(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336472
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】ツイスト駆動型(TWIST−DRIVABLE)ピンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B25B 13/56 20060101AFI20180528BHJP
F16B 23/00 20060101ALI20180528BHJP
B25B 15/00 20060101ALI20180528BHJP
A61B 17/76 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
B25B13/56 B
F16B23/00 F
F16B23/00 G
B25B15/00 610A
A61B17/76
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-548056(P2015-548056)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公表番号】特表2016-507387(P2016-507387A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2013075724
(87)【国際公開番号】WO2014099954
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年11月22日
(31)【優先権主張番号】1222688.2
(32)【優先日】2012年12月17日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】オーガー・ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】キャノン・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング・ダンカン
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−514609(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0057949(US,A1)
【文献】
実開平01−111811(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/56
A61B 17/68
A61B 17/76
B25B 15/00
F16B 23/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツイスト駆動型ピンアセンブリであって、
a.第1及び第2のドライバであって、それぞれが、ツイスト駆動型ピンの端部における穴部に受け入れられることができる駆動端と、トルクを印加できる反対端と、を有し、該ドライバの駆動端における、該ドライバのそれぞれの断面形状が、第1の複数の頂点を有し、該頂点の相対的位置が、正多角形の頂点と一致し、該ドライバのうち少なくとも1つの、頂点の隣接対間の面のうち1つ又は2つ以上が、該面において形成された溝を有し、前記第1及び第2のドライバは、前記溝の異なる数及び/又は配置により、該駆動端における断面形状が互いに異なる、第1及び第2のドライバと、
b.第1及び第2のツイスト駆動型ピンであって、それぞれが、正多角形として配置されている第2の複数の頂点によって画定され、一端で開口している、該ピン内に延在する穴部を有し、該穴部内に該ドライバのうち少なくとも1つを受け入れることができ、該第2の複数の頂点の数が、該第1の複数の頂点の数と等しく、該第1及び第2のピンが、該第1及び第2のピンのうち少なくとも1つの該多角形の穴部の該開口端の周囲に、前記開口端に接するように設けられた刻印によって互いに異なり、該刻印によって画定される形状が、該第1及び第2のドライバのうちの対応する1つのドライバの断面形状と対応する、第1及び第2のツイスト駆動型ピンと、を備える、ツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項2】
前記ピンのうち少なくとも1つの前記刻印は、該ピンの前記穴部の形状と異なる形状を画定する、請求項1に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項3】
前記第1及び第2のツイスト駆動型ピンのうち1つの又はそれぞれの前記刻印は、前記穴部の前記開口端を囲む前記ピンの表面から材料を取り除くことによって形成される、請求項1又は請求項2に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項4】
前記刻印は、彫り込むことによって形成される、請求項3に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項5】
前記刻印は、レーザを使って形成される、請求項3又は請求項4に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項6】
前記ツイスト駆動型ピンの表面下の前記刻印の深さは、少なくとも約0.3mmである、請求項3〜5のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項7】
前記穴部を囲む前記ツイスト駆動型ピンの表面下の前記刻印の深さは、約5.0mm以下である、請求項3〜6のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項8】
前記刻印は、前記穴部の中心から外側に向かって放射状に設けられている、請求項3〜7のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項9】
前記ドライバのそれぞれの、その駆動端における断面形状は、6つの頂点を有し、その頂点の相対的位置は、正六角形の頂点に一致している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の締結具。
