(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336452
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】ディスク回転防止を有するスラムシャット安全装置
(51)【国際特許分類】
F16K 1/50 20060101AFI20180528BHJP
F16K 17/32 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
F16K1/50
F16K17/32
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-534635(P2015-534635)
(86)(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公表番号】特表2015-530543(P2015-530543A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】US2013061807
(87)【国際公開番号】WO2014052522
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】61/706,585
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510279033
【氏名又は名称】エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】サンダース, ジェフリー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グゥエン, トゥン, キム
(72)【発明者】
【氏名】モルドヴァン, クリスチャン−ティベリウ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル−ブラド ロマン
(72)【発明者】
【氏名】モルドヴァン, ティベリウ
【審査官】
山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第202418759(CN,U)
【文献】
英国特許出願公告第00265802(GB,A)
【文献】
実公昭14−002980(JP,Y1)
【文献】
米国特許第03429321(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0284102(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00−1/54
F16K 17/00−17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転防止アセンブリを有するスラムシャット安全装置であって、
弁体であって、入口および出口を有し、前記入口と前記出口との間に延在する流路を画定し、前記入口と前記出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を備える弁体と、
前記弁体内に移動可能に取り付けられた弁ディスク支持体と、
前記弁ディスク支持体に取り付けられた弁ディスクであって、
前記弁ディスク支持体および前記弁ディスクは、前記弁体内に移動可能に配設され、前記弁ディスクが前記弁座から離間する開の第1位置と、前記弁ディスクが前記弁座に対して収容される閉の第2位置との間で連動して移動可能である、弁ディスクと、
前記弁ディスク支持体に動作可能に連結され、前記開の第1位置に前記弁ディスクを配置する未解除位置と、前記閉の第2位置に前記弁ディスクを配置する解除位置との間で前記弁体に対して移動可能であるリセットピンであって、前記リセットピンを前記未解除位置から前記解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するように配された、リセットピンと
を備え、
前記弁ディスクおよび前記弁ディスク支持体は、接合部で接触し、前記接合部は、突起部および受容領域を備え、前記突起部および前記受容領域は、前記突起部が前記受容領域に隣接して収容された場合に、前記弁ディスクと前記弁ディスク支持体との間の回転を防ぐように協働する、
スラムシャット安全装置。
【請求項2】
前記弁体内に配設されたばねであって、前記弁ディスク支持体に動作可能に連結され、前記閉の第2位置に向かって前記弁ディスクを付勢するように配されたばねを備える、請求項1に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記弁ディスクによって担持され、前記受容領域は、前記弁ディスク支持体によって担持される、請求項1または2に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項4】
