【実施例】
【0025】
[一般的な設計と方法]
噴霧乾燥した血漿の濃度。溶媒洗剤で処理したヒトのプール血漿(Kedrion S.p.A.,Barga,イタリア)と10種類の動物中のブタの血漿(チャペルヒルのノースカロライナ大学、フランシス・オーエン血液調査研究所より寄贈された)を、さまざまな装置のパラメータを実行して噴霧乾燥し、又は標準的な凍結乾燥サイクルで凍結乾燥して、さまざまなサイズの脱水微粒子を得ることができる。次いで、さまざまな量の低濃度のグリシンを含むpH2.4の滅菌水でこの生成物を再水和して、脱水プロセス間のプロトンの損失を補填し、比較して濃度の上限を定めた。実験の詳細は以下の通りである。
【0026】
血漿の脱水。脱水を得るには、Buchi B−270レサーチ噴霧乾燥器で1時間あたりN
2を415リットルの流量で、140℃、130℃、120℃、110℃、及びこれより低い温度でブタとヒトの血漿を噴霧乾燥する。各温度でいずれのタイプ(すなわち、ブタとヒト)も3回稼動を実行することが好ましい。最終生成物の水分含量と走査顕微鏡で画像化した微粒子を分析することができる。更に4mmの層からブタとヒトの血漿の一部を3日間−20℃で凍結乾燥して、「凍結乾燥コントロール」の固形物を得る。添付の図に示すように、凍結乾燥材料が固形物を形成するのに対し、噴霧乾燥材料は、微粉末であることが観察され、顕微鏡下でミクロスフェアとして現れる。
【0027】
血漿の再水和噴霧乾燥及び凍結乾燥のコントロールロット(それぞれ3本ずつ)を、1倍、2倍、3倍、4倍のグリシンを含む適切な量の滅菌水で再水和して、高濃度の血漿をより高くする。以下の通りに、再水和して最終的にpH7.4の生成物にするためにpH2.4のグリシン溶液で再水和することができる:1倍−20mMグリシン、2倍−40mMグリシン、3倍−60mMグリシン、4倍−80mMグリシンなど。
【0028】
物理的及び化学的分析。以下の分析は、出発血漿(噴霧乾燥前)、噴霧乾燥材料の各ロット、及び凍結乾燥したコントロールの血漿のそれぞれ3本のサンプルを用いて行なってもよい。ウィルコクソンの符号順位検定で比較して、符号検定を用いて指向性を評価する。
【0029】
濁度と可溶化速度−700nmでの光吸収の光学的測定は、再水和反応の開始後の時間の関数として濁度を評価し得る。
【0030】
落球粘度計で粘度を推定することができる。
【0031】
ELISA分析を用いて凝固因子レベル(FII,FV,FVII,FVIII,FIX,FX,FXII,FXII,FXIII,プロテインS,プロテインC,フォンヴィレブランド因子)を測定する。
【0032】
凝固経路ターンオーバー−プロトロンビン時間と活性部分トロンボプラスチン時間は、1倍に高濃縮溶液を希釈した後の濃縮血漿で測定する。最終的な凝血塊を走査電子顕微鏡で観察して、線維の厚さと密度を評価する。
【0033】
濃縮液は、標準的な輸血実践のための凝固因子のレベル及び活性が、通常の個人内及び個人間の変動の範囲内にある適切なレオロジーを有するとより好ましい。以下に示すブタの研究における「最も高濃度の」注入用にこの溶液を利用することができる。
【0034】
ブタにおける濃縮血漿生成物の安全性評価。負傷したブタで高濃度血漿製剤の最大耐量を特定することが、これらの研究の目的である。失血及び代償性出血性ショックを誘導して動物を肝損傷にさらす。次いで、好ましくない血行動態反応が認められるまで、高濃縮血漿ブタ製剤を動物に注入する。プロトロンビン合併症の組織学的な証拠のために、動物実験後に動物を屠殺し検視分析する。この分析のエンドポイントは、最大耐量と血漿濃度の程度との関係を定義することである。
【0035】
ブタにおけるショックの誘発と高濃度血漿の注入。40乃至50kgのブタ(Division of Laboratory Animal Medicine(UNC)の繁殖コロニーから採取された)を麻酔する。
【0036】