【請求項10】
前記ドライバを互いに異ならせる、前記ドライバのうち1つ又はそれぞれに形成された前記溝は、前記ドライバの前記駆動端へ延在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のドライバの前記多角形の駆動端の横方向寸法は、前記第2のドライバの前記多角形の駆動端の横方向寸法と異なる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項12】
前記第1及び第2のツイスト駆動型ピンは、締結具である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項13】
前記締結具のそれぞれは、雄ネジを有する、請求項12に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【請求項14】
前記ツイスト駆動型ピンのうち少なくとも1つは、器具又は装置のシャフト部品である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一端に凹部を有するピンを含むツイスト駆動型ピンアセンブリであって、該一端においてドライバの端部を受け入れ、ピンを捻ることができる、ツイスト駆動型ピンアセンブリに関する。ピンは、締結具であってもよい。ピンは、機器又は他の装置のシャフト部品であってもよい。
【0002】
ドライバの端部を受け入れるピンの端部の凹部は、ドライバの端部が凹部内でとまりばめであるような形状をしていることが好ましいこととなる場合が多い。一般的に使用される例として、ドライバツールのマイナス形状の刃’受け入れる、ネジのような締結具の端部のスロットと、ドライバツールの十字形状の端部を受け入れる十字形状のスロットと、を挙げることができる。
【0003】
ドライバツールの端部が六角形であり、ピンの六角形の凹部(又は穴部)に受け入れられるドライバツールを使用する利点は、複数の頂点によってツールからピンへ効率的にトルクが伝達できるという点である。更に、ネジは、マイナス形状又は十字形状の刃のスクリュドライバによって駆動される場合が多く、この場合よりもツールは凹部の中でより確実に受け入れられることができる。これは、ドライバがピンから分離される場合、ドライバの端部により発生する基材への損傷の可能性が減少することを意味する。
【0004】
それぞれのピンに対して、例えば、それぞれの締結具に対して、ツイスト駆動を付与し、基材の中へそれらを駆動するために使用されるドライバを識別し、特に、特定のピンでの使用に適切であるドライバを容易に選択することが望まれ得る。かかるドライバは、例えば、大きさの観点で互いに異なってもよい。例えば、ドライバは、六角形などの多角形である駆動端を有する場合、(頂点の数が偶数の場合、隣接する頂点の第1の対をつなぐ線と、第1の対に対向する隣接する頂点の第2の対をつなぐ線との間で測定された)1つのドライバの横方向寸法は、別のドライバの横方向寸法と異なっていてもよく、異なる横方向寸法を有する多角形の穴部を有するピンで使用されるよう意図されていてもよい。大きさが異なっていても異なっていなくても、ドライバは、例えば、トルク設定の制限など、他の特徴に関して互いに異なっていてもよい。
【0005】
本発明は、ドライバビットが、規則的に配置された複数の頂点によって画定される駆動端における断面形状をそれぞれ有し、ドライバのうち少なくとも1つの、頂点の隣接対間の面のうち1つ又は2つ以上が、該面において形成された溝を有することによって、断面形状が互いに異なる、ツイスト駆動型ピンアセンブリを提供し、
ツイスト駆動型ピンは、ピンを駆動することを意図するドライバの断面形状に対応する形状を有する多角形のドライバ用穴部の開口端と関連付けられている刻印を有する。
【0006】
したがって、本発明は、ツイスト駆動型ピンアセンブリであって、
a.第1及び第2のドライバであって、それぞれが、ツイスト駆動型ピンの端部における穴部に受け入れられることができる駆動端と、トルクを印加できる反対端と、を有し、ドライバの駆動端における、ドライバのそれぞれの断面形状が、第1の複数の頂点を有し、頂点の相対的位置が、正多角形の頂点と一致し、ドライバのうち少なくとも1つの、頂点の隣接対間の面のうち1つ又は2つ以上が、面において形成された溝を有することによって、駆動端におけるドライバの断面形状が互いに異なる、第1及び第2のドライバと、
b.第1及び第2のツイスト駆動型ピンであって、それぞれが、正多角形として配置されている第2の複数の頂点によって画定され、一端で開口している、ピン内に延在する穴部を有し、穴部内にドライバのうち少なくとも1つを受け入れることができ、第2の複数の頂点の数が、第1の複数の頂点の数と等しく、第1及び第2のピンが、第1及び第2のピンのうち少なくとも1つの多角形の穴部の開口端と関連付けられている刻印によって互いに異なり、刻印によって画定される形状が、第1及び第2のドライバのうち対応する1つのドライバの断面形状と対応する、第1及び第2のツイスト駆動型ピンと、を備える、ツイスト駆動型ピンアセンブリを提供する。
【0007】
本発明のツイスト駆動型ピンアセンブリによって、ユーザは、ツイスト駆動型ピン上の刻印を使って、選択されたピンをツイスト駆動するために使用されるドライバに関して視覚的に表示することができるという利点を有する。その逆もまた真である。本発明は、対応するツイスト駆動型ピン及びドライバを同定するために、形状という形態でグラフィカルな表示を使用する。特に、形状は、(a)ドライバの断面、及び(b)締結具のそれぞれの穴部の開口端と関連付けられている刻印において具現化される。これによって、ユーザが簡単に認識できるという利点がある。ドライバの断面形状は、多数の様々な角度から認識することができ、ドライバの軸と並ぶ位置から真向きにドライバを見た場合はもちろんのこと、一方から見た場合もその形状を認識することができる。ドライバを互いに異ならせる、ドライバの1つ又はそれぞれに形成された溝は、ドライバの駆動端まで延在することが好ましい。これにより、ドライバの断面形状を認識し易くなるが、これは、断面形状がドライバの端面の形状に対応しているからである。したがって、断面形状は、端面を含むドライバの視点で見られてもよい(斜視図であると思われる)。次に、ドライバ又はピンの同定は、その形状を口頭で説明することにより伝達されてもよい。例えば、ドライバは、「六角ドライバ」又は「星形ドライバ」として説明されてもよい。これは、ツール(若しくは器具)又はピン(例えば、締結具)をユーザに渡すよう依頼しているアシスタントがいる状況、例えば、手術室において、外科医が、アシスタントにツール又はピンを外科医に渡すよう依頼している場合、重要な利点であり得る。
