(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、該類似しないと判定された属性情報に対応する複数の読影依頼を互いに異なる読影依頼先に設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第一の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す構成は一例であり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムとしての遠隔読影システムの全体構成の一例を示す。本実施形態において、遠隔読影システムは、各拠点として、データセンター、依頼施設、読影センター、および読影医の自宅を含み、各拠点はネットワーク115にて通信可能に接続されている。
【0012】
遠隔読影システムを利用する各ユーザは、それぞれの拠点に配置されたクライアント端末であるPC(109、112、113、114)からのアクセス開始時に、認証サーバ116が提供する認証機能により認証を行う。正常に認証された後、ユーザにはポータルサーバ102が提供するポータル画面(不図示)が提示される。また、ユーザは、SNSサーバ104を用いてユーザ同士のメッセージのやり取りを行うことができる。
【0013】
依頼施設において、遠隔読影に用いる画像データ(医用画像データ)は、撮影装置であるモダリティ111によって撮影された後、画像中継クライアント110に送信される。ここでの画像データは例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)形式の画像データが挙げられる。画像中継クライアント110は、モダリティ111から送信されてきた画像データをアーカイブし、その後、データセンターに配置された画像中継サーバ107に送信する。画像中継サーバ107は、依頼施設から送信されてきた画像データを処理し、ストレージ管理サーバ105に送信する。ストレージ管理サーバで105は、各画像データに対してユニークなID(識別情報)を発行し、外部記憶装置117に保管する。依頼施設の読影依頼業務を行う担当者は、依頼端末109を用いて読影の依頼時に必要な情報(依頼情報)を入力し、その依頼情報は画像データと共にデータセンターへと送信される。各依頼情報は、データセンター側でデータベース108に保管される。なお、本明細書においては、依頼情報と画像データとが対応しており、依頼情報の割り当て(振り分け)はすなわち画像データの割り当てとして扱う。
【0014】
読影を行う読影医は、読影センターに配置された読影端末113(もしくは、自宅に配置された読影端末114)を用いて、割り当てられた読影の依頼に対応する読影用の画像データを配信サーバ106からダウンロードして参照し、読影を行う。その後、読影医は、読影した結果のレポートを、読影端末113上で動作するアプリケーション(不図示)を用いて作成する。作成したレポートは、レポートサーバ103に送信され、データベース108に保管される。なお、ここでは、読影端末として、読影センターおよび読影医の自宅の例を示したが、いずれの場所に配置されてもよく、また、モバイル端末などを用いて参照できるようにしても構わない。
【0015】
図2は、各種サーバや端末などの情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM202あるいは外部メモリ211には、BIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステム(OS)、および各端末の機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶される。
【0016】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードし、実行することで各種動作を実現する。入力コントローラ205は、キーボード(KB)209やマウス等のポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、CRTディスプレイ等のディスプレイ210への表示を制御する。
【0017】
メモリコントローラ207は、各種データ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211としては例えば、外部記憶装置(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等が挙げられる。通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク(例えば、
図1に示すネットワーク115)を介して外部機器と接続および通信制御を行う。通信I/Fコントローラ208は、例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0018】
本発明を実現するための各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行される。さらに、プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらの詳細な説明については後述する。
【0019】
[機能構成]
図3は、本実施形態に係る遠隔読影サーバ101の機能の構成例を示す図である。
【0020】
依頼施設に位置する依頼端末109から依頼申請画面等の表示に必要なデータのリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼検索機能301でリクエストを解析する。そして、遠隔読影サーバ101は、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を検索し、依頼端末109に表示情報(例えば、Webページ)を返す。つまり、依頼検索機能301は、後述する処理フローにおけるS202とS402の処理を実行する機能部である。依頼端末109から依頼申請のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼申請機能302でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。つまり、依頼申請機能302は、後述する処理フローにおけるS101の処理を実行する機能部である。
【0021】
依頼端末109から依頼受付のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼受付機能303でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。つまり、依頼受付機能303は、後述する処理フローにおけるS102の処理を実行する機能部である。依頼端末109から依頼自動振分のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼自動振分機能304を実行する。つまり、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700、専門性テーブル2400、読影医スケジュールテーブル2600等のデータを読み込み、自動振分を実施する。その後、遠隔読影サーバ101は、処理結果を依頼端末109に返す。つまり、依頼自動振分機能304は、後述する処理フローにおけるS103の処理を実行する機能部である。依頼端末109から振分保存のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼更新機能305でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。
【0022】
[処理フロー]
