(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
入場客が乗用車両に乗ってアトラクションを移動する、遊園地のアトラクションは、典型的には、設定数の乗用車両を含む。設定数は、アトラクション全体が利用可能な物理的空間、遊園地がそのアトラクションに割り当てた金額、乗物のオペレータが1時間当たりにそのアトラクションを通じて移動させたいと望む入場客の人数(乗物スループットと呼ばれることもある)、並びに、定期及び不定期のメンテナンスに起因する乗用車両の予期される休止時間によって課される制約に部分的に基づいて決定される。定期及び不定期のメンテナンス中の乗用車両は、典型的には、入場客の視界から除去される。メンテナンスは、アトラクションのいかなる乗車エリア、降車エリア、及びショーエリアからも離れた待機場又はメンテナンスエリアにおいて行われ得る。
【0004】
最近まで、ほとんどの遊園地は、軌道及び/又は電気バスバーに機械的に結合された乗用車両を使用していた。より古い乗用車両、又は電車車両のように接続された乗用車両群は、機械的なケーブル又はチェーンに結合されることがある。ケーブル又はチェーンは、乗物全体を通じて乗用車両又は乗用車両群を牽引する。乗物の最初から最後まで所与の進路上に留まるために、乗用車両は、軌道上を進行するか、又は乗物の床面上の経路に従うように制約されることができ、この経路を通じて、車両がケーブル又はチェーンに結合されていた。より最新のアトラクションは、各車両又は車両群の電動モータを利用して、各車両又は車両群の車輪を電力駆動する。電源に接続される場合、電動モータは、乗物全体を通じて乗用車両を推進させるための推進動作を提供していた。このような車両は、軌道の隣に位置することが多い電気バスバーから実質的に一定の距離を維持するために、軌道上を進行するように制約されていた。電力は、バスバーから車両とバスバーとの間の導電性のブラシ架橋を介して車両へ供給されていた。
【0005】
より最近では、電池の形式で乗用車両自体に電力を保持する乗用車両が開発されている。このような車両は、上述された電気バスバーなどの、電気バスバーの必要性を排除する。電池式の乗用車両は、軌道の有無にかかわらず、その乗用車両自体の電力で、乗物全体を通じて進行することができる。車両が軌道なしで進行する場合、車両は、典型的には、車輪で進行する。軌道上を進行するように制約されることなくアトラクションを通じて進行する乗用車両は、「無軌道乗用車両(trackless ride vehicle)」と呼ばれる。
【0006】
無軌道乗用車両は、床面の表面下に埋め込まれ又は底面の表面に付着されるワイヤを有する床面に沿って、乗物の中を進行し得る。ワイヤは、車両が進行する進路を定める。典型的には、ワイヤから出射される信号は、車両の位置を進路上に維持するために使用される。ワイヤ誘導式の無軌道乗用車両は、軌道の必要性を排除するが、このような無軌道乗用車両は、実際的には、ワイヤによって定められる進路に従うように依然として限定される。ワイヤが張られた進路は、互いに交差することができず、乗物の中で進路を再構成するために簡単に移動させることができない。
【0007】
アミューズメントライドとも呼ばれる全てのアトラクションは、アトラクション内で使用される乗用車両に対して乗客を乗車及び降車させるための場所を必要とする。乗用車両は、軌道上を進行するか又はワイヤに従うように制約されてきたため、典型的には、アトラクション内の閉ループに沿って、次から次へと連続的に前進していた。乗用車両の連続的な前進は、乗車エリアからショーエリア132を通って降車エリアへ進み、乗車エリアと降車エリアとが同じエリアではない場合には、乗車エリアへ戻る。このような乗用車両の連続的な前進は、望ましくない。
【0008】
上記のように、遊園地のアトラクションは、典型的には、所定の設定数の乗用車両を有する。したがって、(メンテナンス中のサブセットを差し引いた)この所定の数の乗用車両は、上述されたループの周りを切れ目なく進行する。ループの開始点及び終了点において、乗客が乗車/降車エリアで、その車両に乗り込んだりその車両から降りたりするための時間が設けられる。しかしながら、この時間は、例として、一人の乗客が乗車エリアにおいて自分のシートベルトを締めるために通常よりも多くの時間を取る場合、又は、これも例として、(おそらくは、病気の乗客によって残された好ましくない物質が原因で)乗物のオペレータが降車エリアの車両を掃除するために通常割り当てられたよりも多くの時間を必要とする場合には、充分ではないことがある。
【0009】
いくつかのアトラクションにおいて、複数の車両は、全てが乗車/降車を共に行うサブセットを形成し得る。停車車両の後ろの車両のサブセットは、通常の乗車/降車のための時間を与えるために、停車車両から後方へ距離をあけ得る。しかしながら、停車車両が再始動される状態にない場合、一旦その時間が経過すると、後続の車両が乗車/降車エリアに進入することを防止するための措置が講じられなければならない。したがって、乗物のオペレータは、近づいてくる車両のサブセットを停止させなければならない。乗車/降車エリア内の車両の再始動の遅れが長くなるほど、乗車/降車エリアへ進入する前に停止されなければならない車両の数は多くなる。遅延が継続するにつれて、また、全ての車両は単一のループ上で連続的に進行するように制約されるため、乗車/降車エリアで車両を再始動させる遅延がなければ、乗車/降車エリアに進入すべきであった車両の数は、増加し始め、行き詰まり、バックログ、渋滞、又は停止と呼ばれ得るものを形成し始める。あるいは、例えば、複数の車両がサブセットを形成し得ない場合、乗物のオペレータは、乗物内の車両の全てを同時に停止させなければならない。いずれの状況においても、1時間当たりに乗物を通過する入場客の人数である乗物スループットは低下し、本明細書において後述されるアトラクション時間間隔は維持することができない。
