(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項2に記載の方法であって、追加的に、前記横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)を使用して生物学的サンプル(1)を収容する1つまたはそれ以上の容器を脱キャップするステップを有する、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)はグリッパであり、前記廃棄可能なキャップ供給装置(2)の前記区画(12)は、各キャップ(3)の周りに、前記グリッパが前記区画(12)から前記キャップ(3)を取り出すのに十分な自由空間(40)を有する、方法。
請求項5に記載の事前分析システム(4)であって、前記プログラム可能な制御ユニット(11)は、前記廃棄可能なキャップ供給装置(2)が備えるIDタグ(14)にしたがってプログラムされる、事前分析システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の側面において、本発明は、生物学的サンプル(1)を収容する容器にキャップをするための方法を提供し、本方法は、
a)生物学的サンプル(1)を収容する容器のための複数のキャップ(3)を保持するキャップ供給装置(2)を提供するステップを有し、かかるキャップ供給装置(2)は、予め画定される幾何学的構成においてキャップ(3)を収容する区画(12)を有し、
b)かかる方法はさらに、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)内に挿入およびそこから取り出すためのフィーダ(7)に、キャップ供給装置(2)を可逆的に装填することにより、ハウジング(5)を有する事前分析システム(4)内に、前記ハウジング(5)内のインターフェース(6)を介して、キャップ供給装置(2)を導入するステップと、
c)かかる方法はさらに、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)で、キャップ供給装置(2)からキャップ(3)を取り出し、生物学的サンプル(1)を収容する容器を保持するワークステーション(9)にキャップ(3)を移動させるステップと、
d)横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータを使用して、生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップ(3)でキャップするステップと、
e)所定回数、またはキャップ供給装置(2)の全てのキャップ(3)が横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)により取り出されるまで、ステップb)からステップd)を繰り返すステップと、
f)事前分析システム(4)からキャップ供給装置(2)を取り出すステップと、
を有する。
【0011】
この方法は、様々な利点を提供し、たとえば、本稿で説明される方法によれば、事前分析システム(4)へ廃棄可能なキャップ供給装置(2)を提供し、またそこから再び取り出すことができ、追加的な複雑なハードウェアの必要を無くす。米国特許第7421831号明細書において、キャップおよび/または脱キャップのためのカートリッジは、(脱)キャップするプロセスを促進するために特別に構成および配置される多数のシステム要素と相互作用する。他の構造の中で、この文献は、エレベータトラック、およびカートリッジのためのロードアームを含むエレベータを開示する。それぞれのカートリッジホルダは、カートリッジのアームを駆動するための駆動モータを接続する手段を含む。
【0012】
反対に、本稿で説明される方法は、単に、ロボットマニピュレータ(8)の存在を必要とするだけであり、いくつかの実施形態においては、ロボットマニピュレータ(8)は、システム内の様々な他のタスクのためにも用いることができる。たとえば、ロボットマニピュレータ(8)は、たとえば、生物学的サンプル(1)を収容する容器、および/または、容器キャップ(3)の異なる層(41)を分離するクレードル(16)のようなキャップ供給装置(2)の部品、のような他の要素を移動させるようにすることができる。
【0013】
さらに、本稿で説明される方法は、エレベータ、ドライブモータなどのシステム要素のための追加の空間(「床面積」)を必要とせず、それぞれの事前分析システムをより小型、経済的にでき、複雑さを低減することができる。
【0014】
さらに、キャップ(3)を取り出すためにロボットマニピュレータ(8)は、キャップ供給装置(2)そのものとは相互作用する必要がないので、本稿で説明される方法で使用されるキャップ供給装置(2)は、高レベルの複雑さを必要としない。
【0015】
したがって、本稿で説明される方法は、最小のハードウェアを必要とする、容器にキャップを提供するための簡易的で経済的な方法を提供し、また、供給装置(2)は高価でない材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は、キャップ供給装置(2)は廃棄可能な要素であり、すなわち、所定回数の使用の後に捨てることができる。いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は1回使用の要素である。
【0016】
「容器」または「反応容器」との語は、非限定的に、チューブ、またはマイクロウェルのようなプレートのウェル、深いウェル、または他のタイプの多数ウェルプレートを含む。そのような容器の外側の限界またはウェルは、化学的に不活性であり、容器内で生じる反応に干渉しないようにする。そのような反応は、化学的または生物化学的な反応を含むことができ、たとえば、核酸のような生物学的材料の増幅、または生物学的材料を固体支持体上への固定のような結合反応などを含む。いくつかの実施形態において、容器はチューブであり、また、「サンプルチューブ」とも言及され、これはサンプルを収集する試験管などとすることができ、患者からサンプルを受け取り、そこに収容されたサンプルを診断目的のために分析研究所に輸送するために使用される「主チューブ」と言及されることがあり、または、主チューブからサンプルの一部を受け取るために使用される「第2チューブ」と言及されることもある。
【0017】
「生物学的サンプル」との語は、潜在的に関心分析物を含み得る材料を指す。サンプルは、生物学的なソースから引き出すことができ、血液、唾液、眼球レンズ流体、脳脊髄流体、汗、尿、母乳、腹水流体、粘液、滑液、腹膜液、羊膜液、組織、細胞等を含む生理学的流体などである。テストサンプルは、血液からの血漿、希釈粘性流体、溶解などの準備のように、使用前に予め処理することができる。処理の方法は、フィルタ、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、および試薬の追加を含むことができる。生物学的サンプルは、ソースから取得されたものを直接的に使用することができ、または、サンプルの特性を修正するために前処理された後に使用することができ、たとえば、他の溶液で希釈された後、または、試薬と混合された後に使用することができ、たとえばたとえば臨床化学アッセイ、免疫学的アッセイ、凝固アッセイ、核酸テストなどのような1つ以上の診断アッセイを実行するために使用される。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、ある種の核酸を含むと推測される。
