(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336447
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】メディアネットワークにおいて送信されるコンテンツのリソースベースの割り当てのためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2385 20110101AFI20180528BHJP
H04N 21/2662 20110101ALI20180528BHJP
【FI】
H04N21/2385
H04N21/2662
【請求項の数】28
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-526669(P2015-526669)
(86)(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公表番号】特表2015-532035(P2015-532035A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2013053945
(87)【国際公開番号】WO2014025884
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年5月20日
(31)【優先権主張番号】61/680,450
(32)【優先日】2012年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511287994
【氏名又は名称】ヴィジブル ワールド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ハーバーマン セス
(72)【発明者】
【氏名】ニーメイジャー ゲリット
【審査官】
富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0039205(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0296458(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0176496(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0150943(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0187939(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0112909(US,A1)
【文献】
特開2009−141926(JP,A)
【文献】
特開2012−004969(JP,A)
【文献】
特表2011−530231(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0209175(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素の配信のための帯域幅を割り当てるシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと作動可能に通信する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と、
を備え、前記コンピュータ可読記憶媒体が、1又はそれよりも多くのプログラミング命令を含み、前記命令が実行されたときに、
トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出し、
前記コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定し、
最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高プロファイルの利用可能なバージョンのための帯域幅を前記最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当て、
前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの前記最高プロファイルの利用可能なバージョンのための前記帯域幅の割り当て後に残っている前記複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅をより低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てる、
ように前記プロセッサに行わせる、前記複数のコンテンツ要素の少なくとも一つの前記より低いプロファイルバージョンは、対応する最高プロファイルバージョンをより低いプロファイルバージョンに変換することによって生成される、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記トランスポートストリームが、高解像度プログラミングストリームを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンテンツ機会が、テレビ広告スロットの少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のコンテンツ要素がテレビ広告コンテンツを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、高解像度バージョンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記低いプロファイルの利用可能なバージョンが、標準解像度バージョンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、第1ビットレートでエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記より低いプロファイルの利用可能なバージョンが、第2ビットレートでエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記第2ビットレートが、前記第1ビットレートよりも低い、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、第1解像度でエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記より低いプロファイルの利用可能なバージョンが、第2解像度でエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記第2解像度が、前記第1解像度よりも低い、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピュータ可読記憶媒体が更に、実行されたときに、
第2トランスポートストリームで第2コンテンツ機会を検出するように前記プロセッサに行わせるプログラミング命令を更に含み、前記第2トランスポートストリームが、低プロファイルのトランスポートストリームであり、前記トランスポートストリームが、高プロファイルのトランスポートストリームであり、
前記コンピュータ可読記憶媒体が更に、実行されたときに、
前記第2コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数の第2コンテンツ要素を決定し、
