(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遅効消泡剤組成物を含む消泡剤粉末に関し、とりわけ、担体充填剤に吸収された変性消泡剤アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン液を有する該消泡剤粉末の製造に関する。消泡剤粉末は、洗浄サイクルにおける"消泡剤なしの洗剤"と比較してほとんど同様の発泡性質を維持しつつ、すすぎサイクルにおける非常に優れた消泡効果に適合したランドリー用洗剤配合物中で、とりわけ生地洗濯において用いられることができる。本発明はまた、洗剤配合物中で使用するための該消泡剤粉末又は消泡剤液体中に存在する該変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン系の遅効消泡剤化合物の合成法に関する。
【0002】
したがって、本発明は、とりわけ、莫大な量の排水を節減するだけでなく、所望の使用及び用途のための大量の貴重な清浄水を保存するのに役立てることに関する。それゆえ、好ましくは、本発明は換言すれば、汚染を低減し、かつ将来の大規模気候災害又は生態学的不均衡から世界を救うことを目標にした、グリーンウォーターバランスの分野にある。
【0003】
さらにとりわけ、粉末形態又は液形態の変性アミノシリコーン又はオルガノポリシロキサンは、パーソナルケア、とりわけヘアケア、ホームケア、テキスタイルケア及び同種のものの非常に多岐にわたった用途のために容易に用いられることができる。
【0004】
手洗い洗濯工程においては、水が、バケツ、又は生地を浸す容器若しくは洗濯機内の洗濯槽に汲まれる。その後、所望の量の洗剤が添加され、手で揺すって泡立てられるか、又はマシン内の洗濯槽をしばらく稼働させて泡立てられる。この次に、10〜30分間浸すために、汚れた生地が漬け置きされる。浸漬時間後、生地は、手でこすって汚れが落とされるか、又は、機械洗いの場合は、洗浄サイクルが10〜20分間行われる。
【0005】
すすぎのために、汚れた水が排出させられ、かつ生地を絞ることによって余分な水が生地から除去される。したがって、係るそれぞれのすすぎサイクルは、生地の絞りと、新しい水による生地の洗浄とから成る。係るすすぎサイクルが、手洗い洗濯については4〜5回繰り返され、又は、機械の場合は、4〜5回のすすぎサイクルに続けて、最後の脱水前に全ての泡が除去される。
【0006】
伝統的な考え方という理由で重要なことは、洗浄サイクル手段において泡が少しも立たないことが良好な洗剤を意味しないことである。そのため、全ての洗剤製造業者には、洗浄の間に発泡し、かつ、すすぎの間には少しも発泡しない、係る種類の洗剤のコストと水の節減という共通の要求事項が存在している。
【0007】
過去、単一すすぎ構想と称される二次的な方法によってこの問題の解決が試みられており、該方法に際しては、すすぎサイクルの間、柔軟仕上げ剤を含有する脱泡剤が用いられ、ここで、柔軟仕上げ剤は、すすぎサイクル時に生地を整え、さらに、残っている全ての泡を消す。この構想は、手洗い洗濯工程の場合にはあまり功を奏しておらず、なぜなら、この類の柔軟仕上げ剤は贅沢であるとみなされ、また手洗い階層の人々は、生地のクリーニングに掛けられる金銭面での制約のために手洗いを用いるからである。
【0008】
手洗い洗濯又は機械洗濯において使用される通常の洗剤の水と配合物コストの浪費を考慮すると、生地の洗濯に用いられた場合、洗浄サイクルの間に、洗剤のクリーニング性に影響を及ぼすことなく好ましい量の泡立ちをはっきりと生ずるが、すすぎサイクルにおいては泡止め作用も有し、そうして1回又は2回のすすぎで生地を洗濯するのに十分である洗剤配合物が必要とされている。しかしながら、手洗い洗濯及び/又は機械洗濯において、貴重な水の不要な浪費を回避することと、水の不要な浪費から環境を守ることに配慮することとは別に、洗浄サイクルとすすぎサイクルとの両方に好都合であり、そして、布地/生地の洗濯をより便利に、かつユーザーフレンドリーにする、洗剤配合物中での特性を提供することは極めて困難である。水の浪費を回避する効果的な洗濯のために適合した洗浄配合物に関する係る進歩がコスト対効果を伴っていることも重要であり、なぜなら、市場は非常に価格に敏感であり、かつ新しい洗剤の成果はコストにも強く依存するからである。
【0009】
US4637890は、すすぎサイクルにおいて脱泡剤として作用する洗剤組成物を開示していた。洗剤組成物は、脂肪酸石鹸、第四級アンモニウム塩、及び石鹸水抑制剤のためのシリコーン液を有する石鹸水/発泡制御小球のための組成物を明らかにしていた。該特許においては、小球は、洗浄サイクルにおいて比較的高いpH(pH9〜10.5)で溶解し、かつ小球は、高いpHで活性ではないことが指摘されている。洗剤がすすぎ水にあまり含まれないすすぎサイクル時のより低いpHの構想では、小球が低いpHで活性になって石鹸水を抑制する。しかしながら、実施例はいかなる実際の用途も教示しておらず、さらに、洗剤が、手洗い洗濯又は機械を援用した手洗い洗濯において効果的であったのかどうかは明らかではなかった。明細書からは、シリコーン脱泡剤による発泡を抑制する効果が、脂肪酸石鹸と第四級アンモニウム化合物の助けを借りた小球形成に大いに依存していたと理解される。該明細書によれば、通常のシリコーン液(アルキル化ポリシロキサン)が脱泡剤として使用され、ここで、通常のシリコーン脱泡活性は、洗浄サイクルにおけるアルカリ性のpH時の小球の不溶性により制御されていた。
