(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
タワー状の駐車塔内に複数の車両を格納できるようにした機械式駐車設備の一例として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この機械式駐車設備は、エレベータ式であり、鉄骨等で建造された駐車塔の内部に水平な車両格納棚が上下に多階層状に設けられている。駐車車両は、鋼板プレス製のパレットに載せられた状態で車両格納棚に格納される。駐車塔の中央部には昇降通路が設けられ、この中を昇降するエレベータ状の搬送台によって車両がパレットごと昇降搬送され、所定の車両格納棚に出し入れされる。駐車塔の地上階には駐車する車両が乗り入れる入出庫室が設けられており、その入出庫口に入出庫扉が設けられ、入出庫扉の近傍に操作盤が設置されている。
【0003】
駐車塔の地上階には駐車する車両が乗り入れる入出庫室が設けられており、その入出庫口に入出庫扉が設けられ、入出庫扉の近傍に操作盤が設置されている。車両を入庫させる場合は、車両のユーザーが操作盤を手動または専用リモコンにより操作して入出庫扉を開き、車両を入出庫室内に乗り入れて、入出庫室の床面レベルと同一高さに載置されたパレットの上に車両を停車させる。その後、ユーザーは車両のドアやトランクリッド等が閉じられ、ドアミラーが折り畳まれていることを確認して入出庫室から退出し、操作盤を操作して出庫扉を閉じ、入庫作業を完了させる。車両がバッテリーの充電を要する電動車両である場合には、ユーザーはパレットに備えられた充電用コネクタを車体側の充電ポートに接続した後に入出庫室から退出する。
【0004】
特許文献1に開示されているように、入出庫室の内部には光電センサ部材やこれに類する複数のセンサ手段が設けられており、車両の入出庫状況の確認、およびパレット上に停車した車両の車幅、長さ、高さ寸法、ならびに車両の前後位置、左右位置等が規定ラインを逸脱していないかどうかの確認が行われる。逸脱している場合にはユーザーへの警告がなされ、車両の退場、再入庫、または車両状態の修正を指示する。これにより、車両の各部がパレットからはみ出すことが防止され、車両搬送中における損傷事故が防止される。
【0005】
特許文献1に記載の車幅検知装置は、入庫してくる車両の車幅を検知するとともに、ドアを閉め忘れた場合や、ドアミラーを畳み忘れた場合のように、車体側面にはみ出し物がある場合に、これを検知するセンサ手段として、投光器と受光器とを内蔵した投・受光器内蔵型の光電センサ部材を、入出庫口側の上部両側に、上下方向に首振り可能に設置している。また、この光電センサ部材から車体の両側面をかすめて入出庫室の内部に向かって投光されるビームを受光し、再び光電センサ部材に向かって反射する縦長の再帰反射板を、入出庫室の内部奥の両側に設けている。
【0006】
車両の入庫時(車両の進入中)には、入出庫口側の上部両側に設置した光電センサ部材を上下に揺動させながらビームを投光し、このビームを再帰反射板に反射させて光電センサ部材に受光させる。これにより、車幅が規定を超えている、あるいはドアやドアミラー、充電用コネクタ等が規定ラインからはみ出しているような場合にはビームが遮光されるため、はみ出しを検知することができる。はみ出しが検知された場合はユーザーへの警告がなされ、入庫動作が中断される。
【0007】
このように、光電センサ部材を上下に揺動させながらビームを投光させることにより、光電センサ部材を揺動させない場合に比べて検知範囲を広くし、検知性能を高めることができる。
【0008】
