(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保護膜は、前記コンタクトホールを介して露出した前記導電型領域上、及び前記パッシベーション膜の内側面の少なくとも一部上に接触して形成される、請求項1に記載の太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明がこのような実施例に限定されることはなく、多様な形態に変形可能であることは当然である。
【0012】
図面では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体にわたって同一又は極めて類似する部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために厚さ、広さなどを拡大又は縮小して図示したが、本発明の厚さ、広さなどは、図面に図示したものに限定されない。
【0013】
そして、明細書全体において、一つの部分が他の部分を「含む」としたとき、特別に反対の記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」あるとしたとき、これは、他の部分の「直ぐ上に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直ぐ上に」あるとしたときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池を示した断面図で、
図2は、
図1に示した太陽電池の部分後面平面図である。
【0015】
図1及び
図2を参照すると、本実施例に係る太陽電池100は、半導体基板10と、半導体基板10の一面(以下、「後面」という)上に形成されるトンネリング層20と、トンネリング層20上に位置する導電型領域32、34と、導電型領域32上に位置し、コンタクトホール46を備えるパッシベーション膜(以下、「後面パッシベーション膜」という)40と、コンタクトホール46の内部において導電型領域32、34上及びコンタクトホール46の内側面(すなわち、コンタクトホール46に隣接した後面パッシベーション膜40の側面)上に形成される保護膜41と、保護膜41を挟んで後面パッシベーション膜40のコンタクトホール46を介して導電型領域32、34に電気的に連結される電極42、44とを含む。ここで、導電型領域32、34は、第1導電型を有する第1導電型領域32と、第2導電型を有する第2導電型領域34とを備えており、電極42、44は、第1導電型領域32に連結される第1電極42と、第2導電型領域34に連結される第2電極44とを備えている。そして、太陽電池100は、半導体基板10の前面上に位置するパッシベーション膜(以下、「前面パッシベーション膜」という)24、反射防止膜26などをさらに含むことができる。以下では、これをより詳細に説明する。
【0016】
半導体基板10は、第2導電型ドーパントを相対的に低いドーピング濃度で含み、第2導電型を有するベース領域110を含むことができる。ベース領域110は、第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体で構成することができる。一例として、ベース領域110は、第2導電型ドーパントを含む単結晶又は多結晶半導体(一例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成することができる。特に、ベース領域110は、第2導電型ドーパントを含む単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウェハー、より具体的には、半導体シリコンウェハー)で構成することができる。このように、高い結晶性のために欠陥が少ないベース領域110又は半導体基板10を基盤にすると、電気的特性に優れる。
【0017】
第2導電型はp型又はn型であり得る。一例として、ベース領域110がn型を有すると、ベース領域110と共に、光電変換によってキャリアを形成する接合(一例として、トンネリング層20を挟んだpn接合)を形成するp型の第1導電型領域32を広く形成し、光電変換面積を増加させることができる。また、この場合は、広い面積を有する第1導電型領域32が、相対的に遅い移動速度を有する正孔を効果的に収集し、光電変換効率の向上にさらに寄与することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0018】
そして、半導体基板10は、半導体基板10の他面(以下、「前面」という)側に位置する前面電界領域(又は電界領域)130を含むことができる。前面電界領域130は、ベース領域110と同一の導電型を有しながらベース領域110より高いドーピング濃度を有することができる。
【0019】
本実施例においては、前面電界領域130が、半導体基板10に第2導電型を有するドーパントを相対的に高いドーピング濃度でドープして形成されたドーピング領域として構成された場合を例示した。これによって、前面電界領域130が第2導電型を有する結晶質(単結晶又は多結晶)半導体を含み、半導体基板10の一部を構成するようになる。一例として、前面電界領域130は、第2導電型を有する単結晶半導体基板(一例として、単結晶シリコンウェハー基板)の一部分を構成することができる。このとき、前面電界領域130のドーピング濃度は、同一の第2導電型を有する第2導電型領域34のドーピング濃度より小さくなり得る。
【0020】
しかし、本発明がこれに限定されることはない。したがって、半導体基板10と別個の半導体層(例えば、非晶質半導体層、微結晶半導体層、又は多結晶半導体層)に第2導電型ドーパントをドープすることによって前面電界領域130を形成することもできる。又は、前面電界領域130は、半導体基板10に隣接して形成された層(例えば、前面パッシベーション膜24及び/又は反射防止膜26)の固定電荷によってドープされたものと類似する役割をする電界領域として構成することもできる。例えば、ベース領域110がn型である場合は、前面パッシベーション膜24が固定負電荷を有する酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)で構成され、ベース領域110の表面に反転領域(inversion layer)を形成し、これを電界領域として用いることができる。この場合は、半導体基板10が別途のドーピング領域を備えずにベース領域110のみで構成され、半導体基板10の欠陥を最小化することができる。その他の多様な方法により、多様な構造の前面電界領域130を形成することができる。
【0021】
本実施例において、半導体基板10の前面はテクスチャ(texturing)され、ピラミッドなどの形態の凹凸を有することができる。半導体基板10に形成されたテクスチャリング構造は、半導体の特定の結晶面に沿って形成された外面を有する一定の形状(一例として、ピラミッド形状)を有することができる。このようなテクスチャリングによって半導体基板10の前面などに凹凸が形成され、表面粗さが増加すると、半導体基板10の前面を介して入射される光の反射率を低下させることができる。したがって、ベース領域110と第1導電型領域32によって形成されたpn接合まで到逹する光の量を増加させることができ、光の損失を最小化することができる。
【0022】
そして、半導体基板10の後面は、鏡面研磨などによって前面より低い表面粗さを有する相対的に滑らかで且つ平坦な面からなり得る。本実施例のように、半導体基板10の後面側に第1及び第2導電型領域32、34が共に形成される場合は、半導体基板10の後面の特性によって太陽電池100の特性が大きく変わり得る。これによって、半導体基板10の後面にはテクスチャリングによる凹凸を形成しないので、パッシベーション特性を向上させることができ、これによって太陽電池100の特性を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、場合によって、半導体基板10の後面にテクスチャリングによる凹凸を形成することもできる。その他の多様な変形も可能である。
【0023】
半導体基板10の後面上にはトンネリング層20を形成することができる。一例として、トンネリング層20は半導体基板10の後面に接触して形成され、構造を単純化し、トンネリング効果を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0024】
トンネリング層20は電子及び正孔に一種のバリア(barrier)として作用し、少数のキャリア(minority carrier)が通過することを防止し、トンネリング層20に隣接した部分で蓄積された後で一定以上のエネルギーを有する多数のキャリア(majority carrier)のみがトンネリング層20を通過できるようにする。このとき、一定以上のエネルギーを有する多数のキャリアは、トンネリング効果によってトンネリング層20を容易に通過することができる。また、トンネリング層20は、導電型領域32、34のドーパントが半導体基板10に拡散することを防止する拡散バリアとしての役割をすることができる。このようなトンネリング層20は、多数のキャリアのトンネリングが可能な多様な物質を含み得るが、一例として、酸化物、窒化物、半導体、伝導性高分子などを含むことができる。例えば、トンネリング層20は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、真性非晶質シリコン、真性多結晶シリコンなどを含むことができる。特に、トンネリング層20は、シリコン酸化物を含むシリコン酸化物層として構成することができる。これは、シリコン酸化物層は、パッシベーション特性に優れ、キャリアのトンネリングが容易な膜であるためである。
【0025】