【0008】
ドライバの基本的な多角形の外形の駆動端を作製する場合、例えば、鋳造加工又はプレス加工又は鍛造加工又は切削加工によって、1つの溝又は複数の溝をドライバに形成することができる。ドライバの基本的な多角形の外形の作製後に行われる工程において、例えば、ドライバの面の中へ溝を切削する工程によって、1つの溝又は複数の溝をドライバに形成することができる。
【0009】
ドライバの駆動端における頂点の数は6つであることが一般的に好ましい。次に、ピン内の穴部もまた、一般的に、6つの頂点を有するであろう。本発明のツイスト駆動型ピンアセンブリのかかるドライバは、ドライバの駆動端が、ピン内の六角形の穴部内に受け入れられ、ピンに対してトルクを付与できるように6つの頂点の六角形のアレイを有する。これは、ドライバの形状の符号化が、ピン上の形状の刻印に対応するので、ユーザに特に適切なドライバを選択させ、ピンに対してトルクを付与することができる一方、断面形状が正六角形の断面形状である多角形のドライバを使って、基材の中へピンを駆動したり、又は基材からピンを取り除いたりすることができることを意味する。
【0010】
ドライバの駆動端における頂点の数は、6つであることが好ましい。ドライバの駆動端における頂点の数は、一部の用途では、6つ以外であってもよい。例えば、ドライバの駆動端によって画定される頂点の数は、3つ、又は4つ、又は5つ、又は7つ、又は8つであってもよい。頂点の数は、少なくとも4つであることが好ましい。頂点の数は、10個以下であり、特に8つ以下であることが好ましい。一部の用途では、頂点の数は、偶数であることが好ましい。
【0011】
ツイスト駆動型ピンは、締結具であってもよい。締結具は、しばしば、ネジであり、雄ネジを有することとなる。ネジ山の設計は、ネジが使用される用途に依存することとなる。ネジは、整形外科用インプラントを骨に固定することを意図してもよい。次に、ネジは、骨用ネジの特徴であるネジ山を有してもよい。ネジは、2つの金属部品のうち1つに雌ネジを有する2つの金属部品をまとめて固定するために使用されてもよい。ネジのネジ山は、機械ネジのような特徴でもあってもよい。かかるネジ山は既知である。締結具の長さは、既存の従来型の締結具のように、締結具が使用されるであろう用途に従って選択されることとなる。他のネジ山付きの締結具は、例えば、ナットの形態で雌ネジが使用されてもよい。
【0012】
締結具は、バヨネット式締結具(bayonet fastener)であってもよい。
【0013】
本発明のアセンブリに含まれる締結具は、広範囲な用途において使用できる。これらの用途としては、例えば、工業技術、建設、手工芸などが挙げられる。締結具は、外科的用途、特に、整形外科手術での用途に使用できる。例えば、締結具は、関節補綴の部品を適所に固定するために使用できる。締結具は、骨折の治療のためにインプラントを固定するために使用できる。かかるインプラントは、骨の外面に直接的又は間接的に取り付ける骨板と、骨の中の髄内空洞に取り付けるピン及びクギと、を含んでもよい。本発明の利点は、1つ又は2つ以上の面に設けられた1つ又は2つ以上の溝を有するドライバの代わりに、平多角形のドライバ(例えば、六角形のドライバ)を使って、締結具を取り外せることである。この利点により、部品を患者の中に移植してから、かなりの時間が経過した後に、締結具を取り除かなくてはならない場合に、使用できない可能性がある、ドライバヘッドが特定の断面形状を有するドライバを配置する必要がなくなる。したがって、ドライバの断面形状の形体及び締結具又は他のツイスト駆動型ピン上の、成形された刻印の形体により、平多角形の穴部を有するピンを駆動するためのドライバを同定することができるが、ドライバの駆動端がピンを駆動するための平多角形の断面形状を有するドライバの使用を排除するわけではないことを理解されたい。
【0014】
本発明のアセンブリに使用されるツイスト駆動型ピンは、器具又は装置のシャフト部品であってもよい。シャフトは、ドライバの駆動端を受け入れシャフトを回転させる一端にシャフトに形成された穴部を有してもよい。シャフトは、器具又は装置を調整するために回転することができる。例えば、シャフトの回転により、器具又は装置の部品上の張力を変化させることができる。シャフトの回転により、ラッチを開いたり閉じたりすることができる。シャフトの回転により、器具又は装置の別の部品を回転運動又は並進運動させることができる。かかる運動には、相互係合型ギア、又はラック&ピニオン型アセンブリを伴う。器具又は装置は、計測器であってもよい。かかる器具のツイスト駆動型のシャフトが、ユーザが握ってシャフトを回転させるためのノブを有することは既知である。本発明は、適切な互換性があるドライバが使用されない限り、回転しないようにシャフトの回転に対する制御を設けている。装置の器具のシャフト部品の形態でのピンの長さは、シャフト部品の機能に依存することとなる。シャフト部品は、その意図する機能を行うことができるように適切な長さを有するべきである。しばしば、シャフト部品は、それ自身が一部を形成する器具又は装置の筐体内の適所に固定されることとなり、筐体内で回転可能であるが、通常動作において(例えば、掃除のための分解は除いて)、筐体から分離されることはない。シャフト部品を適所に固定し、シャフト部品を回転させる手法は既知であり、シャフト部品の周路の少なくとも一部が延在する溝に係合する、例えば、サークリップ又はグラブネジなどが挙げられる。
【0015】
ツイスト駆動型のシャフト部品を含む器具又は装置は、外科で使われる器具であってもよい。例えば、それは、整形外科手術における使用のために好適であってもよい。患者の解剖学的構造に適合するように使用されるべきであるインプラント部品の適切な大きさを同定するために、例えば、骨の大きさ又は2つの骨の間の間隔の大きさを、器具を使用して測定可能である。器具を使用して、インプラント部品を受け入れるように骨を前処理することができる。
