(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハンドルのそれぞれの取り付けブラケットは、前記細長い本体の第2の側壁部内に画定された第2のスロットを更に含み、前記第2のスロットは、前記第1のスロットに平行に延在し、
前記深さ止めの前記取り付けブラケットは、前記第1のフランジから離間され、かつ、それぞれの取り付けブラケットの前記第2のスロット内に受容されるように構成される第2のフランジを更に含む、請求項3に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
前記ロック機構部は、ラッチプレートを含み、前記ラッチプレートは、(i)前記ラッチプレートが前記ハンドルの前記細長い本体と係合されるロック後の位置と(ii)前記ラッチプレートが前記細長い本体から離間される非ロック位置と、の間で移動可能である、請求項7に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
前記深さ止めは、(i)前記深さ止めの前記取り付けブラケットが前記ハンドルの第1の取り付けブラケットと離脱される第1の位置と(ii)前記深さ止めの前記取り付けブラケットが前記ハンドルの前記第1の取り付けブラケットと係合される第2の位置と、の間で移動可能であり、
前記プレートは、前記深さ止めが前記第1の位置から前記第2の位置に移動したときに前記細長い本体と係合して前記ロック後の位置と前記非ロック位置との間で前記プレートを移動させるように構成されたカム表面を含む、請求項9に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
前記ハンドルは、前記細長い本体上に画定された複数のマーキングを更に含み、各マーキングは、前記複数の取り付けブラケットのうちの1つに関連付けられる前記所定の距離を示すように構成される、請求項1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
前記深さ止めに結合されるように構成された複数のスペーサプレートを更に含み、それぞれのスペーサプレートは、(i)捕捉されない遠位切断ガイドを画定する近位表面と、(ii)前記深さ止めの前記近位表面と係合するように構成された遠位表面と、を含む、請求項1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点は理解されるべきである。
【0017】
解剖学的基準を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び整形外科用手術器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されてよい。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準を表す用語の使用は、特に断らないかぎりは、それらの広く理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0018】
ここで
図1を参照すると、整形外科用器具アセンブリ10(以下、器具アセンブリ10)が示される。この場合、「整形外科用器具」又は「整形外科用手術器具アセンブリ」は、整形外科手術処置を実行する際に外科医により使用される手術用具を指す。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「整形外科用手術器具」及び「複数の整形外科用手術器具」は、患者の身体に手術用に移植される整形外科用インプラント又は人工装具と異なることが理解されるべきである。
【0019】
器具アセンブリ10は、髄内外科用手術器具12と、髄内外科用手術器具12に固定されるように構成された整形外科用手術器具ハンドル14と、器具ハンドル14に固定されるように構成された深さ止め16と、を含む。以下で更に詳細に説明するように、外科医は、器具ハンドル14及び深さ止め16を使用して、髄内外科用手術器具12を患者の大腿骨の髄管に連続して前進させて大腿プロテーゼコンポーネントを受容するように大腿骨を調製することができる。外科医は、深さ止め16を使用して患者の大腿骨の遠位端を切除することもできる。例示的な器具アセンブリ10は大腿骨を調製するために使用されるが、器具アセンブリ10の他の実施形態を使用して、他の骨又は接合部、例えば、患者の脛骨の近位端を調製することができる。
【0020】
髄内外科用手術器具12は、ブローチ20に結合された大腿ステムトライアル18を含む。他の実施形態において髄内外科用手術器具12は他の形を取ることができることが理解されるべきである。例えば、ステムトライアル18及び/又はブローチ20は、異なるサイズの器具又は異なる構成に置き換えることができる。更に、他の実施形態において、髄内外科用手術器具12は、ブローチなしの大腿ステムトライアルを含むことができるか、又は、ステム安定材などの別の手術器具を含むことができる。
【0021】
図1に示すように、髄内外科用手術器具12のステムトライアル18は、近位先端24から遠位端26に延在する細長い本体22を有する。遠位端26は、その上に形成された複数の雄ネジ28を有する。異なる構成を有する、他のステムトライアルが提供され得ることが理解されるべきである。例えば、ステムの外径及び/又はステムの長さは、異なる大きさのトライアルプロテーゼ構成要素のために変化してもよい。
【0022】
髄内外科用手術器具12のブローチ20は、近位先端30と、近位先端30から遠位端36まで延在する外表面34と、を含む。ブローチ20の先端30は、大腿ステムトライアル18のねじ付き遠位端26を受容するようにサイズ設定される、内部で画定された開口部32を含む。内壁は、開口部32を画定し、内壁は、ステムトライアル18の遠位端26の雄ネジ28に対応する、その上に形成された複数の雌ネジを有することができる。開口部32及び雌ネジは、その結果、ステムトライアル18をブローチ20に固定することができる。
【0023】
ブローチ20の外表面34は、テーパ形状であり、ブローチ20の断面積は、先端30から遠位端36まで増加する。複数の切歯38は、先端30と遠位端36との間の外表面34上に形成される。以下で更に詳細に説明するように、切歯38は、ブローチ20が患者の大腿骨の髄管に挿入されたときに患者の大腿骨の髄管を取り囲む骨と係合するように構成される。異なる構成を有する他のブローチ20を提供することができることが理解されるべきである。例えば、ブローチの外径及び/又はブローチの長さは、異なる大きさのプロテーゼ構成要素に適合する、異なる大きさの管を生成するように変化してもよい。