前記複数のコンテンツ要素のための前記帯域幅を割り当てる前に前記複数の第2コンテンツ要素の各々のための帯域幅を低プロファイルのトランスポートストリームに割り当てるように前記プロセッサに行わせるプログラミング命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記低プロファイルのトランスポートストリームが、標準解像度トランスポートストリームであり、前記高プロファイルのトランスポートストリームが、高解像度トランスポートストリームである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記トランスポートストリームが、テレビジョンネットワークの高プロファイルバージョンを送信し、前記第2トランスポートストリームが、前記テレビジョンネットワークの低プロファイルバージョンを送信する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータ可読記憶媒体が、実行されたときに、前記複数のコンテンツ要素に優先順位を付けるように前記プロセッサに行わせるプログラミング命令を更に含み、前記複数のコンテンツ要素の各々に最高の優先順位から最低の優先順位までが割り当てられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素の配信のための帯域幅を割り当てるコンピュータに実装される方法であって、プロセッサによって、
トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出する段階と、
前記コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定する段階と、
最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高の利用可能なプロファイルバージョンのための帯域幅を前記最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当てる段階と、
前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの前記最高プロファイルの利用可能なバージョンのための前記帯域幅の割り当て後に残っている前記複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅をより低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てる段階と、
を含む、前記複数のコンテンツ要素の少なくとも一つの前記より低いプロファイルバージョンは、対応する最高プロファイルバージョンをより低いプロファイルバージョンに変換することによって生成される、方法。
【請求項14】
前記トランスポートストリームが、高解像度プログラミングストリームを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンテンツ機会が、テレビ広告スロットの少なくとも一部分を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のコンテンツ要素がテレビ広告コンテンツを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、高解像度バージョンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記低いプロファイルの利用可能なバージョンが、標準解像度バージョンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、第1ビットレートでエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記より低いプロファイルの利用可能なバージョンが、第2ビットレートでエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記第2ビットレートが、前記第1ビットレートよりも低い、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記最高プロファイルの利用可能なバージョンが、第1解像度でエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記より低いプロファイルの利用可能なバージョンが、第2解像度でエンコードされた高解像度バージョンを含み、前記第2解像度が、前記第1解像度よりも低い、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
第2トランスポートストリームにおいて第2コンテンツ機会を検出する段階を更に含み、前記第2トランスポートストリームが、低プロファイルのトランスポートストリームであり、前記トランスポートストリームが、高プロファイルのトランスポートストリームであり、前記方法が更に、
前記第2コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数の第2コンテンツ要素を決定する段階と、
前記複数のコンテンツ要素のための前記帯域幅を割り当てる前に、前記複数の第2コンテンツ要素の各々のための帯域幅を低プロファイルのトランスポートストリームに割り当てる段階と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記低プロファイルのトランスポートストリームが、標準解像度トランスポートストリームであり、前記高プロファイルのトランスポートストリームが、高解像度トランスポートストリームである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記トランスポートストリームが、テレビジョンネットワークの高プロファイルバージョンを送信し、前記第2トランスポートストリームが、前記テレビジョンネットワークの低プロファイルバージョンを送信する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のコンテンツ要素に優先順位を付ける段階を更に含み、前記複数のコンテンツ要素の各々に最高の優先順位から最低の優先順位までが割り当てられる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素の配信のための帯域幅を割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムコードが、
トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
前記コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高の利用可能なプロファイルバージョンのための帯域幅を前記最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
前記複数のコンテンツ要素の各々のうちの前記最高プロファイルの利用可能なバージョンの割り当て後に残っている前記複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅を、より低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