【0018】
「キャップ供給装置」との語は、本発明においては、生物学的サンプル(1)を収容する容器のための複数のキャップ(3)を有する容器である。キャップ供給装置(2)は、特定の形状または材料に限定されず、いくつかの実施形態においては、本願の図面に例示されるように、予め画定された幾何学的構成において複数の容器(1)を収容する。キャップ供給装置(2)は、1つ以上の層(41)においてキャップ(3)を保持することができる。キャップ供給装置(2)を形成することができる材料は、たとえば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、環式オレフィンコポリマー(COC)またはポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチックを有する。いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は、ブリスタパックであり、いくつかの実施形態において、熱成形または冷間成形により形成される。熱成形の場合、プラスチックフィルムまたはシートをリールから解き、ブリスタライン上の予熱ステーションに導く。予熱プレート(上プレートおよび下プレート)の温度は、プラスチックが軟化してしなやかになるような温度である。温かいプラスチック成型ステーションに到達し、ここで大きな圧力(4から8bar)で凹型にブリスタキャビティを形成する。型は、プラスチックが再び硬化し、型から取り出した時に形状を維持できるまで冷却される。複雑な形状の場合、温かいフィルムは、「プラグアシスト」特徴により、キャビティ内に物理的に部分的に押し入れられる。プラグアシストは、より均一な壁の分配でブリスタキャビティを生じさせる。
【0019】
キャップ供給装置(2)の寸法に関して、高さは少なくともキャップ(3)の高さを備え、キャップ(3)がキャップ供給装置(2)により囲まれ、キャップ供給装置が事前分析システム(4)内に導入されロボットマニピュレータ(8)により取り出されるまで、キャップ(3)が周囲に露出されることがないようにする。結果として、キャップ供給装置(2)内に複数の層(41)を形成するようにキャップ(3)が積まれる場合、キャップ供給装置の高さは、少なくとも積まれたキャップ(3)の高さになる。キャップ供給装置(2)の長さおよび幅は、少なくとも、収容する複数のキャップ(3)の1つの層の寸法に従う。たとえば、いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は、6×8のマトリックスでキャップ(3)を収容する。したがって、そのような実施形態において、キャップ供給装置(2)は、少なくとも、6個の幅および8この長さで並べられたキャップ(3)の寸法を備える。いくつかの実施形態において、キャップ(3)の周りの区画(12)にいくらかの空間が必要である。これらの実施形態において、キャップ(3)を取り出すことができるようにするために、キャップ供給装置(2)の長さおよび幅は、典型的には、上述の最小の寸法を超えるであろう。
【0020】
キャップ供給装置(2)の「区画」は、キャップ(3)を有するサブ構造である。これらは、いくつかの実施形態において、キャップ供給装置の材料の突出部(18)により分離される中空シリンダであり、中空シリンダ区画内にキャップ(3)が積まれてコラムを形成する。他の実施形態において、区画(12)は、ソケットにより形成され、キャップ供給装置(2)内で移動することができないようにここにキャップ(3)が固定される。いくつかの実施形態において、他のキャップ(3)は、ソケット上に配置される最も下のキャップの上に積み重ねられる。区画(12)がキャップ(3)を収容する中空シリンダまたは他の中空幾何学形状である場合、いくつかの実施形態において、たとえば、ロボットマニピュレータ(8)がロボットグリッパである場合、シリンダの境界とキャップ(3)の外側の境界との間に十分な空間(40)があり、ロボットグリッパのグリップ部(23)がこの自由空間(40)に入りキャップ(3)を把持できる。
【0021】
「予め決定された幾何学的構成」との語は、本発明の文脈においては、区画(12)および収容されるキャップ(3)が組み立てられる構造である。この構造は、ロボットマニピュレータ(8)が、たとえばセンサを必要とせずにキャップが保持された位置を見つけることを可能にする。しかし、本発明の範囲内において、そのようなセンサがマニピュレータ(8)に含まれてもよい。区画(12)内の予め画定された幾何学的構造なしに、キャップ(3)は、ロボットマニピュレータ(8)がキャップ供給装置(2)から取り出すことができる適切な角度で位置決めできないことがある。いくつかの実施形態において、予め画定された幾何学的構造は、いくつかの実施形態において互いに垂直に配置される列および行を有する。いくつかの実施形態において、そのような配置は、たとえば、3×4、4×4、3×6、4×6、6×6、6×8、8×8または他の可能なマトリックスである。
【0022】
本発明の文脈において、「キャップ」は、異なる材料、異なる形状および色で形成することができ、典型的には、チューブのタイプに関連付けられ、すなわち、チューブ内のサンプルのタイプ、またはチューブ内のサンプルが受ける条件のタイプ、または、チューブおよびサンプルになされる処理のタイプに関連付けられる。いくつかの実施形態において、キャップ(3)は、ネジ付きキャップであり、それぞれの容器(1)にネジ係合および脱ネジ係合できるようにされる。他の実施形態において、キャップ(3)は、それぞれの容器(1)に対するスナップ嵌合機構を形成する。本発明に文脈において、他の閉鎖機構も可能である。
【0023】
容器(1)をキャップ(3)で閉鎖する動作は、「キャップする」と言及され、キャップ(3)を取り外す動作を「脱キャップする」と言及されます。「キャップする」とは、いくつかの実施形態において、「可逆的に閉鎖する」ことを意味し、たとえは成分の分析のために容器内に収容された生物学的サンプルにアクセスするために、しばしはキャップされた容器(1)は後に再び脱キャップする必要がある。上述したように、キャップすることは、ネジ付きキャップを使用して回転運動させることで達成することができ、または、力により嵌合するために圧力を付与することなども含む。
【0024】
「事前分析システム」とは、互いに相互作用する機器が分析のために所与のサンプルを準備することを最終的に目的とするような、要素の構成である。また、事前分析システムは、分析のための要素を含むことができ、すなわち、そのような場合、準備されたサンプルは、分析のために異なるシステムに移動させる必要がない。
【0025】
