特許第6336486号(P6336486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336486太陽集光器の集光器表面の一部分を洗浄するロボット洗浄デバイス及び洗浄方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336486
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】太陽集光器の集光器表面の一部分を洗浄するロボット洗浄デバイス及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20060101AFI20180528BHJP
   B08B 7/04 20060101ALI20180528BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20180528BHJP
   A47L 11/38 20060101ALI20180528BHJP
   H02S 40/10 20140101ALI20180528BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20180528BHJP
   F24S 40/00 20180101ALI20180528BHJP
【FI】
   B08B1/00
   B08B7/04 A
   B08B3/02 F
   A47L11/38
   H02S40/10
   H02S40/22
   F24J2/46 E
【請求項の数】14
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-553835(P2015-553835)
(86)(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公表番号】特表2016-510257(P2016-510257A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】US2014011918
(87)【国際公開番号】WO2014113602
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年12月19日
(31)【優先権主張番号】13/745,722
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジェーンティ、セドリック
【審査官】 長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0125367(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/090493(WO,A1)
【文献】 特開昭53−136363(JP,A)
【文献】 特開2006−116525(JP,A)
【文献】 特開平7−171517(JP,A)
【文献】 特開平4−244342(JP,A)
【文献】 特開2011−36833(JP,A)
【文献】 特開2000−301035(JP,A)
【文献】 特開2010−186819(JP,A)
【文献】 特開平8−168450(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0225241(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02048455(EP,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第02422889(EP,A1)
【文献】 特開平6−149350(JP,A)
【文献】 特開2001−134318(JP,A)
【文献】 特公昭63−66162(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
A47L 11/38
B08B 3/02
F24S 40/00
H02S 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽集光器の集光器表面の一部分の上を単一パスで掃除移動するように構成された、洗浄ヘッドを有するロボット洗浄デバイスであって
前記洗浄ヘッドの先頭縁部に取り付けられ、洗浄液体の第1のスプレーを前記集光器表面の前記一部分に供給するように構成された第1の液体分配ユニットと、
前記洗浄ヘッドが掃除移動する方向と垂直な第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有するブラシエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットとは反対側で、前記ブラシエレメントと隣接する第1のスクィージーエレメントであって、前記第1のスクィージーエレメント、前記ブラシエレメント、及び前記第1の液体分配ユニットは、前記洗浄ヘッドの第1の洗浄エリアを画定する、第1のスクィージーエレメントと、
前記洗浄ヘッドの後縁部に配置され、前記第1のスクィージーエレメントから分離される第2のスクィージーエレメントと、
前記第1のスクィージーエレメント及び前記第2のスクィージーエレメントの間で前記洗浄ヘッドにおける第2の洗浄エリアを画定すべく、前記第1のスクィージーエレメントと前記第2のスクィージーエレメントとを分離する第2の液体分配ユニットであって、前記第1の方向に沿って延伸し、洗浄液体の第2のスプレーを記第2の洗浄エリアにおける前記集光器表面の前記一部分へ供給するように構成される第2の液体分配ユニットと、
前記第2の液体分配ユニットによってスプレーされた液体を収集する液体回収エレメントと、
前記収集された液体を前記第1の液体分配ユニットに供給する液体再分配ユニットと、
を備え、
前記液体回収エレメントは、前記第1のスクィージーエレメント及び第2のスクィージーエレメントの間に位置付けられた前記第2の洗浄エリアに真空を適用し、前記真空は、前記第2の液体分配ユニットによってスプレーされた液体を収集するために使用される、ロボット洗浄デバイス。
【請求項2】
前端部及び後端部を有するフレームであって、前記ロボット洗浄デバイスが、傾斜した前記太陽集光器の列にわたって横断し、前記列の隣接する太陽集光器間の隙間を横切るべく、前記後端部が、傾斜した前記太陽集光器の前記列の頂部に向かって配置されるように適合された、フレームと、
前記フレームの前記前端部に配設された前側連続トラック機構並びに、
前記フレームの前記後端部に配設された後側連続トラック機構であって、前記前側及び後側連続トラック機構は、
前記傾斜した太陽集光器の列の上面に沿って前記ロボット洗浄デバイスを搬送するように、及び
前記ロボット洗浄デバイスを列状に隣接した太陽集光器間の間隙を横切って搬送する、前記前側及び後側連続トラック機構と、を更に備える、請求項1に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項3】
傾斜した太陽集光器の列を洗浄するロボット洗浄デバイスであって、前記ロボット洗浄デバイスは、前記傾斜した太陽集光器の列にわたって横断し、前記列の隣接する太陽集光器間の間隙を横切り、前記ロボット洗浄デバイスは、
前端部及び後端部を有するフレームであって、前記後端部は、傾斜した太陽集光器の前記列の頂部に向かって配置されるように適合された、フレームと、
前記フレームの前記前端部に配設された前側連続トラック機構並びに、
前記フレームの前記後端部に配設された後側連続トラック機構であって、前記前側及び後側連続トラック機構は、
前記傾斜した太陽集光器の列の上面に沿って前記ロボット洗浄デバイスを搬送するように、及び
前記ロボット洗浄デバイスを列状に隣接した太陽集光器間の間隙を横切って搬送する、前記前側及び後側連続トラック機構と、
洗浄液体の第1のスプレーを集光器表面に供給する第1の液体分配ユニットと、
第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有するブラシエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットとは反対側で、前記ブラシエレメントと隣接する第1のスクィージーエレメントであって、前記第1のスクィージーエレメント、前記ブラシエレメント、及び前記第1の液体分配ユニットは、前記集光器表面上の第1の洗浄エリアを画定する、第1のスクィージーエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記集光器表面上の第2の洗浄エリアを画定するように、ある間隙で前記第1のスクィージーエレメントから分離される第2のスクィージーエレメントと、
洗浄液体の第2のスプレーを、前記第1のスクィージーエレメント及び前記第2のスクィージーエレメントの間に位置付けられた前記第2の洗浄エリアに供給する第2の液体分配ユニットと、
前記フレームの前記前端部に向かって配設された前側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の間隙を検出することに応じて前側センサ応答信号を生成する前側センサと、
前記フレームの前記後端部に向かって配設された後側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の前記間隙を検出することに応じて後側センサ応答信号を生成する後側センサと、
前記前側及び後側連続トラック機構を、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号の間のタイミング差に応じて互いに対して異なる速度で移動させる制御回路と、
を備える、ロボット洗浄デバイス。
【請求項4】
前記制御回路が、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号間のタイミング差の増加に応じて、前記前側及び後側連続トラック機構のいずれかの速度を増加する、請求項3に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項5】
前記制御回路が、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号間のタイミング差の増加に応じて、前記前側及び後側連続トラック機構のいずれかの速度を減少する、請求項3に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項6】
前記制御回路は、位相同期ループ制御回路である、請求項3から5のいずれか一項に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項7】
前記ブラシエレメントは、中央桿体から放射状に延びる複数の剛毛を有する回転ブラシエレメントである、請求項1から6のいずれか1項に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項8】
前記ブラシエレメントの複数の剛毛は、らせん状のパターンで配置され、前記ブラシエレメントは、前記ブラシエレメントが回転するとき、傾斜した太陽集光器の列の上端部に向かって前記洗浄液体を押し上げる、請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項9】
前記フレームが、
前記フレームの前記前端部から後端部に配置された1つ又はそれ以上の横方向梁であって、前記1つ又はそれ以上の横方向梁は、前記前側及び後側連続トラック機構が機械的に接合される、横方向梁を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項10】
前記1つ又はそれ以上の横方向梁は、中空の管構造体から形成され、かつ1つ又はそれ以上の横方向梁は、密封され、少なくとも部分的に前記洗浄液体で充填されている、請求項に記載のロボット洗浄デバイス。
【請求項11】
前記ロボット洗浄デバイスが前記太陽集光器の前記集光器表面にわたって掃除移動されるとき、前記第1のスクィージーエレメントは、前記ブラシエレメントに隣接する前記第1のスクィージーエレメントの第1の面側の低希釈エリアと、前記第1のスクィージーエレメントの第2の面側の前記第1のスクィージーエレメント及び前記第2のスクィージーエレメントの間の高希釈エリアとの間に液体バリアを形成する、請求項1から10のいずれか1項に記載のロボット洗浄デバイス
【請求項12】
前記低希釈エリアは、第1の量の洗浄液体における第1の懸濁粒子濃度を有し、前記高希釈エリアは、第2の量の洗浄液体における第2の懸濁粒子濃度を有し、前記第1の懸濁粒子濃度が前記第2の懸濁粒子濃度より高い、請求項11に記載のロボット洗浄デバイス
【請求項13】
洗浄ヘッドを使用して太陽集光器の集光器表面の一部分を洗浄する方法であって、前記方法が、
記集光器表面の前記部分にわたって第1の方向で前記洗浄ヘッドを掃除移動することと、
前記洗浄ヘッドに取り付けられた第1の液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第1の量の洗浄液体をスプレーすることと、