図4は、本実施形態に係る処理全体の流れを示す図である。なお、ここでは処理の起点となる依頼端末109および業務端末112のみが示されているが、各工程においては、各端末が遠隔読影サーバ101と連携して処理を行うものとする。また、本実施形態では、依頼端末109と業務端末112とが直接データのやり取りを行うことはないものとする。
【0023】
また、本実施形態においては、上述したように、依頼施設のモダリティ111によって予め撮影された画像データが適時、データセンターに送信されて外部記憶装置117に登録されているものとする。また、これに応じて、当該画像データに対応する読影依頼の情報(依頼情報)が例えば、患者ごと、日付ごと、検査種ごとなどのグループ単位でデータベース108に登録される。そして、1の依頼情報に対し1または複数の画像データが対応付けられるものとする。なお、登録された状態では、また振分の申請はなされておらず、そのステータスは未申請であるとして、データベース108にて管理されているものとする。
【0024】
S101にて、依頼端末109は、ユーザの指示に基づき、
図5に示す依頼申請処理を実施する。依頼申請処理の詳細については、
図5を用いて後述する。
【0025】
S102にて、業務端末112は、ユーザの指示に基づき、
図7に示す依頼受付処理を実施する。依頼受付処理の詳細については、
図7を用いて後述する。
【0026】
S103にて、業務端末112は、ユーザの指示に基づき、
図8に示す依頼振分処理を実施する。依頼振分処理の詳細については、
図8を用いて後述する。
【0027】
(依頼申請処理)
図5は、依頼端末109と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼申請処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、依頼端末109および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0028】
S201にて、依頼端末109は、ユーザの指示に従って、
図10に示す依頼施設ワークリスト画面1000を表示する。ここでの表示は、依頼端末109に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。依頼端末109は、依頼施設ワークリスト画面1000に表示する依頼情報を取得するために、遠隔読影サーバ101にステータスが未申請である依頼情報を取得する指示を出す。なお、依頼情報に関する各種ステータスについては、テーブルと併せて後述する。
【0029】
S202にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109からの指示に応じて、
図27に示す依頼情報のうち、ステータスが未申請である依頼情報を依頼端末109に返す。具体的には、
図27に示す依頼情報テーブル2700において、状態2702の値が「申請待」になっている依頼情報が返される。そして、依頼端末109は、受信した依頼情報を依頼施設ワークリスト画面1000に表示する。
【0030】
S203にて、依頼端末109は、依頼施設ワークリスト画面1000を介してユーザから申請対象の依頼の選択を受け付ける。具体的には、依頼施設ワークリスト画面1000の表示ボタン1001の指定を受け付けることで、申請対象の選択を受け付ける。そして、依頼端末109は、選択された申請対象の依頼ID2701を取得する。
【0031】
S204にて、依頼端末109は、S203で取得した依頼ID2701に該当する依頼情報を表示するために、
図11に示す依頼申請画面1100を表示する。依頼申請画面1100には、患者情報や読影に必要とする情報(例えば、患者の症状など)などが入力される。なお、入力される情報は、依頼者が手入力で行う他、患者番号1103等の識別情報の入力に応じた自動入力や、添付ファイルの指定などができてもよい。
【0032】
S205にて、依頼端末109は、依頼申請画面1100にて、依頼申請ボタン1113が押されたか否かを判定する。依頼申請ボタン1113が押された場合(S205にてYES)、S206に移行する。
【0033】
S206にて、依頼端末109は、依頼申請画面1100に入力された検査種1109、部位1110等を含む依頼情報を取得する。
【0034】
S207にて、依頼端末109は、S206で取得した依頼情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
【0035】
S208にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109から送信された依頼情報を受信する。
【0036】
S209にて、遠隔読影サーバ101は、S208で受信した依頼情報に基づき振分特性の初期値を設定する。ここでの処理の詳細については、
図6を用いて後述する。
【0037】
S210にて、遠隔読影サーバ101は、S208で受信した依頼情報に、S209で設定した振分特性の初期値を付加して、データベース108に保存する。このとき、依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「受付待」となる。そして、本処理フローを終了する。
【0038】
(振分特性の初期値設定処理)
図6は、遠隔読影サーバ101で実施する、申請された依頼情報に振分特性の初期値を設定する処理フローを示す図である。本処理フローは、
図5のS209の処理に対応する。本実施形態において、読影データを各担当者に振り分ける際に用いる情報として、振分特性と呼ばれる情報を用いる。具体的な振分特性の構成については処理と共に説明する。
【0039】
S301にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109から受信した依頼情報に、振分特性の初期値を決定するためのマッピング処理に必要な情報が含まれているか否かを判定する。ここでの必要な情報としては、検査種、部位、分類、患者年齢、患者性別とする。必要な情報が含まれていると判定された場合(S301にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分特性の初期値設定が可能であると判定し、S302に移行する。一方、含まれていないと判定された場合は(S301にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分特性の初期値設定が不可であると判定し、S305に移行する。
【0040】
S302にて、遠隔読影サーバ101は、検査種、部位、分類、患者年齢、患者性別のすべての値を条件値(キー)として、データベース108に保存された
図23に示す振分特性マッピングテーブル2300の振分特性ID2301を検索する。なお、患者年齢は、依頼情報に含まれる検査日と患者生年月日から算出するようにしてもよい。
【0041】
S303にて、遠隔読影サーバ101は、S302で検出した振分特性ID2301の件数が1件か否かを判定する。件数が1件の場合(S303にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分特性のマッピングに成功したと判定し、S304に移行する。件数が0件または2件以上の場合(S303にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分特性のマッピングに失敗したと判定し、S305に移行する。
【0042】
S304にて、遠隔読影サーバ101は、S303で検索された1件の振分特性ID2301を、依頼情報に初期値として設定する。その後、本処理フローを終了する。
【0043】
S305にて、遠隔読影サーバ101は、依頼情報に振分特性ID2301を設定せずに本処理フローを終了する。
【0044】
(依頼受付処理)
