(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1方向における前記カバー材の10%モジュラスが1.5N/25mm以上であり、前記第2方向における前記カバー材の10%モジュラスが1.5N/25mm以下である、請求項1又は2に記載の貼付剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、皮膚に貼付した状態で微小突起アレイデバイスがカバー材の下側で位置ずれを生ずることのない貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、次のように、本願発明者らは鋭意検討を行った。
【0007】
まず、微小突起の先端が尖っている場合、或いは微小突起が長い場合、微小突起アレイデバイスは殆ど位置ずれを起こすことはないことが分かった。これは、微小突起が角質層を超えて刺さり込み(角質層を貫通し)、いわゆるアンカリング効果が生ずることで微小突起アレイデバイスが皮膚面に固定され易いからであると考えられる。
【0008】
一方、微小突起の先端面が平坦状ないしは球面状となっており、微小突起が角質層を貫通しない場合には、カバー材の下側で微小突起アレイデバイスの位置ずれが生じる現象が見られた。しかし、カバー材の種類によっては、或いは、貼付剤の貼付方向によっては、微小突起アレイデバイスは位置ずれを起こさないこともあった。
【0009】
そこで、本願発明者らは、カバー材の伸縮性に着目し、その結果として、本発明による貼付剤を得た。かかる貼付剤は、
基板と、前記基板の一面に配設された複数の微小突起とを備え、前記微小突起の表面に有効成分がコーティングされた微小突起アレイデバイス、及び、
支持体と、前記支持体の一面に形成された粘着剤層とを備え、前記微小突起アレイデバイスを覆うようにして前記基板の他面が前記粘着剤層に付着されたカバー材
を具備する貼付剤であって、
前記カバー材は、第1方向の伸縮性が前記第1方向に対して直角な第2方向の伸縮性に比して低いものとなっていることを特徴とする。
【0010】
このような構成においては、第2方向に貼付剤のカバー材を引き伸ばしても、微小突起アレイデバイスが付着されている部分のカバー材は第1方向においては殆ど縮むことはない。その結果として、カバー材に対する微小突起アレイデバイスの付着力は維持され、カバー材から微小突起アレイデバイスが剥がれて位置ずれを起こすことがなくなり或いは位置ずれが抑制されることになる。
【0011】
これはアンカリング効果の少ない角質層を貫通しない微小突起、例えば先端面が平坦状又は球面状となっている微小突起に対して有効である。
【0012】
また、基板が柔軟性に欠け、剛性の高いものである場合、従来の貼付剤では位置ずれを起こし易かったが、本発明の貼付剤では位置ずれが防止ないしは抑制される。
【0013】
なお、具体的には、第1方向におけるカバー材の10%モジュラスは、第1方向の伸縮性が第2方向の伸縮性に比して低いこと、言い換えるならば第1方向におけるモジュラス値が第2方向におけるモジュラス値よりも大きいことを前提として、1.5N/25mm以上、第2方向におけるカバー材の10%モジュラスは1.5N/25mm以下であることが好適である。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明によれば、皮膚表面が動いても、貼付剤のカバー材の下側で微小突起アレイデバイスが位置ずれを起こすことが防止ないしは抑制され、微小突起アレイデバイスの微小突起の皮膚に対する密着性が向上する。これにより、微小突起にコーティングされた有効成分が迅速に皮膚に送達ないしは浸透し、有効成分の効果が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、全図を通して同一又は相当部分には同一符号を付し、その重複した説明は省略する。
【0017】
図1は本発明による貼付剤10の一実施形態を示す正面図、
図2はその概略的な側面図である。図示の貼付剤10は、顔の皮膚等に適用する化粧用又は治療用の貼付剤であり、微小突起アレイデバイス12と、この微小突起アレイデバイス12を覆い且つ皮膚に当接させるためのカバー材14とから構成されている。
【0018】
微小突起アレイデバイス12は、
図2に示すように、基板16と、基板16の一方の面にアレイ状に配置された多数の微小突起18とから構成されている。
【0019】
本実施形態において、基板16は、剛性が高いが、伸縮性及び可撓性が低い材料から形成されている。基板16の材料は、本実施形態ではポリ乳酸であるが、特に限定されるものではなく、シリコン、ケイ酸化合物等のセラミクス類や、チタン、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅、銀、錫等の金属材料や、それらの2種以上からなる合金や、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミド、フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン等のポリオキシアルキレンや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、エチレン酢酸ビニル共重合体(又はそのケン化物)、ポリビニルピロリドン等の樹脂材料であってもよい。また、基板16は、前述の材料の他、めっき、蒸着、積層、その他の方法によって異なる成分が加えられたものでもよい。