前記集光器表面にわたってブラシエレメントを掃除移動することであって、前記ブラシエレメントは前記第1の液体分配ユニットに隣接した前記洗浄ヘッドに取り付けられている、ことと、
前記第1の液体分配ユニットによってスプレーされた前記洗浄液体の少なくとも一部分を、第1のスクィージーエレメントを使用して除去することであって、前記第1のスクィージーエレメントは、前記第1の液体分配ユニットとは反対側に、前記ブラシエレメントに隣接して前記洗浄ヘッドに取り付けられている、ことと、
前記洗浄ヘッドに取り付けられた第2の液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第2の量の洗浄液体をスプレーすることであって、前記第2の液体分配ユニットは、前記第1のスクィージーエレメントと第2のスクィージーエレメントとの間に位置付けられている、ことと、
前記第2の液体分配ユニットによってスプレーされた液体を収集することと、
前記収集された液体を前記第1の液体分配ユニットに供給することと
え、
前記液体を収集することは、前記第1のスクィージーエレメント及び前記第2のスクィージーエレメントの間に位置付けられた洗浄エリアに真空を適用しすることを含む、方法。
【請求項14】
前記集光器表面の前記一部分は、前記集光器表面上に付着した第1の量の粒子物質を含み、
前記第2のスクィージーエレメントを使用して、第1の量の粒子物質の95パーセント超及び残りの液体を除去することを更に備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には太陽集光器の洗浄のための装置及び方法に関し、より具体的には、太陽集光器の集光器表面から粉塵堆積物を除去するためのブラシ及びスクィージー機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気エネルギーを住居及び商用目的に供給するために、石炭、石油、及び天然ガスを含む化石燃料が使用されてきた。現在、化石燃料は豊富で比較的安価なエネルギー源である。しかしながら、化石燃料の使用に関連する既知のいくつかの欠点が存在する。例えば、化石燃料は再生不能エネルギー源であると全般的に見なされており、かつ近い将来にそれほど豊富には入手可能でなくなり得る。更に、化石燃料の燃焼は、典型的に、二酸化炭素の排出、並びに人体及び環境に有害になり得る他のガスの放出になる。
【0003】
太陽からの光エネルギーをエネルギー源として利用することは化石燃料の一代替案である。太陽集光器を使用すると、太陽光は他の有用なエネルギー形態に変換され得る。例えば、1つのタイプの太陽集光器は、太陽光エネルギーを住居用温水供給を補完するために使用され得る熱エネルギーに変換する。別のタイプの太陽集光器は、光起電力(PV)素子を使用して、太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。更に別のタイプの太陽集光器は、反射性表面(例えば、研磨されたミラー)を使用して、太陽光エネルギーを、太陽光が熱エネルギーに変換されるボイラーの表面に再配向する。
【0004】
典型的に、太陽集光器は、太陽光エネルギーを受け取るための大面積集光器表面によって特徴付けられる。変換に利用可能なエネルギー量は、太陽集光器の集光器表面への入射光量により異なる。このため、太陽集光器は典型的には、露光量が最大になる日当たりのよい乾燥した地域に設置される。しかしながら、かかる地域はまた、強風と粉塵が発生する傾向にある。時間の経過と共に、粉塵及び他の浮遊微小粒子は集光器表面に蓄積し、かかる状況でなければ集光器表面上に入射するはずの光を遮断する場合があり、これにより、太陽集光器の潜在的電力出力は低くなる。
【0005】
一定した電力出力を維持するために、太陽集光器の集光器表面は、定期的に洗浄され、光を遮断するくずが除去される必要がある。従来、太陽集光器は、窓ガラスを洗浄するために使用されるものと同様の技術を使用して手作業で洗浄されてきた。しかしながら、圧力洗浄及び放水式洗浄などを含む従来の手作業による洗浄技術は、かなりの水の供給、並びに多くの労働量及び電源が必要とされる。屋上又は遠隔地に設置された太陽集光器の場合、頻繁に手作業による洗浄を行なうことは現実的ではない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、労働及び水資源の利用を改善した、太陽集光器を洗浄するためのシステム及び技術の必要性がある。本明細書で説明されるシステムは、太陽集光器の集光器表面からくずを効率的に除去するブラシ及びスクィージー機構を使用する技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの代表的な実施形態は、太陽集光器の集光器表面を洗浄するためのシステムに関する。システムは、液体の第1のスプレーを集光器表面に供給するように構成された第1の液体分配ユニットを含む。システムは、第1の方向に沿って配向され、かつ第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有するブラシエレメントも更に含む。第1のスクィージーエレメントは、第1の方向に沿って配向され、第1の液体分配ユニットと反対側で、ブラシエレメントに隣接する。第1のスクィージーエレメント、ブラシエレメント、及び第1の液体分配ユニットは、集光器表面上の第1の洗浄エリアを画定する。第2のスクィージーエレメントは、第1の方向に沿って配向され、第2の洗浄エリアを画定するように、間隙によって第1のスクィージーエレメントから隔てられている。システムは、第1及び第2のスクィージー間に位置付けられる第2の洗浄エリアに液体の第2のスプレーを供給するように構成された第2の液体分配ユニットを更に含む。
【0008】
別の代表的な実施形態は、傾斜した太陽集光器の列を洗浄するように構成されたロボット洗浄デバイスに関する。ロボット洗浄デバイスは、傾斜した太陽集光器の列を横断して、隣接する太陽集光器の列の間の間隙を横切るように構成される。ロボットは、前端部及び後端部を有するフレームを含み、後端部は傾斜した太陽集光器の列の上部に向かって配設されるように構成される。ロボット洗浄デバイスは更に、フレームの前端部に配設された前側連続トラック機構及びフレームの後端部に配設された後側連続トラック機構を含む。前側及び後側連続トラック機構は、傾斜した太陽集光器の列の頂面に沿い、かつ隣接する太陽集光器の列の間の間隙を横切ってロボットを運ぶように構成される。
【0009】
ロボット洗浄デバイスは、第1及び第2の液体分配ユニット、ブラシエレメント、並びに第1及び第2のスクィージーエレメントを含む。第1の液体分配ユニットは、洗浄液体の第1のスプレーを集光器表面に供給するように構成される。ブラシエレメントは第1の方向に沿って配向され、かつ第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有する。第1のスクィージーエレメントは、第1の方向に沿って配向され、かつ第1の液体分配ユニットと反対側でブラシエレメントに隣接している。ここで、第1のスクィージーエレメント、ブラシエレメント、及び第1の液体分配ユニットは、集光器表面上の第1の洗浄エリアを画定する。第2のスクィージーエレメントは、第1の方向に沿って配向され、かつ集光器表面上の第2の洗浄エリアを画定するように、間隙によって第1のスクィージーエレメントから分離される。第2の液体分配ユニットは、洗浄液体の第2のスプレーを第2の洗浄エリアに供給するように構成される。
【0010】
別の代表的な実施形態は、単一のスクィージーを使用して太陽集光器の集光器表面を洗浄するためのシステムに関する。システムは、洗浄ヘッドと、太陽集光器の集光器表面上の洗浄ヘッドを位置決めするためのハンドルとを含む。洗浄ヘッドは、スクィージーエレメント、ブラシエレメント、及び液体分配ユニットを含む。スクィージーエレメントは、第1の方向に沿って配向された長手方向面、スクィージーエレメントを有する。ブラシエレメントは、第1の方向に沿って配向され、かつ間隙によってスクィージーエレメントから隔てられている。液体分配ユニットは、スクィージーエレメントとブラシエレメントとの間の間隙のエリアに液体のスプレーを供給するように構成される。洗浄ヘッドは、洗浄ヘッドが第1の向きにある場合、スクィージーエレメント及びブラシエレメントの両方が集光器表面と接触するような配置に構成される。洗浄ヘッドは更に、洗浄ヘッドが第2の向きにある場合、ブラシエレメントが集光器表面と接触し、スクィージーエレメントが集光器表面から持ち上がるように構成される。洗浄ヘッドは、洗浄ヘッドが第3の向きにあるとき、スクィージーエレメントは集光器表面と接触し、ブラシエレメントは集光器表面から持ち上がるように更に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的システムを図示する。
図1B】太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的システムを図示する。
【0012】
図2】洗浄ヘッドの概略図である。
【0013】
図3A】洗浄ヘッドの代表的な構成を図示する。
図3B】洗浄ヘッドの代表的な構成を図示する。
【0014】
図4A】洗浄ヘッドの概略図である。
図4B】洗浄ヘッドの概略図である。
図4C】洗浄ヘッドの概略図である。
【0015】
図5A】洗浄ヘッドとハンドルエレメントとの間の代表的な連結接合部を図示する。
図5B】洗浄ヘッドとハンドルエレメントとの間の代表的な連結接合部を図示する。
【0016】
図6】代表的なバックパック液体供給ユニットを図示する。
【0017】
図7A】洗浄液体の流れを洗浄ヘッドに供給するための2つの例示的液体供給システムの概略図である。
図7B】洗浄液体の流れを洗浄ヘッドに供給するための2つの例示的液体供給システムの概略図である。
【0018】
図8】太陽集光器の列を洗浄するための例示的ロボット洗浄デバイスを図示する。
【0019】
図9】ロボット洗浄デバイスの例示的フレームを図示する。
【0020】
図10】ロボット洗浄デバイスの例示的洗浄モジュールを概略図である。
【0021】
図11A】太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的プロセスの流れ図である。
図11B】太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的プロセスの流れ図である。
図11C】太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明は、当業者が種々の実施形態を作って使用できるようにするために提示される。特定のデバイス、技術、及び適用の説明は、例示的なものとしてのみ提供される。本明細書で説明される例に対する様々な変更は、当業者には直ちに明らかであり、本明細書で画定された全般的原理は、種々の実施形態の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、他の例及び応用にも適用され得る。したがって、種々の実施形態は、本明細書で説明される例を限定することを意図するものではなく、請求項と調和した範囲と一致していることを意図したものである。
【0023】
上述のように、粉塵及び他の浮遊微小粒子が太陽集光器の集光器表面上に蓄積し、かかる状況でなければ集光器表面上に入射するはずの光をブロックし得る。蓄積した粒子及び他のくずは、変換に使用可能な太陽エネルギー量を低減する傾向があり、これによって、太陽集光器の潜在的な電力出力は低減される。例えば、粉塵環境での光起電集光器は、集光器表面上の光を遮断するくずの蓄積により、1日当たり0.1〜0.3パーセントの電力生成容量を損失し得る。集光器が乾季の全期間、洗浄されない場合、20パーセントの蓄積損失になる可能性がある。したがって、少なくともいくつかの場合、太陽集光器の集光器表面の定期的な洗浄によって、太陽集光器と太陽間の光インタフェースの劣化を防止し、及び太陽集光器の全電力発電を最大化し得る。
【0024】
以下で説明されるシステム及び方法は、様々な太陽集光器の集光器表面の洗浄に関する。例示的な太陽集光器は、光起電集光器、太陽熱集光器、太陽光反射集光器などを含む。太陽集光器はまた、特に、エネルギー変換がソーラーパネルの本体内で起こる場合に、ソーラーパネルと呼ばれ得る。以下で提供される例では、集光器表面は平坦である。しかしながら、他の実施では、集光器表面は、湾曲した形状又は放物線形状であり得る。
3.二重スクィージーを使用した手持ち式洗浄デバイス
【0025】
図1A及び1Bは、二重スクィージーを使用した太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的システムの構成部品を図示する。図1A及び1Bで図示するシステムは、手持ち式洗浄デバイス100及びバックパック液体供給ユニット300を含む。図1Bで示されるように、手持ち式洗浄デバイス100は、集光器表面を洗浄するための洗浄ヘッド110及び人間のオペレータによって手持ち作業されるように構成されたハンドルエレメント120を含む。図1A及び1Bに図示される、バックパック液体供給ユニット300は人間のオペレータによって着用されるように構成され、更に、洗浄液体を少なくとも1つの液体供給ホース102を介して洗浄ヘッド110に供給するように構成される。本実施形態では、洗浄液体の流れを洗浄ヘッド110に供給するように、手動制御弁がオペレータにより作動され得る。