【0010】
US4894117は、ランドリー系における消泡剤の遅延放出のための凝集される顆粒の組成物を開示していた。それはとりわけ、粉末化された水溶性担体上に吸着されたシリコーン消泡剤を含むランドリー用洗剤組成物に関し、該担体は、担体のための溶剤の存在下で混合することによって、引き続き顆粒形態へと凝集されている変性セルロース担体から選択される。この先行技術は、標準的なシリコーン消泡剤がカプセル化されている一連の顆粒化ランドリー用添加剤を開示していた。これらの種々の顆粒化ランドリー用添加剤は、使用されたセルロースの種類と顆粒のサイズに依存する種々のシリコーン消泡剤放出時間を有する。
【0011】
係る種類のカプセル化されたランドリー用添加剤は、機械洗いにのみ適しており、手洗い洗濯又は機械を援用した手洗い洗濯の場合には全く適していないことは明確に明らかであり、なぜなら、洗濯の時間は、ユーザー毎に、地域毎に、かつ国毎に変わるものと考えられるからである。
【0012】
したがって、カプセル化されたシリコーン消泡剤を有するランドリー用添加剤顆粒を有する洗剤組成物が、あるユーザーに受け容れられ得たとしても、別のユーザーの要求には適さない可能性があり、異なる洗浄時間のために、その場合、より長い洗浄時間のために、ユーザーは洗浄サイクルにおいて泡を少しも見ることができないか、又は、より短い洗浄時間のために、より多くの水がすすぎサイクルにおいて使用され、なぜなら、洗濯用の洗剤中で使用される特定の顆粒は、カプセル化されたシリコーンを放出するのに固定された時間を有しているからである。該明細書によれば、脱泡剤として使用されるポリジメチルシロキサンを充填された慣例のシリカが、カプセル化された脱泡剤顆粒を作る。
【0013】
EP254499B1は、シリコーン脱泡剤組成物の製造方法を開示し、該方法は、オルガノポリシロキサン(1)及び(2)、
(3)シラン又はそれらの部分加水分解縮合物又はシロキサン樹脂、
(4)微細に分割された充填剤、好ましくはシリカ、
(5)反応触媒、好ましくはKOH、
(6)化合物、例えばアルキレングリコール、多価アルコール、カルボン酸及びそれらのエステル、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、非イオン性フッ素化界面活性剤及びOH含有の高分子化合物、例えばヒドロキシエチルセルロース
のブレンドを有する混合物を加熱することを有する。
【0014】
シリコーン脱泡剤組成物は、トリメチルシリル末端化ポリジメチルシロキサン及びシラノール末端化ポリジメチルシロキサンのブレンドと、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーと及びシリカとを反応させることによって得られる。
【0015】
該組成物の脱泡作用は開示されているが、しかし、洗剤組成物中での使用も、それが遅効脱泡剤として、洗浄段階の間の発泡を可能にすることによって、一方で、すすぎ操作の間の発泡を抑制することによって使用できることも記載されていない。
EP685250A1は、担体としてのシリカとアミノ変性シリコーン消泡剤液を含有する消泡剤粉末を開示する。洗剤中で使用された場合、該粉末は、すすぎ時を通じての泡立ちを減らすが、しかし、洗浄操作を通じての泡立ちと清浄作用にも影響を及ぼし、すなわち、該粉末は、洗浄サイクルを通じての泡立ちを減らし、このことは、所望されていない効果である。
【0016】
したがって、上記の技術水準から、全ての先行技術は、シリコーン又はシリコーン脱泡剤のカプセル化に依存し、その際、両方の種類の化学物質が強い消泡作用を有していることが明確に明らかである。すすぎサイクルにおける遅効消泡剤又は石鹸水の抑制の作用は、上で議論した他の多くのパラメーターに依存している。それゆえ、係る種類の利用可能な消泡剤の適用は、系統立った洗濯系、例えば機械洗濯においてのみ可能であるものの、手洗い洗濯又は機械を援用した手洗い洗濯においてはたらくことは不可能であり、なぜなら、洗濯の習慣がユーザーによって幅広く異なるからである。他方で、手洗い洗濯又は機械援助の手洗い洗濯において遅効消泡作用又は石鹸水の抑制を有する製品が、全ての自動機械洗濯において明らかにより良好に機能する。
【0017】
したがって、本発明の基本的な課題は、手洗い用洗濯洗剤又は機械用洗濯洗剤と容易に混ざり合い、洗剤効果に不利な影響を及ぼさず、かつ、すすぎサイクルおいて非常に優れた消泡作用を提供しつつ、洗浄サイクルの間の好ましい発泡性質を有する、担体充填剤と一緒に変性消泡剤アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン液を有する消泡剤粉末組成物を開発することである。
【0018】
本発明の別の課題は、ランドリー用洗剤配合物中で使用されることができ、かつ布地/生地の洗濯のための、手洗い用洗剤又は機械用洗剤の適用において必要とされる莫大な量の新しい水を節減し、かつ貴重な水の浪費を低減する、消泡剤シリコーン液を提供することに関する。