また、特許文献2に記載の車幅検知装置は、パレットの左右両側部外方位置となる入庫可能範囲の境界部の上方位置をレーザ光が通るように検知センサを建屋の後側壁に設置しており、この検知センサを、垂直方向に平らな面となるようなレーザ光を照射するようにしたもの、即ちカーテンセンサと呼ばれる測域センサとすることにより、車両の左右両側部の外方にレーザ光が平行に照射するようにし、レーザ光の面の範囲ではみ出し部を検知するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の車幅検知方法は、車両が入庫している最中における車幅検知(はみ出し検知)は可能であるが、例えば入庫完了後にキーレスリモコンの誤操作によりドアミラーが開いてしまったり、降車した同乗者がドアを閉め忘れたり、車両の停車位置の再調整により車両の一部が食み出してしまったりした場合には、既に車幅検知(はみ出し検知)が終了してしまっているためにこれを検知することができない。このため、はみ出しが修正されないまま入出庫扉が閉じられて搬送機構が起動してしまい、搬送機構の作動に支障を来す虞がある。
【0011】
また、光電センサ部材を上下に揺動させるにしても、そのビームを反射する再帰反射板の長さおよび配置場所が入出庫室内のレイアウトの関係で限られるために、揺動角度を大きくして検知範囲を広くすることができない。その上、光電センサ部材を上下に揺動させる駆動手段および駆動機構が必要となるため、装置構成が複雑になり、コスト高になる。
【0012】
特許文献2の車幅検知装置は、測域センサを用いることにより検知範囲を広くすることが可能であるが、この種のセンサは高価であるとともに、その光軸調整等の設定が困難なため、機械式駐車場設備への適用は難しい。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するべくなされたものであり、簡素で安価な構成により、最終的に入出庫扉が閉じられるまで入庫車両の車幅および側面のはみ出し検知を確実に行うことができる車幅検知装置、これを備えた機械式駐車場設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1態様に係る車幅検知装置は、車両を停車させる所定範囲の停車枠を内部に有する入出庫室と、前記停車枠の車両進入方向後方に設けられた入出庫口と、前記入出庫口を開閉する入出庫扉と、前記停車枠内に停車した前記車両を搬送する搬送機構と、を備えた機械式駐車場設備において、前記停車枠に停車した前記車両の車幅検知および側面のはみ出し検知を行うものであって、前記停車枠における前記車両進入方向に沿う側辺の前後方向一方側に設置されるとともに、前記入出庫扉の閉動作に連動して上下方向に移動し、前記側辺に沿うとともに該側辺の前後方向他方側に向かって検知光を
固定された一方向に投光する投・受光器内蔵型の光電センサ部材と、前記側辺の前後方向他方側に設置され、前記光電センサ部材の上下位置に拘わらず、前記検知光を前記光電センサ部材に向かって反射する反射部材と、を具備し、前記光電センサ部材による前記検知光の投光中に該検知光が遮光された場合には入庫動作を中断させるようにしたものである。
【0015】
上記構成の車幅検知装置において、停車枠に停車した車両の車幅検知および側面のはみ出し検知は、入出庫扉が閉じられる時に行われる。即ち、停車枠の側辺の前後方向一方側に設置された光電センサ部材が、入出庫扉の閉動作に連動して上下方向に移動しながら検知光を投光し、前後方向他方側に設置された反射部材によって反射された検知光を受光する。つまり、光電センサ部材を上下方向に移動させながら検知光の線を動かす(走査する)ことにより、停車枠の側辺に沿う鉛直なカーテン状の検知面が形成される。例えば車両のドアやドアミラー等が開いていれば、このようなはみ出し物が検知面に交差することによって検知光が遮光され、光電センサ部材は検知光の反射光を受光できなくなるため、はみ出しがあることが認識され、入庫動作が中断される。
【0016】
本構成の場合、車両の一側面あたり1つの投・受光器内蔵型の光電センサ部材と、1つの反射部材とを用いるだけで、車両の一側面にカーテン状の検知面を形成し、車両の側面全体をくまなく検知することができる。しかも、光電センサ部材は入出庫扉の閉動作に連動して上下方向に移動するため、光電センサ部材を上下動させるための専用の動力を必要としない。したがって、車幅検知装置を非常に簡素で安価な構成とすることができる。
【0017】