【0016】
本発明はまた、外科用に使用されるキットを提供し、締結具を受け入れるためにキットに形成される少なくとも1つの穴部と、特に、締結具がネジ又は他のツイスト駆動型締結具などのピンである、本発明に従うツイスト駆動型ピンアセンブリと、を有する、整形外科用インプラントを含む、外科用に使用されるキットを提供する。
【0017】
本発明のアセンブリにおけるドライバの駆動端は、1つの面に溝を有してもよい。複数の面に形成される溝を有してもよい。溝の配置の様々な組み合わせにより、異なる形状を有するドライバを生産でき、その結果、ドライバを互いに識別することが可能になる。溝は、好ましくは、ピンの穴部内に挿入されるドライバの端部へ延在するべきである。これは、ドライバの軸に沿ってドライバの端部を見ることによって、ドライバの断面形状を同定することができることを意味する。
【0018】
任意追加的に、溝の又はそれぞれの溝の長さは、少なくとも約3mm、又は少なくとも約4mm、又は少なくとも約5mmである。任意追加的に、六角形の駆動端の横方向寸法(頂点の対向する対を結ぶ直線間で測定)に対する溝の長さの比は、少なくとも約1.0、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.5である。溝が長いほどドライバを同定し易くなる。
【0019】
任意追加的に、溝の又はそれぞれの溝の深さは、少なくとも約1mm、又は少なくとも約2mm、又は少なくとも約5mmである。任意追加的に、多角形の、例えば、六角形の駆動端の横方向寸法(頂点の数が偶数の場合、頂点の対向する対を結ぶ直線間で測定)に対する溝の深さの比は、少なくとも約0.05、又は少なくとも約0.1、又は少なくとも約0.15である。溝が深いほどドライバを同定し易くなる。任意追加的に、多角形の駆動端の横方向寸法に対する溝の深さの比は、約0.25以下、又は約0.2以下である。
【0020】
ドライバが6つの面を有し、溝が、隣接する頂点間の6つの面のそれぞれに設けられている場合、ドライバは、断面視で、六角星の外見を有することになる。かかるドライバは、商標Torxで市販されているドライバと同様であってもよい。
【0021】
ドライバが6つの面を有しており、溝が設けられているドライバの面の数が2、3、又は4である場合、ドライバは、溝の配置が異なる設計が可能である。例えば、溝を有する面の数が2つの場合、溝を有する面は、互いに隣接して配置されてもよく(1、2位置)、又は1つ又は2つの面によって分離されてもよい(それぞれ1、3位置及び1、4位置)。溝を有する面の数が4つの場合、溝がない面は、互いに隣接させて配置されてもよく(1、2位置)、又は1つ又は2つの面によって分離されてもよい(それぞれ1、3位置及び1、4位置)。
【0022】
ドライバが6つの面を有しており、溝が設けられるドライバの面の数が3つの場合、溝を有する面は、交互の面であり(1、3、5位置)、隣接する溝が、ドライバの軸において120°の角度を区画してもよい。
【0023】
6つの面を有するドライバの2つの面又は3つの面に溝を設けることが好ましく、これは、溝を有する面をドライバの軸の周りに均一に離間するように配置することができるからである。こうすることによって、簡単に認識できる外見を提供することができる。
【0024】
なお、ドライバの軸を中心とした溝を有する面の数及び配置は、それ自体で、ツイスト駆動型ピンの穴部内にドライバを嵌合させる性能に影響を及ぼさないので、溝を有する面の数及び配置に関してのみが異なる2つのドライバは、選択されたピン内で互換的に使用可能である。例えば、ドライバが、ネジ型締結具を基材の中へ駆動するなど、所望のトルクをピンに付与することができないことを意味する、係合し、ピン内の穴部を画定する頂点に印加されるトルクを伝達するための頂点の性能をいくらか妥協することがないように、ドライバの面の溝は形成されるべきである。
【0025】
第1及び第2のピンのうち1つ又はそれぞれの刻印は、穴部の開口端を囲むピンの表面下の凹部により提供されてもよい。かかる凹部は、例えば、ピンの穴部を形成するプロセスの一部として、ピンの製造中に形成されてもよい。したがって、切削加工、鍛造加工、プレス加工、又はミリング加工などのプロセスにより凹部を形成することができる。ピンの表面下の凹部によって提供される刻印によって、光が乏しい状況下でも、又は流体が存在する環境下にピンがあっても、ユーザがより良く同定することができるという利点がもたらされる。
【0026】
更に、ピンの表面下の凹部によってもたらされる刻印によって、ピン内の穴部が凹部の断面形状に対応する断面形状を有する外見をもたらすことができる(穴部の断面形状が実際に多角形、例えば、六角形の場合)。これにより、ピン用のドライバを選択するプロセスにおいてユーザを助けることができる。
【0027】
ピンのうち少なくとも1つのピン上の刻印は、そのピン内の穴部の形状とは異なる形状を画定してもよい。例えば、ピンのうち1つピンの刻印は、そのピン内の穴部と同じ数の頂点を有する正多角形の形状を有しもよい一方、ピンのうち他のピンの刻印は、多角形の辺のうち1つ又は2つ以上が、辺に形成された溝を有する多角形の形状を有してもよい。第1のピンの刻印は、多角形の辺のうち1つ又は2つ以上が辺に形成された溝を有している多角形の形状を有してもよい一方、第2のピンもまた、多角形の辺のうち1つ又は2つ以上が辺に形成された溝を有している多角形の形状を有してもよいが、第1のピン内の溝のパターンは、第2のピン内の溝のパターンとは異なっていることを想定している。この配置では、第1のピン内の穴部の形状は、同じ頂点数を有する正多角形である第2のピン内の穴部と同じである。他で検討されるように、第1のピン内の穴部の横方向寸法は、第2のピン内の穴部の横方向寸法と同じであってもよい。第1のピン内の穴部の横方向寸法は、第2のピン内の穴部の横方向寸法と異なっていてもよい。第1及び第2のピンは、例えば、トルク設定の制限等、ドライバが受け入れられる穴部の大きさ以外の特徴に関して互いに異なっていてもよい。
【0028】
