(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力の差が前記閾値を超えない場合、前記共通リファレンスシンボルおよび前記固有リファレンスシンボルの両方を用いてチャネル推定を生成し、その結果共通リファレンスシンボル単独を用いた前記チャネル推定手順と比較して前記チャネル推定を改善する、請求項1または請求項2に記載の方法。
前記チャネル推定を生成するステップは、各シンボル中の相対送信出力に応じて異なるように前記共通リファレンスシンボルおよび前記固有リファレンスシンボルに重みづけすることを含む、請求項3に記載の方法。
前記送信出力の差は、前記仮想キャリア内における送信出力の瞬間的な増加に起因し、その結果前記送信出力が特定の通信デバイスについてブーストされる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムにおいてモバイル端末へデータを送信するためのおよび/またはモバイル端末からデータを受信するための電気通信装置、方法、システムおよび装置に関する。本技術の実施形態の例は、選択される送信において出力の水準を変えるための設備を提供することができる。
【0002】
ワイヤレス通信ネットワーク内のカバレッジならびに基地局(例えばeNodeB)および/またはネットワークコントローラ(例えば、RNC、eNodeB)などのインフラ設備からユーザ機器(UE−すなわちワイヤレス通信デバイス)へ送信される信号の出力の間には、近似相関がある。
【0003】
インフラ設備およびユーザ機器(UE)の間の距離は、UEでインフラ設備から受信する信号における出力を決定する主要因である。UEおよびインフラ設備がさらに離れて位置すると、信号は、減衰した信号が周辺ノイズと同じオーダーの出力水準を有する時点までより大きな減衰を受けるであろう。
【0004】
UEの位置もまた、送信出力が十分であるかを決定し得る。室内または地下に位置するUEは、顕著な減衰を受ける:インフラ設備の所定の半径距離内にあることは、必要条件であり得るが、十分ではない。
【0005】
第3および第4世代セルラーネットワークの予想される広範な配備は、利用可能な高いデータレートを利用するよりはむしろ代わりに、強固な無線インターフェースおよびカバレッジエリアの拡大する偏在性を利用するデバイスおよびアプリケーションのクラスの並列開発を導いた。このデバイスおよびアプリケーションの並列なクラスは、MTCデバイスおよびいわゆるマシンツーマシン(M2M)アプリケーションを含み、ここで準自律的または自律的なワイヤレス通信デバイスは、典型的に比較的低頻度の基準で少量のデータを通信する。
【0006】
スマートフォンなどの従来の第3または第4世代端末デバイスとは異なり、MTC型端末は好ましくは比較的単純であり安価である:加えてMTCデバイスは、しばしば直接の保守および交換のために容易にアクセスをする余裕のない状況において配備される‐信頼性があり、効率的な動作が重大であり得る。さらにMTC型端末によって行われる機能のタイプ(例えばデータを収集し折り返し報告する)は、実行するのに特に複雑な処理を必要としない一方で、第3および第4世代モバイル電気通信ネットワークは、実行するのにより複雑で高価な無線送受信機を必要とする高度なデータ変調技術(16QAMまたは64QAMなど)を典型的に無線インターフェース上で採用する。
【0007】
MTCデバイスなどの低ケイパビリティ端末に調整された「仮想キャリア」は、したがって、従来のOFDM型ダウンリンクキャリア(すなわち「ホストキャリア」)の送信リソース内に提供される。従来のOFDM型ダウンリンクキャリア上で送信されるデータとは異なり、仮想キャリア上で送信されるデータは、サブフレームの少なくともいくらかの部分について、ダウンリンクホストOFDMキャリアの全帯域幅を処理する必要なく受信され、復号されることができる。したがって、仮想キャリア上で送信されるデータは、複雑さが低減された受信機ユニットを用いて受信され、復号されることができる。
【0008】
上述したように、MTCデバイスの性質は、インフラ設備への半径距離のみが信号の減衰についての有意な要因ではない位置におけるこれらの配置へ通じ得る。このようなデバイスについてのカバレッジを改善するために、より高い送信出力でシグナリングを提供することが望ましいであろう。カバレッジは、その結果、MTCデバイスが信号を受信することができる十分に高い出力でデータが送信されることを保証することにより、拡張されることができる。
【0009】
しかしながらチャネル推定を可能にするために、LTEは、リファレンスまたはパイロットシンボルとして知られるあるシンボルの送信出力を当てにする。チャネル推定は、フレームにおける全ての位置での大よそのチャネル特性が推定されることができるように、無線フレームにおける、ある、所定の位置(すなわち時間および/または周波数)でのチャネル特性(複素利得など)を測定するための機能をいう。チャネル推定は、同様に、全てのチャネル上のノイズの効果を均一化するのに用いられる。
【0010】
リファレンス信号の送信出力がチャネル推定において測定されるチャネル特性のひとつであるため、これらのリファレンス信号は、チャネル推定および続く均一化機能を中断させることなく異なる出力で送信されることができない。より大きな減衰を経るUE(地下室に設置されたMTCデバイスなど)について、これは、チャネル推定のためにリファレンスシンボルが不十分になる程度まで、リファレンスシンボルが減衰する状況をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aは、例えばロングタームエボリューション(LTE)アーキテクチャを用いた、従来のモバイル電気通信ネットワークのある基本的な機能を説明する概略図を提供する。
【0016】