【0010】
この問題は、乗物の乗車/降車エリア及びショーエリアを通じて一定の速度での乗用車両の切れ目のない進行を維持するように設計されているであろうアトラクションにおいて、乗客が移動式のプラットフォームに隣接して乗車又は降車することを可能にする乗物においても存在する。そのようなアトラクションにおいて、乗客は、固定されたプラットフォームから無人の乗用車両に隣接する移動式のプラットフォームへ歩き得る。乗客と乗用車両との間の相対速度は、ゼロ又はゼロに近いであろう。しかしながら、ループに対する車両の速度は、ゼロよりも大きくなる。乗客は、理論的には、乗用車両がアトラクションを通じて一定速度で進み続ける間に、移動式のプラットフォームが終了する前に、乗用車両に乗ることができる。しかしながら、移動式のプラットフォームの端部において、乗客が乗用車両に安全に乗っていない場合、乗物のオペレータは、乗物全体を停止させて、その乗客が車両内に座るための時間を与えなければならない。換言すれば、アトラクション内の乗用車両の連続的な進行全体が、少なくとも、未着席の乗客の安全を確保するために、停止させられなければならない。この状況においては、乗物スループットは低下し、アトラクションの時間間隔は維持することができない。
【0011】
乗物スループットの低下は、全てのアミューズメントライドにとって、特に、乗物を体験するために列に並んで待っている大勢の人々がいる人気のある乗物にとっては、深刻な問題である。遅延の数及び長さが大きくなればなるほど、列に並んで待っている人々は、より長い時間を待つことが必要とされる。
【0012】
ごく最近では、革新的なナビゲーションシステムが、無軌道乗用車両に統合されている。ナビゲーションシステムは、乗用車両が軌道又はワイヤに従う必要なく、アミューズメントライドの床面上のどこへでもナビゲートすることを可能にする。
【0013】
必要とされるものは、乗車エリア及び/又は降車エリア内の遅延した乗用車両を原因とするバックログを回避又は排除するために、遊園地のアトラクションのスループットを管理する方法及びシステムである。必要とされる方法及びシステムは、バックログを原因として乗物を停止させる必要なく、乗物全体を通じた乗用車両の切れ目のない進行を確保し得る。本方法は、スループットを最大化し、アトラクションの時間間隔が維持されることを確保する。このような方法及びシステムは、遊園地外の乗物環境においても同様に必要とされる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方ともに例示であることが理解されるべきである。そのため、本明細書における説明は、本発明の範囲を限定することを意図しない。その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【0024】
本発明は、従来の軌道付きの車両及びワイヤ誘導式の車両に関連付けられる、ある問題及び欠陥を取り除く。本発明に係る例示的な実施形態は、遊園地のアトラクション(以下、「乗物(rides)」と呼ばれる)において使用される車両の観点から説明されるが、本発明の使用は、この分野に限定されない。本発明の実施形態は、乗用車両が軌道又はワイヤを有し又は軌道又はワイヤに従う必要なしに、乗物の床面上の任意のポイントにナビゲートすることを可能にする、少なくとも1つのナビゲーションシステムを統合する非ワイヤ誘導式の無軌道乗用車両(以下、「乗用車両(ride vehicles)」と呼ばれる)によって使用可能な方法を包含する。勿論、床面上のポイントは、乗用車両にとってアクセス可能でなければならない。そのような乗用車両は、乗物のうちの少なくとも一部を通じて入場客を搬送し得る。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る方法を利用するように構成されたシステム100を例示する。本方法は、多数の予め指定されるエリア又は所定のエリアのうちのいずれかから、乗用車両108を配車することを含む。予め指定されるエリアは、例えば、乗車ステーション102、降車ステーション112、保持エリア128、又はステージングエリア130と呼ばれ得る。これらの名前は、そこで行われる活動に関して限定するものではない。例えば、保持エリア128は、別のエリアへ配車されるのを待つ無人の乗用車両を保持するための場所とし得るが、付加的又は代替的に、ある乗用車両のメンテナンスが実施される場所としてもよい。また、予め指定されるエリアの数は、上述された4つのエリアに限定されない。例えば、乗物は、ステージングエリア130を使用しなくてもよい。付加的な例として、乗物は、2つの保持エリア128、即ち、乗客のための準備ができた乗用車両を保持するためのエリアと、メンテナンスの準備ができた又はメンテナンス中の乗用車両を保持するためのエリアとを使用し得る。あるいは、1つの保持エリア128が、2つのサブエリア、即ち、乗客のための準備ができた乗用車両を保持するためのエリアと、メンテナンスの準備ができた又はメンテナンス中の乗用車両を保持するためのエリアとに分割されてもよい。また別の例として、乗物は、別個の乗車ステーション102及び降車ステーション112を使用しなくてもよい。乗車オペレーション及び降車オペレーションは、1つのステーションにおいて実施され得る。他の可能性及び所定のエリア(例えば、102、104、112、130)の組み合わせも、本発明の範囲内である。
【0026】