第1及び第2のツイスト駆動型ピンのうち1つ又はそれぞれの刻印は、穴部を形成した後、穴部の開口端を囲むピンの表面から材料を取り除くことによって形成される。少量生産する場合、ピンを識別することが可能であるのでこの方法は好ましいと言える。刻印を形成するために使用することができる手法は、例えば、彫刻やエッチングである。彫刻は、切削工具を使って行われてもよい。彫刻は、レーザを使って行われてもよい。エッチングは、適切なエッチング材料を使って行われてもよい。除去する手法の選択は、ピンの材料並びにピン上に作製される刻印の形状及び深さに依存することになる。
【0029】
ツイスト駆動型ピンは、(ポリマー及びセラミック材料など他の材料を使ってもよいが)多くの場合、金属から形成されこととなる。ツイスト駆動型締結具又は他のピンを製造するために共通して使用される金属は、周知である。整形外科的処置などの外科的処置での使用が目的である締結具の適切な材料の例としては、特定のステンレス鋼及びチタン並びにその合金が挙げられる。
【0030】
穴部を囲むツイスト駆動型ピンの表面下の刻印の深さは、少なくとも約0.2mm、例えば、少なくとも約0.3mm、又は少なくとも約0.5mm、又は少なくとも0.7mm、又は少なくとも約1.0mmであることが好ましい。刻印は、ユーザによって明瞭に観察されることが可能になるように充分に深くするべきである。それらによって、ドライバを受け入れるためのツイスト駆動型ピン内の穴部の形状が刻印により画定された形状に対応するという視覚的な印象も形成される。刻印は、非均一な深さを有し、表面が粗くてもよい。これによって、刻印とツイスト駆動型ピンの表面の周辺領域との間のコントラストを強調することができる。表面が粗い領域によって画定される刻印の深さは浅い。なぜなら表面を粗くすることによってコントラストが強調されるからである。刻印とツイスト駆動型ピンの表面の周辺領域との間のコントラストは、刻印の領域における染料又は他の対比媒体(contrast medium)を導入することによって強調されてもよい。これは、例えば、レーザによる刻印又はエッチング処理の一部として、刻印を形成する際に行われてもよい。
【0031】
穴部を囲むツイスト駆動型ピンの表面下の刻印の深さは、約5.0mm以下、例えば、約3.5mm以下、又は約2.0mm以下であることが好ましい。刻印の深さは、一部の用途では、約1.0mm以下であってもよい。ツイスト駆動型ピンの大きさが小さい場合、浅い刻印が適当であり得る。ピンを検査している人がドライバを受け入れてトルクをピンに印加するピンの穴部が多角形であると認識できるように刻印の深さがピンの穴部の深さよりも小さいことが好ましい。これは、例えば、締結具を基材から取り外す場合、重要である。これは、締結具の初期使用の後かなり時間が経過した後のことであり得る。例えば、締結具が外科的用途、特に、整形外科手術で(例えば、骨板などのインプラントを患者の骨に固定するために)使用される場合、外科医は、初期移植後しばらくして、締結具を取り外さなければならない。これは、例えば、数ヶ月又は数年経過後であってもよい。締結具が配置される初期状態の処置の終了時であってもよい。初期の処置中であってもよい。他の状態の処置中であってもよい。望ましくは、外科医は、締結具上の視認可能な刻印に拘らず、締結具を取り除くために適切であるドライバが多角形、特に、六角形の断面を有するドライバであることを認識できるべきである。
【0032】
刻印は、穴部の隣接する頂点を結ぶ直線の外側に放射状に設けられる多角形の穴部の開口端を囲む領域内に、ツイスト駆動型ピン上に提供される。
【0033】
ツイスト駆動型ピン上の刻印の形状及びドライバの対応する断面形状を使用して、様々な大きさのアセンブリの部品を識別することができる。例えば、締結具又は他のツイスト駆動型ピンは、同様ではあるが様々な大きさの穴部を有してもよい。特定の例では、第1のピンは、大きさ6mm(対向面間で測定)の六角形の穴部を有してもよく、第2のピンは、大きさ6.5mmの六角形の穴部を有してもよい。アセンブリ内のピンの穴部が同様の大きさである場合、穴部を目視してピンの大きさを同定することは困難であり、同様に、駆動端を目視してドライバの大きさを同定することは、困難であり得る。駆動端の面に溝を提供することにより、駆動端に示差的な断面形状を生成し、ピン上に対応する刻印を設けることによって、大きさを識別することが容易になる。
【0034】
ツイスト駆動型ピン上の刻印の形状及びドライバの対応する断面形状を使用して、様々な長さのピンを識別することができる。
【0035】
任意追加的に、第1のドライバの多角形の駆動端の横方向寸法(頂点の数が偶数の場合、隣接する頂点の第1の対を結ぶ線と、第1の対に対向する隣接する頂点の第2の対を結ぶ線との間で測定、又は頂点の数が奇数の場合、第1の頂点と、第1の頂点に対向する隣接する頂点の対を結ぶ線との間で測定)は、第2のドライバの多角形の駆動端の横方向寸法と異なる。
【0036】
一般的に、ツイスト駆動型ピンの多角形の穴部の横方向寸法(頂点の数が偶数の場合、隣接する頂点の第1の対を結ぶ線と、第1の対に対向する隣接する頂点の第2の対を結ぶ線との間で測定、又は頂点の数が奇数の場合、第1の頂点と、第1の頂点に対向する隣接する頂点の対を結ぶ線との間で測定)は、少なくとも約1.0mm、任意追加的に、少なくとも約1.5mm、又は少なくとも約2.0mmである。特徴的な形状の視覚的な認識の観点での本発明の利点は、大きさが小さくなると減少する。
【0037】
ツイスト駆動型ピン上の刻印の形状及びドライバの対応する断面形状を使用して、様々な最大トルクの印加に耐えることができるピンを識別することができる。
【0038】
ツイスト駆動型ピン上の刻印の形状を使用して、特定の処置に使用されることとなる様々なドライバを識別することができる。例えば、処置のある工程で使用されるドライバが第1の設計を有し、処置の他の工程で使用されるドライバが第2の設計を有してもよい。設計は、例えば、ハンドルの構成、駆動機構などの多くの特徴のうち任意において互いに異なっていてもよい。ピン上の刻印により、ユーザは、トルクをそのピンに付与するための使用に適切であるドライバを同定し易くなる。
【0039】
本発明のアセンブリは、多角形の面における溝の様々な配置によりドライバが互いに識別可能な、3つ以上のドライバを含んでもよい。アセンブリは、ピンの穴部の開口端と関連付けられている様々な刻印により互いに識別可能な、3つ以上のピンを含んでもよい。
