特許第6336312号(P6336312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6336312-積層装置および積層方法 図000002
  • 特許6336312-積層装置および積層方法 図000003
  • 特許6336312-積層装置および積層方法 図000004
  • 特許6336312-積層装置および積層方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336312
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】積層装置および積層方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-66519(P2014-66519)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-191945(P2015-191945A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−073966(JP,A)
【文献】 特開2008−270448(JP,A)
【文献】 特開2007−036074(JP,A)
【文献】 特開2003−059119(JP,A)
【文献】 特開昭64−041230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体と接着シートとを積層する積層装置であって、
前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、
前記接着剤層の流動性を向上させる流動性向上手段と、
前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、
前記流動性向上手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上可能に設けられていることを特徴とする積層装置。
【請求項2】
被着体と接着シートとを積層する積層装置であって、
前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、
押圧力を調整可能な押圧力調整手段を有し、当該押圧力調整手段で調整された押圧力で前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、
前記押圧力調整手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記押圧力を調整可能に設けられていることを特徴とする積層装置。
【請求項3】
第1被着体および第2被着体の少なくとも一方に積層された接着シートを介して前記第1被着体と前記第2被着体とを積層する積層装置であって、
前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、
前記接着剤層の流動性を向上させる流動性向上手段と、
前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、
前記流動性向上手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上可能に設けられていることを特徴とする積層装置。
【請求項4】
第1被着体および第2被着体の少なくとも一方に積層された接着シートを介して前記第1被着体と前記第2被着体とを積層する積層装置であって、
前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、
押圧力を調整可能な押圧力調整手段を有し、前記接着シートを間に挟んで当該押圧力調整手段で調整された押圧力で前記第1被着体および前記第2被着体の一方に他方を押圧して貼付する押圧手段とを備え、
前記押圧力調整手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記押圧力を調整可能に設けられていることを特徴とする積層装置。
【請求項5】
被着体と接着シートとを積層する積層方法であって、
前記接着シートの接着剤層の温度を検知する工程と、
検知された温度に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上させる工程と、
前記接着剤層の流動性が向上した接着シートを被着体に押圧して貼付する工程とを備えていることを特徴とする積層方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層装置および積層方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被着体と接着シートとを積層する積層装置が知られている。また、積層装置で積層される接着シートとして、押圧時に接着剤層が伸びるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−178874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の積層装置は、温度による接着シートの伸びの変化を考慮していないため、押圧時に接着剤層が被着面からはみ出したり、接着剤層が被着面の外縁まで広がらなかったりするという不都合がある。