システム100は、所定の数の乗用車両108を含み得る。1つの例示的な実施形態において提示されたように、乗用車両108は、乗用車であってもよい。例として、乗用車は、客室146、客室146を支持するモーションベース148、及びモーションベース148を支持する推進プラットフォーム150から成り得る。推進プラットフォーム150は、好適には、車載モーションユニット152及びナビゲーションユニット154、電池156、並びに少なくとも1つの電動駆動輪158を含む。乗物の中で乗用車両を動かすための推進力を提供することに加えて、駆動輪158は、乗用車両の推進及び操縦の双方に使用することができるように、操縦可能であってもよい。好適な実施形態において、乗物は、遊園地のアトラクションを通じて乗客を搬送し、ロール、ピッチ、ヨー、スウェイ、及びヒーブのうちの1つ又は複数などの、付加的なモーション体験を客室に付加するアミューズメントライドであり得る。各乗用車両は、自己推進式であり、軌道又はワイヤによって誘導されない。一実施形態において、各乗用車両は、例えば、車輪の回転速度、車輪の回転角度、及び車輪の先端角に関連する命令を含む、予めプログラムされた命令のセットを使用して、ポイントからポイントへ乗用車両自体をナビゲートする。好適な実施形態において、(コントローラとも呼ばれる)乗物制御システム118は、乗用車両108の期待される位置と、車両108のセンサのセット及びアトラクションの床面に埋め込まれたデバイスから判定される車両の位置とを比較する。各乗用車両は、非ワイヤ誘導式の無軌道乗用車両、又は、簡潔さのために、以下、「乗用車両(ride vehicle)」と呼ばれ得る。好適な実施形態において、乗物は、所定の数の乗用車両を含む。例えば、一実施形態において、20台の乗用車両108が存在してもよく、このうちの幾台かは、乗客の搬送のために利用可能であり、このうちの幾台かは、定期又は不定期のメンテナンスが原因で利用できない。
【0027】
システム100は、4つの乗車スロット104を含む乗車ステーション102を含み得る。より大きい数又はより小さい数の乗車スロット104も、本発明の範囲内である。乗車ステーション102、及び/又は各乗車スロット104は、乗物係員が乗物制御システム118(又は、乗物制御システム118のオペレータ)に所与の乗用車両108が所与の乗車スロット104からの配車に利用可能であるという信号を送ることを可能にするための1つ又は複数の信号デバイス106を含み得る。各乗車スロット104は、充電インタフェース110を含み得る。充電インタフェース110は、乗車オペレーション期間中に乗用車両108が充電インタフェース110に動作上結合されている間に、乗用車両の電池を充電するために、電力を乗用車両108に提供するように構成され得る。乗客は、乗車ステーション102において、1つ又は複数の乗用車両108に乗車し得る。
【0028】
システム100は、4つの降車スロット114を含む降車ステーション112を含み得る。より大きい数又はより小さい数の降車スロット114も、本発明の範囲内である。降車スロット114の数は、乗車スロット104の数より大きくても、等しくても、又は小さくてもよい。降車ステーション112、及び/又は各降車スロット114は、乗物係員が乗物制御システム118(又は、乗物制御システム118のオペレータ)に所与の乗用車両108が所与の降車スロット114からの配車に利用可能であるという信号を送ることを可能にするための1つ又は複数の信号デバイス116を含み得る。各降車スロット114は、充電インタフェース110を含み得る。充電インタフェース110は、降車オペレーション期間中に乗用車両が充電インタフェース110に動作上結合されている間に、乗用車両の電池を充電するために、電力を乗用車両108に提供するように構成され得る。乗客は、降車ステーション112において、1つ又は複数の乗用車両108から降車し得る。
【0029】
好適な実施形態においては、各々が乗客を乗車/降車させるための複数のエリアを含む、1つの乗車ステーション102及び1つの降車ステーション112が存在する。本明細書において、このようなエリアは、スロットと呼ばれ、ボート用の桟橋といくつかの点において類似するものとして
図1に例示される。ただし、このようなスロットは、任意の形状を取り得る。
図1の例示的な図においては、乗車ステーション102に4つの乗車スロット104が存在し、降車ステーション112に4つの降車スロット114が存在する。ステーションごとの乗車スロット及び降車スロットの他の数及び組み合わせも、本発明の範囲内である。
【0030】
一実施形態において、保持エリア128は、典型的には、ショーエリア132、並びに、例えば、乗車ステーション及び降車ステーションにおいて待機中の乗客による注目から分離される、乗物内の物理的な位置又はエリアであり得る。保持エリア128において、無人の乗用車両(即ち、乗客を搬送していない乗用車両)は、これらの乗用車両が必要とされるまで待機し得る。乗物制御システム118は、保持エリア128から任意の順序で乗用車両を配車することができる。典型的には、乗用車両は、乗物の時間間隔に従って、保持エリアへかつ保持エリアから配車される。同様に、乗用車両は、乗物の時間間隔に従って、乗車エリアから配車される。一実施形態において、無人の乗用車両108は、乗物の時間間隔に従って、保持エリアから、a)乗客乗車オペレーションのために乗車スロットへ、又は、b)ステージングエリア若しくは直接乗物のショーエリア132内へ、のどちらかで配車され得る。
【0031】