図7は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼受付処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0045】
S401にて、業務端末112は、ユーザの指示に従って、
図12に示す読影センターワークリスト画面1200を表示する。ここでの表示は、業務端末112に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。業務端末112は、読影センターワークリスト画面1200に表示する依頼情報を取得するために、遠隔読影サーバ101にステータスが受付待ちである依頼情報を取得する指示を出す。
【0046】
S402にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112からの指示に応じて、
図27に示す依頼情報のうち、ステータスが受付待ちである依頼情報を業務端末112に返す。具体的には、依頼情報テーブル2700において、状態2702の値が「受付待」になっている依頼情報が返される。そして、業務端末112は、受信した依頼情報を読影センターワークリスト画面1200に表示する。
【0047】
S403にて、業務端末112は、読影センターワークリスト画面1200を介してユーザから受け付け対象の依頼の選択を受け付ける。具体的には、読影センターワークリスト画面1200の表示ボタン1201の指定を受け付けることで、受け付け対象の選択を受け付ける。そして、業務端末112は、選択された受付対象の依頼ID2701を取得する。
【0048】
S404にて、業務端末112は、S403で取得した依頼IDに該当する依頼情報を表示するために、
図13に示す依頼受付画面1300を表示する。依頼受付画面1300には、依頼申請が行われた際に入力された各種情報が表示される。
【0049】
S405にて、業務端末112は、依頼受付画面1300に振分特性選択リスト1313を表示する。
【0050】
S406にて、業務端末112は、依頼受付画面1300の振分特性選択リスト1313上に、
図6の処理にて設定された振分特性の初期値を選択値として設定する。これにより、ユーザは、業務端末112上で初期値として設定された振分特性を特に設定作業をすることなくそのまま利用することが可能となる。なお、
図6の処理にて初期値が設定されていない場合には、リストから選択する旨の表示を行うようにしても構わない。また、振分特性の初期値が設定されていた場合でも、リストから選択を受け付けることで変更可能である。
【0051】
S407にて、業務端末112は、依頼受付画面1300にて依頼受付ボタン1314が押されたか否かを判定する。依頼受付ボタン1314が押された場合(S407にてYES)、S408に移行する。
【0052】
S408にて、業務端末112は、依頼受付画面1300に入力された依頼情報を取得する。ここでの依頼情報には、検査種、部位、振分特性等が含まれる。
【0053】
S409にて、業務端末112は、S408で取得した依頼情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
【0054】
S410にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から送信された依頼情報を受信する。
【0055】
S411にて、遠隔読影サーバ101は、S410で受信した依頼情報をデータベース108に保存する。このとき、依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「振分待」となる。そして、本処理フローを終了する。
【0056】
(依頼振分処理)
図8は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼振分処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0057】
S501にて、業務端末112は、ユーザの指示に従って、
図15に示す依頼振分画面1500を表示する。ここでの表示は、業務端末112に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。依頼振分画面1500は、依頼情報リスト1501を表示する領域と、読影医スケジュール1503を表示する領域を含む。業務端末112は、依頼振分画面1500に表示する依頼情報および読影医スケジュール情報を取得するために、遠隔読影サーバ101に各情報を取得する指示を出す。
【0058】
S502にて、遠隔読影サーバ101は、
図27に示す依頼情報テーブル2700のうち、ステータスが振分待ちである依頼情報と、
図26に示す読影医スケジュールテーブル2600とを業務端末112に返す。そして、業務端末112は、受信した依頼情報と読影医スケジュールテーブル2600とを依頼振分画面1500に表示する。
【0059】
S503にて、業務端末112は、依頼振分画面1500を介してユーザにより選択された自動振分対象の依頼情報を取得する。
【0060】
S504にて、業務端末112は、依頼振分画面1500にて自動振分ボタン1504が押されたか否かを判定する。自動振分ボタンが押された場合(S504にてYES)、S505に移行する。
【0061】
S505にて、業務端末112は、S503で取得された自動振分対象の依頼情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
【0062】
S506にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から送信された自動振分対象の依頼情報を受信する。
【0063】
S507にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の各依頼情報について、自動振分処理を実施し、振分情報を設定する。ここでの振分情報とは、依頼を受けた読影作業を行う読影医、および読影日を含む情報である。本工程における処理の詳細は、
図9を用いて後述する。
【0064】
S508にて、遠隔読影サーバ101は、S507で設定した振分情報を業務端末112に送信する。
【0065】
S509にて、業務端末112は、遠隔読影サーバ101から受信した振分情報を依頼振分画面1500に表示する。業務端末112は、依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に、振分された読影医および読影日の情報を依頼情報それぞれに対応付けて表示する。更に、業務端末112は、読影医スケジュール1503に、各読影医の日付毎に振分予定の件数を表示する。振分後に表示される画面のイメージを
図16に示す。
図16に示す依頼振分画面1600は、自動振分の結果の確定を受け付ける保存ボタン1604、および、キャンセルを受け付けるキャンセルボタン1603を含む。
【0066】
S510にて、業務端末112は、依頼振分画面1600にて、保存ボタン1604が押されたか否かを確認する。保存ボタン1604が押された場合(S510にてYES)、S512に移行する。キャンセルボタン1603が押された場合(S510にてNO)、S511に移行する。
【0067】
S511にて、業務端末112は、S509で受信した振分情報を破棄する。依頼振分画面1600にて表示している振分情報を、すべて表示前の状態(すなわち、
図15の状態)に戻す。そして、本処理フローを終了する。
【0068】
S512にて、業務端末112は、ユーザによって確定指示を受けた振分情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
【0069】
S513にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から振分情報を受信する。