事前分析システム(4)は、「制御ユニット」(CU)を含むことができる。そのような制御ユニットは、分離したユニットとすることができ、または、分析機器の一体的な部分とすることもできる。制御ユニットは、アッセイプロトコルに必要なステップが実行されるように、事前分析システム(4)を制御する。これは、制御ユニットが、たとえばサンプルを試薬と混合するための所定のピペッティングステップを実行するようにシステムに命令すること、所定の時間サンプル混合物をインキュベートするように命令すること等を意味する。制御ユニットは、データ管理ユニットから、あるサンプルに対してどのようなテストがなされるかについての情報を受け取ることができ、また、それに基づいて事前分析システム(4)が実行すべきステップを決定することができる。いくつかの実施形態において、制御ユニットは、データ管理ユニットと一体的なものとすることができ、または、共通のハードウェアに実装することができる。
【0026】
テスト要求データベースを有する「データ管理ユニット」は、容器(1)内に収容されるサンプルになされるアッセイに関するサンプルチューブの同定を可能にする。1つまたはそれ以上の特定のサンプルに実行される分析テストは、テスト要求と呼ばれる。データ管理ユニットは、多くの実施形態において、LIS(試験所情報システム)および/またはHIS(病院情報システム)に接続される。データ管理ユニット(DMU)は、事前分析システム(4)内にあるユニットまたはともに配置されるユニットとすることができ、たとえば、制御ユニットの一部とすることができる。代替的にDMUは、事前分析システム(4)から離れて配置されるユニットとすることができ、たとえば、事前分析システム(4)にネットワークを介して接続されるコンピュータ内に実装することができる。
【0027】
本発明の文脈において、事前分析システム(4)は、「ハウジング」を有し、これは少なくとも部分的に、事前分析システム(4)のシステムコンポーネントを囲う。いくつかの実施形態において、ハウジング(5)は、システムコンポーネントを完全に囲う。ハウジング(5)は、システムコンポーネントを外界から分離し、たとえば、間違った分析結果を導く可能性のある潜在的な汚染源から隔離する。一方で、たとえば臨床サンプルのような生物学的材料は、感染性の成分を含むことがあり、ハウジング(5)は、そのような材料による技術者の感染のリスクを低減する。ハウジング(5)は、様々な材料から形成することができ、たとえば、金属および/またはプラスチックを含む。ハウジング(5)は、透明または不透明とすることができ、または、透明な要素を含むことができ、たとえば、外側から事前分析システム(4)内の所定のプロセスを人が視覚的に監視することができるようにするための窓を含むことができる。上述したように、事前分析システムは、分析要素を含むこともできる。事前分析準備および準備されたサンプルを同一のハウジング内で分析することは、潜在的な感染性のサンプル材料および/または汚染に敏感な材料の露出を最小化し、ワークフローを容易にする。
【0028】
ハウジング(5)内の「インターフェース」は、事前分析システム(4)の内側と外側との間の物理的な連絡を可能にするゲートである。いくつかの実施形態において、インターフェース(6)は、事前分析システム(4)の中および外に要素またはサンプルを移動させるために、手動または自動で開閉できる蓋を有する。
【0029】
「フィーダ」は上述されるインターフェース(6)の一部である。フィーダは、インターフェース(6)を介した、事前分析システム(4)の外側から内側への、キャップ供給装置(2)の自動または手動の輸送を容易にし、また、反対方向への取り出しも容易にする。いくつかの実施形態において、たとえば、フィーダは、引出しまたはロボットアームまたはサスペンションのような移動する部分である。
【0030】
「可逆的なドッキング」は、本発明において、物体を互いに後に脱係合できるように取り付けることを意味する。たとえば、キャップ供給装置(2)は、たとえば、ラッチ、力による嵌合(たとえば摩擦/表面粘着により)、形状嵌合(たとえばボルト、バヨネット連結、スナップ嵌め、型内のくり抜き)、フックアンドループ結合、圧力(たとえば、手動またはロボットアームにより付与され、または真空付与される)、磁気、または他の手段などの任意の好適な機構により可逆的にフィーダにドッキングすることができる。キャップ供給装置(2)は、可逆的にフィーダ(7)に直接的または間接的にドッキングできる。「可逆的にドッキング」するとは、含まれる物体を破壊または損傷することなく、容易に脱係合できることを暗示している。
【0031】
いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は、「マウント」を有し、これは、キャップ供給装置(2)と事前分析システム(4)の一定の要素、たとえばフィーダ、との間の物理的な相互作用を促進する構造である。より具体的には、いくつかのマウント(13)を含む実施形態において、これは、キャップ供給装置(2)のフィーダ(7)への可逆的なドッキングを促進することができる。他の実施形態において、マウント(13)は、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)内のホルダに取り付けるために用いることができ、キャップ(3)がロボットマニピュレータ(8)により取り出されるときに、供給装置(2)がz方向および/またはx/y方向に固定されるようにする。
【0032】
それゆえ、本発明の一側面は、本稿で説明される方法であり、キャップ供給装置(2)はマウント(13)を有する。
「横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ」は、事前分析システム(4)内の他の要素および/または事前分析システム(4)内で使用される廃棄可能な要素をハンドルするロボット要素である。ロボットマニピュレータは、横方向(x軸またはy軸に沿う)および縦方向(z軸に沿う)に移動することができる。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、マニピュレータ(8)は、事前分析システム(4)の一部または全部の中で移動することができる。移動可能とするために、マニピュレータ(8)は、たとえば、柔軟につりさげられ、および/または柔軟なロボットアームを有する。たとえば、横方向の運動は、たとえば、事前分析システム(4)のハウジング(5)の床または天井に固定される回転可能なロボットアームにより実行できる。縦方向の運動は、たとえばテレスコープアームにより達成することができる。また、マニピュレータ(8)は、ベースにおいて、たとえば事前分析システム(4)の底部において、回転可能な2つに分かれたロボットアームを備えることができ、アームの2つの部分は、ヒンジまたは他のタイプのジョイントを介して互いに取り付けることができる。組み合わされたヒンジの運動とベースにおけるアームの回転により、ロボットマニピュレータ(8)は、全ての方向に移動可能とすることができる。他のシステム要素のような材料、または容器またはキャップのような廃棄可能な材料を扱うために、マニピュレータは、たとえば、グリッパアーム(23)を備えることができる。そのような実施形態において、ロボットマニピュレータ(8)は、グリッパである。代替的または追加的に、マニピュレータ(8)は、真空または少なくとも負圧を付与する手段を備えることができる。そのような構造は、たとえば、真空キャップとすることができ、またはそれを備えることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)が使用される。たとえば、2つ、3つ、4つのロボットマニピュレータ(8)は、事前分析システム(4)内で同時にまたは異なる時間に動作することができる。一実施形態において、2つのロボットマニピュレータ(8)は同時にキャップ(3)をキャップ供給装置(2)から取り出し、一実施形態において、ロボットマニピュレータ(8)によりそれぞれの区画(12)から同時に取り出される2つのキャップ(3)の間に、少なくとも1つのキャップ(3)がキャップ供給装置(2)内にある。