このとき、トンネリング層20は、半導体基板10の後面に全体的に形成することができ、これによって、別途のパターニングなしで容易に形成することができる。
【0026】
トンネリング効果を十分に具現できるように、トンネリング層20の厚さは後面パッシベーション膜40の厚さより小さくなり得る。一例として、トンネリング層20の厚さが5nm以下(より具体的には、2nm以下、一例として、0.5nm〜2nm)であり得る。トンネリング層20の厚さTが5nmを超えると、トンネリングが円滑に起こらないので太陽電池100が作動しないおそれがあり、トンネリング層20の厚さが0.5nm未満であると、所望の品質のトンネリング層20を形成しにくいおそれがある。トンネリング効果をより向上させるためには、トンネリング層20の厚さが2nm以下(より具体的には0.5nm〜2nm)であり得る。このとき、トンネリング効果をさらに向上させるためには、トンネリング層20の厚さが0.5nm〜1.2nmであり得る。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、トンネリング層20の厚さは多様な値を有することができる。
【0027】
トンネリング層20上には導電型領域32、34を含む半導体層30が位置し得る。一例として、半導体層30はトンネリング層20に接触して形成され、構造を単純化し、トンネリング効果を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0028】
本実施例において、半導体層30は、第1導電型ドーパントを有して第1導電型を示す第1導電型領域32と、第2導電型ドーパントを有して第2導電型を示す第2導電型領域34とを含むことができる。第1導電型領域32と第2導電型領域34がトンネリング層20上で同一平面上に位置し得る。すなわち、第1及び第2導電型領域32、34とトンネリング層20との間に互いに同一に他の層が位置しないか、第1及び第2導電型領域32、34とトンネリング層20との間に他の層が位置する場合は、他の層は同一の積層構造を有することができる。そして、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間にこれらと同一平面上にバリア領域36が位置し得る。
【0029】
第1導電型領域32は、ベース領域110とトンネリング層20を挟んでpn接合(又はpnトンネル接合)を形成し、光電変換によってキャリアを生成するエミッタ領域を構成する。
【0030】
このとき、第1導電型領域32は、ベース領域110と反対の第1導電型ドーパントを含む半導体(一例として、シリコン)を含むことができる。本実施例では、第1導電型領域32が半導体基板10上(より明確には、トンネリング層20上)で半導体基板10と別個に形成され、第1導電型ドーパントがドープされた半導体層として構成される。これによって、第1導電型領域32は、半導体基板10上に容易に形成できるように半導体基板10と異なる結晶構造を有する半導体層として構成することができる。例えば、第1導電型領域32は、蒸着などの多様な方法によって容易に製造できる非晶質半導体、微結晶半導体、又は多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン)などに第1導電型ドーパントをドープすることによって形成することができる。第1導電型ドーパントは、半導体層を形成する工程で半導体層に共に含まれてもよく、又は、半導体層を形成した後で熱拡散法、イオン注入法などの多様なドーピング方法によって半導体層に含まれてもよい。
【0031】
このとき、第1導電型領域32は、ベース領域110と反対の導電型を示すことができる第1導電型ドーパントを含むことができる。すなわち、第1導電型ドーパントがp型である場合は、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。第1導電型ドーパントがn型である場合は、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。一例として、第1導電型ドーパントはp型を有するボロン(B)であり得る。
【0032】
第2導電型領域34は、後面電界(back surface field)を形成し、半導体基板10の表面(より正確には、半導体基板10の後面)で再結合によってキャリアが損失することを防止する後面電界領域を構成する。
【0033】
このとき、第2導電型領域34は、ベース領域110と同一の第2導電型ドーパントを含む半導体(一例として、シリコン)を含むことができる。本実施例では、第2導電型領域34は、半導体基板10上(より明確には、トンネリング層20上)で半導体基板10と別個に形成され、第2導電型ドーパントがドープされた半導体層として構成される。これによって、第2導電型領域34は、半導体基板10上に容易に形成できるように半導体基板10と異なる結晶構造を有する半導体層として構成することができる。例えば、第2導電型領域34は、蒸着などの多様な方法によって容易に製造できる非晶質半導体、微結晶半導体、又は多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン)などに第2導電型ドーパントをドープすることによって形成することができる。第2導電型ドーパントは、半導体層を形成する工程で半導体層に共に含まれてもよく、又は、半導体層を形成した後で熱拡散法、イオン注入法などの多様なドーピング方法によって半導体層に含まれてもよい。
【0034】
このとき、第2導電型領域34は、ベース領域110と同一の導電型を示すことができる第2導電型ドーパントを含むことができる。すなわち、第2導電型ドーパントがn型である場合は、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。第2導電型ドーパントがp型である場合は、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。一例として、第2導電型ドーパントがn型を有するリン(P)であり得る。
【0035】
そして、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間にバリア領域36が位置し、第1導電型領域32と第2導電型領域34とを互いに離隔させる。第1導電型領域32と第2導電型領域34が互いに接触する場合はシャント(shunt)が発生し、太陽電池100の性能を低下させ得る。これによって、本実施例では、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間にバリア領域36を位置させ、不要なシャントを防止することができる。
【0036】
バリア領域36は、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間でこれらを実質的に絶縁できる多様な物質を含むことができる。すなわち、バリア領域36には、ドープされていない(すなわち、アンドープ)絶縁物質(一例として、酸化物、窒化物)などを使用することができる。又は、バリア領域36が真性(intrinsic)半導体を含むこともできる。このとき、第1導電型領域32及び第2導電型領域34とバリア領域36は、互いに側面が接触しながら連続的に形成される同一の半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン)で構成され、バリア領域36は実質的にドーパントを含まないi型(真性)半導体物質であり得る。一例として、半導体物質を含む半導体層を形成した後、半導体層の一部領域に第1導電型ドーパントをドープすることによって第1導電型領域32を形成し、他の領域の一部に第2導電型ドーパントをドープすることによって第2導電型領域34を形成すると、第1導電型領域32及び第2導電型領域34が形成されていない領域がバリア領域36を構成するようになる。これによると、第1導電型領域32、第2導電型領域34及びバリア領域36の製造方法を単純化することができる。
【0037】
しかし、本発明がこれに限定されることはない。よって、バリア領域36を第1導電型領域32及び第2導電型領域34と別途に形成した場合は、バリア領域36の厚さが第1導電型領域32及び第2導電型領域34の厚さと異なり得る。一例として、第1導電型領域32及び第2導電型領域34のショートをより効果的に防止するために、バリア領域36が第1導電型領域32及び第2導電型領域34より厚い厚さを有することもできる。又は、バリア領域36を形成するための原料を節減するために、バリア領域36の厚さを第1導電型領域32及び第2導電型領域34の厚さより小さくすることもできる。その他の多様な変形が可能であることは当然である。また、バリア領域36の基本構成物質が第1導電型領域32及び第2導電型領域34と異なる物質を含むこともできる。
【0038】
そして、本実施例では、バリア領域36が第1導電型領域32と第2導電型領域34との間を全体的に離隔させる場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されることはない。したがって、バリア領域36は、第1導電型領域32及び第2導電型領域34の境界部分の一部のみを離隔させるように形成することもできる。これによると、第1導電型領域32及び第2導電型領域34の境界の他の一部は互いに接触することもできる。
【0039】
ここで、ベース領域110と同一の導電型を有する第2導電型領域34の面積より、ベース領域110と異なる導電型を有する第1導電型領域32の面積を広く形成することができる。これによって、ベース領域110と第1導電型領域32との間でトンネリング層20を通じて形成されるpn接合をより広く形成することができる。このとき、ベース領域110及び第2導電型領域34がn型の導電型を有し、第1導電型領域32がp型の導電型を有する場合、広く形成された第1導電型領域32によって相対的に遅い移動速度を有する正孔を効果的に収集することができる。このような第1導電型領域32、第2導電型領域34及びバリア領域36の平面構造は、