前記弁ディスクは、裏当て板に取り付けられ、前記突起部は、前記裏当て板から延在する一対のフィンを備え、前記受容領域は、前記弁ディスク支持体によって担持された一対の表面を備え、前記フィンの対は、前記表面の対に係合するようにサイズが設定されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項5】
前記弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、前記表面は、前記拡大部分に形成される、請求項4に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項6】
前記受容領域は、平面を備え、前記突起部は、平面を有する弧状のフィンを備え、前記弧状のフィンの前記平面は、前記受容領域の前記平面に係合するようにサイズが設定されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項7】
前記弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、前記受容領域は、前記拡大部分に形成された一対の平面を備え、さらに、前記突起部は、前記平面に係合するようにサイズが設定された一対のフィンを備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項8】
スラムシャット安全装置であって、
弁体であって、入口および出口を有し、前記入口と前記出口との間に延在する流路を画定し、前記入口と前記出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を備える弁体と、
前記弁体内に移動可能に取り付けられた弁ディスク支持体と、
前記弁ディスク支持体に取り付けられた弁ディスクであって、
前記弁ディスク支持体および前記弁ディスクは、前記弁体内に移動可能に配設され、前記弁ディスクが前記弁座から離間する開の第1位置と、前記弁ディスクが前記弁座に対して収容される閉の第2位置との間で移動可能である、弁ディスクと、
前記弁ディスク支持体に動作可能に連結され、前記開の第1位置に前記弁ディスクを配置する未解除位置と、前記閉の第2位置に前記弁ディスクを配置する解除位置との間で前記弁体に対して移動可能であるリセットピンであって、前記リセットピンを前記未解除位置から前記解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するように配されたリセットピンと、
前記弁ディスクおよび前記弁ディスク支持体の協働部分によって担持された回転防止アセンブリであって、少なくとも1つの突起部と、前記突起部を受容するようにサイズが設定された少なくとも1つの受容領域とを備え、前記弁ディスク支持体に対して前記弁ディスクの回転を止めるように配された回転防止アセンブリと
を備える、スラムシャット安全装置。
【請求項9】
前記弁体内に配設されたばねであって、前記弁ディスク支持体に動作可能に連結され、前記閉の第2位置に向かって前記弁ディスクを付勢するように配されたばねを備える、請求項8に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項10】
前記弁ディスクは、裏当て板に取り付けられ、前記少なくとも1つの突起部は、前記裏当て板から延在する一対のフィンを備え、前記少なくとも1つの受容領域は、前記弁ディスク支持体によって担持された一対の表面を備え、前記フィンの対は、前記表面の対に係合するようにサイズが設定されている、請求項8または9に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項11】
前記弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、前記表面は、前記拡大部分に形成される、請求項10に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの受容領域は、平面を備え、前記少なくとも1つの突起部は、平面を有する弧状のフィンを備え、前記弧状のフィンの前記平面は、前記受容領域の前記平面に係合するようにサイズが設定されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項13】