前記複数のコンテンツ要素の少なくとも一つの前記より低いプロファイルを、対応する最高プロファイルバージョンを前記より低いプロファイルバージョンに変換することによって生成するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
第2トランスポートストリームで第2コンテンツ機会を検出するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを更に含み、前記第2トランスポートストリームが、低プロファイルのトランスポートストリームであり、前記トランスポートストリームが、高プロファイルのトランスポートストリームであり、前記コンピュータ可読プログラムコードが更に、
前記第2コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数の第2コンテンツ要素を決定し、
前記複数のコンテンツ要素のための前記帯域幅を割り当てる前に、前記複数の第2コンテンツ要素の各々のための帯域幅を低プロファイルのトランスポートストリームに割り当てる、
ように構成されている、請求項25に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記低プロファイルのトランスポートストリームが、標準解像度トランスポートストリームであり、前記高プロファイルのトランスポートストリームが、高解像度トランスポートストリームである、請求項26に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記トランスポートストリームが、テレビジョンネットワークの高プロファイルバージョンを送信し、前記第2トランスポートストリームが、前記テレビジョンネットワークの低プロファイルバージョンを送信する、請求項26に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、その内容が本明細書にあたかも完全に記載されているように引用により全体が本明細書に組み込まれる、2012年8月7日出願の米国仮出願第61/680,450号の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
説明する技術は、一般的に、メディアネットワーク内でブロードキャストされるトランスポートストリームにおける帯域幅の割り当てに関し、より具体的には、トランスポートストリームの利用可能なリソースに基づく、異なるリソースプロファイルを有するコンテンツの配信のための帯域幅の割り当てに関する。
【背景技術】
【0003】
メディアネットワークは、高解像度(HD)及び標準解像度(SD)プログラミングストリームのような複数のタイプのプログラミングストリームを同時にブロードキャストすることができる。一般に、HDプログラミングは、16:9のアスペクト比及び垂直解像ライン約1920本×水平解像ライン1080本、すなわち1920×1080(1フレームあたり2.1メガピクセル)、又は1280×720(1フレームあたり0.9メガピクセル)の解像度を有することができる。標準解像度(SD)は、一般に、HDよりも低い信号フォーマットを指すのに使用される。メディアネットワークは、ユーザ需要、コンテンツプロバイダ要求、ネットワーク要件に基づいて利用可能なフォーマットで様々なタイプのコンテンツを提供することができる。異なるフォーマットは、異なるリソースを必要とし、例えば、HDコンテンツはSD帯域幅よりも多くの帯域幅を必要とする。一般に、メディアネットワークは、付加的な帯域幅を用いてHDコンテンツを送信するなど、より高いプロファイルのコンテンツを提供するためにリソースの利用が増大する。しかしながら、コンテンツを収容するためにリソース利用を増大させると、効率が低下し、複数のタイプのプログラミングフォーマットを提供する有益性が低下することになる。従って、メディアネットワークは、既存リソースを用いて視聴者に送信するために、コンテンツのための帯域幅を効率的に割り当てるように構成された方法から恩恵を受けるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮出願第61/680,450号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、説明する特定のシステム、デバイス、及び方法を変更することができるので、これらに限定されるものではない。説明で使用される用語は、単に特定の形態又は実施形態を説明する目的のものに過ぎず、その範囲を限定することを意図するものではない。
【0006】
本文書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそれ以外を明確に示さない限り複数形の照応を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示のいかなるものも、従来の発明によるそのような開示に対して本発明が先行しないものであると自認すると解釈されるべきではない。本文書で使用される用語「comprising」は、「限定ではないが含む」を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、様々なフォーマット及び解像度のコンテンツ間で帯域幅リソースを割り当てて、伝送の受信側への全コンテンツアセットの配信を保証するための適応帯域幅管理を提供する。本発明の実施形態は、スケジュール又はターゲットコンテンツの配信のために必要な帯域幅を判定し、帯域幅のような不十分なリソースを利用できない場合に、既存のリソース及びコンテンツを管理して、これによって利用可能なコンテンツストリーム又はチャネルを通じて全てのコンテンツが配信されるのを保証する。
【0008】
1つの実施形態において、家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素の配信のための帯域幅を割り当てるシステムは、プロセッサと、プロセッサと作動可能に通信する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、1又はそれよりも多くのプログラミング命令を含み、該命令が実行されたときに、トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出し、コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定し、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高の利用可能なプロファイルバージョンのための帯域幅を最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当て、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高プロファイルの利用可能なバージョンのための帯域幅の割り当て後に残っている複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅をより低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てるように、プロセッサに行わせる。
【0009】