【0024】
ブローチ20は、遠位端36にて位置決めされた実質的に平面の遠位表面40を含む。中央開口部42は、遠位表面40内に画定される。中央開口部42は、以下で更に詳細に説明するように、器具ハンドル14のガイドピン78を受容するようにサイズ設定される。ブローチ20は、器具ハンドル14の取り付け機構部50により係合される中央開口部42の近傍に位置決めされたフランジ44も含む。以下で説明するように、ブローチの縦軸線46は、先端30及び中央開口部42を通って延在する。軸線46は、以下で詳細に説明するように、ブローチ20が髄管に挿入されたときに患者の大腿骨の解剖学的軸線と整合させることができる。
【0025】
図1に示すように、器具ハンドル14は、細長い工具本体48及び取り付け機構部50を含む。取り付け機構部50は、以下で詳細に説明するように、器具ハンドル14に髄内外科用手術器具12を固定するように構成されている。工具本体48は、近位端52から遠位端54まで延在する。例示的な実施形態において、工具本体48は、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロムなど金属材料で形成される。工具本体48は、近位端52にて位置決めされたハウジング56と、ハウジング56の遠位に位置決めされた握り部58と、を含む。握り部58は、ユーザが器具ハンドル14を操作することを可能にするために外科医又は他のユーザの手を受容して構成される。したがって、握り部58は、握り部安定性を向上させるためにゴム引きの又は非平坦化材料でコーティングすることができる。いくつかの実施形態において、握り部58は、ハウジング56とは別個のユニットとして形成して、工具本体48を形成するためにハウジング56とともに組み立てることができる。
【0026】
器具ハンドル14は、工具本体48の遠位端54にて握り部58に取り付けられた篏入プレート60を更に含む。篏入プレート60は、例えば握り部58の端部上に機械的に螺設することにより、器具ハンドル14の残りにしっかりと取り付けられる。篏入プレート60は、小槌、大槌、又は他の篏入工具などの打設工具との使用に適した耐久性がある遠位表面62を含む。遠位表面62は、ユーザの手を保護するために握り部58を覆うほどの大きさである。使用時には、外科医は、髄内外科用手術器具12を患者の大腿骨の髄管に進入させるために篏入プレート60を嵌入することができる。
【0027】
器具ハンドル14のハウジング56は、近位端52から握り部58まで延在する1対の側面64、66を更に含む。1対の開口部68、70は、側面64、66内に画定される。いくつかの内壁72が、ハウジング56を貫通する開口部68、70の間で延在する。内壁72は、ハウジング56の内側に空洞74を画定する。以下で詳細に説明するように、空洞74は、取り付け機構部50のコンポーネントを含む。側面64、66内に画定されたいくつかの取り付けブラケット76。取り付けブラケット76は、深さ止め16の取り付けブラケット146と別々に係合するように構成される。
【0028】
先述したように、器具ハンドル12は、髄内外科用手術器具12により受容されるように構成されるガイドピン78を含む。ガイドピン78は、器具ハンドル12の近位端52から延在する。器具ハンドル14の取り付け機構部50は、ガイドピン78と、開口部68を通って空洞74の外に遠位に延在するユーザ操作式のリリースレバー80と、開口部70を通って外方にガイドピン78の方に延在する締付けレバー82と、を含む。解除レバー80が締付け前の位置から締付け後の位置までユーザにより移動させられたとき、締付けレバー82は、以下で説明するように、髄内外科用手術器具12を器具ハンドル14に固定するためにブローチ20のフランジ44と係合する。
【0029】
図2及び3をここで参照すると、器具ハンドル14の取り付け機構部50は、解除レバー80と締付けレバー82との間に結合される板ばね84を更に含む。板ばね84は、締付けレバー82内に画定された相補的に成形された円形のスロット88に結合される、近位端にて位置決めされた円形の先端86を含む。板ばね84は、解除レバー80内に画定された相補的に成形円形のスロット92に結合される、遠位端にて位置決めされた円形の先端90を更に含む。先端86、90は、スロット88、92内で回転して、板ばね84を解除レバー80及び締付けレバー82に枢動して結合することができる。
【0030】
スロット92は、スロット92内の先端90の回転を促進するように構成されたインサート94を含む。インサート94は、低摩擦ポリマ材料で形成することができる。板ばね84は、先端86、90の間に位置決めされた可撓体96を有する。スロット88、92は、それぞれ、可撓体がスロット88、92を出る開口部98、100を含む。それぞれの先端86、90は、それぞれの開口部98、100よりも大きい直径を有し、その結果、先端86、90が、スロット88、92内に機械的に固定される。それぞれの先端86、90は、可撓体よりも、肉厚な材料で形成され、可撓性が低く、かつ、より耐久性があるとすることができる。
【0031】
解除レバー80は、工具本体48に枢動して結合される近位端102と、握り部104を含む遠位端と、近位端102と握り部104との間に結合されたレバー本体106と、を含む。握り部104は、締付け前の位置と締付け後の位置との間に解除レバー80を移動させたときに外科医又は他のユーザにより握持されるように構成される。スロット92は、レバー本体106内に近位端102と握り部104の間に位置決めされ、その結果、機械的な長所が得られる。
【0032】
解除レバー80の近位端102は、接合部108を介して工具本体48に枢動して結合される。接合部108は、ハウジング56及び解除レバー80内に画定された孔112を通って延在する円形の開口部110を含む。孔112は、解除レバー80のピボット点を包含する。円筒形クロスピン114は、解除レバー80が工具本体48と接合されるように開口部110及び孔112内に位置決めされる。例示的な実施形態において、クロスピン114は、開口部110に圧入されるが、クロスピン114を固定する任意の適切な方法を使用することができる。
【0033】
解除レバー80は、近位端102と握り部104との間に延在する縦軸線116を含む。
