(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
GPS等のGNSS(グローバルナビゲーション衛星システム)信号受信/処理機能性を含むポータブルナビゲーション装置(PND)は周知であり、車両搭載型のナビゲーションシステム又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用される。
【0003】
一般に、最近のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性及び不揮発性の少なくとも一方であり、通常は双方)及び前記メモリ内に格納された地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。更に、PNDの機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話し且つ装置を制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースとを更に備える。出力インタフェースの例は、表示装置及び可聴出力用スピーカを含む。入力インタフェースの例は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合はステアリングホイール上に存在してもよい)及びユーザの音声を検出するためのマイクを含む。特に好適な構成において、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触れることにより装置を操作できるようにする入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(例えば、タッチセンシティブオーバーレイにより)構成される。
【0005】
また、この種の装置は、装置との間で電力及びオプションとしてデータ信号を送受信可能にする1つ以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びに例えばWi−Fi及びWi−Max、GSM(登録商標)等である他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機とを含むことが多い。
【0006】
この種のPND装置はGPSアンテナを更に含み、これにより場所データを含む衛星放送信号を受信でき、その後装置の現在地を決定するために処理できる。
【0007】
PND装置は、現在の角加速度及び直線加速度を決定し、GPS信号から導出された場所情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度及び相対変位を決定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような特徴を車両搭載型のナビゲーションシステムに提供するのが最も一般的であるが、PND装置に提供するのが好都合な場合はPND装置に提供する。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地又は現在地)と第2の場所(通常は目的地)との間の経路を決定する機能において主に示される。これらの場所は、例えば郵便番号、道路名及び番地、事前に格納された「既知の」目的地(有名な場所、公営の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の地点情報等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地である種々の異なる方法のうちのいずれかによって、装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は所定の基準に基づいて決定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度であり、選択された経路は、既存の交通道路情報、予測された交通道路情報、動的に及び/又は無線で受信された交通道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路選択を決定する要因に対する運転者自身の好み(例えば運転者は、経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないと指定する)を考慮してもよい。
【0010】
更に、装置は道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの移動に対して経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムが、交通遅滞を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際は車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ、移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路の計算及び計算された経路に沿うナビゲーションの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
PNDの場合、経路が計算されると、ユーザはナビゲーション装置と対話し、オプションとして、提案された経路のリストから所望の計算された経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えばある特定の移動に対して特定の経路、道路、場所又は基準が回避されるべきであるか又は必須であると指定することにより、経路選択処理を仲介又は誘導する。PNDの経路計算の側面は1つの主要な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主要な機能である。
【0013】
計算された経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDが、選択された経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従って装置が車両ナビゲーションに使用されている場合はユーザ又はユーザの車両の現在地を示すように、画面上で定期的に更新される。
【0014】