【0019】
本発明の別の課題は、効果的な洗浄及びすすぎ段階を通じた水の浪費を回避することに関する洗剤配合物中に粉末消泡剤を最小量供与して導入することにより洗剤組成物中で使用されることができる担体充填剤と一緒に変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン液を有する消泡剤粉末組成物の選択的な提供に関する。
【0020】
本発明の別の課題は、オルガノポリシロキサン化合物のコストを最適化するために簡単な方法で変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン系の遅効消泡剤配合物を合成することに関し、これは、最終的な洗剤の配合物コストについて最小限の影響しか及ぼさない。
【0021】
本発明の更なる別の課題は、洗浄サイクルにおいて好ましい発泡を生じつつ、すすぎの間には非常に優れた消泡効果を有する、洗剤組成物中で使用されることができる消泡剤粉末に関する。
【0022】
本発明のさらにまた別の課題は、パーソナルケア、とりわけヘアケア、ホームケア、テキスタイルケア及び同種のものの非常に多岐にわたった用途で使用するための液形態又は粉末形態における変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサンに関する。
【0023】
本発明のさらにまた別の課題は、該洗浄配合物のコスト対効果を上げることに適合した低効率量の該粉末消泡剤組成物を有する洗剤配合物中で使用されることができる消泡剤粉末に関する。本発明の基本的な観点によれば、
(1)式
XR
2Si(OSiAR)
n(OSiR
2)
mOSiR
2X (I)
[式中、
Aは、式−R
1−[NR
2−R
3−]
xNR
22のアミノ基
又は下記式−(CH
2)
3NHC
6H
11、−(CH
2)
3NH(CH
2)
2NHC
6H
11、−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NHC
6H
11、−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NH(CH
2)NHC
6H
11、−(CH
2)NHC
6H
11及び−(CH
2)NH(CH
2)
2NHC
6H
11の群から選択されたアミノ
基
該アミノ基Aのアミノのプロトン化形
及び/又はアミノのアシル化形であり、
Xは、R又は式−R
4−(O−R
5)
y−O−R
6のポリオキシアルキレン基Gであり、
Rは、炭素原子1〜18個を有する一価炭化水素基であり、
R
1は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2CH
2−の基であり、
R
2は、水素原子又はC
1〜C
4−アルキル基、好ましくは水素原子であり、
R
3は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2−の基であり、
R
4は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2CH
2−の基であり、
R
5は、C
1〜C
4−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2(CH
3)−の基又はそれらの混合物であり、
R
6は、水素原子又はC
1〜C
4−アルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくは水素原子であり、
nは、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数であり、
mは、1〜200の整数、好ましくは1〜80の整数であり、
xは、0又は1であり、かつ
yは、5〜20の整数、好ましくは5〜12の整数であり、
ただし、基Xの平均30〜60モル%、好ましくは50モル%が、ポリオキシアルキレン基Gである]の変性アミノシリコーン消泡剤液10〜35質量%;及び
(2)炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及びゼオライトから成る群から選択された担体充填剤65〜90質量%を有する消泡剤粉末が提供される。
【0024】
本発明の別の観点によれば、
(i)担体充填剤を100℃〜150℃の温度で攪拌及び乾燥する工程、
(ii)乾燥した担体充填剤を、式(I)の変性アミノシリコーン消泡剤液と100℃〜150℃の温度で混合する工程及び
(iii)冷却し、かつ消泡剤粉末をそこから取得する工程
を有する、該消泡剤粉末を製造するための方法が提供される。
【0025】
本発明の更なる別の観点によれば、
式
XR
2Si(OSiAR)
n(OSiR
2)
mOSiR
2X (I)
[式中、
Aは、式−R
1−[NR
2−R
3−]
xNR
22のアミノ基
又は下記式−(CH
2)
3NHC
6H
11、−(CH
2)
3NH(CH
2)
2NHC
6H
11、−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NHC
6H
11、−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NH(CH