この車幅検知装置による車幅検知および側面のはみ出し検知は、入庫時の最終段階で入出庫扉が閉じられる時に実行されるため、例えば車両のユーザーが降車する時に同乗者がドアを閉め忘れてしまったり、降車後にキーレスリモコンの誤操作によりドアミラーが開いてしまったりした場合であっても、これを確実に検知することができる。このため、ドアやドアミラー等がはみ出したままで搬送機構が起動してしまうことを防止して安全性を保つことができる。
【0018】
上記構成において、前記入出庫扉が上下方向に開閉する形式である場合には、前記光電センサ部材を前記入出庫扉の内面に設置してもよい。こうすることで、光電センサ部材が入出庫扉の開閉に合わせて上下動するため、光電センサ部材を上下動させる動力や駆動機構等を一切用いる必要がなくなり、車幅検知装置の構成を簡素化することができる。
【0019】
上記構成において、前記入出庫扉が水平方向に開閉する形式である場合には、前記入出庫扉の水平方向への動きを前記光電センサ部材の上下方向の動きに変換し、前記入出庫扉が開くにしたがって前記光電センサ部材をその上下移動範囲の上端または下端の一方に移動させ、前記入出庫扉が閉じるにしたがって前記光電センサ部材を前記上下移動範囲の上端または下端の他方に位置させるセンサ駆動機構を備える構成としてもよい。本構成によれば、入出庫扉が水平方向に開閉する形式であっても、比較的簡素な構成によって光電センサ部材を上下動させることができる。
【0020】
上記構成において、前記センサ駆動機構は、前記入出庫扉が開くにつれて前記光電センサ部材が上昇し、前記入出庫扉が閉じるにつれて前記光電センサ部材が下降するように構成してもよい。こうすれば、入出庫扉が開いた時には光電センサ部材が上昇しているため、入出庫口から出入りするユーザー等にとって光電センサ部材が邪魔になることがない。また、光電センサ部材の破損や汚損を防止することができる。
【0021】
本発明の第2態様に係る機械式駐車場設備は、上記のいずれかの車幅検知装置を備えているため、上記の各作用、効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る車幅検知装置、これを備えた機械式駐車場設備によれば、簡素で安価な構成により、最終的に入出庫扉が閉じられるまで入庫車両の車幅および側面のはみ出し検知を確実に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る車幅検知装置33を適用可能な機械式駐車場設備の一例を示すエレベータ式の立体駐車場の縦断面図である。なお、本発明に係る車幅検知装置33は、以下に述べるエレベータ式の立体駐車場に限らず、入出庫車両が乗り入れる入出庫室3を備えた機械式駐車場設備であれば、他の様々な形式のものに適用することができる。
【0026】
立体駐車場1は、複数の車両Vを収容可能なタワー型の駐車塔2を備えている。この駐車塔2の地上階部分は、
図2にも示すように車両Vを入出庫させる入出庫室3となっており、その入口が入出庫口4となっていて、例えば上下方向にスライド開閉する形式の入出庫扉5により開閉されるようになっている。
図1に示すように、入出庫室3の床面には車両Vの方向を転換させるターンテーブル7が設置されている。ターンテーブル7は、入出庫室3の床面に形成された凹状のピット8内に旋回板9と旋回駆動部10とが設けられた構成である。
【0027】
駐車塔2の中心部には鉛直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(搬送機構)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔2の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる4本のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0028】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両Vを積載するための鋼板プレス製のパレットPが1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0029】