【0070】
S514にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている依頼情報にS513で受信した振分情報を付加することで更新する。このとき、依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「振分済」となる。そして、本処理フローを終了する。
【0071】
(自動振分処理)
図9は、遠隔読影サーバ101が実施する自動振分の処理フローを示す図であり、
図8のS507の処理に対応する。
【0072】
S601にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている各種テーブルを取得する。ここで用いるテーブルは、振分特性マスタテーブル2000、枚数ポイント加算テーブル2100、ポイント設定テーブル2200、振分特性マッピングテーブル2300である。更には、専門性テーブル2400、読影医除外テーブル2500、および読影医スケジュールテーブル2600である。各テーブルの構成例については、
図20〜
図26に示す。
【0073】
S602にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼情報のうち、振分特性が設定されていない依頼情報を自動振分対象から除外する。依頼情報に含まれる振分特性は、
図13に示す依頼受付画面1300を介して設定されているものとするが、あらかじめ登録した振分特性に該当しない依頼情報であれば、未設定とする。よって、このような依頼情報については振分特性を用いた自動振り分けを行うことができないため、S602では自動振分対象から除外する。尚、このような依頼情報は従来通り、手動で振り分けてもよい。このような依頼情報がある場合には、手動で振り分けることをユーザ(例えば、事務担当)に促す画面表示等を行うようにしてもよい。
【0074】
S603にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼情報について依頼情報の依頼日順にソートする。つまり、ソートの結果、上位に位置する依頼情報は、より高い優先度を有するものとして、優先的に振分が行われることとなる。依頼情報の依頼日は、
図27の依頼情報テーブル2700の依頼日2704である。
【0075】
S604にて、遠隔読影サーバ101は、S603でソートした結果のうち、依頼日が同日のものに対しては依頼情報の振分特性に対応できる読影医の数が少ない順にソートする。ここでの読影医の数は
図24に示す専門性テーブル2400に基づいて判定される。例えば、依頼情報テーブル2700の依頼情報のうち、S602にて依頼IDが“7”の依頼情報は自動振分対象から除外される。そして、依頼日2704と専門性テーブル2400に基づいてS603及びS604にてソートがなされると、
図28に示すような順となる。
【0076】
S605にて、遠隔読影サーバ101は、S604でソートした依頼情報について、順次ループ処理を実行するために、ループカウンタNを1に設定する(N=1)。
【0077】
S606にて、遠隔読影サーバ101は、S604でソートした依頼情報のN件目の依頼情報を抽出し、着目する振分対象とする。
【0078】
S607にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医スケジュールテーブル2600に含まれる読影医すべてを振分候補読影医とする。
【0079】
S608にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した専門性テーブル2400を参照し、S606で抽出した依頼情報の振分特性に対する専門性設定値(振分特性値)が“0”に設定されている読影医を、S607で設定した振分候補読影医から除外する。ここで振分特性の専門性設定値が“0”であるとは、その読影医が所定の分野における読影を行うための専門的な知識(専門性)を有していないことを示す。“0”以外である場合には、その値が大きくなるに従って、その分野の熟練度が高くなっていることを示す。尚、専門性設定値は読影医が有する専門的な知識の度合いを示すだけでなく、読影医が所定の分野においてどのくらい読影を行いたいかを示す希望度としても用いることができる。すなわち、読影医がある振分特性に対して専門性設定値をより高くに設定すると、優先的に当該振分特性を有する依頼情報が当該読影医に振り分けられる。つまり、読影医が読影したい振分特性があれば、この振分特性に対応する専門性設定値をより高く設定すればよい。このように専門性設定値を読影医の希望度(優先度)として用いることも可能である。
【0080】
S609にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医除外テーブル2500を参照し、S606で抽出した依頼情報に含まれる依頼施設に対応して、除外対象として設定されている読影医をS608で設定した振分候補読影医から除外する。
【0081】
S610にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医スケジュールテーブル2600の振分対象日ごとに順次ループ処理をするために、ループカウンタDを“0”に設定する(D=0)。
【0082】
S611にて、遠隔読影サーバ101は、本日+D日目を振分対象日として設定する。遠隔読影サーバ101は、現時点の振分候補読影医を振分対象日の振分候補読影医として設定する。
【0083】
S612にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日と振分可能日とを比較し、振分対象日が振分可能日を超えているか否かを判定する。ここでの振分可能日とは、例えば、本日から所定の日数後までの範囲を示す。なお、振分可能日は、ユーザが予め設定しておいてもよい。振分可能日を超えていない場合は(S612にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日が存在すると判定し、S613に処理を移行する。一方、超えている場合は(S612にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日が存在しないと判定し、S619に処理を移行する。
【0084】
S613にて、遠隔読影サーバ101は、読影医スケジュールの振分対象日を参照し、残読影可能件数が0件、または、残読影可能ポイントが振分対象である依頼のポイント未満となっている読影医を、振分対象日の振分候補読影医から除外する。本実施形態において、残読影可能ポイントは、(振分可能件数)×(ポイント設定テーブル2200の1件標準ポイント2201)を基準値とし、読影医が振分対象日に既に振分済みの依頼のポイントの合計分を減算して算出される。つまり、ポイントは、読影に対する負荷を示し、読影の依頼を振り分けて負荷が高くなると、新たな振り分けを行わないように制御する。ここでは、各読影医に対して、1日当たり負荷の上限として読影可能ポイントの基準値が設定される。なお、残読影可能ポイントの算出方法はこれに限定するものではなく、例えば、読影医ごとに設定された重み付けや上限値を用いて算出するようにしてもよい。
【0085】
また、振分対象である依頼のポイントは、S606で抽出した依頼情報と、振分特性マスタテーブル2000、枚数ポイント加算テーブル2100、およびポイント設定テーブル2200を用いて算出される。本実施形態において、振分対象である依頼のポイントは、(ポイント設定テーブル2200の1件標準ポイント2201)+(振分情報が示す振分特性の加算ポイント2003)+(振分情報が示す画像枚数の加算ポイント2103)によって算出される。すなわち、検査種と検査する部位の組み合わせによる読影の負荷と、読影する画像枚数の多さによる負荷とを考慮している。つまり、ポイントが高いほど負荷が高い依頼であるということを意味する。読影をする件数だけでなく、ポイントによって読影ごとの負荷を考慮することで、負荷の分散を考慮した振り分けを行うことが可能となる。また、振分対象である依頼のポイントは、自動振分を実行する際に算出することが望ましい。読影依頼を受け付けた後に、読影すべき画像が追加で送付されてくる可能性があるためである。