画面上に表示されるアイコンは、通常は装置の現在地を示し、装置の現在地の近傍の現在の道路及び周辺の道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図の特徴と共に中央に配置される。更にナビゲーション情報は、オプションとして、表示された地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示される。ナビゲーション情報の例は、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離を含み、その進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンにより示される。ナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを更に決定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は膨大な処理及び解析を必要とする。上述のように、装置とのユーザ対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えて又はその代わりに、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の何らかの適切な方法により行われてもよい。
【0015】
装置により提供される更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れる(誤って又は故意に)場合、別の経路がより適切であるとリアルタイムの交通状況が示し且つ装置がそのような状況を適切に自動認識できる場合、あるいはユーザが何らかの理由で能動的に装置に経路の再計算を実行させる場合における自動経路再計算である。
【0016】
ユーザが定義した基準で経路を計算できることも既知である。例えばユーザは、景色のよい経路が装置により計算されることを好み、あるいは交通渋滞が発生する可能性が高いか、予想されるか又は現在発生している道路を回避することを要求する場合がある。その場合、装置のソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた地点情報(POIとして知られる)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路で発生しやすい交通状況を示す格納された情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそれによる遅滞のレベルに関して計算された経路を順序付けする。他のPOI及び交通情報を使用する経路計算及びナビゲーション基準も可能である。
【0017】
経路計算機能及びナビゲーション機能はPNDの総合的な実用性の基本になるものであるが、装置を単に情報表示、すなわち「フリードライビング」のために使用することが可能である。この場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、ナビゲーションは現時点で装置により実行されていない。そのような動作モードは、通勤者等のユーザが移動時に使用するのが望ましい経路を既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能であることが多い。
【0018】
慣れた経路を移動するユーザは、経路を既に認識しているため、ナビゲーション装置を利用しない場合があることが確認されている。ユーザはターンバイターン案内を必要としない一方で、ナビゲーション装置が提供できる情報の利点を享受しない。本発明のいくつかの実施形態の目的は、モバイル機器のユーザがモバイル機器に自身の行程の詳細を入力する必要なく、ユーザに情報を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
特にPNDを参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。尚、本発明の教示はPNDに限定されず、例えば経路計画及び/又はナビゲーション機能性を提供するためにソフトウェアを実行するように構成されるあらゆる種類の移動処理装置に例外なく適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、車両に内蔵されたナビゲーション装置、あるいは経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する移動電話又はポータブルデジタルアシスタント(PDA)として実現されるかに関係なく、あらゆる種類の移動経路計画/ナビゲーション装置を含む(それらに限定されない)ことを意図する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、ナビゲーション装置は、通勤者及び他の「定期的な移動者」、すなわち同一の目的地への1つ以上の経路を頻繁に移動するユーザによる使用を意図するモバイル機器である。従って、モバイル機器は、パーソナル交通/移動情報を提供することを目的とする。パーソナル交通/移動情報は、ユーザに関連することを意味することを意図する。そのような交通/移動情報は、職場等の頻繁に訪れる目的地に移動するユーザにより期待されるように、ユーザが特定の目的地を装置に入力する必要なくユーザに提供される。ユーザは移動しようとする経路を既に認識していると予想されるため、モバイル機器はターンバイターン音声案内を提供しない。しかし、装置は、前方の経路及び関連する交通及び/又は移動情報に関する視覚的プロンプトをユーザに提供する。これらの視覚的プロンプトは、閲覧し易い道路網の表現をユーザに提供するように概略的に示されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザは、ユーザが以前に設定した複数の目的地から目的地を入力できるか、あるいはモバイル機器により提案された可能性の高い目的地を確認できる。
【0039】
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す。そのようなシステムは既知であり、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を決定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をあらゆる数の受信ユニットに中継できる。
