングピン142が嵌り込み、開口部21の周りでの支持フレーム22に対する所望の位置での照明リング12のセンタリングが行われる。この場合も、一変形例において、センタリング装置は異なるように構成することも可能である。例えば、センタリングノッチを照明リングに形成し、固定部位のセンタリングピンと協働するよう構成することも可能である。
【0028】
第2導光体10’は、支持フレーム22の(第2)固定部位24’に専用の固定装置14’によって相応の態様で固定することができる。
【0029】
図9〜
図11は、本発明に応じた導光装置10の組付けプロセスを示す。
【0030】
図9に示されているように、導光体10は、その終位置に対し角度αだけ回転された位置(「嵌込位置」)において、好ましくは光入射方向eと一致する長手軸cに沿って運動し、固定部位24に嵌め込まれる。その際、入射領域15を形成する導光体の端部は、固定部位24の開口部に挿入され、かくして、ノーズ131は、第2ノーズ132がストッパーとして対向面232に当接するまで、固定部位24の切欠231を貫通して案内されることができる。導光体10は、第1固定部位23におけるこのようにして達成された(即ち入射領域15が第1固定部位23に嵌め込まれている)状態において、入射領域の長手軸cの周りで運動することができる、より正確にいえば旋回することができる。
【0031】
次に、
図10に示されているように、旋回運動によって、ヘッド部分12は開口部21に向って移動し、かくして、第2固定装置14は第2固定部位24に到達し、そこで係止される。このようにして、導光体10は、その終位置において固定される。固定部位24における固定装置14のラッチ結合の形成は、
図8を参照して上述したように、好ましくは係止爪241と係止爪受け141の噛み合いによって行われる。
【0032】
図11は、そのようにして達成された終位置について、入射領域15が嵌め込まれている第1固定部位23の詳細図である。上側ノーズ132のための対向面232を形成する棚状部材は、上側ノーズ132と下側ノーズ131(
図6)の間のクランプ位置(Klemmung)にある。下側ノーズ131は切欠231に対して角度αだけずらされているため、入射領域15の抜け出し(離脱)は不可能である。このようにして、バヨネット結合の原理により、終位置として望まれる位置における導光体全体の確実なロックが形成される。
【0033】
一方では案内部11における光入射の領域での、他方では照明リング12における適切な位置での2つの固定装置の組み合わせにより、本発明は、ヘッドライトの支持フレーム22における導光装置10の組付けの安定性を改善する。入射領域15における固定装置15によって、例えば2つのノーズ131、132による挟み付けによる、確実な位置決めが形成され、更には、振動に対して不感性の結合が得られる。ラッチ結合によって、支持フレーム22に対する照明リング12のより正確な位置決めが形成され、その際、入射領域15における光入射の位置決めの適正性に対する悪影響を受忍する必要はない(適正性は損なわれない)。
【0034】
本発明は、図示の実施例に限定されないことは勿論である。寧ろ、添付の特許請求の範囲の保護範囲を逸脱しない範囲においてなされる多様な変更・付加が可能である。例えば、入射領域は、互いに向いあう当接面を有するロック要素を1つのみ有し、他方、第1固定部位に、支持フレームの夫々1つの棚状部材に形成された2つの対向面が設けられ(従って、これら2つの棚状部材は、ロック要素が嵌合する区画(Fach)を形成する)、これらの対向面がロック要素の当接面(複数)と協働することも可能である。
【0035】
本発明の他の一変形例によれば、導光装置が第1固定部位に嵌め込まれ、そこで、旋回運動する代わりに、長手軸に対して横方向にシフトされる(移動される)。これについては、
図12〜
図14に示した実施例に基づいて説明する。
【0036】
図12は、第1固定部位に、スリット状の切欠261を有する棚状部材25の一バリエーションとして構成された棚状部材26を示す。この直線的な切欠261には、入射領域15’(
図14)を横方向運動によって、即ち長手軸cに対し横方向に、スライドして挿入することができる。
図13は、棚状部材の更なるバリエーション27を示す。この棚状部材27では、切欠271は、異なる方向の部分通路に沿ったスライド挿入を引き起こす曲折したスロット状のガイド(案内通路)として構成されている。切欠261、271は、より正確にいえばそれらの終端領域262、272は、第2固定部位24において結合が形成される方向と同じ方向に延在することが好ましい。