図2を参照すると、縦軸線116は、締付け前の位置118及び締付け後の位置120で示されている。角度122は、締付け前の位置118の縦軸線と締付け後の位置120の縦軸線との間に画定される。角度122は、解除レバー80の移動距離である、即ち、角度122は、締付けレバー82と完全に係合するために外科医が解除レバー80を移動させなければならない距離を表す。角度122は、約80°の大きさを有することができる。
【0034】
締付けレバー82は、概略的に三角形の非線形形状を有する。締付けレバー82は、開口部70からガイドピン78の方に延在するアーム部124と、アーム部124から遠位に空洞74内に位置決めされた遠位端128の方に延在する肩部126と、を含む。アーム部124は、ブローチ20のフランジ44と係合するように構成された留め具130を含み、その結果、ブローチ20は、解除レバー80が締付け後の位置(
図3参照)にあるときに固定される。先述したように、締付けレバー82は、締付け前の位置(
図2参照)と締付け後の位置(
図3参照)との間で移動可能である。締付け前の位置にあるとき、アーム部124は、ガイドピン78から離間される。締付けレバー82が締付け前の位置から締付け後の位置に移動させたとき、アーム部124は、ガイドピン78に接近してフランジ44と係合する。更に、締付け後の位置にあるとき、締付けレバー82の肩部126は、空洞74の傾斜内壁132と係合することができる。したがって、内壁132は、締付けレバー82の動きの停止具として動作することができる。締付けレバー82の遠位端128は、工具本体48に枢動して結合される。スロット88は、遠位端128内に画定される。
【0035】
締付けレバー82は、接合部134を介して工具本体48に枢動して結合される。接合部134は、ハウジング56及び締付けレバー82内に画定された孔138を通って延在する円形の開口部136を含む。孔138は、締付けレバー82のピボット点を包含する。アーム部124、孔138及びスロット88は、共通の線上にはないことに注意すべきである。円筒形クロスピン140は、解除レバー82が工具本体48と接合されるように開口部136及び孔138内に位置決めされる。例示的な実施形態において、クロスピン140は、開口部136に圧入されるが、クロスピン140を固定する任意の適切な方法を使用することができる。
【0036】
解除レバー80が
図2に示された広げたつまり締付け前の位置にあるとき、締付けレバー82は、ガイドピン78から離間されている。更に、板ばね84は、弛緩した弓形形状を有する。解除レバー80を
図3に示すように締付け後の位置に移動させたとき、板ばね84は、拡張しかつ相対的に平坦になった形状を有し、板ばね84は緊張状態になる。板ばね84は、締付けレバー82をガイドピン78の方に移動させ、髄内外科用手術器具12が器具ハンドル14に固定される。緊張すると、板ばね84は、締付けレバー82を工具本体48の遠位端54の方に引いて、締付け後の位置のままであるように解除レバー80及び締付けレバー82を付勢する。髄内外科用手術器具12は、締付け後の位置から締付け前の位置に解除レバー80を移動させることにより解除することができる。
【0037】
図4をここで参照すると、器具ハンドル14は、板ばね84の先端86を締付けレバー82のスロット88に挿入することによりコンポーネント部品から組み立てることができる。インサート94を解除レバー80のスロット92に挿入することができる。板ばね84の先端90を解除レバー80のスロット92に挿入することができる。組み立てた締付けレバー82、板ばね84、及び解除レバー80は、開口部68、70のうちの1つを介してハウジング56の空洞74に挿入することができる。締付けレバー82は、クロスピン140を孔138及び開口部136を挿通することにより工具本体48に枢動して固定することができる。解除レバー80も、クロスピン114を孔112及び開口部110に挿通することにより工具本体48に枢動して固定することができる。
【0038】
図5〜7をここで参照すると、深さ止め16は、患者の髄管内の適切な深部にて髄内外科用手術器具12を着座させるために外科医により使用することができる実質的に平面の近位表面144を画定する底板142を含む。深さ止め16は、底板142に結合された取り付けブラケット146も含む。取り付けブラケット146は、上述したように、器具ハンドル14の取り付けブラケット76のうちの1つと係合するように構成される。深さ止め16は、更に、以下で更に詳細に説明するように、器具ハンドル14を深さ止め16に固定するように構成されるロック機構部148を含む。
【0039】
深さ止め16の底板142は、深さ止め16の近位表面144を画定するように協働する1対のアーム部150を含む。近位表面144を通って延在する溝152は、アーム部150の間に画定され、かつ、器具ハンドル14のハウジング56を受容するようにサイズ設定される。例示的な実施形態において、近位表面144は、以下で更に詳細に説明するように、大腿骨の遠位端を切除するために捕捉されない遠位切断ガイドとして外科医によって使用されてもよい。
【0040】
底板142は、近位表面144の反対側に位置決めされた遠位表面154を含む。遠位表面154及び近位表面144は、最大厚さ158を有する壁部156により分離される。いくつかの実施形態において、厚さ158は、設置される人工大腿骨コンポーネントの厚さと同等とすることができる。いくつかの実施形態において、厚さ158は、約9ミリメートルとすることができる。
【0041】
アーム部150のそれぞれは、近位表面144に平行に延在する円筒形通路160を含むことができる。通路160は、以下で説明するように、モジュール式の切断ガイド又は測定ゲージなどの更なる手術器具を深さ止め16に固定するように構成される。通路160は、図示するように(
図5参照)近位表面144を介して部分的に露出させることができるか、又は、いくつかの実施形態においてアーム部150内に完全に含めることができる。
【0042】
深さ止め16の取り付けブラケット146は、近位表面144の反対側で、底板142に固定される。取り付けブラケット146は、器具ハンドル14の取り付けブラケット76のそれぞれと係合するように構成された1対のフランジ162を含む。溝164は、アーム部150により画定された溝152よりも狭いフランジ162の間に画定される。したがって、フランジ162は、取り付けブラケット76の対応する1つと係合することにより深さ止め16を安定させる。それぞれのフランジ162の隅部は、深さ止め16がより容易に器具ハンドル14上に摺動することを可能にする面取り部166を含む。1対のフランジ162を含むように示されているが、いくつかの実施形態において、取り付けブラケット146は、器具ハンドル14の取り付けブラケット76のそれぞれにより受容されるように構成された単一のフランジ、出張り、又は他の投影を含むことができる。