ネットワークは、コアネットワーク110(点線の四角中)に接続された複数の基地局104(簡潔のため1つのみ示される)を含む。各基地局104は、カバレッジエリア(すなわち、セル)を提供し、カバレッジエリア内では端末デバイス(また、モバイル端末、MTまたはユーザ機器、UEとしても言及される)102に、および、からデータが通信されることができる。データは、無線ダウンリンク124を介して基地局104からそれらの各々のカバレッジエリア内の端末デバイス102に送信される。データは、無線アップリンク122を介して端末デバイス102から基地局104に送信される。
【0017】
コアネットワーク110は、各々の基地局104を介して、端末デバイス102へまたは端末デバイス104からのデータをルーティングし、認証、モビリティ管理、料金請求等のような機能を提供する。コアネットワークにおける典型的なエンティティは、モビリティ管理エンティティ、MME106およびサブスクライバデータベース(HSS)108を含む:これらのエンティティは、UEがネットワークのカバレッジのどこに位置しているかに関わらずUEに対する通信サービスの提供を容易にする。データサービスへのアクセスが、サービングゲートウェイ112およびパケットデータネットワーク、PDN、ゲートウェイ114により提供される。
【0018】
図1Aは、また、ネットワークをマシンタイプコミュニケーション(MTC)デバイスの効率的な管理を可能にするために拡張する要素を示す。図示のコアネットワーク110は、MTCサーバ116を組み込んでいる。任意のMTCゲートウェイ120がまた、
図1Aにおいて示されている:このようなゲートウェイは、ハブターミナルデバイスを提供し得、ハブターミナルデバイスは、1以上のMTCデバイスと通信中であり、および次いで接続されたMTCデバイスのために基地局104とのアップリンクおよび/またはダウンリンク通信経路を確立する。
【0019】
図1Bに説明されるように、UE102は、受信経路を提供するある機能ブロックを有する。無線ダウンリンク124における信号は、アンテナ配列142で受信され、無線周波数受信機ユニット130を介して同期およびダウンコンバートブロック132へ送られる。無線周波数受信機ユニット130は典型的にアンテナ配列142からの受信した信号を増幅する低雑音増幅器(LNA)を含む。同期およびダウンコンバートブロック132は、RF信号をベースバンド(BB)信号に変換する。適切なダウンコンバート(例えば、直接変換、スーパーヘテロダインなど)を提供するために、様々な受信機アーキテクチャが採用され得る。同期およびダウンコンバートブロック132は、また、典型的に復調のためにクロックを再生する局部発信機(LO)およびアナログ信号をベースバンド回路において処理するためのデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路を含む。
【0020】
ベースバンド処理機能は、コントローラ140において制御される。同期されダウンコンバートされたデジタル信号は、復調機ユニット134(例えば高速逆フーリエ変換ユニット)において復調され、およびイコライザユニット146へ移動する。コントローラユニット140は、同期されダウンコンバートされたデジタル信号を、ならびにイコライザユニット136により出力された均一化された信号を入力として受け入れる。コントローラは、リファレンス信号処理ユニット146が適切なリファレンス信号の特定を指示するのを、および必要であれば、復調機ユニット134により出力された復調された信号からの仮想リファレンス信号の生成を制御する。チャネル推定機ユニット148は、リファレンス信号処理ユニット146において特定されたリファレンス信号の無線特性から、受信した信号中の全てのチャネルについての推定された特性を生成する。イコライザユニット136は、次いでチャネル推定を用い、均一化された信号を生成する。均一化された信号は、次いでチャネル復号のためのプロトコル回路へ渡される。
【0021】
基地局104などのインフラ設備は、
図1Cにおいて説明されるように、ダウンリンク124送信のための信号の準備において必要とされるある機能ブロックを有する。特に、基地局は無線信号を送信する無線アンテナ配列144を含む。典型的に1より多いアンテナ要素が、ダイバーシティ/MIMO送信について供される。無線周波数ブロック154は、アンテナ配列144による送信のための信号を供する。典型的には、それは送信のための信号に利得を適用する増幅器および必要に応じBBからRFへアップコンバートするRF送受信機を含むであろう。チャネル符号化/復号、変調/復調、チャネル推定、均一化などの機能を供するベースバンド回路は、測定されたまたは所定の無線特性に基づいてUEについてのダウンリンクデータをスケジューリングするスケジューラ152およびスケジューラ152の動作を決定するコントローラユニット150を含む。
【0022】
3GPPに規定されたロングタームエボリューション(LTE)アーキテクチャに従い設置されるものなどのモバイル電気通信システムにおいて、基地局(例えばeNodeB 104)および通信端末(例えば、UE102、MTCゲートウェイ120)の間の通信は、ワイヤレス無線インターフェース、Uuを通じて行われる。Uuインターフェース上のダウンリンク124は、直交周波数分割多重接続(OFDMA)技術を用い、アップリンク122は、シングルキャリア周波数分割多重接続(SC−FMDA)技術を用いる。両方の場合において、システム帯域幅は、複数の「サブキャリア」(それぞれ15kHzを占める)へ分割されている。
【0023】
ダウンリンクUuインターフェースは、「フレーム」構造を用いて、リソースを時間で構造化する。ダウンリンク無線フレームは、eNode Bから送信され、10ms持続する。