【0033】
「ワークステーション」は、たとえば、ピペッティング、混合、加熱/冷却、磁気操作などのいくつかのステップが行われる事前分析システム(4)の一要素である。したがって、ワークステーション(9)は、たとえば、ペルチェ素子のような加熱/冷却要素、または磁石などのような要素を含むことができる。この目的のため、ワークステーション(9)は、たとえば、容器(1)とは異なる種類のホルダを含むことができる。
【0034】
生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップする前または後で、たとえば、分析または他の操作のために、生物学的サンプルにアクセスするために脱キャップする必要があることがある。たとえば、容器(1)の脱キャップは、生物学的サンプルの事前分析準備のために行うことができる。したがって、容器内のサンプルを事前分析システム(4)内の異なる場所、または分析システムに安全に輸送するために、準備されたサンプルは再びキャップされ、分析システムで、生物学的サンプルの分析が実行され、たとえば、核酸分析の場合は増幅などがなされる。
【0035】
それゆえ、本発明の一側面は、本稿で説明される方法であり、追加的に、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)を用いて生物学的サンプルを収容する1つまたはそれ以上の容器を脱キャップするステップを有する。
【0036】
上述したように、脱キャップは、システムをより複雑および大型化させ得るさらなる要素を必要とすることなく、同一のロボットマニピュレータ(8)により実行される。本稿で説明される方法のいくつかの実施形態において、本方法は、さらに、事前分析システム(4)にある廃棄容器(10)内にそれぞれの1つまたはそれ以上のキャップ(3)を廃棄することを含む。
【0037】
上述したように、ロボットマニピュレータ(8)はグリッパとすることができる。そのような実施形態においては、キャップ(3)の周りの区画(12)内に十分な空間(40)があり、ロボットグリッパのグリップ部(23)が自由空間(40)に入りキャップ(3)を把持することができる。
【0038】
本発明の一側面は、本稿で説明される方法であり、ここで、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)はグリッパであり、キャップ供給装置(2)の区画(12)は、キャップ(3)の周りに、区画(12)からキャップ(3)を把持して取り出すのに十分な自由空間(40)をする。
【0039】
たとえば、フックを備えるマニピュレータ(8)は、扱われる要素上に穴またはそれに等価な特徴を必要とするのに対して、ロボットグリッパは、扱われる任意の要素が、グリッパと相互作用するための特定の構造的な特徴を備える必要がない、という利点を提供する。いくつかの実施形態において、グリッパは、扱われる要素のサイズおよび形状に対して柔軟である。
【0040】
一度に予備準備システム(4)に比較的多数のキャップ(3)を提供するために、本稿で説明される方法において、キャップ供給装置(2)内のキャップ(3)は、複数の層(41)を形成するように積み重ねられる。
【0041】
そのような実施形態において、キャップ(3)は、たとえば、複数のキャップが互いに直接的に積み重ねられるような適切な形状を備え、または、キャップ(3)の層(41)の間にシートまたはクレードル(16)のような分離層を備えるようにすることができる。キャップ(3)を積み重ねるための他の可能性は、当業者に知られている。
【0042】
容器(1)がネジキャップまたは類似の閉鎖体により閉鎖される場合、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)は、それぞれのキャップ(3)をネジ留めまたは脱ネジするために回転運動を実行できる必要がある。それゆえ、本発明の他の側面は、本稿で説明される方法であり、ここで、ステップd)における生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップするステップは、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータの回転運動により実行される。
【0043】
また、本発明の一側面は、方向で説明される方法であり、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)は、プログラム可能な制御ユニット(11)により制御される。
【0044】
「プログラム可能な制御ユニット」は、ロボットマニピュレータ(8)を操作する要素である。これは、事前分析システム(4)について上述したものと同一の制御ユニットとすることができ、または、異なる制御ユニットとすることもできる。ロボットマニピュレータ(8)に関して、プログラム可能な制御ユニット(11)は、たとえばキャップ(3)および容器(1)の位置を考慮し、またはいくつかの実施形態においては他の要素の位置も考慮に入れ、それにしたがってマニピュレータ(8)の運動を制御する。たとえば、キャップ供給装置(2)内のそれぞれの区画の特定の位置でキャップ(3)がピックアップされ、その後、ワークステーション(9)内の容器(1)に輸送されるように、制御ユニット(11)をプログラムすることができる。キャップ(3)がネジキャップの場合、制御ユニット(11)は、容器(1)をキャップするためにマニピュレータ(8)を回転させるようにプログラムすることができる。上述したように、制御ユニット(11)は、データ管理ユニットからまたはそれを介して情報を受け取ることができる。たとえば、キャップ供給装置(2)は、バーコードまたはRFID(ラジオ周波数ID)タグなどのようなIDタグ(14)を含むことができる。IDタグに含まれる情報は、データ管理ユニットにより処理され、プログラム可能な制御ユニット(11)に伝達するようにすることができ、たとえば、キャップ(3)がネジキャップであるとの情報を受け取った場合、回転運動を開始するなどする。また、ロボットマニピュレータ(8)が、たとえばグリッパである場合、グリッパアーム(23)によりグリップ運動を実行するときに、容器(1)およびキャップ(3)のサイズおよび形状に関する情報は、プログラム可能な制御ユニット(11)により考慮される。
【0045】
他の側面において、本発明は、生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップするための事前分析システム(4)に関し、事前分析システム(4)は、