図2を参照して後で詳細に説明する。
【0040】
半導体基板10の後面において、第1及び第2導電型領域32、34及びバリア領域36上に後面パッシベーション膜40を形成することができる。一例として、後面パッシベーション膜40は第1及び第2導電型領域32、34及びバリア領域36に接触して形成され、構造を単純化することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0041】
後面パッシベーション膜40は、導電型領域32、34と電極42、44との電気的連結のためのコンタクトホール46を備える。コンタクトホール46は、第1導電型領域32と第1電極42との連結のための第1コンタクトホール461と、第2導電型領域34と第2電極44との連結のための第2コンタクトホール462とを備える。これによって、後面パッシベーション膜40は、第1導電型領域32及び第2導電型領域34が連結されてはならない電極(すなわち、第1導電型領域32の場合は第2電極44、第2導電型領域34の場合は第1電極42)と連結されることを防止する役割をする。また、後面パッシベーション膜40は、第1及び第2導電型領域32、34及び/又はバリア領域36をパッシベートするという効果を有することができる。
【0042】
半導体層30上で電極42、44が位置しない部分に後面パッシベーション膜40が位置し得る。後面パッシベーション膜40は、トンネリング層20より厚い厚さを有することができる。これによって、絶縁特性及びパッシベーション特性を向上させることができる。その他の多様な変形が可能である。
【0043】
一例として、本実施例において、前面パッシベーション膜24及び/又は反射防止膜26、後面パッシベーション膜40は、優れた絶縁特性、パッシベーション特性などを有し得るようにドーパントなどを備えなくてもよい。
【0044】
本実施例において、後面パッシベーション膜40は、導電型領域32、34及びバリア領域36(又は半導体層30)上に位置(一例として、接触)する第1層40aと、第1層40a上に位置し、第1層40aと異なる物質を含む第2層40bとを含むことができる。そして、コンタクトホール46は、第1層40aに形成された第1コンタクトホール部46aと、第2層40bに形成され、第1コンタクトホール部46aに対応する位置に形成され、第1コンタクトホール部46aと連通する第2コンタクトホール部46bとを含むことができる。本実施例において、第1コンタクトホール部46aと第2コンタクトホール部46bは別個の物質を有する第1層40aと第2層40bで別個の工程によって形成されるので、別個のサイズ、形状などを有することができる。これに対しては後で詳細に説明する。
【0045】
このとき、第2コンタクトホール部46bはレーザーエッチングによって形成することができ、第1コンタクトホール部46aは湿式エッチングによって形成することができる。そうすると、第1層40aに形成される第1コンタクトホール部46aは、第2層40bに形成される第2コンタクトホール部46bより大きい部分を含むことができる。これは、湿式エッチングを行うときに等方性エッチングによってアンダーカット(undercut)が発生したためであるが、これに対しては後で詳細に説明する。アンダーカットにより、第1コンタクトホール部46aのサイズは、導電型領域30に隣接した部分より第2層40bに隣接した部分でより大きくなり得る。より具体的には、第1コンタクトホール部46aのサイズは、導電型領域30に隣接した部分より第2層40bに隣接した部分まで向かって漸次大きくなり得る。また、第1コンタクトホール部46aの側面が曲面からなり、第1層40aの側面が凹状の曲面からなり得る。これによって、第1コンタクトホール部46aの側面と第2コンタクトホール部46bの側面との間には段差が形成され得る。すなわち、第1層40aの側面より第2層40bの側面がコンタクトホール46の内部に向かって突出し、第2層40bの側面より第1層40aの側面が凹状に又は後退して位置する部分を備えることができる。このような段差により、第2層40bの側面に位置(一例として、接触)した保護膜41と電極42、44との間に空間Vが位置し得るが、これに対しては後で詳細に説明する。
【0046】
一例として、第2コンタクトホール部46bの内側面は、導電型領域32、34の上面又は下面に直角又はこれと類似する角度を有するように傾斜した平面を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0047】
このとき、導電型領域32、34及びバリア領域36上で導電型領域32、34及びバリア領域36と第2層40bとの間に位置(一例として、接触)する第1層40aは、第2層40bに第2コンタクトホール部46bを形成するときに発生し得る導電型領域32、34の損傷を防止する役割をする。本実施例と異なり、第1層40aが存在しないと、エッチングなどによって第2層40bを貫通するように第2層40bの一部分を除去することによって第2コンタクトホール部46bを形成するとき、第2層40bの下側に位置する導電型領域32、34の一部も除去されたり、導電型領域32、34の特性が低下し得る。このように導電型領域32、34に損傷が発生すると、太陽電池100の特性及び効率が低下する。これによって、本実施例では、導電型領域32、34上に第2層40bを除去するときに除去されない第1層40aを位置させ、第2層40bを除去する物質、物体などを第1層40aに接触させ、導電型領域32、34には接触させない。これによって、導電型領域32、34の損傷を根本的に防止することができる。
【0048】
コンタクトホール46の形成時に第2層40bは除去され、第1層40aは除去されない状態で残存しなければならない。このために多様な方法を使用できるが、一例として、コンタクトホール46の形成時にレーザーエッチングを用いる場合は、第1層40aと第2層40bのバンドギャップを互いに異ならせることができる。すなわち、第1層40aのバンドギャップが導電型領域32、34及び第2層40bのバンドギャップより大きく、レーザーエッチングに使用されるレーザーのバンドギャップが第2層40bのバンドギャップと第1層40aのバンドギャップとの間の値を有することができる。レーザーのバンドギャップは、レーザーの波長と関連するので、レーザー波長から換算された値を使用することができる。そうすると、レーザーのバンドギャップより小さいバンドギャップを有する第2層40bはレーザーによって溶けて除去され、レーザーのバンドギャップより大きいバンドギャップを有する第1層40aはレーザーを透過させ、そのまま残存するようになる。これによって、レーザーエッチングを行うときに第2層40bにコンタクトホール46が形成され、第1層40aはそのまま残存したり、レーザーエッチング跡のみが形成され得る。
【0049】
参照までに、導電型領域32、34が多結晶半導体層を含む場合、導電型領域32、34のバンドギャップは約1.12eVのバンドギャップを有し、第2層40bと同じであるかこれより小さいバンドギャップを有するようになる。したがって、第1層40aを備えない場合は、第2層40bのエッチングを行うときに導電型領域32、34の一部のエッチングも行われ、導電型領域32、34の損傷が発生し得る。その一方、本実施例では、導電型領域32、34より大きいバンドギャップを有する第1層40aを形成し、第2層40bのエッチングを行うときに導電型領域32、34のエッチングが行われないように保護することができる。
【0050】
例えば、第1層40aのバンドギャップは3eV以上のバンドギャップを有することができ、第2層40bは、3eVより小さいバンドギャップを有することができる。より具体的に、第1層40aのバンドギャップは5eV以上(例えば、5eV〜10eV)であり、第2層40bのバンドギャップは0.5eV以上、3eV未満であり得る。これは、レーザーエッチングを行うときに使用されるレーザーの波長を考慮したものであるが、レーザーの波長が変わると、上述した値も変わり得る。レーザーエッチングを行うときに使用されるレーザーに対しては、製造方法でより詳細に説明する。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0051】
バンドギャップを調節する方法としては多様な方法が使用できるが、本実施例では、物質によってバンドギャップが異なることを考慮して、第1層40a及び第2層40bの物質を互いに異ならせることができる。例えば、第1層40aは、相対的に高いバンドギャップを有する酸化物(例えば、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物など)又は非晶質シリコンなどを含むことができる。酸化物は、5eV以上の高いバンドギャップ(概して8eV〜9eV)を有するので、レーザーエッチングなどがあるとしてもエッチングされない状態で残存し得る。非晶質シリコンも3eV以上のバンドギャップを有し、レーザーエッチングによってエッチングされない状態で残存し得る。第1層40aは、単一膜又は2個以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。
【0052】
第2層40bは、相対的に小さいバンドギャップを有する窒化物、炭化物(例えば、シリコン窒化物又はシリコン炭化物など)を使用することができる。このようなシリコン窒化物又はシリコン炭化物は、組成によって多少差はあるが、概して3eV未満(例えば、0.5eV〜3eV)のバンドギャップを有する。第2層40bは、単一膜又は2個以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。