図2に示されるようにダウンリンク無線フレーム204は、10個のサブフレームを有し、各サブフレームは1ms持続する。サブフレームは、同様にそれぞれが各1/14msの期間に渡り送信される、所定数の「シンボル」を有する。各シンボルは、所定数のダウンリンク無線キャリアの帯域幅の全域にわたって分散された所定数の直交サブキャリアを有する。ここで、水平軸は、時間を表し、垂直は周波数を表す。
【0024】
LTEにおける送信のためのユーザデータの最も小さい割当は、1スロット(0.5サブフレーム)にわたり送信される12個のサブキャリアを有する「リソースブロック」である。
図3におけるサブフレームグリッド中の各個のボックスは、1のシンボルで送信される12のサブキャリアに対応する。
【0025】
図3は、4つのLTE端末に対する準備段階のリソース割当て340、341、342、343を示す。例えば、第1のLTE端末(UE1)に対するリソース割当て342は、12のサブキャリアの5のブロック(すなわち60のサブキャリア)にまたがって広がっており、第2のLTE端末(UE2)に対するリソース割当て343は12のサブキャリアの6のブロックにまたがって広がっている、等である。
【0026】
制御チャネルデータは、サブフレームの第1のnシンボルを有するサブフレームの制御領域300(
図3において点のシェーディングにより示される)において送信され、nは3MHzまたは3MHzより大きいチャネル帯域幅について1から3のシンボル間で変化し得、nは1.4MHzのチャネル帯域幅について2から4のシンボル間で変化し得る。明確な例を提供するために、次の記載は、nの最大値を3とするような3MHzまたは3MHzより大きいチャネル帯域幅のホストキャリアに関係する。制御領域300において送信されるデータは、物理下り制御チャネル(PDCCH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)および物理HARQ指示チャネル(PHICH)上で送信されるデータを含む。
【0027】
PDCCHは、サブフレームのどのシンボル上のどのサブキャリアが特定のLTE端末に割当てられているかを示す制御データを含む。そのため、
図3で示されるサブフレームの制御領域300において送信されるPDCCHデータは、UE1は参照番号342により特定されるリソースのブロックに割当てられ、UE2は参照番号343により特定されるリソースのブロックに割当てられた、などを示し得る。
【0028】
PCFICHは、制御領域のサイズ(典型的に1から3の間のシンボル、しかし1.4MHzのチャネル帯域幅をサポートするために4つのシンボルが考えられる)を示す制御データを含む。
PHICHは、前に送信されたアップリンクデータがネットワークによって首尾よく受信されたか否かを示すHARQ(ハイブリッド自動要求)データを含む。
【0029】
時間周波数リソースグリッドの中央帯310におけるシンボルは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)および物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含む情報の送信に使われる。この中央帯310は、典型的には72のサブキャリアの広さ(1.08MHzの送信帯域幅に相当)である。PSSおよびSSSは、一旦検出されると、LTE端末デバイスがフレーム同期を得、ダウンリンク信号を送信する改良されたNode Bのセル識別を決定することを可能とする同期信号である。PBCHは、LTE端末がセルに適切にアクセスするために使用するパラメータを含むマスタ情報ブロック(MIB)を含むセルに関する情報を搬送する。物理下り共有チャネル(PDSCH)上で個別のLTE端末に送信されるデータは、サブフレームの他のリソースエレメントにおいて送信され得る。これらのチャネルのさらなる説明が、以下に提供される。
【0030】
図3はまた、システム情報を含み、R344の帯域幅に広がるPDSCH 344の領域を示す。従来のLTE無線フレームは、また、さらに以下で議論されるが明確性の理由から
図3において示されていないリファレンス信号を含むであろう。
【0031】
LTEチャネルにおけるサブキャリアの数は、送信ネットワークの構成に応じて変化し得る。典型的に、この変形は、(
図3において概略的に示されるように)1.4MHzのチャネル帯域幅内に含まれる72サブキャリアから20MHzのチャネル帯域幅内に含まれる1200サブキャリアまでである。当技術分野で知られているように、PDCCH、PCFICHおよびPHICH上で送信されるデータは、典型的にサブフレームの全帯域幅に渡るサブキャリア上に分散し、周波数ダイバーシティをもたらす。したがって、従来のLTE端末は、制御領域を受信し、復号するために全チャネル帯域幅を受信することができなければならない。
【0032】
上述したように、第3および第4世代ネットワークの予想される広範な配備は、利用可能な高いデータレートを利用するよりはむしろ代わりに、強固な無線インターフェースおよびカバレッジエリアの拡大する偏在性を利用するデバイスおよびアプリケーションのクラスの並列開発を導いた。このデバイスおよびアプリケーションの並列なクラスは、MTCデバイスおよびいわゆるマシンツーマシン(M2M)アプリケーションを含み、ここで準自律的または自律的なワイヤレス通信デバイスは、典型的に比較的低頻度の基準で少量のデータを通信する。
【0033】
MTC(およびM2M)デバイスの例は:例えば、消費者の家に設置され、消費者のガス、水道、電気などの消費者の公共サービスの消費に関するデータを中央MTCサーバデータに定期的に情報を返信する、いわゆるスマートメータ;輸送および物流追跡、道路通行料徴収および監視システムなどの「追跡(track and trace)」アプリケーション;MTC対応センサ、照明、診断器具などを有する遠隔保守および制御システム;環境モニタリング;店頭支払いシステムおよび自動販売機;セキュリティシステムなどを含む。