上記に示されたように、システム100は、乗物制御システム118を含み得る。乗物制御システム118は、全てが通信バス126に動作上結合される、プロセッサ120、メモリ122、及び無線通信デバイス124から成り得る。プロセッサ120は、メモリ122に記憶されるコマンドを実行し得る。コマンドは、プロセッサ120に、無線通信デバイス124に関連付けられるコマンドを実行させて、乗用車両108及び/又は1つ若しくは複数の信号デバイス106、116の各々と通信させ得る。好適な実施形態において、乗物制御システム118は、乗物の全体的なトラフィック管理の責任を負うプロセッサベースのシステムであり得る。乗物制御システム118は、乗用車両が乗物のショーエリア132に進入することに先立って、各乗用車両に対して乗物進路及び乗物プロファイルを割り当て得る。各乗用車両に対して乗物進路及び乗物プロファイルを割り当てる他の時間も、本発明の範囲内である。乗物制御システムは、どの乗用車両が配車されるか(例えば、乗車ステーション、降車ステーション、保持エリア、ステージングエリア、ショーエリア132の出口における特定の乗用車両、又は乗物内の任意のウェイポイントからの特定の乗用車両)、及びそれらの配車の時間を判定し得る。乗用車両は、乗物の時間間隔に従って、配車され得る。つまり、乗用車両は、乗物の時間間隔を維持するように配車され得る。
【0032】
乗物進路は、乗物における乗用車両の所定の進路であり得る。乗物は、複数の乗物進路を含むことができる。例えば、一実施形態において、4つの異なる乗物進路136、138、140、142が存在し得る。(ショーエリア132への進入時間に関して)間隔をあけられた複数の乗用車両は、同じ乗物進路を同時に通過することができる。乗物進路は、他の乗物進路と交差又はクロスオーバーし得る。
【0033】
乗物プロファイルは、乗用車両のピッチ、ロール、及びヨーを含む、所定のパターンの動きであり得る。いくつかの実施形態において、乗物プロファイルは、付加的又は代替的に、ヒーブ、スウェイ、及びサージを含み得る。いくつかの実施形態において、同じ乗物進路に沿って連続的に進行する2つの車両は、異なる乗物プロファイルを実装し得る。異なる乗物プロファイルは、乗車期間中に、動きの変化の激しさがより大きいもの又はより少ないものを体験することを好む乗客に対応するために使用され得る。
【0034】
好適な実施形態において、時間間隔は、乗物のショーのペースを指示する。時間間隔は、固定されていても、又は可変であってもよい。時間間隔は、動的に変更され得る。一実施形態において、時間間隔は、乗物のショーエリア132への連続する乗用車両の配車と配車との間の時間であり得る。一旦乗用車両が乗物内へ配車されると、乗用車両は、その乗物の最後まで、その乗用車両に割り当てられた乗物進路に沿って進行する。一実施形態において、時間間隔は、72秒の期間に基づく。実施形態によれば、乗物進路は、いつ乗用車両が乗物のショーエリア132への配車に利用可能となるかに基づいて、乗用車両に割り当てられる。任意の所与の乗用車両の乗物進路は、所与の乗用車両が時間間隔の周期的サイクルに関してどこに存在するかに依存し得る。
【0035】
各乗用車両108は、乗物制御システム118と同様に、乗用車両108が乗物制御システム118からコマンドを受信して実行し、乗物制御システム118へデータを送信することを可能とするために、全てが通信バス166に動作上結合される、プロセッサ160、メモリ162、及び無線通信デバイス164を含み得る。各乗用車両108は、それ自体の電池電力貯蔵システム152及び自己推進及びナビゲーションのために必要とされる様々な構成要素154、156も含み得る。乗用車両108のプロセッサは、プロセスを実行し、電力調整、自己推進、及びナビゲーションに関連するコマンドを実行し得る。
【0036】
好適な実施形態によれば、システム100は、保持エリア128を含み得る。一実施形態において、保持エリア128は、乗客のための準備ができた無人の乗用車両108を保持するように指定される、アトラクション内の床面積のうちのあるエリアから成る。好適な実施形態において、保持エリア128は、充電インタフェース110を含まない。しかしながら、保持エリア128は、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の充電インタフェース110を含み得る。充電インタフェース110は、システム100において、乗用車両108の客室内の乗客にメディアが提示されるショーエリア132内のある位置に乗用車両108が存在する場合など、乗用車両108の推進プラットフォームが1つの位置に留まることが必要とされる位置に配置され得ることに留意されたい。推進プラットフォームが1つの位置に留まる場合、推進プラットフォームの上に取り付けられるモーションプラットフォームの上に取り付けられる客室は、例えば、ロール、ピッチ、及び/又はヨーの動きをしていることがあり得ることにもさらに留意されたい。上述されたように、保持エリア128内の実線で示される充電インタフェース110は、乗用車両108がそれぞれの充電インタフェース110に動作上結合されている間に、乗用車両108の電池を充電するために、乗用車両108に電気的に結合する。
【0037】
乗用車両108は、乗物進路に沿って、乗物の中を進み得る。本明細書において、乗物進路は、ショーエリア132内の所定のルートであり得る。乗物は、複数の乗物進路を含むことができる。乗物進路は、交差し得る。例えば、
図1の実施形態においては、各々が他の乗物進路と複数の位置において交差する、4つの異なる乗物進路136、138、140、142が存在する。間隔をあけられた複数の乗用車両は、異なる乗物進路を異なる時間に通過することができるだけでなく、乗用車両108
A及び108
Bによって
図1に例示されるように、同じ乗物進路を同時に通過することができる。また、乗用車両が沿って進行する乗物進路は、複数のポイント、及び/又は複数のセグメントに分割され得る。乗物進路上の任意のポイントは、ウェイポイントとして指定され得る。いくつかの実施形態において、ウェイポイントは、乗用車両の乗客がショーシーンの開始又は終了を経験するショーエリア132内のある位置と一致し得る。