【0086】
S614にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日の振分候補読影医の数が0人か否かを判定する。0人でない場合は(S614にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日に振分候補読影医が存在すると判定し、S616に処理を移行する。0人である場合は(S614にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日に振分候補読影医が存在しないと判定し、S615に処理を移行する。
【0087】
S615にて、遠隔読影サーバ101は、ループカウンタDに1を加算し(D=D+1)、S611に処理を移行する。
【0088】
S616にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日の振分候補読影医すべてについて、読影医スケジュールテーブル2600を参照し、残振分可能件数(読影可能件数2603)を算出する。また、遠隔読影サーバ101は専門性テーブル2400を参照し、専門性設定値を取得する。そして、遠隔読影サーバ101は、残振分可能件数と専門性設定値とを乗算することで振分適切度を算出する。例えば、ある振分候補読影医の残振分可能件数が2件であり、専門性設定値が“10”である場合には、振分適切度は“20”となる。なお、振分適切度の算出式はこれに限定するものではなく、例えば、振分特性ごとの重み付けなど、他の算出式を用いても構わない。
【0089】
S617にて、遠隔読影サーバ101は、S616で算出した各振分候補読影医の振分適切度に基づき、振分適切度が最も高い1人の読影医を振分情報に設定する。なお、最も高い読影医が複数いる場合は、例えば、読影医IDの若い1名の読影医を、振分対象として振分情報に設定する。
【0090】
S618にて、遠隔読影サーバ101は、S617で設定した振分対象の読影医に対し、振分対象日の振分スケジュールから残読影可能件数(読影可能件数2603)を1件減算する。更に、遠隔読影サーバ101は、残読影可能ポイントから振分対象依頼のポイント分を減算する。
【0091】
S619にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象の依頼について、振分対象読影医および読影日が存在しないと判定し、振分情報を設定しない。その後、処理をS620へ移す。
【0092】
S620にて、遠隔読影サーバ101は、ループカウンタNに1を加算する(N=N+1)。
【0093】
S621にて、遠隔読影サーバ101は、Nの値が、自動振分対象の依頼情報の総数未満であるか否かを判定する。総数未満であると判定された場合(S621にてYES)、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼が残っていると判定し、S606に処理を移行する。総数未満でないと判定された場合(S621にてNO)、遠隔読影サーバ101は、すべての自動振分対象の依頼について、自動振分処理が完了したと判定し、本処理フローを終了する。
【0094】
[画面構成例]
図10は、依頼施設側のユーザが依頼申請する際に、依頼端末109のディスプレイに表示される依頼施設ワークリスト画面1000の構成例を示す。依頼リスト1006の表示ボタン1001が押下されると、押下された行の依頼情報を申請するための依頼申請画面1100に遷移する。検索ボタン1005が押下されると、ユーザにより指定された患者番号1002、検査種1003、および部位1004等の条件に基づいて、
図27に示す依頼情報テーブル2700を検索し、依頼リスト1006の表示内容を更新する。
【0095】
図11は、依頼施設側のユーザが依頼申請のために依頼申請内容を入力する際に、依頼端末109のディスプレイに表示される依頼申請画面1100の構成例を示す。依頼元1101は、依頼施設側のユーザの所属する依頼施設に合わせて表示される。依頼日1102は、依頼申請時に本日の日付が設定される日時の情報である。患者番号1103、患者名1104、性別1105、生年月日1106、モダリティ1107、および画像枚数1108には、画像データに含まれる検査情報(DICOMの情報)に基づいて、設定され、表示される。依頼申請ボタン1113を押下されると、検査種1109、部位1110、フィルム指定1111、および依頼内容1112に入力された情報が、依頼情報テーブル2700に登録される。
【0096】
図12は、読影センター側のユーザが依頼受付する際に、業務端末112のディスプレイに表示される読影センターワークリスト画面1200の構成例を示す。依頼リスト1207の表示ボタン1201を押下されると、押下された行の依頼情報を受付するための依頼受付画面1300に遷移する。検索ボタン1206が押下されると、依頼施設1202、患者番号1203、検査種1204、および部位1205等の条件に基づいて依頼情報テーブル2700を検索し、依頼リスト1207の表示内容を更新する。
【0097】
図13は、読影センター側のユーザが依頼受付のために依頼受付内容を入力する際に、業務端末112のディスプレイに表示される依頼受付画面1300の構成例を示す。依頼情報テーブル2700に設定された依頼情報に基づき、依頼元1301、依頼日1302、患者番号1303、患者名1304、性別1305、生年月日1306、モダリティ1307、画像枚数1308が表示される。更には、検査種1309、部位1310、フィルム1311、および依頼内容1312が表示される。振分特性選択リスト1313は、
図20に示す振分特性マスタテーブル2000に登録された振分特性をリスト表示する。依頼受付ボタン1314が押下されると、振分特性選択リスト1313にて選択された振分特性が、依頼情報テーブル2700に登録される。
【0098】
図14は、読影センター側のユーザが、
図24に示す専門性テーブル2400の内容を更新する際に、業務端末112のディスプレイに表示される専門性設定画面1400の構成例を示す。ユーザにより各振分特性に対する専門性を示す値を専門性設定値1401に入力された後、保存ボタン1402が押下されると、専門性テーブル2400が更新される。ここでの値が大きいほど、専門性が高いことを示す。なお、値が入力されていない場合は、専門外(もしくは読影不可)であることを意味する。
【0099】
図15は、読影センター側のユーザが依頼情報を読影医に振分する際に、業務端末112のディスプレイに表示される依頼振分画面1500の構成例を示す。自動振分ボタン1504が押下されると、依頼情報リスト1501上の振分対象選択チェックボックス1502で選択された依頼情報に対して自動振分が実施され、振分された結果(
図16)が表示される。読影医スケジュール1503のセルがユーザにより選択されると、依頼情報リスト1501上の振分対象選択チェックボックス1502で選択された依頼情報に対し、セルが示す読影医および振分対象日を振分情報として依頼情報テーブル2700が更新される。すなわち、自動振分ボタン1504が押下されることにより、自動的に読影依頼を読影医に振り分けるのではなく、読影依頼を手動で振り分けることができる。
【0100】
図16は、読影センター側のユーザが自動振分を指示した際に、振分結果として業務端末112のディスプレイに表示される画面である。自動振分が実行されると、読影日列1601および読影医列1602が新たに追加表示され、ここに振分された結果の読影日および読影医が表示される。さらに、読影医スケジュール1605の振分された読影日および読影医のセルに、振分後総件数および新規振分件数が表示される。