前記弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、前記受容領域は、前記拡大部分に形成された一対の平面を備え、さらに、前記突起部は、前記弁ディスクによって担持され、前記平面に係合するようにサイズが設定された一対のフィンを備える、請求項8〜12のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項14】
スラムシャット安全装置内の弁ディスクの回転を止める方法であって、
入口および出口を有し、前記入口と前記出口との間に延在する流路を画定する弁体であって、前記入口と前記出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を備える、弁体を提供することと、
前記弁体内に移動可能に取り付けられた弁ディスク支持体を提供することと、
前記弁ディスク支持体に弁ディスクを取り付けることと、
前記弁ディスク支持体および前記弁ディスクを前記弁体内に移動可能に配設して、前記弁ディスクが前記弁座から離間する開の第1位置と、前記弁ディスクが前記弁座に対して収容される閉の第2位置との間で前記弁ディスクの移動を可能にすることと、
リセットピンを前記弁ディスク支持体に動作可能に連結し、前記開の第1位置に前記弁ディスクを配置する未解除位置と、前記閉の第2位置に前記弁ディスクを配置する解除位置との間で前記弁体に対する移動のために前記リセットピンを配列することと、
前記リセットピンを前記未解除位置から前記解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するように前記リセットピンを配列することと、
前記弁ディスクおよび前記弁ディスク支持体の協働部分によって担持された回転防止アセンブリを提供することと、
少なくとも1つの突起部と、前記突起部を受容するようにサイズが設定された少なくとも1つの受容領域とを有する前記回転防止アセンブリであって、前記弁ディスク支持体に対して前記弁ディスクの回転を止めるように配された前記回転防止アセンブリを提供することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記弁体内に配設されたばねを提供することと、前記閉の第2位置に向かって前記弁ディスクを付勢するように前記ばねを前記弁ディスク支持体に動作可能に連結することとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記弁ディスクに裏当て板を提供することと、前記裏当て板から延在する一対のフィンを形成することと、前記弁ディスク支持体によって担持された一対の表面から前記少なくとも1つの受容領域を形成することと、前記表面の対に係合するように前記一対のフィンのサイズを設定することとを含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
拡大部分を有する前記弁ディスク支持体を提供することと、前記拡大部分に前記表面の対を形成することとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記弁ディスク支持体における弧状の切り欠きから前記少なくとも1つの受容領域を形成することと、平面を有し、前記弁ディスクから延在する弧状のフィンとして前記少なくとも1つの突起部を形成することと、前記受容領域の前記平面に係合するように前記弧状のフィンの前記平面のサイズを設定することとを含む、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分配システムのためのスラムシャット安全装置に関し、より詳細には、弁ディスクを固定するために回転防止機能を備えたスラムシャット安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスを分配するために使用されるシステム等のガス分配システムは一般に、一連の導管に沿って、一連の弁を介して生産者から消費者にガスを輸送する。各ガス分配システムは、分配システム内のガスの圧力を制御する1つ以上の調整弁を含むことがある。通常、ガスは、システムを介して高圧で伝送される。しかしながら、ガスの圧力は、消費者への最終分配より前に減圧する必要がある。この減圧は、通常、局所網の減圧ステーションで達成される。
【0003】
典型的に、この減圧ステーションは、1つ以上の圧力調整弁と、圧力調整弁が故障した場合に、ガスの流れを遮断するある種の安全装置とを含む。最も一般的には、スラムシャット安全弁は、過大圧力状態または過小圧力状態などの適切な状況で流れを遮断するために安全装置として使用される。例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第4,134,421号は、パイプライン内に過大圧力保護を提供するスラムシャット安全弁を開示している。スラムシャット安全弁の別の例は、米国特許第8,225,812号に開示され、当該文献も、参照により本明細書に援用される。スラムシャット安全弁は、圧力調整弁が故障した場合にスラムシャット弁が圧力調整弁に達するガスを防ぐように、圧力調整弁の概して上流のシステム内に配設され得る。