血行動態及び血管作用のプロセスの分析。いくつかのセンサを配置して、血行動態及び血管作用のプロセスを観察する:外頸静脈を通して肺静脈熱希釈カテーテルを肺静脈に挿入し:マイクロマノメータを先端に付けたカテーテルを、左大腿血管を通して右心房と胸部大動脈に配置する:a.22ゲージのカテーテルを左大腿動脈に挿入し、揚水ポンプに連結する。頭部と腸間膜動脈にドップラー血流プローブを配置して、血流のパターンを測定し:切開した頸動脈と開腹によりこの処置を支持することができる。
【0037】
ショックの誘発と高濃度血漿の注入。1時間で総血液量の40%を抜去することにより、出血性ショックを誘発することができる。血液を抜去して出血性ショック(動脈血圧<40mmHg、頭部、内臓の血流パターンの変化を意味する)を確認した後、1倍の噴霧乾燥した血漿又は高濃度の噴霧乾燥した血漿を複数回、中間及び高レベルの濃度(上記のように決定した)で動物に注入する。各注入は、動物の血液量の1/10に相当する量が望ましく、ハーバードシリンジポンプで3分間実行するのが望ましい。血行動態パラメータや他の生理的パラメータを測定することができ、二つの連続急速投与により血行動態の安定性が悪化したときは、注入を停止することができる。次いで、検視及び組織学的分析するために動物を屠殺する。この実施例で用いた動物と注入した生成物の数を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
微小血管病変(Microvasculopathologies)と溶血性疾患。屠殺の後、選択した腎組織、肝組織、肺組織、脾臓組織、肺、及び他の組織を光学顕微鏡分析用に調製する。組織学的分析は、巨視的又は播種性血管内凝固又は選択した臓器不全の早期誘発の兆候を識別するのに焦点を当てる。
【0040】
データ分析。ウィルコクソンの符号順位検定で血漿群間の比較をし、符号検定を用いて指向性を評価する。
【0041】
[実施例1:血漿の噴霧乾燥と凝固タンパク質活性の維持]
以下の一連の実験は、血漿を噴霧乾燥して、脱水した微粒子を得ることができ、天然凝固因子レベルと凝固パラメータで血漿を当初の容量に再水和できることを示す。溶媒洗剤でプールした血漿を標準的な噴霧乾燥(Butchi社のB−270を用いて120℃で1時間あたり415リットルのN
2)して、
図1に示す生成物を得た。得られた微粒子のくぼみのある球状の形状は、他のタンパク質を噴霧乾燥したときに得られる形に類似し、これは水の除去及び濃度の初期運動の結果として、タンパク質表面シェルが形成されることを示している(例えば、Vehring
16を参照されたい)。しかし、この形状は波状表面のテクスチャを示す凍結乾燥した血漿に対して独特である。
【0042】
pH2.4の20mMのグリシンで再水和して、乾燥プロセス中のタンパク質の損失を当初のタンパク質濃度に補うと、
図2に示すように、凝固因子レベルは噴霧乾燥する前の当初の血漿と本質的に同一であることがわかった。噴霧乾燥はまた、血漿凝固の速度にわずかに影響を及ぼした(
図3)。噴霧乾燥後は増大した凝固タンパク質分子ターンオーバーの統計的傾向(この分析では有意ではない)があり、これは血漿サンプル中のタンパク質の結合状態の差異に関係する影響である。噴霧乾燥した血漿のフィブリノゲン重合の後のフィブリン鎖は、正常な形態をとった(
図4)。
【0043】
本発明の方法と対照的に、凍結及び凍結乾燥血漿を段階的に分離することにより、さまざまな組成が混在する微細で巨視的な領域を含む生成物になる。その結果、超生理的濃度での再水和は時間がかかり、混濁懸濁液が生じる。いくつかの再水和した血漿の濃度がA
500(濁度)を表す
図5に示すデータがこの点を実証する。溶媒洗剤で処理した血漿生成物を噴霧乾燥又は凍結乾燥にさらして、天然の(1倍)、2倍、3倍、又は4倍の最終濃度に再水和する。巨視的な溶解が起こる時間に基づく再水和時間は、噴霧乾燥した材料が微粒子製剤の大きな表面積が原因で劇的に速いので、
図5で低いA
500値を示すように、著しく混濁の少ない懸濁液をもたらす。
【0044】
