【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、使用される化学物質・材料は、マグネシウム合金と無水アルコールとグラファイト潤滑油と酸化マグネシウム金型離型剤とアルゴンガスとであり、それぞれの準備量が下記のとおりで、計量単位がそれぞれg、mL、cm
3であり、
マグネシウム合金:AZ91D 20000g±1g
無水アルコール:C
2H
5OH 1500mL±50mL
グラファイト潤滑油: 100mL±5mL
酸化マグネシウム金型離型剤: 150mL±5mL
アルゴンガスAr: 800000cm
3±100cm
3
複合押圧鋳造方法は、
(1)複合押圧鋳造金型の製造
複合押圧鋳造金型が熱間加工工具鋼(熱間金型鋼)4Cr5MoSiV1によって製造され、雄型の押圧表面または雌型のキャビティ表面の粗さがいずれもRa0.08−0.16μmであり;
(2) マグネシウム合金溶湯の溶錬
マグネシウム合金の溶錬は、真空溶
錬炉内で行われ、中周波誘導による加熱と真空排気とアルゴンガスの下部吹込との下で完了されることであり;
(a)真空溶
錬炉のるつぼのクリーンアップ:金属シャベル、金属ブラシ
でるつぼをクリーンアップし、表面をきれいにし;
(b)るつぼの内表面を無水アルコールで洗浄した後、乾かし;
(c)カッティングによるマグネシウム合金ブロックの作製:マグネシウム合金ブロックを機械的にカッティングして20mm×20mm×10mmの金属ブロックを作製し得;
(d)マグネシウム合金ブロックの予熱:カッティングして製造し得たマグネシウム合金ブロックを予熱炉内に投入して、予熱温度150℃で予熱して準備し;
(e)マグネシウム合金溶湯の溶錬
予熱後のマグネシウム合金ブロックを真空溶
錬炉
のるつぼ内に投入し、真空溶
錬炉を閉めて密閉し;
炉内の圧力の強さ≦10Paとなるように、真空ポンプを起動させて炉内の空気を抽出し;
真空溶
錬炉のヒーターを起動させて加熱を開始し、加熱温度が250℃±5℃であり;
温度が250℃に上昇した時
、るつぼの底部にアルゴンガス下部吹込パイプが挿入されて、アルゴンガスをるつぼ内へ吹き込み、アルゴンガス下部吹込速度が2000cm
3/分であり、炉内の圧力の強さが0.05MPaに保持され、且つ排気パイプ弁によって調節し;
加熱溶錬し続け、溶錬温度が650℃±5℃で、この温度で15分保温し;
(3) 複合押圧鋳造
マグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造が押圧鋳造機により行われることであり、複合押圧鋳造の金型内に、アルゴンガスによるシールドの下でマグネシウム合金溶湯が、充填、保圧、複合押圧、保圧、離型を行われて、マグネシウム合金異形部品を成形し;
(a)複合押圧鋳造金型の取り付け
前記複合押圧鋳造金型は、雌型(4)と雄型(3)と複合押圧装置とから構成され;
雌型(4)は、左ガイドポスト(15)と右ガイドポスト(16)とを介して雄型枠(17)と連結され;
雄型(3)は、雄型枠(17)と金型ベース(9)と雄型板(6)とのそれぞれに固定連結され;
複合押圧装置は、押板(10)と左連結ガイドポスト(13)と右連結ガイドポスト(14)と上エジェクタプレート(11)と下エジェクタプレート(12)と上位置制限ブロック(7)と下位置制限ブロック(8)とプッシュロッド(5)とから構成され;
複合押圧鋳造金型の雌型は、押圧鋳造機の下作業台上に置かれ且つ押圧鋳造機のアキュムレータ、押し棒、射出用ロッドに垂直に連結され;
押圧鋳造金型の雄型は、押圧鋳造機の上部に置かれ、雄型板を介して押圧鋳造機の可動型板上に固定され;
プッシュロッドを押圧鋳造機の離型油圧シリンダに連結し;
射出用ロッド
とプッシュロッドとの中心線が同一であるように調節し;
(b)アキュムレータと押圧鋳造金型との予熱
押圧鋳造機のヒーターを起動させ、アキュムレータと押圧鋳造金型とを予熱温度200℃で予熱し、フィードパイプの予熱温度が630℃であり;
(c)グラファイト潤滑油100mLをアキュムレータと押し棒との間のギャップに注入して潤滑し;
(d)酸化マグネシウム金型離型剤150mLを押圧鋳造金型の雌型と雄型との表面に均一に吹き付け、コーティング層の厚さが0.02mmであり;
(e)型締め 押板が雌型に接触すると、押板上の給気孔を介して金型内へアルゴンガスをアルゴンガスの吹込速度50cm
3/秒かつ吹込時間20秒で吹き込んだ後、アルゴンガスの吹き込みを停止し;
(f)真空溶錬
炉のマグネシウム合金溶湯を
フィードパイプからアキュムレータの溶湯キャビティ内に注入し;
(g)押圧鋳造機
の射出用ロッドと押し棒とによって押し動
かされているマグネシウム合金溶湯は、雌型キャビティに注入され
、押し棒によって加圧され、加圧の圧力は20MPaで、且つ保圧時間は5秒であり;
(h)押圧鋳造機上部の離型油圧シリンダ
がプッシュロッドを引き動かして上へ移動させ、プッシュロッドが
上エジェクタプレート
、下エジェクタプレートと連結ガイドポストによって押板を引き動かして上へ移動させ、上エジェクタプレートが上位置制限ブロックに接触すると、離型油圧シリンダの稼働を停止させ、押圧鋳造機のマスターシリンダの加圧によって、雄型を押し動かし移動し続けさせて、雌型との型締めを行い、雄型を雌型に入れさせて押し付け、上部のマスターシリンダによって保圧を保圧圧力70MPa且つ保圧時間30秒で行い;
(i)押圧鋳造機上部のマスターシリンダが雄型板を引き動かして型開きを行い、離型油圧シリンダの押圧によって、押板を押し動かしてマグネシウム合金異形部品を突き出し;
(j)冷却:マグネシウム合金異形部品がアルゴンガスでシールドされながら、25℃まで冷却され;
(4) 鋳物のクリーンアップ
マグネシウム合金異形部品を鋼質の平板上に載置させ、マグネシウム合金異形部品の各部分および周囲を機械的にクリーンアップし;
(5) 鋳物の仕上げ
クリーンアップしたマグネシウム合金異形部品は、鋼質の平板上に載置され、内孔及び表面が砂紙で研磨された後、無水アルコールで洗浄された後乾かされることによって、最終製品となるマグネシウム合金異形部品が得られ;
(6) 検査測定、分析、特徴付け
製造したマグネシウム合金異形部品の形態、色合い、金属組織構造、機械的性質を検査測定し分析し特徴付け;
金属組織分析装置で金属組織分析を行い;
マイクロコンピュータにより制御されている電子式万能試験機で引っ張り強さの分析を行い;
以上によれば、マグネシウム合金異形部品
は、引っ張り強さが180MPaまで達する、
ことである。