また、特許文献1に記載されたような基材を有する接着シートの場合、押圧時に接着剤層が基材からはみ出したり、接着剤層が基材の外縁まで広がらなかったりするという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、接着剤層を被着面や基材に対して適切な大きさに広げて貼付することができる積層装置および積層方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の積層装置は、被着体と接着シートとを積層する積層装置であって、前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、前記接着剤層の流動性を向上させる流動性向上手段と、前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記流動性向上手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の積層装置は、被着体と接着シートとを積層する積層装置であって、前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、押圧力を調整可能な押圧力調整手段を有し、当該押圧力調整手段で調整された押圧力で前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記押圧力調整手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記押圧力を調整可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の積層装置は、第1被着体および第2被着体の少なくとも一方に積層された接着シートを介して前記第1被着体と前記第2被着体とを積層する積層装置であって、前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、前記接着剤層の流動性を向上させる流動性向上手段と、前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記流動性向上手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の積層装置は、第1被着体および第2被着体の少なくとも一方に積層された接着シートを介して前記第1被着体と前記第2被着体とを積層する積層装置であって、前記接着シートの接着剤層の温度を検知する温度検知手段と、押圧力を調整可能な押圧力調整手段を有し、前記接着シートを間に挟んで当該押圧力調整手段で調整された押圧力で前記第1被着体および前記第2被着体の一方に他方を押圧して貼付する押圧手段とを備え、前記押圧力調整手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記押圧力を調整可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の積層装置は、前記接着剤層の流動性を向上させる流動性向上手段を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明のシート積層方法は、被着体と接着シートとを積層する積層方法であって、前記接着シートの接着剤層の温度を検知する工程と、検知された温度に基づいて、前記接着剤層の流動性を向上させる工程と、前記接着剤層の流動性が向上した接着シートを被着体に押圧して貼付する工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のような本発明によれば、接着剤層の温度に基づいて接着剤層の流動性を向上させ、または、接着剤層の温度に基づいて押圧力を調整するため、接着シートの伸び量を調整し、接着剤層を被着面や基材に対して適切な大きさに広げて貼付することができる。
【0013】
また、流動性向上手段を設ければ、接着シートの伸び量を調整することができるとともに、接着シートを被着体に密着させて貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る積層装置の側面図。
図2】接着シートの温度、押圧力、および伸び量の関係を示すグラフ。
図3】本発明の第2実施形態に係る積層装置の側面図。
図4】本発明の第3実施形態に係る積層装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態での同様の構成については、詳細な説明を省略する。
また、各実施形態および変形例において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥側方向とする。
【0016】
[第1実施形態]
図1において、積層装置10は、被着体としてのウエハWFと接着シートASとを積層する装置であって、接着シートASの接着剤AD層の温度を検知する温度検知手段20と、押圧力を調整可能な押圧力調整手段としての制御回路31Bを有し、当該制御回路31Bで調整された押圧力で接着シートASをウエハWFに押圧して貼付する押圧手段30と、接着剤AD層の流動性を向上させる流動性向上手段40とを備え、接着シートASを供給する供給手段50と、ウエハWFを支持する支持手段60との近傍に配置されている。なお、接着シートASは、基材BSと、基材BSの一方の面に設けられ、基材BSよりも小さい外形形状を有する接着剤AD層とを備え、基材BSの一方の面の外縁部全周に接着剤AD層が設けられていない接着剤未積層領域NAを有している。また、接着剤AD層は、加熱により流動性を発揮したり流動性が向上したりするものが採用されている。