・生物学的サンプル(1)を収容する容器のための複数のキャップ(3)を収容するキャップ供給装置(2)を有し、キャップ供給装置(2)は、予め画定される幾何学的構成にキャップ(3)を収容する区画(12)を有し、
・事前分析システム(4)は、事前分析システム(4)の要素を少なくとも部分的に囲うハウジング(5)を有し、かかるハウジング(5)は、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)内に挿入し、およびそこから取り出すためのフィーダ(7)を有するインターフェース(6)を有し、
・事前分析システム(4)は、事前分析システム(4)内でキャップ(3)を輸送し、生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップ(3)でキャップするための、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)を有し、
・事前分析システム(4)は、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)を制御するための、プログラム可能な制御ユニット(11)を有し、
・事前分析システム(4)は、生物学的サンプル(1)を収容する容器を保持するワークステーション(9)を有する。
【0046】
上述したように、ハウジング(5)に関する「部分的に囲う」とは、要素を備える事前分析システム(4)の内側の、外界からまたその逆からの分離および可能な保護を意味し、それにより、分析成分の汚染を防止し、また、感染性のサンプル材料の汚染物の損失を防止する。いくつかの実施形態において、ハウジング(5)は、事前分析システム(4)の要素を完全に囲い、インターフェース(6)だけが、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)内へまたそこから外へ輸送するための唯一の可能性である。
【0047】
いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)はマウント(13)を有する。
いくつかの実施形態において、本稿で説明される事前分析システム(4)は、追加的に、廃棄されるキャップ(3)を収集するための廃棄コンテナ(10)を有する。
【0048】
本発明の1つの利点は、使用後のシステム(4)からキャップ供給装置(2)が取り出されることである。したがって、システム(4)内の廃棄コンテナ(10)または可能な他の成分は、使用されたキャップ供給装置(2)を収集する必要はなく、これは、事前分析システム(4)内の相当な量の空間を必要とすることがあり、廃棄コンテナ(10)を頻繁に交換する必要がある状況をもたらし得る。廃棄されるキャップだけが廃棄コンテナ(10)内に収集される場合、これらの交換間隔は優位に大きくなる。いくつかの実施形態において、また、廃棄コンテナは、それぞれのキャップ供給装置(2)から取り外されるクレードル(16)を収集する。また、供給装置(2)内のキャップ(3)の区別できる層(41)を分離するためのクレードルは、キャップ供給装置(2)の全体よりも優位に小さい空間を必要とする。
【0049】
本稿で説明される事前分析システム(4)のいくつかの実施形態において、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)はグリッパであり、キャップ供給装置(2)の区画(12)は、各キャップ(3)の周りに、グリッパが区画(12)からキャップ(3)を取り出すのに十分な自由空間(40)を有する。
【0050】
上述したように、いくつかの実施形態において、プログラム可能な制御ユニット(11)は、キャップ供給装置(2)に備えられるIDタグ(14)にしたがってプログラムされる。いくつかの実施形態において、IDタグ(14)はバーコードであり、他の実施形態においてはRFIDタグである。
【0051】
そのようなIDタグ(14)は、操作する人によって導入される必要のない情報(たとえば、キャップ(3)のサイズ、形状、数、および/または位置など)をシステム(4)に提供することで、事前分析システム(4)の自動化のレベルを高めることができる。上述したように、キャップ供給装置(2)が、フィーダ(7)を備えるインターフェース(6)を介してシステム(4)にロードされると、これらの実施形態は、事前分析システム(4)における分析ステップまたは事前分析ステップを実行するために必要な時間を低減させる利点を提供する。
【0052】
本稿で説明される事前分析システムのいくつかの実施形態において、フィーダとキャップ供給装置(2)との間の相互作用を増強するために、フィーダ(7)は、キャップ供給装置(2)が備えるマウント(13)のためのホルダ(15)を有する。
【0053】
そのようなホルダ(15)は、たとえば、フック、ラッチ、プラグ、または当業者に知られた等価な機構を備えることができる。ホルダ(15)は、キャップ供給装置(2)が備えマウント(13)と物理的に相互作用する。いくつかの実施形態において、ホルダ(15)は、凹部であり、または凹部を備え、たとえばマウント(13)はフックであるかまたはフックを備える場合は、凹部は穴であり、またその逆の構成も可能である。他の実施形態において、たとえば、キャップ供給装置(2)の上面または下面のリムは、カラーまたは他のタイプの突出部として形成され、またはそれらを備え、これは、フィーダ(7)が備えるブラケットにより保持されるように構成される。代替的に、フィーダ(7)はキャビティを有し、その場合、キャップ供給装置(2)の底部を受け入れるホルダは、キャビティ内に嵌められるように形状付けられ、それによりマウント(13)として機能する。
【0054】
本稿で説明される事前分析システム(4)の一実施形態において、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)内に挿入し、およびそこから取り出すためのフィーダ(7)は、引出しである。
【0055】
本稿で説明される事前分析システム(4)の他の実施形態において、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)は、長手方向軸の周りで回転運動可能である。
【0056】
ここでの「長手方向軸」は、キャップ(3)に直交する軸である。たとえば、キャップ(3)がネジキャップである場合、マニピュレータ(8)は、回転運動を実行して、それぞれのネジキャップを開放および閉鎖する。したがって、本稿で説明される事前分析システム(4)のいくつかの実施形態において、長手方向軸に沿う回転運動は、ネジキャップをネジ留めまたは脱ネジ留めするための回転運動である。
【0057】
本発明の他の側面は、生物学的サンプル(1)を収容する容器のためのキャップを提供するキャップ供給装置(2)であり、
a)生物学的サンプル(1)を収容する容器のための複数のキャップ(3)と、
b)予め画定される幾何学的構成においてキャップ(3)を収容する区画(12)と、を有する。
【0058】
上述したように、そのようなキャップ供給装置(2)は、迅速、簡単、および安価に、生物学的サンプル(1)を収容する容器をキャップする対象を備える分析システム(4)へのキャップ(3)の提供を可能にする。予め画定される幾何学的構成は、ロボットマニピュレータ(8)による供給装置(2)は、からのキャップ(3)の順序付けられた取り出しを可能にする。