【0004】
スラムシャット安全弁は、最大圧力許容範囲および最小圧力許容範囲のための圧力調整弁に隣接してガス圧を監視するように配置され得る。一例として、装置の下流の圧力が最大許容範囲または最小許容範囲のいずれかを超える場合、スラムシャット安全弁が閉じ、圧力調整弁へのガスの流れを遮断し、圧力調整弁の考えられ得る故障によるガスの制御されていない漏洩を防ぐ。
【0005】
既知のスラムシャット安全弁は、弁座の近くに弁オリフィスを覆うようにサイズが設定された弁ディスクを有する。弁ディスクは、リセットピンに連結され、リセットピンは同様に、過大圧力または過小圧力状態を検知するアクチュエータに取り付けられる。リセットピンは典型的に、開位置または未解除位置にあり、これは、開位置で弁座から離れて弁ディスクを配置する。アクチュエータが適切な解放状態を検知する場合、アクチュエータは、リセットピンを解放し、弁ディスクは、弁座に対して閉位置に移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスラムシャット装置では、弁は典型的に、通常動作中に開位置にある。弁がこの開位置にある場合、弁ディスクは、この装置を通じて流体の流れに常にさらされる。弁ディスクがステムに取り付けられることにより、特定の流動状態では、弁ディスクに作用する力が弁ディスクを回転させる場合があり、これは最終的に、支持する弁ステムを早期に摩耗させる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の例示的な態様によれば、スラムシャット安全装置は、入口および出口を有し、この入口と出口との間に延在する流路を画定する弁体を含むことができる。弁体は、入口と出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を含み、弁ディスク支持体は、弁体内に移動可能に取り付けられ、弁ディスクは、弁ディスク支持体に取り付けられる。弁ディスク支持体および弁ディスクは、弁体内に移動可能に配設され、弁ディスクが弁座から離間する開の第1位置と、弁ディスクが弁座に対して収容される閉の第2位置との間で連動して移動可能である。リセットピンは、弁ディスク支持体に動作可能に連結され、開の第1位置に弁ディスクを配置する未解除位置と、閉の第2位置に弁ディスクを配置する解除位置との間で弁体に対して移動可能であり、リセットピンは、リセットピンを未解除位置から解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するように配される。弁ディスクおよび弁ディスク支持体は、接合部で接触し、接合部は、突起部および受容領域を含み、突起部および受容領域は、突起部が受容領域に隣接して収容された場合に、弁ディスクと弁ディスク支持体との間の回転を防ぐように協働する。
【0008】
第2の例示的な態様によれば、スラムシャット安全装置は、入口および出口を有し、この入口と出口との間に延在する流路を画定する弁体を含み、弁体は、入口と出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を含む。弁ディスクは、弁体内に移動可能に取り付けられ、弁ディスクは、弁ディスク支持体に取り付けられる。弁ディスク支持体および弁ディスクは、弁体内に移動可能に配設され、弁ディスクが弁座から離間する開の第1位置と、弁ディスクが弁座に対して収容される閉の第2位置との間で移動可能である。リセットピンは、弁ディスク支持体に動作可能に連結され、開の第1位置に弁ディスクを配置する未解除位置と、閉の第2位置に弁ディスクを配置する解除位置との間で弁体に対して移動可能であり、リセットピンは、リセットピンを未解除位置から解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するように配される。回転防止アセンブリは、弁ディスクおよび弁ディスク支持体の協働部分によって担持され、回転防止アセンブリは、少なくとも1つの突起部と、この突起部を受容するようにサイズが設定された少なくとも1つの受容領域とを備える。回転防止アセンブリは、弁ディスク支持体に対して弁ディスクの回転を止めるように配される。
【0009】