【0040】
本発明のアセンブリにおけるドライバは、選択されたドライバビットへトルクを印加するために使用できる別のドライバ部品で使用されるドライバビットであってもよい。例えば、ドライバビットは、ドライバハンドルで使用されてもよい。ハンドルの好適な構成体は、ビットの駆動端の反対側のドライバビットの端部を受け入れるためのソケットを有する構成体であり得る。ハンドルは、選択されたトルク値がピンへ印加されたことを示すための機構を含んでもよい。ハンドルは、前後限定された角度の範囲にわたってハンドルを回すラチェット機構を含んでもよく、この場合、ハンドルが方向のうち1方向のみに回る場合、トルクがピンに印加される。
【0041】
ドライバビットは、電動ドライバで使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、例として以下に示される。
【
図2a】3つのドライバツールの駆動端の等角図であり、駆動端は、様々な断面形状を有する。
【
図2b】3つのドライバツールの駆動端の等角図であり、駆動端は、様々な断面形状を有する。
【
図2c】3つのドライバツールの駆動端の等角図であり、駆動端は、様々な断面形状を有する。
【
図3a】
図2a、2b、及び2cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図3b】
図2a、2b、及び2cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図3c】
図2a、2b、及び2cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図4a】ドライバビットが受け入れられる六角形の穴部の開口端と関連付けられている刻印を有する、3つの締結具の頭部の概略等角図である。
【
図4b】ドライバビットが受け入れられる六角形の穴部の開口端と関連付けられている刻印を有する、3つの締結具の頭部の概略等角図である。
【
図4c】ドライバビットが受け入れられる六角形の穴部の開口端と関連付けられている刻印を有する、3つの締結具の頭部の概略等角図である。
【
図5a】
図4a、4b、及び4cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図5b】
図4a、4b、及び4cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図5c】
図4a、4b、及び4cにそれぞれ示される3つのドライバツールの駆動端の端面図である。
【
図6a】ノブ及び本発明に従うツイスト駆動型ピンをそれぞれ使用する、外科用器具内へ組み込むことができるツイスト調整機構の端から端までの等角図である。
【
図6b】ノブ及び本発明に従うツイスト駆動型ピンをそれぞれ使用する、外科用器具内へ組み込むことができるツイスト調整機構の端から端までの等角図である。
【
図7a】
図6a及び6bに示す機構の端から端までの断面立面図である。
【
図7b】
図6a及び6bに示す機構の端から端までの断面立面図である。
【
図8】他の器具を適所に保持するための一対のラッチ252を有する切削用ガイド250を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図面を参照して、
図1は、シャンク101上に形成されたネジ山102を有するシャンク101を含む骨ネジを示す。ネジは、拡大頭部103内へ延在する穴部104を有する拡大頭部103を有する。穴部は、ネジの軸に沿って見た場合、六角形状を有する。ネジは、切削用先端105を有する。
【0044】
ネジ内の六角形の穴部は、ネジを骨内に駆動するためにネジにトルクを印加するために使用されるドライバツールの六角形端部を受け入れることができる。ネジの用途例としては、骨板を骨に固定することが挙げられる。
【0045】
図2a及び3aは、ドライバツールの駆動端2の端面図及び等角図であり、駆動端2の端面3を含む。駆動端は、シャフト4の端部に設けられる。ドライバツールは、シャフトが固定されるハンドル(図示せず)を含んでもよい。シャフトは、ハンドルに対して強固に固定されてもよい。ツールは、ハンドルがある方向に回転すると、ハンドルと共にシャフトが回転し、かつハンドルがシャフトに関係なく、他方向に回転できることを確実にする、ラチェット機構を含んでもよい。ハンドルは、シャフトを受け入れるソケットを含んでもよい。ソケットは、様々なシャフトを互換的に受け入れることができる。
【0046】
駆動ツールの駆動端2の断面形状と、駆動端2の端面3の形状は、6つの頂点8により分離される6つの平面6を有する正六角形の形状であり、隣接する頂点の内角は120°である。
【0047】
図2b及び3bは、ドライバツールの駆動端12の端面図及び等角図であり、駆動端12の端面13を含む。駆動端は、シャフト14の端部に設けられる。駆動端の断面形状は、相対的位置が正六角形の頂点と一致する6つの頂点18を有する。溝20は、頂点の隣接対間の駆動端の6つの面のそれぞれに設けられる。溝は、駆動ツールの端面13へ延在する。駆動端の断面形状は、端面13の形状と同一であり、商標Torxで市販されているドライバの形状と同様である。
【0048】
駆動端の側面の溝は、
図2aに示すように、六角形の断面形状を有するドライバの平面上に機械加工作業を施すことにより形成される。溝の構成は、六角形の全頂点が機械加工工程によって影響を受けないものとなっている。
【0049】
図2c及び3cは、ドライバツールの駆動端22の端面図及び等角図であり、駆動端22の端面23を含む。駆動端は、シャフト24の端部に設けられる。駆動端の断面形状は、頂点の相対的位置が正六角形の頂点と一致する6つの頂点28を有する。溝30は、頂点の隣接対間の駆動端の6つの面26のうち3つの面に設けられる。隣接する溝を有する面は、溝を有さない面により分離され、溝は、六角形の「1、3、5」面において形成される。溝は、駆動ツールの端面23へ延在する。駆動端の断面形状は、端面23の形状と同じであり、3つの丸い突出部を有しているように見え、三つ葉のシャムロックの形状と同様である。
【0050】
ネジの頭部の形状は、実際には