【0059】
いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は、さらにマウント(13)を有する。
本稿で説明されるように、マウント(13)は、キャップ供給装置(2)の事前分析システム(4)の要素との物理的な相互作用を容易にする。いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)の内外へ輸送するために、マウント(13)は、事前分析システム(4)のフィーダ(7)との相互作用を容易にする。
【0060】
本稿で説明されるキャップ供給装置(2)のいくつかの実施形態において、区画(12)は、各キャップ(3)の周りに、横方向および縦方向に移動可能なロボットグリッパ(8)が区画(12)からキャップ(3)を取り出すのに十分な自由空間(40)を有する。
【0061】
いくつかの実施形態において、キャップ(3)は、区画(12)に積み重ねられ、複数の層(41)を形成する。そのような実施形態において、1つのキャップ供給装置(2)で多数のキャップ(3)を事前分析システム(4)内に供給することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、複数のキャップ(3)の層(41)は、クレードル(16)により分離される。この文脈において、「クレードル」は、キャップ(3)の層(41)の間を分離する層である。そのようなクレードル(16)は、たとえば、キャップ(3)が、それ自体で互いに容易および安定的に積み重ね可能でない場合に、複数の層(41)の積み重ねを容易にする。クレードル(16)は、クレードル(16)がキャップ(3)の層(41)を互いに完全に分離するように、または、クレードル(16)がそれらの一部を分離するように、本質的にキャップ供給装置(2)の全体の幅および長さにより寸法決めされる。たとえば、4×4の区画(12)およびそれゆえキャップ(3)の幾何学的構成において、1つのクレードル(16)は、キャップの層(41)の半分(4×2または2×4)を分離することができ、第2クレードル(16)が他の半分を分離するようにすることができる。1つの層(41)または層(41)の半分、あるいはクレードル(16)により分離される他の部分がキャップ供給装置(2)から取り出されるとすぐに、それぞれのクレードル(16)はキャップ供給装置(2)から取り外され、ロボットマニピュレータ(8)が次の層(41)またはキャップ(3)の層(41)の一部にアクセスできるようになる。
【0063】
いくつかの実施形態において、クレードル(16)は、ロボットマニピュレータ(8)により処理され、これは、追加的な専用のハードウェアを必要としないので、クレードル(16)によりシステム(4)に複雑さを追加することなくキャップ供給装置(2)を使用する事前分析システム(4)が動作できるようにする。
【0064】
いくつかの実施形態において、クレードル(16)は、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)と相互作用するためのノブ(17)を有する。
そのようなノブ(17)は、ノブ(17)がグリップ部分(23)に接触表面を提供するので、ロボットマニピュレータ(8)がグリッパである場合に特に便利である。
【0065】
キャップ供給装置(2)がプラスチックで形成される実施形態、特に、ブリスタパックである実施形態において、効率的および非高価に大きなスケールで製造することができ、そのようなキャップ供給装置(2)は廃棄可能として容易に使用することができる。また、上述したような突起部(18)は、ブリスタパックの製造プロセスの間に特に容易に形成することができる。
【0066】
本発明において「廃棄可能」とは、制限された回数だけ使用される要素を意味し、いくつかの実施形態においては、1回の使用で廃棄される。本発明において、キャップ供給装置(2)は、いくつかの実施形態においては廃棄可能である。それゆえ、キャップ供給装置(2)は、本稿で説明される方法により使用することができ、事前分析システム(4)から取り出した後に廃棄することができる。廃棄可能なキャップ供給装置(2)は、事前分析システム(4)を操作する人員に提供することができ、彼らは、新しいキャップ(3)をキャップ供給装置(2)に再充填する必要はない。
【0067】
本稿で説明されるキャップ供給装置の区画(12)は、いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)の底部から延びる突起部(18)により分離される。
いくつかの実施形態において、区画(12)は、柱状であり、いくつかの実施形態においては円筒形である。
【0068】
さらなる実施形態において、各区画(12)の底部は、キャップ(3)を支持するための突起部(19)を有し、一実施形態においてこの突起部(19)はソケットであり、他の実施形態においては凹部である。この文脈において、凸状の突起部(19)は、キャップが配置されるソケットとして機能することで、キャップ(3)または最低部のキャップ(複数の層(41)がある場合)を支持し、キャップ供給装置(2)内でのキャップ(3)の望ましくない横方向の運動を防止する。凸状の突起部(19)は、その全体の高さの少なくとも一部によりキャップ(3)が囲まれる凹部を提供することで同様の機能を達成する。
【0069】
キャップ供給装置(2)を閉鎖するために、および、外界から中身を分離および保護するために、キャップ供給装置(2)は、いくつかの実施形態において、取り外し可能な蓋(20)を有する。この蓋(20)は、たとえば、操作者またはロボットマニピュレータ(8)などにより使用前に取り外すことができる。
【0070】
いくつかの実施形態において、キャップ供給装置(2)は積み重ね可能であり、いくつかの実施形態において、これはキャップ供給装置(2)の突起部および凹部により達成され、キャップ供給装置(2)が互いに重なるように突起部が凹部に嵌る。
【0071】
複数のキャップ供給装置(2)が積み重ね可能な実施形態において、これらは容易および効率的に輸送することができ、たとえば、事前分析システム(4)を備える試験所に輸送することができる。たとえば、2つまたはそれ以上のキャップ供給装置(2)のスタックは、互いにパッケージ化でき、たとえば、スタック状にプラスチックホイルまたは他の好適な材料で包むことによりパッケージ化できる。そのようなパッケージ化は、たとえば、キャップ供給装置(2)をシステム(4)にロードする前に操作者により取り外すことができる。いくつかの実施形態において、スタックは、単一のキャップ供給装置(2)をシステム(4)にロードするために、手動または自動で分離することができる。
【0072】
本方法に関して説明される特定の実施形態、事前分析システム、またはキャップ供給装置は、それぞれ他のカテゴリーに適用することができることを理解されたい。
【実施例】
【0073】
以下において、いくつかの実施形態を示すため、および本稿で説明される方法、事前分析システム(4)、およびキャップ供給装置(2)を例示するために、実施例が提供される。当業者に知られるように、本発明の範囲により包含される他の実施形態も理解されたい。