【0038】
乗物制御システム118は、乗物内の任意のポイントから乗物内の任意の他のポイントへ乗用車両108を配車し得る。したがって、乗用車両108は、例えば、ショーエリア132内のウェイポイントから保持エリア128へメンテナンスのために配車することができる。
【0039】
一実施形態において、乗物制御システム118は、乗車スロット104又は保持エリア128のどちらかからステージングエリア130へ乗用車両108を配車し得る。乗車スロット104から配車される乗用車両108は、典型的には、乗客を含む。保持エリア128から配車される乗用車両108は、典型的には、乗客を含まない。保持エリア128から配車される乗用車両108は、本明細書において、「無人の乗用車両(empty ride vehicle)」108と呼ばれ得る。
【0040】
乗物制御システム118は、ショーエリア132への連続する乗用車両108の配車と配車との間の所定の時間間隔を維持するように構成され得る。一実施形態において、乗物制御システム118は、乗用車両108をステージングエリア130に蓄積し得る。乗車スロット104又は保持エリア128のどちらかからステージングエリア130へ所与の数Nの乗用車両108を配車することによって、乗物制御システム118は、次のN個の時間間隔の各々の開始時において、(乗用車両が乗客を有するか又は無人であるかにかかわらず)乗用車両108をショーエリア132へ配車し得ることを保証することができる。したがって、ステージングエリア130内に乗用車両108を蓄積し、それらを時間間隔に従ってショーエリア132へ解放することによって、あるいは、一連の乗用車両が時間間隔に従ってショーエリア132へ進入するように、乗車スロット104又は保持エリア128から乗用車両を配車することによって、ショーエリア132は、ショーエリア132を通過する乗用車両108の流れを維持し、乗車ステーション102における乗用車両108の遅延を原因とするバックログが防止される。
【0041】
例えば、本発明の一実施形態において、時間間隔は72秒である。この例示的な実施形態において、乗物制御システム118は、乗用車両108をステージングエリア130からショーエリア132へ72秒ごとに配車する。即ち、乗用車両は、72秒スロットごとの開始時にショーエリア132へ配車される。時刻t=0において、ステージングエリア130に2つの乗用車両が存在すると仮定すると、乗物制御システムは、144秒以内に第3の乗用車両108がステージングエリアに存在し(かつ、ショーエリア132へ配車される準備ができてい)なければならないと判定することができる。乗物制御システム118が、乗車スロット104からの乗用車両108はステージングエリア130から配車されることが不可能であり、割り当てられた144秒以内にステージングエリアに到達しないと判定する場合、乗物制御システム118は、時刻t=0から144秒以内にショーエリア132への配車の準備ができる乗用車両108が存在することを保証するために、無人の乗用車両108を保持エリア128から配車することができる。乗物制御システム118がステージングエリア130内に蓄積する乗用車両の数は、所望の時間間隔、乗用車両の速度、並びに、保持エリア及び様々な乗車スロット104からステージングエリア132までの距離を含む多くの要因に依存するが、これらに限定されない。
【0042】
乗用車両108をショーエリア132へ配車することに先立って、乗物制御システム118は、複数の乗物進路(及び乗物プロファイル)のうちの1つを乗用車両108に割り当て得る。割り当ては、乗用車両108のその乗車スロット104又は保持エリア128からの配車前、配車期間中、又は配車後に行われ得る。
図1は、ショーエリア132において利用可能な4つの乗物進路の一例を例示する。より少ない数又はより多い数の乗物進路も、本発明の範囲内である。また、乗用車両は、ショーエリア132の床面上の同じ位置において全て出発する必要もなければ、ステージングエリア130からショーエリア132へ次々と直列的に進まなければならないわけでもない。例えば、一実施形態において、複数の乗用車両は、ショーエリア132の床面上の複数のエントリ位置からショーエリア132へ同時に配車されてもよい。
【0043】
矢印134A及び134Bは、乗用車両がショーエリア132から出てステージングエリア130に進入する時間の間に、乗用車両108によって取られ得る第1の進路及び第2の進路を例示する。
【0044】
本明細書において説明される方法の使用は、乗用車両108の乗車オペレーション期間中における乗客の待ち時間を減少させ、乗客が乗物の終点で車両から降車することを許される前に乗用車両108内で待つことが要求される可能性を除去できないまでも減少させる。本明細書において説明される方法は、システム100に対して、これまでの無軌道乗物システムには知られていない柔軟性を提供する。
【0045】
乗客の視点からは、システム100の柔軟性は、乗物のショーエリア132への進入に先立つ待ち時間を減少させ、乗客が乗物の終点で降車スロット114において乗用車両108から降車する準備をする待ち時間を減少させ、再訪問した乗客は複数の乗物進路のうちのいずれをその乗客の乗用車両108が進行するのかをおそらくは予測できず、どの乗車スロット104及び降車スロット114から乗客が乗り始めて乗り終わるのかを予測することもできないため、乗客の好奇心を増大させる。
【0046】