リフト14と各車両格納棚17との床面には、両者14,17の高さが一致した時に、空荷のパレットP、または車両Vが積載されたパレットPを、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。リフト14によって入出庫室3に降ろされたパレットPはターンテーブル7上に載置され、入出庫室3の床面レベルと同一高さとなる。車両Vの向きが変えられる時は、旋回駆動部10がパレットPごとターンテーブル7を上方に持ち上げて回転させる。
【0030】
車両Vの入庫時は、まずリフト14が空のパレットPを保有している車両格納棚17まで上昇して空のパレットPを受け取り、これを入出庫室3に降ろす。このパレットPに車両Vが乗り上げ、この車両Vが搭載されたパレットPがターンテーブル7によって90°方向転回された後、リフト14で昇降通路13を上昇し、車両格納棚17に収容される。
【0031】
また、出庫時は、出庫する車両Vが収容されている車両格納棚17の高さまでリフト14が上昇し、パレットPごと出庫車両Vがリフト14に引き取られ、そのままパレットPはリフト14によって入出庫室3に降ろされ、出庫車両Vが入出庫口4から出庫する。
【0032】
図2は入出庫室3を示す斜視透視図であり、
図3は入出庫室3の平面図である。外側から見て、例えば入出庫口4に向かって左側に非常用出入口20があり、入出庫口4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、入出庫口4に向かって右側に操作盤22が設けられている。この操作盤22は、ユーザー各自が自身の認証および立体駐車場1の操作を行うものである。
【0033】
入出庫室3内において、パレットPの置かれた範囲が車両Vを停車させる所定範囲の停車枠となる。例えばパレットPを用いない立体駐車場の場合、即ちリフトや搬送機によって車両Vが直接搬送されるような場合には、パレットPに代わる停車枠が入出庫室3の床面に設定される。いずれにしても、この停車枠を超える大きさの車両Vは入庫を許可されない。
【0034】
入出庫口4はパレットPに対して車両進入方向Sの後方に位置し、パレットPの前方、即ち入出庫口4の正面の壁に車両Vの位置をユーザー(ドライバー)が確認するための鏡24と、車両Vの入庫時に「前進」、「停車」、「後退」の指示を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。また、入出庫室3の両側面の壁には、車両Vの前後位置を検知するための前後位置検知センサ27と、車両Vの高さおよび前後輪郭のはみ出しを検知する形状検知センサ28と、人感センサ29等が設けられている。
【0035】
また、車両Vの車幅検知および側面のはみ出し検知は、本発明に係る車幅検知装置33によって行われる。車幅検知装置33は、パレットP(停車枠)に停車した車両Vの車幅検知および側面からのドアやドアミラー等のはみ出しを検知するものであり、入出庫扉5の内面下部の左右両端付近に設置された左右一対の光電センサ部材34と、入出庫口4の正面の壁において鏡24の両側に設置された左右一対の反射部材35とを備えて構成されている。
【0036】
即ち、パレットPにおける車両進入方向Sに沿う側辺Pa,Pbの前後方向一方側(ここでは後方側)に光電センサ部材34が設置され、側辺Pa,Pbの前後方向他方側(ここでは前方側)に反射部材35が設置されている。この前後位置関係を逆にすることも考えられるが、光電センサ部材34をパレットPに対して後方側(入出庫扉5側)に設けることにより、本実施形態のように光電センサ部材34を入出庫扉5に直接、または後述の変形例で説明するように間接的に設置して入出庫扉5の開閉動作に連動させることができる。
【0037】
入出庫扉5に設けられた光電センサ部材34は、投・受光器内蔵型のものであり、入出庫扉5の開閉動作に連動して上下方向に移動し、パレットPの側辺Pa,Pbに沿う検知光Lを反射部材35に向かって投光する。即ち、
図4に示すように入出庫扉5が開いている時において光電センサ部材34はパレットP上に停車した車両Vの最上部よりも高い位置(例えば2メートル程度)にあり、