2)NHC
6H
11、−(CH
2)NHC
6H
11及び−(CH
2)NH(CH
2)
2NHC
6H
11の群から選択されたアミノ
基
該アミノ基Aのアミノのプロトン化形
及び/又はアミノのアシル化形であり、
Xは、R又は式−R
4−(O−R
5)
y−O−R
6のポリオキシアルキレン基Gであり、
Rは、炭素原子1〜18個を有する一価炭化水素基であり、
R
1は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2CH
2−の基であり、
R
2は、水素原子又はC
1〜C
4−アルキル基、好ましくは水素原子であり、
R
3は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2−の基であり、
R
4は、C
1〜C
10−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2CH
2−の基であり、
R
5は、C
1〜C
4−アルキレン基、好ましくは式−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2(CH
3)−の基又はそれらの混合物であり、
R
6は、水素原子又はC
1〜C
4−アルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくは水素原子であり、
nは、1〜6の整数、好ましくは1〜3の整数であり、
mは、1〜200の整数、好ましくは1〜80の整数であり、
xは、0又は1であり、かつ
yは、5〜20の整数、好ましくは5〜12の整数であり、
ただし、基Xの平均30〜60モル%、好ましくは50モル%が、ポリオキシアルキレン基Gである]を有する液/粉末系の洗剤配合物中での使用に適合した消泡剤シリコーン液が提供される。
【0026】
炭化水素Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及びt−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル、ドデシル基、例えばn−ドデシル基、及びオクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;アルケニル基、例えばビニル基及びアリル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−及びp−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基;及びアラルキル基、例えばベンジル基及びα−及びβ−フェニルエチル基である。最も好ましいのはメチル基である。
【0027】
本発明の好ましい観点によれば、変性シリコーン消泡剤液の式(I)中のアミノ基(A)は、好ましくは、−(CH
2)
3NH
2;−(CH
2)
3NH(CH
2)
2NH
2;−(CH
2)
3NHC
6H
11;−(CH
2)
3NH(CH
2)
2NHC
6H
11;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NH
2;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NH(CH
2)NH
2;−(CH
2)NH
2;−(CH
2)NH(CH
2)
2NH
2;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NHC
6H
11;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)NH(CH
2)NHC
6H
11;−(CH
2)NHC
6H
11;−(CH
2)NH(CH
2)
2NHC
6H
11;上記アミノ基のそのアミノのプロトン化形及び/又はアミノのアシル化形から選択されており、かつ最も好ましくは、−(CH
2)
3NH
2及び−(CH
2)
3NH(CH
2)
2NH
2から選択されている。
【0028】
本発明の別の好ましい観点によれば、式(I)の該変性シリコーン消泡剤液のアミン価は、すすぎ段階における該液の消泡性質を最適化するために、式(I)のシリコーン液のポリマー1g当たり0.6mgのKOH〜ポリマー1g当たり2.0mgのKOHのアミン価を有し、かつ最も好ましくは1.0〜1.5のアミン価を有する。
【0029】
本発明の更なる別の好ましい観点によれば、変性シリコーン消泡剤液の式(I)中のポリオキシアルキレン基Gは、好ましくは、−(CH
2)
3−(OC
2H
4)
y−O−R
6;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)−(OC
2H
4)
y−O−R
6;−(CH
2)
3−(OC
3H
6)
y−O−R
6;−(CH(CH
3)CH
2CH
2)−(OC
3H
6)
y−O−R
6;−CH
2−(OC
2H
4)
y−O−R
6;−CH
2−(OC
2H
4)
y−O−R
6;−CH
2−(OC
3H
6)
y−O−R
6及び−CH
2−(OC
3H
6)y−O−R