【0040】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を決定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは決定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみから決定することもできる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を決定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法で自身の3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0041】
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
【0042】
各衛星120から継続的に送信されたスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成された非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信装置140は、GPS受信装置140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量により自身の2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、全部で4つの衛星120から信号160を取得することになり、それによりGPS受信装置140は自身の3次元位置を既知の方法で計算できる。
【0043】
図2は、本発明の好適な一実施形態に係るナビゲーション装置200の電子構成要素をブロック構成要素の形式で例示的に示す図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0044】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されたプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等のあらゆる種類の表示画面を含むことができる。特に好適な構成において、入力装置220及び表示画面240はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に触れるだけでよい。
【0045】
ナビゲーション装置は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置220は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。
【0046】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、出力接続245を介して表示画面240及び出力装置260の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリリソース230に動作可能に結合され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリリソース230は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0047】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機である。図中符号250で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0048】
更に、
図2に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、
図2に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば
図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0049】
更に、
図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0050】
次に
図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば既知のBluetooth(登録商標)技術を介するデジタル接続等)を確立するモバイル機器(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、モバイル機器は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するためモバイル機器であってもよく、多くの場合はモバイル機器である)とサーバ302との間に確立される。
【0051】
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用したモバイル機器(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。モバイル機器は、CDMA、GSM、WAN等のあらゆる通信規格を利用できる。
【0052】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他のモバイル機器及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は通信会社により提供されるモバイル機器用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0053】
更に、ナビゲーション装置200は、モバイル機器とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等のあらゆる規格を利用できる。
【0054】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/あるいは、例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかのモバイル機器と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0055】
GPRS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0056】
図3において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、モバイル機器を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0057】