【0053】
第1層40aは、第2コンタクトホール部46bを形成するときにエッチング又は損傷しない厚さを有することができる。これによって、第1層40aは、トンネリング層20及び保護膜41より厚い厚さを有することができる。第1層40aは、第2コンタクトホール部46bを形成するときにエッチング又は損傷しない厚さを有すれば十分であり、過度に大きい厚さを有すると工程時間が長くなるなどの問題がある。これを考慮して、第1層40aは導電型領域32、34より薄い厚さを有し、第2層40bと同じかそれより薄い厚さを有することができる。ここで、第1層40aが第2層40bより薄い厚さを有することができる。
【0054】
一例として、第1層40aの厚さが5nm〜100nmであり得る。第1層40aの厚さが5nm未満であると、第2コンタクトホール部46bを形成するときに導電型領域32、34を効果的に保護しにくいおそれがある。第1層40aの厚さが100nmを超えると、製造工程時間が増加し、生産性が低下し得る。導電型領域32、34をより効果的に保護しながら工程時間を減少させるために、第1層40aの厚さが10nm〜50nm(一例として、10nm〜30nm)であり得る。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、第1層40aが多様な厚さを有することができる。
【0055】
第1層40aに形成される第1コンタクトホール部46aは、2コンタクトホール部46bを形成した後で第2コンタクトホール部46bを形成する工程と異なる工程で形成することができる。上述したように、第2コンタクトホール部46bを形成する工程などで導電型領域32、34の損傷を防止するために、第1層40aが一定の値以上の厚さを有するようになる。したがって、このような第2コンタクトホール部46bの下部に第1層40aをそのまま残存させた状態で導電型領域32、34と電極42、44とを電気的に連結すると、第1層40aの厚さによって導電型領域32、34と電極42、44との間の電気的連結特性が低下し得る。これを考慮して、本実施例では、第1層40aにも第2コンタクトホール部46bが位置する部分に第1コンタクトホール部46aを形成する。導電型領域32、34で発生する損傷、特性の低下などを最小化するために、第1コンタクトホール部46aを形成する工程は第2コンタクトホール部46bを形成する工程と異なる工程で行うことができる。これに対しては後で詳細に説明する。
【0056】
これによって、第1コンタクトホール部46a及び第2コンタクトホール部46bを含むコンタクトホール46が後面パッシベーション膜40を貫通して形成される。
【0057】
後面パッシベーション膜40のコンタクトホール46の内部では、導電型領域32、34と電極42、44との間に保護膜41が位置する。後面パッシベーション膜40にコンタクトホール46が貫通して形成されるので、保護膜41が位置しないと、コンタクトホール46が形成された部分で後面パッシベーション膜40が存在せず、その結果、パッシベーション特性が低下し得る。これを防止するために、本実施例では、コンタクトホール46の内部において導電型領域32、34上に保護膜41が位置する。これによって、コンタクトホール46の存在によって発生し得るパッシベーション特性の低下を効果的に防止することができる。
【0058】
そして、保護膜41は、コンタクトホール46を形成した後で行われる多様な工程で導電型領域32、34が損傷することを防止することができる。例えば、コンタクトホール46内にスパッターなどの方法で電極42、44を形成すると、コンタクトホール46によって露出した表面がプラズマに露出する。このとき、本実施例と異なり、保護膜41を備えていないと、導電型領域32、34がプラズマに直接露出し、表面損傷が発生し得る。その一方、本実施例のように保護膜41を備えると、保護膜41により、導電型領域32、34がプラズマに露出したり、プラズマが発生することを防止することができる。また、保護膜41は、導電型領域32、34の表面をパッシベートする役割をし、パッシベーション特性を向上させることができる。
【0059】
このような保護膜41は、第1及び第2コンタクトホール部46a、46aを含むコンタクトホール46を形成した後で形成され、電極42、44のパターニングを行うときに共にパターン化することができる。そうすると、保護膜41は、電極42、44と後面パッシベーション膜40との間で電極42、44が形成された部分に全体的に形成することができる。
【0060】
より具体的には、保護膜41は、コンタクトホール46の底面(すなわち、コンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34の表面)に位置(一例として、接触)する部分と、コンタクトホール46の側面(すなわち、第1及び第2層40a、40bの側面)に位置(一例として、接触)する部分と、後面パッシベーション膜40の外面、又は広い表面(図面の下部面)上で電極42、44において後面パッシベーション膜40に対向する面と後面パッシベーション膜40との間に位置(一例として、接触)する部分とを含むことができる。上述した保護膜41の各部分は、互いに一体化されて連続的に形成される同一の層として構成することができる。このとき、電極42、44の側面と保護膜41の側面は互いに同一の平面上に形成することができる。これは、電極42、44を形成するためのパターニングを行うときに保護膜41のエッチングが共に行われ得るためである。
【0061】
このとき、導電型領域32、34と電極42、44が保護膜41を挟んで電気的に連結されるので、導電型領域32、34と電極42、44との間の電気的連結特性を向上させるために保護膜41を薄く形成することができる。すなわち、保護膜41は、後面パッシベーション膜40(より具体的には、第1層40a及び第2層40bのそれぞれ)より薄い厚さを有することができる。
【0062】
保護膜41は、後面パッシベーション膜40、より具体的には、第1層40a及び第2層40bのそれぞれより薄い厚さを有する。これは、後面パッシベーション膜40は十分なパッシベーション特性のために相対的に厚い厚さを有しなければならない一方、保護膜41は電気的連結特性を低下させないと共に導電型領域32、34を保護できる程度の薄い厚さを有すればよいためである。
【0063】
一例として、保護膜41は、トンネリング層20より薄い厚さを有することもできる。これによると、保護膜41が存在するとしても導電型領域32、34と電極42、44との電気的連結特性に優れる場合がある。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、保護膜41がトンネリング層20と同じかこれより厚い厚さを有することもできる。
【0064】
例えば、保護膜41の厚さが0.5nm〜2nm(一例として、0.5nm〜1.2nm)であり得る。保護膜41の厚さが0.5nm未満であると、均一な厚さで保護膜41を全体的に形成しにくく、保護膜41による効果が十分でない場合がある。保護膜41の厚さが2nmを超えると、導電型領域32、34と電極42、44との電気的連結特性が多少低下し得る。保護膜41の厚さを1.2nm以下にし、電気的連結特性をより向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、多様な変形が可能である。
【0065】
保護膜41は、簡単な工程によって容易に形成することができ、パッシベーション特性を向上させ、導電型領域32、34を保護できる物質で構成することができる。このとき、保護膜41は、後面パッシベーション膜40を構成する一部と異なる物質で構成することができる。本実施例において、保護膜41は第2層40bと異なる物質で構成することができる。
【0066】
一例として、保護膜41は酸化物で構成することができる。特に、保護膜41は、導電型領域32、34に含まれた半導体物質(一例として、シリコン)と酸素とが結合して形成されたシリコン酸化物で構成することができる。保護膜41が酸化物(特に、シリコン酸化物)を含むと、優れたパッシベーション特性を有し、化学的酸化(chemical oxidation)工程、熱酸化工程などによって容易に形成することができる。これに対しては製造方法でより詳細に説明する。
【0067】
半導体基板10の後面に位置する電極42、44は、第1導電型領域32に電気的及び物理的に連結される第1電極42と、第2導電型領域34に電気的及び物理的に連結される第2電極44とを含む。
【0068】
このとき、第1電極42は、後面パッシベーション膜40のコンタクトホール46の少なくとも一部を充填しながら形成され、保護膜41を挟んで第1導電型領域32に連結され、第2電極44は、後面パッシベーション膜40のコンタクトホール46の少なくとも一部を充填しながら形成され、第2導電型領域34に連結される。上述したように、後面パッシベーション膜40の第1層40aと第2層40bの側面(すなわち、コンタクトホール46の内側面)間に第1層40aのアンダーカットによる段差が位置し、化学的酸化工程などによって形成される保護膜41が第1層40a及び第2層40bの側面に密着して形成される。すなわち、保護膜41は、第1層40a及び第2層40bの側面に位置した段差、屈曲などをそのまま備えながら形成される。ところが、アンダーカットが形成された段差部分(すなわち、第1層40aの側面で凹状の部分)には電極42、44が完全に形成されない場合がある。したがって、第1層40a及びこれに密着して形成された保護膜41と電極42、44との間に空間Vがそのまま残存する場合もある。このような空間Vは特性に大きな問題を発生させなく、空間Vの存在により、第1層40aが湿式エッチングによって形成され、アンダーカットが形成されたことを確認することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。したがって、コンタクトホール46の側面で保護膜41と電極42、44との間に空間Vが全く形成されず、コンタクトホール46の側面で電極42、44が保護膜41上に密着(又は接触)して形成され得る。これに対しては