6から選択されており、かつポリオキシアルキレン基Gは、最も好ましくは、−(CH
2)
3−(OC
2H
4)
y−O−R
6であり、その際、R
6及びyは、上記の意味を有する。
【0030】
消泡剤粉末は、
(A)式(I)の変性アミノシリコーン消泡剤液10〜35質量%及び(2)炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及びゼオライトから成る群から選択された担体充填剤65〜90質量%を有するランドリー用洗剤組成物の全量に対して0.3〜2.5質量%の量における消泡剤粉末及び
(B)機械洗濯又は手洗い洗濯のための通常のランドリー用洗剤配合物
を有する粉末形態での機械洗濯又は手洗い洗濯のためのランドリー用洗剤組成物中で使用されることができる。
【0031】
本発明のさらにまた別の観点においては、
(I)第一の工程で、
(a)式HR
2SiO−(R
2SiO)
p−SiR
2Hのα,ω−二水素ジオルガノポリシロキサン、最も好ましくはH(CH
3)
2SiO−((CH
3)
2SiO)
p−Si(CH
3)
2Hを
(b)式R
4'−(O−R
5)
y−O−R
6のポリオキシアルキレン化合物、最も好ましくはCH
2=CH−CH
2−(OC
2H
4)
y−O−Hと、
(c)ヒドロシリル化触媒、好ましくは白金触媒
の存在下で反応させ、
(d)任意に、反応は、水分を含まない窒素雰囲気下で、好ましくは60〜120℃で、好ましくは発熱反応に基づく温度を制御するのに適した冷却系を用いて実施し、より好ましくは、反応は80〜100℃で実施し、
(II)第二の工程で、
(e)工程(I)から得られた式XR
2SiO−(R
2SiO)
p−SiR
2Xの生じるヒドロシリル化生成物、最も好ましくはH−O−(C
2H
4O)
y−(CH
2)
3−Si(CH
3)
2O−((CH
3)
2SiO)
p−(CH
3)
2Si−(CH
2)
3−(OC
2H
4)
y−O−H
及び
(f)式HOR
2SiO−(R
2SiO)
s−SiR
2OHのジオルガノポリシロキサン、最も好ましくはHO−(CH
3)
2SiO−((CH
3)
2SiO)
s−(CH
3)
2Si−OHを
(g)式ASiR(OR
7)
2のアミノアルキルシラン、最も好ましくは(CH
3O)
2Si(CH
3)−(CH
2)
3−NH(C
2H
4)NH
2と
(h)塩基性触媒、好ましくはカリウムメトキシド又はカリウムエトキシドの存在下
及び
(i)式R
3SiO−(R
2SiO)
z−SiR
3の鎖末端化オルガノポリシロキサン、最も好ましくは(CH
3)
3SiO−((CH
3)
2SiO)
z−Si(CH
3)
3の存在下で、
80℃〜150℃の温度で反応させ、
次いで、反応(II)の後、
(III)塩基性触媒(h)を、中和剤(j)、好ましくはリン酸トリオルガノシリル、より好ましくはリン酸トリメチルシリルの添加によって中和すること
[式中、A、X、R、R
5、R
6、及びyは、上記の意味を有し、かつ
R
4'は、末端炭素−炭素二重結合を有するC
1〜C
10−アルケニル基であり、
R
7は、C
1〜C
4−アルキル基であり、
pは、10〜25の整数であり、
sは、20〜60の整数であり、
zは、0〜10の整数である]
を有する消泡剤シリコーン液を製造するための方法が提供される。
【0032】
好ましくは、工程(III)に続けて、
(IV)130〜200℃の温度により真空下で揮発物を除去するためのストリッピングを行い、かつ該消泡剤シリコーン液をそこから取得する工程が行われる。
【0033】
好ましくは、工程(I)では、
式HR
2SiO−(R
2SiO)
p−SiR
2Hのα,ω−二水素ジオルガノポリシロキサン(a)40〜70モル%、より好ましくは50〜70モル%が使用され、かつ
式R
4'−(O−R
5)
y−O−R
6のポリオキシアルキレン化合物(b)30〜60モル%、より好ましくは30〜50モル%が使用され、その際、R、R
4'、R
5、R
6、p及びyは、上記の意味を有し、かつ、その際、(a)及び(b)の合計は100モル%である。
【0034】
好ましくは、工程(II)では、
工程(I)から取得された式XR
2SiO−(R
2SiO)
p−SiR
2Xの生じるヒドロシリル化生成物2〜15質量部、
式HOR
2SiO−(R
2SiO)
s−SiR
2OHのジオルガノポリシロキサン60〜90質量部、
式ASiR(OR
7)
2のアミノアルキルシラン(g)の8〜20質量部、
塩基性触媒(h)0.01〜2.0質量部及び式R
3SiO−(R
2SiO)
z−SiR
3の鎖末端化オルガノポリシロキサン(j)0.1〜5質量部が使用され、その際、R、R
7、A、X、p、s及びzは、上記の意味を有する。
【0035】
式(I)中のアミノ基Aは、酸を変性アミノシリコーン消泡剤液に添加することによって、部分的に又は完全にプロトン化されていてよく、その際、アミノ基の塩の形態が得られる。
【0036】
酸の例は、直鎖状又は分枝鎖状であってよい炭素原子3〜18個を有するカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸である。
【0037】
酸は、好ましくは、式(I)のシリコーン消泡剤液中のアミノ基A1モル当たり0.1〜2.0モルの量で使用される。
