(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336468
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】杭アペンディング装置
(51)【国際特許分類】
E02D 13/00 20060101AFI20180528BHJP
B66C 1/54 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
E02D13/00 Z
B66C1/54
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-545412(P2015-545412)
(86)(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公表番号】特表2016-500135(P2016-500135A)
(43)【公表日】2016年1月7日
(86)【国際出願番号】NL2013050862
(87)【国際公開番号】WO2014084738
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月24日
(31)【優先権主張番号】2009903
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】507009331
【氏名又は名称】アイエイチシー・ホランド・アイイー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】マルデリッジ, クラース‐ヤン
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第02224481(GB,A)
【文献】
国際公開第2010/006445(WO,A1)
【文献】
米国特許第04320915(US,A)
【文献】
米国特許第04235469(US,A)
【文献】
特開昭52−061050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 13/00
E02D 7/28
B66C 1/42− 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大径の管状要素(2)のための杭アペンディング装置(1)であって、
杭を構成する前記管状要素の実質的に全周縁(4)に沿って延びる環状のベースリング(3)と、
当該杭アペンディング装置をホイスト要素に連結するための中心吊上げアーム(5)であり、前記ベースリングとヒンジ動作可能に連結される中心吊上げアーム(5)と、
前記管状要素の内面(9)に面し前記管状要素と摩擦係合するように前記ベースリングの外周縁(8)に沿って配置された複数のくさび装置(7)と
を備える杭アペンディング装置。
【請求項2】
前記ベースリングの前記外周縁の直径が3mを超える、請求項1に記載の杭アペンディング装置。
【請求項3】
前記ベースリングの前記外周縁の直径が4mを超える、請求項1に記載の杭アペンディング装置。
【請求項4】
前記ベースリングの前記外周縁の直径が4〜7mである、請求項1に記載の杭アペンディング装置。
【請求項5】
前記ベースリングは中央が実質的に開放されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項6】
前記複数のくさび装置が全体として、前記ベースリングの前記外周縁の50%を超える範囲にわたって延びている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項7】
前記吊上げアーム(5)が該吊上げアームの回転軸線(19)を中心にしてヒンジ動作可能となっており、前記回転軸線(19)は、使用時に該回転軸線(19)が当該杭アペンディング装置と前記管状要素(2)との間の環状の接触エリアを仮想的に横切るよう前記複数のくさび装置(7)によって画定される面内で延びている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項8】
前記回転軸線が前記ベースリング(3)の中心を通って延びている、請求項7に記載の杭アペンディング装置。
【請求項9】
前記ベースリングに対して前記吊上げアームの角度を変えるための吊上げアーム駆動装置を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項10】
前記管状要素に対して前記ベースリングの中心を合わせるためのベースリング駆動装置を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項11】
前記ベースリング駆動装置が、前記管状要素の前記内面に接触させるための複数の駆動ユニットを備える、請求項10に記載の杭アペンディング装置。
【請求項12】
前記複数のくさび装置における1つのくさび装置が、くさび駆動装置を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項13】
前記複数のくさび装置における各くさび装置が、くさび駆動装置を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項14】
前記複数のくさび装置における前記くさび装置がくさび面を備え、