【0101】
キャンセルボタン1603が押下されると、仮表示された読影日および読影医の内容は破棄される。その結果、読影日列1601と読影医列1602が非表示になり、読影医スケジュール1605の振分件数が削除される。保存ボタン1604が押下されると、表示された読影日および読影医の内容が、
図29に示すように依頼情報テーブル2900に登録され、確定する。
【0102】
[テーブル構成例]
図17、
図18、
図19は、データベース108に記憶されたマスタテーブルの構成例を示す。
図17の検査種テーブル1700、
図18の部位テーブル1800、
図19の分類テーブル1900に登録されたデータは、
図11に示す依頼申請画面1100にて、依頼情報を入力する際の値の候補として、例えばリスト表示にて表示される。
【0103】
図20は、データベース108に記憶された振分特性マスタテーブル2000の構成例を示す。本実施形態に係る振分特性は、
図17に示す検査種の各値と、
図18に示す部位の各値との組み合わせにより定義されるものである。なお、振分特性はこれに限定するものではなく、更なる詳細な項目の値ごとに組み合わせてもよい。その場合には、より詳細な専門性を定義することが可能である。振分特性マスタテーブル2000は、振分特性ID2001、振分特性名称2002、および加算ポイント2003を含む。加算ポイント2003は、依頼情報のポイントを算出する際に、依頼情報に設定された振分特性に応じて加算ポイント2003が1件標準ポイント2201(
図22)に加算される。
【0104】
図21は、データベース108に記憶された枚数ポイント加算テーブル2100の構成例を示す。枚数ポイント加算テーブル2100は、枚数下限2101、枚数上限2102、および加算ポイント2103を含む。
図9のS613およびS618にて依頼情報のポイントを算出する際に、依頼情報の画像枚数に応じて枚数下限2101と枚数上限2102の範囲に収まるレコードの加算ポイント2103が1件標準ポイント2201に加算される。
【0105】
図22は、データベース108に記憶されたポイント設定テーブル2200の構成例を示す。ポイント設定テーブル2200は、1件標準ポイント2201を含む。1件当たりの依頼に対する標準ポイント値として使用される。
【0106】
図23は、データベース108に記憶された振分特性マッピングテーブル2300の構成例を示す。振分特性マッピングテーブル2300は、振分特性ID2301、振分特性名称2302、検査種ID2303、部位ID2304、分類ID2305、患者年齢2306、患者性別下限値2307、および患者性別2308を含む。同一の振分特性ID2301は、異なる検査種ID2303、部位ID2304、分類ID2305、患者年齢2306、患者性別下限値2307、および患者性別2308の組み合わせを持つことができる。
【0107】
図24(A)は、データベース108に記憶された専門性テーブル2400の構成例を示す。専門性テーブル2400は、読影医ID2401、振分特性ID2402、および専門性設定値2403を含む。
図14の専門性設定画面1400で入力された値(パラメータ)が登録される。このパラメータが、各読影医の専門性を示し、値が高いほど専門性が高いことを示している。
図24(B)は、
図24(A)に示す値の関係を、読影医と振分特性を軸にした2次元表形式で表現したものである。
【0108】
図25は、データベース108に記憶された読影医除外テーブル2500の構成例である。読影医除外テーブル2500は、依頼施設ID2501、および読影医ID2502を含む。読影医除外テーブル2500は、依頼情報を申請した依頼施設側が希望しない読影医を、候補読影医から除外するために使用される。なお、ここでは、依頼施設単位で、除外する読影医を指定しているが、これに限定するものではなく、例えば、患者単位、検査種単位などで除外する読影医を指定できるようにしてもよい。
【0109】
図26(A)は、データベース108に記憶された読影医スケジュールテーブル2600の構成例を示す。読影医スケジュールテーブル2600は、振分対象日2601、読影医ID2602、および読影可能件数2603を含む。
図26(B)は、
図26(A)のデータの値を振分対象日と読影医を軸にした2次元表形式で表現したものである。
【0110】
図27は、データベース108に記憶された依頼情報テーブル2700の構成例を示す。依頼情報テーブル2700は、依頼ID2701、状態2702、依頼施設ID2703、依頼日2704、患者番号2705、患者名2706、生年月日2707、性別2708を含む。更には、検査種ID2709、部位ID2710、検査日2711、分類(フィルム)ID2712、画像枚数2713、振分特性ID2714、読影日2715、および読影医ID2716を含む。これらは、依頼情報に含まれる属性情報である。特に本実施形態では、検査種ID2709が示す検査種と部位ID2710が示す撮影部位の組み合わせを用いて読影医の専門性と対応付けて処理を行っている。
図28は、
図27に示す依頼情報テーブル2700のデータを、ソートした後の状態(S601〜S604の処理を実行した後の状態)を示す。
【0111】
図29は、
図27に示す依頼情報テーブル2700のデータに対し、
図9のフローチャートが完了した結果の状態を示す。読影日2901と読影医2902に、自動振分を実施した結果の振分対象日および振分読影医が設定されている。なお、このデータは、
図9のフローチャートが完了した時点では、データセンターのデータベース108には記憶されておらず、
図8のフローチャートのS514において依頼振分画面1600を介してユーザが保存を指示した時点で登録される。
【0112】
図30は、依頼情報テーブル2700のデータについて、
図9のフローチャートが完了した時点の状態を示す図である。算出ポイント3001は、
図9のS613で算出した依頼の算出ポイントを示す。算出振分適切度3002は、
図9のS616で算出した振分対象日毎の読影医の振分適切度を示す。振分情報読影日3003と振分情報読影医3004は、S617で振分対象に設定した読影日および読影医の結果を示す。
【0113】
図31は、依頼情報テーブル2700のデータについて、
図9のフローチャートが完了した時点の各割当対象日、および各読影医の振分済件数、振分可能件数、振分済ポイント、および振分可能ポイントの状態を示す。
【0114】
<第二の実施形態>
第一の実施形態として述べた仕組みを用いることで、読影センターが受け付けた読影依頼を読影医の専門性の強弱、依頼の負荷を考慮した振分を自動的に行うことができる。しかしながら、日々の読影可能件数を依頼件数が上回る場合、自動振分後に発生した依頼は、緊急性の高い依頼であっても、常に振分済みの依頼よりも後に振り分けられてしまう。そのため、依頼を割り込ませたい場合には、手動で振分を調整する必要があり、再調整に時間が掛かってしまう問題があった。
【0115】
また、同一患者の依頼を同一読影医の同一日に割り当てて、読影効率を向上させたい、という場合にも、手動で振分を調整する必要があった。
【0116】
また、所定の依頼元からの依頼情報を優先的に振り分けたいという要望もある。
【0117】
本実施形態では、上記の課題を解決するために、依頼を割り込ませたい場合、自動振分の時点で、すべての読影可能枠を埋めずに割込み用の枠を用意しておく。この構成により、振分後に発生した依頼を、すでに行った振分を維持したまま、割り込ませることが可能となる。さらに、本実施形態では、同一患者等の依頼をグループ化する。グループ化することで、同一患者等の依頼は、必ず同じ読影医もしくは同じ読影日などに割り振ることができ、手動による割当の調整の手間を軽減できる。
