【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るラベル貼付機は、ラベル搬送体によって搬送されるラベルを搬送中の商品の裏面に貼付するラベル貼付機であって、前記ラベルの粘着面を外に向けて保持するラベル保持部と、前記ラベル保持部と対向する側に配置された前記ラベル搬送体を前記ラベル保持部に向けて移動させることにより、保持されたラベルの粘着面に前記ラベル搬送体を押し付ける押付機構と、前記ラベル搬送体及び前記押付機構を駆動制御して、前記ラベルを前記商品の裏面に貼付させる制御部とを備えていることを特徴とする。
【0011】
図1、
図2は、本発明の構成概念図を示したものである。これらの図において、ラベル貼付機100は、ラベルプリンタ3から発行されるラベル4を、その粘着面を外に向けて吸引するラベル保持部110と、ラベル保持部110と対向する側に配置されたラベル搬送体121をラベル保持部110に向けて移動させることにより、保持されたラベル4の粘着面にラベル搬送体121を押し付ける押付機構130と、ラベル4が貼り付いたラベル搬送体121を商品1の裏面に向けて送る搬送部120と、該搬送部120のラベル搬送体121と押付機構130の動作を制御して、ラベル4を商品1の裏面に貼付させる制御部140とを備えている。
【0012】
ラベル保持部110は、一側面に複数の吸引口111が設けられた負圧チャンバー112で構成されるもので、それらの吸引口111で発行されたラベル4を吸引保持する。そのために、負圧チャンバー112内の気圧は、吸引口111に吸引されたラベル4が、その粘着面を外に向けた状態で落下することなく吸引口111に沿ってスライドできる程度の弱い負圧に設定されている。またラベル保持部110に向けて風を当てることにより、発行されたラベル4を風圧でもってラベル保持部110に押し付けるようにしても良い。
【0013】
搬送部120は、ラベル4が貼り付いたラベル搬送体121を商品1の裏面に向けて搬送するもので、
図1、
図2では、上下一対のプーリー122、123間を循環走行する複数本の紐ベルト124でラベル搬送体121を構成している。しかし、こうした構成には限定されず、例えば、接触面積を少なくしたメッシュ状の平ベルトや、表面にラベル剥離剤を塗布した平ベルトのように、そこにラベル4の粘着面が貼り付くと、ラベル4は、剥がれずに搬送されるが、その搬送方向と直交する方向には、ラベル4が簡単に剥がれるような搬送体でもってラベル搬送体121を構成することもできる。
【0014】
また、
図1、
図2では、搬送部120とラベル保持部110を、それらの上端部において近接させ、下端部において離れるように配置しているが、この配置には限定されず、両者を平行配置する構成であっても良い。
【0015】
押付機構130は、搬送部120をラベル保持部110に近接離反させて、ラベル保持部110に保持されたラベル4の粘着面にラベル搬送体121を押し付ける機構である。そのために、
図1、
図2では、上側のプーリー122の水平な回転軸の回りに下側のプーリー123を揺動させ、それによって紐ベルト124をラベル保持部110に向けて矢印方向に回動させるように構成している(
図1参照)。ただし、この構成に限定されるものではなく、これに代えて、例えばラベル保持部110と搬送部120とを平行配置して、搬送部120全体をラベル保持部110に向けて平行移動させる構成でも良い。
【0016】
制御部140は、搬送部120と押付機構130の動作タイミングを制御して、ラベル4が発行されている間は、ラベル搬送体121をラベル保持部110から離間させ、ラベル発行が終了すると、ラベル搬送体121を保持されたラベル粘着面に押し付ける制御を行うものである。
【0017】
すなわち、ラベルプリンタ3が印字を開始すると、該プリンタ3から繰り出されるラベル4は、ラベル保持部110の吸引口111に吸引されながら上昇する。そして、ラベル発行が終了するタイミングで、制御部140は、押付機構130を作動させて、ラベル搬送体121としての紐ベルト124をラベル4の粘着面に押し付ける。すると、紐ベルト124にラベル4が貼り付く。その状態において、制御部140は、搬送中の商品1がラベル4の貼付位置に到達するタイミングで、各プーリー122、123を回転させて紐ベルト124を矢印方向へ走行させる。すると、紐ベルト124で搬送されるラベル4が商品搬送面から飛び出すと同時に、そこに商品1の裏面が現れて、そこにラベル4が貼り付けられる。より詳細には、紐ベルト124が上側のプーリー122でUターンする際に、ラベル4が紐ベルト124から剥離されながら上方へ飛び出し、そこへ搬送中の商品1の裏面が現れてラベル4が貼りつけられるのである。