図5に示すように入出庫扉5が閉じている時において光電センサ部材34は車両Vの車体よりも低い位置にある。
【0038】
図3に示すように、左右の光電センサ部材34の間隔(照射される検知光Lの間隔)と、左右の反射部材35の間隔(幅中心間隔)は同一とされ、この間隔は、パレットPにおける車両進入方向Sに沿う側辺Pa,Pbの幅と同じか、それよりもやや狭目に設定されている。この
図3に示すように、パレットPの四辺のうち、前後の二辺の内側に沿うように前後位置検知センサ27の検知光Rが通過する。
【0039】
一方、反射部材35は、鉛直方向に延びる帯状をなしているため、光電センサ部材34の上下位置に拘わらず、光電センサ部材34が投光する検知光Lを光電センサ部材34に向かって反射し続けることができる。この反射部材35の表面材質としては再帰性反射材が好適である。再帰性反射材は、検知光Lの入射方向に対して厳密に直角でなくても検知光Lを光電センサ部材34に向かって反射することができるため、反射部材35の取り付け精度が多少低下しても問題ない。
【0040】
以上のように構成された立体駐車場1において、車両Vを入庫させる時は、車両Vのユーザー(ドライバー)が操作盤22を手動、または車内から専用リモコンにより操作して認証を行う。これにより自動的にリフト14が起動して空のパレットPが入出庫室3に搬送され、入出庫扉5が開かれる。ユーザーは車両Vを入出庫室3内に乗り入れ、停車位置指示灯25の指示に従ってパレットP上に車両Vを停車させた後、降車して車両Vのドアやトランクリッドが閉じられ、ドアミラーが折り畳まれているか、入出庫室3内が無人であるか等を確認して入出庫室3から退出し、操作盤22を操作して入出庫扉5を閉じる。
【0041】
パレットPの上に停車した車両Vの車幅検知および側面のはみ出し検知が車幅検知装置33によって行われるのは、入出庫扉5が閉じられる時である。即ち、
図4、
図5に示すように、入出庫扉5の内面下部に設置された光電センサ部材34が、入出庫扉5の閉動作に連動して上方から下方に移動しながら検知光Lを反射部材35に向かって投光し、反射部材35によって反射された検知光Lを受光する。
【0042】
このように、光電センサ部材34が上方から下方に移動しながら検知光Lの線を動かす(走査する)ことにより、
図6に示すように、パレットPの側辺Pa,Pbに沿う鉛直なカーテン状の検知面Dが形成される。例えば車両Vのドアやドアミラー等が開いていれば、このようなはみ出し物が検知面Dに交差することによって検知光Lが遮光され、光電センサ部材34は検知光Lの反射光を受光できなくなるため、はみ出しがあることが認識され、入庫動作が中断される。具体的には、閉じかけていた入出庫扉5が再び開かれ、車両Vのユーザーに対して音声および操作盤22の表示や図示しないモニター表示により警告が発せられる。したがって、ユーザーは車両Vの状態を確認して修正することができる。
【0043】
なお、入出庫扉5が閉じる動作は、専用の認証媒体(専用リモコン等)を携帯しているユーザーが操作盤22の近傍に居ることが条件とされている。入出庫扉5が閉じている最中にユーザーが操作盤22から離れると、入出庫扉5が再開扉されて警報が発せられるようになっている。これは、入出庫扉5が閉じる際に入出庫室3内が完全に無人であることをユーザー自身に確認させるためである。このため、入出庫扉5が閉じている最中にはみ出し物が検知されれば、近傍に居るユーザーが確実に対処することができ、他のユーザーに迷惑が及ぶことはない。
【0044】
この車幅検知装置33の場合、車両Vの一側面あたり1つの投・受光器内蔵型の光電センサ部材34と、1つの反射部材35とを用いるだけで、車両Vの一側面に
図6に示すカーテン状の検知面Dを形成し、車両Vの側面全体をくまなく検知することができる。しかも、入出庫扉5の内面下部に設置された光電センサ部材34は、入出庫扉5の上下開閉動作に連動して上下方向に移動するため、光電センサ部材34を上下動させるための専用の動力を一切必要としない。したがって、車幅検知装置33を非常に簡素で信頼性が高く、且つ安価な構成とすることができる。