【0043】
溝152、164は、近位表面144と交差する軸線168(
図7参照)を更に画定する。軸線168及び近位表面144は、傾斜角170を画定する、即ち、軸線168は、近位表面144に対して垂直ではない。使用時には、傾斜角170は、患者の大腿骨の解剖学的軸線と、大腿骨コンポーネントと人工膝関節のポリマーベアリングとの間の継ぎ目と、の間の角度に対応する。角度170の大きさは、プロテーゼコンポーネントに適合する、換言すると、角度170は、大腿骨コンポーネントの遠位表面と解剖学的軸線との間の角度に対応する。いくつかの実施形態において、角度170は、約85°の大きさを有することができる。更に、角度170は、左右両方の膝に向けて横方向に外方に延在する。したがって、専用の深さ止め16を右の膝又は左の膝に使用することができる。
【0044】
取り付けブラケット146は、任意のマーキングが、深さ止め16が器具ハンドル14に取り付けられたときに係合した取り付けブラケット76に関連した器具ハンドル14上で目視可能であることを可能にするように構成されたノッチ172を更に含む。
【0045】
図6をここで参照すると、深さ止め16は、器具ハンドル14に深さ止め16を固定するように構成されるロック機構部148を更に含む。ロック機構部148は、取り付けブラケット146内で摺動するように構成されたラッチプレート174と、ラッチプレート174を取り付けブラケット146に固定するように構成された1対のピン180、182と、付勢要素184と、を含む。ラッチプレート174は、一端上に位置決めされた、器具ハンドル14と係合するように構成される、留め具176を含む。他端上において、ラッチプレート174は、留め具176と選択的に係合又は離脱するように動作可能であるユーザ操作式のボタン178を含む。例示される実施形態において、ボタン178は、外科医又は他のユーザーの指先を受容するように構成された、凹凸を有する外側表面を含む。ラッチプレート174は、留め具176近傍に画定された細長い開口部186と、ボタン178近傍に画定された開口部188と、を更に含む。
【0046】
ピン180は、ラッチプレート174の細長い開口部186及び取り付けブラケット146内に画定された孔190内に位置決めされる。したがって、細長い開口部186は、ラッチプレート174の移動範囲を画定する。ピン182は、取り付けブラケット146内に画定された開口部188及び孔192内に位置決めされる。付勢要素184、例示的な実施例において、バネは、ラッチプレート174とピン182との間に位置決めされる。付勢要素184は、ラッチプレート174を押し当て、留め具176を
図7に示す係合した位置において付勢する。ボタン178が矢印194により示された方向に押されたとき、ラッチプレート174は、離脱した位置に移動する。ラッチプレート174は、留め具176上に位置決めされたカム表面196を更に含む。
【0047】
図8をここで参照すると、器具アセンブリ10は、それぞれを深さ止め16に取り付けることができるいくつかのスペーサプレート198と共に使用することができる。スペーサプレート198のそれぞれは、遠位表面202の反対側に、実質的に平面の近位表面200を含む。近位表面200及び遠位表面202は、厚さ206を有する壁部204により分離される。
【0048】
スペーサプレート198のそれぞれは、プレートを深さ止め16に固定するために使用される1対のピン208を更に含む。深さ止め16は、近位表面144及び取り付けブラケット146を接続する実質的に平面の壁部212内に画定された1対の取り付け穴210を含む。取り付け穴210は、壁部212から近位表面144に平行なアーム部150を通って延在する。スペーサプレート198のそれぞれのピン208は取り付け穴210内に摺動して、スペーサプレート198を深さ止め16に固定することができる。スペーサプレート198が深さ止め16に固定されたとき、遠位表面202は、深さ止め16の近位表面144を係合する。いくつかの実施形態において、1つ又はそれ以上の更なる又は異なる取り付けデバイス、例えば、捕捉された切断ブロックの取り付けブラケット又は捕捉された切断ブロックの取り付けピンを、取り付け穴210を使用して深さ止め16に固定することができる。いくつかの実施形態において、捕捉された切断ブロックをスペーサプレート198(図示せず)の類似の取り付け穴に取り付けることができる。
【0049】
スペーサプレート198が深さ止め16に固定されたとき、外科医は、以下で更に詳細に説明するように、スペーサプレート198の近位表面200を捕捉されない遠位切断ガイドとして使用することができる。スペーサプレート198のそれぞれは、異なる厚さ206を有することができ、外科医は、妥当な切り込み量を選択することができる。例えば、スペーサプレート198は、4ミリメートル、8ミリメートル、12ミリメートル、及び16ミリメートルの厚さ206で実施することができる。したがって、スペーサプレート198が深さ止め16に取り付けられたとき、近位表面144の位置は、スペーサプレート198の厚さ206だけブローチ20の遠位端に事実上近づけられる。
【0050】
図9をここで参照すると、深さ止め16は、深さ止め16の溝152、164を器具ハンドル14の取り付けブラケット76と整合させることにより器具ハンドル14に取り付けることができる。それぞれの取り付けブラケット76は、開口部68、70全体にわたって横方向に延在する側面64、66内に画定された1対のスロット214として実施することができる。スロット214のそれぞれの対は、共通の仮想平面216上に位置決めすることができる。深さ止め16のフランジ162は、スロット214の対のうちの1つと整合される。いくつかの実施形態において、スロット214の対としてよりはむしろ、取り付けブラケット76のそれぞれは、深さ止め16の取り付けブラケット146を受容するように構成される工具本体48の外部に形成された単一の凹部として実施することができることに注意しなければならない。その後、深さ止め16を器具ハンドル14と接触させることができる。
【0051】