1つの実施形態において、家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるコンピュータに実装される方法は、プロセッサによって、トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出する段階と、コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定する段階と、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高の利用可能なプロファイルバージョンのための帯域幅を最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当てる段階と、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高プロファイルの利用可能なバージョンのための帯域幅の割り当て後に残っている複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅をより低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てる段階と、を含むことができる。
【0010】
1つの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体は、家庭アドレス指定可能メディアネットワーク内のトランスポートストリームにおいてコンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを有し、コンピュータ可読プログラムコードは、トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、コンテンツ機会に関してアドレス指定された複数のコンテンツ要素を決定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームが十分なリソースを有していることに応答して、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高の利用可能なプロファイルバージョンのための帯域幅を最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームに割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、複数のコンテンツ要素の各々のうちの最高プロファイルの利用可能なバージョンのための帯域幅の割り当て後に残っている複数のコンテンツ要素の各々のうちのより低いプロファイルバージョンのための帯域幅をより低いプロファイルのコンテンツストリームに割り当てるように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、を含むことができる。
【0011】
本発明の上記及び他の目的は、添付図面と関連して解釈される以下の詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一部の実施形態による例示的なメディアネットワークを示す図である。
【
図2】一部の実施形態に従って構成される例示的な帯域幅割り当て方法を示す流れ図である。
【
図3A】一部の実施形態による例示的な帯域幅割り当てシステムを示す図である。
【
図3B】一部の実施形態による例示的な帯域幅割り当てシステムを示す図である。
【
図3C】一部の実施形態による例示的な帯域幅割り当てシステムを示す図である。
【
図4】上述のような種々のコンピュータ処理及びシステムを含む又は実施するのに使用することができる例示的な内部ハードウェアのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
説明する技術は、一般的に、ブロードキャストストリーム内のコンテンツ機会に関してアドレス指定されるコンテンツに対するリソース割り当てのためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体を対象とする。メディアネットワークは、高プロファイルフォーマット及び低プロファイルフォーマットのような異なるリソース要件を有する複数のフォーマット又は解像度で加入者宅内機器(CPE)にコンテンツを送信するように構成することができる。例えば、高プロファイルフォーマットは、低プロファイルフォーマットよりも多くの帯域幅をトランスポートストリーム内で必要とする可能性がある。高プロファイルフォーマットの非限定的な例は、高解像度(HD)コンテンツであり、低プロファイルフォーマットの非限定的な例は、標準解像度コンテンツ(SD)である。付加的なフォーマット又は解像度は、以下に限定されるものではないが、4K、8K、1080i、1080p、780i、780p、又は同様のものを含むことができる。一部の実施形態によれば、メディアネットワークは、リソース閾値を満たすまでは、高プロファイルコンテンツ要求に応答して高プロファイルコンテンツを提供するように構成することができる。リソース閾値に達した後は、メディアネットワークは、要求されたコンテンツを低プロファイルフォーマットで提供することができる。このようにして、メディアネットワークは、付加的な帯域幅のような追加のリソースを必要とすることなく、要求されたコンテンツを提供することができる。
【0014】
図1は、一部の実施形態による例示的なメディアネットワークを示している。
図1に示すように、メディアネットワーク100は、メディアコンテンツプロバイダ105を含むことができる。メディアコンテンツプロバイダ105の非制限的な例は、テレビジョンブロードキャストネットワーク、ケーブルテレビジョンネットワーク、衛星テレビジョンネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)、コンピュータデバイス広告ネットワーク、メディア配信ネットワーク、クラウドコンピュータネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、地上波ネットワーク、移動体ネットワーク、1ウェイネットワーク、2ウェイネットワーク、又はこれらの組み合わせを含む。メディアコンテンツプロバイダ105は、メディアネットワーク100の視聴者115と通信するように構成された1又はそれよりも多くのローカルコンテンツシステム110a−110nにコンテンツを送信することができる。ローカルコンテンツシステム110a−110nは、メディアコンテンツプロバイダ105から受信したメディアコンテンツを視聴者115の定義された部分に送信するように構成された機器及びシステムを含むことができる。ローカルコンテンツシステム110a−110nの例示的かつ非制限的な例は、ケーブルテレビジョンネットワークヘッドエンド、インターネットサービスプロバイダ基地局などを含む。
【0015】
実施形態によれば、メディアコンテンツプロバイダ105は、物理的デバイスプラットフォーム及びネットワークにわたって同時に作動するように構成することができる。例えば、コンテンツは、ケーブルテレビジョンシステムにわたってセットトップボックス(STB)、スマートテレビ(Smart TV)、及び/又はデジタルビデオレコーダ(DVR)に、ISPネットワーク上で標準的なネットワーク通信プロトコル(例えば、イーサネット又はWi−Fi)を使用して移動コンピュータデバイスに、標準的な電気通信プロトコル(例えば、第3世代(3G)、第4世代(4G)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)など)にわたってスマートフォンデバイスに、及びLAN、WAN、及び/又はISPネットワークを通じてホームゲートウェイデバイスに配信することができる。