サーバ302は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び受信するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含む。送信機308及び受信機310は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0058】
サーバ302は、大容量データ記憶装置312に更に接続される(又は大容量データ記憶装置312を含む)。尚、大容量データ記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量データ記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量データ記憶装置312はサーバ302とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ302に組み込まれてもよい。
【0059】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、
図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0060】
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0061】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0062】
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0063】
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0064】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動体通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0065】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0066】
サーバ302はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0067】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0068】
図2において上述したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えば情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするために一体型入力表示装置に一体化される。当業者には既知であるように、そのような画面は例えば接触入力LCD画面である。更にナビゲーション装置200は、例えば音声入力/出力装置等の何らかの追加の入力装置220及び/又は何らかの追加の出力装置241も含むことができる。
【0069】
例えばナビゲーション装置であるモバイル機器200はアプリケーションフレームワーク上で実行可能な1つ以上のソフトウェアモジュールを備え、その機能を以下に更に詳細に説明する。いくつかの実施形態はモジュールのうちの1つのみを含むが、他の実施形態はモジュールのうちの2つ以上又は全てを含むことが理解されるだろう。
【0070】
ソフトウェアモジュールのうちの1つは、ナビゲーション装置200のユーザが行ったトリップ又は行程を示す情報を動作可能に格納するトリップ記録モジュールを含む。トリップ記録モジュールは、ナビゲーション装置200が通信可能に結合される
図5に示すトリップデータベース510にトリップ情報を格納する。トリップデータベース510は、ナビゲーション装置200のメモリ230等にナビゲーション装置200に対してローカルに格納されるか、あるいは通信チャネル318等を介してナビゲーション装置200にリモートにアクセス可能である。トリップデータベース510は、トリップ又は行程毎にナビゲーション装置200が通った経路を示す情報を格納する。この意味で、用語「トリップ」は以前の行程として理解される。あるいは、トリップデータベース510は、ナビゲーション装置200が移動した経路を含むナビゲーション装置200が行った行程を示す情報を格納する履歴行程データベースとして周知である。トリップデータベース510は、地図データに関連付けられた情報のレイヤであってもよく、すなわち、ユーザが横断した地図データ内のセグメントを識別する情報を含んでもよい。トリップデータベース510に格納されるデータの構造の一例を以下に説明する。
【0071】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200のユーザにより選択された1つ以上の場所、すなわちお気に入りの場所に関連する情報を格納するお気に入りデータベース520に通信可能に更に結合される。選択される場所は、自宅、職場、駅、学校、家族、レストラン等のユーザにより定義された地点情報(POI)であってもよい。お気に入りの場所は、ナビゲーション装置200と直接対話するか又はリモートのウェブページ等を介して間接的に対話することでユーザにより選択される。ユーザは、いずれかの方法でお気に入りデータベース520と対話して、地図の場所をお気に入りの場所として選択し且つ格納する。お気に入りの場所の各々は地点であるのが好ましいが、地理的領域であってもよい。トリップデータベース510と同様に、お気に入りデータベース520は、ナビゲーション装置200のメモリ230等にナビゲーション装置200に対してローカルに格納されるか、あるいは通信チャネル318等を介してナビゲーション装置200にリモートにアクセス可能である。お気に入りの場所の各々は、ユーザにより選択された名称、アイコン又は色のうちの1つ以上等の1つ以上の識別子と関連付けてお気に入りデータベース520に格納されてもよい。トリップデータベース510に格納されたトリップのうちの少なくともいくつかは、お気に入りデータベース520に格納されたお気に入りの場所に関連付けられる。例えばトリップデータベース510に格納されたトリップは、ユーザがトリップにおいて出発又は到着したお気に入りデータベース520内の場所に関連付けられる。
【0072】