【0034】
MCT型デバイスの特徴についてのさらなる情報およびMTCデバイスが適用し得る用途のさらなる例は、例えば、ETSI TS 122 368 V10.530(2011−07)/3GPP TS 22.368 バージョン 10.5.0 リリース10[1]などの対応する標準において見出される。
【0035】
MTC型端末などの端末にとって第3または第4世代モバイル電気通信ネットワークにより提供される広いカバレッジエリアを使用することは都合がよくなり得るものの、現在、達成した配備に対する不利益および試みが存在する。スマートフォンなどの従来の第3または第4世代端末デバイスとは異なり、MTC型端末は好ましくは比較的単純であり安価である:加えてMTCデバイスは、しばしば直接の保守および交換のためには容易にアクセスをする余裕のない状況において配備される‐信頼性があり、効率的な動作が重大であり得る。さらにMTC型端末によって行われる機能のタイプ(例えばデータを収集し折り返し報告する)は、実行するのに特に複雑な処理を必要としない一方で、第3および第4世代モバイル電気通信ネットワークは、実行するのにより複雑で高価な無線送受信機を必要とする高度なデータ変調技術(16QAMまたは64QAMなど)を典型的に無線インターフェース上で採用する。
【0036】
スマートフォンは、典型的なスマートフォン型の機能を実行するために強力なプロセッサを典型的に必要とするであろうから、スマートフォン中にそのような複雑な送受信機を含めることが大抵正当化される。しかしながら、上で示したように、現在、LTE型ネットワークを用いて通信するために比較的低廉でより複雑でないデバイスを使用するという要求がある。異なる動作機能を有するデバイスへのネットワークアクセシビリティ、例えば縮小された帯域幅動作、を提供するというこの原動力と並行して、そのようなデバイスをサポートする電気通信システムにおける利用可能な帯域幅の使用を最適化するという要求がある。
【0037】
多くの状況において、全キャリア帯域幅にわたるLTEダウンリンクフレームからデータを受信し処理(制御)することのできる従来の高性能LTE受信機ユニットをこれらのような低ケイパビリティ端末に提供することは、少量のデータを通信する必要のみあるデバイスにとって過度に複雑であり得る。これは、したがって、LTEネットワークにおける低ケイパビリティMTC型デバイスの広範な配備の実用性を制限し得る。その代わりに、MTCデバイスなどの低ケイパビリティ端末に、端末へ送信されそうなデータの量により釣り合った、より単純な受信機ユニットを提供することが好ましい。
【0038】
MTCデバイスなどの低ケイパビリティ端末に調整された「仮想キャリア」は、したがって、従来のOFDM型ダウンリンクキャリア(すなわち「ホストキャリア」)の送信リソース内に提供される。従来のOFDM型ダウンリンクキャリア上で送信されるデータとは異なり、仮想キャリア上で送信されるデータは、ホストOFDMキャリアの全帯域幅を処理することを必要とすることなく、サブフレームの少なくともいくらかについて受信され、復号されることができる。したがって、仮想キャリア上で送信されるデータは、複雑さが低減された受信機ユニットを用いて受信され、復号されることができる。
【0039】
用語「仮想キャリア」は、本質的に、OFDMに基づく無線アクセス技術(WiMAXまたはLTEなど)のためのホストキャリア内のMTC型デバイスのための狭帯域キャリアに対応する。
【0040】
仮想キャリア概念は、多数の同時係属特許出願(英国特許出願1101970.0[2]、英国特許出願1101981.7[3]、英国特許出願1101966.8[4]、英国特許出願1101983.3[5]、英国特許出願1101853.8[6]、英国特許出願1101982.5[7]、英国特許出願1101980.9[8]および英国特許出願1101972.6[9]を含む)において記載されており、その文脈は参照によりここに組み込まれる。しかしながら、参照しやすいように、付属文書1において仮想キャリアの概念のある側面の概説が提示されている。
【0041】
図4は、仮想キャリア406の例が導入された、上に議論した確立されたLTE標準に従う任意のダウンリンクサブフレームを概略的に表す。サブフレームは、本質的に
図3において表されたものの簡略化されたバージョンである。したがって、上において議論したように、再度サブフレームは、上において議論したPCFICH、PHICHおよび」PDCCHチャネルをサポートする制御領域400および各端末デバイスへより高い層のデータ(例えば、ユーザープレーンデータおよび非物理層制御プレーンシグナリング)を通信するためのPDSCH領域402、ならびにやはり上に議論されたシステム情報を含む。具体的な例を与える目的で、サブフレームが関連するキャリアの周波数帯域幅(BW)は、20MHzであるとみなされる。また、PDSCHダウンリンクアロケーション404の例が、黒色のシェーディングにより
図4において概略的に示される。定義された標準によると、および上に議論したように、個別の端末デバイスは、サブフレームの制御領域400において送信されるPDCCHからサブフレームについてのそれらの固有ダウンリンクアロケーションを導き出す。
【0042】
全PDSCH帯域幅に渡る範囲の利用可能なPDSCHリソースのサブセットが、任意の与えられたサブフレームにおいてUEへ割り当てられ得る従来のLTE配置と対比してみると、
図4のT形状配置において、MTCデバイスは、仮想キャリアに対応する前もって確立された制限された周波数帯406内のみのPDSCHリソースに割り当てられ得る。
したがって、MTCデバイスは、それぞれそのサブフレームからこれらの自身のデータを識別し、抽出するために、サブフレームにおいて含まれる全てのPDSCHリソースの小さな区分をバッファし、処理することのみ必要である。