【0026】
図1A及び1Bに図示されたシステムでは、手持ち式洗浄デバイス100は人間のオペレータが接近可能な設置面(例えば、人間のオペレータを支えることが可能な地面、又は屋根の上面)に取り付けられた太陽集光器を洗浄するように構成される。太陽集光器は、オペレータが太陽集光器の少なくとも片側に隣接して立つことができる場所に設置されていることを前提としている。一実施例では、バックパック液体供給ユニット300を着用したオペレータは、洗浄ヘッド110を集光器表面上配置し、手動制御弁を作動させ、太陽集光器の片側に沿って歩いて集光器表面全体に洗浄ヘッド100を移動させることによって、太陽集光器の集光器表面を洗浄する。列に配置された複数の太陽集光器を含む別の実施例では、オペレータは、太陽集光器の列の側面に沿って歩くことによって列にわたって洗浄する。いくつかの場合、パネル間の間隙がかなり広い場合、オペレータは、隣接する太陽集光器間を移動する際に、ハンドルエレメント120を使用して洗浄ヘッド110を持ち上げる。
【0027】
図1A及び1Bに図示された手持ち式洗浄デバイス100は、単一のパスで太陽集光器の集光器表面のあるエリアを洗浄するように構成される。つまり、手持ち式洗浄デバイスは洗浄作業を行なうために、所定のエリアを一度のみ通り過ぎる。集光器表面の洗浄及び乾燥を行なうために複数パスを必要とする機構及び技術とは対照的である。
【0028】
通常、手持ち式洗浄デバイス100を使用した洗浄作業は、従来のいくつかの洗浄技術と比較すると、洗浄液体及び手作業の量が低減化される結果となる。例えば、手持ち式洗浄デバイス100は、わずか0.05L/mの洗浄液体をおよそ300m/時間の洗浄速度で使用して、典型的な屋根設置型の光起電太陽集光器を洗浄するように構成され得る。これに比べ、従来のスプレー洗浄技術は、1.0mもの多量の洗浄液体を300m/時間より実質的により低い洗浄速度で使用し得る。
【0029】
図2は、従来のいくつかの洗浄技術に比べて、単一パスで太陽集光器を洗浄するために使用され得、かつ低減された量の洗浄液体を使用する洗浄ヘッドの概略図である。図2は、洗浄ヘッド210を含む、手持ち式洗浄デバイス200の一部分を示す。図2で示されるように、洗浄ヘッド210は、ブラシエレメント213、第1のスクィージーエレメント211、及び第2のスクィージーエレメント212を含む。洗浄液体は、第1及び第2の液体分配ユニット221、222を使用して、太陽集光器244の集光器表面242に適用される。
【0030】
この例では、洗浄ヘッド210が掃除方向240に集光器表面242にわたって移動すると、2つの洗浄エリアである、低希釈エリア231及び高希釈エリア232が作成される。図2で示されるように、洗浄ヘッド210が掃除方向240に移動すると、低希釈エリア231が高希釈エリア232に先行する。更に、洗浄ヘッド210が掃除移動されると、第1のスクィージーエレメント211が液体バリアとして機能し、高希釈エリア232から低希釈エリア231を分離する。
【0031】
図2で示されるように、低希釈エリア231は第1の液体分配ユニット221近くの集光器表面242の一部分、ブラシエレメント213の下の集光器表面242の一部分に対応し、第1のスクィージーエレメント211に向かって延びる。通常の実装形態では、第1の液体分配ユニット221は第1のスプレーを集光器表面242の乾燥エリアに供給する。第1の液体分配ユニット221によって濡らされた後、ブラシエレメント213が使用され、太陽集光器244の集光器表面242上に蓄積した粒子物質及びくずが取り除かれる。結果的に、低希釈エリア231に存在する液体は通常、ある一定量の洗浄液体に懸濁する比較的高濃度の粒子物質を含む。洗浄ヘッド210が集光器表面242にわたって移動すると、ほとんどすべての洗浄液体及び懸濁粒子物質が第1のスクィージーエレメント211によって除去される。
【0032】
図2で示すように、高希釈エリア232は低希釈エリア231と反対側の、第1のスクィージーエレメント211の片面に位置しており、第1のスクィージーエレメント211と第2のスクィージーエレメント212との間のエリアを含む。典型的な実装形態では、高希釈エリア232は、2回目の洗浄液体によって濡らされている集光器表面242の一部分に対応する。したがって、高希釈エリア232に存在する洗浄液体は通常、低希釈エリア231の懸濁粒子の濃度に比べて、ある一定量の洗浄液体における、より低い濃度の懸濁粒子を含む。洗浄ヘッド210が集光器表面242にわたって移動すると、ほとんどすべての液体及び懸濁粒子物質が第2のスクィージーエレメント212によって除去される。
【0033】
太陽集光器244が傾斜面上に設置されている場合、第2のスクィージーエレメント212によって除去される液体及び懸濁粒子物質は、重力によって高希釈エリア232から排出され得る。いくつかの実施形態では、除去された液体が収集され、第1の液体分配ユニット221に新ルートで戻され得る。新ルート構成の例は、図7Bで図示された液体経路スキーム及び図11Bのプロセス1100に関して記載される。
【0034】
図3A及び3Bは、単一パスで太陽集光器を洗浄するように使用され得る洗浄ヘッドの例示的構成を図示する。図3Bで示すように、洗浄ヘッド110は、ブラシエレメント113、第1のスクィージーエレメント111、第2のスクィージーエレメント112を含む。第1及び第2のスクィージーエレメント111、112はスペーサ114によって隔てられている。洗浄ヘッド110は、洗浄ヘッドの他の構成部品を取り付けるための裏張りプレート115を更に含む。
【0035】
第1及び第2の液体分配ユニット121、122は洗浄液体の第1の及び第2のスプレーを太陽集光器の集光器表面上に供給するように構成される。図2に関連して上述したように、(他の洗浄ヘッド構成部品と併せて)第1及び第2の液体分配ユニット121、122は、第1のスクィージーエレメント111によって分離される、2つの洗浄エリアである、低希釈エリア及び高希釈エリアを生成するように構成される。
【0036】
図3Bで示すように、第1の液体分配ユニット121は、ブラシエレメント113に隣接し、第1及び第2のスクィージーエレメント111、112と反対側になるように位置付けられる。この例では、第1の分配ユニットは、図1Bで示される、液体供給ホース102を介してバックパック液体供給ユニット300と流体接続している。第1の液体分配ユニット121は洗浄液体のスプレーを太陽集光器の表面上に生じさせるためのノズルを含む。ノズルは、1つ又はそれ以上のオリフィス又は洗浄液体のスプレーを方向付けるための他の機能を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の液体分配ユニット121は、洗浄液体のスプレーを太陽集光器の集光器表面に供給するように構成される1つ又はそれ以上のマニホールド又はドリップレールを更に含み得る。
【0037】
図3Bでは、第1の液体分配ユニット121が、洗浄ヘッド110の一方の端部に対して取り付けられている様子が示される。この実施形態では、別の液体分配ユニットが同様に、洗浄ヘッド110のもう一方に位置付けられる。他の実施形態では、単一の液体分配ユニットが洗浄ヘッドの中心近くに位置付けられ、又は、代替的には、2つを超える液体分配ユニットがブラシエレメント113に大体平行の洗浄ヘッドの長さに沿って配置される。
【0038】
洗浄ヘッド110は、第1及び第2のスクィージーエレメント111、112間に位置付けられた第2の液体分配ユニット122を更に含む。この例では、第2の液体分配ユニット122は、図1Bで示されるように、液体供給ホース102を介してバックパック液体供給ユニット300と流体接続する。本実施例では、第1及び第2の液体分配ユニット121、122は同一の供給ホース102及び液体源を共用している。しかし、図7Bに関連して以下でより詳細に説明される他の実施形態では、代替の流体構成が、他の液体分配ユニットによる再使用のために、1つの液体分配ユニットによって供給された水の新ルートをとり得る。
【0039】
図3Bに示される第2の液体分配ユニット122はスペーサ114の一部として形成される。第2の液体分配ユニット122を形成するために、中央溝又はマニホールドがスペーサ114の長さの一部分に沿って提供される。複数の垂直溝又は孔も提供され、中央溝又はマニホールドから第1及び第2のスクィージーエレメント111、112の間のスペースへ延びる。複数の垂直溝又は孔は、洗浄液体のスプレーを第1及び第2のスクィージーエレメント111、112の間のエリアに供給するように構成される。
【0040】
図3Bに図示される例では、ブラシエレメント113はおよそ直径0.1〜0.8mmで長さがおよそ50mmのいくつかの真っすぐな剛毛の列からできている。剛毛は、ナイロン又はポリプロピレン重合体からできており、化学的耐性がある。本実施形態では、剛毛は可撓性である。通常、(図1Bに示されている)ハンドルエレメント120を使用するオペレータによって圧力が加わると、剛毛はわずかに変形する。剛毛のわずかな変形はブラシエレメント113及び太陽集光器の集光器表面の間の十分な接触を得るのに利点となる。他の適したブラシの物質には、例えば、独立気泡ネオプレンフォーム、連続気泡フォーム、及び布地物質が含まれる。
【0041】
第1及び第2のスクィージーエレメント111、112はおよそ幅25mmで厚さ3mmのシリコーンゴムのストリップからできている。本実施形態では、スクィージーは可撓性である。通常、(図1Bに示されている)ハンドルエレメント120を使用するオペレータによって圧力が加わると、スクィージーはわずかに変形する。この例のシリコーンゴムは、少なくとも5MPaの引張り強度を有している。5MPa超の引張り強度の物質を使用すると、通常、耐用期間が向上し、スクィージーの耐摩耗性が改善される。いくつかの場合、少なくとも5MPaのシリコーンゴムを使用すると、洗浄ヘッド110の引き裂き抵抗に対し、及び有効寿命を延ばすために有益になり得る。第1及び第2のスクィージーエレメント111、112のための他の適した物質には、EPDM、天然又は合成ゴム、及び他の可撓性物質が含まれ得る。
【0042】
この例では、第1及び第2のスクィージーエレメント111、112は同一の物質からできており、同一の厚さである。代替の実施形態では、2つのスクィージーエレメントが異なる厚さ及び異なるデュロメータを有する物質から作られる可能性がある。更に代替の実施形態では、第1及び第2のスクィージーは、洗浄される予定の表面のプロファイル形状に一致されるために形成されるか、又は輪郭化され得る。
4.単一のスクィージーを使用した手持ち式洗浄デバイス
【0043】
図4A図4Cは、太陽集光器の集光器表面を洗浄するための単一のスクィージーの実施形態を図示する。図4A図4Cで示されるように、手持ち式洗浄デバイス400は、洗浄液体を分配し、太陽集光器の集光器表面を洗浄するための洗浄ヘッド410を含む。洗浄ヘッド410は、人間のオペレータによって手持ち作業されるように構成されたハンドルエレメント420に取り付けられている。本実施形態では、洗浄ヘッド410はオペレータがハンドルエレメント420を持ち上げる、又は下げることによって、洗浄ヘッド410を傾斜させることが可能になるジョイントを介してハンドルエレメント420に取り付けられている。例えば、ジョイントは、少なくとも、洗浄ヘッド410の長手方向面に平行な軸に沿って、剛性であり得る。図4A図4Cに図示されるように、洗浄ヘッド410の長手方向面は、実質的に、洗浄ヘッド410の掃除移動方向(図4Bの440及び図4Cの441)に直交している。
【0044】
洗浄ヘッド410は、スクィージーエレメント411、ブラシエレメント413、及び液体分配ユニット421を含む。スクィージーエレメント411は、実質的に、洗浄ヘッド410の長手方向面に平行な、第1の方向に沿って配向された長手方向面を有している。図4Aに図示するように、第1の方向は実質的に、洗浄ヘッド410の掃除移動方向(440、441)と直交する。スクィージーエレメント411は、およそ幅25mmで厚さ3mmのシリコーンゴムのストリップからできている。他のスクィージーエレメントに関して記載されるように、スクィージーエレメント411に他の適した物質には、EPDM、天然又は合成ゴム、及び他の可撓性物質が含まれる。
【0045】
ブラシエレメント413は、第1の方向に沿って更に配向され、かつ間隙によってスクィージーから隔てられている。この例では、ブラシエレメント413はナイロン又はポリプロピレンの剛毛のいくつかの列からできている。他の適したブラシの物質には、例えば、独立気泡ネオプレンフォーム、連続気泡フォーム、及び布地物質が含まれる。
【0046】
液体分配ユニット421は、スクィージーエレメント411及びブラシエレメント413の間の間隙に位置付けられる。本実施形態では、液体分配ユニットはスクィージーエレメント411及びブラシエレメント413の間の集光器表面442の一部分に向けて配向された1つ又はそれ以上のスプレーノズルを含む。他の実施形態では、液体分配ユニット421は洗浄液体のスプレーを分配するための1つ又はそれ以上のマニホールド又はドリップレールを含み得る。