該くさび面は、移動可能に配置されており、当該杭アペンディング装置が前記管状要素に挿入され又は前記管状要素から取り出され得るくさび内側位置と、該くさび面が当該杭アペンディング装置と前記管状要素との摩擦的な連結を行うために前記管状要素と接するくさび外側位置との間で移動可能となっている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項15】
くさび面が10cmのストロークで移動可能である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置。
【請求項16】
管状要素と、前記管状要素と摩擦的に連結される請求項1〜15のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置との組合せ。
【請求項17】
前記杭アペンディング装置が前記管状要素の円錐形部分と摩擦的に連結される、請求項16に記載の組合せ。
【請求項18】
大径の管状要素をアペンディングするための方法であって、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の杭アペンディング装置を用意するステップと、
前記吊上げアームに対して前記ベースリングの角度的位置を制御しながら、水平の前記管状要素の上端部に前記杭アペンディング装置を挿入するステップと、
前記管状要素に対して前記杭アペンディング装置の中心を合わせるステップと、
前記管状要素との摩擦係合のために前記くさび装置を拡張させるステップと、
前記吊上げアームの吊支点にて前記管状要素をアペンディングするステップと、
前記管状要素を吊り上げるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大径の管状要素のための杭アペンディング装置(pile upending device)に関する。
【背景技術】
【0002】
英国特許出願公開第2486200号明細書は、海洋係留(offshore anchoring)システムに使用される管状部材を取り扱うための装置に関するものである。この英国特許出願公開第2486200号明細書には、海洋係留システムにおいて、特に洋上風力タービン施設のために、より大径の管状の金属杭が使用される傾向にあることが開示されている。杭の寸法が増加するにつれて、通常、肉厚に対する直径の比も増加する。このことによって、杭に対するダメージを避けるために、杭はより可撓性を有するものとなり、その結果として取扱いをより注意深く行うことが必要となる。英国特許出願公開第2486200号明細書の目的は、管状部材を取り扱うための改良された装置を提供することにある。したがって、1対のローラと、管状部材の管壁を把持するためにこれらのローラを互いに向かって押圧する手段とを備える少なくとも1つの把持ヘッドを具備した管状部材取扱い装置が提供されている。管状部材の管壁を把持するためにローラを使用することは、剛性の把持要素に比較して、管壁にダメージを与えるおそれを減じる。
【0003】
しかし、大径の管状要素のための杭アペンディング装置に関しては、杭に対する負荷、特に杭の管壁に対する負荷を減じるという改良の余地が残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、杭に対する負荷、特に杭の管壁に対する負荷を減じる、大径管状要素のための杭アペンディング装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、大径管状要素のための公知の杭アペンディング装置であって、その装置に関連される問題点を部分的に解決するものを提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、大径管状要素のための代替の杭アペンディング装置を提供することにある。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、これは、大径の管状要素のための杭アペンディング装置であって、管状要素の実質的に全周縁に沿って延びる環状のベースリングと、当該杭アペンディング装置をホイスト要素に連結するための中心吊上げアームであり、ベースリングとヒンジ動作可能に連結される中心吊上げアームと、管状要素の内面に向かい管状要素と摩擦係合するようにベースリングの外周縁に沿って配置された複数のくさび装置とを備える杭アペンディング装置によって実現される。
【0006】
環状のベースリングは、好ましくは中央が実質的に開放され、これによって、吊上げアームの中心配置を可能とし、杭アペンディング装置の重量を減じる。吊上げアームはベースリングにヒンジ動作可能に連結され、これによって、アペンディング作業中における杭アペンディング装置と管状要素との間の曲げモーメントを減ずることができる。これは、ヒンジ動作可能である吊上げアームによって、杭アペンディング装置と管状要素との間の接触エリアにホイスト点(吊上げ点)を整列させることができるからである。接触エリアにホイスト点を整列させることは、ホイスト力(吊上げ力)が接触エリアと整列されることを意味する。複数のくさび装置が、管状要素の均等な係合を可能にし、負荷の集中を防止する。
【0007】
大径とは、ここでは、海洋係留システムで用いられる管状要素を意味し、かかる管状要素の直径は例えば3〜7mである。なお、本発明は、1m以下のような小径を通常有する導管列(conductor strings)に関するものではないことに留意されたい。
【0008】
杭アペンディング装置の一実施形態において、ベースリングの外周縁の直径は3mを超え、好ましくは4mを超え、より好ましくは4〜7mである。
【0009】