【0017】
押圧手段30は、制御回路31Bで制御される駆動機器としての直動モータ31の出力軸31Aに支持され、押圧面32Aを有する押圧板32と、クーロン力によって押圧面32Aに接着シートASを引き付けて保持可能な静電チャック33とを備えている。なお、制御回路31Bは、直動モータ31のトルク検知機能、直動モータ31の外部で押圧力を検知する圧力センサやロードセル、積層装置10全体の動作を制御する図示しない制御手段等が例示できる。
【0018】
流動性向上手段40は、押圧板32内に設けられ、コイルヒータや赤外線ヒータ等のヒータ、ヒートパイプの加熱側、温水循環装置等で構成される。
【0019】
供給手段50は、帯状の剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを支持する支持ローラ51と、原反RSを案内する複数のガイドローラ52と、剥離シートRLを折り返して当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離板53と、駆動機器としての回動モータ54Aによって駆動する駆動ローラ54との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ55と、剥離シートRLを回収する回収ローラ56とを備えている。
【0020】
支持手段60は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によってウエハWFを吸着保持可能な支持面61Aを有するテーブル61を備えている。
【0021】
以上の積層装置10において、ウエハWFに接着シートASを貼付して積層する手順について説明する。
先ず、作業者が原反RSを図1に示すようにセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない入力手段を介して運転開始の信号を入力すると、供給手段50が回動モータ54Aを駆動し、原反RSを繰り出す。そして、剥離板53上に位置する接着シートASが所定位置に到達したことを光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段が検知すると、供給手段50が回動モータ54Aの駆動を停止し、当該供給手段50がスタンバイ状態となる。次いで、人手または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段により、テーブル61上にウエハWFを載置すると、支持手段60が図示しない減圧手段を駆動し、支持面61AでウエハWFを吸着保持する。
【0022】
次に、供給手段50および押圧手段30が回動モータ54Aおよび静電チャック33を駆動し、原反RSを繰り出して、剥離板53で剥離シートRLから剥離された接着シートASを押圧面32Aで保持する。そして、次の接着シートASが剥離板53上の所定位置で図示しない検知手段に検知されると、供給手段50が回動モータ54Aの駆動を停止し、当該供給手段50が再びスタンバイ状態となる。次いで、温度検知手段20が押圧面32Aで保持した接着シートASの接着剤AD層の温度を検知する。そして、押圧手段30が直動モータ31を駆動し、押圧板32を図1に示す初期位置からウエハWFに向かって下降させ、接着シートASをウエハWFの被着面WAに押圧して貼付する。
【0023】
次に、押圧手段30が静電チャック33の駆動を停止した後、直動モータ31を駆動し、押圧板32を初期位置に復帰させる。そして、支持手段60が図示しない減圧手段の駆動を停止した後、人手または図示しない搬送手段がウエハWFを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0024】
ここで、図2の各グラフを用いて、押圧手段30が接着シートASをウエハWFに貼付する具体的な例を説明する。なお、図2(A)は、直動モータ31が一定の押圧力(第1押圧力P1)を各接着シートAS(第1〜第4接着シートAS1〜AS4)に付与したときの、各接着シートASの接着剤AD層(第1〜第4接着剤AD1〜AD4層)の温度と、その伸び量との関係を表している。また、図2(B)は、第1〜第4接着剤AD1〜AD4層が一定の温度(第1温度T1)にあるときの、第1〜第4接着シートAS1〜AS4に対する直動モータ31の押圧力と、第1〜第4接着剤AD1〜AD4層の伸び量との関係を表している。
【0025】
例えば、所定の組成で構成された第1接着シートAS1に対して、温度検知手段20による検知結果が第1温度T1であった場合、図2(A)に示すように、第1接着剤AD1層の伸び量がΔ1となることが解っている。また、第1接着剤AD1層を基材BSの接着剤未積層領域NAの大きさに合わせて広げるには、第1接着剤AD1層の伸び量をΔ2としなければならないことも解っている。よって、第1接着シートAS1の場合、第1接着剤AD1層の伸び量をΔ2とするには、図2(A)に示すように、直動モータ31による押圧力を第1押圧力P1に維持したまま、流動性向上手段40がヒータ等を駆動し、第1接着剤AD1層の温度を第2温度T2にする第1動作を行うか、図2(B)に示すように、第1接着剤AD1の温度を第1温度T1に維持したまま、押圧手段30が直動モータ31を駆動し、第1接着シートAS1に付与する押圧力を第2押圧力P2にする第2動作を行う。これにより、接着剤AD層が放射状に伸び、図1中二点鎖線で示すように、接着剤AD層を基材BSの外縁にまで広げることができる。なお、第1動作を行う場合、押圧手段30は、直動モータ31の押圧力を調整する制御回路31Bはなくてもよく、第2動作を行う場合、流動性向上手段40はなくてもよい。また、第2〜第4接着シートAS2〜AS4においても上記と同様に、図2(A)、(B)のグラフ(データ)を基にして、上記同様の第1動作または、第2動作を行うことができる。