図5を参照して詳細に説明する。
【0069】
このとき、一例として、保護膜41は化学的酸化によって形成することができる。そして、導電型領域32、34、後面パッシベーション膜40の第1層40a及び第2層40bがそれぞれシリコンを含むので、シリコン酸化物を含む保護膜41は、化学的酸化によって導電型領域32、34上、第1層40a及び第2層40bの側面上、及び第2層40b上に全体的に形成することができる。このとき、第1層40a及び第2層40bのシリコンの比率が導電型領域32、34のシリコンの比率より小さいので、導電型領域32、34上に形成された保護膜41の厚さが第1層40aの側面上、第2層40bの側面上、及び第2層40bの外面上に形成された部分の厚さより大きくなり得る。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、保護膜41の厚さが均一なものも可能である。そして、化学的酸化によって保護膜41を形成するとき、後面パッシベーション膜40の第1層40a及び/又は第2層40bがシリコンを含まないと、この上には保護膜41が形成されない場合もある。保護膜41は、化学的酸化以外の多様な方法によって形成できるので、第1層40a及び/又は第2層40bがシリコンを含まないとしても、この上に均一な厚さで全体的に形成することもでき、その他の多様な変形が可能である。
【0070】
このような第1及び第2電極42、44には多様な金属物質を含むことができる。そして、第1及び第2電極42、44は互いに電気的に連結されないと共に、第1導電型領域32及び第2導電型領域34にそれぞれ連結されて生成されたキャリアを収集して外部に伝達できる多様な平面形状を有することができる。すなわち、本発明が第1及び第2電極42、44の平面形状に限定されることはない。
【0071】
以下では、
図1及び
図2を参照して、第1導電型領域32及び第2導電型領域34、バリア領域36、そして、第1及び第2電極42、44の平面形状の一例を詳細に説明する。
【0072】
図1及び
図2を参照すると、本実施例では、第1導電型領域32と第2導電型領域34はそれぞれストライプ形状をなすように長く形成されながら、長さ方向と交差する方向で交互に位置している。第1導電型領域32と第2導電型領域34との間にこれらを離隔させるバリア領域36が位置し得る。図面には示していないが、互いに離隔した複数の第1導電型領域32を一側縁部で互いに連結することができ、互いに離隔した複数の第2導電型領域34を他側縁部で互いに連結することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0073】
このとき、第1導電型領域32の面積が第2導電型領域34の面積より大きくなり得る。一例として、第1導電型領域32及び第2導電型領域34の面積はこれらの幅を異ならせることによって調節することができる。すなわち、第1導電型領域32の幅W1が第2導電型領域34の幅W2より大きくなり得る。
【0074】
そして、第1電極42が第1導電型領域32に対応してストライプ形状に形成され、第2電極44が第2導電型領域34に対応してストライプ形状に形成され得る。コンタクトホール46が第1及び第2電極42、44の一部のみを第1導電型領域32及び第2導電型領域34にそれぞれ連結するように形成されることも可能であることは当然である。例えば、コンタクトホール46を複数のコンタクトホールとして構成することができる。又は、コンタクトホール(
図1の参照符号46、以下同一)のそれぞれを第1及び第2電極42、44に対応して第1及び第2電極42、44の全体長さに形成される場合もある。これによると、第1及び第2電極42、44と第1導電型領域32及び第2導電型領域34との接触面積を最大化し、キャリア収集効率を向上させることができる。その他の多様な変形が可能である。そして、図面には示していないが、第1電極42を一側縁部で互いに連結して形成し、第2電極44を他側縁部で互いに連結して形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0075】
再び
図1を参照すると、半導体基板10の前面上(より正確には、半導体基板10の前面に形成された前面電界領域130上)に前面パッシベーション膜24及び/又は反射防止膜26が位置し得る。実施例によって、半導体基板10上に前面パッシベーション膜24のみを形成することもでき、半導体基板10上に反射防止膜26のみを形成することもでき、又は、半導体基板10上に前面パッシベーション膜24及び反射防止膜26を順次位置させることもできる。図面では、半導体基板10上に前面パッシベーション膜24及び反射防止膜26が順次形成され、半導体基板10が前面パッシベーション膜24と接触して形成される場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、半導体基板10が反射防止膜26に接触して形成されることも可能であり、その他の多様な変形が可能である。
【0076】
前面パッシベーション膜24及び反射防止膜26は実質的に半導体基板10の前面に全体的に形成され得る。ここで、全体的に形成されたことは、物理的に完璧に全て形成された場合のみならず、不可避的に一部除外された部分がある場合を含む。
【0077】
前面パッシベーション膜24は、半導体基板10の前面に接触して形成され、半導体基板10の前面又はバルク内に存在する欠陥を不動態化させる。これによって、少数のキャリアの再結合サイトを除去し、太陽電池100の開放電圧を増加させることができる。反射防止膜26は、半導体基板10の前面に入射される光の反射率を減少させる。これによって、ベース領域110と第1導電型領域32の界面に形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池100の短絡電流(Isc)を増加させることができる。このように前面パッシベーション膜24及び反射防止膜26によって太陽電池100の開放電圧と短絡電流を増加させ、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0078】
前面パッシベーション膜24及び/又は反射防止膜26は多様な物質で形成することができる。一例として、前面パッシベーション膜24及び/又は反射防止膜26は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、シリコン炭化膜、MgF
2、ZnS、TiO
2及びCeO
2からなる群から選ばれたいずれか一つの単一膜又は2個以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。一例として、前面パッシベーション膜24は、半導体基板10上に形成され、シリコン酸化膜であり得る。また、反射防止膜26は、シリコン窒化膜及びシリコン炭化膜が順次積層された構造を有することができる。
【0079】
本実施例に係る太陽電池100に光が入射されると、ベース領域110と第1導電型領域32との間に形成されたpn接合における光電変換によって電子と正孔が生成され、生成された正孔及び電子はトンネリング層20のトンネリングによってそれぞれ第1導電型領域32及び第2導電型領域34に移動した後、第1及び第2電極42、44に移動する。これによって電気エネルギーを生成するようになる。
【0080】
本実施例のように、半導体基板10の後面に電極42、44が形成され、半導体基板10の前面には電極が形成されない後面電極構造の太陽電池100においては、半導体基板10の前面におけるシェーディング損失(shading loss)を最小化することができる。これによって太陽電池100の効率を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0081】
そして、第1及び第2導電型領域32、34がトンネリング層20を挟んで半導体基板10上に形成されるので、半導体基板10と別個の層として構成される。これによって、半導体基板10にドーパントをドープすることによって形成されたドーピング領域を導電型領域として使用する場合より、再結合による損失を最小化することができる。
【0082】
また、後面パッシベーション膜40のコンタクトホール46の内部に保護膜41を形成し、保護膜41を挟んで導電型領域32、34と電極42、44とを連結してコンタクトホール46の内部におけるパッシベーション特性を向上させることができ、導電型領域32、34を保護することができる。そして、保護膜41を後面パッシベーション膜40と別個の工程で別個の層として形成し、保護膜41を後面パッシベーション膜40より薄い厚さに形成することができる。これによって、導電型領域32、34と電極42、44との電気的連結特性を優秀に維持することができる。このとき、後面パッシベーション膜40が別個の物質である第1層40a及び第2層40bを含み、第1層40aに形成された第1コンタクトホール部46aと第2層40bに形成された第2コンタクトホール部46bを別個の工程で形成し、コンタクトホール46の形成時に導電型領域32、34が損傷することを効果的に防止することができる。これによって、太陽電池100の効率を向上させることができる。
【0083】
上述した構造の太陽電池100の製造方法を
図3A〜
図3Nを参照して詳細に説明する。
図3A〜
図3Nは、本発明の実施例に係る太陽電池の製造方法を示した断面図である。
【0084】
まず、