【0045】
さらに、この車幅検知装置33による車幅検知および側面のはみ出し検知は、上記のように入庫時の最終段階で入出庫扉5が閉じられる時に実行されるため、例えば車両Vのユーザーが降車する時に同乗者がドアを閉め忘れてしまったり、降車後にキーレスリモコンの誤操作によりドアミラーが開いてしまったりした場合であっても、これを確実に検知することができる。このため、ドアやドアミラー等がはみ出したままでリフト14等の搬送機構が起動してしまうことを防止し、安全性を保つことができる。
【0046】
[第1変形例]
次に、本発明の第1変形例について説明する。
図7は、本発明の第1変形例を示す入出庫扉40およびセンサ駆動機構41の斜視図であり、入出庫扉40が閉じた状態を示している。また、
図8は、同じく入出庫扉40が開いた状態を示している。いずれも入出庫室3側から見たものである。
【0047】
この第1変形例において、入出庫扉40は水平方向に開閉する形式(両引き)である。このため、入出庫扉40の内面に、
図1〜
図5に示すように光電センサ部材34を直接取り付けてしまうと、入出庫扉40の開閉とともに光電センサ部材34により投光される検知光Lの光軸が反射部材35に対して水平方向にずれてしまい、車幅検知および側面のはみ出し検知を行うことができなくなる。そこで、入出庫扉40の水平方向への動きを光電センサ部材34の上下方向への動きに変換するセンサ駆動機構41が設けられている。
【0048】
入出庫扉40は、その幅方向の内側に位置する左右一対の高速開閉扉40aと、幅方向の外側に位置する左右一対の低速開閉扉40bとを備えた構成である。高速開閉扉40aは、一次開閉駆動部43により開閉駆動される。一次開閉駆動部43は、入出庫扉40の全スパンの一側に位置する電動モータ44に設けられた原動側スプロケット46と、全スパンの他側に位置する従動側スプロケット47との間にチェーン45が巻回された構成である。
【0049】
例えば、チェーン45の下側のチェーンラインに連結板50を介して左側の高速開閉扉40aが連結され、チェーン45の上側のチェーンラインに連結板51を介して右側の高速開閉扉40aが連結されている。そして、電動モータ44が図中で反時計回りに回ると左右の高速開閉扉40aが閉じられ(
図7参照)、電動モータ44が時計回りに回ると左右の高速開閉扉40aが開かれる(
図8参照)。
【0050】
さらに、左右の高速開閉扉40aの動きが、それぞれ一対の二次開閉駆動部53によって左右の低速開閉扉40bに減速伝達される。これにより、高速開閉扉40aの開閉速度および開閉距離に対して低速開閉扉40bの開閉速度および開閉距離が1/2に設定される。この二次開閉駆動部53も一次開閉駆動部43と同様チェーンドライブである。これら高速開閉扉40a、低速開閉扉40b、一次開閉駆動部43、二次開閉駆動部53の構成は全て周知のものである。
【0051】
一方、センサ駆動機構41は、入出庫扉40(入出庫口4)の上方の壁部等に固定された左右一対の鉛直なガイドレール55と、これらのガイドレール55に摺動自在に支持される鉛直な棒状のセンサガイド部材56と、センサガイド部材56の一側面に形成されたラックギア56aと、このラックギア56aに噛み合うピニオンギア57と、このピニオンギア57に重ねて固定されて一体化されたスプロケット58とを備えて構成されている。スプロケット58は一次開閉駆動部43のチェーン45の上側のチェーンラインと下側のチェーンラインとに噛み合うように軸支されている。
【0052】
左右のセンサガイド部材56の長さはガイドレール55の長さよりも長く、その下端にそれぞれ光電センサ部材34が固定されている。光電センサ部材34の種類、投光方向、動作等は前記実施形態の光電センサ部材34と同様である。
図7に示すように入出庫扉40が閉じている時には光電センサ部材34の高さが
図6に示す最下位置となっている。入出庫扉40が開くにつれて光電センサ部材34の高さが高くなり、
図8に示すように入出庫扉40が開いた時には光電センサ部材34の高さが