【0038】
式−R
1−[NR
2−R
3−]
xNH
+R
22 Z
-又は−R
1−[NH
+R
2−R
3−]
xNH
+R
22 (x+1) Z
-
[式中、Z
-は、N
+に対するアニオン、好ましくは相応する酸のアニオン、例えばカルボン酸アニオン、例えば酢酸アニオン、
かつR
1、R
2、R
3及びxは、上記の意味を有する]のプロトン化されたアミノ基A'が得られることができる。
【0039】
上で検討したように、本発明は、遅効消泡剤組成物を含む消泡剤粉末に関し、とりわけ、担体充填剤に吸収された変性消泡剤アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン液を有する該消泡剤粉末の製造に関し、これは、洗浄サイクルにおいて"消泡剤なしの洗剤"と比較してほぼ同じ発泡性質を維持しつつ、すすぎサイクルにおける非常に優れた消泡効果に適合した、とりわけ生地洗濯におけるランドリー用洗剤配合物中で使用されることができる。
【0040】
有利には、遅効脱泡剤組成物を含む該洗剤組成物は、洗浄サイクルにおいて好ましい発泡効果を有しつつ、すすぎサイクルにおいては非常に優れた消泡効果を有することが見出された。
【0041】
本発明はまた、洗剤配合物中で使用するための該消泡剤粉末中に存在する該変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン系の遅効消泡剤化合物の合成法に関し、その際、該シリコーン化合物が、洗浄サイクルにおける該洗剤配合物の好ましい現場での発泡特性を生むが、一方で、すすぎサイクルにおいては消泡剤として作用する。
【0042】
本発明によれば、変性シリコーン液/オルガノポリシロキサンを有する粉末シリコーン消泡剤の性能は、洗浄サイクルにおいて好ましい発泡量を維持しつつ、すすぎサイクルにおいては消泡剤としてその役目を司る独特のメカニズムによって確認される。
【0043】
効果的な洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、とりわけアルキルベンゼンスルホネート及びアルキルスルフェート界面活性剤を有する。生地の外見およびクリーニングのために、ランドリー用洗剤が、とりわけ多数のクリーニングサイクル後の係る生地の外見及びクリーニングを改善するのに十分な量のセルロース酵素を含有することが有益であることも判明している。しかし、このアニオン性界面活性剤は、クリーニングのために重要であり、たとえ少量でも、洗浄において実質的な泡を生む安価な源である。ランドリー用洗剤配合物の洗剤効果を改善するために、錯体リン酸塩、非イオン性界面活性剤、ソープヌードル、様々の無機塩及び他の添加剤、洗浄効果を最適化するために使用されるもの等の様々の他の化学物質が使用される。
【0044】
洗剤粉末中での主たる発泡成分はアニオン性界面活性剤である。本発明によれば、粉末シリコーン消泡剤を含有するランドリー用洗剤が水に溶解すると、アニオン性界面活性剤のために莫大な量の泡が生まれ、かつ溶液中での多量の泡の存在のために変性シリコーン液のアミノ基とアニオン性界面活性剤との間で一切の相互作用は起こらない。洗濯生地は洗浄サイクルにおいて該溶液に接するとすぐに、変性アミノシリコーン液が繊維内部に、生地に対するその高い親和性のために、一方で、機械洗濯における洗浄サイクルの間に生じる多量の泡又は該生地内に浸透されるアミノシリコーン液で浸した後に手洗い洗浄において生地をこする間に生じる多量の泡のために浸透し、アニオン性界面活性剤は、変性シリコーンのアミノ基に向かって相互作用し、塩を形成することはできない。
【0045】
それゆえ、プレ洗浄を通じた又はポスト洗浄における洗剤の発泡性質は変化しない。すすぎサイクルにおいて、生地からの残りの洗剤は、生地を絞った後に新しい水に移される。それゆえ、すすぎ液の泡の密度が、溶液中に存在する洗剤の量がより少ないために著しく低下し、それゆえに、アニオン性界面活性剤は、液中の泡がより少ないために、生地に浸透及び付着した変性アミノシリコーンと容易に反応して水溶性のシリコーン塩を形成し、これは、アニオン性界面活性剤との中性塩の形成のために即座にすすぎ液に移される。結果として、したがって、アニオン性界面活性剤はシリコーンの塩に変わり、かつ、それによってアニオン性界面活性剤はその発泡性質を失い、それゆえに、すすぎ泡におけるフォームが相当の量で除かれる。特に、手洗い洗濯の場合、1〜2回のすすぎ後に少しの泡も観察されない。
【0046】
したがって、本発明によれば、消泡剤粉末が、ランドリー用洗剤組成物中で使用される場合、すすぎサイクルにおける水を節減するだけでなく、生地上に粘着した残りのシリコーンのために生地への良好な調節効果も提供することが観察される。
【0047】
本発明によれば、手洗いによるか又は機械洗濯による生地洗濯の間のすすぎサイクルにおいて水を節減する目的でランドリー用洗剤液体中に直接導入された変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサン液が、同様に水を節減する目的に適う消泡剤に基づく該新規の粉末を含有するランドリー用粉末洗剤にも類似していることが観察される。
【0048】