上記の血漿に加えて、上記の説明に従い他の血液製剤を乾燥して、再水和することがある。実質的に、いかなる処理をした又は未処理の血液製剤も本発明の方法で用いることがある。血液製剤の実施例は、全血、血漿(blood plasma)、血小板、赤血球、血清ならびにこれらの組み合わせを含む。天然に存在する状態でこの血液製剤を本発明の方法で用いるか、もしくは任意の方法で変更する場合がある。これらの血液製剤の変更の例は、米国特許第5,651,966号;第5,891,393号;第5,902,608号;及び第5,993,804号に記載するように、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドなどの固定剤を有する固定を含み、造影剤、濃縮因子、パフォーマンス強化薬、抗菌剤及び抗ウィルス剤、若しくは普遍的なドナー溶液の追加を含む。有用な変更生成物の一例は、Entegrion株式会社(リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州)が市販するSTASIX(誘導体化乾燥血小板)である。以下は、噴霧乾燥したSTASIX粒子を再水和する一般的なプロトコルである。
【0045】
[実施例2:噴霧乾燥した誘導化血小板の再水和]
この実施例の目的は、全ての成分(血小板粒子、緩衝塩、充填剤(ヒト血清アルブミンなど))の濃度が、噴霧乾燥器へ入った懸濁液と同じになるように、噴霧乾燥した誘導化血小板(商標名STASIXで販売され、ノースカロナイナ州のEntegrion社より入手できる)を再水和することである。三段階でこれを達成した。
【0046】
第一に、噴霧乾燥前の懸濁液に用いられる充填媒体のための「基準A
280値」を得る。これは、血小板を遠心分離した後で噴霧乾燥前のA
280nm値であり、これはヒト血清アルブミン充填剤である上澄みタンパク質濃度を大きく反映している。第二に、噴霧乾燥後の粉末の試験再水和を10%(w/v)で行い、次いで280nm(A
280)で充填剤(ヒト血清アルブミン)の光学密度を測定する。第三に、噴霧乾燥前の上澄みのA
280と10%の上澄みのA
280値と比較して(比率で)、10%の再水和に近似値とどれ位離れているか決定する。次いでこの比率を用いて、噴霧乾燥前の懸濁液の充填剤のタンパク質濃度に一致させる必要がある、乾燥粉末の正確な重量パーセントを計算する。
【0047】
再水和後の粒子の血小板数を二つの方法で測定する。第一はHiska細胞計算器で、第二は光学濁度を測定することによる。これらの値や関連する再水和量が、すべての粒子特性評価分析の出発点を形成する。
【0048】
[手順]
1.噴霧乾燥前の光学密度を測定して、基準A
280値を得る。
a)液体の噴霧乾燥前のサンプルを解凍して、デスクトップの微量遠心管を5に設定し二分間遠心して遠心分離する。上澄みを保持する。
b)この上澄み1/10をクエン酸生理食塩水へ三倍に希釈して、ナノドロップ分光計でA
280値を計測する。
【0049】
2.10%(w/v)の懸濁液のタンパク質の光学密度の測定。
a)マイクロチューブ中の20乃至50mgの粒子部分をいくつか(だいたい4つ)に検量する。質量を記録する。一のチューブを蒸留水で10%(w/v)の懸濁液に再水和する。更に分析用に残りのチューブを保存する。
b)粒子を上記のように遠心分離して、上澄みを保持する。
c)各再水和サンプルの上澄み1/10をクエン酸食塩水に三倍に希釈して、A
280値を測定する。
【0050】
3.再水和の重量パーセントを計算して、以下の噴霧乾燥前の値と適合させる。
a)希釈係数(1/10)により希釈した噴霧乾燥前の上澄みからA280値を分けて、三つの値を平均し理論的な基準A
280値又はA
280,refを得る。
b)希釈係数(1/10)によって10%の再水和の上澄みからA
280値を分けて、三つの値を平均しA
280,10%といわれる理論的な不希釈のA
280値を得る。
c)再水和したサンプルが、基準A
280値と同じA
280値をとるように、基準A
280値方程式1に従いA
280,ref値に対するA