【0043】
例えばLTEにおけるPDSCH上で、基地局から端末デバイスへ通信するのに用いられる前もって確立された制限された周波数帯は、したがって、例えばLTEにおけるPDCCH上で物理層制御情報を通信するために用いられる全体のシステム周波数帯(キャリア帯域幅)よりも狭い。結果として、基地局は、制限された周波数帯内のみのPDSCH上で端末デバイスのためのダウンリンクリソースを割り当てるように構成され得る。端末デバイスは、制限された周波数帯内にPDSCHリソースが割り当てられるのみであることを予め知っているため、端末デバイスは、予め定められた制限された周波数帯外部から任意のPDSCHリソースをバッファして処理する必要がない。
【0044】
この例において、基地局およびMTCデバイスは、共に、データが(帯域幅Δfを有する)上部および下部周波数f1およびf2により定められる制限された周波数内のみに基地局からMTCデバイスへ通信されるように予め確立されていたとみなされる。この例において、制限された周波数帯は、全体のシステム(キャリア)周波数帯BWの中央部分を包含する。具体的な例のために、制限された周波数帯は、ここでは1.4MHzの帯域幅(Δf)を有し、全体のシステム帯域幅上の中心にあるとみなされる(すなわちf1=fc−Δf/2およびf2=fc+Δf/2、ここで、fcは、システム周波数帯の中心周波数である)。
【0045】
図4は、シェーディングで、各サブフレームの部分を表し、MTCデバイスは、当該部分についての処理の準備が整っているリソースエレメントをバッファするように構成されている。各サブフレームのバッファされた部分は、上で議論したようにPCFICH、PHICHおよびPDCCHチャネルなどの従来の物理層制御情報をサポートする制御領域400ならびに制限されたPDSCH領域406を含む。バッファされる物理層制御領域400は、任意の従来のUEによりバッファされる物理層制御領域と同じリソースにある。しかしながら、MTCデバイスによりバッファされるPDSCH領域406は、従来のUE102によりバッファされるPDSCH領域よりも小さい。これは、上述したように、MTCデバイスに、サブフレームに含まれる全体のPDSCHリソースの小さなフラクションを占める制限された周波数帯内のみのPDSCHが割り当てられているため、可能である。
【0046】
したがって、MTCデバイスは、まず第一に、サブフレームにおける制御領域400全体および制限された周波数帯406全体を受信し、バッファするであろう。MTCデバイスは、次いで、PDCCHを復号するために制御領域400を処理して、どのようなリソースが制限された周波数帯内のPDSCH上に割り当てられているかを決定し、次いで制限された周波数帯内のPDSCHシンボルの間にバッファされたデータを処理し、これらから比較的高い層のデータを抽出する。
【0047】
LTEに基づく実装の一例において、各サブフレームは、最初の3つのシンボル上で送信されるPDCCHおよび残りの11のシンボル上で送信されるPDSCHを有する14のシンボル(タイムスロット)を含むとみなされる。さらに、ワイヤレス電気通信システムは、この例において、仮想キャリア動作をサポートする端末デバイスと通信するために定められた1.4MHz(6つのリソースブロック)の予め確立された制限された周波数帯を有する20MHzのシステム周波数帯にわたって動作するとみなされる。
【0048】
上で説明したように、LTEなどのOFDMに基づくモバイル通信システムにおいて、ダウンリンクデータは、サブフレーム基準でサブフレーム上の異なるサブキャリア上で送信されるように動的に割り当てられる。したがって、サブフレーム毎において、ネットワークは、どのシンボル上のどのサブキャリアがどの端末へ関連するデータを含むかについて、信号で伝える(すなわちダウンリンクアロケーションシグナリング)。
【0049】
図3からわかるように、従来のダウンリンクLTEサブフレームにおいて、どのシンボルがどの端末へ関連するデータを有するかに関する情報は、サブフレームの第1のシンボル(1つ)またはシンボル(複数)の間のPDCCH上で送信される。
【0050】
MTCカバレッジを改善するために仮想キャリアにおいて送信出力がブーストされるようにすることが提案されてきた。これは、MTCデバイスのかなりの割合が準最適なカバレッジを有する位置において導入されるとみなされる場合の実際的な提案である。
【0051】
図5Aは、狭帯仮想キャリア503がブーストされた送信出力で挿入された、
図4におけるものと類似したサブフレームを説明する。
図4におけるように、サブフレームは、上で議論したようにPCFICH、PHICHおよびPDCCHチャネルをサポートする制御領域502ならびにより高い層のデータを通信するための制限されたPDSCH領域510、512(例えば、ユーザープレーンデータおよび非物理層制御プレーンシグナリング)を含む。
【0052】
図5Bは、
図5Aにおける切断面A−Aとして表現される、規定の時間における仮想キャリア外部の「通常」のPDSCH領域における相対送信出力を示す。ブーストされた仮想キャリア503および周囲のPDSCH領域510、512の間の送信出力における差Xは、MTCデバイスについてカバレッジを拡大させる。
【0053】
図6は、ダウンリンク無線サブフレーム中の一対のリソースブロックにおけるリソースエレメントを説明する概略図を提供する。上述したように、サブフレームは典型的にリソースエレメントの3つのサブセットを含む:ユーザデータを含むリソースエレメントであるデータエレメント(PDSCHに対応)、制御情報を含む制御エレメント(PDCCH、PHICHおよび/またはPFICHに対応)およびチャネル推定に用いられるリファレンスエレメント(共通リファレンス信号−CRS)。データエレメントは語「Data」を含む矩形として、制御エレメントは文字「Cntrl」で、およびリファレンスエレメントは文字「CRS」で示される。理解されるように、共通リファレンスシンボルは、サブフレームの各リソースブロック内の時間および周波数について予め定められた周期、位置において挿入されている。