【0118】
以下、第二の実施形態として上記の仕組みについて説明を行う。尚、前述した第一の実施形態と共通する処理や画面例、データ構成については説明を省略し、第一の実施形態と異なる部分について説明を行う。
【0119】
なお、本実施形態では、ユーザは、依頼申請画面1100を介して、読影依頼の緊急度を設定できるものとする。このとき、緊急度の高い依頼申請は、特定のユーザや、特定の依頼元のみが設定できるようにしてもよい。
【0120】
[処理フロー]
(依頼振分処理)
図32は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼振分処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0121】
S504にて、業務端末112は、依頼振分画面1500にて自動振分ボタン1504が押されたか否かを判定する。自動振分ボタン1504が押された場合(S504にてYES)、S3201に移行する。
【0122】
S3201にて、業務端末112は、
図34に示す依頼振分条件入力画面3400を介してユーザにより選択された自動振分の振分条件を取得する。振分条件は、自動振分ボタン1504が押された場合に依頼振分条件入力画面3400を表示して設定してもよいし、事前設定として予め依頼振分条件入力画面3400を表示してユーザからの選択を受け付けるようにしてもよい。依頼振分条件入力画面3400の画面構成については、後述する。業務端末112は、振分開始ボタン3409の押下を検知すると、依頼振分条件入力画面3400にて入力された振分条件を取得し、S505に処理を進める。
【0123】
S505にて、業務端末112は、S503で取得された自動振分対象の依頼情報とS3201で取得された振分条件を、遠隔読影サーバ101に送信する。
【0124】
(自動振分処理)
図33Aおよび
図33Bは、本実施形態に係る遠隔読影サーバ101が実施する自動振分の処理フローを示す図であり、
図32のS507の処理に対応する。
【0125】
S601にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている各種テーブルを取得する。ここで取得されるテーブルは、振分特性マスタテーブル2000、枚数ポイント加算テーブル2100、ポイント設定テーブル2200、振分特性マッピングテーブル2300である。更には、専門性テーブル2400、読影医除外テーブル2500、および読影医スケジュールテーブル2600、そして割込用施設情報テーブル3500である。各テーブルの構成例については、
図20〜
図26、
図35に示す。なお、割込用施設情報テーブル3500以外のテーブルについては、第一の実施形態にて述べた構成と同様である。
【0126】
S3301にて、遠隔読影サーバ101は、類似依頼の分割が禁止されているか否かを、依頼振分条件入力画面3400を介して入力された振分条件に基づいて判定する。具体的には、類似依頼分割3401の設定において、類似依頼の分割が禁止されているか否かが判定される。ここでの「類似依頼」とは、所定の属性に基づいて互いに類似する依頼情報を指す。ここでの所定の属性とは、
図34に示す依頼振分条件入力画面3400にて設定されるものとする。例えば、依頼振分条件入力画面3400にて「同一患者」が類似条件として設定されていた場合には、同一の患者に係る読影依頼は、互いの類似依頼として扱われる。
【0127】
類似依頼の分割が禁止されている場合(S3301にてYES)、S602をスキップし、S3302の処理に移行する。類似依頼の分割が禁止されていない場合(S3301にてNO)、S602の処理に移行する。類似依頼の分割が禁止されていない場合、第一の実施形態と同様、振分特性が設定されていない読影依頼を振分対象外とすることで、振分処理を効率化する。一方、類似依頼の分割が禁止されている場合、振分特性が設定されていない読影依頼であっても、これが類似依頼であれば振分対象とする。そのため、この場合は、振分特性が無いレポートを振分対象から除外しない。
【0128】
S3302にて、遠隔読影サーバ101は、指定された自動振分の振分条件において、割込を考慮するか否かの設定を確認する。具体的には、依頼振分条件入力画面3400の割込用読影枠3406の設定において、考慮するか否かが判定される。ここでの「割込みを考慮する」とは、読影可能件数が依頼の件数より多い場合に、すべての枠を埋めずに空きを作っておくことである。つまり、振分後に発生する緊急度の高い優先的な依頼を割り込ませる(緊急性の高い読影依頼を先行して処理させる)ことを可能とする仕組みである。この構成により、振分後に優先的な依頼が発生した場合も、一度決まった振分を解除することなく、振分を行うことが可能となる。割込を考慮する場合(S3302にてYES)、S3303の処理に移行する。割込を考慮しない場合(S3302にてNO)、S603の処理に移行する。
【0129】
S3303にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼情報をソートする。ソート基準としては、
図35の割込用施設情報テーブル3500において依頼情報の依頼施設に対して設定される割込考慮時順序3502を第一ソートキーとする。また、
図27の依頼情報テーブル2700の依頼情報の依頼日2704を第二ソートキーとする。そして、各ソートキーに対し、昇順でソートする。つまり、ソートの結果、上位に位置する依頼情報は、より高い優先度を有するものとして、優先的に振分が行われることとなる。S3303では、割込考慮時順序3502が上位の依頼施設からの依頼が優先的に振り分けられる。その後、S604の処理へ遷移する。
【0130】
S604の処理の後、S3304にて、遠隔読影サーバ101は、依頼情報について、振分条件で指定された類似依頼の条件(設定項目3402〜3405)に基づき、類似依頼のリンクを生成する。遠隔読影サーバ101は、S604にてソートした依頼情報のうち先頭から順に1つずつ依頼情報を取り出し、その依頼情報より後の依頼情報から類似依頼の条件に合致する依頼を類似依頼として設定する。ここでは、類似依頼間でリンクがなされていればよく、具体的なリンク方法については特に問わない。また、事前にリンクを設定せず、後述するS3307で初めて類似依頼を検索するような形態であってもよい。その後、S605の処理へ遷移する。
【0131】
S612にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日と振分可能日とを比較し、振分可能日を超えていない場合は(S612にてYES)、S3305の処理へ遷移する。S3305にて、遠隔読影サーバ101は、指定された自動振分の振分条件が割込を考慮する場合において、本処理実施時点の振分対象日のすべての読影医の残読影可能件数の合計が、割込用読影枠を超えているか否かを判定する。ここでの「割込用読影枠」とは、緊急で割込の依頼が入ることを考慮し、予め振分対象日ごとに空けておく読影可能件数を指す。割込用読影枠は、
図34の依頼振分条件入力画面3400を介して設定される、振分条件の枠の割合3407、および増加タイプ3408に基づいて振分対象日毎に決定される。例えば、枠の割合3407が“5%”で増加タイプ3408が“線形”の場合であって、振分対象日初日の全読影医の読影可能件数が200件の場合、枠の割合が5%であるため、振分対象日初日の割込用読影枠は“10件”となる。また、振分対象日翌日の全読影医の読影可能件数が180件の場合、増加タイプが線形のため枠の割合は10%となり、振分対象日翌日の割込用読影枠は“18件”となる。割込用読影枠の設定については、画面の説明と併せて後述する。
【0132】