図3Aに示したように、第2導電型ドーパントを有するベース領域110で構成される半導体基板10を準備する。本実施例において、半導体基板10は、n型のドーパントを有するシリコン基板(一例として、シリコンウェハー)からなり得る。n型のドーパントとしては、リン(P)、ヒ素(As)、ビズマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、ベース領域110がp型のドーパントを有することもできる。
【0085】
続いて、
図3Bに示したように、半導体基板10の後面にトンネリング層20を形成する。トンネリング層20は半導体基板10の後面に全体的に形成することができる。
【0086】
ここで、トンネリング層20は、一例として、熱的成長法、蒸着法(例えば、化学気相蒸着法(PECVD)、原子層蒸着法(ALD))などによって形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、多様な方法によって第1トンネリング層20を形成することができる。
【0087】
続いて、
図3C及び
図3Fに示したように、トンネリング層20上に第1導電型領域32、第2導電型領域34及び前面電界領域130を形成し、半導体基板10の前面にテクスチャリング構造を形成することができる。これをより具体的に説明すると、次の通りである。
【0088】
図3Cに示したように、トンネリング層20上に半導体層30を形成する。半導体層30は、微結晶質、非晶質、又は多結晶半導体で構成することができる。半導体層30は、一例として、熱的成長法、蒸着法(例えば、化学気相蒸着法(PECVD))などによって形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、多様な方法によって半導体層30を形成することができる。
【0089】
続いて、
図3Dに示したように、半導体層30に第1導電型領域32を形成する。例えば、第1導電型領域32に該当する領域にイオン注入法、熱拡散法、レーザードーピング法などの多様な方法によって第1導電型ドーパントをドープすることによって第1導電型領域32を形成することができる。
【0090】
続いて、
図3Eに示したように、半導体基板10の前面に凹凸を有するようにテクスチャすることができる。半導体基板10の表面のテクスチャリングとしては、湿式又は乾式テクスチャリングを使用することができる。湿式テクスチャリングは、テクスチャリング溶液に半導体基板10を浸漬することによって行うことができ、工程時間が短いという長所を有する。乾式テクスチャリングは、ダイヤモンドドリル又はレーザーなどを用いて半導体基板10の表面を切り取ることであって、凹凸を均一に形成できる一方、工程時間が長く、半導体基板10に損傷が発生し得る。その他に、反応性イオンエッチング(RIE)などによって半導体基板10をテクスチャすることもできる。このように、本発明においては、多様な方法で半導体基板10をテクスチャすることができる。
【0091】
本実施例においては、半導体層30を形成した後、半導体基板10の前面をテクスチャすることを例示した。しかし、本発明がこれに限定されることはない。よって、半導体層30を形成する前に、又は更に他の工程で半導体基板10の表面をテクスチャすることができる。
【0092】
続いて、
図3Fに示したように、半導体層30に第1導電型領域32、第2導電型領域34、及びバリア領域36を形成し、半導体基板10の前面に前面電界領域130を形成する。
【0093】
例えば、第2導電型領域34に該当する領域にイオン注入法、熱拡散法、レーザードーピング法などによる多様な方法によって第2導電型ドーパントをドープすることによって第2導電型領域34を形成することができる。そうすると、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間に位置した領域がバリア領域36を構成するようになる。そして、半導体基板10の前面にイオン注入法、熱拡散法、レーザードーピング法などの多様な方法によって第2導電型ドーパントをドープすることによって前面電界領域130を形成することができる。一例として、熱拡散法などによって第2導電型領域34と前面電界領域130を同時に形成し、工程を単純化することができる。
【0094】
しかし、本発明がこれに限定されることはなく、導電型領域32、34、バリア領域36及び前面電界領域130を形成する方法又は順序は多様に変形可能である。そして、バリア領域36を形成しないことも可能である。
【0095】
続いて、
図3Gに示したように、半導体基板10の前面にパッシベーション膜24及び反射防止膜26を順次形成する。すなわち、半導体基板10の前面上にパッシベーション膜24及び反射防止膜26を全体的に形成する。パッシベーション膜24及び反射防止膜26は、真空蒸着法、化学気相蒸着法、スピンコーティング、スクリーン印刷又はスプレーコーティングなどの多様な方法によって形成することができる。
【0096】
続いて、
図3Hに示したように、半導体基板10の後面に第1層40aを全体的に形成し、
図3Iに示したように、第1層40a上に第2層40bを全体的に形成する。すなわち、第1層40a及び第2層40bを含む後面パッシベーション膜40は、半導体基板10の後面上に第1及び第2導電型領域32、34を覆うように全体的に形成される。
【0097】
第1層40a及び第2層40bを含む後面パッシベーション膜40は、真空蒸着法、化学気相蒸着法、スピンコーティング、スクリーン印刷又はスプレーコーティングなどの多様な方法によって形成することができる。一例として、第1層40a及び第2層40bは、プラズマ化学気相蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD)によって形成することができ、同一のプラズマ化学気相蒸着装置内で連続的な工程で形成することができる。
【0098】
図面及び説明においては、前面パッシベーション膜24及び反射防止膜26を形成した後で後面パッシベーション膜40の第1層40a及び第2層40bを形成する場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、前面パッシベーション膜24、反射防止膜26、及び後面パッシベーション膜40の第1層40a及び第2層40bの形成順序は多様に変形可能である。
【0099】
続いて、
図3Jに示したように、第1層40aを残存させながら第2層40bに第2コンタクトホール部46bを形成する。第2コンタクトホール部46bを形成する方法としては多様な方法を適用することができる。
【0100】
一例として、本実施例においては、レーザー200を用いたレーザーエッチングによって第2コンタクトホール部46bを形成することができる。レーザーエッチングを用いると、第2コンタクトホール部46bの幅を薄く具現することができ、多様なパターンの第2コンタクトホール部46bを容易に形成することができる。また、レーザーの種類、波長などにより、第1層40aを残存させながら第2層40bのみを選択的に除去することができる。
【0101】
レーザーエッチングでは第2層40bを溶かすことができ、第1層40aは溶かすことができないレーザー200を使用して第1層40aを残存させながら第2層40bの該当部分を除去し、第2コンタクトホール部46bを形成する。このとき、レーザー200は、特定波長を有するものであって、第1層40aのバンドギャップより小さいバンドギャップを有し、第2層40bのバンドギャップより大きいバンドギャップを有することができる。すなわち、レーザー200の波長は、バンドギャップと直接関連するので、レーザーの波長をバンドギャップに換算した値は、第1層40aのバンドギャップより小さいバンドギャップを有し、第2層40bのバンドギャップより大きいバンドギャップを有すればよい。例えば、レーザー200のバンドギャップは1.24eV・μmの値をレーザー200の波長(μm)で割った値で計算することができる。しかし、これはレーザー200の種類、特性などによって変わり得るので、本発明がこれに限定されることはない。
【0102】
このように、本実施例においては、第1層40a及び第2層40bのバンドギャップを調節することによって第2層40bにのみ第2コンタクトホール部46bを形成することができる。これによって、第1層40aを残存させ、第2層40bのみを選択的にエッチングする工程を容易に行うことができる。
【0103】
一例として、レーザーエッチングにおいて、レーザー200は1064nm以下の波長を有することができる。これは、1064nmを超える水準のレーザー200を生成しにくいためである。例えば、レーザー200は容易に生成することができ、第2層40bのエッチングを容易に行えるように300nm〜600nmの波長を有することができる。一例として、レーザー200は、紫外線レーザーであり得る。そして、レーザー200は、ピコ秒(ps)〜ナノ秒(ns)のレーザーパルス幅(laser pulse width)を有し、レーザーエッチングを円滑に行わせることができる。特に、レーザー200がピコ秒(ps)(すなわち、1ps〜999ps)のレーザーパルス幅を有し、レーザーエッチングを円滑に行わせることができる。そして、レーザー200は、シングルショット(single shot)又はバーストショット(burst shot)のレーザーショットモード(laser shot mode)を有することができる。バーストショットは、一つのレーザーを複数のショットに分けて照射することであって、バーストショットを用いると、第1層40a及び導電型領域32、34の損傷を最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、多様なレーザーを使用することができる。
【0104】