【0018】
このように、本発明によれば、ラベル搬送体121をラベル4の粘着面に押し付け、その状態でラベル4が発行された方向にラベル4をそのまま上昇させるから、台紙付きラベルであっても、台紙レスラベルであっても、等しく商品1の裏面にラベル4を貼付することができるのである。
【0019】
ところで、この種のラベル4は、粘着面を内側にして紙管に巻かれるため、発行されるラベル4には、粘着面を内側にしてカールする巻き癖が付く。そのため、ラベル4がラベルプリンタ3から発行されると、
図2に示すように、ラベル4の先端部が吸引口111に吸引されずに浮き上がることがある。その状態でラベル搬送体121がラベル4に押し付けられると、カールしたラベル先端部が粘着面を内側にして折り畳まれることがある。そうなると、正常に発行されたラベル4が不良ラベルになる。また、その不良ラベルが商品1に貼り付けられると、正常な商品1も不良品として扱われることになる。
【0020】
こうした問題を解決するために、制御部140は、押付機構130とラベル搬送体121とを駆動制御して、ラベル4が発行されている間は、ラベル搬送体121をラベル保持部110から離間させた状態で上方へ走行させ、ラベル発行が終了すると、発行されたラベル4の粘着面にラベル搬送体121を押し付けてから、該ラベル搬送体121を停止させることを特徴とする。
【0021】
図2において、ラベル4が発行されている間は、制御部140は、ラベル搬送体121(紐ベルト124)をラベル保持部110から離間させた状態で矢印方向に走行させる。そして、カールしたラベル先端部がラベル搬送体121に接触すると、その先端部はラベル発行方向に倒されるから、カールしたラベル先端部は、吸引口111に吸着される。ラベル4の腰が強いために、カールした先端部が吸引口111に吸着されない場合でも、矢印方向に走行するラベル搬送体121がカールした先端部を吸引口111に押し倒しながらラベル4の粘着面に接近する。そのため、巻き癖の強いラベル4でも、先端部が内側に折り畳まれることなくラベル搬送体121に貼り付くから、巻き癖の強いラベル4を矯正することができる。
【0022】
ところで、こうしたカールは、ロール状に巻かれたラベルロールのロール径が大きい場合は、発行されたラベル4の反りが少ないために、問題になることはないが、ロール径が小さくなると、その反りが大きくなるから、カールした先端部が吸引口111に吸着されない場合がある。
【0023】
そうした場合に備えて、本発明では、ラベルプリンタ3に装着されたラベルロールの残量検知部150を備え、検知された残量が所定値以下になれば、制御部140は、ラベル4が発行されている間は、押付機構130とラベル搬送体121とを駆動制御して、ラベル搬送体121をラベル保持部110から離間させた状態で上方へ走行させ、ラベル発行が終了すると、保持されたラベル4の粘着面にラベル搬送体121を押し付けてから、ラベル搬送体121を停止させる制御を行う。
【0024】
例えば、ラベルロールから繰り出されるラベル4の搬送速度を一定にすると、ロール径が小さくなるにつれてラベルロールの回転速度が早くなるから、ラベル発行時のラベルロールの回転速度を検出するセンサでもって残量検知部150を構成することができる。この場合には、検出された回転速度が所定値以上の速さになれば、ラベルロールの残量が所定値以下になったと判断する。またこの構成に代えて、残量が所定値以下となるラベルロールの最外周位置に、その位置を検出する近接センサを設けて残量検知部150を構成することもできる。こうした構成を採る場合は、どの程度の残量になれば、カールした先端部が折り畳まれるかを事前にテストしておき、折り畳まれるおそれのあるロール径よりも若干大きめのロール径を前述の所定値として設定しておく。
【0025】
また、ラベル発行方向長さが短いラベル4の場合には、ラベル4で塞がれない吸引口111が多く残り、それによって吸引力が弱まるから、カールした先端部が吸引口111から浮き上がることもある。
【0026】
そこで、制御部140は、ラベル発行方向長さが所定値以下であれば、ラベル4が発行される間は、押付機構130とラベル搬送体121とを駆動制御して、ラベル搬送体121をラベル保持部110から離間させた状態で上方へ走行させ、ラベル発行が終了するとラベル粘着面にラベル搬送体121を押し付けてから、ラベル搬送体121を停止させることを特徴とする。
【0027】