【0054】
図6における2つのリソースブロックは、仮想キャリア帯域幅におけるリソースブロックを現し、しかし、サブフレームの他の領域におけるリソースブロックは、類似の構成のリソースブロックを有している。
【0055】
図7Aは、所定の時間におけるサブフレームを通した断面を説明し、送信出力を垂直軸として、および周波数を水平軸として示す。通常のPDSCH領域710、712は、(単純化のため)12のサブキャリア1RBのみを占める狭帯仮想キャリア703を囲む。PDSCH領域710、712および仮想キャリア領域703におけるデータリソースエレメント702およびリファレンス信号エレメント704は、全て同一の送信出力にて示されている。
【0056】
図7Bは、仮想キャリア領域705におけるデータリソースエレメント706がPDSCH領域710、712のデータリソースエレメント702よりもより高い送信出力である、類似の断面を説明する。共通リファレンス信号704、704’は、これらがPDSCH領域710、712または仮想キャリア領域705内にあろうとなかろうと同一の送信出力のままである。
【0057】
図7Aにおいて説明される出力がブーストされていない場合、データおよびCRSを搬送するリソースエレメントが実質的に同一の出力で送信される。
図7Bの出力をブーストした場合、データリソースエレメント706のみについて出力がブーストされることができる。仮想キャリア705におけるCRSリソースエレメント704’については、これらがセル内において出力がブーストされた信号を全く必要としないチャネルを推定するために他のUE102(これらがMTCデバイスであろうと完全な受信ケイパビリティを有する一般的なUEであろうと)により受信され、使用されるであろうから(したがって、名「共通」リファレンス信号)、出力をブーストできない。
【0058】
上述したように既知の共通リファレンス信号を獲得し、チャネル推定を行うことは、データ信号の復調の重要な部分である。CRSの受信した出力が低すぎる場合、データ信号について出力がブーストされているか(これらが
図7Bにおけるものであるように)に関わらずUEはデータを正確に受信できないかもしれない。
【0059】
パイロットまたはリファレンス信号の送信出力を変化させることについての制限は、ビーム形成の分野において知られている。共通リファレンス信号は、これらがある周波数において異なる出力を有することができないという同様の理由であまり大量にビーム形成できない。
【0060】
ビーム形成において、UE固有リファレンス信号を挿入することは、既知のアプローチである(
図8において文字「DMRS」−復調リファレンス信号を有する矩形として説明される)。これらの固有リファレンス信号については、データ信号とともに出力をブーストすることができる。これらのリファレンス信号は出力がブーストされたデータシグナルを受信するUE102によりのみにより用いられるため、これらの存在は、セル内の他のUEに影響を与えないであろう。
【0061】
図8は、狭帯域仮想キャリア805に仮想キャリア内のデータシンボル806の出力ブーストおよびユーザ固有リファレンスシンボル808の挿入を供するサブキャリアを含む複数のサブキャリアの相対送信出力を概略的に説明する。
図7Aおよび7Bについて、
図8は、所定の時間におけるサブフレームを通した断面を説明し、送信出力を垂直軸として、および周波数を水平軸として示す。通常のPDSCH領域810、812は、やはり12のサブキャリア1RBのみを占める狭帯仮想キャリア805を囲む。PDSCH領域810、812におけるデータ802およびリファレンス信号リソースエレメント804は、全て同一の送信出力にて示されており、仮想キャリア領域805におけるデータリソースエレメント806はPDSCH領域810、812のものよりも高い送信出力である一方で、共通リファレンス信号804’は、これらがPDSCH領域810、812において行うのと同一の送信出力のままである。選択されたデータリソースエレメントの位置において、共通リファレンス信号804’は、固有リファレンス信号808により補強される。固有リファレンス信号は、データリソースエレメント706と同一の(より高い)送信出力へ高められている。
【0062】
固有リファレンスシンボルはデータリソースエレメントを置き換えるため、固有リファレンスシンボルの挿入への費用が存在する。さらに、これらは、出力がブーストされたリファレンス信号を必要とするUE以外のあらゆるUEに対し追加の利益を提供しない。
【0063】
ついに、ある閾値出力水準まで送信出力がブーストされたデータリソースエレメントに沿った(ブーストされていない)共通リファレンス信号がチャネル推定に十分であることが理解された。この閾値水準より低いと、データは、チャネル推定に必要とされる固有リファレンス信号の挿入なしに高出力で(カバレッジの拡大のため)送信されることができる。
【0064】
この閾値出力水準は、送信されるリソースエレメントに適用される正確な変調および符号化方式(MCS)に依存する。MCSは、チャネル推定におけるエラー耐性を有している。したがって、QPSKなどのMCSは、例えば64QAMまたは16QAMよりもエラーに対するより高い耐性があるチャネル推定処理につながる。以下の表1は、それぞれのMCSを用いるチャネル推定におけるエラー耐性の異なる度合を反映した選択されたMCSについての閾値出力水準の差異を説明する。
【0066】
その結果として、固有リファレンス信号の挿入が有意に有利であろうかを決定することが有益である。この決定は、必要とされる出力ブーストの水準およびデータ信号に用いられる変調の種類に応じて行われる。