このとき、第1層40aは、5nm〜100nmの厚さを有し、レーザー200より大きいバンドギャップを有するので、レーザーが通過するだけでよい。したがって、第1層40aがレーザーによって損傷を受けることはない。そして、第1層40aを通過して導電型領域32、34に到逹したレーザー200の強度は非常に小さくなるので、導電型領域32、34にレーザー200又はレーザーによる熱が到逹するとしても導電型領域32、34を溶かしたり損傷させることができない。
【0105】
続いて、
図3Kに示したように、第2層40bをマスクとして第1層40aの湿式エッチングを行うことによって第1コンタクトホール部46aを形成する。すなわち、エッチング溶液が第2層40bに形成された第2コンタクトホール部46bを介して第1層40aに接するようになり、第1層40aの等方性エッチングを行う。エッチング溶液としては、第1層40aのエッチングを行いながら第2層40bのエッチングを行わないか、非常に小さい速度でエッチングを行う多様な物質を使用することができる。一例として、エッチング溶液としては、希釈されたフッ酸(diluted HF)又はバッファ酸化エッチング溶液(buffered oxide etch、BOE)などを使用することができる。例えば、希釈されたフッ酸は0.5wt%〜2wt%のフッ酸を含むことができる。このようなエッチング溶液は、酸化物などで構成された第1層40aは容易にエッチングできるが、窒化物、炭化物などで構成された第2層40bのエッチングは行わないか、非常に小さい速度でエッチングを行う。これによって、第1層40aのみのエッチングを選択的に行うことができる。
【0106】
このように、等方性エッチングによって第1コンタクトホール部46aが形成されるので、第1コンタクトホール部46aのエッチングは全体方向で同一の速度で行われる。これによって、第1コンタクトホール部46aの内側面又は第1層40aの側面は曲面からなり得る。
【0107】
そして、第1コンタクトホール部46aのエッチングは、第2層40bに隣接した部分で相対的に大きい幅又はサイズを有するように行われ、第2層40bから遠く離隔して位置した導電型領域32、34側では相対的に小さい幅又はサイズを有するように行われる。実際には、厚さ方向へのエッチング速度がより速いことを考慮すると、一側で第2層40bに隣接した第1コンタクトホール部46aの幅は、導電型領域32、34に隣接した第1コンタクトホール部46a又は第2コンタクトホール部46bの幅より第1層40aの厚さの50%〜100%ほど大きくなり得る。すなわち、一側で第1層40aと第2層40bの側面(又は第1コンタクトホール部46aと第2コンタクトホール部46bの内側面)に第1層40aの厚さの50%〜100%程度の段差を有することができる。
【0108】
続いて、
図3Lに示したように、コンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34上、後面パッシベーション膜40の側面上、そして、後面パッシベーション膜40の外面又は広い表面(図面の下部面)上に全体的に保護膜41を形成する。このような保護膜41は、多様な工程によって形成することができる。
【0109】
本実施例においては、化学的酸化工程によってコンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34上、後面パッシベーション膜40の側面上、そして、後面パッシベーション膜40の外面又は広い表面上に全体的に形成されるシリコン酸化物層を保護膜41として使用することができる。
【0110】
一例として、太陽電池の下部面を硝酸ベースのエッチング溶液に浸漬し、化学的等方性エッチング工程によるシリコン酸化物層を形成することができる。他の例としては、太陽電池の下部面を洗浄する工程で使用する過酸化水素によって化学的酸化工程によるシリコン酸化物層を形成することもできる。一例として、過酸化水素、塩酸、超純水を含む洗浄溶液を用いて洗浄しながらシリコン酸化物層を形成することができる。そうすると、製造工程を別途に追加しなくても、シリコン酸化物層として構成される保護膜41を形成することができる。
【0111】
このように、化学的酸化によって形成されたシリコン酸化物層を0.5nm〜2nm程度の薄い厚さでコンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34、後面パッシベーション膜40の側面上、そして、後面パッシベーション膜40の外面又は広い表面上に全体的に均一に形成することができる。これによって、薄く且つ均一な保護膜41を形成することができる。
【0112】
しかし、本発明がこれに限定されることはなく、熱酸化工程などで形成されたシリコン酸化物層、又はその他の工程によって形成された多様な層又は膜を保護膜41として使用することもできる。
【0113】
続いて、
図3M及び
図3Nに示したように、コンタクトホール46内を充填するように第1及び第2電極42、44を形成する。
【0114】
より具体的には、
図3Mに示したように、保護膜41上に全体的にスパッタリング、めっきなどによって電極層400を形成する。後面パッシベーション膜40上で電極層400は安定的に均一に形成されるが、第1層40aと第2層40bの側面付近では段差によって一部分が形成されない場合もある。特に、第1層40aが第2層40bより後退又は陥没した部分又は第1コンタクトホール部46aが第2層40bに隣接して大きなサイズを有する部分を全て充填できず、第1層40a及び第2層40bと保護膜41との間に空間(
図1の参照符号V、以下同一)が位置する場合もある。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、空間Vが位置しないことも可能である。
【0115】
電極層400は、公知の多様な物質(一例として、銀、金、銅、アルミニウムなどの金属物質)からなり得る。
【0116】
続いて、
図3Nに示したように、電極層(
図3Mの参照符号400、以下同一)をパターン化できるエッチング溶液又はエッチングペーストを用いて電極層400をパターン化する。これによって、電極42、44が形成される。上述したように、保護膜41は薄い厚さを有するので、電極層400のパターン化時に電極層400が除去される部分では共に除去され得る。そうすると、保護膜41は、電極42、44が位置した部分でのみ部分的に残るようになる。
【0117】
本実施例においては、第2コンタクトホール部46bを形成するとき、レーザー200が導電型領域32、34を損傷することを第1層40aが防止することができ、第1コンタクトホール部46aは、導電型領域32、34のエッチングを行わないエッチング溶液で形成することができる。これによって、コンタクトホール46の形成時に発生し得る導電型領域32、34の損傷を最小化することができる。そして、保護膜41を形成し、コンタクトホール46が形成された部分をカバーし、コンタクトホール46が位置した部分で導電型領域32、34のパッシベーション特性を向上させることができる。また、第1及び第2電極42、44又は電極層400を形成するとき、コンタクトホール46上に保護膜41が位置するので、導電型領域32、34が外部に露出しない。よって、第1及び第2電極42、44を形成する工程で導電型領域32、34が損傷することを防止することができる。これによって、優れた特性及び効率を有する太陽電池100を製造することができる。
【0118】
以下、
図4〜
図8を参照して、本発明の他の実施例に係る太陽電池及びその製造方法を詳細に説明する。上述した説明と同一又は極めて類似する部分に対しては詳細な説明を省略し、別個の部分に対してのみ詳細に説明する。上述した実施例及び変形例と後述する実施例及び変形例を結合した実施例も本発明の範囲に属する。
【0119】
図4は、本発明の他の実施例に係る太陽電池の部分後面平面図である。
図4においては、後面パッシベーション膜(
図1の参照符号40)の図示を省略し、第1及び第2導電型領域32、34、バリア領域36、そして、第1及び第2電極42、44を主に示した。別途の図示及び説明はないが、本実施例においては、後面パッシベーション膜40は第1及び第2導電型領域32、34及びバリア領域36と第1及び第2電極42、44との間に位置する。そして、後面パッシベーション膜40において、第1導電型領域32と第1電極42が重なる部分には第1導電型領域32との連結のためのコンタクトホール(
図1の参照符号46、以下同一)を形成し、第2導電型領域34と第2電極44が重なる部分には第2導電型領域34との連結のためのコンタクトホール46を形成することができる。
【0120】
図4を参照すると、本実施例に係る太陽電池100においては、第2導電型領域34がアイランド形状を有しながら互いに離隔して複数備えられ、第1導電型領域32は、第2導電型領域34及びこれを取り囲むバリア領域36を除いた部分に全体的に形成することができる。
【0121】
そうすると、エミッタ領域として機能する第1導電型領域32が最大限広い面積を有しながら形成され、光電変換効率を向上させることができる。そして、第2導電型領域34の面積を最小化しながらも半導体基板10に全体的に第2導電型領域34を位置させることができる。そうすると、第2導電型領域34によって表面再結合を効果的に防止すると共に、第2導電型領域34の面積を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、第2導電型領域34が面積を最小化できる多様な形状を有し得ることは当然である。
【0122】
図面においては、第2導電型領域34が円形の形状を有する場合を例示したが、本発明がこれに限定されることはない。よって、第2導電型領域34がそれぞれ楕円形、又は、三角形、四角形、六角形などの多角形の平面形状を有し得ることも当然である。
【0123】
図5は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の一部を示した断面図である。明確且つ簡略な図示のために、