図4a〜4cに示されるようなものではないことを理解されたい。例えば、ネジの頭部は、
図1に示す一般的な形状であってもよい。
図4a〜4cにおけるネジの頭部の表現は、穴部の特徴及び本発明のアセンブリで使用できるネジの頭部の、関連付けられている刻印の特徴に関する情報を読者に提供するために挙げられている。
【0051】
図4及び5aは、
図2aに示されるドライバにより駆動され得るネジ又は他の締結具の頭部52を概略的に示す。頭部は、締結具の端面で開口する、頭部内に延在する穴部54を有する。穴部は、正六角形として設けられる6つの頂点によって画定される。穴部は、
図2aに示すドライバの駆動端2が、穴部に滑り嵌めされるような大きさである。
【0052】
図4b及び5bは、
図2bに示されるドライバにより駆動され得るネジ又は他の締結具の頭部62を概略的に示す。頭部は、締結具の端面66で開口する、頭部内に延在する穴部54を有する。穴部は、正六角形として設けられる6つの頂点によって画定される。穴部は、
図2bに示すドライバの駆動端12が、穴部に滑り嵌めされるような大きさである。穴部はまた、(
図2aに示されるように)どの面にも溝を有さない、ドライバの断面形状が六角形であるドライバの駆動端を受け入れることができ、六角形の対向する面間距離は、隣接する頂点の第1の対を結ぶ線と、駆動端12の第1の対に対向する隣接する頂点の第2の対を結ぶ線との間の距離と同じである。
【0053】
締結具の端面66は、六角形のアレイの六角形の穴部の端部の周りに設けられる、端面66に彫られた一組の6つの湾曲区域68を有する。
図4bに示す実施形態では、湾曲区域のそれぞれは、六角形の穴部のそれぞれの頂点を中心としている。しかしながら、それらは、穴部に対して様々に配置されてもよく、例えば、湾曲区域のそれぞれが、六角形の穴部のそれぞれの面を中心としてもよい。湾曲区域は、機械彫刻工程により形成される。六角形の穴部の対向する面は、4mm離れている。締結具の端面内に切削された湾曲区域の深さは、約0.7mmである。六角形の穴部の周囲に湾曲区域を配置することにより、端面上に星形の刻印が作製され、
図2bに示すドライバの端面13の形状と外見上同様である。星形の刻印の大きさは、ドライバの星形の端面の大きさよりも大きくなることが理解されるであろう。
【0054】
図4c及び5cは、
図2aに示されるドライバにより駆動され得るネジ又は他の締結具の頭部72を概略的に示す。頭部は、締結具の端面76で開口する、頭部内に延在する穴部74を有する。穴部は、正六角形として配置される6つの頂点によって画定される。穴部は、
図2cに示すドライバの駆動端12が、穴部内で滑り嵌めされるような大きさである。穴部はまた、(
図2aに示されるように)どの面にも溝を有さない、断面形状が六角形であるドライバの駆動端を受け入れることができ、六角形の対向する面間距離は、隣接する頂点の第1の対を結ぶ線と、駆動端12の第1の対に対向する隣接する頂点の第2の対を結ぶ線との間の距離と同じである。
【0055】
締結具の端面76は、六角形の穴部74の交互の縁部(縁部「1、3、5」)に位置する、端面76に彫られた一組の3つの矩形区域78を有する。矩形区域は、機械彫刻工程により形成される。六角形の穴部の対向する面は、4mm離れている。締結具の端面内に切削された矩形区域の深さは、約0.7mmである。六角形の穴部の周囲に矩形区域を配置することにより、端面に3つの丸い突出部形状の刻印が作製され、
図2cに示すドライバの端面23の形状と外見上同様である。3つの丸い突出部形状の刻印の大きさは、ドライバの3つの丸い突出部形状の端面の大きさよりも大きくなることを理解されたい。
【0056】
図4a〜4cに示す締結具は、例えば、六角形の穴部の横方向の大きさ、長さ、トルクの定格、使用目的など1つ又は2つ以上に関して互いに異なってもよい。
図4b及び4cに示される締結具の端面に彫られた刻印により、形状が
図2b及び2cに示されるドライバの端面の形状に対応する形状を有する穴部の印象が生成される。適切なドライバを同定する場合、ユーザの目は、締結具の穴部に注目し、刻印と穴部との関連付けによって、アセンブリのユーザの心に刻印の印象が残される。ユーザは、ドライバの端面の形状を検査することにより、断面形状が刻印の形状に対応する断面を有するドライバを同定することができる。
【0057】
図6及び7は、器具内に組み込むことができる可捩型アジャスタを示す。アジャスタは、筐体202を有し、筐体202は、筐体202を通って延在する穴部204を有する。シャフト205は、筐体に装着される。シャフトは、筐体内で回転することができる。シャフトの上端206は、筐体から突出する。シャフトの反対側の下端208は、穴部204を通って筐体内に近づきやすい。シャフトは、その下端において、器具の他の部品と接続可能である。
【0058】
シャフトは、接続先の他の部品に運動を付与するために筐体内で回転可能である。
【0059】
シャフトは、シャフトが筐体内で回転できるように筐体内の穴部に嵌合する円筒部210を下端に有する。シャフトは、筐体の外側に面する表面214に対向する上端に、突出部212を有する。筐体に対向する突出部の面には、突出部内に形成された複数の浅い凹部216が存在する。シャフトの突出部212に対向する筐体の面は、浅い穴部に装着される、スプリングが搭載された玉軸受218を有する。玉軸受は、シャフトが回転すると、シャフトの突出部における浅い凹部の連続的な玉軸受内へ付勢される。このようにして、筐体内のシャフトは、凹部内に嵌合している玉軸受により提供される的確なクリックストップ(click stop)によって回転する。
【0060】
図6a及び7aに示されるアジャスタにおいて、シャフトの突出部212は、シャフトを回転させるためにユーザが握ることができる複数の丸い突出部のキャップ220として形成される。
図6b及び7bに示される本発明によるアジャスタにおいて、シャフトの突出部212は、ドライバが受け入れられる、シャフト内へ延在する六角形の穴部224を有する。図面に示される特定のアジャスタにおいて、穴部は、平六角形の穴部である。
【0061】