【0067】
図9は、ユーザ固有リファレンス信号を挿入すべきかを決定するのにおけるインフラ設備の動作の例を示す。
【0068】
必要とされる出力ブーストの水準が低い(すなわち、UEがそばにあり、および共通リファレンス信号およびデータリソースエレメントの送信出力が十分に近い)場合およびデータについて用いられる変調がチャネル推定エラーに対してより耐性がある場合、eNBは、固有リファレンスシンボルを挿入しないことを選択し得る。これに対し、必要とされる出力ブーストの水準が高い場合、およびデータについて用いられる変調がチャネル推定エラーに対してより耐性がない場合、インフラ設備(例えばeNB)は、出力ブーストの利得を完全に利用するために固有リファレンス信号を挿入すべきである。
【0069】
UEが、どのリファレンス信号がデータ信号の復調における使用のために利用可能であるかわかるように、固有リファレンスシンボル(DMRS)の存在は、出力ブーストが必要とされるUE102に信号伝達する必要がある。出力ブーストの水準のシグナリングは、PDCCHシグナリングにおいて達成され得る。
【0070】
インフラ設備は、まず、UEへの送信に必要な出力ブーストの水準を決定する。加えて、データのための変調および符号化方式が決定される(ステップS905)。
【0071】
表1のような表がステップS905において決定されたMCSに対応する閾値出力水準値を抽出するのに参照される。次に、必要とされる出力ブーストの水準が決定されたMCSについての閾値出力水準を超えるかが確定される(ステップS910)。
【0072】
出力水準が各閾値を超える場合、インフラ設備は、固有リファレンス信号をより高い送信出力で挿入する(S915):このより高い送信出力は、好都合には、出力ブーストデータリソースエレメントと実質的に同一の出力であり得る。
出力水準が各閾値を超えない場合、インフラ設備は、データリソースエレメントのみをブーストした送信出力で送信する(S920)。
【0073】
最後に、この例において、インフラ設備は、固有リファレンス信号が挿入された事実を信号伝達する(S930)。同シグナリングは、好都合なことに、サブフレームグリッドのどこにこれらが挿入されているかおよび/またはこれらの送信出力水準がどれほどであるかを示す。次いでブーストされたデータチャネルPDSCHは、(ブーストされた固有リファレンス信号)およびブーストされていない共通リファレンス信号とともに送信される。
【0074】
読者は、代替の配置において、インフラ設備が適度な出力ブースト水準で把握される利益に関わらず、固有リファレンス信号を挿入することを選択し得ることを容易に理解するであろう。
【0075】
共通リファレンス信号に加えての固有リファレンス信号の保証された存在は、さらなる検討をもたらす:リファレンス信号(の両方のタイプ)に信頼性がある場合、UEは、さらなるリファレンスポイントの存在により、原理的により正確なチャネル推定を行うことができるべきであろう(共通リファレンス信号単独と比較して)。しかしながら、いくつかのリファレンスポイントが弱すぎる場合、そうするとこれらの信頼性のないリファレンスポイントの組み合わせは、総合のチャネル推定精度を、固有リファレンス信号のリファレンス信号単独を用いて達成されることができるよりも低い水準へ低下させ得る。
【0076】
図10において、どのようにユーザ機器(UE)が、出力ブースト水準に応じてチャネル推定を行うために、固有リファレンス信号単独または固有リファレンス信号および共通リファレンス信号の組み合わせを用いるかを決定するかの方法が説明される。
【0077】
図10は、チャネル推定を生成するためにユーザ固有リファレンス信号単独またはユーザ固有リファレンス信号および共通リファレンス信号の組み合わせを用いるかの決定におけるUEの動作を概略的に示す。
【0078】
ここで、UEは、データリソースエレメント送信において出力ブーストの水準を示すインフラ設備からのシグナリングを受け取る(ステップS1010)。
【0079】
UEは、次いで出力ブーストの水準を既定の閾値と比較する(ステップS1020)。出力ブーストの水準が既定の閾値以下にある場合、共通リファレンス信号(CRS)が適切に信頼性のあるリファレンスポイントであることを表すとみなされ、およびチャネル推定プロセスは、チャネル推定の生成において共通および固有リファレンス信号の両方を使用する(ステップS1022)。
【0080】
出力ブーストの水準が既定の閾値を超える場合、共通リファレンス信号(CRS)がリファレンスポイントとして信頼性がないとみなされ、チャネル推定プロセスは、共通リファレンス信号を破棄し、チャネル推定の生成において固有リファレンス信号単独を使用する(ステップS1024)。
【0081】
最後に、共通リファレンス信号が使用されても破棄されても、得られたチャネル推定は、UEにより受信されたデータシンボル(PDSCH)を復調するのに用いられる−ステップ1030。
【0082】
別の実施において、UEは、受信した共通リファレンス信号および固有リファレンス信号の出力水準を測定することにより独立して出力ブースト水準を決定し得る。したがって、ステップS1010は、受信した出力水準の相対差を決定し、共通リファレンス信号の情報から推定することにより出力ブーストの水準を決定する別のステップにより置き換えられ得る。
【0083】
さらなる別の実施において、共通リファレンス信号および固有リファレンス信号の相対寄与は、二元の方式で決定されない。代わりに、チャネル推定を計算する際にそれぞれのリファレンス信号が互いに異なるように重みづけされ、重みは相対主力水準に応じて適用される。
【0084】