図5では
図1の拡大円に対応する部分のみを示した。
【0124】
図5を参照すると、本実施例においては、第1電極42を第1コンタクトホール部46a及び第2コンタクトホール部46b内で保護膜41上に全体的に形成することができる。一例として、第1電極42が第1コンタクトホール部46a及び第2コンタクトホール部46bを全体的に充填しながら形成される。これによって、第1層40a及び第2層40bの側面に段差、屈曲などが形成される場合にも、保護膜41が第1導電型領域32の表面及び第1層40a及び第2層40bの側面に全体的に密着(又は接触)し、保護膜41上で第1電極42が保護膜41に全体的に密着(又は接触)するように形成することができる。これによって、第1電極42とコンタクトホール46の側面との間に空間vが存在しないように、第1電極42が保護膜41上でコンタクトホール46を全体的に充填することができる。これは、工程条件などによって第1電極42が保護膜41上でコンタクトホール46を全体的に充填するように形成できるためである。これによると、第1電極42の体積及び密度を増加させ、抵抗を低減させることができる。そして、保護膜41は、第2層40bの外部面(第1層40aと反対の面)と第1電極42との間にも位置し得る。
【0125】
図面及び上述した説明においては、第1電極42及び第1導電型領域32を主に説明したが、上述した内容は、第2電極(
図1の参照符号44)及び第2導電型領域(
図1の参照符号34)にもそのまま適用することができる。
【0126】
図6は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の一部を示した断面図である。明確且つ簡略な図示のために、
図6では
図1の拡大円に対応する部分のみを示した。
【0127】
図6を参照すると、本実施例において、保護膜41は、第1導電型領域32及び第1層40aに隣接(又は接触)した部分でのみ形成され、第2層40bに隣接した部分では形成されない。
【0128】
より具体的には、保護膜41は、コンタクトホール46の底面(すなわち、コンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34の表面)に位置(一例として、接触)する部分と、第1層40a又は第1コンタクトホール部46aの側面に位置(一例として、接触)する部分とを含むことができる。そして、保護膜41は、第2層40b又は第2コンタクトホール部46bの側面、第2層40bの内部面(第1層40a又は第1導電型領域32に隣接した面)及び外部面(内部面の反対面)には形成されない。
【0129】
これは、第1導電型領域32の表面は半導体(一例として、シリコン)を含んで酸素との反応によって容易に酸化できるので、保護膜41がシリコン酸化物で構成されるときに容易に形成できるためである。そして、第1層40aが酸化物(一例として、シリコン酸化物)又は非晶質半導体(一例として、非晶質シリコン)を含み、保護膜41がシリコン酸化物で構成されるとき、保護膜41が第1層40a上に容易に形成できるためである。これは、第1層40aがシリコン酸化物を含むと、これと同一の物質を含む保護膜41を容易に形成でき、第1層40aが非晶質シリコンを含むと、酸素と容易に反応し、シリコン酸化物で構成される保護膜41を形成できるためである。その一方、第2層40aは窒化物又は炭化物を含むので、シリコンを含むシリコン窒化物又はシリコン炭化物を含むとしても、既にある程度は化学的に安定化された状態であり、全く異なる物質であるシリコン酸化物で構成される保護膜41が形成されにくいためである。
【0130】
図面及び上述した説明においては、第1電極42及び第1導電型領域32を主に説明したが、上述した内容は、第2電極(
図1の参照符号44)及び第2導電型領域(
図1の参照符号34)にもそのまま適用することができる。
【0131】
図7は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の一部を示した断面図である。明確で且つ簡略な図示のために、
図7では
図1の拡大円に対応する部分のみを示した。
【0132】
図7を参照すると、本実施例において、保護膜41は、第1導電型領域32に隣接した部分でのみ形成され、第1層40aに隣接した部分では一部のみが形成されるか又は形成されなく、第2層40bに隣接した部分では形成されない。
【0133】
より具体的に、保護膜41は、コンタクトホール46の底面(すなわち、コンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34の表面)に位置(一例として、接触)する部分を含むことができる。そして、保護膜41は、コンタクトホール46の底面に接触した部分で第1層40a又は第1コンタクトホール部46aの側面上に一部形成(一例として、接触)することができる。又は、保護膜41がコンタクトホール46に対応する第1導電型領域32上でのみ局部的に形成され、第1コンタクトホール部46aの側面には接触しない場合がある。これによって、保護膜41は、第1層40a又は第1コンタクトホール部46aの側面に全体的に形成されない。そして、第2層40b又は第2コンタクトホール部46bの側面、第2層40bの内部面(第1層40a又は第1導電型領域32に隣接した面)及び外部面(内部面の反対面)には形成されない。
【0134】
上述したように、第1導電型領域32の表面は、半導体(一例として、シリコン)を含んで酸素との反応によって容易に酸化され、シリコン酸化物で構成される保護膜41を形成することができる。そして、第1層40aは薄い厚さで形成され、アンダーカットの存在、又は多様な工程条件によって第1層40aの側面に保護膜41が形成されない場合がある。そして、第2層40b上には、
図6を参照して説明した理由と同一の理由で保護膜41が形成されない場合がある。
【0135】
図面及び上述した説明においては、第1電極42及び第1導電型領域32を主に説明したが、上述した内容は、第2電極(
図1の参照符号44)及び第2導電型領域(
図1の参照符号34)にもそのまま適用することができる。
【0136】
このように、本実施例において、保護膜41は、コンタクトホール部46の形成後に形成され、パッシベーション膜40と導電型領域32、34との間には位置しない。そして、電極42、44は、保護膜41を挟んで導電型領域32、34と離隔して位置し得る。
【0137】
上述した図面においては、保護膜41が第1層40aと明確な境界を有し、保護膜41と第1層40aが全く異なる層として構成された場合を示した。しかし、保護膜41と第1層40aが互いに同一の物質(一例として、シリコン酸化物)を含むことができ、この場合は、保護膜41と第1層40aとの間に境界が別途に備えられない場合もある。この場合は、コンタクトホール46が形成された部分では第1層40a又はシリコン酸化物層が導電型領域32、34に隣接(又は接触)しながら薄い厚さで形成され、コンタクトホール46が形成されない部分では第1層40a又はシリコン酸化物層がより厚い厚さで形成されると判断又は測定することもできる。
図1及び
図5の実施例では、追加的に第2層40bと電極42、44との間に第1層40a又はシリコン酸化物層が延長形成されたと判断又は測定することができる。
【0138】
図8は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池の一部を示した断面図である。簡略且つ明確な図面のために、
図8では
図1の拡大円に対応する部分を示した。
【0139】
図8を参照すると、本実施例において、保護膜41は、コンタクトホール46の底面(すなわち、コンタクトホール46によって露出した導電型領域32、34の表面)に位置(一例として、接触)する部分を含む。
【0140】
本実施例において、保護膜41は、後面パッシベーション膜40の第2層40bにおいて第1導電型領域32に対向する面には形成されない。これは、製造工程時、第1コンタクトホール部46aのうち第2層40bの下部に位置する部分において第1導電型領域32に対向する第2層40bの面に保護膜41が形成されにくいためである。又は、保護膜41は、第1コンタクトホール部46aのうち第2層40bの下部に位置した第1導電型領域32の表面及び/又は第1コンタクトホール部46aの側面に形成されない場合がある。これは、製造工程時、該当表面に保護膜41が形成されにくいためである。このように、第1コンタクトホール部46aのうち第2層40bの下部に位置した空間Vに隣接した部分では保護膜41が形成されない場合がある。
【0141】
又は、保護膜41は、第2層40bの側面及び/又は第2層40bにおいて電極(図面の第1電極42及び/又は
図1に示した第2電極44、以下、電極42、44)に対向する面で形成されない場合がある。これは、電極42、44の形成前に保護膜41が意図的に又は他の工程中に除去されたためでもあり、該当部分には保護膜41が形成されないようにマスクなどを用いて保護膜41が一定のパターンを有して形成されたためでもある。
【0142】
図面では、保護膜41が電極42、44の形成部分に対応して第1導電型領域32にのみ形成される場合を示したが、保護膜41は、空間Vに隣接した部分、第2層40bの側面又は表面などに一部形成されることも可能である。
【0143】
上述した特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、各実施例の属する分野で通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組み合わせたり又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形と関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。