【0047】
図4A図4Cに示された手持ち式洗浄デバイス400は、1超のパスで太陽集光器の集光器表面を洗浄するように構成される。特に、本実施形態では、洗浄ヘッドは、第1のスプレーを供給し、第1のパスで集光器表面の一部分をブラシで磨くように構成される。洗浄ヘッドは、第2のスプレーを供給し、第2のパスで集光器表面の一部分をスクィージーするように更に構成される。本実施形態では、洗浄ヘッド410の向きは第1及び第2のパスの間で回転される。
【0048】
図4A図4Cは、洗浄ヘッド410の3つの一般的な向きを示す。図4Aは、洗浄ヘッド410の第1の向きを示す。第1の向きでは、洗浄ヘッド410は、スクィージーエレメント411及びブラシエレメント413の両方を、太陽集光器444の集光器表面442と接触するように定置する。洗浄ヘッド410は、例えば、洗浄ヘッド410がまず集光器表面442に配置されるとき、第1の向きに配置され得る。
【0049】
図4Bは、第2の向きの洗浄ヘッド410を図示する。第2の向きでは、洗浄ヘッド410は、ブラシエレメント413を集光器表面442と接触するように配置し、集光器表面442及びスクィージーエレメント411の間には間隙が存在するように集光器表面442からスクィージーエレメント411を持ち上げる。洗浄ヘッド410は、例えば、図4Bで示されるハンドルエレメント420のように、オペレータがハンドルエレメント420を押し下げるとき、第2の向きに配置され得る。
【0050】
図4Bで示すように、洗浄ヘッド410は、集光器表面442にわたって第1の方向440で掃除移動されるとき、第2の向きに配置され得る。本実施形態では、液体分配ユニット421は洗浄液体の第1のスプレーを集光器表面442に供給し得、一方、洗浄ヘッド410は第2の向きに配置され、第1の方向440で掃除移動される。第2の向きで、洗浄ヘッド410は、ブラシエレメント413が太陽集光器444の集光器表面442上に蓄積した粒子物質及びくずをかきまわし取り除くように位置付けられる。
【0051】
図4Cは、第3の向きの洗浄ヘッド410を図示する。第3の向きでは、洗浄ヘッド410は、スクィージーエレメント411を集光器表面442と接触するように配置し、集光器表面442とブラシエレメント413との間に間隙があるように、集光器表面442からブラシエレメント413を持ち上げる。洗浄ヘッド410は、例えば、オペレータがハンドルエレメント420を図4Cで示すように持ち上げる場合、第3の向きに配置され得る。
【0052】
図4Cで示すように、洗浄ヘッド410は、第2の方向441(第1の方向440とは反対)で集光器表面442にわたって掃除移動されるとき、第3の向きに配置され得る。本実施形態では、液体分配ユニット421は洗浄液体の第2のスプレーを集光器表面442に供給し得、一方、洗浄ヘッド410は第3の向きに配置され、第2の方向441で掃除移動される。第3の向きでは、洗浄ヘッド410は、スクィージーエレメント411が蓄積された残りの粒子を排出し、洗浄液体を除去するために集光器表面442を拭えるように位置付けられる。
【0053】
洗浄ヘッド410を使用して集光器表面442を洗浄するための例示的プロセス1200は、図11Cと関連して以下でより詳細に説明される。
5.ジョイントエレメントの連結
【0054】
一般的に、洗浄ヘッドが特定の向きで集光器表面に加えられることは利点となり得る。例えば、図4A図4Cで図示された単一のスクィージーの例に関連して、洗浄ヘッドの向きは、少なくとも洗浄ヘッドの長手方向面に沿って、ハンドルエレメントに対して固定される必要がある。例えば、図2で説明された二重スクィージー洗浄ヘッドに関連して、洗浄ヘッドの向きは、ブラシ並びに第1及び第2のスクィージーが集光器表面と接触し、同時に、洗浄作業が行なわれるように維持される必要がある。いくつかの二重スクィージーの実施形態では、ブラシエレメントは、2つのスクィージーエレメントより硬く、集光器表面にわたって移動すると、洗浄ヘッドの先頭縁部が持ち上がる傾向があり得る。あるいは、第2のスクィージーエレメントがブラシエレメントより硬く、移動するときに、洗浄ヘッドの後縁部が持ち上がる傾向があり得る。これらのシナリオのどちらの場合も、3つすべてのエレメント(ブラシエレメント、第1のスクィージーエレメント、第2のスクィージーエレメント)が集光器表面と接触したままであることが確実になるために、モーメントが洗浄ヘッドに適用されなければならない。
【0055】
図5A及び5Bは洗浄ヘッドとハンドルエレメントとの間の、集光器表面対して洗浄ヘッドの向きの維持を支援する例示的連結ジョイントを図示する。図5A及びBで示すように、ハンドルエレメント120は連結ジョイント130を使用して洗浄ヘッド110に取り付けられており、このジョイントは、第1の軸131に沿った洗浄ヘッドの回転を防止することによって洗浄ヘッドの向きを維持するのを助ける。第1の軸131は、ブラシエレメント113の長手方向面及びスクィージーエレメント111、112とおおよそ平行である。
【0056】
図5Bで示すように、連結ジョイント130は、連結ジョイント130に対して固定される、第1のクレビス133、第1のクレビスピン134、及び第2のクレビス135を含む。結果的に、連結ジョイント130は第1の軸131周りの回転を防止する。第1のクレビスピン134は、第1のクレビス133及び第2のクレビス135の嵌合部分の両方にプレス嵌め又は溶接され得る。いくつかの実施形態では、単一の固体エレメントが、第1のクレビス133、第1のクレビスピン134、及び第2のクレビス135の嵌合部分の代わりに使用される。
【0057】
連結ジョイントが第1の軸131周りの回転を防止するので、モーメントがハンドルエレメント120を使用して、洗浄ヘッド110に適用され得る。例えば、オペレータは、ハンドルエレメント120を使用して上方又は下方の力を適用し、洗浄ヘッド110上にモーメント力をかけ得る。上述のように、洗浄ヘッド110の向きを維持するために、洗浄ヘッドの第1及び第2のスクィージーエレメント111、112に対するブラシエレメント113の硬さに応じたモーメント力が必要とされ得る。
【0058】
図5Bで示すように、連結ジョイント130は、ハンドルエレメント120が第2の軸132周りの回転を可能にする第2のクレビス135及び第2のクレビスピン136を更に含む。第2の軸132は、典型的に第1の軸131と直交する。第2の軸132周りのジョイント回転を連結させることによって、ハンドルエレメント120を洗浄ヘッド110の左右に移動させることができる。この場合、連結ジョイント130によって、洗浄ヘッド110を太陽集光器の集光器表面上に位置付けたまま、オペレータは洗浄ヘッド110を近づけ、又は離したりして移動させることできる。またこれにより、洗浄ヘッド110の長手方向面に沿って、太陽集光器上において、洗浄ヘッド110を平坦なままにし得る。
【0059】
図5Bに図示されるこの実施例では、第2のクレビス135は、ハンドルエレメント120に固定された第2のクレビスピン136に対して遊合である一対の孔を含む。別の構成では、第2のクレビスピン136は第2のクレビス135に固定され、ハンドルエレメント120の孔内で自由に回転できる。
6.バックパック液体供給ユニット
【0060】
図1A及び1Bに関連して上述のように、手持ち式洗浄デバイス100はバックパック液体供給ユニット300を着用するオペレータによって保持され得る。バックパック液体供給ユニット300はまた、洗浄液体を図4A図4Cに図示された単一のスクィージー手持ち式洗浄デバイス400に供給するために使用され得る。図6は例示的なバックパック液体供給ユニット300及び洗浄液体を手持ち式洗浄デバイス100に供給するための関連構成部品を図示する。
【0061】
図6で示すように、バックパック液体供給ユニット300は、とりわけ、液体リザーバエレメント302、ポンプエレメント304、及び電源306を含む。バックパック液体供給ユニット300の構成部品は、オペレータによってバックパックとして着用されるように構成されたウェアラブルハーネスに機械的に一体化される。この実施例では、バックパック液体供給ユニット300は、構成部品を取り付けるための金属フレーム、及びユニットをオペレータの背中に取り付けるための2つのショルダーストラップを含む。
【0062】
この実施例では、液体リザーバエレメント302は、およそ15リットルの洗浄液体を保持する容量を有する透明なプラスチックコンテナである。液体リザーバエレメント302は吹込み成形又は同様のプラスチック形成プロセスを使用して形成され得る。液体リザーバエレメント302は、洗浄液体を洗浄ヘッド110の第1及び第2の液体分配ユニット111、112に供給するための1つ又はそれ以上の出力チューブを含む。本実施形態では、バックパック液体供給ユニット300の出力チューブは、ハンドルエレメント120に取り付けられた液体供給ホース102に接続されている。バックパック液体供給ユニット300の出力チューブ及び液体供給ホース102の間の接続は、典型的にバックパック液体供給ユニット300を手持ち式洗浄デバイス100から容易に分離できるクイック切断タイプの流体連結によって提供される。
【0063】
液体リザーバエレメント302は、液体リザーバエレメント302を補給するための通気式供給ホース308を更に含み、これは更に、クイック切断タイプの流体連結部に装着される。補給を容易にするために、通気式供給ホース308は、外部供給タンクの供給ホースに直接接続され得る。洗浄液体は、重力送り又は他の液体供給技術を使用して外部供給タンクから供給され得る。急速補給を容易にするために、通気式供給ホース308は、補給がされているときに液体リザーバエレメント302から空気を逃すことができるようにする。
【0064】
バックパック液体供給ユニット300は、液体リザーバエレメント302に収容された洗浄液体を洗浄ヘッドに供給するためのポンプエレメント304を更に含む。この実施例では、ポンプエレメント304の入力は液体リザーバエレメント302と流体連通され、ポンプの出力は洗浄ヘッドと流体連通されている。本構成では、ポンプエレメント304は隔膜型電気ポンプを含む。
【0065】
ポンプエレメント304は、ポンプエレメント304に提供される電力量を調整可能なDCモータ速度コントローラ回路によって制御される。本実施例では、速度コントローラ回路は、ポンプエレメント304のDCモータの回転速度を制御することによって洗浄ヘッドに供給される洗浄液体量を調整する。本実施形態では、速度コントローラ回路は、自動圧力作動シャットオフ制御機能を更に含む。この機能によって、速度コントローラ回路は、手動の制御弁がオペレータによって作動しないときに、ポンプへの電力を低減又は供給停止することができる。
【0066】
電源306は電力をポンプエレメント304に提供する。この実施例では、電源306はポンプエレメント304を駆動するために使用されるDC電力を提供するための再充電可能バッテリー及びDC電圧調整回路を含む。電源306は、DCモータ速度コントローラ回路を介してポンプエレメント304に電気的に接続される。
【0067】
図6に図示されるように、ポンプエレメント304、電源306、及び他の構成部品はバックパック液体供給ユニット300に物理的に一体化され得る。別の実施形態では、これらの構成部品の1つ又はそれ以上が手持ち式洗浄デバイスの他の構成部品と物理的に一体化され得る。例えば、電源及び/又はポンプエレメントは洗浄ヘッドに物理的に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、追加のポンプエレメント及び/又は電源が手持ち式洗浄デバイスの他の構成部品と物理的に一体化される。
【0068】
本実施形態では、洗浄液体は水である。中性洗剤が、集光器表面の洗浄を促進するために水に更に追加され得る。他の実施形態では、洗浄液体は、酸性洗浄剤、アルカリ性洗浄剤、又は他の溶剤を含む他の洗浄剤を含み得る。
7.液体ルーティングシステム
【0069】
図7A及び7Bは、洗浄液体の流れを二重スクィージー洗浄ヘッドに供給するための2つの例示的液体供給システムの概略図を示す。図7Aは、新規の洗浄溶液を第1及び第2の液体分配ユニットに供給する液体供給システムを示す。図7Bは、第1及び第2のスクィージーの間のエリアから液体を収集し、液体を第1の液体分配ユニットに再循環させる液体分配システムを図示する。図7Bの液体供給システムは、太陽集光器644の集光器表面642を洗浄するために使用される洗浄液体の量を低減するという追加の利点を提供する。
【0070】
図7Aは、洗浄液体を第1及び第2の液体分配ユニット621、622に供給する第1の液体供給システムの概略図である。図7Aで示すように、主要液体供給ライン652は液体源から洗浄液体の流れを提供する。液体源は、図6に関連して上述のように、バックパック液体供給ユニット300の液体リザーバユニット302であり得る。主要液体供給ライン652は、図1Bに関連して上述のように、少なくとも1つの液体供給ホース102を含み得る。