【0074】
図1は、本稿で説明される事前分析システム(4)の概略的な全体図を示している。キャップ供給装置(2)、各区画(12)に2つのスタックとして収容されるキャップ(3)を備えるキャップ供給装置(2)は、ハウジング(5)のインターフェース(6)を通して事前分析システム(4)の外側(左側の位置)から内側(右側の位置)に輸送される。この目的のために、マウント(13)を介して、可逆的に、インターフェース(6)のフィーダ(7)のホルダ(15)にキャップ供給装置(2)が取り付けられる。事前分析システム(4)の内側において、横方向および縦方向に移動可能な、ロボットグリッパとして図示されるロボットマニピュレータ(8)が、移動アームを介して延び、たとえば、テレスコープアーム(縦方向の両端矢印を参照)を介して供給装置(2)が内のキャップ(3)に到達し、キャップ(3)を把持し、そこから取り出す。以下において、キャップ(3)を保持するロボットマニピュレータ(8)は、アームを介して短縮し(縦方向の両端矢印を参照)、また、生物学的サンプル(1)を収容する容器を保持するワークステーション(9)へ横方向へ移動する(横方向の両端矢印を参照)。移動するアームは、その後、再び延伸し(縦方向の両端矢印を参照)、ロボットマニピュレータ(8)がワークステーション(9)内の容器(1)に到達し、容器(1)を各キャップ(3)でキャップする。右側において、ロボットマニピュレータ(8)が容器(1)を脱キャップし、キャップ(3)を取り出し、横方向の運動により廃棄コンテナ(10)に移動させる様子を示している(横方向の両端矢印を参照)。ここでキャップ(3)は廃棄される(縦方向の下方向の矢印を参照)。ロボットマニピュレータ(8)は、プログラム可能な制御ユニット(11)により制御される。
【0075】
所定回数の後、または横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)によりキャップ供給装置(2)の全てのキャップ(3)が取り出されたとき、キャップ供給装置(2)はフィーダ(7)を介して、インターフェース(6)を通じて事前分析システム(4)から取り出される。
【0076】
図2Aに示されるキャップ供給装置(2)(上からの斜視図)は、空の状態で示され、4×3マトリックスで構成される区画(12)の内側が示されている。この実施形態における区画(12)は、キャップ供給装置(2)の底部から延びる突起部(18)により互いに分離される。ここで示される構成は、区画(12)の4つの柱の各々の間の4つの相互接続される突起部を有し、この底部から頂部に延びる突起部(18)は低い突起部(21)を介して相互接続され、これは、キャップ供給装置(2)の安定性および製造の容易化に寄与する。2つの中心突起部(18)上のノブ(39)は、たとえば溶接によりシールするためにキャップ供給装置(2)にフォイルを取り付けるための場所として機能する。突起部(18)の縦軸に沿って延びる凹部(22)は、ロボットグリッパのアーム(23)が入ることを容易にする。
【0077】
ロボットグリッパのアーム(23)は
図2Bに示されており、
図2Bは、上述したキャップ供給装置(2)の上から見た斜視図を提供する。ロボットマニピュレータ(8)のグリッパアーム(23)は、本実施形態において、分離突起部(18)の縦軸に沿って延びる凹部(22)により提供される自由空間(40)を用いてキャップ(3)の周りに配置される。明確さのために、ロボットマニピュレータ(8)のグリップ部だけが示されており、横方向および縦方向の運動性を提供する部分は示されていない。区画(12)内のキャップ(3)は、互いに積み重ねられ、複数の層(41)を形成し、当図において最上部の層だけが見えている。さらに、上からの(斜視図)
図2Cに示される取り外し可能な蓋(20)との相互作用のために、キャップ供給装置(2)の上部リムの周りにカラー(25)が示されている。外側から張出部(27)の位置側に延びる突起部(26)は、キャップ供給装置(2)の本体のカラー(25)に係合し、
図2Dの斜視図に示されるように、スナップフィットによりキャップ供給装置(2)を閉鎖する。蓋(20)に沿う溝(24)は、機械的な安定性に寄与する。また、IDタグ(14)が示されており、本実施形態においてはバーコードであり、キャップ供給装置(2)の側壁の外側に取り付けられている。
【0078】
上からの斜視図における開放したキャップ供給装置(2)が
図2Eに示され、フィーダ(7)上に配置され、キャップ(3)を取り出しているロボットマニピュレータ(8)のと相互作用するとことが示されている。この実施形態において、フィーダ(7)は、事前分析システム(4)のハウジング(5)のインターフェース(6)と相互作用する、ガイドレール(28)のペアを備える引出しとして示される。ロボットマニピュレータ(8)がキャップ(3)を把持しているので、フィーダ(7)上のキャップ供給装置(2)位置は、事前分析システム(4)内であることが見て取れる。この処理の最後において、フィーダ(7)は、使用されたキャップ供給装置(2)を事前分析システム(4)の外側に輸送することになる。
【0079】
図3A−Fに示される実施形態において、キャップ供給装置(2)は、8×6構成でキャップ(3)を収容する区画(12)を有する。上からの斜視図である
図3Aに示されるキャップ供給装置(2)内のキャップ(3)は、1つの層を形成し、キャップ供給装置(2)の底部から延びる突起部(19)により形成されるソケット上に静置される。キャップ供給装置の底部リムは、カラー(29)により囲まれ、これは、積み重ねを容易にすることができ、または、マウントとして、フィーダ(7)の好適な構造との相互作用を容易にすることができる。底部リムにおける突起部(30)は、たとえば、キャップ供給装置(2)の製造中によりよい積み重ね特性に寄与し、または、これらはフィーダ(7)と相互作用するように機能するようにされる。横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)による区画(12)からのキャップ(3)の取り出しは、
図3Bに示されており、この実施形態においては、ロボットマニピュレータ(8)は、ロボットグリッパとして示されている。キャップ(3)は互いに十分に空間的に分離されているので、隣接するキャップ(3)は、4つのグリッパアーム(23)に干渉しない。
【0080】
図3Cは、上から見た3つのキャップ供給装置(2)のスタックを示している。最上部のキャップ供給装置(2)はキャップを備えず、キャップ(3)のためのソケットとして機能する突起部(19)が示されている。
図3Dに示されるように、単一の空のキャップ供給装置(2)は、これらの突起部(19)のより明確な図示を提供し、この実施形態において、一体的な3つに分かれた構造を示している。3つに分かれた構造は、キャップ(3)の底部リムが配置されるフット(31)、キャップ(3)の側方内側表面に係合する中間リング(32)、およびキャップ(3)の頂部の内側表面が着座する頂部ノブ(33)である。
【0081】
図3Cの3つのキャップ供給装置(2)のスタックは、