アトラクションのオペレータの視点からは、システム100の柔軟性は、ライドスループット(所与の時間に乗物によって対処される乗客の数)を改善し、例えば、乗客が乗用車両108に乗車し又は乗用車両108から降車するために必要とされる予想外に長い時間を原因とする遅延を減少又は除去する。乗用車両が他の乗用車両を迂回する能力、及び、無人の乗用車両については、保持エリア128からステージングエリア130へ進入する能力を含めて、上記の全てを考えると、システム100は、さもなければ発生するであろう渋滞を防止する。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態に係る、乗物内の無軌道乗用車両108を配車するための方法を例示するフロー図である。
図2の実施形態によれば、複数の無軌道乗用車両108を有するアミューズメントアトラクションライドを動作させる方法200は、202で、乗物制御システム118のプロセッサ120において、乗用車両108が乗車スロット104からステージングエリア132への配車に利用可能であるという標識を受信することを含み得る。ステップ204において、乗車スロットから出てステージングエリア132へ進むための利用可能な乗用車両108への命令、乗物進路の割り当て、及び乗物プロファイルの割り当てを含む、1つ又は複数の信号を乗物制御システム118から送信する。好適な実施形態において、乗物プロファイルは、乗用車両が乗車スロットから配車される前に割り当てられる。このようにして、積極的なプロファイル(例えば、方向及び速度において突然の変化を有するプロファイル)を好む乗客は、第1の乗用車両を共有することができる一方で、非積極的なプロファイル(例えば、方向及び速度において円滑でゆっくりとした変化を有するプロファイル)を好む他の乗客は、第2の乗用車両を共有することができる。しかしながら、所与の乗用車両の乗物プロファイルは、本発明の範囲を逸脱することなく、乗用車両が乗車スロットから配車された後に割り当てることができる。同様に、乗物プロファイルが、保持エリアからステージングエリア132へ直接向かう無人の乗用車両に割り当てられる場合、その乗物プロファイルは、乗用車両が保持エリアから配車される前又は配車された後に割り当てることができる。同様に、乗物進路は、本発明の範囲を逸脱することなく、乗用車両が乗車スロットを出る前又は出た後に乗用車両に割り当てることができる。206において、所定の時間間隔に従って、乗物制御システム118は、乗用車両108に対して、ショーエリア132に進入し、その乗用車両に割り当てられた乗物進路及び乗物プロファイルに従ってショーエリアを通過するように命令する。208において、乗用車両108は、その乗用車両108に割り当てられた乗物進路及び乗物プロファイルに従って、ショーエリア132を通過する。好適な実施形態によれば、乗用車両は、それ自体を推進及びナビゲートし、割り当てられた乗物進路及び乗物プロファイルに対応する予め記憶されたデータを使用して、ショーエリア132の乗用車両による通過期間中に、乗用車両のモーションプラットフォームを動かす。複数の乗物進路及び乗物プロファイルに対応する複数のデータは、乗用車両108の各々に予め記憶され得る。210において、乗物進路の終点で、乗物制御システム118は、乗用車両108が乗客を乗せていたか又は無人であったかを判定することができる。乗用車両108が無人であった場合、212において、乗物制御システムは、乗用車両108を保持エリア128へ配車する。乗用車両108が乗客を乗せていた場合、214において、乗物制御システム118は、降車ステーション112において乗用車両108に利用可能な降車スロット114が存在するかを判定し得る。乗用車両108に利用可能な降車スロット114が存在しない場合、216において、乗物制御システム118は、乗用車両108に利用可能な降車スロット114が存在するかを再度判定する前に、所定の時間待機し得る。所定の待機時間の間、乗物制御システム118は、他のタスクを実行し得る。218において、乗用車両108に利用可能な降車スロット114が存在する場合、乗物制御システム118は、利用可能な降車スロットに乗用車両108を割り当て、乗用車両を、利用可能な降車スロットに駐車するように進ませるためのコマンドを乗用車両に送信し得る。220において、全乗客が乗用車両108から降車したという標識を受信した後、乗物制御システム118は、降車スロット114から保持エリア128へ乗用車両108を配車するためのコマンドを乗用車両108へ送信し得る。保持エリア128へ配車される任意の乗用車両108は、所定の規則に従って、又は、代替的に、乗物制御システム118から受信されるコマンドに従って、保持エリア128内にその乗用車両自体を配置し得る。
【0048】
222において、乗物制御システム118は、無人の乗用車両108を受け入れるために利用可能な乗車スロット104が存在するかを判定する。利用可能な乗車スロット104が存在しない場合、224において、保持エリアからの無人の乗用車両108は、保持エリア128からステージングエリア130へ配車され、無人の乗用車両108がショーエリア132を通過するための乗物進路(又は、乗物進路及び乗物プロファイル)を割り当てられる。配車は、利用可能な時間間隔に従って行われる。次いで、本方法は、206へ戻る。
【0049】
226において、無人の乗用車両を受け入れるために利用可能な乗車スロットが存在する場合、218において、保持エリアからの無人の乗用車両は、保持エリアから、その無人の乗用車両を受け入れるために利用可能な乗車スロットへ配車される。次いで、本方法は、ステップ202へ戻る。
【0050】
図3Aは、本発明の別の実施形態に係る、遊園地のアトラクションライド内の無軌道乗用車両を配車するための方法を例示するフロー図である。
図3Bは、乗物の終点において乗用車両を管理する方法を例示するフロー図である。