本発明によれば、新規の変性アミノシリコーン又はオルガノポリシロキサン液/粉末が、パーソナルケア、すなわち、より具体的にはヘアケア用途において、ヘアすすぎの間の水の節約のために使用されることができる。
【0049】
本発明によれば、粉末形態又は液形態における変性アミノシリコーン又はオルガノポリシロキサンが、パーソナルケア、すなわち、より具体的にはヘアケア用途及びボディ洗浄において、ヘア/ボディ洗浄の間の水の節約のために使用されることができるというのも事実である。
【0050】
本発明によれば、粉末形態又は液形態における変性アミノシリコーン又はオルガノポリシロキサンが、特に水を節約するために家庭用ランドリー及び産業用ランドリー用途に加えてフロアクリーナー、洗面所クリーナーといった種々のホームケア用途において使用されることができることも別の可能性としてある。
【0051】
本発明の詳細、その性質及び目的を、下記により詳細に、以下の非限定的な例と関連付けて説明する。
【0052】
例:
工程−I
手洗い洗浄用の洗剤配合物:消泡剤粉末を用いない例
直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩=14.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.55部
硫酸ナトリウム=4.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0053】
例−1
工程−II:ポリマー合成
10リットルの反応器中に、α,ω−ヒドロキシル末端化ポリジメチルシロキサン5648g(80mPa・s)、38モル%のポリオキシエチレン基Gを有する約1800のポリマー分子量を有する、
プロピレンスペーサーを介してα,ω−ポリエチレングリコール(10個のEO)末端を有するポリジメチルシリコーン250g及びγ−アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン782gを移した。反応器を閉じ、そして窒素を30分間パージした。反応器は、ストリッピング並びに還流のために使用することができる、攪拌器、加熱器/垂直凝縮器を有する冷却器を装備していた。受け器は、凝縮器の底部に接続されていた。反応器は、窒素雰囲気下又は真空下又は圧力下で作業するための設備も有していた。反応を所望の温度で実施することができるように、正確な温度制御系も反応器に取り付けた。30分の窒素パージ後、反応器の材料温度を窒素パージ下で130℃に上昇させた。40%の活性アルコールカリ溶液1gを添加し、そして反応を1時間実施した。同じ触媒の添加を2回繰り返し、そして毎回反応を1時間実施した。次いで、粘度10mPa・sを有するトリメチルシロキシ末端化ジメチルポリシロキサン40gを添加し、そして反応を2時間継続した。再びKOH溶液2gを添加し、そして反応をさらに2時間継続し、この液をシリルホスフェート5.0gで中和した。窒素パージを中断し、そして全ての揮発物を除去するために蒸留を300〜500mmHgの真空下で実施した。
【0054】
蒸留が終了した後、この液を真空下で室温に冷却した。25℃で1000mPa・sの粘度及びアミン価1.24を有し、かつポリオキシエチレン基G 3.3モル%を有する清澄なα,ω−グリコール末端化アミノポリジメチルシロキサンを取得した。式(I)によるアミノポリジメチルシロキサンの基X、すなわち末端基の平均して50モル%がポリオキシエチレン基Gであり、かつ基Xの50モル%が基R=メチル基である。
【0055】
工程−III:消泡剤化合物調製
使用した装置:片側入口型の高速分散装置を有し、呼び圧力高温水/低温水、加熱及び冷却のために適切に被覆された、10リットル容量のプローシェアステンレス鋼ミキサー。窒素パージした全てのシャフトグランド。積込用ホッパに取り付けられた適した集塵装置及び標準排液設備。
【0056】
1.125ミクロンの粒径を有する商業用グレードの炭酸ナトリウム粉末3.5kgを上記のミキサーに取り入れる。
2.窒素下で攪拌し、かつ130℃に加熱し、粉末を乾燥させる。
3.粉末を約1時間乾燥させた後、計量供給ポンプによって、アミノシリコーン液体(アミン価1.24及び粘度1000mPa・sを有するPEG−ジメチルシロキシ基でブロック化したもの)を添加し始める。攪拌された材料への計量分配が一定になるようにする。
4.上記液体1.5kgの添加を、温度を130℃に保ちながら、約3時間で行う。
5.液体の添加後に、さらに1時間混合し続ける。
6.排出前に粉末を40℃に冷却する。
【0057】
工程−IV:手洗い洗浄用の洗剤配合物:消泡剤粉末を用いた例
直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩=14.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.05部
硫酸ナトリウム=4.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
消泡剤粉末(工程IIIで製造したもの)=0.5部
【0058】
工程−V:機械洗浄用の洗剤配合物:本発明の消泡剤粉末を用いない例