図6aは、デジタル地図データ600の一部分の例を示す。デジタル地図データ600は、ノードを相互接続するセグメントを示す情報から形成されてもよく、その場合、セグメントは通行可能なネットワークを表す。あるいは、地図データ600は、関連する属性を有するノードにより形成されてもよく、その場合、少なくともいくつかの属性は、ノード間の接続を表す共通の属性を有するノード間の接続を示す。接続は、実世界における通行可能なセグメントを示す。通行可能なセグメントは道路セグメントであってもよいが、自転車ネットワーク又はパスネットワーク等のあらゆる通行可能なネットワークのセグメントであってもよい。各セグメントは、
図6a及び
図6bに示す文字A〜I等の識別子に関連付けられる。
【0073】
トリップデータベース510に格納されたトリップ情報は、ユーザが以前に横断又は移動した地図データ600内の通行可能なセグメントを示す。従って、トリップデータベース510は、ユーザが移動したデジタル地図データ600内の通行可能なセグメントのサブセットを表す。トリップデータベース510は、ユーザのパーソナルネットワークとして考えられてもよい。すなわち、トリップデータベース510は、デジタル地図データ内の通行可能なセグメントのセットからユーザが使用した通行可能なセグメントのサブセットを表す。トリップデータベースは、デジタル地図データと組み合わせて使用するための情報のレイヤであってもよく、その場合、レイヤは、ユーザが以前に横断した地図データ内のセグメントを識別する。通行可能なネットワークは道路網であってもよいが、例えば自転車パス等の他のネットワークの通行可能なセグメントを含んでもよい。トリップデータベース510は、ユーザがこれまでに横断した全ての道路セグメントを識別する情報を格納するのでなく、ユーザの最近の移動挙動を表すように、例えば所定の期間後に情報をフラッシュされてもよいことが理解されるだろう。
【0074】
ユーザが
図6aに示す道路セグメントA、B、F及びGに沿う経路を移動する場合、これらのセグメントを含むデジタル地図データに関して当該経路を識別する情報がトリップ記録モジュール410によりトリップデータベース510に格納される。
【0075】
いくつかの実施形態において、トリップデータベース510に格納される情報は、横断された道路セグメント毎に以下のうちの1つ以上を含む。
セグメント識別子(例えばA)、
道路セグメントを横断した時間を示す時間情報、
ユーザが現在のセグメントに進入した直前の先行セグメントを示す先行セグメント情報。
【0076】
時間情報は、複数の時間スロットのうちのセグメントが横断された時間スロットを示してもよい。例えば一週間は、均等であってもなくてもよい複数の時間スロットに分割される。一実施形態において、一週間は336個の30分の時間スロットに分割されるが、他の長さが使用されてもよい。時間情報は、セグメントが横断された時間スロットを識別してもよい。テーブル1は、トリップデータベース510の構造の一例を示す。トリップデータベース510は4つの列を含む。第1の列「トリップ」は、データベース510内の各トリップを一意に識別する識別子を格納する。識別子は、各トリップがデータベース510に格納される際に順次割り当てられてもよい。「セグメント」列は、トリップ又は行程の部分を形成するデジタル地図データ600内の通行可能な各セグメントを識別する情報を格納する。「先行セグメント」列は、セグメントがトリップを形成する最初のセグメントでない場合に、ユーザが現在のセグメントに進入した直前のトリップ内のセグメントを識別する情報を格納する。「時間スロット」列は、複数の時間スロットのうちセグメントが横断された時間スロットを識別する情報を格納する。以下の例から、トリップ1の場合、セグメントA及びBは木曜日の14:00〜14:30に対応する時間スロット212に横断され、セグメントCは例えば木曜日の14:30〜15:00に関連する時間スロット213の間に横断されたことがわかる。時間スロットは、セグメントの横断が開始した時間を識別してもよい。「お気に入り」列は、セグメントがトリップの最後のセグメントであり且つ最後のセグメントがデータベース520内のお気に入りの場所の周辺である場合に、お気に入りデータベース520からのお気に入りの場所を識別する。ユーザは常に正確にお気に入りの場所に駐車するわけではないと予想されるため、セグメントの終端がお気に入りの場所から所定の距離内に存在する場合、最後のセグメントはトリップデータベース510内のお気に入りの場所に関連付けられる。距離は250mであってもよいが、他の距離が使用されてもよい。これにより、2つ以上の異なる道路セグメントが同一のお気に入りの場所に関連付けられ、すなわち、複数のセグメントがお気に入りの場所から所定の距離内で終了することが理解されるだろう。
【0078】
いくつかの実施形態において、トリップデータベース510は、トリップデータベース510内の各セグメントが各時間スロット内に横断された回数を識別する横断情報を更に格納する。横断情報は、データベース510内のセグメント毎にセグメントが各時間スロットの間に横断された回数を識別するトリップデータベース510内の別個のデータ構造に格納される。当該情報は、テーブル1に示すデータベース構造から導出されてもよいことが更に理解されるだろう。当該情報は、トリップデータベース510が管理可能なサイズに維持されるように、頻繁に実行されないトリップを削除するために使用される。
【0079】
ナビゲーション装置200のいくつかの実施形態は予測モジュールを備える。
【0080】
一実施形態において、予測モジュールは、トリップデータベース510に格納された情報に基づいてユーザの目的地を動作可能に予測するように構成される。予測モジュールは、ナビゲーション装置200のユーザのパーソナルネットワークからユーザの目的地を予測するように構成される。換言すると、予測モジュールは、ユーザが以前に移動した通行可能なセグメントネットワークを識別する情報とナビゲーション装置の現在地とに基づいて目的地を予測するように構成される。予測される目的地は、トリップデータベース510に基づいて、お気に入りデータベース520に格納されたお気に入りの場所から選択されてもよい。予測モジュールは、以下に説明するように、ユーザが「フリードライビング」モードでナビゲーション装置200を利用している場合でも、ユーザが移動する経路を予測してもよい。
【0081】
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る方法700を以下に説明する。方法700は、予測モジュールにより実行されてもよい。方法700は、ナビゲーション装置200のユーザの目的地を予測する方法である。
【0082】