【0051】
図3Aにおいて、本方法は、300において開始し得る。302において、乗物制御システムは、アトラクション内への乗用車両の直前の配車からの所定の時間に到達したかを判定する。この所定の時間間隔に到達しなかった場合、304において、乗物制御システムは、アトラクション内への乗用車両の直前の配車からの所定の時間に到達したかを再度判定する前に、所定の時間待機し得る。302において、乗物制御システムが、時間間隔に到達したと判定する場合、306において、乗物制御システムは、乗車スロットからの配車に利用可能な乗用車両が存在するかを判定し得る。この判定は、乗車スロットからの配車についての乗用車両の利用可能性を示す信号が乗車スロットの乗車ステーションから乗物制御システムへ送信されたかを判定することを含めて、あらゆる手法で行われ得る。
【0052】
306において、乗車スロットからの配車に利用可能な乗用車両が存在しなかった場合、308において、乗物制御システムは、保持エリアからの配車に利用可能な乗用車両が存在したかを判定し得る。308において、保持エリアからの配車に利用可能な乗用車両が存在しなかった場合、本方法は、ステップ306へ戻り得る。308において、保持エリアからの(ただし、乗車スロットからではない)配車に利用可能な乗用車両が存在した場合、乗物制御システムは、310において、利用可能な乗用車両に信号を送信し得る。この信号は、保持エリアから出て、所与の乗物進路に従って乗物を通過するための、利用可能な乗用車両に対する命令を含み得る。次いで、本方法は、ステップ302へ戻り得る。
【0053】
306において、乗車スロットからの配車に利用可能な乗用車両が存在した場合、312において、乗物制御システムは、利用可能な乗用車両に信号を送信し得る。この信号は、乗車スロットから出て、所与の乗物進路に従ってアトラクションを通過するための、利用可能な乗用車両に対する命令を含み得る。次いで、本方法は、ステップ302へ戻り得る。
【0054】
図3Bは、乗物の終点において乗用車両を管理する方法を例示するフロー図である。本方法は、320において開始する。322において、乗物制御システムは、乗用車両が乗物進路の終わりに到達したかを判定し得る。322において、乗物制御システムが、乗用車両は乗物進路の終わりに到達していないと判定する場合、乗物制御システムは、324において、ステップ322へ再度戻る前に、所定の時間待機し得る。322において、乗物制御システムが、乗用車両は乗物進路の終わりに到達したと判定する場合、乗物制御システムは、325において、乗用車両が無人であった(即ち、乗客なしでショーエリア132を進行した)かを判定し得る。325において、乗物制御システムが、乗用車両は無人であったと判定する場合、本方法は336へ進む。325において、乗物制御システムが、乗用車両は無人ではなかった(即ち、乗客を乗せてショーエリア132を通過した)と判定する場合、本方法は326へ進む。
【0055】
326において、乗物制御システムは、乗用車両について降車ステーションにおいて利用可能な降車スロットが存在するかを判定する。326において、乗物制御システムが、降車ステーションにおいて利用可能な降車スロットは存在しないと判定する場合、乗物制御システムは、328において、ステップ326へ再度戻る前に、所定の時間待機し得る。326において、乗物制御システムが、降車ステーションにおいて利用可能な降車スロットが存在すると判定する場合、乗物制御システムは、330において、乗用車両を降車スロットに割り当て得る。
【0056】
332において、乗物制御システムは、所与の降車スロットにおける乗用車両の降車が完了したかを判定する。完了していない場合、334において、乗物制御システムは、ステップ332へ戻る前に、所定の時間待機し得る。しかしながら、332において、乗物制御システムが、所与の降車スロットにおける乗用車両の降車が完了したと判定する場合、本方法は、336において、乗用車両を保持エリアへ配車させ得る。本方法は、338において終了し得る。代替的に、破線によって示されるように、本方法は、322へ戻り、乗物進路の終わりに到達した次の乗用車両について実行されてもよい。代替的な方法が採用された場合、本方法は終了せず、「終了」ターミネータ338は排除され得る。
【0057】
以下は、乗用車両と乗物制御システムとを備える、100と類似するシステムの付加的な説明である。本システムは、所定の乗車エリア、降車エリア、保持エリア、及びステージングエリアを含む乗物アトラクションにおいて動作する。また、重複したエリアが提供され得る。例えば、第2の保持エリアが、乗用車両のメンテナンスのために指定されてもよく、かつ/又は、複数のステージングエリアが、乗用車両が異なる位置から共通のショーエリア132に進入することを許可してもよい。
【0058】
上述されたものと同様に、乗車スロットにおける乗用車両は、乗客を乗せられ、乗物の配車のために準備され得る。複数の乗車スロットが利用可能である場合、それぞれの複数の乗車スロットにおける複数の乗用車両は、乗客を乗せられ、乗物の配車のために準備され得る。
【0059】
一実施形態において、乗物制御システムは、全乗客が乗用車両内に固定された後、その乗用車両が現在占有する乗車スロットから乗用車両を配車し得る。この実施形態において、乗物制御システムは、乗用車両をショーエリア132へ配車することに先立って、乗用車両をショーエリア132の外にあるステージングエリアへ配車し得る。しかしながら、代替的な実施形態において、乗物制御システムは、乗用車両をその乗車スロットからショーエリア132へ直接配車してもよい。乗物制御システムは、乗用車両に、従うべき乗物進路を割り当て得る。乗物制御システムは、付加的に、乗用車両に、従うべき乗物プロファイルを割り当て得る。この割り当ては、実質的に同時に、又は、乗物のショーエリア132内への乗用車両の進入に先立って、いつでも行うことができる。