この場合のラベル発行方向長さとは、例えば、ラベル1枚分の送り量である。それはラベルプリンタ3が印字情報を二次元の画像データとして展開するときに求めることができる。そこで、その送り量がどの程度短くなれば、前述の制御を必要とするかをテスト運転によって事前に求めておき、それを所定値として登録しておく。
【0028】
巻き癖に起因するカールは、台紙付きラベルの場合も台紙レスラベルの場合も同様に生じるから、以上の制御は、
図1の台紙付きラベルの場合でも、
図2の台紙レスラベルの場合でも、同様に適用することができる。しかし、
図2の台紙レスラベルの場合は、発行されたラベル4をカッター90で切断するときに、ラベルロールから切り離されるラベル4を保持しておく必要がある。保持しておかなければ、ラベル切断時にラベル4が正常な境界で切断できなかったり、切断されたラベル4が位置ズレを起したりするからである。
【0029】
そこで、台紙レスラベルを使用するときは、制御部140は、ラベルシート42を切断する前に、押付機構130を制御して、発行されたラベルシート42の粘着面にラベル搬送体121を押し付けておくのである。これにより、適正なラインでラベル4を切り離すことができる。
【0030】
図2において、対向配置された印字ヘッド31とプラテンローラ32の上方には、一対のカッター90が設けられているから、この場合には、従来例として示した
図14の一対のローラ8は不要になる。そして、発行されたラベルシート42からラベル4を切断するときは、そのラベルシート42の粘着面にラベル搬送体121を押し付けてから、カッター90でラベル4を切断する。これにより、ラベルシート42から切り離されたラベル4は、位置ズレを起すことなくラベル搬送体121に貼り付いて保持される。
【0031】
ところで、ラベルプリンタ3から発行されるラベル先端部は、ラベル保持部110によって保持されるが、その後端縁は、
図1の剥離板33の剥離位置か、
図2のカッター90の切断位置に留まるから、そこに留めておいたのでは、発行されたラベル4の先端部が、ラベルの発行方向長さによって種々の高さ位置をとることになる。そうなると、ラベル先端部を商品1の裏面に到達させるまでの搬送距離が異なるから、ラベル先端部を商品1の裏面に当てるための送り制御を、ラベル4の発行方向長さに応じて変えなければならない煩わしさがある。
【0032】
そこで、ラベル搬送体121の搬送路の所定位置に、ラベル4を検出するラベルセンサ43、44を設け、制御部140は、ラベル搬送体121をラベル4の粘着面に押し付けた後は、ラベルセンサ43、44によってラベル4の先端部が検出されるまで、ラベル搬送体121を上昇させておくのである。これにより、ラベル発行方向長さが種々に変化しても、それらのラベル先端部をラベルセンサ43、44の検出位置に留めておくことができる。
【0033】
この場合に使用するラベルセンサとしては、照射光がラベルで遮られることによってラベルの到達を検出する光電センサを用いることができる。このセンサを商品1とラベル4とが合流する位置よりも若干下方のラベル搬送路の所定位置、すなわち、
図1、
図2に示すように、搬送されるラベル4によって照射光が遮られる位置に投光器43と受光器44とを設け、これらでラベルセンサ43、44を構成しておく。そして、ラベル搬送体121をラベル4の粘着面に押し付けた後は、ラベル搬送体121を上昇させ、ラベルセンサ43、44によってラベル先端部が検出されると、その位置でラベル4を停止させておくのである。
【0034】
これにより、ラベル発行方向長さが異なっても、ラベル4の先端部を常に一定位置に留めることができるから、商品1が所定位置に到達したタイミングでラベル搬送体121を商品1に向けて送り出す制御を一つ用意しておくだけで、発行方向長さの異なるラベル4を商品裏面の所定位置に貼付することができる。
【0035】
本発明に係るラベル貼付機100は、商品1を搬送するコンベヤ200と、搬送される商品1を検出する商品検出センサ400を備え、制御部140は、該センサ400から商品検出信号を受け取ると、ラベル搬送体121を上方に走行させることを特徴とする。
【0036】
これにより、搬送される商品1が前記センサ400の検出位置に到達すると、所定位置で待機させていたラベル4を送り出して商品1の裏面に貼付するから、商品1の搬送方向長さが変化しても、商品裏面の所定位置にラベル4を貼付することができる。
【0037】
また、本発明に係るストレッチ包装機は、包装された商品1を前記コンベヤ200に送り出す搬出コンベヤを備え、該搬出コンベヤと前記コンベヤ200とは、後述の動力伝達機構212を介して連結されていることを特徴とする。これにより、包装機側の搬出コンベヤとラベル貼付機側のコンベヤ200とを同じ速度で同期運転することが可能となる。