【0020】
また、本実施形態において、基板16は円形の薄板となっているが、形状は特に限定されるものではなく、多角形、方形等であってもよい。基板16の寸法についても特に限定はないが、図示の円形基板16の場合、厚さは0.2〜4mmの範囲、半径は3〜10mmの範囲が好適であり、より好ましくは4〜8mmであり、本実施形態では厚さ約0.3mm、半径約6.5mmとなっている。
【0021】
微小突起18は、本実施形態では、基板16上に正方格子状で外周が八角形となるように配列されている。微小突起18の配列は、この他、斜方格子状、長方格子状、同心円状、六角格子状、歪斜格子状、ランダム状等とすることができ、場所によって配列が異なってもよいし、配列状態に粗密があってもよい。
【0022】
微小突起18の配列が、例えば、正方格子、斜方格子、長方格子、歪斜格子、六方格子等の配列である場合に、その単位格子の面積に対する単位格子内の微小突起18の頂部面の総面積の比率は、250/90000〜40000/90000程度の範囲であることが、有効成分の皮膚への送達性の点で好ましい。かかる比率が小さい場合、微小突起18は角質層を貫通して深部まで達し易く、逆に比率が大きい場合、微小突起18は角質層を貫通せず位置ずれを生じ易い傾向を有する。
【0023】
また、微小突起18の形状は、底面(基板16側の端面)から先端へ向けて細くなる形状であり、本実施形態では、
図3に示すように、角質層Sを貫通しない切頭四角錐となっている。この形状は、特に限定されるものではなく、円錐、四角錐以外の多角錐等でもよく、先端も切頭形ではなく先端が尖った形状や、丸められた形状等でもよい。
【0024】
微小突起18の高さ(底面から先端までの距離)は、全ての微小突起18が同一である必要はなく、例えば100〜600μmの範囲であり、好ましくは350μm以下、より好ましくは160μm以下である。
【0025】
微小突起18の底面の大きさは、全ての微小突起18が同一である必要はなく、およそその外接円の半径として、10〜300μmの範囲であるとよい。また、微小突起18は、内部に空隙を有しても(中空)、有さなくても(中実)、或いは部分的な凹凸(溝、穴、窪み、凸部)形状を有してもよい。
【0026】
微小突起18は基板16と同じ材料で一体的に形成されること、すなわち本実施形態ではポリ乳酸から形成されることが好ましい。その場合、リソグラフィー、プラズマエッチング、プラズマデポジション、湿式化学エッチング、ドライエッチング、めっき、スパッタリング、化学蒸着(CVD)法、エピタキシー、微小モールド法、レーザー加工、収束イオンビーム、微細機械加工、インプリント法、ホットエンボス法等の製法によって形成することができる。なお、微小突起18を形成するための材料は、特に限定されるものではなく、基板16と異なる材料であってもよいし、その製法についても前記のものに限らない。
【0027】
微小突起18の表面には、有効成分を含むコーティング組成物がコーティングされている。通常、コーティング組成物には、薬剤や化粧料等の生理活性を有する有効成分の他、任意に担体が含有される。担体とは、例えば、高分子有機化合物、低分子の有機化合物、無機化合物、多価アルコール、水、糖類、アミノ酸等が例示されるが、特に限定はない。コーティング組成物は、固体でなく流体又は半固体であってもよい。コーティング組成物を微小突起18に塗布する方法は、特に限定はないが、例えば浸漬法によれば特に微小突起18の先端部に塗布することができ、有効成分の皮膚への浸透性が高まるために有利である。浸漬法による場合、コーティング組成物に例えば水などを組成物のための溶媒として配合し、それを微小突起18に塗布した後に、乾燥させることによって溶媒分を除去してもよい。また、微小突起18の表面に例えば油脂等の成分を塗布または散布することにより、皮膚への密着性、潤滑性を高めたり、有効成分の皮膚への送達性、浸透性を高めたりすることもできる。
【0028】
上述したような微小突起アレイデバイス12は、カバー材14に取り付けられる。カバー材14は、
図2に示すように、支持体20と、その一面に積層された粘着剤層22とを備えるシート状の積層体である。
【0029】