第3の例示的な態様によれば、スラムシャット安全装置内の弁ディスクの回転を止める方法は、入口および出口を有し、この入口と出口との間に延在する流路を画定する弁体であって、入口と出口との間に配設されたオリフィスを囲む弁座を含む、弁体を提供する工程と、弁体内に移動可能に取り付けられた弁ディスク支持体を提供する工程と、弁ディスクを弁ディスク支持体に取り付ける工程とを含む。本方法は、弁ディスク支持体および弁ディスクを弁体内に移動可能に配設して、弁ディスクが弁座から離間する開の第1位置と、弁ディスクが弁座に対して収容される閉の第2位置との間で弁ディスクの移動を可能にする工程と、リセットピンを弁ディスク支持体に動作可能に連結し、開の第1位置に弁ディスクを配置する未解除位置と、閉の第2位置に弁ディスクを配置する解除位置との間で弁体に対する移動のためにリセットピンを配列する工程とを含む。本方法は、リセットピンを未解除位置から解除位置に向かって移動させるようにアクチュエータに応答するようにリセットピンを配列する工程と、弁ディスクおよび弁ディスク支持体の協働部分によって担持された回転防止アセンブリを提供する工程と、少なくとも1つの突起部と、この突起部を受容するようにサイズが設定された少なくとも1つの受容領域とを有する回転防止アセンブリであって、弁ディスク支持体に対して弁ディスクの回転を止めるように配された回転防止アセンブリを提供する工程とを含む。
【0010】
さらに、前述の第1の態様、第2の態様、または第3の態様の1つ以上によれば、スラムシャット安全装置および/または方法は、以下の好ましい形態のうちのいずれか1つ以上をさらに含むことができる。
【0011】
好ましい一形態では、装置は、弁体内に配設されたばねを含み、ばねは、弁ディスク支持体に動作可能に連結され、閉の第2位置に向かって弁ディスクを付勢するように配される。
【0012】
別の好ましい形態では、突起部は、弁ディスクによって担持され、受容領域は、弁ディスク支持体によって担持される。
【0013】
別の好ましい形態では、弁ディスクは、裏当て板に取り付けられ、突起部は、裏当て板から延在する一対のフィンを備え、受容領域は、弁ディスク支持体によって担持された一対の表面を備え、フィンの対は、表面の対に係合するようにサイズが設定されている。弁ディスク支持体は、拡大部分を含むことができ、この表面は、拡大部分に形成され得る。
【0014】
さらなる好ましい形態では、受容領域は、平面を備え、突起部は、平面を有する弧状のフィンを備え、弧状のフィンの平面は、受容領域の平面に係合するようにサイズが設定されている。
【0015】
さらに別の好ましい形態では、弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、受容領域は、拡大部分に形成された一対の平面を備える。突起部は、平面に係合するようにサイズが設定された一対のフィンを備える。
【0016】
別の好ましい形態では、少なくとも1つの受容領域は、平面を備え、少なくとも1つの突起部は、平面を有する弧状のフィンを備え、弧状のフィンの平面は、受容領域の平面に係合するようにサイズが設定される。
【0017】
別の好ましい形態では、弁ディスク支持体は、拡大部分を含み、受容領域は、拡大部分に形成された一対の平面を備え、突起部は、弁ディスクによって担持され、平面に係合するようにサイズが設定された一対のフィンを備える。
【0018】
好ましい方法の形態では、ばねが提供され、弁体内に配設され、ばねは、閉の第2位置に向かって弁ディスクを付勢するように弁ディスク支持体に動作可能に連結される。好ましい形態は、弁ディスクに裏当て板を提供する工程と、裏当て板から延在する一対のフィンを形成する工程と、弁ディスク支持体によって担持された一対の表面から少なくとも1つの受容領域を形成する工程と、表面の対に係合するようにフィンの対のサイズを設定する工程とを含むことができる。本方法は、拡大した円筒部分を有する弁ディスク支持体を提供する工程と、拡大部分に表面の対を形成する工程とを含むことができる。
【0019】
別の好ましい方法では、この工程は、弁ディスク支持体における弧状の切り欠きから少なくとも1つの受容領域を形成する工程と、平面を有し、弁ディスクから延在する弧状のフィンとして少なくとも1つの突起部を形成する工程と、受容領域の平面に係合するように弧状のフィンの平面のサイズを設定する工程とを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来の弁ディスクアセンブリを有する従来のスラムシャット安全モジュールの断面図であり、開位置の弁ディスクを示す。
【
図2】
図1の従来の弁ディスクアセンブリの拡大部分断面図であるが、閉位置の弁ディスクを示す。
【
図3】本発明の開示される例の教示に従って組み立てられた弁ディスクアセンブリの拡大部分断面図であり、閉位置の弁ディスクを示す。
【
図4】
図3に示される弁ディスクアセンブリの部分の斜視における拡大部分図である。
【
図5】
図3および4の組み立てられた弁ディスクアセンブリの部分の斜視における部分図である。