【0016】
視聴者115は、以下に限定されるものではないが、STB、テレビジョン、DVR、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピュータデバイス、スマートフォン、タブレットコンピュータデバイス、ホームゲートウェイ又は同様のものを含む様々な受信機デバイス、或いは加入者宅内機器(CPE)を通してメディアネットワーク100からメディアコンテンツを受信することができる複数の家庭120を含むことができる。複数の家庭120が
図1に示されているが、図を単純化するために1つだけに符号が付けられている。視聴者115は、様々なセグメント化ファクタに基づいてセグメント125a−125nに分割することができる。セグメント化ファクタの非制限的な例は、年齢、性別、職業、家屋所有の年数、世帯規模、収入、地理的位置、家族規模、メディア利用習慣、及びこれらの組み合わせを含む。例えば、視聴者セグメントは、60,000ドルよりも上の年収を有する年齢25から35の間の男性を含むことができる。
【0017】
一部の実施形態によれば、視聴者は、家庭アドレス指定可能にすることができ、それによってメディアコンテンツプロバイダ105及び/又はローカルコンテンツシステム110a−110nは、特定のコンテンツを視聴者115の各家庭120及び/又はセグメント125a−125nに直接向けることができる。一部の実施形態によれば、コンテンツは、一般的に受信者によって受信及び消費することができるデータのいずれのタイプを含むことができる。コンテンツの例示的かつ非制限的な例は、広告、娯楽プログラム、情報プログラム、メッセージ、ビデオ、オーディオ、グラフィック、及び/又はアニメコンテンツを含む。メディアコンテンツプロバイダ105は、広告又はテレビ番組のような特定のメディアコンテンツをある一定のセグメント125a−125nだけに向けることができる。
【0018】
1つの実施形態において、メディアコンテンツプロバイダ105及び/又はローカルコンテンツシステム110a−110nは、リニアアドレス指定可能テレビジョン広告システムのようなリニアアドレス指定可能システムを実施するように構成することができる。リニアアドレス指定可能システムにおいて、コンテンツは、リニアブロードキャストシステム内のSTB、ホームゲートウェイ、及び/又はDVRのような個々の家庭120の受信機デバイスをターゲットにすることができる。一般に、リニアブロードキャストシステムは、全ての又は実質的に全てのコンテンツ(例えば、プログラミングネットワーク)を視聴者115内の全ての受信機デバイスにブロードキャストするように構成することができる。
【0019】
リニアブロードキャストシステム内で広告のようなターゲットコンテンツ又はターゲットコンテンツ要素を提供するには、ターゲットコンテンツが表示されるようスケジュールされた時間(一般に「アベイル(avail)」と呼ぶことができる)の間に、受信機デバイスがターゲットコンテンツにアクセスできることが必要とすることができる。例えば、ターゲットコンテンツ要素は、コマーシャルフィードストリームのような、別個の帯域幅又はトランスポートストリーム上で送信することができる。
【0020】
メディアコンテンツプロバイダ105は、以下に限定されるものではないが、標準解像度(SD)及び高解像度(HD)フォーマットを含む複数のフォーマット又はプロファイルで番組コンテンツをCPEに同時にブロードキャストするように構成することができる。番組コンテンツは、コンテンツの特定のフォーマット用に構成されたMPEG−2エンコード送信ストリームのようなプログラミングストリームを用いてブロードキャストすることができる。
【0021】
プログラミングストリームは、CPEに送信されるプログラミングストリームを、コンテンツ要素を受信するための異なるストリーム(「コンテンツストリーム」)に切り替えるためのコンテンツ機会(プレースメント機会、「アベイル」、コマーシャルスロット、広告スロット、スロット)を含むことができる。CPEは、コンテンツ要素の完了に応答してプログラミングストリームに切り替えて戻ることができる。例えば、テレビジョンプログラミングストリームは、プログラミング内に「コマーシャル・ブレイク」として構成されたコンテンツ機会を有することができる。このコンテンツ機会の間、CPEは、テレビジョンプログラミングストリームの受信から、コマーシャルコンテンツをブロードキャストするように構成されたコマーシャルフィーダストリームのようなコンテンツストリームの受信に切り替えることができる。コマーシャルストリーム内のコンテンツ要素(例えば、テレビコマーシャル)が完了した後、CPEは、テレビジョンプログラミングストリームに切り替えて戻ることができる。一般に、メディアネットワークは、コンテンツ機会に関連付けられたプロファイルに対応するプロファイルを有するコンテンツ要素を提供するように構成される。例えば、HDコマーシャルは、HDプログラミングストリーム上のアベイルに提示することができる。
【0022】
家庭アドレス指定可能メディアネットワーク100において、複数のコンテンツ要素を各コンテンツ機会に送信することができる。例えば、3つの異なるセグメント125a−125nにアドレス指定された3つのコンテンツ要素は、1又はそれよりも多くのコンテンツストリームを用いてブロードキャストすることができる。ユーザによる視聴のために、例えば、ローカルコンテンツシステム110a−110nレベルで及び/又はCPEで適切なコンテンツ要素を選択することができる。従って、メディアコンテンツプロバイダ105は、様々なフォーマットタイプで複数のプログラミングトランスポートストリーム及び複数のコンテンツストリームをブロードキャストすることができる。例えば、特定のテレビジョンネットワークは、メディアネットワーク100内で1つのHDプログラミングストリーム及び1つのSDプログラミングストリームにわたってブロードキャストすることができる。これに加えて、メディアネットワーク100は、例えば、HD及びSDプログラミングストリーム内のアベイルにターゲットされたコマーシャルとして少なくとも1つのHDコンテンツストリーム及び1つのSDコンテンツを送信することができる。
【0023】
複数のトランスポートストリームを用いたプログラミング及びコンテンツ要素の送信は、メディアネットワーク100のリソース要件及び効率に影響を及ぼす可能性がある。例えば、トランスポートストリームの追加による帯域幅のようなリソースの追加は、機器、ネットワーク資産、及びリソース利用要件を必要とする場合があり、これは、メディアネットワーク100のコスト効率及びユーザに提供されるサービスレベルに影響を与える場合がある。従って、メディアコンテンツプロバイダ105は、需要の増大に応答して帯域幅を増加させるプロバイダ能力が制限される。
【0024】