【0071】
図7Aで示すように、主要液体供給ライン652からの流れは、第1の液体供給ライン656及び第2の液体供給ライン654に分割される。第1の液体供給ライン656は洗浄液体の第1の流れを第1の液体分配ユニット621に提供するために使用され、第2の液体供給ラインは洗浄液体の第2の流れを第2の液体分配ユニット622に提供するために使用される。第1の液体分配ユニット621は、太陽集光器644の集光器表面642に洗浄液体をスプレーするための1つ又はそれ以上のノズル又はオリフィスを含む。同様に、第2の液体分配ユニット622も、集光器表面642に洗浄液体をスプレーするための1つ又はそれ以上のノズル又はオリフィスを含む。あるいは、第1及び第2の液体分配ユニット621、622は、洗浄液体を集光器表面642に供給するための1つ又はそれ以上のマニホールド又はドリップレールを含む可能性がある。
【0072】
この実施例では、第1及び第2の液体供給ライン656、654の間で流れを等しく分割するためにT字型ジョイントが使用される。結果として、第1及び第2の流れは実質的に同一である。一実施例では、主要液体供給ライン652からの流れは、およそ0.5L/分で、それぞれおよそ0.25L/分の第1及び第2の流れに分割される。
【0073】
いくつかの実施形態では、主要液体供給ライン652からの流れは、互いに実質的に同一ではない第1の流れ及び第2の流れに分割される。例えば、第2の流れとは異なる第1の流れを生み出すために流れ制御又は固定式流量制限器が使用され得る。このことは、いくつかの場合では利点となり得る。例えば、太陽集光器の集光器表面が蓄積された粒子物質の通常量より大きい場合、第1の液体分配ユニット621に追加の洗浄液体を提供するために、洗浄液体の第1の流れは第2の流れに対して増大させるようにし得る。
【0074】
図7Bは、第1の液体分配ユニット621に供給するために、第2の液体分配ユニット622から分配された液体を再利用する代替の実施形態を図示する。上述のように、この構成は、太陽集光器644の集光器表面642を洗浄するために使用される洗浄液体の量を低減するという追加の利点を有しており、これによって必要な液体資材量が低減される。追加的に、使用される洗浄液体の量を低減することによって、補給することなくより多くの太陽集光器の洗浄が可能になり、作業効率及び洗浄時間が改善される。洗浄液体を低減することで更に、固定されたエリアを洗浄するために必要なリザーバ液体容量も低減され得る。
【0075】
図7Bで示すように、主要液体供給ライン652は、図6に関連して上述されたバックパック液体供給ユニット300などの液体供給源から洗浄液体の流れを提供する。図7Bに図示される実施形態では、主要液体供給ライン652は洗浄液体の流れを直接、第2の液体供給ユニット622に供給する。上述のように、第2の液体分配ユニット622は、太陽集光器644の集光器表面642のエリア上に洗浄液体をスプレーするための1つ又はそれ以上のノズル又はオリフィスを含む。
【0076】
図7Bで示すように、第2の液体分配ユニット622から分配された液体は第1及び第2のスクィージーエレメント611、622の間のエリア上にスプレーされる。図2に関連して上述されたように、洗浄ヘッドが集光器表面642にわたって移動すると、第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアは通常、2回目の洗浄液体によって濡らされている集光器表面642の一部に対応する。したがって、第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアに存在する洗浄液体は通常、第1の液体分配ユニット621付近の濡らされたエリアに懸濁する粒子の濃度に比べて、一定量の洗浄液体あたりより低い濃度の懸濁粒子を含む。懸濁粒子が比較的低い濃度なので、液体は集光器表面642の他の部分を洗浄するために、回収され再使用され得る。
【0077】
具体的には、この例では、洗浄ヘッドは第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間の少なくとも一部の液体を除去するための液体回収エレメント658を含む。液体回収エレメント658は、第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアでたまる液体の少なくとも一部の除去を支援するポンプ654に接続されている。ポンプ654は、液体回収エレメント658で低減された圧力を供給するための隔膜ポンプ又は他の真空生成デバイスとし得る。いくつかの場合、ポンプ654はバックパック液体供給ユニットに位置付けられる。
【0078】
いくつかのシナリオでは、太陽集光器644がある角度で設置される場合、液体回収エレメント658は太陽集光器644の下部縁部に位置し、第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアから排出される液体を収集するためのトラフ又は開いた容器を含み得る。いくつかの場合、真空及びトラフの両方が液体の収集のために使用される。
【0079】
図7Bで示すように、液体回収エレメント658により収集された液体は、再分配供給ライン662によって第1の液体分配ユニット621に再ルーティングされる。上述のように、第2の液体分配ユニット622は、太陽集光器644の集光器表面642のエリア上に洗浄液体をスプレーするための1つ又はそれ以上のノズル又はオリフィスを含む。任意に、又は追加的に、主要液体供給ライン652によって供給される流れの一部は、補充供給ライン660によって第2の液体分配ユニット622に流用される(図7Bで点線として描写)。
【0080】
洗浄液体を回収する別の可能性のある利点は、集光器表面上の汚染又は汚れの程度を判断するために、液体を視覚的に検査できることである。回収された洗浄液体はまた、集光器表面上に蓄積された粒子のタイプに関するより多くの情報を特定するための更なる分析のためにも収集され得る。
8.ロボット洗浄デバイス
【0081】
図8は、太陽集光器の列を洗浄するための例示的ロボット洗浄デバイスを図示する。図8に図示されるロボット洗浄デバイス700は、太陽集光器のアレイの集光器表面を横断して太陽集光器の列を洗浄し、隣接する太陽集光器間の間隙を横切るように構成される。通常、太陽集光器のアレイは、下部縁部に対して持ち上げられた上部縁部を有する傾斜角度で設置される。
【0082】
ロボット洗浄デバイス700は、太陽集光器のアレイの集光器表面を洗浄するための1つ又はそれ以上の洗浄モジュール750及び751を含む。洗浄モジュールは、太陽集光器の集光器表面から蓄積された粒子を除去するための1つ又はそれ以上の構成部品を含む。二重スクィージー構成を特徴とする、例示的洗浄モジュール850及び851は、図10に関連して以下でより詳細に説明される。しかし、他の洗浄モジュールもまた、例えば、二重スクィージー構成を含まない、ロボット洗浄デバイス700で実装され得る。
【0083】
図8及び図9に図示されるように、ロボット洗浄デバイス700は、太陽集光器のアレイの上部縁部に沿って横断するように構成された上部ガイド機構704を含む。広くは、上部ガイド機構704は、ロボット洗浄デバイスが傾斜した太陽集光器のアレイから外れないようにし、及びロボット洗浄デバイス700の位置決めを支援する。この実施例では、上部ガイド機構704は、太陽集光器のアレイの上部縁部に接触するための平坦な領域を有する連続的なトラックベルトを含む。トラックベルトの前縁部及び後縁部は、太陽集光器間の間隙を横切るロボット洗浄デバイス700の移行を支援するために、ある角度で傾斜している。他の実施形態では、ガイド機構には、隣接する太陽集光器間の間隙を横切って転がるために十分大きな直径を有するポリウレタンローラーの列を含み得る。
【0084】
上部ガイド機構704は太陽集光器の集光器表面を洗浄するために使用される構成部品を支持するフレーム702に機械的に接合されている。この例では、フレーム702は、フレーム702が太陽集光器の上部縁部に対して回転できるようにするピボットジョイントを介して上部ガイド機構704に接合されている。他の実施形態では、上部ガイド機構704はフレーム702に堅く接合されている。
【0085】
ロボット洗浄デバイス700は、連続した2つのトラック機構を使用して太陽集光器のアレイに沿って位置付けられる。フレーム702は、太陽集光器アレイの前側の、下部縁部に配設された前側連続トラック機構706、及び太陽集光器のアレイの後側の、上部縁部に配設された後側連続トラック機構708を含む。各連続トラック機構704、706、708は、連続的トラックベルトをどちらかの方向で駆動するように構成された独立制御可能な駆動モータを含む。ロボット洗浄デバイス700は、例えば、互いに対して、異なる速度で2つの連続トラック機構706、708を駆動することによって操縦され得る。いくつかの場合、上部ガイド機構704の駆動部は、前側又は後側連続トラック機構706、708のいずれかの駆動部に電気的又は機械的に連結されている。いくつかの場合、上部ガイド機構704は、駆動部を含まず、回転自由な機構である。
【0086】
図8で示すように、連続トラック機構706、708はそれぞれ、平坦な領域を有する連続的トラックベルトを介して集光器表面と接触する。平坦な領域は、集光器表面を横切るロボット洗浄デバイス700の重量を分散し、損傷の危険を低減する助けをする。平坦な領域はまた、集光器表面が濡れているとき、引張りを改善する大きな表面を提供する。連続トラック機構706、708はまた、隣接する太陽集光器間の間隙の横断を支援する傾斜した前部分及び後部分を有する。特に、連続トラック機構706、708の傾斜した前部分及び後部分は、異なる高さの隣接する太陽集光器間の間隙の上でロボット洗浄デバイス700を搬送する助けをする。本実施形態では、前部分及び後部分は、10度の角度で傾斜する。他の実施形態では、前部分及び後部分は、連続的トラックベルトによって提供される引張りに応じて、15度以上傾斜され得る。
【0087】
本実施形態では、連続的トラックベルトは、チェーンを形成するように共に接合された複数のリンクから作製され得る。連続的トラックベルトの表面は、集光器表面を損傷することなく、太陽集光器をつかむように構成される。連続的トラックベルトは、ロボット洗浄デバイス700及び集光器表面の間に安全な摩擦境界を提供するゴム入りコーティングを含む。他の実施形態では、連続的トラックベルトは、重合体又はゴム入り材料からできたエンドレスベルトから作られ得る。
【0088】
ロボット洗浄デバイス700は隣接する太陽集光器間の間隙を検出するように構成された2つの光センサを含む。光センサは、ロボット洗浄デバイス700に対して位置のフィードバックを提供するために使用される。本実施形態では、光センサは隣接する太陽集光器間の間隙を検出するように構成され、更に、太陽集光器アレイの縁部も検出し得る。光センサは更に、ロボット洗浄デバイス700が太陽集光器アレイの端部を通り過ぎないようにするために使用され得る。
【0089】
一実装形態では、光センサは、太陽集光器のアレイに対するロボット洗浄デバイス700の向きを維持するために使用される。例えば、2つの光センサが、それぞれ、フレーム702の前端部及び後端部に向かって位置付けられ得る。各光センサは、センサが隣接する太陽集光器間の間隙を超えて過ぎ、間隙の検出を示す場合、固有の応答信号を生成し得る。前側及び後側のセンサ応答信号のタイミング差で、太陽集光器のアレイに対するロボット洗浄デバイス700の向きが示され得る。例えば、ロボット洗浄デバイス700は、太陽集光器のアレイ上で、デバイスの下部前端部が、デバイスの上部後端部を先行するように配向され得る。この構成では、前側センサが隣接する太陽集光器間の隙間を検出してから、後側センサが同一の間隙を検出する。2つのセンサの応答信号間のタイミングで、太陽集光器のアレイに対するロボット洗浄デバイス700の相対角度が示される。
【0090】
センサ応答信号の相対タイミングは、コンピュータのプロセッサ又は他の電子回路を使用して比較され得、応答信号は連続トラック機構706、708の相対速度を調整し、ロボット洗浄デバイス700の一定の向きを維持するために使用され得る。一実施例では、位相同期ループ(PLL)制御回路が、センサによって生成された信号に応じて、連続トラック機構706、708の一方又は両方に可変速度制御信号を提供するために使用され得る。PLL制御回路を使用して、センサ応答信号間のタイミングの相対増大又は減少で連続トラック機構706、708間の対応する相対速度の増大又は減少がトリガされ得る。
【0091】
光センサはまた、間隙検出以外の目的にも使用され得る。いくつかの実装形態では、光センサは、太陽集光器のアレイに沿ったロボット洗浄デバイス700の位置を識別し得る。例えば、光センサは位置マーカ又は太陽集光器のアレイに沿う既知の位置を表す他の光基準を検出し得る。光センサは更に、シリアル番号を示す集光器表面上の識別マーク又は機器識別の他の形態を検知するために使用され得る。センサは更に、集光器表面上に蓄積した粒子の量を推定し、洗浄が必要かどうか、及びどの程度の洗浄を行なう必要があるかを判定できるために使用され得る。
【0092】