280,10%の比をとり、噴霧乾燥後の粉末の適した再水和質量(w/v)を得る。
【0051】
重量パーセント(w/v)*=10%(w/v)×A
280,ref/A
280,10%(方程式1)
*重量パーセントは、mg/mlを単位としており、例えば、8.9%(w/v)は89mg/mlに相当する。
【0052】
[STASIX粒子の総数の測定]
a)10%の再水和懸濁液(細胞を遠心分離しない)1/10をクエン酸生理食塩水で三倍に希釈する。
b)各サンプルをA
500で濁度を測定する。
c)Hiska血液学的分析器で直接細胞総数を測定する。
d)収量低下を考慮して計算する。
再水和して噴霧乾燥した誘導化血小板(再水和したSTASIX)の電子顕微鏡写真は、
図6と
図7に示した。
【0053】
[実施例3:カニクイザルにおける単回投与の距離測定の静脈内毒性試験]
単回でサルに静脈注射して投与(だいたい5回以上)したときに、噴霧乾燥した誘導化血小板(上記のようにStasixを噴霧乾燥して再水和した)の毒性の評価をするように検査を設計した。動物の回復サブグループを7日間観察した。
【0054】
5グループのサルを用いた−グループ1−溶媒(緩衝液)コントロール;グループ2−1倍の治療的STASIX量;グループ3−5倍の治療的STASIX量;グループ4−10倍治療的STASIX量;及びグループ5−ヒト血清アルブミン(500mg/kg)。用量はそれぞれ0.0、2.1×10
9、1.05×10
10、2.1×10
10であり、グループ1、2、3、4、及び5において0.0血小板/kgである。ヒト患者において、1倍の用量は、推測の治療的STASIX量、すなわち血液1マイクロリットルあたり追加の30,000の血小板である。
【0055】
この実験で用いたいずれのサルにも、症候的及びミクロ病理学的のいずれの副作用も見られなかった。2匹のオスのサルと2匹のメスのサルはすべて、わずか5分の非常に短い期間で注入したSTASIXの10倍の治療量に耐性があったので、無毒性量(NOAEL)は、少なくとも10倍の治療量である。ヒトの臨床設定においては、20分というかなりゆっくりした時間速度でSTASIX用量を注入する。
【0056】
注入後2日目又は8日目のいずれかに5つの投与グループを含む14匹の対象のサルの部検を行なったが、心臓や肺のいずれにも、微小血栓の発達の証拠は認められなかった。要するに、すべての適切な動物の使用と取り扱い規制下で、主要な外部の研究室で行なった詳細な動物実験では、対象とするヒトの治療量の最大10倍服用しても、STASIXは巨視的及び微視的のいずれのレベルでも有害な影響を提示しなかった。
【0057】
[実施例4:アルデヒド安定化血小板の噴霧乾燥]
この実施例では、アルデヒド安定化血小板を脱水する凍結乾燥の代替としての噴霧乾燥の有用性を検査する。その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,651,966号に記載されているReadらの手順を用いてヒトのアフェレーシス血小板を安定化した。
【0058】
上記の5%(w/v)ヒト血清アルブミン中の200万血小板/マイクロリットルで最終アルデヒド安定化血小板懸濁液を噴霧乾燥(120℃で1時間あたり415リットルのN2)して検査したところ、
図6と7に示すものと似た直径3乃至30ミクロンの球状粒子からなる微粉末を得た。
【0059】
17個の独立した乾燥血小板製剤を噴霧乾燥して調製し、当初の脱水前の容量に再水和した。これら17個が達した可算の血小板の収率(再水和後/噴霧乾燥前)は、96.8%+/−7.0%(標準偏差)だった。
【0060】
図8は、再水和後に噴霧乾燥した血小板の、正常なヒト血漿(フォンヴィレブランド因子源として)への変換と、1mg/ml(パネルB)又はコントロールの緩衝液(パネルA)に対応する量のリストセチン添加を示す。リストセチン添加で大きな凝集体が認められ、これは噴霧乾燥が糖タンパク質1B−フォンヴィレブランド因子受容体の機能を維持したことを示す。
【0061】