深さ止め16を器具ハンドル14と接触させると、フランジ162は、スロット214の対のうちの選択された1つと係合する。深さ止め16が器具ハンドル14と更に係合すると、フランジ162は、スロット214の選択された対に沿って摺動し、ロック機構部148のカム表面196は、前進して器具ハンドル14のハウジング56と接触する。カム表面196及びハウジング56の係合によって、ラッチプレート174は、留め具176を離脱させるために矢印194により示された方向に移動する。フランジ162がスロット214の選択された対に沿って更に摺動すると、カム表面196が離脱して、バネ184は、係合した位置に戻るように留め具176を付勢することができ、その結果、深さ止め16が器具ハンドル14に固定される。フランジ162は、ハウジング56が溝164の端部にて位置決めされた深さ止め16の壁部156に接触するまでスロット214の選択された対に沿って摺動する。
【0052】
髄内外科用手術器具12は、ブローチ20の中央開口部42を器具ハンドル14のガイドピン78と、ブローチ20のフランジ44を器具ハンドル14の留め具130と整合させることにより器具ハンドル14に取り付けることができる。器具ハンドル14は、解除レバー80が非ロック位置の位置に前進され、工具本体48の近位端52がブローチ20の遠位表面40と係合するまでガイドピン78を中央開口部42に移動させる。握り部58及び器具ハンドル14の解除レバー80は、解除レバー80を締付け後の位置に移動させるために共に圧搾され、留め具130はフランジ44と係合し、その結果、ブローチ20が器具ハンドル14に固定される。解除レバー80が締付け後の位置にあるとき、板ばね84は、髄内外科用手術器具12を器具ハンドル14に固定する締付け力を供給する。
【0053】
図10をここで参照すると、先述したように、角度170は、近位表面144と、深さ止め16の溝152、164により画定される軸線168と、により画定される。角度170は、適切に組み立てられたときにブローチ軸線46及び軸線168が一致するので、器具アセンブリ10が組み立てられたときにブローチ軸線46及び近位表面144によっても画定される。やはり、先述したように、傾斜角170は、約85°の大きさを有することができる。
【0054】
更に、器具アセンブリ10が組み立てられたときに、距離218が、ブローチ20の遠位表面40と深さ止め16の近位表面144との間に画定される。角度170によってそのような距離218は近位表面144の範囲にわたって変動するので、距離218は、ブローチ軸線46と交差するブローチ20の遠位表面40上の地点220と近位表面144との間の最短距離として画定することができる。深さ止め16の遠位表面154は、近位表面144の範囲にわたって一定である厚さ158だけ更にブローチ20の遠位表面40から離れて位置決めされる。
【0055】
取り付けブラケット76のそれぞれは、近位表面144とブローチ20の遠位表面40との間の所定の距離218と関連付けられる。したがって、外科医は、所望の距離218に基づく取り付けのために取り付けブラケット76を選択することができる。ハウジング56上の1組のマーキング222は、外科医が取り付けブラケット76を選択する際の助けとなることができる。マーキング222は、深さ止め16のノッチ172越しに見える。他の実施形態において、いくつかの取り付けブラケット76を含むよりはむしろ、器具ハンドル14は、単一の取り付けブラケット76を含むことができることに注意すべきである。その例において、器具アセンブリ10は、それぞれ異なる厚さ158を有するいくつかの深さ止め16を含む。したがって、その例において、距離218は、選択した深さ止め16に左右される。
【0056】
器具アセンブリ10は、
図11〜16に示すものと類似の整形外科手術処置の実施中に利用することができる。
図11〜15に示すように、外科医は、髄管を初めに調製することができる。その後、外科医は、器具アセンブリ10を組み立てて髄内外科用手術器具12を髄管に挿入することができる。
図16に示すように、外科医は、必要に応じて大腿骨の遠位表面を切除することができる。
図16に示すように、外科医は、更なる整形用器具をブローチ20に取り付けて、大腿骨の遠位表面を更に調製することができる。
【0057】
外科医は、初めに患者の大腿骨304の髄管302を調製する。そうするために、外科医は、初期の手術リーマーを髄管302に挿入することができる。いくつかの実施形態において、ステムトライアル18のねじ付き遠位端26は、髄管302内の挿入前にリーマーに固定することができる。外科医は、リーマーを使用して、ブローチ20及び/又はステムトライアル18を受容するために必要とされる奥行き及び/又は直径まで髄管302を穿孔及び/又はリーマー仕上げすることができる。複数のドリル又はリーマーを使用して患者の大腿骨の遠位端上に形成された髄管の開口部を大きくすることができる。リーミング動作が完全したとき、髄管302は、
図11に示すように構成され、かつ、いつでも髄内外科用手術器具12を受容する態勢にある。
【0058】
髄管302を調製した後に、外科医は、先述したように、深さ止め16及び髄内外科用手術器具12を器具ハンドル14に取り付けることにより器具アセンブリ10を組み立てる。先述したように、外科医は、右の膝又は左の膝のどちらかに特化した深さ止め16を選択することができる。組み立て前に、外科医は、患者の大腿骨304の遠位表面306に対して髄内外科用手術器具12の最終奥行きを設計することができる。奥行きは、設置される人工大腿骨コンポーネントのサイズに左右される。奥行きは、患者の大腿骨304の遠位表面306の状態にも左右される場合がある。外科医は、患者の大腿骨304の状態に応じて、手術前に又は手術中にこの判断を行うことができる。例えば、大量の骨が悪化するか又はなくなっている場合、外科医は、より浅い最終奥行きを選択することができる、即ち、外科医は、ブローチ20の位置を遠心移動(distalize)させてもよい。
【0059】
髄内外科用手術器具12の設計した最終奥行きに基づいて、外科医は、器具ハンドル14上の妥当な位置内に位置する取り付けブラケット76を選択して、その選択した取り付けブラケット76に深さ止め16を取り付ける。外科医は、取り付けブラケット76を選択するときにマーキング222を参照することができる。ブローチ20を取り付けブラケット76の範囲を超えて遠心移動させるために、外科医は、妥当な厚さ206を有するスペーサプレート198のうちの1つを深さ止め16に取り付ける(