テレビ広告のような家庭アドレス指定可能コンテンツを従来技術による高プロファイルフォーマットで提供することは、一般的に、利用可能な帯域幅を増加させることによって、例えば、付加的なトランスポートストリームを用いてコンテンツを送信することによって実施される。例えば、メディアネットワークは、HD及びSDプログラミングを提供するように構成することができる。HDプログラミングストリームは、2つのテレビジョンネットワークを送信するように構成することができる。HDプログラミングストリームは、メディアコンテンツプロバイダが、3つの家庭アドレス指定可能HD広告を必要とする広告主に販売したコンテンツ提供物を含むことができる。HD広告を送信するための対応するHDコンテンツストリームは、同じコンテンツ提供物スロット中に2つのコマーシャルを同様に送信することができるに過ぎない。既存技術によれば、メディアネットワークは、3つの広告のうちの1つの送信に失敗するか、又は2つのHDコンテンツストリームを用いて3つのHD広告を(最初の2つのHD広告を1つのHDコンテンツストリーム上で、第3のHD広告を第2のHDコンテンツストリーム上で)送信するかのいずれかとすることができる。しかしながら、このようなシステムは、柔軟性がなく、ネットワーク帯域幅の割り当て及び使用のようなリソース利用に関して最適化されていない。例えば、HDアベイルが開始されると、従来技術に従って構成されたシステムは、リソース利用を増大させるか、又は家庭アドレス指定可能なアベイルが部分的に機能しなくなるかのいずれかとすることができる。
【0025】
従って、本明細書で説明する一部の実施形態は、コンテンツ提供物に関してアドレス指定されるコンテンツ要素のための帯域幅の割り当て及び/又はフォーマットを動的に適応するように構成することができる。
図2は、一部の実施形態に従って構成された例示的な帯域幅割り当て方法の流れ図を示している。様々な実施形態において、
図2に関連して本明細書で説明する構成要素は、一般的に、あらゆる順序及び/又はあらゆる組み合わせで組み合わせることができ、本明細書に記載する順序によって限定されず、より多くの又はより少ない構成要素を含むことができる。
図2に示した各段階は、メディアネットワークの種々の構成要素を含むことができるシステムによって実行されると説明しており、
図1に示したメディアネットワーク100のこのような構成要素は、1又はそれよりも多くのコンピュータデバイス、サーバ、ネットワーク機器構成要素、ソフトウエアアプリケーションなどを含む。
【0026】
図2に示すように、システムは、トランスポートストリームにおいてコンテンツ機会を検出することができる(205)。例えば、コンテンツ機会は、プログラミングストリームにおけるテレビ番組のアベイルとすることができる。プログラミングストリームは、HDフォーマットを含む高プロファイルフォーマットのような種々のフォーマットを含むことができる。一般に、プログラミングストリームのフォーマットは、メディアネットワークにおいて利用可能な最低フォーマットではない。例えば、メディアフォーマットは、HD及びSDトランスポートストリームを送信するように構成されたメディアネットワークにおけるHDトランスポートストリームとすることができる。本システムは、コンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素を決定することができる(210)。例えば、複数の家庭アドレス指定可能コマーシャルは、3つの異なるメディアネットワーク視聴者セグメント向けのテレビコマーシャルの3つのバージョンのように、コンテンツスロットに対してターゲットすることができる。
【0027】
本システムは、利用可能なコンテンツストリームにおいてコンテンツ要素に対して帯域幅を割り当てることができる(215)。例えば、メディアネットワークは、コンテンツ要素を送信するために1つの高プロファイル(例えば、HD)コンテンツストリーム及び1つの低プロファイル(例えば、SD)コンテンツストリームを含むことができる。1つの実施形態において、コンテンツストリームは、メディアネットワーク内でコマーシャルフィードとして構成することができる。本システムは、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームにおいて利用可能なリソースがあるか否かを判定することができる(220)。例えば、リソースは、帯域幅、チャネル数、ビットレート、又はトランスポートストリームの他の制約様態を含むことができる。一般に、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームは、コンテンツ機会に関連するプログラミングストリームのプロファイルと一致するプロファイルを有するコンテンツストリームとすることができる。例えば、コンテンツ機会は、HDプログラミングストリームのような高プロファイルプログラミングストリーム内に存在することができる。従って、最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームは、高プロファイル(HD)プログラミングストリームを含むことができる。
【0028】
リソースが利用可能であるとシステムが判定した場合(220)、最高プロファイルの利用可能なコンテンツ要素のための帯域幅が最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームで割り当てられ(225)、そうでない場合には、より低い利用可能なコンテンツ要素のための帯域幅がより低いプロファイルの利用可能なコンテンツストリームで割り当てられる(230)。例えば、トランスポートストリームがHDプログラミングストリームである場合、本システムは、HDコマーシャルストリームにおいて十分なリソースが利用可能であるかどうかを判定することができる(220)。十分なリソースがある場合、本システムは、コンテンツ機会に対応する時間にてHDコマーシャルのための帯域幅をHDコマーシャルストリームで割り当てることができる(225)。十分なリソースがない場合、本システムは、コンテンツ機会に対応する時間にてSDコマーシャルのための帯域幅をSDコマーシャルストリームで割り当てることができる(230)。
【0029】
このようにして、メディアネットワークは、既存の帯域幅内でコンテンツ要素のための帯域幅を割り当て、及び/又は様々なプロファイルを有するコンテンツのための帯域幅を割り当てることによって帯域幅の拡大を制限するような柔軟性を有することができる。
図2を参照しながら説明したように、一部の実施形態は、要求されたコンテンツに関連する元のプロファイルとは異なるプロファイルを有するコンテンツのための帯域幅を動的に割り当てて、要求されたコンテンツの配信を持続しながらシステムリソースを管理することができるメディアネットワークシステムを提供する。
【0030】
1つの実施形態において、本システムは、利用可能なプロファイルのコンテンツ要素を生成及び/又はアクセスすることができ、コンテンツ要素のための帯域幅を割り当てる(225、230)ときにこれらの要素から選択することができる。別の実施形態では、本システムは、コンテンツストリームにおいてコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるために、コンテンツ要素のプロファイルを動的に変更、修正、トランスコーディング、又は他の方法で変換することができる。例えば、本システムは、必要に応じてHDコンテンツ要素をSDコンテンツ要素としてエンコードするように構成することができる。一部の実施形態によれば、本システムは、特定のリソース要件を満たすために、複数のコンテンツ要素のプロファイルを修正するように構成することができる。例えば、3つのSDコンテンツ要素が約4Mbpsでエンコードされ、10Mbpsの帯域幅しか利用可能でない場合、本システムは、3つのSDコンテンツ要素全てを約3.33Mbpsにトランスコーディングすることができる。
【0031】