熟練した読者は、以前の議論の多くが出力ブーストに関して割当られている一方で、本発明の様々な実施形態が、送信出力が受信するUEにおいて一定の出力水準を確保するために継続して調整される状況に等しく適用されることを理解するであろう。厳密に言えば、出力ブーストは、信号を送信するための(典型的に「到達するのが困難な」UEへデータを送付するための試みにおける)送信出力の瞬間的な増加をいう;送信出力の連続的な調整は、出力調整の種類と考えられ得る。
【0085】
以下の番号が付された項目は、さらなる本技術の側面および特徴例を提供する:
【0086】
1. ワイヤレス通信ネットワークから通信デバイスにおいてデータを受信する方法であって、該方法は:
ワイヤレスアクセスインターフェースを介して前記通信デバイスにおいて前記ワイヤレス通信ネットワークから送信されるデータシンボルを受信すること、前記ワイヤレスアクセスインターフェースは、時間において複数の時分割無線フレームへ分割されているシステム帯域幅にわたる複数の通信リソースエレメントを提供し、
前記ワイヤレスアクセスインターフェースが、前記システム帯域幅内において、好ましくは仮想キャリアを形成する第1の周波数帯域幅内においてインフラ設備により送信されるデータを表す信号を受信するためのケイパビリティが低減された通信デバイスへ、割当のための第1の周波数帯域幅内における通信リソースエレメントの第1の区分を提供すること、前記ケイパビリティが低減された通信デバイスはそれぞれが前記第1の周波数帯域幅より大きいまたは等しいが、システム帯域幅よりも小さい受信機帯域幅を有する、を有し、
ここで、データシンボルを受信することは、
1以上の無線フレームにおいてリソースエレメントの第1のサブセットからデータシンボルを受信すること、および
各無線フレームにおいてリソースエレメントの第2のサブセットから共通リファレンスシンボルを受信すること、を有し、共通リファレンスシンボルは第1の送信出力で送信され、および前記データシンボルは第2の送信出力で前記仮想キャリアを介して送信され、ならびにここで、前記方法はさらに、
前記第2の送信出力で前記仮想キャリアの前記リソースエレメントを介して送信された固有リファレンスシンボルを受信すること;
前記第2の送信出力および前記第1の送信出力の間における出力の差を決定すること、および
前記出力の差が実質的に閾値を超える場合、前記仮想キャリアから受信した前記固有リファレンスシンボルのみ用いてチャネル推定を生成すること、を有する、方法。
【0087】
2. 前記仮想キャリア外部のデータシンボルは、前記第1の送信出力で送信される、項目1に記載の方法。
【0088】
3. 前記出力の差が前記閾値を超えない場合、前記共通リファレンスシンボルおよび前記固有リファレンスシンボルの両方を用いてチャネル推定を生成し、その結果共通リファレンスシンボル単独を用いた前記チャネル推定手順と比較して前記チャネル推定を改善する、項目1または項目2に記載の方法。
【0089】
4.前記チャネル推定を生成するステップは、各シンボル中の相対送信出力に応じて異なるように前記共通リファレンスシンボルおよび前記固有リファレンスシンボルに重みづけすることを含む、項目3に記載の方法。
【0090】
5. 前記送信出力の差は、前記仮想キャリア内における送信出力の瞬間的な増加に起因し、その結果前記送信出力が特定の通信デバイスについてブーストされる、任意の前述の項目に記載の方法。
【0091】
6. ワイヤレス通信ネットワークの部分を形成するインフラ設備から受信するデータからチャネル推定を生成するための通信デバイスであって、該デバイスは:
ワイヤレスアクセスインターフェースを介してデータを受信するために動作する受信機ユニット、前記ワイヤレスアクセスインターフェースは時間で分割されて複数の時分割無線フレームを形成しているシステム帯域幅にわたる複数の通信リソースエレメントを提供し、および
前記システム帯域幅内において前記受信機ユニットが、好ましくは仮想キャリアを形成する第1の周波数帯域幅内において前記インフラ設備により送信されるデータを表す信号を受信するためのケイパビリティが低減された通信デバイスへの、割当のための前記第1の周波数帯域幅内における通信リソースエレメントの第1の区分を受信するように制御するように構成されたコントローラ、を有し、前記ケイパビリティが低減された通信デバイスはそれぞれが前記第1の周波数帯域幅より大きいまたは等しいが、システム帯域幅よりも小さい受信機帯域幅を有し、
ここで、前記コントローラは、前記受信機ユニットと組み合わせて
1以上の前記無線フレームにおける前記リソースエレメントの第1のサブセットにおけるデータシンボルを受信し、および
各無線フレームにおける前記リソースエレメントの第2のサブセットにおける共通リファレンスシンボルを受信するように構成されており、前記第2のサブセットは第1の送信出力を有し;ならびに
前記仮想キャリアにおける前記データシンボルは、第2の送信出力で送信され、
前記コントローラは、前記受信機ユニットと組み合わせてさらに、前記仮想キャリアの前記リソースエレメントにおいて前記第2の送信出力で送信される固有リファレンスシンボルを受信するように構成されており;ならびに
前記コントローラは、さらに、前記第2の送信出力および前記第1の送信出力の間における出力の差を決定するように、および前記出力の差が実質的に閾値を超える場合、前記固有リファレンスシンボルのみを用いて第1の区分内の周波数についてのチャネル推定を生成するように構成されている、通信デバイス。
【0092】
参考文献
[1]ETSI TS 122 368 V10.530(2011−07)/3GPP TS 22.368 バージョン 10.5.0 リリース10)
[2]英国特許出願1101970.0
[3]英国特許出願1101981.7
[4]英国特許出願1101966.8
[5]英国特許出願1101983.3
[6]英国特許出願1101853.8
[7]英国特許出願1101982.5
[8]英国特許出願1101980.9
[9]英国特許出願1101972.6