図14参照)ことができる。したがって、深さ止め16を選択した取り付けブラケット76に取り付け、かつ、妥当なスペーサプレート198を随意的に取り付けることにより、外科医は、ブローチ20の遠位端36と深さ止め16の近位表面144との間の距離218を設定する。先述したように、異なる実施形態において、距離218を設定するために、外科医は、深さ止め16を異なる厚さ158を有するいくつかの深さ止め16から選んで、選択した深さ止め16を取り付けブラケット76に取り付けることができる。
【0060】
深さ止め16を取り付けた後に、外科医は、ブローチ20の先端30上へステムトライアル18の遠位端26を螺設することにより髄内外科用手術器具12を組み立てることができる。外科医は、ブローチ20の中央開口部42を器具ハンドル14のガイドピン78上に位置決めし、ブローチ20の遠位表面40を器具ハンドル14と係合させて、解除レバー80を締付け後の位置に圧搾することにより、髄内外科用手術器具12を器具ハンドル14に固定することもできる。
【0061】
外科医は、
図11に示すように、手術アセンブリ10を患者の大腿骨304の髄管302と整合させることができる。そうするために、外科医は、ブローチ軸線46を髄管302の遠位開口部310を通って延在する大腿骨304の解剖学的軸線308と整合させる。その後、外科医は、小槌、大槌又は他の篏入工具で器具ハンドル14の篏入プレート60を叩くことにより解剖学的軸線308に沿って大腿骨304に髄内外科用手術器具12を打ち込むことができる。髄内外科用手術器具12が骨に打ち込まれると、ブローチ20の切歯38が、患者の大腿骨304と係合して、人工大腿骨コンポーネントつまり大腿骨トライアルコンポーネントを受容するように髄管302を形づくる。
【0062】
髄内外科用手術器具12が骨に進入すると、
図12に示すように、外科医は、大腿骨304の遠位表面306に対する髄内外科用手術器具12の位置を評価することができる。深さ止め16の遠位表面154は、想像上の継ぎ目312を画定する。継ぎ目312は、人工大腿骨コンポーネントと人工膝の人工脛骨ベアリングとの間の設計された接触線を表す。したがって、外科医は、髄内外科用手術器具12が髄管302内に適切に位置決めされているかどうか評価するときに継ぎ目312を参照することができる。外科医は、底板142の遠位表面154を継ぎ目312の目視基準として使用することができる。更に、外科医は、アーム部150のそれぞれの湾曲形状を人工大腿骨コンポーネントの顆状突起の形状を反映する目視基準として使用することができる。手術のこの段階において、外科医は、ブローチ20を遠心移動させて、先述したように、スペーサプレート198のうちの1つを深さ止め16に取り付けることを決断することができる。
【0063】
外科医は、深さ止め16の近位表面144(又はスペーサプレート198の近位表面200)が
図13に示すように大腿骨304の遠位表面306と係合するまで大腿骨304の解剖学的軸線308に沿って髄管302に髄内外科用手術器具12を進入させることができる。大腿骨304の両方の顆状突起314が等しく遠位でありかつ欠陥がない場合、近位表面144は、両方の顆状突起314に接触することができる。顆状突起314の一方が他方の顆状突起314より遠位に更に延在する場合、近位表面144は、
図13に示すように最も遠位の顆状突起314に接触することができる。近位表面144が遠位表面306と係合しているとき、近位表面144とブローチ20との間の距離218によって、髄管302内のブローチ20の奥行きが決まる。
【0064】
ブローチング後又はブローチング中、外科医は、大腿骨304の遠位表面306を切除するべきかどうか判断することができる。外科医は、凹凸を除去して人工大腿骨コンポーネントの固定に向けてきれいな骨面をもたらすために遠位表面306を切除することを決断することができる。切除を実行するために、
図13に示すように、外科医は、手術鋸の鋸刃316を近位表面144と大腿骨304の遠位表面306との間に挿入することができる。外科医は、大腿骨304と係合させて近位表面144を基準として使用して所望の量の骨を除去することができる。したがって、近位表面144は、捕捉されない遠位切断ガイドの役目を果たすことができる。
図14に示すように、いくつかの実施形態において、スペーサプレート198を深さ止め16に取り付けることができる。当該の実施形態において、近位表面144と同様に、取り付けられたスペーサプレート198の近位表面200は捕捉されない遠位切断ガイドとして使用することができる。先述したように、いくつかの実施形態において、捕捉された切断ブロックをブローチ停止具16つまりスペーサプレート198に取り付けて切除を実行することができる。大腿骨304を切除した後に、外科医は、先述したように、近位表面144(又は、いくつかの実施形態において近位表面200)が大腿骨304の新たに切断した遠位表面306と係合するまで髄内外科用手術器具12を解剖学的軸線308に沿って前進させ続けることができる。
【0065】
図15をここで参照すると、いくつかの実施形態において、外科医は、測定ゲージ402を深さ止め16に取り付けることができる。深さ止め16との使用に適した測定ゲージが、「FEMORAL ORTHOPAEDIC SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING A MEASUREMENT DEVICE AND METHOD OF USE OF SAME」という名称の米国特許出願第13/780,836号において図示及び説明されており、この特許は、参照により本明細書に組み入れられる。測定ゲージ402は、アーム部404と、アーム部404から延在する取り付けシャフト406と、を含む。先述したように、測定ゲージ402の取り付けシャフト406は、深さ止め16のアーム部150のうちの1つに画定された通路160内に摺動することができ、その結果、測定ゲージ402が深さ止め16に固定される。測定ゲージ402のアーム部404は、いくつかの参照マーキング408を含む。深さ止め16に固定されたとき、参考文献マーキングのそれぞれは、継ぎ目312からの所定の距離を示す。マーキング408は、継ぎ目312と整合されるゼロ標識410を含む。髄管302にブローチ20を前進させている間、外科医は、マーキング408を参照して、大腿骨304の特徴部、例えば、遠位表面306又は顆状突起314に対して継ぎ目312の位置を判断することができる。
【0066】