図3Eにおいて、下から見た斜視図で示されており、最上部のキャップ供給装置(2)が少し持ち上げられており、2つの下のキャップ供給装置(2)がキャップ(3)で満たされていることが分かる。キャップ(3)のソケットとして機能する突起部(19)は、スタック内の下のそれぞれのキャップ供給装置(2)のキャップのための凹部を提供する追加の機能を備える。この実施形態において、突起部(19)のフット(31)の内側表面は、スタック内の下のキャップ供給装置(2)のキャップを囲う。8×6構成の幾何学構造の区画(12)の各8個の列内で、突起部(19)が互いに接続されていることが示されている。同一のスタックのわずかに持ち上げられた最上部のキャップ供給装置(2)は、
図3Fにおいて上からの斜視図に示される。
【0082】
図4A(上からの斜視図)および
図4B(下からの斜視図)は、空のキャップ供給装置(2)の変形例を示し、
図3A−Fの8×6マトリックス構成の区画(12)を備えている。キャップ(3)のためのソケットとして機能する突起部(19)は、フット(31)、中間リング(32)、および頂部ノブ(33)を備える本質的に同一の3つに分かれた構造を備え、後者は、上述の実施形態における物よりも小さな直径を備え、キャップ(3)と突起部(19)との間の間隙を増加させることで、ソケット上に配置されるキャップ(3)に関する支持安定性を修正している。これらの図は、区画(12)を空間的に分離し、キャップ供給装置(2)の全体の安定性に寄与するキャビティ(34)を備える。
【0083】
他の実施形態が上からの斜視図で
図5A−Gに示され、ここで、キャップ供給装置(2)は、4×4マトリックスの幾何学的配置の区画(12)により収容されるキャップ(3)を備える。キャップ(3)を有するキャップ供給装置(2)が
図5Aに示され、ここで、キャップ(3)の1つが横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)により取り出され、この実施形態において、ロボットマニピュレータ(8)はロボットグリッパである。上述した幾何学的構成は、グリッパアーム(23)がそれぞれのキャップ(3)を把持し取り出すために、キャップ(3)の周りに十分な空間を提供する。
図5Bから分かるように、キャップ供給装置(2)は、4つの角部に、内壁上に突起部を形成する凹部(35)を備える。これらの凹部/突起部(35)は、キャップ(3)の複数の層(41)を分離するクレードル(16)の安定性に寄与し、また、たとえばフィーダ(7)との相互作用のためのマウントとして機能することもできる。この実施形態において、キャップ(3)の3つの層(41)がキャップ供給装置(2)に備えられる。1つのクレードル(16)は、キャップ供給装置(2)の全体の幅および半分の長さにわたって延び、それにより、2×4のキャップ(3)の2つの層に分離する。キャップ供給装置(2)は、キャップ供給装置(2)は、上リムに沿ってカラー(25)を有し、これは、
図5Cに示されるように、取り外し可能な蓋(20)の張出部(27)が備える突起部(26)の係合を可能にする。溝(24)は、取り外し可能な蓋(20)の安定性に寄与する。
【0084】
図5Dは、この実施形態の空のキャップ供給装置(2)を示し、ここで、キャップ供給装置(2)の底部におけるキャップ(3)のためのソケットを形成する突起部(19)が示されている。また、キャップ供給装置(2)の中央におけるバッフル(36)が示され、バッフル(36)は、クレードル(16)の位置を安定化させる。
【0085】
図5E(上からの斜視図)および
図5F(下からの斜視図)は、キャップ(3)が無い状態でクレードル(16)を示している。キャップ(3)を収容する2×4のソケット(37)が示され、また、ロボットマニピュレータ(8)と相互作用するノブ(17)が示され、クレードル(16)のスタック特性を改善しキャップ(3)を安定化させる突起部(38)が示されている。キャップ(3)は、キャップ(3)の内側表面がソケット(37)上に静置するように、ソケット(37)上に配置される。キャップ(3)を収容するクレードル(16)上に他のクレードル(16)が重ねられるとき、上のクレードル(16)のソケット(37)は、下のクレードル(16)からキャップ(3)を受け入れ、キャップの層(41)のスタックを機械的に安定化させる。また、突起部(38)は、スタック特性およびキャップ(3)の位置決めを改善する。
【0086】
図5は、横方向および縦方向に移動可能なロボットマニピュレータ(8)ロボットグリッパであり、グリップアーム(23)で空のクレードル(16)のノブ(17)を把持する様子を示し、キャップ供給装置(2)からクレードルを取り出し、下のキャップの層(41)を露出させるとことを示している。
【0087】
図6A(上からの斜視図)および
図6B(下からの斜視図)は、空のキャップ供給装置(2)の変形例を示し、
図4A−Bの8×6マトリックス構成の区画(12)を備える。区画(12)の空間分離およびキャップ供給装置(2)の全体の安定性に寄与するキャビティ(34)に加えて、キャップ供給装置(2)は、中心付近でグループ化されるピラー(42)を有する。これらの構造は、キャップ供給装置(2)の縦方向の安定性を増加させ、キャップ供給装置(2)の重量それ自体、および上および/または下から付与される潜在的な圧力が、キャップ供給装置(2)の外側リムによってのみ支えられる必要がないからである。そのような圧力は、たとえば、キャップ供給装置(2)が、ロボットマニピュレータ(8)との相互作用の間の横方向または縦方向の運動を防止するために、上からフィーダ(7)に圧されるときに付与され得る。ピラー(42)は、キャップ供給装置(2)のフィーダ(7)との接触面積を増加させることができ、特に、フィーダ(7)が、実質的に均一な表面を備える実施形態の場合に、接触面積を増加させることができ、そのような実施形態のキャップ供給装置(2)は、外側リム上にのみ、または主に外側リム上に立つことはない。したがって、ピラー(42)は、縦方向の圧力の付与によるキャップ供給装置(2)の形状の一時的なまたは恒久的な変形の可能性のリスクを低減する。また、有利な効果は、この実施形態のキャップ供給装置(2)の輸送およびパッケージを容易にすることである。たとえば、複数のキャップ供給装置(2)が箱内で互いに積み重ねられる場合、上のキャップ供給装置(2)の重量は、スタック内の下のキャップ供給装置(2)に圧力を付与する。温度や湿度のような輸送または保管中に変化する外的条件の効果とともに、キャップ供給装置(2)の材料により、変形のリスクは増大し、これがピラー(42)により軽減される。上からの
図6Aに示されるように、ピラー(42)はキャビティとして示され、下からの
図6Bで見ると、ピラー(42)は突起部を形成している。キャップの層(41)のピラー/突起部(42)は、他のキャップの層(42)の真下のピラー/キャビティ(42)に係合することができ、これは、複数のキャップの層(41)の積み重ねを容易にすることができる。同図は、4つのピラー(42)を示すが、より多くまたは少ないピラー(42)が存在するようにしてもよい。また、上述した有利の効果への類似の寄与を有するような、他の幾何学的配置も可能である。キャップ供給装置(2)の波形成形されていない外側ラインに沿うストレッチ部(43)は、たとえばバーコード(
図2D参照)などのIDタグ(14)を適用する領域として機能することができる。