本実施形態では光センサを使用しているが、これらに限定されない、近接センサ、容量センサ、誘導センサ、ホール効果センサ、リミットスイッチ、メカニカルセンサなどの他のセンサも使用される可能性がある。いくつかの実施形態では、センサは集光器表面付近の物質の変化を検出するように構成される。例えば、センサは集光器表面のガラス表面から集光器パネル外周の周りの金属フレームまでの変化を検出するように構成され得る。
【0093】
図9は、洗浄モジュールなしのロボット洗浄デバイス700のフレーム702を示す。フレーム702の向きが、図8に示された視点に対して回転していることに注意されたい。図9で示すように、フレームには、太陽集光器アレイの上部縁部を横断するための、フレーム702の後部付近に配設された上部ガイド機構704が含まれる。フレームは更に、フレーム702の前端部及び後端部付近にそれぞれ配設された前側及び後側連続トラック機構706、708を含む。
【0094】
図9で示すように、前側及び後側連続トラック機構706、708は端部プレート712、714に取り付けられる。端部プレート712、714は、2つの横方向梁710によって構造的に接合されている。端部プレート712、714は、上部及び下部の連続トラック機構706、708間の距離を変更するように、プレートをクランプから外し、横方向梁710の長さに沿って移動可能にするクランプ機械的インタフェースによって横方向梁710に取り付けられ得る。この場合、ロボット洗浄デバイス700は、様々に異なるようにサイズ調整された太陽集光器に嵌るように適合され得る。
【0095】
フレーム702は、集光器表面を洗浄するために使用される洗浄液体又は他の液体を貯蔵するための1つ又はそれ以上の一体化された液体リザーバを含み得る。例えば、一方又は両方の横方向梁710は、密封された内部空洞を提供するために両方の端部が密封された中空の管構造体から形成され得る。内部空洞は、洗浄作業に使用される洗浄液体を貯蔵するために使用され得る。いくつかの実施形態では、端部プレートも更に、密封された中空の管構造体(例えば、ボックス構造体)から形成され得、これは液体リザーバとしても使用され得る。液体リザーバをロボット洗浄デバイス700の構造化構成部品に一体化することによって、ロボット洗浄デバイス700の全重量は低減され得る。追加的に、部品の数も低減され得、製造が簡素化され、部品コストも削減される。
9.ロボット洗浄デバイスのための例示的洗浄モジュール
【0096】
上述のように、ロボット洗浄デバイスには通常、太陽集光器のアレイの集光器表面を洗浄するための1つ又はそれ以上の洗浄モジュールが含まれる。図10は、ロボット洗浄デバイス800のフレームに一体化され得る例示的洗浄モジュール850及び851の概略図を示す。
【0097】
図10で示すように、洗浄モジュール850はブラシエレメント813及び第1の液体分配ユニット821を含む。ブラシエレメント813は、駆動方向840に実質的に直交する第1の方向に沿って配向された長手方向面を有している。洗浄モジュール851は、間隙によって隔てられた第1のスクィージーエレメント811及び第2のスクィージーエレメント812を含む。第2の液体分配ユニット822は、第1のスクィージーエレメント811及び第2のスクィージーエレメント812の間の間隙に配設される。洗浄液体は、第1及び第2の液体分配ユニット821、822を使用して、太陽集光器844の集光器表面842に適用される。
【0098】
この実施例では、ロボット洗浄デバイス800が集光器表面842にわたって駆動方向840に移動すると、2つの洗浄エリアである、低希釈エリア831及び高希釈エリア832が作られる。図10で示すように、ロボット洗浄デバイス800が駆動方向840に移動すると、低希釈エリア831が高希釈エリア832を先行する。ロボット洗浄デバイス800が駆動されると、第1のスクィージーエレメント811が液体バリアとして機能し、高希釈エリア832から低希釈エリア831を分離する。
【0099】
図10で示すように、低希釈エリア831は、第1の液体分配ユニット821近くの集光器表面842の一部分、ブラシエレメント813の下の集光器表面842の一部分に対応し、第1のスクィージーエレメント811に向かって延びる。典型的な実装形態では、第1の液体分配ユニット821は、第1のスプレーを集光器表面842の乾燥領域に供給する。第1の液体分配ユニット821によって濡らされた後、太陽集光器844の集光器表面842上に蓄積した粒子物質を取り除くためにブラシエレメント813が使用される。結果的に、低希釈エリア831に存在する液体は典型的には、一定量の洗浄液体あたり比較的高濃度で懸濁する粒子物質を含む。ロボット洗浄デバイス800が集光器表面842にわたって駆動されると、大部分の洗浄液体及び懸濁粒子物質が第1のスクィージー811によって除去される。
【0100】
図10で示すように、高希釈エリア832は、低希釈エリア831と反対側の、第1のスクィージーエレメント811の片面に位置付けられ、第1のスクィージーエレメント811と第2のスクィージーエレメント812との間のエリアを含む。典型的な実装形態では、高希釈エリア832は、2回目の洗浄液体によって濡らされている集光器表面842の一部分に対応する。したがって、高希釈エリア832に存在する洗浄液体は、典型的に、低希釈エリア831における懸濁粒子の濃度に比べて、一定量の洗浄液体あたりより低い濃度の懸濁粒子を含む。ロボット洗浄デバイス800が集光器表面842にわたって駆動されると、ほとんどすべての液体及び懸濁粒子物質が第2のスクィージーエレメント812によって除去される。
【0101】
太陽集光器844が傾斜面上に設置されている場合、第2のスクィージーエレメント812によって除去される液体及び懸濁粒子物質は、重力によって高希釈エリア832から流れ出得る。いくつかの実施形態では、除去された液体は、収集され、第1の液体分配ユニットに新ルートで送り戻され得る。新ルートで送り戻す構成の例は、図7Bで図示された液体経路化スキーム及び図11Bに関連して記述されたプロセス1100に関連して説明される。
【0102】
図10で示すように、ブラシエレメント813は、中央シャフト又は桿体から放射状に延びる剛毛を有する回転ブラシであり得る。いくつかの実施形態では、回転ブラシの剛毛は、中央シャフト又は桿体の長さに沿ってらせん状のパターンで配置され得る。剛毛のらせん状の配置は一般的に、ロボット洗浄デバイス800の1つの端部に向かって、集光器表面842上の洗浄液体を押し得る。ロボット洗浄デバイス800が傾斜した太陽集光器上に設置される場合、剛毛のらせん状配置は、ブラシが回転するにつれ、洗浄液体を傾斜の上方へ押し上げ得る。この構成は、洗浄液体があまりにも早く集光器表面から排水されることを防止し、ロボット洗浄デバイス800により少ない量の洗浄液体を使用して集光器表面を洗浄させ得るのに役立つ。
【0103】
図10は洗浄モジュール850及び851の一例示的配置を図示する。しかし、いくつかの実施形態では、複数の洗浄モジュールは単一の洗浄モジュールに一体化される。追加的に、洗浄モジュールは集光器表面842から手動又は自動で持ち上げられ、ロボット洗浄デバイス800が隣接する太陽集光器間又は他障害物との間の隙間の上を横断できるように構成され得る。
【0104】
ロボット洗浄デバイス800は更に、双方向動作用に構成され得る。例えば、モジュール851に類似した二重スクィージー洗浄モジュールは、モジュール850に類似したブラシ洗浄モジュールの両方の側に配置され得る。二重スクィージー洗浄モジュールの一方は、移動の方向に応じて、集光器表面842から手動又は自動で持ち上げられ得る。
10.太陽集光器の集光器表面の洗浄のプロセス
【0105】
図11A及び11Bは、二重スクィージー構成を使用する単一パスでの太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。上述のように、単一パスでの太陽集光器洗浄の技術を提供することは利点となり得る。単一パスでの太陽集光器の洗浄はまた、必要な液体資材の量を低減し、洗浄システムの効率を改善し得る。具体的には、以下で説明されるプロセスは、従来のいくつかの洗浄技術に比べ、洗浄液体量の低減化及び労働量の低減化という結果になり得る。
【0106】
図11Aは、太陽集光器の集光器表面を洗浄するための例示的プロセス1000のフローチャートである。プロセス1000は、前述の2つのスクィージー構成を使用して行なわれ得る。具体的には、プロセス1000は、図1A図1B、2、3A〜3B、6の手持ち式洗浄システム、及び代替として、図10のロボット洗浄システムを使用して行なわれ得る。この説明のために、プロセス1000は、図2で示された洗浄ヘッド210及び構成部品に関連して説明される。
【0107】
プロセス1000は典型的に、洗浄が必要な太陽集光器上で行なわれる。つまり、集光器表面は典型的に、一定の期間で集光器表面上に付着している少なくともある程度の量のくず又は粒子物質を有する。粒子物質は、風に吹かれる、又は周囲の大気から付着した塵や泥であり得る。上述のように、くず及び粒子物質は、かかる状況でなければ太陽集光器の集光器表面上へ入射するはずの光を遮断し得る。
【0108】
洗浄ヘッドが集光器表面の少なくとも一部にわたって第1の方向へ掃除移動する間に、以下の動作が行われる。図2に関連して上述された洗浄ヘッド210を使用して、複数の動作が典型的に、同時に起こる。しかしながら、必ずしも動作のすべてが同時に行なわれる必要はなく、洗浄ヘッドが集光器表面にわたって掃除移動するとき、異なる時間に動作を開始及び停止してもよい。
【0109】
動作1002で、洗浄液体は太陽集光器の集光器表面上にスプレーされる。図2を参照して、洗浄液体は、洗浄ヘッド210に取り付けられた1つ又はそれ以上のノズルを含む第1の液体分配ユニット221を使用して、太陽集光器244の集光器表面242に向かってスプレーされる。一実施例では、第1の液体分配ユニットは、洗浄液体を0.5L/分で分配するドリップレールタイプの分配ノズルを含む。
【0110】
動作1004で、ブラシエレメントは集光器表面にわたって掃除移動する。ブラシは典型的には、洗浄液体をかきまわし、集光器表面上に付着した粒子物質を取り除く。粒子物質の少なくとも一部が洗浄液体で懸濁し得る一方、この動作で必ずしもすべての粒子物質が集光器表面の表面から除去され得ない。図2を参照して、ブラシエレメント213が第1の液体分配ユニット221に隣接した洗浄ヘッド210に取り付けられている。
【0111】
動作1006において、第1の液体分配ユニットによってスプレーされた液体の少なくとも一部及び粒子物質の少なくとも一部は、第1のスクィージーエレメントを使用して除去される。図2を参照して、第1のスクィージーエレメント211は、第1の液体分配ユニット221と反対側に、ブラシエレメント213に隣接して、洗浄ヘッド210に取り付けられる。図2に関連して前述されたように、第1のスクィージーエレメント211によって除去された液体は典型的に、洗浄液体に比較的高い濃度の懸濁粒子物質を含んでおり、低希釈液体とも呼ばれ得る。
【0112】
低希釈液体の大部分は第1のスクィージーエレメント211によって除去される。典型的に、液体の95パーセント超及び粒子物質の95パーセントが第1のスクィージーエレメント211によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の98パーセント超及び粒子物質の98パーセントが第1のスクィージーエレメント211によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の99パーセント超及び粒子物質の99パーセントが第1のスクィージーエレメント211によって除去される。
【0113】
動作1008で、洗浄液体は太陽集光器の集光器表面上にスプレーされる。図2を参照すると、洗浄液体は、洗浄ヘッド210に取り付けられ、第1及び第2のスクィージーエレメント211、222の間に位置付けられる集光器表面242の一部分に向けられた1つ又はそれ以上のノズルを含む第2の液体分配ユニット222を使用してスプレーされる。一実施例では、第2の液体分配ユニットは、洗浄液体をおよそ0.5L/分で分配するドリップレールタイプの分配ノズルを含む。
【0114】
動作1010において、ほとんどすべての残りの液体及び粒子物質は、第2のスクィージーエレメントを使用して除去される。図2を参照して、第2のスクィージーエレメント212は、ブラシエレメント213と反対側に、第1のスクィージーエレメント211に隣接して、洗浄ヘッド210に取り付けられる。図2に関連して前述されたように、第2のスクィージーエレメント212によって除去された液体は典型的に、低希釈液体中の懸濁粒子濃度に比べ、洗浄液体に低濃度の懸濁粒子を含む。第1及び第2のスクィージーエレメント211、212の間の液体はまた、高希釈液体と呼ばれる。
【0115】