【0026】
以上のような実施形態によれば、接着剤AD層の温度に基づいて流動性向上手段40が接着シートASを加熱、または、接着剤AD層の温度に基づいて直動モータ31が押圧力を調整するため、接着シートASの伸び量を調整し、接着剤AD層を基材BSに対して適切な大きさに広げて貼付することができる。
【0027】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。
本実施形態の積層装置10Aは、第1実施形態の押圧手段30の代わりに押圧手段30Aを設けた点と、支持手段60の代わりに支持手段60Aを設けた点と、流動性向上手段40が剥離板53内に設けられた点とが、第1実施形態と相違する。
なお、接着シートASは、その供給方向(原反RSの繰出方向)上流側および、前後の外縁部分に接着剤未積層領域NAが設けられている。
【0028】
押圧手段30Aは、押圧力調整手段としての制御回路34Bで制御される駆動機器としての直動モータ34の出力軸34Aにブラケット35を介して支持された押圧ローラ36を備えている。
【0029】
支持手段60Aは、駆動機器としてのリニアモータ62のスライダ62Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によってウエハWFを吸着保持可能な支持面63Aを有するテーブル63とを備えている。
【0030】
以上の積層装置10Aにおいて、ウエハWFに接着シートASを貼付して積層する際は、支持手段60Aがリニアモータ62を駆動し、ウエハWFを支持したテーブル63を左方向に移動させ、ウエハWFが剥離板53の下方の所定位置に到達したことが光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段に検知されると、供給手段50が回動モータ54Aを駆動し、接着シートASを剥離シートRLから剥離して供給する。そして、押圧ローラ36が接着シートASをウエハWFに押圧して貼付する。このときも第1実施形態と同様にして、直動モータ34や流動性向上手段40を駆動し、第1動作または、第2動作を行う。これにより、接着剤AD層が前後方向および右方向に伸び、図3中左側の二点鎖線で示すように、接着剤AD層を基材BSの外縁まで広げることができる。
【0031】
以上のような実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、接着シートASを一方側から他方側に向かって貼付するため、空気を追い出すようにして接着シートASを貼付することができ、当該接着シートASと被着面WAとの間に気泡が形成されることを防止することができる。
【0032】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図4に基づいて説明する。
積層装置10Bは、被着体としての第1被着体WK1および被着体としての第2被着体WK2の少なくとも一方に積層された接着シートASとしての接着シートAS5を介して第1被着体WK1と第2被着体WK2とを積層する装置であって、温度検知手段20と、押圧力を調整可能な押圧力調整手段としての制御回路31Bを有し、接着シートAS5を間に挟んで当該制御回路31Bで調整された押圧力で第1被着体WK1および第2被着体WK2の一方に他方を押圧して貼付する押圧手段30と、接着剤AD層の流動性を向上させる流動性向上手段40とを備え、支持手段60の上方に配置されている。なお、接着シートAS5は、接着剤AD層により構成され、第2被着体WK2に点接触可能な1の頂点TPを備え、当該頂点TPから離間したいずれの位置においても当該頂点TP側が外縁側に比べて肉厚に設けられている。また、第1被着体WK1は、被着面WA1の外縁部全周に接着剤AD層が設けられていない接着剤未積層領域NAを有している。
【0033】
以上の積層装置10Bにおいて、第1被着体WK1と第2被着体WK2とを積層する際は、図4(A)に示すように、第1実施形態と同様にして接着シートAS5が積層された第1被着体WK1を支持手段60が支持し、押圧手段30が静電チャック33を駆動し、第2被着体WK2を押圧面32Aで保持して、図4(B)に示すように、第1実施形態と同様にして当該第2被着体WK2を接着シートAS5に押圧して貼付する。このときも第1実施形態と同様にして、直動モータ31や流動性向上手段40を駆動し、第1動作または、第2動作を行う。
【0034】
以上のような実施形態によれば、接着剤AD層の温度に基づいて流動性向上手段40が接着シートAS5を加熱、または、接着剤AD層の温度に基づいて直動モータ31が押圧力を調整するため、接着シートAS5の伸び量を調整し、接着剤AD層を被着面WA1、WA2の外縁にまで広げることができ、当該接着剤AD層を適切な大きさに広げて貼付することができる。