図6に示す最上位置(例えば床から2メートル程度)となるように、予めガイドレール55の位置や長さ、およびピニオンギア57、スプロケット58の歯数が設定されている。
【0053】
このように構成されたセンサ駆動機構41を設けることで、入出庫扉40が水平方向に開閉する形式であっても、比較的簡素な構成により、入出庫扉40の動きを利用して光電センサ部材34を上下動させ、検知光Lを上下に動かすことによって鉛直なカーテン状の検知面D(
図6参照)を形成し、車両Vのドアやドアミラー等のはみ出しを確実に検知することができる。
【0054】
また、入出庫扉40が開くにつれて光電センサ部材34が上昇し、入出庫扉40が閉じるにつれて光電センサ部材34が下降するため、入出庫扉40が開いた時には光電センサ部材34が上昇しており、入出庫口4から出入りするユーザー等にとって光電センサ部材34が邪魔にならない。また、光電センサ部材34の破損や汚損を防止することができる。
【0055】
[第2変形例]
次に、本発明の第2変形例について説明する。
図9は、本発明の第2変形例を示す入出庫扉40およびセンサ駆動機構61の斜視図であり、入出庫扉40が閉じた状態を示している。また、
図10は、同じく入出庫扉40が開いた状態を示している。いずれも入出庫室3側から見たものである。この第2変形例における入出庫扉40と一次開閉駆動部43と二次開閉駆動部53は第1変形例のものと同一であるため、各部に同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
センサ駆動機構61は、左右一対のセンサ吊持チェーン62と、このセンサ吊持チェーン62を誘導する第1および第2のガイドスプロケット63,64とを備えている。なお、
図9、
図10には右側の光電センサ部材34のセンサ吊持チェーン62のみが示されている。第1のガイドスプロケット63は左側の高速開閉扉40aの上方に軸支され、第2のガイドスプロケット64は右側の高速開閉扉40aの上方に軸支されている。センサ吊持チェーン62は、その一端が右側の高速開閉扉40aの連結板51に接続され、ここから第1のガイドスプロケット63を回ってUターンし、第2のガイドスプロケット64を回って下方に垂下し、他端が光電センサ部材34に接続されている。左側の光電センサ部材34に繋がるセンサ吊持チェーン62も同様に配設されている。
【0057】
このように構成されたセンサ駆動機構61において、
図9に示すように入出庫扉40が閉じている時には左右の光電センサ部材34の高さが
図6に示す最下位置となっている。入出庫扉40が開くにつれ、高速開閉扉40aの連結板51に接続されたセンサ吊持チェーン62が引っ張られるため光電センサ部材34の高さは徐々に高くなり、
図10に示すように入出庫扉40が開いた時には光電センサ部材34の高さが
図6に示す最上位置となる。このようにして、入出庫扉40の水平方向への動きを光電センサ部材34の上下方向の動きに変換することができる。このセンサ駆動機構61は、第1変形例のセンサ駆動機構41よりも簡素な構造とすることができる。
【0058】
以上、上記実施形態にて説明したように、本発明に係る車幅検知装置33、これを備えた立体駐車場1(機械式駐車場設備)によれば、簡素で安価な構成により、最終的に入出庫扉5,40が閉じられるまで入庫車両Vの車幅および側面のはみ出し検知を確実に行うことができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
【0060】
例えば、上記実施形態では、本発明に係る車幅検知装置33を、パレットPを用いて車両Vを搬送するエレベータ式の立体駐車場1に適用した例について説明したが、これに限らず、例えばパレットを使用しないもの等、他の様々な形式の機械式駐車設備にも適用することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、車幅検知装置33を、車幅検知と、ドアやドアミラーのはみ出し検知との両方を行うものとして説明したが、例えば、光電センサ部材34の上下方向への移動幅を狭くし、ドアミラーのはみ出し検知のみを行うものとすることも考えられる。