【0037】
図14は、この実施例に応じた導光体の案内部11’の入射領域15’を示す。この場合、固定装置13’は、例えば、2対のノーズ131’、132’を有する。これらのノーズは、切欠の終端領域262、272において、(紙面の)左側及び右側において夫々支持されることができ、これは、とりわけ、互いに向き合うよう配向されておりかつそれらの間に棚状部材が、より正確には切欠261、271付近の棚状部材の縁部分が収容される(挟み込まれる)、コンタクト面133’、134’によって行われる。入射領域15’が、終端領域262、272に嵌め込まれているとき、当該領域から不所望な態様で離脱することを阻止するために、終端領域の入口部分に、後退運動に対するストッパーを形成する弾性要素を設けることができる。代替的に又は追加的に、終端領域は、相応にタイトな形状に基づく挟み付け作用によって、入射領域15’を保持することも可能である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を付記する。
(形態1)少なくとも1つの光源と、該少なくとも1つの光源に割り当てられた少なくとも1つの導光装置を含み、少なくとも1つの導光装置は、少なくとも1つの光源から放射されかつ当該導光装置に入射される光を案内するよう構成された、乗り物の、とりわけ自動車両の照明装置が提供される。この照明装置において、
導光装置は、照明装置の支持フレームに組付け可能に構成され、かつ、
・入射された光の少なくとも一部を出射するための少なくとも1つの出射要素を有するヘッド部分と、
・光源からの光の入射に適合された入射領域を含みかつ入射された光をヘッド部分に案内可能に構成された案内部分
を含み、
入射領域は、当該入射領域の長手軸に対し横方向に突出する少なくとも1つのロック要素を含む第1固定装置を有し、入射領域は、支持フレームの第1固定部位に嵌込み可能に構成されかつ第1固定部位において第1固定装置によってロック可能に構成されており、
ヘッド部分は、当該ヘッド部分を支持フレームの第2固定部位に固定するための第2固定装置を有する。
(形態2)上記の照明装置において、導光装置は、入射領域は第1固定部位に嵌め込まれているがヘッド部分は第2固定部位にまだ固定されていない状態では、第1固定部位において、長手軸の周りで又はその横方向に運動可能、即ち旋回可能ないしシフト可能であることが好ましい。
(形態3)上記の照明装置において、少なくとも1つのロック要素は、入射領域と一体的に構成されていることが好ましい。
(形態4)上記の照明装置において、ロック要素は、入射領域における突出するノーズであり、該ノーズは、入射領域の光入射面から離隔する側において、当接面を形成していることが好ましい。
(形態5)上記の照明装置において、入射領域は、長手軸に沿ってずらされて、好ましくは異なる角度位置に配置されている2つのロック要素を有することが好ましい。
(形態6)上記の照明装置において、2つのロック要素は夫々1つの当接面を有し、該2つの当接面は互いに対し逆方向に配向され、好ましくは向い合っており、及び、第1固定部位には、ロック要素の当接面と協働する対向面が設けられていることが好ましい。
(形態7)上記の照明装置において、対向面は、支持フレームの少なくとも1つの棚状部材の上面及び下面として構成されていることが好ましい。
(形態8)上記の照明装置において、入射領域は、対向配置された複数の当接面を有するロック要素を有し、及び、第1固定部位には、支持フレームの夫々1つの棚状部材に形成されておりかつロック要素の当接面と協働する2つの対向面が設けられていることが好ましい。
(形態9)上記の照明装置において、入射領域は、導光体(導光装置)の実質的に円柱状の端部として構成されており、光の入射は、光入射面としての円柱状端部の前額面を介して実行されることが好ましい。
(形態10)上記の照明装置において、第2固定装置は、少なくとも1つの係止要素、即ち係止爪又は係止爪受け、を含み、該係止要素は、第2固定部位の対応する対向要素、即ち係止爪受け又は係止爪、と係止が行われるように協働することが好ましい。
(形態11)上記の照明装置において、第2固定装置は、更に、支持フレームにおけるヘッド部分のセンタリングのために第2固定部位の対応するノッチ及び/又突起と協働する少なくとも1つのセンタリング装置を含むことが好ましい。
(形態12)上記の照明装置において、固定部位は、非透光性であり、かつ、その中に嵌め込まれた導光装置の入射領域と共に、照明装置の内部への散乱光を遮断する結合を形成することが好ましい。