また、第2被着体WK2が接着シートAS5の頂点TPから外縁方側に向かって貼付されるため、空気を追い出すようにして接着シートAS5に貼付することができ、当該接着シートAS5と被着面WA2との間に気泡が形成されることを防止することができる。
なお、本実施形態の場合、第2被着体WK2に頂点TPが下方となるように接着シートAS5を貼付しておき、接着シートAS5が積層されていない第1被着体WK1を支持手段60で支持して、第1被着体WK1と第2被着体WK2とを積層してもよいし、第1被着体WK1と第2被着体WK2との両方に、頂点TPが向き合うように接着シートAS5を積層し、それらを積層してもよい。
【0035】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0036】
例えば、流動性向上手段40が第1接着剤AD1層を第2温度T2以下の第3温度に加熱してから、当該第3温度を維持したまま、押圧手段30が直動モータ31を駆動し、第1接着シートAS1に付与する押圧力を第2押圧力P2にする動作を行ってもよい。この場合、第1接着剤AD1層が第3温度のとき、直動モータ31が第1押圧力P1を第1接着シートAS1に付与した際の第1接着剤AD1層の伸び量が解っており、第1接着剤AD1層が第3温度のとき、第1接着シートAS1に対する直動モータ31の押圧力と、第1接着剤AD1層の伸び量との関係が解っていればよい。
【0037】
さらに、押圧手段30、30Aは、熱風を噴き付けることにより、接着シートASをウエハWFに押圧する構成を採用してもよい。この場合、押圧手段30、30Aは、噴き付ける熱風の量や速度を変化させることで、押圧力を調整すればよい。
また、押圧手段30、30Aは、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用してもよい。
さらに、押圧手段30は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって、押圧面32Aに接着シートASや第2被着体WK2を引き付けて保持するように構成してもよいし、メカチャックで接着シートASや第2被着体WK2を保持するように構成してもよい。
【0038】
また、流動性向上手段40は、ペルチェ素子やヒートパイプの冷却側等の冷却手段、光照射手段、マイクロ波照射手段、紫外線照射手段、赤外線照射手段、マイクロ波照射手段、X線照射手段、超音波振動装置や偏心モータ等の振動付与装置等、接着剤AD層の特性によって、その流動性を向上させることができるものを適宜選択することができる。
【0039】
さらに、供給手段50は、図1中二点鎖線で示すように、第3実施形態で示した接着シートAS5を供給してもよい。
また、供給手段50を設けずに、人手で接着シートASを供給するようにしてもよい。
【0040】
さらに、接着剤AD層は、被着体に線接触可能な1の頂線を備え、頂線から離間したいずれの位置においても当該頂線側が外縁側に比べて肉厚に設けられてもよい。この場合、頂線は、正面視(図4の左右方向から視て)上方に湾曲または折れ線状に折れ曲がっていてもよいし、平面視(図4の上方から視て)湾曲または折れ線状に折れ曲がっていてもよい。
また、接着剤AD層は、頂点TPが基材BSの中心と一致し、当該頂点TPから前後左右に側面視または正面視で直線状または曲線状に傾斜する略四角錐形状に形成されてもよい。なお、接着剤AD層は、略三角錐状でもよいし、略五角錐、略六角錐・・・といった略五角錐以上でもよく、その形状に何ら限定はない。また、基材BSも三角形や五角形、六角形・・・といった五角形以上でもよいし、楕円形やその他の形状でもよく、その形状に何ら限定はない。
さらに、接着剤AD層は、傾斜面が側面視で凹状、凸状に湾曲した曲線状の略円錐形状または角錐形状に形成されもよい。
また、接着剤AD層は、頂線が基材BSの中央を通り、当該頂線から側面視または正面視で少なくとも左右および前後の何れかの方向に直線状、曲線状または折れ線状に傾斜する複数の傾斜面を備えてもよい。
さらに、接着シートASは、第1〜第4接着シートAS1〜AS4だけでなく、その他の接着シートが採用された場合でも、図2(A)、(B)に対応するグラフ(データ)を基にして、上記同様の第1動作または、第2動作を行うことができる。
【0041】
また、本発明における接着シートASおよび被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材BSと接着剤AD層との間に中間層を有するもの、基材BSの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材BSを接着剤AD層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0042】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、温度検知手段は、接着シートの接着剤層の温度を検知可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0043】
10、10A、10B 積層装置
20 温度検知手段
30、30A 押圧手段
31B、34B 制御回路(押圧力調整手段)
40 流動性向上手段
AS 接着シート
WK1 第1被着体(被着体)
WK2 第2被着体(被着体)
WF ウエハ(被着体)
図1
図2
図3
図4