【
図6】ディスク支持体の斜視における拡大図である。
【
図8】
図7の線8−8におけるディスク支持体の端面図である。
【
図9】弁ディスクの斜視図であり、弁ディスク裏当て板の裏面を示す。
【
図10】弁ディスクおよび裏当て板の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の本文は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態の詳細な説明を記載するが、本発明の法的範囲は、本特許の末尾に記載する特許請求の範囲の文言によって定義されることが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、単に例示として解釈されるべきであり、すべての可能な実施形態を記載することは不可能だが、非実用的であるので、本発明のすべての可能な実施形態を記載しない。現在の技術または本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを用いて、多くの代替の実施形態が実装され得る。このような代替の実施形態も、本発明を定義する特許請求の範囲の範囲内に含まれることが考えられる。
【0022】
次に図面を参照すると、
図1、2は、既知のスラムシャット安全装置10の一例を示す。スラムシャット安全装置10は、主な調整器故障の場合に安全遮断能力を提供するためにガス分配システム内の主要な調整器(図示せず)に取り付けられ得る。スラムシャット安全装置10は、弁部11と、アクチュエータ15とを含む。弁部11は、流体入口14と、流路18を形成する流体通路によって接続された流体出口16とを有する弁体12を含む。弁座20は、弁体12内に配設され、流路18の一部分を形成するフローオリフィス21を画定する。弁部11は、弁ディスクアセンブリ17を含む。公知のように、弁ディスクアセンブリ17は、弁ディスク22を同様に担持する弁ディスク支持体19を含む。したがって、スラムシャット装置10が
図1に示すように開くと、スラムシャット安全装置10を流れる流体が、流体入口14から、弁座20(および弁座20によって形成されたフローオリフィス21)を含む流路18を介して流体出口16に流れる。
【0023】
公知のように、弁ディスク22は、過大圧力または過小圧力の状態が主要な調整器の下流で検知されると、スラムシャット安全装置10を流れる流体の流れを制限するように弁座20と協働する。弁ディスク22は、流体オリフィス21を閉じるために弁座20に向かって弁体12内で摺動し、弁ディスク22は、流体オリフィス21を開くために、例えば、後述のタイプのリセットピンを用いて弁座20から引き離され得る。
【0024】
典型的に、アクチュエータ15は、制御ばね28およびリリーフばね29を囲む筐体26を含む。制御ばね28は、公知のようにダイヤフラム30に動作可能に連結されるが、リリーフばね29は、公知のようにリリーフ弁アセンブリ31に動作可能に連結される。アクチュエータ15は、上部チャンバ15aと、下部チャンバ15bとを含み、下部チャンバ15bは、下流圧力にさらされるように出口16と流れ連通する。ダイヤフラム30は、アクチュエータ15の下部チャンバ15a内で圧力変化に敏感であり、したがってダイヤフラム30は、公知のように、例えば、検知管を介して検知された圧力変化に応答してアクチュエータ筐体26内で移動する。ダイヤフラム30は、裏板32に接続されるか、または別の方法で適切に動作可能に連結され、これは、ダイヤフラム30とともに筐体26内で長手方向に(
図1では垂直に)移動する。裏板32は、リセットピン36によって担持された接続リング35に係合するか、またはそれを開くようにカム34と相互作用する。リセットピン36は、弁ディスク22がフローオリフィス21を開く第1位置すなわち開位置で弁座20から離間する後退位置または未解除位置と、弁ディスク22がフローオリフィス21を閉じる第2位置すなわち閉位置で弁座20に対して収容された解除位置との間で弁体12に対して軸Aに沿って移動可能である。
図1では、リセットピン36は、開位置にある弁ディスクに相当する未解除位置で示される。
【0025】
スラムシャット部13は、ばね37または他の好適な付勢機構を含み、これは、閉位置に向かって弁ディスク22を付勢するために、弁ディスク22に直接的または間接的に係合する。図示される例では、過小圧力状況が下流で検知されるとき、アクチュエータ15は下方に移動し、同様に裏板32にカム34を反時計回りに回転させ、それ故にリセットピン36上の接続リング35を解放する。したがって、ばね37は、リセットピン36を
図1に示される未解除位置から