直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩=10.00部
石鹸=1.25部
ラウリルアルコール(7個のEO)=2.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.9部
硫酸ナトリウム=4.40部
酵素プロテアーゼ=0.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0059】
工程−VI:機械洗浄用の洗剤配合物:本発明の消泡剤粉末を用いた例
直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩=10.00部
石鹸=1.25部
ラウリルアルコール(7個のEO)=2.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.40部
硫酸ナトリウム=4.40部
酵素プロテアーゼ=0.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
消泡剤粉末(工程IIIで製造したもの)=0.5部
【0060】
工程VII:性能評価(手洗い洗濯)
バケツ内での手洗い洗濯による洗剤の評価のために使用したプロトコルは以下の通りである。
a. 24°fHの硬水を使用した
b. 生地と溶液との比は1:10であった
c. 4gplの洗剤を使用した(gpl=グラム毎リットル)
d. 20秒間泡立て、そして生地をバケツ水に沈めた
e. 洗浄サイクルを15分又は30分間継続し、5分毎に又は10分間隔で泡の高さを測定した
f. 50質量%ピックアップで生地を絞った
g. それぞれの場合において、新たな24°fHの硬水において、すすぎ水1部と新たな水7部との割合ですすぎを行い、次いで、5 泡立ちを見る;50質量%ピックアップで生地を絞り、そしてバケツ内で泡の高さを測定した。
【0061】
工程−VIII:性能評価(機械洗濯)
上部装荷式の自動機械中での洗剤の評価のために使用したプロトコル
a. 24°fHの硬水を使用した
b. 生地と溶液との比は1:10であった
c. 4gplの洗剤を使用した(gpl=グラム毎リットル)
d. 洗浄サイクルを15分又は30分間継続した。洗浄溶液の排出直前に洗浄機械の上部フタを開き(上部フタが開くとすぐに、運転中に自動的にm/c停止)、そして生地が洗浄液50%を保持するように絞って取り出した。生地を取り出した後、泡の高さを測定する。
e. 上部フタを閉じ、機械を運転させた。機械が洗浄液を排出したらすぐに、機械の上部フタを開け、生地を機械に移した。機械の上部フタを閉じ、そして即座に機械をすすぎサイクルのために運転させた。1回目のすすぎ液の排出直前に洗浄機械の上部フタを開く。生地が洗液50%となるように絞ることによって取り出した。生地を取り出した後、泡の高さを測定し、そして1回目の泡の高さとして記録した。
f.上部フタを閉じ、そして2回目、3回目及び4回目のすすぎの泡の高さの測定のために工程"f"を続けて行った。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
上記の表I及びIIより、実験の工程IVにおいて製造された洗剤の工程IIでの適用結果は、0.5%の本発明の遅効消泡剤化合物を含有する洗剤Vが、すすぎサイクル及び洗浄サイクル(そこでは、工程IVの洗剤と工程Iで作った洗剤の同等の好ましい泡の高さが存在していた)において従来の洗剤と比較して極めて良好に性能を発揮するという事実をはっきり示していることがわかる。
【0065】
表I及びIIからはまた、実験において製造された遅効消泡剤粉末が、洗浄サイクルにおいて好ましい発泡性質を示し、かつ、すすぎの希釈段階で、泡が少ないために、アニオン性界面活性剤が生地により素早く浸透し、かつ生地内のシリコーンのアミノ基と反応することがはっきり分かる。それゆえ、アニオン性界面活性剤は発泡特性を失い、そして水相に移る。他方で、洗浄サイクルにおいては、アニオン性界面活性剤は、多量の泡のために、それ自体シリコーンポリマーのアミノ基に付着するのに十分なだけ浸透し得ず、それゆえ、手洗い洗濯又は機械洗濯いずれの洗浄サイクルを通じても、泡についてのいかなる変化も観察されない。
【0066】
それゆえ、本発明によれば、シリコーン分子の変性及び洗剤配合物中での係る変性分子、例えば変性アミノシリコーン/オルガノポリシロキサンの使用は、人によって、地域によって、国によって異なる洗濯習慣の考慮の下で、世界的に全てのユーザーに全体的に受け入れられることができる。なおその上に、我々は、実験から、本発明による新規に開発された遅効消泡剤化合物が、0.5%の供与量で作用することを観察し、このことは、洗剤配合物のコストにあまり影響を及ぼさず、最も重要なことは、洗剤製造業者が、製品コストを上げずに全体の洗剤消費者に利益をもたらす一助となる。
【0067】
したがって、本発明の手法によって、手洗い洗濯及び/又は機械洗濯及び同種のものにおいて、貴重な水の不要な浪費を回避し、かつ水の不要な浪費から環境を守ることに配慮することとは別に、洗浄サイクルとすすぎサイクルとの両方に好都合であり、かつ布地/生地の洗濯をより便利に、かつユーザーフレンドリーにする、洗剤配合物及び同種のものを提供することが可能になる。