本システムは、全てのコンテンツ要素のための帯域幅が割り当てられたかどうかを判定することができる(235)。コンテンツ要素のための全ての帯域幅が割り当てられたと本システムが判定した場合(235)、コンテンツ機会のための割り当て処理が完了し(240)、そうでない場合には、本システムは、コンテンツ要素のための帯域幅のコンテンツストリームへの割り当てを継続することができる(215)。
【0032】
1つの実施形態において、メディアネットワークは、本明細書に記載する実施形態に従って説明した方法に加えて、1又はそれよりも多くの要因に基づいてコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てることができる。例えば、実施形態は、特定のコンテンツ要素のための帯域幅が、より低い優先順位のコンテンツ要素と比較して高プロファイルバージョンで割り当てられるようより高い優先順位を有するように、コンテンツ要素、コンテンツ機会、セグメント又は同様のものに優先順位を付けるように構成することができる。種々の実施形態によれば、価格、セグメント人口統計、コンテンツタイプ又は同様のものに基づいて、コンテンツ要素に優先順位を付けることができる。例えば、メディアネットワークは、コンテンツ要素のための帯域幅をターゲットとするため、従って高プロファイルバージョンとして割り当てられるようより高い優先順位を有するために、より高い料金でコンテンツプロバイダにコンテンツ機会を販売することができる。別の例では、メディアネットワークは、より高いプロファイルバージョンを割り当てるために、特定のセグメントの帯域幅に優先順位を付けて、HDテレビを有することが分かっているセグメントには、HDテレビを有する可能性がより低いセグメントよりも高い優先順位を付けることができ、或いは、25から45歳の年齢層の視聴者には、65歳以上の年齢層よりも高い優先順位を付けることができる。別の例では、コンテンツ要素には、コンテンツタイプに基づいて優先順位を付けることができ、例えば、番組プロモーションには製品広告よりも高い優先順位を付けることができる。このような実施形態によれば、システムは、高プロファイルバージョンで割り当てられる最も高い可能性を有するようにどのコンテンツ要素を最初に割り当てるべきかを判定することができる。
【0033】
本明細書ではHD及びSDプロファイルを実施例として用いてきたが、一部の実施形態に従って使用可能なメディアプロファイル、フォーマット、システム、圧縮、エンコーディングレベル又は同様のもののあらゆるタイプが本明細書では企図されるので、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、メディアネットワークは、6MbpsのHD、9MbpsのHD、及び11MbpsのHDなどのようなエンコーディングレベルに基づいた複数のプロファイルを含むことができる。
【0034】
1つの例では、メディアネットワークは、3つのフォーマット、すなわち、第1フォーマット、第2フォーマット、及び第3フォーマットを使用することができ、各々が様々なリソース要件を有する。この例では、第1フォーマットが特定のリソースの最も多くを必要とし、第3フォーマットが特定のリソースの最も少なくを必要とし、第2フォーマットは、第1と第3のフォーマットの間のレベルのリソースを必要とする。一部の実施形態によれば、メディアネットワークは、特定のプロファイル(例えば、コンテンツ機会を含むプログラミングストリームに関連するプロファイル)を有するコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるよう試みることができ、十分なリソース(例えば、帯域幅)が利用可能でない場合には、本システムは、より低いプロファイルを有するコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるよう試みることができる。
【0035】
この例では、メディアネットワークは、第1プロファイルプログラミングストリームにおいてコンテンツ機会を検出するのに応答して、第1プロファイルコンテンツストリームにおいて4つのコンテンツ要素のための帯域幅を割り当てるよう試みることができる。第1プロファイルコンテンツストリームは、第1コンテンツ要素のための十分なリソースを有することができる。従って、メディアネットワークは、第1プロファイルコンテンツストリームにおいて第1コンテンツ要素の第1プロファイルバージョンのための帯域幅を割り当てることができる。第1プロファイルコンテンツストリームは、第2コンテンツ要素のための十分なリソースを有していない可能性があり、メディアネットワークは、第2コンテンツ要素のための帯域幅を第2プロファイルコンテンツストリームにおいて割り当てるよう試みることができる。第2プロファイルコンテンツストリームは、第2コンテンツ要素のための十分なリソースを有することができる。その結果、メディアネットワークは、第2コンテンツ要素の第2プロファイルバージョンのための帯域幅を第2プロファイルコンテンツストリームにおいて割り当てることができる。第1プロファイルコンテンツストリーム及び第2プロファイルコンテンツストリームは、第3コンテンツ要素のための十分なリソースを有していない可能性がある。従って、メディアネットワークは、第3コンテンツ要素のための帯域幅を第3プロファイルコンテンツストリームにおいて割り当てるよう試みることができる。第3プロファイルコンテンツストリームは、第3コンテンツ要素のための十分なリソースを有することができる。従って、メディアネットワークは、第3コンテンツ要素の第1プロファイルバージョンのための帯域幅を第3プロファイルコンテンツストリームにおいて割り当てることができる。ここで、メディアネットワークは、第1プロファイルコンテンツストリームが第4コンテンツ要素のための十分なリソースを有すると判定することができ、第4コンテンツ要素の第1プロファイルバージョンのための帯域幅を第1プロファイルコンテンツストリームにおいて割り当てることができる。
【0036】
図3A−3Cは、一部の実施形態による例示的なコンテンツ割り当てシステムを示している。
図3Aに示すように、SDプログラミングストリーム305a及びHDプログラミングストリーム310aは、
図1に示したメディアネットワーク100のようなメディアネットワーク内で送信することができる。一部の実施形態によれば、SDプログラミングストリーム305a及びHDプログラミングストリーム310aは、同じテレビジョンネットワークのSD及びHDバージョンをそれぞれブロードキャストすることができる。アベイル315a、315bは、HDプログラミングストリーム305b及びSDプログラミングストリーム310a上で送信することができる。アベイル315a、315bは、同じ広告主によって購入される同じコマーシャルのためのスロットとすることができる。
図3Aに示すように、HDプログラミングストリーム305aのためのアベイル315aは、HDプログラミングストリーム305bのためのアベイル315bに比べて遅延する可能性があり、これは、HDフォーマットがSDプログラミングと比較してより長い処理及び/又は伝送時間を必要とするという特定の特性に起因している。
【0037】
一般に、SDコンテンツは、HDコンテンツと比較してより低いビットレートでエンコードされ、従って、HDプログラミングストリーム305bは、SDプログラミングストリーム305aと比較して、1トランスポートストリームにつき少ないネットワークを有する可能性がある。1つの実施形態において、SDプログラミングストリーム305a及びHDプログラミングストリーム310aは、MPEG−2トランスポートストリームを含むことができる。