【0060】
上記実施形態において、乗物制御システムは、ショーの時間間隔に従って周期的に、乗用車両をステージングエリアからショーエリア132へ配車する。しかしながら、代替的な実施形態において、乗物制御システムは、ショーの時間間隔に従って周期的に、乗用車両をそれらの乗車スロットから直接ショーエリア132へ配車する。いかなる実施形態においても、ショーエリア132への配車の準備ができた乗用車両の数が、時間間隔に従ったショーエリア132への乗用車両の一定の流れを保証する数を下回る可能性がある。例えば、(ショーの時間間隔に従って)乗物のショーエリア132へ次の乗用車両を配車する時間になったときに、乗用車両内に固定された乗客を有する乗用車両が存在しないと乗物制御システムが判定する可能性がある。この状況は、乗物の渋滞をもたらす。なぜならば、乗客を降車させている乗用車両は、利用可能な乗車スロットが存在しない場合には、乗車ステーションへ戻り得ないためである。この問題を克服するために、本発明の一実施形態によれば、乗物制御システムが、現在の時間間隔に従ってショーエリア132への次の配車に間に合うステージングエリア内の乗用車両が存在しないであろうと判定する場合、乗物制御システムは、乗物のショーエリア132への次の配車のために、無人の(即ち、乗客を有しない)乗用車両をステージングエリア内へ配車し得る。ステージングエリアが使用されないことがある代替的な実施形態において、現在の時間間隔に従ってショーエリア132への次の配車に間に合う乗車スロットからの配車に利用可能な乗用車両は存在しないであろうと乗物制御システムが判定する場合、乗物制御システムは、現在の時間間隔に従って、無人の(即ち、乗客を有しない)乗用車両を保持エリアから直接ショーエリア132へ配車し得る。乗用車両が乗客を含むかどうかにかかわらず、時間間隔ごとの開始時に乗物のショーエリア132内に乗用車両が配車されることを保証することは、乗物内のいかなるポイントにおいても乗用車両を渋滞させることなく、乗物全体を通じて乗用車両全体の切れ目のない流れを可能にする。
【0061】
一旦乗物進路が割り当てられると、乗用車両は、ショーの全体にわたって、その進路に従い得る。乗物進路の終わりにおいて、乗用車両が乗客を含む場合、乗物制御システムは、乗客を降車させるために、乗用車両を降車スロットに割り当て得る。この割り当ては、降車ステーションにおいて、どの降車スロットが利用可能であるかに基づき得る。しかしながら、乗用車両が乗客を含まない場合、乗用車両は、保持エリアにおける所与の位置へ進むように、又は、乗車エリアにおける利用可能なスロットへ戻るように、又は(おそらくはステージングエリアを介して)ショーエリアへ戻るように、割り当てられ得る。
【0062】
乗用車両が乗客を含んでおり、一旦降車プロセスが完了した場合、乗物制御システムは、無人の乗用車両(即ち、乗客を含まない乗用車両)を降車ステーションから保持エリアへ配車し得る。
【0063】
保持エリア内の1つ又は複数の乗用車両の各々は、再び乗車プロセスを開始するために、乗物制御システムによって乗車スロットに割り当てられる。
【0064】
乗車エリアに現在存在する車両の出発が遅延される場合に、車両が乗車エリアを迂回することを許容しない軌道ベースの乗物とは異なり(例えば、「線形乗車(linear loading)」)、本明細書において説明される無軌道ベースの乗物は、独特である。なぜならば、降車スロット、乗車スロット、又は保持エリアから配車される準備ができていない乗用車両は、それらの準備ができるまで、スキップされるためである。乗物制御システムがショーの時間間隔を維持することを可能にする時刻に、乗物内への配車の準備ができた乗車ステーション内の乗用車両が存在しない場合、保持エリアからの無人の乗用車両は、好適には、乗物進路に割り当てられ、無人のままショーに送られる。このような無人の乗用車両の使用は、乗物制御システムが乗物の時間間隔を維持することを可能にし、乗物内の任意の位置における乗用車両の渋滞を原因とする乗物の渋滞を防止する。そのため、本発明の一実施形態によれば、無人の乗用車両は、さもなければ乗物の主要な部分へ進入する少なくとも2つの連続する乗物間の時間の長期化をもたらすであろう車両時間間隔スロットを埋める。
【0065】
乗物の終点において、乗客なしで乗物内に進入した乗用車両は、保持エリアへ向けられる。しかしながら、乗客を含む乗用車両は、利用可能な降車スロットを待たなければならず、保持エリアへ向かう前に降車ステーションを迂回することはできない。
【0066】
伝統的な線形乗車方法論とは異なり、本発明に係る乗用車両は、乗物制御システムによって時間間隔に基づいて乗物進路に割り当てられる。そのため、特定の乗用車両又は特定の乗車スロットは、乗物進路を指示せず、乗用車両についての異常に長い乗車時間が、乗物の切れ目のない流れを妨げない。乗物制御システムは、利用可能性(即ち、乗用車両がステーションに進入する時に、どのスロットがあいているか)に基づいて、各乗用車両に降車スロット及び/又は乗車スロットを割り当てる。
【0067】
本発明は、1つ又は複数の好適な実施形態及び1つ又は複数の代替的な実施形態の観点から上述された。また、本発明の様々な態様が説明された。当業者は、様々な態様又は実施形態をいかなる形でも限定するものとして解釈すべきではなく、例示として解釈すべきである。明らかに、他の実施形態も本発明の範囲内である。その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定される。