髄内外科用手術器具12が所定の位置にあり、一切の切除が完了した後、外科医は、人工インプラント(prosthetic implant)を受容するように髄管302及び大腿骨304を更に調製することができる。外科医は、解除レバー80を操作する、つまり、解除レバー80を非ロック位置に移動させることによりブローチ20から器具ハンドル14を解除することができる。器具ハンドル14を除去した後に、髄内外科手術用器具12は、髄管302内に着座したままである。
図16に示すように、外科医は、髄内アダプタ412を髄内外科用手術器具12に固定することができる。髄内アダプタ412は、髄内外科用手術器具12に固定されるように構成され、かつ、整形外科手術処理中に患者の大腿骨の髄管内に位置決めされるようにサイズ設定及び成形された端部を含む手術用具である。髄内アダプタ412を髄内外科用手術器具12に固定するために、外科医は、髄内アダプタ412の捕捉されたボルト414をブローチ20の中央開口部42と係合させて捕捉されたボルト414を締結することができる。中央開口部42は、捕捉されたボルト414を受容するように構成されたねじ付き内面を含むことができる。
【0067】
外科医は、モジュール式の切断ブロック416を髄内アダプタ412に更に取り付けることができる。モジュール式の切断ブロック416は、底板418と、底板418から後ろに延在する1対の湾曲アーム部420と、を含む。湾曲アーム部420のそれぞれは、人工大腿骨コンポーネントの顆状表面に対応することができる。モジュール式の切断ブロック416は、外科医が患者の大腿骨304の遠位表面306を調製するために使用することができるいくつかの切断ガイド422を更に含む。外科医は、更なるサブモジュールをモジュール式の切断ブロック416に取り付け、更なる切り込みを実行して、患者の大腿骨304(図示せず)を調製することができる。
【0068】
モジュール式の切断ブロック416を設置した後に、外科医は、間隔評価用具424を使用して、患者の脛骨318に対して大腿骨304の位置を評価することができる。間隔評価用具424は、例えば、患者の屈曲部と拡張部の間隙及び人工インプラントのサイズを含む患者の大腿骨304と脛骨318との間の関節窩を評価するために使用することができる。大腿骨304の調製を完了した後に、外科医は捕捉されたボルト414を弛めて、髄内アダプタ412及びモジュール式の切断ブロック416を患者大腿骨304から除去することができる。
【0069】
最後に、患者の大腿骨304の調製を完了した後に、外科医は、器具ハンドル14をブローチ20に再度取り付けて、髄内外科用手術器具12を髄管302から除去することができる。除去後、外科医は、プロテーゼコンポーネントの植え込みを進めることができる。
【0070】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変は全て保護されることが望ましい点は理解されるであろう。
【0071】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ又は2つ以上の特徴を取り入れた、特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用手術器具アセンブリであって、
(i)近位端から遠位端まで延在するテーパ形状の外表面と、(ii)前記外表面内に画定された複数の切歯と、を含むブローチと、
(i)前記ブローチの前記遠位端に取り外し可能に結合される細長い本体と、(ii)それぞれが前記ブローチの遠位表面から所定の距離にて前記細長い本体上に位置決めされた、複数の取り付けブラケットと、を含むハンドルと、
深さ止めであって、前記深さ止めを前記ハンドルに固定するために前記ハンドルの前記複数の取り付けブラケットのうちのそれぞれの取り付けブラケットに結合されるように構成された取り付けブラケットを有し、仮想平面を画定する近位表面を含む、深さ止めと、
を備え、(i)縦軸線は、前記ブローチの前記近位端及び前記遠位端を通って延在し、(ii)前記深さ止めが前記ハンドルに固定されたとき、傾斜角は、前記仮想平面と前記ブローチの前記軸線との間に画定される、アセンブリ。
(2) 前記傾斜角は、約85°の大きさを有する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(3) 前記ハンドルのそれぞれの取り付けブラケットが、前記細長い本体の第1の側壁部内に画定された第1のスロットを含み、
前記深さ止めの前記取り付けブラケットは、それぞれの取り付けブラケットの前記第1のスロット内に受容されるように構成される第1のフランジを含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(4) 前記ハンドルのそれぞれの取り付けブラケットは、前記細長い本体の第2の側壁部内に画定された第2のスロットを更に含み、前記第2のスロットは、前記第1のスロットに平行に延在し、
前記深さ止めの前記取り付けブラケットは、前記第1のフランジから離間され、かつ、それぞれの取り付けブラケットの前記第2のスロット内に受容されるように構成される第2のフランジを更に含む、実施態様3に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(5) 第1の溝は、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に画定され、
前記深さ止めは、第1のアーム部と、第2のアーム部と、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間に画定され、かつ、前記ハンドルの前記細長い本体を受容するようにサイズ設定される第2の溝とを更に含み、
前記第2の溝は、前記第1の溝よりも広い、実施態様4に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
【0073】
(6) 前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部は、前記深さ止めの前記近位表面を画定するために協働し、