支持体20は、特に限定されないが、フィルムや織布、不織布、編布等の布帛や、発泡シートや箔等からなり、これらを積層した素材からなるものでもよい。また、支持体20の材質は、これも特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルや、ポリウレタンや、ポリカーボネートや、ナイロンや、ポリアクリロニトリルや、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン等のポリオキシアルキレンや、エチレン酢酸ビニル共重合体(又はそのケン化物)等を用いることができ、例えばこれらを混合した繊維・積層したフィルムなどを用いてもよい。図示実施形態の支持体20については、ポリウレタンからなるフィルムの一面にポリエチレンテレフタレートからなる不織布を積層した積層構造のものとしたものである。
【0030】
カバー材14の粘着剤層22は、SIS、PIB、天然ゴム、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、シリコーン等から選択される粘着基剤と、必要に応じて混合する、可塑剤、粘着付与樹脂、充填剤等のその他の成分の組成からなる。
【0031】
カバー材14の形状は、特に限定されず、略長方形、略扇状、略三角形状、略菱形、略平行四辺形等が例示されるが、本実施形態では、長円形とされている。カバー材14の形状及び寸法は、上述した微小突起アレイデバイス12の全体を十分に覆いこれを保持できるものであることが必須条件である。
【0032】
また、本実施形態では、カバー材14として、
図1の長手方向軸線Aに直角な方向(以下「第1方向T」という)における伸縮性が、長手方向軸線Aに平行である方向(以下「第2方向L」という)に比して低いものが用いられている。
【0033】
なお、カバー材14は、ロール状に巻かれた原反から引き出された基材を切断して製造されるが、一般に、ロール状に巻かれた原反の幅方向が第1方向T、ロール状の原反の巻かれた方向が第2方向Lとなる。
【0034】
カバー材14の伸縮性を10%モジュラスで表すと、第1方向Tにおけるモジュラス値が第2方向Lにおけるモジュラス値よりも大きいことを前提として、限定的なものではないが、第1方向Tにおいては1.5N/25mm以上、第2方向Lにおいては1.5N/25mm以下であることが好適であり、より好適には、第1方向Tにおいては約1.5〜5N/25mm、第2方向Lにおいては約0.01〜1.5N/25mmであり、さらに好ましくは、第1方向Tにおいては1.5〜3N/25mm、第2方向Lにおいては0.1〜1.5N/25mmである。なお、カバー材14の10%モジュラスは、JIS L1096に準じ、伸長速度300mm/minでカバー材の所定の方向に10%伸長した状態における幅25mmあたりの引張荷重値を測定して求めたものである。
【0035】
カバー材14が第1と第2の方向T,Lにおいて共に伸縮性が高い場合には、通常、カバー材14を第2方向Lに引っ張ると、カバー材14は第1方向Tにおいて収縮することになる。この場合、微小突起アレイデバイスのカバー材14に対する付着力が減じ、微小突起アレイデバイス12がカバー材14から剥がれる傾向が強くなる。その結果、貼付剤10が皮膚に貼られた状態では、皮膚の動きに応じて徐々に微小突起アレイデバイス12が移動していくことになる。
【0036】
しかし、本実施形態では、第1方向Tは第2方向Lに比して非収縮性であるため、カバー材14を第2方向Lに引き伸ばしても、カバー材14の第1方向Tにおける収縮率は小さい。しかも、本実施形態では、カバー材14に付着された微小突起アレイデバイス12の基板16が高い剛性を有するものであるため、カバー材14を第2方向Lに引っ張っても、微小突起アレイデバイス12が付着している領域及びその周辺部は第1方向Tにおいては殆ど寸法的に変化しない。このため、カバー材14を第2方向Lに引っ張った際、微小突起アレイデバイス12はカバー材14の粘着剤層22にしっかりと保持される。その結果、微小突起18が角質層を貫通せず、アンカリング効果が期待できない場合であっても、皮膚の動きだけではカバー材14から微小突起アレイデバイス12は剥がれにくく、したがって微小突起アレイデバイス12がカバー材14と皮膚Sとの間で滑り、位置ずれを起こすことはない。したがって、微小突起18の皮膚に対する保持性ないしは密着性が維持され、ひいては有効成分の皮膚への送達性や浸透性が向上することなる。その結果として本発明による貼付剤10が皮膚の不具合、例えば皺等の改善に有効なものとなることは容易に理解されよう。
【0037】
なお、第1及び第2の両方向T,Lにおいて伸縮性が低いカバー材14を用いる場合は、微小突起アレイデバイス12を皮膚に固定するために、より接着性の高い粘着剤を備える必要があるが、そのような場合に、微小突起アレイデバイス12の周縁又は微小突起配列の周縁部が他より皮膚をより強く圧迫する又はそこに応力が集中し易い結果、貼付剤10を剥がした後に、その輪郭跡が一時的に皮膚に生じるおそれがあり、特に顔面等への貼付剤10の適用において好ましくない。
【0038】