図2の解除位置に移動させる。図においてリセットピン36が左に移動すると、弁ディスク22はまた、弁座20に向かって摺動し、最終的に弁ディスク22を弁座20と接触させ、それ故にフローオリフィス21を閉じ、流路18を流れる流体の流れを遮断する。
図2は、リセットピン36がアクチュエータ15によって解放された後の閉位置の弁ディスク22の近接図を示す。弁ディスク22は、弁座20に対して収まり、それ故にスラムシャット安全装置10を閉じ、流路18に沿った流体の流れを防ぐ。
【0026】
次に図面を参照すると、
図3、4、5は、本発明の教示に従って組み立てられた回転防止弁ディスクアセンブリ40を示す。本開示を読むことで、弁ディスクアセンブリ40が上述のスラムシャット装置10内に取り付けられ、それ故に上述の弁ディスクアセンブリ19を置き換えることができることを当業者は理解するであろう。そうでなければ、スラムシャット安全装置10は、同じまたは類似の構成要素を含むことができ、便宜上、これらの同じまたは類似の構成要素は、それらの同じ符号を保持する。したがって、スラムシャット安全装置10は、入口14および出口16を有し、入口16と出口18との間に延在する流路18を画定する弁体12をさらに含む。さらに、弁体12は、入口14と出口16との間に配設されたオリフィス21を囲む弁座20を含む。弁ディスクアセンブリ40は、弁ディスク支持体42を含み、弁ディスク44は、弁ディスク支持体42に取り付けられる。弁ディスク支持体42は、弁体12内で移動可能に取り付けられる。図示される例では、弁ディスク支持体42は、ガイド46内で摺動可能に取り付けられ、同様にガイド46は、任意の好適な様式で弁体12内に取り付けられる。したがって、弁ディスク44は、周囲の弁体12に対して移動可能である。図示される例では、弁ディスク支持体42および弁ディスク44は、弁体12内で移動可能であり、弁ディスク44が弁座20から離間する開の第1位置と、弁ディスク44が弁座20に対して収容される閉の第2位置との間で連動してともに移動する。
図3は、閉位置の弁ディスク44を示すが、弁ディスク44が開位置に(
図3においては、軸Aに沿って右に弁ディスク44を移動させることによって)移動されるとき、弁ディスク44は、先行技術に関する
図1に示されるものと同様に弁座20から離間することを当業者は理解するであろう。
【0027】
リセットピン36は、公知のように弁ディスク支持体42に動作可能に連結され、好ましくは、開の第1位置に弁ディスクを配置する未解除位置(
図1に示されるものと同様)と、閉の第2位置に弁ディスク44を配置するような解除位置(
図3に示す)との間で弁体12に対して移動可能である。
図1および2の先行技術のスラムシャット装置のように、リセットピン36は、ばね37の力を受けてリセットピン36を未解除位置から解除位置に向かって移動させるために、アクチュエータ15に応答するように配される。
【0028】
図3に示すように、ばね37は、先行技術の配列に示されるものと同様に閉位置に向かって弁ディスク44を推し進めるために、弁ディスク44に付勢力をかけるように配置される。図示される例では、ばね37は、弁ディスク支持体42に当接する。ばね37は、直接的または間接的のいずれか、任意の好適な様式で弁ディスク44に動作可能に連結され得る。
【0029】
図3、5に最もわかりやすく示すように、弁ディスク44および弁ディスク支持体42は、接合部48で接触する。開示される例によれば、回転防止弁ディスクアセンブリ40は、接合部48に隣接して互いに係合する1つ以上の突起部および1つ以上の受容領域を含む。突起部および受容領域は、この突起部または複数の突起部が受容領域に隣接して収容された場合に、弁ディスク44と弁ディスク支持体42との間で回転を防ぐか、または連続的な回転を防ぐように協働する。図示される例では、回転防止弁ディスクアセンブリ40は、2つの突起部50を含むが、弁ディスク支持体42は、一対の受容領域52を含む。
【0030】
図3、4、5に示される例では、突起部50は、弁ディスク44によって担持されるが、受容領域は、弁ディスク支持体42によって担持される。好ましくは、弁ディスク44は、裏当て板54を含み、弁ディスク44は、シールリング56の形態であり、シールリング56および裏当て板54は、既知であるような任意の好適な様式で互いに接合される。図示すように、突起部50は、突起部が軸Aに略平行な方向に裏当て板54の裏面58から離れて延在するように、裏当て板54と一体的に形成されるか、またはそれによって別の方法で担持される。
【0031】
次に
図6〜8を参照すると、弁ディスク支持体42は、より詳細に示される。弁ディスク支持体42は、拡大部分60と、弁ディスク44において対応する開孔66を介して適合するようにサイズが設定された受容領域64を有するステム62とを含む(弁ディスク44の開孔66は、