ほとんどすべての低希釈液体は、第2のスクィージーエレメント212によって除去される。典型的に、液体の95パーセント超及び粒子物質の95パーセントは、第2のスクィージーエレメント212によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の98パーセント超及び粒子物質の98パーセントが第2のスクィージーエレメント212によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の99パーセント超及び粒子物質の99パーセントが第2のスクィージーエレメント212によって除去される。
【0116】
すべての、又はほとんどすべての粒子物質がプロセス1000によって除去される場合、太陽集光器の集光器表面は、洗浄ヘッドの単一の掃除移動で洗浄され得る。洗浄ヘッドが太陽集光器の長さとほぼ同一の長さを有するように構成される場合、集光器全体が、太陽集光器の幅にわたって実質的に1つの洗浄方向に洗浄ヘッドを移動させることによって、単一の掃除移動で洗浄され得る。
【0117】
図11Bは、集光器表面に塗布された洗浄液体を収集して再び送ることによって、太陽集光器の集光器表面を洗浄する代替プロセス1100を示す。プロセス1100はプロセス1000と類似しているが、洗浄液体の一部の収集及びその再使用という追加の利点を有しており、これによって、太陽集光器の集光器表面を洗浄するために必要な洗浄液体の量が低減される。
【0118】
プロセス1000と同様に、プロセス1100は、前述の2つのスクィージー構成を使用して行なわれ得る。具体的に、図7Bは、プロセス1100の態様を行なうために使用され得る例示的液体経路の図を示す。更に、プロセス1100は、図1A〜1B、2、3A〜3B、7Bの手持ち式洗浄システム、及び代替として、図10のロボット洗浄システムを使用して行なわれ得る。この説明のために、プロセス1100は、図7Bで図示された液体経路の図に関連して説明される。
【0119】
プロセス1000と同様に、プロセス1100は典型的に、洗浄が必要な太陽集光器上で行なわれる。つまり、集光器表面は典型的に、一定の期間で集光器表面上に付着している少なくともある程度の量のくず又は粒子物質を有している。洗浄ヘッドが集光器表面の少なくとも一部にわたって第1の方向へ掃除移動する間に、以下の動作が行われる。プロセス1000に関連して上述されたように、プロセス1100の複数の動作は典型的に、同時に起きるが、動作のすべてが同時に開始及び停止することは必ずしも必要ではない。
【0120】
動作1102で、洗浄液体は太陽集光器の集光器表面上にスプレーされる。図7Bを参照して、洗浄液体は、洗浄ヘッド610に取り付けられ、太陽集光器644の集光器表面642に向けられた1つ又はそれ以上のノズルを含む第1の液体分配ユニット621を使用してスプレーされる。この実施例では、第1の液体分配ユニットは、液体を第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアから吸い込むポンプ654による洗浄液体の流れを備える。
【0121】
動作1104において、ブラシエレメントは集光器表面にわたって掃除移動する。ブラシエレメントは典型的に、洗浄液体をかきまわし、集光器表面上に付着した粒子物質を取り除く。この動作は、図11Aに関連して上述された、動作1004と実質的に同じである。
【0122】
動作1106において、第1の液体分配ユニットによってスプレーされた液体の少なくとも一部の及び粒子物質の少なくとも一部は、第1のスクィージーエレメントを使用して除去される。この動作は、図11Aに関連して上述された、動作1006と実質的に同じである。
【0123】
動作1108において、洗浄液体は、太陽集光器の集光器表面上にスプレーされる。図7Bを参照して、洗浄液体は、洗浄ヘッドに取り付けられ、かつ第1及び第2のスクィージーエレメント611、622の間に位置付けられる集光器表面642の一部に向かけられた1つ又はそれ以上のノズルを含む第2の液体分配ユニット622を使用してスプレーされる。この実施例では、第2の液体分配ユニットは主要液体供給ライン652により洗浄液体の流れを提供される。
【0124】
動作1110において、ほとんどすべての残りの液体及び粒子物質は第2のスクィージーエレメントを使用して除去される。図7Bを参照して、第2のスクィージーエレメント612は、ブラシエレメントと反対側に、第1のスクィージーエレメント611に隣接して、洗浄ヘッドに取り付けられている。図2に関連して前述されたように、第2のスクィージーエレメント212によって除去された液体は典型的に、低希釈液体中の懸濁粒子の濃度に比べて、洗浄液体中に低濃度の懸濁粒子物質を含んでおり、高希釈液体とも呼ばれる。この動作は、図11Aに関連して上述された、動作1010と実質的に同じである。
【0125】
動作1112において、高希釈液体は、第1及び第2のスクィージーエレメントの間のエリアから収集される。図7Bを参照して、高希釈液体は、液体回収エレメント658を使用して収集され得る。液体回収エレメント658は第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアでたまる液体の少なくとも一部の除去を支援するポンプ654に連結されている。いくつかの場合、太陽集光器644がある角度で設置される場合、液体回収エレメント658は太陽集光器644の下部縁部に位置し、第1及び第2のスクィージーエレメント611、612の間のエリアから流れ出る液体を収集するためのトラフ又は開いた容器を含み得る。いくつかの場合、真空及びトラフの両方が液体の収集のために使用される。
【0126】
動作1112において、高希釈液体は、第1の液体分配ユニットに送られる。図7Bを参照して、回収された液体を第1の液体分配ユニット621に送るために再分配供給ライン662が使用される。
【0127】
図11Cは、単一のスクィージー構成を使用する、2つのパスでの太陽集光器の集光器表面の洗浄の例示的プロセスのフローチャートを示す。場合によって、2つのパスで洗浄作業を行なうことは、利点となり得る。例えば、太陽集光器のアレイが傾斜しており、太陽集光器の長い縁部が傾斜に沿って配向されている場合、傾斜した集光器の下方縁部から太陽集光器の手入れをすることは、より容易であり得る。この場合、2つのパス、つまり最初に、太陽集光器の傾斜した表面で洗浄ヘッドを持ち上げるようにして、それから、洗浄ヘッドを下方へ戻すという2つのパスで洗浄作業を行ない、次にアレイの次の集光器を洗浄することが効率的になり得る。これと上述の図11A及び11Bに関連して説明されたプロセスとを比較すると、これは、太陽集光器のアレイと並んで移動し、単一パスで洗浄を行なうことによって実装され得る。
【0128】
図11Cは、複数の向きで洗浄ヘッドを位置決めすることによって集光器表面を洗浄するための例示的プロセス1200の流れ図である。プロセス1200は、図4Aに関連して上述された洗浄ヘッド410構成を使用して行なわれ得る。上述の他のプロセスと同様に、プロセス1200は通常、洗浄が必要な太陽集光器上で行なわれる。つまり、集光器表面は通常、一定の期間で集光器表面上に付着している少なくともある程度の量のくず又は粒子物質を有している。
【0129】
以下の説明に関連して、洗浄ヘッドの第2及び第3の向きは図4A図4Cに関連して上述された同一の向きを意味する。上述のように、図4Aで示された洗浄ヘッド410の第1の向きは同時に集光器表面と接触するブラシエレメント413及びスクィージーエレメント411の両方を配置する位置に対応する。洗浄ヘッド410は、手持ち式洗浄デバイス200が集光器表面上に最初に配置される場合又はオペレータが休む場合に、第1の向きに配置され得る。
【0130】
動作1202において、洗浄ヘッドは第2の向きで集光器表面上に配置される。第2の向きは、図4Bで示される、洗浄ヘッド410の向きに対応する。図4Bを参照すると、第2の向きでは、洗浄ヘッド410は、ブラシエレメント413が集光器表面442と接触し、集光器表面442及びスクィージーエレメント411の間には間隙があるように集光器表面442からスクィージーエレメント411を持ち上げるように配置する。洗浄ヘッド410は、例えば、オペレータがハンドルエレメント420を押し下げることによって、第2の向きに配置され得る。
【0131】
動作1204において、洗浄ヘッドは、第2の向きの間、集光器表面にわたって第1の方向に掃除移動する。典型的に、太陽集光器が傾斜している場合、第1の方向は上方方向であり、洗浄ヘッドは集光器表面の下方縁部から上方縁部に向かって掃除移動する。洗浄ヘッドが掃除移動する間、洗浄液体は更に、液体分配ユニットを使用して集光器表面上にスプレーされる。
【0132】
動作1204において、洗浄液体はおよそ0.5L/分の量で分配され得る。スプレーは、図1Aに関連して上述されたように、手動の制御弁を使用してオペレータによって制御され得る。図4Bを参照して、液体分配ユニット421はスクィージーエレメント411及びブラシエレメント413の間の間隙に位置した1つ又はそれ以上のノズル又はオリフィスを含み得る。
【0133】
動作1204において、掃除動作によって、集光器表面の最初の濡らしと洗浄が行なわれる結果となる。洗浄ヘッドは第2の向きに配置されるので、手動の洗浄デバイスの重量及びオペレータが及ぼす任意の力は、ブラシエレメント及び集光器表面が接触する場所に集中する。したがって、洗浄ヘッドが掃除移動をすると、ブラシは典型的には、洗浄液体をかきまわし、集光器表面上に付着した粒子物質を取り除く。
【0134】
動作1204は典型的に、洗浄ヘッドの第1の洗浄パスなので、洗浄液体は典型的に、洗浄液体に比較的高濃度の懸濁粒子物質を含んでおり、低希釈液体とも呼ばれ得る。粒子物質の少なくとも一部が洗浄液体で懸濁し得る一方、この動作で必ずしもすべての粒子物質が集光器表面の表面から除去され得ない。
【0135】
動作1206において、洗浄ヘッドは第2の向きから第3の向きに回転する。典型的に、洗浄ヘッドは、オペレータが集光器表面からハンドルエレメントを持ち上げて離すことにより、回転される。上述のように、図4Cは、第3の向きにおける洗浄ヘッド410を示す。
【0136】
動作1208において、洗浄ヘッドは、第3の向きの間、第2の方向(第1の方向とは反対)に掃除移動する。上述のように、太陽集光器が傾斜している場合、第2の方向は下方方向であり、洗浄ヘッドは集光器表面の上方縁部から下方縁部に向かって掃除移動する。洗浄ヘッドが掃除移動する間、洗浄液体は更に、液体分配ユニットを使用して集光器表面上にスプレーされる。前述のように、スプレーは手動の制御弁を使用してオペレータによって制御され得、およそ0.5L/分の量で分配され得る。
【0137】
動作1208において、掃除動作によって、集光器表面の第2の濡らしと拭うことが行なわれる結果となる。洗浄ヘッドは第3の向きに配置されるので、手動の洗浄デバイスの重量及びオペレータが及ぼす任意の力はスクィージーエレメント及び集光器表面が接触する場所に集中する。したがって、洗浄ヘッドが掃除移動すると、スクィージーエレメントは、動作1204のブラシによって除去されなかった残りの一部の粒子物質が取り除き除去し得る。
【0138】
動作1208で洗浄ヘッドが掃除移動すると、液体の大部分がスクィージーエレメント411によって除去される。通常、液体の95パーセント超及び粒子物質の95パーセントがスクィージーエレメント411によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の98パーセント超及び粒子物質の98パーセントがスクィージーエレメント411によって除去される。いくつかの実施形態では、液体の99パーセント超及び粒子物質の99パーセントがスクィージーエレメント411によって除去される。
【0139】
特徴が特定の実施形態に関連して説明され、明らかになり得たが、当業者は説明された実施形態の様々な特徴は組み合わせられ得ることを認識されるであろう。更に、実施形態に関連して説明された各態様は単独でも可能である。
[項目1]
太陽集光器の集光器表面を洗浄するためのシステムであって、前記システムが、
洗浄ヘッドであって、
液体の第1のスプレーを前記集光器表面に供給する第1の液体分配ユニットと、
第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有するブラシエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットとは反対側に、前記ブラシエレメントと隣接している第1のスクィージーエレメントであって、前記第1のスクィージーエレメント、前記ブラシエレメント、及び前記第1の液体分配ユニットは、前記集光器表面上の第1の洗浄エリアを画定する、第1のスクィージーエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記集光器表面上の第2の洗浄エリアを画定するように、ある間隙で前記第1のスクィージーエレメントから分離されている第2のスクィージーエレメントと、
液体の第2のスプレーを前記第1及び第2のスクィージー間に位置付けられた前記第2の洗浄エリアに供給する第2の液体分配ユニットと、を含む、洗浄ヘッドを備える、システム。
[項目2]
実質的に前記第1の方向と直交している第2の方向に配向されたハンドルエレメントであって、前記ヘッドのエレメントに取り付けられた第1の端部及び人間のオペレータによって手持ちされる第2の端部を有する、ハンドルエレメントを更に備える、項目1に記載のシステム。