また、杭アペンディング装置の一実施形態において、複数のくさび装置し全体として、ベースリングの外周縁の50%を超える範囲にわたって延びる。これは、より一層、管状要素の均等な係合を可能とし、負荷の集中を防止する。
【0010】
杭アペンディング装置の一実施形態において、吊上げアームは、吊上げアーム回転軸線を中心にしてヒンジ動作可能となっており、この回転軸線は、使用時に該回転軸線が杭アペンディング装置と管状要素との間の環状の接触エリアを仮想的に横切るよう複数のくさび装置によって画定される面内で延びる。これは、より一層、アペンディング作業中における杭アペンディング装置と管状要素との間の曲げモーメントの低減化を可能とするものである。
【0011】
さらに、杭アペンディング装置の一実施形態においては、前記回転軸線はベースリングの中心を通って延びる。これは、杭アペンディング装置に対してホイスト力を中心に集め、より一層、アペンディング作業中における杭アペンディング装置と管状要素との間の曲げモーメントの低減化を可能とする。
【0012】
一実施形態において、杭アペンディング装置は、ベースリングに対して吊上げアームの角度を変えるための吊上げアーム駆動装置を備える。これにより、より一層、管状要素上の曲げモーメントを制限し又は減ずることができる。加えて、これは、杭アペンディング装置の取扱い、特に杭アペンディング装置の管状要素内への挿入を容易化する。
【0013】
一実施形態において、杭アペンディング装置は、管状要素に対してベースリングの中心を合わせるためのベースリング駆動装置を備える。
【0014】
杭アペンディング装置の一実施形態において、ベースリング駆動装置は、管状要素の内面に接触させるための複数の駆動ユニットを備える。
【0015】
杭アペンディング装置の一実施形態において、複数のくさび装置における1つのくさび装置、好ましくは複数のくさび装置における各くさび装置はくさび駆動装置を備える。
【0016】
杭アペンディング装置の一実施形態において、複数のくさび装置におけるくさび装置はくさび面を備え、該くさび面は、移動可能に配置されており、杭アペンディング装置が管状要素に挿入され又は管状要素から取り出され得るくさび内側位置と、該くさび面が杭アペンディング装置と管状要素との摩擦的な連結を行うために管状要素と接するくさび外側位置との間で移動可能となっている。
【0017】
杭アペンディング装置の一実施形態において、くさび面は比較的大きなストロークで移動可能である。
【0018】
本発明は、さらに、管状要素と、管状要素と摩擦的に連結される前述した本発明による杭アペンディング装置との組合せに関する。
【0019】
この組合せの一実施形態において、杭アペンディング装置は管状要素の円錐形部分と摩擦的に連結される。
【0020】
また、本発明は、大径の管状要素をアペンディングするための方法に関し、この方法は、
前述した杭アペンディング装置を用意するステップと、
吊上げアームに対してベースリングの角度的位置を制御しながら、水平の管状要素の上端部に杭アペンディング装置を挿入するステップと、
管状要素に対して杭アペンディング装置の中心を合わせるステップと、
管状要素との摩擦係合のためにくさび装置を拡張させるステップと、
吊上げアームの吊支点にて管状要素をアペンディングするステップと、
管状要素を吊り上げるステップと
を含む。
【0021】
また、本発明は、本明細書において説明され及び/又は添付図面に示された1つ以上の特徴を備える装置に関するものである。
【0022】
さらに、本発明は、本明細書において説明され及び/又は添付図面に示された1つ以上の特徴を備える方法に関するものである。
【0023】
本出願で述べられる種々の態様は、付加的な特徴をもたらすために組み合わされる得る。
【0024】
以下、本発明について、添付図面に示される本発明による杭アペンディング装置の好適な実施形態を参照して更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による杭アペンディング装置の斜視図である。
【
図2】
図1の杭アペンディング装置の、別の位置からの斜視図である。
【
図3】
図1の杭アペンディング装置におけるくさび装置の詳細図である。
【
図4】
図1の杭アペンディング装置におけるくさび装置の断面図である。
【
図5】
図1の杭アペンディング装置の部分断面側面図である。
【
図6】
図1の杭アペンディング装置におけるベースリング駆動装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、杭アペンディング装置1を斜視図で示している。この杭アペンディング装置1は、大径の管状要素2を取り扱うために、特にアペンディングするために適している。杭アペンディング装置1は環状のベースリング3を備えている。図示のベースリング3は、実質的に中央が開放されている。ベースリング3は、管状要素2の全周縁4の全周に沿って延びる。ベースリング3の外周の直径は、3mを超え、好ましくは4mを超え、より好ましくは4〜7mである。
【0027】
杭アペンディング装置1は、中央吊上げアーム5を備えている。中央吊上げアーム5は、杭アペンディング装置1を吊支点21を介してホイスト要素6に連結するのに適している。また、吊上げアーム5は、杭(本実施形態では、1000トン以上まで容易に重量がかかる管状要素2)をアペンディングし吊り上げるために必要とされる力を伝えるのに適している。吊上げアーム5はベースリング3にヒンジ動作可能に連結されている。管状要素2をアペンディングし吊り上げるために必要とされる力は、ベースリング3を経て管状要素2に伝えられる。