本処理実施時点の振分対象日のすべての読影医の残読影可能件数の合計が、割込用読影枠を超えている場合は(S3305にてYES)、遠隔読影サーバ101は、割込用読影枠を考慮した振分対象日の読影可能枠が無くなったと判定し、S615の処理に移行する。一方、超えていない場合は(S3305にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日にまだ振分可能と判定し、S613の処理に移行する。
【0133】
S614にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日の振分候補読影医の数が0人か否かを判定し、0人でない場合は(S614にてYES)、S3306の処理へ遷移する。S3306にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分の振分条件として類似依頼分割が禁止され、かつ、振分対象の依頼に類似依頼が存在するか否かを判定する。この条件を満たす場合(S3306にてYES)、遠隔読影サーバ101は、類似依頼を含めた振分が必要と判定し、S3307の処理に遷移する。一方、自動振分の振分条件として類似依頼分割が許可されている場合、もしくは、類似依頼分割が禁止されているが振分対象依頼に類似依頼が存在しない場合(S3307にてNO)、遠隔読影サーバ101は、類似依頼の振分が不要と判定する。そして、S616の処理に遷移する。
【0134】
S3307にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日の振分候補読影医すべてに対して、振分対象の依頼とその類似依頼全てを振分可能か判定し、可能である振分候補読影医に仮の振分を実施する。そして、遠隔読影サーバ101は、振分対象の依頼とその類似依頼全てを振分可能な読影医以外を、振分候補読影医から除外する。すなわち、遠隔読影サーバ101は、振分対象の依頼と当該依頼の類似依頼の総件数とを特定し、振分対象日にこの総件数以上の読影可能件数を有する読影医を抽出する。更に、遠隔読影サーバ101は、読影医の残読影可能ポイントと、抽出した振分対象の依頼と当該依頼の類似依頼のそれぞれのポイントの合算値とをS613で前述した計算方法に基づいて算出する。そして、遠隔読影サーバ101は、残読影可能ポイントが合算値以上である読影医を、抽出した読影医から更に特定する。こうして特定された読影医が、振分対象の依頼とその類似依頼とを合わせて処理可能な振分候補読影医となる。これ以外の読影医は、振分候補読影医から除外される。その後、S616の処理へ遷移する。
【0135】
S616の処理の後、S3308にて、遠隔読影サーバ101は、S616で算出した各振分候補読影医の振分適切度に基づき、振分適切度が最も高い1人の読影医を振分対象依頼の振分情報に設定する。最も高い振分適切度を有する読影医が複数いる場合は、例えば、遠隔読影サーバ101は、読影医IDの若い1名の読影医を、振分対象として振分情報に設定するようにしてもよい。また、振分対象依頼に類似依頼が存在する場合には、遠隔読影サーバ101は、元となる振分対象依頼の振分適切度が最も高い1人の読影医を、類似依頼の振分情報に設定する。振分の重複が生じないように、S3308にて振り分けられた類似依頼は、以後の依頼振分対象から除外される。
【0136】
S3309にて、遠隔読影サーバ101は、S3308で設定した振分対象の読影医に対し、振分対象日の振分スケジュールから残読影可能件数を1件減算する。更に、遠隔読影サーバ101は、残読影可能ポイントから振分対象依頼のポイント分を減算する。なお、振分対象依頼に類似依頼が存在する場合、遠隔読影サーバ101は、すべての類似依頼分の件数を残読影可能件数から減算し、更に、すべての類似依頼分のポイント分を残読影可能ポイントから減算する。その後、S620の処理へ遷移する。
【0137】
[画面構成例]
図34は、読影センター側のユーザが依頼情報を読影医に振分する際に、業務端末112のディスプレイに表示される依頼振分条件入力画面3400の構成例を示す。依頼振分条件入力画面3400は、例えば、
図15の依頼振分画面1500の自動振分ボタン1504が押下された場合などに表示される。振分開始ボタン3409が押下されると、
図15の依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501上において、振分対象選択チェックボックス1502で選択された依頼情報に対して自動振分が実施される。その後、振分された結果(
図16)が表示される。
【0138】
類似依頼分割3401は、類似する依頼を分割して読影医に対する振分を許可するか禁止するかを設定する項目である。ここで、禁止する場合には、類似する依頼を分割して異なる読影医に振り分けることが不可となる。類似条件である設定項目3402〜3405は、依頼情報のうち、類似すると判定するための条件を設定する。ここで設定された条件により、各読影依頼は一種のグループとして分類される。例えば、設定項目3402にチェックが入れられている場合、同一患者に対する依頼情報は類似するとして扱われる。ここでは、類似する条件として、同一患者、同一検査種、同一検査日、および同一依頼日が挙げられているが、これに限定するものではない。つまり、各読影依頼のデータが有する属性情報のいずれかを分類属性として用いることができ、上記以外にも、依頼者や依頼元が同じである場合などが選択できるようにしてもよい。
【0139】
割込用読影枠3406は、割り込みを考慮して振分を行うか否かを設定する項目である。枠の割合3407は、割込用読影枠3406にて「考慮する」が選択された場合に有効になる。枠の割合3407は、全読影可能件数に基づいて、割込用読影枠を算出する際の基準となるパーセンテージ(割合)を選択肢として提供する。枠の割合は、予め定義された値を選択可能な構成としても良いし、ユーザが任意の値を入力できるようにしてもよい。増加タイプ3408は、振分対象日が1日経過するごとに、割込用読影枠を多く設定することとなるが、その増加の割合を指定する。増加タイプとしては、“線形”、“指数的”、等を、選択肢として提供することが可能であるが、これに限定するものではない。例えば、“線形”が指定された場合は、枠の割合3407の値に対し、線形に増加することを意味する。具体的には、枠の割合として“5%”が設定されている場合、初日目、2日目、3日目、...となるに従って、その割合は、5%、10%、15%、...として算出される。
【0140】
[テーブル構成例]
図35は、データベース108に記憶された割込用施設情報テーブル3500の構成例である。割込用施設情報テーブル3500は、依頼施設ID3501、および割込考慮時順序3502を含む。割込用施設情報テーブル3500は、自動振分実施時、振分条件で割込を考慮する際に、割込を考慮する際に優先的に振り分ける依頼情報を施設毎に順序づけるために使用される。
【0141】
本実施形態では、自動振分の際に、割り込みを考慮し、読影可能な件数に空きを設けて振分を行っている。振分後に緊急度が高く設定された依頼情報を受信した場合には、ユーザが手動でその空きの部分を含めて緊急度が高く設定された依頼情報を読影医に振り分けられるようにしてもよい。もしくは、遠隔読影サーバが、再度、自動振分を実行し、すでに振り分けられた依頼情報を維持したまま、緊急度が高く設定された依頼情報を空きの部分を含めて振り分けるようにしてもよい。
【0142】
遠隔読影サーバが自動的に、緊急度が高く設定された依頼情報を振り分ける場合には、緊急度が高く設定された依頼情報を受信したタイミングで自動振分を実行するようにしてもよい。もしくは、依頼情報の受信を定期的に監視し、受信していた場合に自動振分を行うようにしてもよい。また、緊急度が高く設定された依頼情報を振り分けた場合、遠隔読影サーバは、その振分先となった読影医に通知を行うようにしてもよい。
【0143】
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。