カニクイザル(1又は2/性別/グループ)は、2.1×10
9、1.05×10
10、又は2.1×10
10血小板/kgの用量で噴霧乾燥した血小板の5分間の静脈内注射を1回受けた。コントロールの動物(2/性別)は、溶媒(生理的食塩水中の5.375mMのクエン酸ナトリウムと2mMのシステイン)を受け、別のグループは、500mg/kgのヒト血清アルブミン(HSA)を受けた。投与量は、すべてのグループに2mL/kg/分であった。投与後1日目又は7日目に動物を観察した。投与1日後に1動物/性別/グループを安楽死させ、部検を行った。コントロールと高用量(2.1×10
10血小板/kg)グループから性別ごとに部検前に動物を7日間保存した。検査中に評価したパラメータは、生存能力、臨床観察、体重、臨床病理(2日目と8日目に予備検査)、器官重量、巨視的観察、及び微視的病理であった。
【0062】
噴霧乾燥した血小板のすべての用量(最大2.1×10
10血小板/kg)の投与は、良好な耐容性を示した。血液学的変化は、用量投与の後日の血小板数の減少と二匹の高用量(2.1×10
10血小板/kg)動物(メス)のうち一匹の平均血小板量の増加だけだった。凝集又は臨床病理のパラメータにおける変化は観察されなかった。コントロールの値と比較すると、すべての検査対象動物及びHSAで治療した動物で脾臓重量の増加が見られた。中用量と高用量(1.05×10
10又は2.1×10
10血小板/kg)のメスとHSAで治療した2日目のメスと高用量(部検が行われるグループのみ)の8日目のメスの脾臓の胚中心のサイズの、何匹かの動物では脾臓の黄褐色の変色と表面の異常の巨視的観察と関連する、軽度から中程度の増加を顕微鏡観察は示した。メスの胚中心の肥大は、HSAに対する考えられる反応と思われた。小さい胚中心を有する溶媒で処理したコントロールでは、同様の検査結果は見られなかった。しかし、サルの脾臓では、活性な胚中心は一般的な所見であり、そしてこのサンプルのサイズが小さかったので、この所見は通常のバックグラウンドの範囲内である可能性がある。ある動物の7日後の脾臓の胚中心肥大の持続は、抗原刺激に対する胚中心反応である回復の欠如を示唆するが、この所見もまた通常のバックグラウンドの変化を反映する場合がある。
【0063】
[実施例5−血漿の噴霧乾燥とブタにおける検査]
新鮮なブタの血液由来の分離した血漿を、新鮮な凍結した血漿(FFP)として保管又は冷凍乾燥した血漿(FDP)若しくは噴霧乾燥した血漿(SDP、前述の実施例で詳述したように調製した)として保存した。インビトロ検査:当初のFFPの量と同等(1倍SDP)又は1/3(3倍SDP)である蒸留水中でSDPを再構成した。プロトンビン時間(PT)、部分的トロンボプラスチン時間(PTT)、フィブリノゲンレベル、及び選択された凝固因子の活性の測定を分析は含んだ。インビトロ検査で、多発性外傷(大腿骨骨折、等級Vの肝臓損傷)と出血性ショック(アシドーシス、凝固障害、及び低体温症の「致命的三徴」を伴う60%の動脈性出血)にブタをさらし、FFP、FDP、又は3倍SDPで治療した(n=4乃至5/グループ)。ベースライン(BL)、ショック後(PS)、晶質後(PC)、治療(MO)で凝固プロファイル(PT、PTT、トロンボエラストグラフィー)を測定し、4時間モニタリング(M1−4)した。
【0064】
噴霧乾燥後に凝固因子が保たれていることをインビトロ検査は示した。3倍SDPが長引いたPT/PTTを示すとともに、FFPと1倍SDPの凝固は類似していた。多発性外傷/出血性ショックは著しい凝固障害をもたらすが、3倍SDPの注入はFFPとFDPと同様に凝固障害対策に有効であった。これらの結果は、血漿が噴霧乾燥されて、インビボで凝固特性を損なうことなく当初の量の1/3に再構成され得ることを示している。この常温保存が可能、少量、高張性、及び高浸透圧の血漿は、外傷関連の及び他の凝固障害の治療に論理学的に魅力的な選択である。
【0065】
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