図3Aの例では、HDコンテンツは、2:1(例えば、1個のトランスポートストリームに2つのHDストリーム)でエンコードされ、SDコンテンツは5:1でエンコードされる。
【0038】
図3Aに示す例示的な実施形態では、アベイル315a、315bに対して3つの家庭アドレス指定可能広告がターゲットされていた。例えば、第1及び第2視聴者セグメントにそれぞれアドレス指定された第1のコマーシャルの2つの異なるタイプ、及び第3セグメントにアドレス指定された第3のコマーシャルがある。SDアベイル315aに関連付けられたSD家庭アドレス指定可能広告325a−325cは、SDコマーシャルフィード310aに割り当てることができる。HDコマーシャルフィード310bは、コンテンツを割り当てるために2つのストリームだけを有する。従って、コマーシャルのHDバージョン320a及び320bのための帯域幅は、HDコマーシャルフィード310bに割り当てられる。メディアネットワークは、コマーシャルのSDバージョン320cのための帯域幅をSDコマーシャルフィードにおける利用可能なストリームに割り当てる。
【0039】
代替の実施形態において、
図3Bに示すように、アベイル315cのための帯域幅は、HDプログラミングトランスポートストリーム内に収容されたコマーシャルのSDバージョン320cに割り当てられる。上述のように、これが行われるのは、ターゲットのHDアベイルの数がHD帯域幅を超えて、アベイルのうちの1つ又はそれよりも多くをSDフォーマットに逓減する必要がある場合とすることができる。同様に、
図3Cに示すように、上述のような方法でアベイル315a−315cの帯域幅がコマーシャルのSDバージョン325a−325cに割り当てられて、HDプログラミングストリームに挿入される。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、SD及びHDコマーシャルは、キュートーン又は他のトリガによって開始されるスケジュールされたコマーシャルブロックのような予め定められたスケジュールに従ってプログラミングストリーム内にリアルタイムで挿入され、プログラミングストリームに合わせられたデバイス上に表示することができる。或いは、一実施形態では、その後の時点で再生するためのコンテンツを配信するようにプログラミングトランスポートストリームにおける利用可能な帯域幅を決定することができる。このようなコンテンツは、STB、テレビのメモリ、移動体デバイスのメモリ又は同様のもののような伝送の受信側にあるデータストア内に長い時間バッファ又は格納することができる。このようにして格納されたコンテンツは、ローカルデバイスがその後の時点でコンテンツをアセンブル、挿入又は再生するための命令を含むことができる。
【0041】
図4は、上述の様々なコンピュータ処理及びシステムを収容する又は実施するために使用することができる例示的内部ハードウェアのブロック図を示している。バス400は、ハードウェアの他の例示する構成要素を相互接続する主情報ハイウエイとして機能する。CPU405は、プログラムを実行するのに必要な計算及び論理演算を実行する本発明のシステムの中央処理ユニットである。CPU405は、単独で又は
図4に開示した他の要素の1つ又はそれよりも多くと共に、本発明の開示に使用される用語を用いると例示的な処理デバイス、コンピュータデバイス、又はプロセッサである。読取専用メモリ(ROM)430及びランダムアクセスメモリ(RAM)435は、例示的メモリデバイスを構成する。
【0042】
コントローラ420は、1又はそれよりも多くの任意的なメモリデバイス425をシステムバス400に接続する。これらのメモリデバイス425は、例えば、外部又は内部DVDドライブ、CD ROMドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、USBドライブなどを含むことができる。上述のように、これらの様々なドライブ及びコントローラは、任意的なデバイスである。これに加えて、メモリデバイス425は、いずれのソフトウエアモジュール又は命令も格納するための個々のファイル、予備データ、結果の群又は予備データを格納するための共通ファイル、又は結果情報、予備データ、及び上述したような関連の情報を格納するための1又はそれよりも多くのデータベースを含むように構成することができる。
【0043】
取りわけ、上述したようなトランスポートストリームの分析、トランスポートストリームへのターゲットコンテンツの挿入、ターゲットデータの格納に関連付けられた機能的段階のいずれかを実行するためのプログラム命令、ソフトウエア、又は対話型モジュールをROM430及び/又はRAM435に格納することができる。任意的に、プログラム命令は、コンパクトディスク、デジタルディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、USBドライブ、Blu−ray(登録商標)ディスクのような光学ディスク記憶媒体、及び/又は他の記録媒体のような有形コンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0044】
任意的ディスプレイインタフェース430は、バス400からの情報を音声、視覚、グラフィック、又は英数字フォーマットでディスプレイ435上に表示することができる。情報は、現在のジョブチケット及び関連のタスクに関する情報を含むことができる。外部デバイスとの通信は、様々な通信ポート440を使用して実行することができる。例示的な通信ポート440は、インターネット又はローカルエリアネットワークのような通信ネットワークに取り付けることができる。
【0045】
ハードウェアはまた、キーボード450のような入力デバイス、又はマウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、リモートコントロール、ポインティングデバイス、ビデオ入力デバイス、及び/又はオーディオ入力デバイスのような他の入力デバイス455からのデータの受信を可能にするインタフェース445を含むことができる。
【0046】
上記で開示した特徴及び機能並びに他の特徴及び機能又はこれらの代替物の幾つかを望ましく組み合わせて、多くの他の異なるシステム又は応用にすることができる点は理解されるであろう。また、現在予測されない又は予期しない種々の代替、修正、変形、又は改善形態が当業者によって今後行うことができ、このような代替、変形、及び改善形態は添付の請求項によって包含されるものとすることは理解されるであろう。
【符号の説明】
【0047】
205 トランスポートストリームにおけるコンテンツ機会を検出する
210 コンテンツ機会に関してアドレス指定されたコンテンツ要素を決定する
215 コンテンツストリームにおいてコンテンツ要素を割り当てる
220 最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリーム内のリソースが利用可能か?
225 最高の利用可能なプロファイルのコンテンツ要素を最高プロファイルの利用可能なコンテンツストリームで割り当てる
230 より低いプロファイルのコンテンツ要素をより低いプロファイルコンテンツストリームで割り当てる
235 全てのコンテンツ要素が割り当てられたか?
240 完了