【0028】
杭アペンディング装置1は、管状要素2、特に管状要素2の管壁と摩擦的に係合するのに適した複数のくさび装置7を備えている。くさび装置7は、力を等分に分散するためにベースリング3の外周縁8に沿って均等に配置されている。くさび装置7の他の配置も考えられる。くさび装置7は、使用時にこのくさび装置7が管状要素2の内面9に面するよう、ベースリング3から径方向外方に向いている。複数のくさび装置7は全体で、ベースリング3の外周縁の50%を超え、本実施形態では約70%を超えるものとなっている。
【0029】
図1は、管状要素2と杭アペンディング装置1との組立体を形成するために管状要素2と係合させる直前の、管状要素2の上方にある杭アペンディング装置1を示しており、本実施形態では杭ペンディング装置1は管状要素2と摩擦的に連結される。ベースリング3の中心軸線は、管状要素2の長手方向軸線22とほぼ整列されている。
【0030】
ここで、杭アペンディング装置1は、管状要素2の円筒形頂部部分と係合する。しかし、杭アペンディング装置1は、管状要素2の円錐形部分(図示せず)と摩擦的に連結されるよう、管状要素2の円錐形部分と係合することも考えられる。
【0031】
上板10が杭アペンディング装置1に強度を与え、使用時において、その下面が杭アペンディング装置1と管状要素2との整列を容易にするために管状要素2のリムと接する。
【0032】
図2は、
図1の杭アペンディング装置1を別の姿勢で示している。ベースリング3は約90°回転され、その中心軸線は水平に延びている。
【0033】
図3は、杭アペンディング装置1のくさび装置7を詳細に示している。可動のくさび部分には、複数の、本実施形態では2枚のボタンプレート15が設けられている。このケースでは、ボタンプレート15は、摩擦係合が可能なように一連のボタンが設けられた4つのボタン列14を有している。ボタンプレート15及び特にそのボタン列14は全体として、使用時において、杭アペンディング装置1と管状要素2との間に環状の接触エリアを形成する。ボタンプレート15の後方にはスペーサ16が配置されており、その径方向の位置を調整して杭アペンディング装置1を所望の直径に適合させるようになっている。
【0034】
図4は、杭アペンディング装置1におけるくさび装置7の断面図である。複数のくさび装置における各くさび装置7は、くさび面17を備えている。くさび装置可動部分7aは、移動可能に配置されており、杭アペンディング装置1が管状要素2に挿入され又は管状要素2から取り出され得るくさび内側位置(図示せず)と、くさび面が杭アペンディング装置1と管状要素2との摩擦的な連結を行うために管状要素2と接するくさび外側位置(図示せず)との間で移動可能となっている。好ましくは、くさび装置7、特にくさび装置可動部分7aは、10cm等の比較的長いストロークで径方向に移動可能である。
【0035】
互いに接する2つのくさび面17,20によって、くさび駆動装置、本実施形態では液圧シリンダ11が伸ばされたとき、ボタンプレート15が径方向外方に移動される。また、ボタンプレート15が管状要素2と摩擦的に連結された際、これらの互いに接する2つのくさび面17,20はくさび効果をもたらす。くさび面20は、くさび装置静止部分7bの一部である。本実施形態では、複数のくさび装置における各くさび装置7は液圧シリンダ11を備える。
【0036】
図5は、杭アペンディング装置1の部分断面側面図である。杭アペンディング装置1は、ベースリング3に対して吊上げアーム5の角度を変えるために、吊上げアーム駆動装置、本実施形態では液圧シリンダ18を備えている。吊上げアーム5は、回転軸線19を中心にして回転可能に配置されている。また、吊上げアーム5は、ベースリング3を押圧する1対のプレート部材12a,12b間に配置されている。
【0037】
使用時に回転軸線19が杭アペンディング装置1と管状要素2との間の環状の接触エリアを仮想的に横切るよう複数のくさび装置7によって画定される面内で、回転軸線19は延びている。図示するように、回転軸線19はベースリング3の中心を通って延びる。
【0038】
図6は、杭アペンディング装置1のベースリング駆動装置13の詳細を示している。ベースリング駆動装置13は、杭アペンディング装置1を管状要素2に摩擦的に連結する前に、管状要素2に対してベースリング3の中心を合わせるのに適している。ベースリング駆動装置13は、管状要素2の内面9と接触するための複数の駆動ユニットを備えている。
【0039】
杭アペンディング装置1の使用中、大径の管状要素2をアペンディングするために下記の方法を実施することができる。その方法は、
杭アペンディング装置1を用意するステップと、
吊上げアーム5に対してベースリング3の角度的位置を制御しながら、水平の管状要素2の上端部に杭アペンディング装置1を挿入するステップと、
管状要素2に対して杭アペンディング装置1の中心を合わせるステップと、
管状要素2との摩擦係合のためにくさび装置7を拡張させるステップと、
吊上げアーム5の吊支点21にて管状要素2をアペンディングするステップと、
管状要素2を吊り上げるステップと
を含む。
【0040】
上記説明及び図面は本発明の幾つかの実施形態についての例示を含むが、それらは保護範囲を制限するものではないことは明らかであろう。この明細書から、保護の範囲や本発明の本質内にあり且つ従来技術と本発明の開示内容との明らかな組み合わせである、より多くの実施形態があることは、当業者ならば明白であろう。