[項目3]
前記ハンドルエレメントの前記第1の端部は、連結ジョイントによって前記ヘッドのエレメントと連結され、前記連結ジョイントは、前記ヘッドのエレメントが前記第1の方向と実質的に直交する第1の軸に沿って自由に回転できるようにし、前記連結ジョイントは更に、前記ヘッドのエレメントが、前記第1の方向と平行な第2の軸を中心として回転できないようにする、項目2に記載のシステム。
[項目4]
前記システムが前記太陽集光器の前記集光器表面にわたって掃除移動されるとき、前記第1のスクィージーエレメントは、前記ブラシエレメントに隣接する前記第1のスクィージーエレメントの第1の面側の低希釈エリアと、前記第1のスクィージーエレメントの第2の面側の前記第1及び第2のスクィージーエレメントの間の高希釈エリアとの間に液体バリアを形成、項目1に記載のシステム。
[項目5]
前記低希釈エリアは、第1の量の洗浄液体における第1の懸濁粒子濃度を有し、前記高希釈エリアは、第2の量の洗浄液体における第2の懸濁粒子濃度を有し、前記第1の懸濁粒子濃度が前記第2の懸濁粒子濃度より高い、項目4に記載のシステム。
[項目6]
人間のオペレータによって着用されるバックパック液体供給ユニットであって、前記バックパック液体供給ユニットが
前記第1及び第2の液体分配ユニットに流体連通された液体リザーバエレメントと、
洗浄液体を前記液体リザーバから前記第1の液体分配ユニット及び前記第2の液体分配ユニットの少なくとも一方にポンプで送り込むポンプエレメントと、
電力を前記ポンプエレメントに提供する電源と、を含むバックパック液体供給ユニットを更に含む、項目1に記載のシステム。
[項目7]
前記第2の液体分配ユニットによってスプレーされた液体を収集する液体回収エレメントと、
前記収集された液体を前記第1の液体分配ユニットに供給するように構成された液体再分配ユニットと、を更に備える、項目1に記載のシステム。
[項目8]
前記液体回収エレメントは、前記第1及び第2のスクィージーの間の前記間隙に位置付けられた前記第2の洗浄エリアに真空を適用し、前記真空は、前記第2の液体分配ユニットによってスプレーされた液体を収集するために使用される、項目7に記載のシステム。
[項目9]
傾斜した太陽集光器の列を洗浄するロボット洗浄デバイスであって、前記ロボット洗浄デバイスは、前記傾斜した太陽集光器の列にわたって横断し、前記列の隣接する太陽集光器間の間隙を横切り、前記ロボット洗浄デバイスは、
前端部及び後端部を有するフレームであって、前記後端部は、傾斜した太陽集光器の前記列の頂部に向かって配置されるように適合された、フレームと、
前記フレームの前記前端部に配設された前側連続トラック機構並びに、
前記フレームの前記後端部に配設された後側連続トラック機構であって、前記前側及び後側連続トラック機構は、
前記傾斜した太陽集光器の列の上面に沿って前記ロボットを搬送するように、及び
前記ロボットを列状に隣接した太陽集光器間の間隙を横切って搬送する、前記前側及び後側連続トラック機構と、
洗浄液体の第1のスプレーを集光器表面に供給する第1の液体分配ユニットと、
第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットに隣接して配設された長手方向面を有するブラシエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記第1の液体分配ユニットとは反対側で、前記ブラシエレメントと隣接する第1のスクィージーエレメントであって、前記第1のスクィージーエレメント、前記ブラシエレメント、及び前記第1の液体分配ユニットは、前記集光器表面上の第1の洗浄エリアを画定する、第1のスクィージーエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ前記集光器表面上の第2の洗浄エリアを画定するように、ある間隙で前記第1のスクィージーエレメントから分離される第2のスクィージーエレメントと、
洗浄液体の第2のスプレーを、前記第1及び第2のスクィージー間に位置付けられた前記第2の洗浄エリアに供給する第2の液体分配ユニットと、を備える、ロボット洗浄デバイス。
[項目10]
前記ブラシエレメントは、中央桿体から放射状に延びる複数の剛毛を有する回転ブラシエレメントである、項目9に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目11]
前記ブラシエレメントの複数の剛毛は、らせん状のパターンで配置され、前記ブラシエレメントは、前記ブラシエレメントが回転するとき、傾斜した太陽集光器の前記列の上端部に向かって洗浄液体を押し上げる、項目10に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目12]
前記フレームが、
前記フレームの前記前端部から後端部に配置された1つ又はそれ以上の横方向梁であって、前記1つ又はそれ以上の横方向梁は、前記前側及び後側連続トラック機構が機械的に接合される、横方向梁を含む、項目9に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目13]
前記1つ又はそれ以上の横方向梁は、中空の管構造体から形成され、かつ1つ又はそれ以上の横方向梁は、密封され、少なくとも部分的に前記洗浄液体で充填されている、項目12に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目14]
前記フレームの前記前端部に向かって配設された前側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の間隙を検出することに応じて前側センサ応答信号を生成する前側センサと、
前記フレームの前記後端部に向かって配設された後側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の前記間隙を検出することに応じて後側センサ応答信号を生成する後側センサと、
前記前側及び後側連続トラック機構を、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号の間のタイミング差に応じて互いに対して異なる速度で移動させる制御回路と、を更に備える、項目9に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目15]
前記制御回路が、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号間のタイミング差の増加に応じて、前記前側及び後側連続トラック機構のいずれかの速度を増加する、項目14に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目16]
前記制御回路が、前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号間のタイミング差の増加に応じて、前記前側及び後側連続トラック機構のいずれかの速度を減少する、項目14に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目17]
前記制御回路は、位相同期ループ制御回路である、項目14に記載のロボット洗浄デバイス。
[項目18]
洗浄ヘッドを使用して太陽集光器の集光器表面の一部分を洗浄する方法であって、前記集光器表面の前記部分は、前記集光器表面上に付着した第1の量の粒子物質を含み、前記方法が、
前記洗浄ヘッドが掃除移動するとき、前記集光器表面の前記部分にわたって第1の方向で前記洗浄ヘッドを掃除移動することと、
前記洗浄ヘッドに取り付けられた第1の液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第1の量の洗浄液体をスプレーすることと、
前記集光器表面にわたってブラシエレメントを掃除移動することであって、前記ブラシエレメントは前記第1の液体分配ユニットに隣接した前記洗浄ヘッドに取り付けられている、ことと、
前記第1の液体分配ユニットによってスプレーされた前記液体の少なくとも一部分及び前記第1の量の粒子物質の少なくとも一部分を、第1のスクィージーエレメントを使用して除去することであって、前記第1のスクィージーエレメントは、前記第1の液体分配ユニットとは反対側に、前記ブラシエレメントに隣接して前記洗浄ヘッドに取り付けられている、ことと、
前記洗浄ヘッドに取り付けられた第2の液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第2の量の洗浄液体をスプレーすることであって、前記第2の液体分配ユニットは、前記第1のスクィージーエレメントと第2のスクィージーエレメントとの間に位置付けられている、ことと、
前記第2のスクィージーエレメントを使用して、第1の量の粒子物質の95パーセント超及び残りの液体を除去することと、を備える、方法。
[項目19]
前記第2のスクィージーは、前記第1の量の粒子物質の98パーセント超を除去する、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記第2のスクィージーは、前記第1の量の粒子物質の99パーセント超を除去する、項目18に記載の方法。
[項目21]
太陽集光器の集光器表面を洗浄するためのシステムであって、前記システムが、
洗浄ヘッド、及び
前記太陽集光器の前記集光器表面上の前記洗浄ヘッドを位置決めするためのハンドルを備え、
前記洗浄ヘッドは、
第1の方向に沿って配向された長手方向面を有するスクィージーエレメントと、
前記第1の方向に沿って配向され、かつ、ある間隙によって前記スクィージーエレメントから分離されるブラシエレメントと、
前記スクィージーエレメントと前記ブラシエレメントとの間の前記間隙の前記集光器表面のエリアに液体のスプレーを供給する液体分配ユニットと、を含み、
前記洗浄ヘッドが第1の向きにある場合、前記洗浄ヘッドは、前記スクィージーエレメント及び前記ブラシエレメントの両方が前記集光器表面と接触するような配置になるように構成されており、
前記洗浄ヘッドが第2の向きにある場合、前記洗浄ヘッドは、前記ブラシエレメントが前記集光器表面と接触し、かつ前記スクィージーエレメントを前記集光器表面から持ち上げるような配置になるように構成されており、
前記洗浄ヘッドが第3の向きにある場合、前記洗浄ヘッドは、前記スクィージーエレメントが前記集光器表面と接触し、かつ前記ブラシエレメントを前記集光器表面から持ち上げるような配置になるように構成されている、システム。
[項目22]
項目21に記載の洗浄ヘッドを使用して、太陽集光器の集光器表面の一部分を洗浄する方法であって、前記方法が、
前記洗浄ヘッドが前記第2の向きにある間、前記集光器表面の前記部分にわたって第1の方向で前記洗浄ヘッドを掃除移動することと、
前記洗浄ヘッドが掃除移動する間、前記液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第1の量の洗浄液体をスプレーすることと、
前記洗浄ヘッドを前記第3の向きに回転させることと、
前記洗浄ヘッドが第3の向きにある間、前記第1の方向とは反対の第2の方向で前記集光器表面の前記部分にわたって前記洗浄ヘッドを掃除移動することと、
前記洗浄ヘッドが掃除移動する間、前記液体分配ユニットを使用して前記集光器表面上に第2の量の洗浄液体をスプレーすることと、
前記洗浄ヘッドが掃除移動する間、前記スクィージーエレメントを使用して前記集光器表面の前記部分を拭うことと、を備える、方法。
[項目23]
傾斜した太陽集光器の列を洗浄するロボット洗浄デバイスであって、前記ロボット洗浄デバイスは、前記傾斜した太陽集光器の列を横断し、かつ前記列の隣接する太陽集光器間の間隙を横切り、前記ロボット洗浄デバイスは、
前端部及び後端部を有するフレームであって、前記後端部が前記傾斜した太陽集光器の列の頂部に向かって配置されるように適合されたフレームと、
前記フレームの前記前端部に配設された前側連続トラック機構、及び、
前記フレームの前記後端部に配設された後側連続トラック機構であって、前記前側及び後側連続トラック機構は、
前記傾斜した太陽集光器の列の頂部表面に沿って前記ロボットを搬送させ、かつ
前記隣接する太陽集光器の列の間の間隙にわたって前記ロボットを搬送させる、前記前側及び後側連続トラック機構と、
前記傾斜した太陽集光器の列を洗浄するための洗浄モジュールと、
前記フレームの前記前端部に向かって配設された前側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の間隙を検出することに応じて前側センサ応答信号を生成する前側センサと、
前記フレームの前記後端部に向かって配設された後側センサであって、前記隣接する太陽集光器の列の間の前記間隙を検出することに応じて後側センサ応答信号を生成する後側センサと、
前記前側センサ応答信号及び前記後側センサ応答信号の間のタイミング差に応じて、前記前側及び後側連続トラック機構を、互いに対して異なる速度で移動させる制御回路と、を備える、ロボット洗浄デバイスデバイス。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C