図8は、他の器具を適所に保持するための一対のラッチ252を有する切削用ガイド250を示す。切削用ガイドを使って、人工ひざ関節のインプラント部品を受け入れるために大腿骨の遠位端を前処理することができる。切削用ガイドは、従来の方法において、固定用ピンを受け入れるための、切削用ガイド内に形成される孔253を有する。切れ刃を誘導し、大腿骨に切り込みを形成するために、端縁面258を画定する一対の肢部254、256としての切削用ガイド。肢部のそれぞれは、リーマガイドなどの協働する噛合器具に対して対応するように成形された突出部を係合させるために、肢部内に形成された、成形されたキャビティ260を有する。ラッチ留め位置とラッチ解除位置との間で回転可能な一対のラッチとしての切削用ガイド。ラッチのうち第1のラッチ262は、ラッチ留め位置において示され、ラッチのうち第2のラッチ264は、ラッチ解除位置において示される。ラッチは、ラッチ留め位置にある場合、成形されたキャビティ260内の適所で、協働する器具上の突出部を保持する。ラッチのそれぞれは、ドライバを受容して、ラッチ留め位置とラッチ解除位置との間で回転可能な、ラッチ内に延在する六角形の穴部266を有する。図に示す特定のアジャスタにおいて、穴部は、平六角形の穴部である。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) ツイスト駆動型ピンアセンブリであって、
a.第1及び第2のドライバであって、それぞれが、ツイスト駆動型ピンの端部における穴部に受け入れられることができる駆動端と、トルクを印加できる反対端と、を有し、該ドライバの駆動端における、該ドライバのそれぞれの断面形状が、第1の複数の頂点を有し、該頂点の相対的位置が、正多角形の頂点と一致し、該ドライバのうち少なくとも1つの、頂点の隣接対間の面のうち1つ又は2つ以上が、該面において形成された溝を有し、該ドライバは、様々な数及び/又は配置のかかる溝を提供することにより、該駆動端における該ドライバの断面形状が互いに異なる、第1及び第2のドライバと、
b.第1及び第2のツイスト駆動型ピンであって、それぞれが、正多角形として配置されている第2の複数の頂点によって画定され、一端で開口している、該ピン内に延在する穴部を有し、該穴部内に該ドライバのうち少なくとも1つを受け入れることができ、該第2の複数の頂点の数が、該第1の複数の頂点の数と等しく、該第1及び第2のピンが、該第1及び第2のピンのうち少なくとも1つの該多角形の穴部の該開口端と関連付けられている刻印によって互いに異なり、該刻印によって画定される形状が、該第1及び第2のドライバのうちの対応する1つのドライバの断面形状と対応する、第1及び第2のツイスト駆動型ピンと、を備える、ツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(2) 前記ピンのうち少なくとも1つの前記刻印は、該ピンの前記穴部の形状と異なる形状を画定する、実施態様1に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(3) 前記第1及び第2のツイスト駆動型ピンのうち1つの又はそれぞれの前記刻印は、前記穴部の前記開口端を囲む前記ピンの表面から材料を取り除くことによって形成される、実施態様1又は実施態様2に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(4) 前記刻印は、彫り込むことによって形成される、実施態様3に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(5) 前記刻印は、レーザを使って形成される、実施態様3又は実施態様4に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【0063】
(6) 前記ツイスト駆動型ピンの表面下の前記刻印の深さは、少なくとも約0.3mmである、実施態様3〜5のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(7) 前記穴部を囲む前記ツイスト駆動型ピンの表面下の前記刻印の深さは、約5.0mm以下である、実施態様3〜6のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(8) 前記刻印は、前記穴部の隣接する頂点を結ぶ直線の外側に放射状に位置する、前記六角形の穴部の前記開口端を囲む領域において前記ツイスト駆動型ピン上に設けられる、実施態様3〜7のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(9) 前記ドライバのそれぞれの、その駆動端における断面形状は、6つの頂点を有し、その頂点の相対的位置は、正六角形の頂点に一致している、実施態様1〜8のいずれかに記載の締結具。
(10) 前記ドライバを互いに異ならせる、前記ドライバのうち1つ又はそれぞれに形成された前記溝は、前記ドライバの前記駆動端へ延在する、実施態様1〜9のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
【0064】
(11) 前記第1のドライバの前記多角形の駆動端の横方向寸法は、前記第2のドライバの前記多角形の駆動端の横方向寸法と異なる、実施態様1〜10のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(12) 前記第1及び第2のツイスト駆動型ピンは、締結具である、実施態様1〜11のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(13) 前記締結具のそれぞれは、雄ネジを有する、実施態様12に記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(14) 前記ツイスト駆動型ピンのうち少なくとも1つは、器具又は装置のシャフト部品である、実施態様1〜11のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリ。
(15) 外科で使用されるキットであって、整形外科用インプラントであって、ツイスト駆動型ピンを受容するために、該インプラント内に形成された少なくとも1つの穴部を有する、整形外科用インプラントと、実施態様1〜14のいずれかに記載のツイスト駆動型ピンアセンブリと、を含む、キット。