前記深さ止めの前記取り付けブラケットは、前記近位表面の反対側で、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部とに固定される、実施態様5に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(7) 前記深さ止めを前記ハンドルに固定するように構成されたロック機構部を更に含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(8) 前記ロック機構部は、ラッチプレートを含み、前記ラッチプレートは、(i)前記ラッチプレートが前記ハンドルの前記細長い本体と係合されるロック後の位置と(ii)前記プレートが前記細長い本体から離間される非ロック位置と、の間で移動可能である、実施態様7に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(9) 前記ロック機構部は、前記プレートを前記ロック後の位置において付勢するように構成された付勢要素を更に含む、実施態様8に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(10) 前記深さ止めは、(i)前記深さ止めの前記取り付けブラケットが前記ハンドルの第1の取り付けブラケットと離脱される第1の位置と(ii)前記深さ止めの前記取り付けブラケットが前記ハンドルの前記第1の取り付けブラケットと係合される第2の位置と、の間で移動可能であり、
前記プレートは、前記深さ止めが前記第1の位置から前記第2の位置に移動したときに前記細長い本体と係合して前記ロック後の位置と前記非ロック位置との間で前記プレートを移動させるように構成されたカム表面を含む、実施態様9に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
【0074】
(11) 前記深さ止めの前記近位表面は、捕捉されない遠位切断ガイドを画定する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(12) 前記ハンドルは、前記細長い本体上に画定された複数のマーキングを更に含み、各マーキングは、前記複数の取り付けブラケットのうちの1つに関連付けられる前記所定の距離を示すように構成される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(13) 前記深さ止めに結合されるように構成された複数のスペーサプレートを更に含み、それぞれのスペーサプレートは、(i)捕捉されない遠位切断ガイドを画定する近位表面と、(ii)前記深さ止めの前記近位表面と係合するように構成された遠位表面と、を含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具アセンブリ。
(14) 整形外科用手術器具であって、
第1のアーム部と、第2のアーム部と、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間に画定された第1の溝と、を含む底板であって、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部は、実質的に平面の近位表面を有する捕捉されない遠位切断ガイドを画定する、底板と、
第1のフランジと、第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に画定された第2の溝と、を含む、前記底板に結合された取り付けブラケットと、
前記整形外科用手術器具を第2の整形外科用手術器具に固定するように構成されたロック機構部と、を備え、
(i)前記近位表面は、仮想平面を画定し、(ii)前記第2の溝は、前記仮想平面を通って延在する軸線を画定し、(iii)傾斜角は、前記軸線と前記仮想平面との間に画定される、手術器具。
(15) 前記傾斜角は、約85°の大きさを有する、実施態様14に記載の整形外科用手術器具。
【0075】
(16) 前記ロック機構部が、
前記取り付けブラケットに移動可能に結合されたラッチプレートであって、(i)前記第2の整形外科用手術器具と係合するように構成された留め具と、(ii)前記留め具が前記第2の整形外科用手術器具と係合される第1の位置と、前記留め具が前記第2の整形外科用手術器具から離脱される第2の位置と、の間で前記ラッチプレートを移動させるように動作可能なユーザ操作式のボタンと、を含む、ラッチプレートと、
前記ラッチプレートを前記第1の位置において付勢するように構成される付勢要素と、を含む、実施態様14に記載の整形外科用手術器具。
(17) 整形外科プロテーゼを受容するように大腿骨の遠位端を外科的に調製する方法であって、
ハンドルの細長い本体に沿った複数の位置のうちの第1の位置にて深さ止めを前記ハンドルに取り付けることと、
複数の切歯が画定されたテーパ形状の外表面を有するブローチを前記ハンドルの端部に固定することと、
前記大腿骨の髄管の遠位開口部を介して前記大腿骨の解剖学的軸線に沿って前記ブローチを前進させることと、
前記深さ止めの近位表面を前記大腿骨の遠位表面と係合させることと、
を含み、傾斜角が、前記近位表面と前記大腿骨の前記解剖学的軸線との間に画定される、方法。
(18) 前記近位表面を係合させることは、前記傾斜角が約85°の大きさを有するように前記近位表面を係合させることを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記大腿骨の前記遠位表面に対して前記ブローチの奥行きを設計することと、
前記ブローチの前記設計された奥行きに基づいて前記複数の位置のうちの前記第1の位置を選択することと、
を更に含み、前記近位表面を係合させることが、前記ブローチが前記設計された奥行きにて前記髄管内に位置決めされたときに前記近位表面を係合させることを含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記ブローチの前記奥行きを設計することは、植え込まれる前記整形外科プロテーゼの大きさに基づいて前記奥行きを設計することを含む、実施態様19に記載の方法。
【0076】
(21) 前記深さ止めの前記近位表面の捕捉されない切断ガイドと係合して前記大腿骨の前記遠位端を切除することと、
前記遠位端を切除した後に前記大腿骨の解剖学的軸線に沿って前記ブローチを前進させることと、
前記遠位端を切除した後に前記深さ止めの前記近位表面を前記大腿骨の前記遠位表面と係合させることと、
を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(22) 前記大腿骨の前記遠位表面に対して前記ブローチの奥行きを設計することと、
前記設計された奥行きに基づいて、捕捉されない遠位切断ガイドを画定する近位表面を有するスペーサプレートを複数のスペーサプレートから選択することと、
前記スペーサプレートの前記近位表面が前記深さ止めの前記近位表面であるように前記スペーサプレートを前記深さ止めに取り付けることと、
を更に含む、実施態様21に記載の方法。