上述したような貼付剤10を使用する場合、カバー材14の第2方向Lが貼付する皮膚の領域の伸縮方向に沿うようにして貼付剤10を皮膚に貼り付ける。例えば、目尻やこめかみの周辺部に貼付剤10を貼り付ける場合、上下方向に皮膚が伸縮するため、カバー材14の第2方向Lを上下方向に向けて貼り付ける。より詳細に説明すると、眼輪筋については、眼球を動かしただけ、或いはまぶたを開閉しただけの場合、眼輪筋は活発に動くものの、目尻周辺部の皮膚については大きな伸縮はみられないが、目尻から口元にかけての小頬骨筋、大頬骨筋、咬筋が動くと目尻周辺部もそれに応じて僅かに上下方向に伸縮する。このような挙動を示す目尻周辺部にカバー材14を、上下方向に第2方向Lを合わせて貼付すれば、皮膚の動きによってはカバー材14は剥がれにくく、したがって微小突起18の皮膚に対する密着性が維持され、ひいては有効成分の皮膚への送達性や浸透性が向上することなる。
【0039】
また、手首に貼り付ける場合には、腕の延びる方向に皮膚が伸縮するため、カバー材14の第2方向Lを腕の延びる方向に一致させることになる。そして、微小突起アレイデバイス12の微小突起18を所望の部位に当接させ、カバー材14によってそれを皮膚に固定した状態で用いる。なお、本発明の貼付剤10を適用する時間は、特に限定はないが、1〜100分が例示される。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、種々変形や変更が可能なことはいうまでもない。例えば、
図1に示す貼付剤10は長円形であるが、
図4に示すような略扇形ないしは略三角形状としてもよい。
図4に示す貼付剤10は目尻の皺に特に効果的なものであり、
図4の下側の端部を目尻側とし方向Lを上下方向にして目尻周辺部に貼り付けるとよい。この形状では、カバー材14の皮膚からの剥がれも防止ないしは抑制されるという効果もある。
【実施例】
【0041】
一方向のみ伸縮性が高いカバー材、及び両方向において伸縮性が高いカバー材を有する2種の貼付剤を用いて、微小突起アレイデバイスの皮膚への保持性について試験を行った。
【0042】
試験では2種の貼付剤を用意し、一方を本発明による実施例の試料Aとし、他方を比較例としての試料Bとした。両試料とも外形的には
図1に示すものとした。
【0043】
試料A,Bとも、微小突起アレイデバイスは、ポリ乳酸樹脂を加熱し、微小金型で加圧して成形した。微小突起アレイデバイスの基板は、厚み370〜400μm、直径D1が約13mmの円板状であり、基板の一方の面は平坦であり、他方の面に微小突起アレイが設けられた。各微小突起の形状は、その底面の一辺が約100μm、先端面(切頭部)の一辺が約20μm、高さが約150μmの切頭四角錐形であり、各微小突起は、一辺が約4mmの八角形の領域内に、約300μmピッチの正方格子状に配置された。有効成分は、水、グリセリンを添加して均一に溶解し、これに前記微小突起アレイデバイスの微小突起部分を浸漬して塗布し、減圧乾燥させて皮膜を形成した。
【0044】
試料Aとしてのカバー材は、ポリウレタンフィルムの一方の面に不織布が積層された支持体であって、前記ポリウレタンフィルムの他方の面にシリコーン粘着基剤からなる粘着剤層が積層されてなる1軸方向にのみ伸縮性が高いカバー材(
図1の第2方向Lが伸縮性を有する)とした。
【0045】
試料Aのカバー材の10%モジュラス値(N/25mm)は、支持体の
図1における第1方向、第2方向に関し長さ50mm、幅25mmの試料を採取し、インストロン型引張試験器を用いて、伸長速度300mm/minで10%伸長したときの引張荷重(10%モジュラス)を測定した。そして、その値は第1方向に関しては2.0N/25mm、第2方向に関しては1.4N/25mmであった。
【0046】
試料Bとしてのカバー材は、メリヤス編布からなる支持体の一方の面にスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を基剤とする粘着剤が積層されてなる2軸方向の伸縮性のカバー材(
図1の第1方向Tと第2方向Lがともに伸縮性を有する)とした。試料Bのカバー材の10%モジュラス値は、試料Aの場合と同様にして求め、その値は第1方向に関しては0.52N/25mm、第2方向に関しては0.51/25mmであった。
【0047】
両試料のカバー材は、
図1のD2が30mm、D3が20mmの長円形状であり、
図1の位置に微小突起アレイデバイスを配置して各試料を得た。
【0048】
微小突起アレイデバイスの保持性の評価方法は、前記で調製した各試料を、健常な成人数名の目尻に15分間貼付した後、剥離する際に各人が下記基準によって微小突起アレイデバイスの保持性をスコア化した。
◎:微小突起アレイデバイスが皮膚にぴったり固定され、最初に固定した位置と異なる位置へずれることがなかった。
△:微小突起アレイデバイスが皮膚にぴったり固定されなかった。
【0049】
結果は、次の表に示す通りであり、試料Bのカバー材のような縦横の両方向において伸縮性の高いものと比較し、試料Aの本発明によるカバー材を用いたものが微小突起アレイデバイスの保持性に優れていることが分かった。
【表1】