図3、9、10に図示されている)。図示される例では、ステム62は、ねじ込みナット(
図3、4、5に示されるねじ込みナット71など)を用いて、弁ディスク44がステム62に固定されることを可能にするねじ山68を含む。あるいは、ステム62は、例えば、取り付けクリップまたは任意の他の好適な取り付け構成を用いて、弁ディスク44がステム62に取り付けられることを可能にするように配されてもよい。図示される例では、受容領域52は、軸Aに略平行に延在する第1の表面70と、開示される例では、第1の表面70に実質的に垂直に配向する端面72とを含む。
図6および8に有利に示すように、表面70および72は、受容領域52が弁ディスク支持体42の拡大部分60において略弧状の切り欠きの形態をとるようにサイズが設定され、配される。
【0032】
次に
図9、10を参照すると、弁ディスク44によって担持された突起部50は、内側に面して延在し、円形の弁ディスク44の弦に横方向に略平行に延在する第1の表面74と、第2の平面的な端面76とを含む。さらに、突起部は、湾曲した外面78を含む。表面74、76、78は、突起部50が裏当て板54の裏面58から延在する略弧状のフィンの形態をとるようにサイズが設定され、配される。
【0033】
本開示を読むことで、突起部/受容領域が弁ディスク44と弁ディスク支持体42との間の回転を防ぐか、または制限するために様々な形状および/または形態をとり得ることを当業者は容易に理解するであろう。
【0034】
図4、5に示すように組み立てられるとき、突起部50の表面74は、受容領域52の表面70に隣接して収容されたか、または別の方法でそれと適切に係合するが、突起部50の表面76は、受容領域52の表面72に隣接して収容されたか、または別の方法でそれと適切に係合する。また、開示される例によれば、表面78は、ディスク支持体42の拡大部分60の略円筒形の外面に対応するようにサイズが設定され、成形される。
図3および4を参照すると、突起部50は、弁ディスク支持体42が周囲の筐体46に対して移動するとき、筐体46内で摺動するようにサイズが設定され、成形される。したがって、弁ディスクアセンブリ40は、最小限の修正で既存のスラムシャット装置上に改良され得る。例えば、既存のディスク支持体に好適な切り込みを行うことによって既存のディスク支持体内に受容領域52を形成することができる。
【0035】
図3をさらに参照すると、弁ディスク支持体42は、内部部品80および外部部品82から形成され得る。図示すように、外部部品82は、内部部品80ならびにばね37の前方部分を受容するようにサイズが設定された内部穴84を含む。外部部品82は、ステム62が受容領域64上の弁ディスク44を受容するように配置されるように、内部部品80が外部部品82を介して延在することを可能にするようにサイズが設定された穴83を含む。図示される例では、リセットピン36は、内部部品80内に形成されたねじ穴にリセットピンを通し、ロックナットを用いてリセットピン36を内部部品80に適切に固定することなどによって内部部品80に付着される。リセットピン36を弁ディスク支持体42および/または内部部品80に接続する他の形態は、好適と判明することができる。
【0036】
次に
図3、4、5を参照すると、弁ディスク44は、ロックナット71の代わりに、ばね荷重アセンブリ73を用いてディスク支持体42に取り付けられ得る。ばね荷重アセンブリ73のさらなる詳細は、同時係属中の同一譲受人に譲渡された米国仮特許出願第61/706,429号、代理人整理番号06005/572672Pに記載されており、当該出願は、開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0037】
例示的な形態または本明細書に示される形態に従って組み立てて得られるスラムシャット装置は、先行技術の装置に対して以下の利点のうちの1つ以上を有してよい。弁ディスクアセンブリ40は、本明細書に示される回転防止機能またはこれらの均等物の提供により、ディスク支持体42に対して弁ディスク44の回転を防ぎ、および/または制限する。先行技術の取り付け構成は、特定の流れおよび/または圧力条件下で、弁ディスクが軸Aを中心に回転することを可能にすることができる。このような回転は、ディスク支持体のステムに対する摩耗または他の損傷を引き起こす。したがって、この弁ディスクアセンブリ40は、ディスク支持体の場所を避け、得られるスラムシャット装置の耐用年数を延長させる。
【0038】
本発明を例示するために、特定の代表的な実施形態および詳細を示したが、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される方法および装置の様々な変更が行われ得ることが当業者に明らかであろう。