ステップ710において、方法700は、ナビゲーション装置200の現在地及び1つ以上の時間スロットを決定する。ナビゲーション装置200の場所は、上述したように、少なくとも部分的にGPS信号等の受信した無線信号から決定されてもよい。予測モジュールは、ナビゲーション装置200の別のモジュールから場所情報を受信してもよい。時間は、ナビゲーション装置200の内蔵時計から決定され、トリップデータベース510に関して使用される複数の所定の時間スロットと比較されてもよい。時間スロットは、現在の時刻が含まれる時間スロットである。いくつかの実施形態において、現在の時間スロット及び現在の時間スロットの前後の時間スロット等の1つ以上の隣接する時間スロットを含む複数の時間スロットがステップ710で決定される。いくつかの実施形態は、例えば現在の時間スロットの前後の2つの時間スロットである複数の隣接する時間スロットを選択する。
【0083】
ステップ720において、ステップ710で選択されたナビゲーション装置200の現在地及び時間スロットに基づいて、1つ以上の道路セグメントが選択される。
図6bは、
図6aに示したデジタル地図データ600の同一の部分及びナビゲーション装置200の場所650を示す。ナビゲーション装置(場所650に示す)は現在、道路網のセグメントI上に存在することが理解される。本発明の実施形態において、ユーザの目的地は、トリップデータベース510に格納された情報、すなわちユーザが以前に横断した道路網のセグメントに基づいて予測される。テーブル1に示したトリップデータベース510の部分の例から、ユーザはステップ710及び720の実行時に以前に横断したセグメント上にいない場合があることが理解される。ユーザはいずれのセグメント上にもいない場合があり、すなわち、ユーザは駐車場等の道路の付近にいる場合がある。従って、目的地予測の精度を向上するために、ステップ720のいくつかの実施形態は、現在地及び所定の半径に基づいて1つ以上の道路セグメントを選択する。所定の半径は250mであってもよいが、これは例にすぎないことが理解されるだろう。
図6bは、ナビゲーション装置200の現在地650を中心とする所定の半径660を示す。ステップ720において、場所及び時間スロットに基づいて、1つ以上のセグメントがトリップデータベース510から選択される。セグメントIはテーブル1に示すトリップデータベースの部分に存在しないが、セグメントFが現在地650の所定の半径660内に存在するため、セグメントGと共に選択されることが理解される。その後、現在の時刻に基づいて、選択されたセグメントがステップ710で選択された1つ以上の時間スロットの間に横断されたかが決定される。選択された各セグメントが選択された時間スロット内に横断されてなかった場合、それらは更なる考慮から除外される。従って、ステップ720は、ナビゲーション装置200の現在地に基づいて、ほぼ同様の時間にユーザが横断したことのあるセグメントを選択する。ステップ730において、何らかのセグメントがステップ720の結果として選択されるかが決定される。セグメントが選択されない場合、すなわち、同様の時間に横断されたセグメントが所定の半径660内に存在しない場合、ステップ750へ進む。しかし、1つ以上のセグメントが選択される場合、ステップ740へ進む。
【0084】
ステップ740において、選択されたセグメントに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つ以上の目的地が予測される。1つ以上の目的地は、選択されたセグメントの横断情報に基づいて予測される。上述のように、横断情報は、ユーザが各時間スロットの間に各セグメントを横断した回数を識別する。経路探索アルゴリズムは、横断情報から導出されるコスト情報を利用してもよい。コスト情報は横断情報の逆数に基づいてもよく、それにより、使用回数が多いことを示す大きい横断回数を関連付けられたセグメントは低いコストを関連付けられ、経路探索により優先的に選択される。変更されるコスト値を以下に更に説明する。経路探索は、例えばA*経路探索(当技術において既知である)であるダイクストラに基づく探索アルゴリズムであってもよいが、他の探索アルゴリズムが使用されてもよい。変更されるコスト情報を以下に更に詳細に説明する。トリップデータベース510を探索することにより、予測モジュールは、予測目的地として使用されるお気に入りデータベース520からのお気に入りの目的地に関連付けられた道路セグメントを取得する。トリップデータベース及びステップ720で選択されたセグメントに関して実行される探索の結果、目的地及び目的地への関連する経路が予測される。ステップ740のいくつかの実施形態は、可能性の低い1つ以上の更なる目的地及び経路を更に選択する。最も可能性の高い目的地及び可能性の低い予測目的地は、例えば決定された可能性の降順で表示装置上にユーザに対して表示されてもよい。あるいは、ステップ740は、お気に入りの目的地及び関連する経路の表示を表示してもよい。
【0085】
ステップ730に戻って、上述のように、ステップ720において現在の時間スロット又は1つ以上の隣接する時間スロットに対応するセグメントが選択されなかった場合、ステップ750において、時間を限定せずに現在地に基づいて1つ以上のセグメントが選択される。例えば異なる時間に周辺のセグメントを横断していた場合、この時間スロットはステップ720で選択されないが、ステップ750で選択される。
【0086】
ステップ760において、何らかのセグメントがステップ750の結果として選択されるかが決定される。セグメントが選択されない場合、すなわち、所定の半径660内の道路セグメントがトリップデータベース510に存在しない場合、ステップ780へ進む。しかし、1つ以上のセグメントがステップ750により選択される場合、ステップ770へ進む。
【0087】
ステップ770において、選択されたセグメントに基づいて、ユーザの1つ以上の目的地が予測される。1つ以上の目的地は、選択されたセグメントに対するトリップデータベース510の経路探索に基づいて予測される。ステップ770は、ステップ740に対して上述したのと同様である。1つ以上の経路又は当該経路に関連付けられたお気に入りの目的地は、ユーザが選択できるように表示装置上に表示されてもよい。
【0088】
ステップ780において、セグメントがステップ750で選択されなかった場合、トリップデータベース510内の目的地に隣接するセグメントに関連付けられた時間スロットに基づいて、1つ以上のお気に入りの目的地が選択される。例えばお気に入りの目的地「職場」の場合、目的地に隣接する(つながる)セグメントは月曜日〜金曜日の8:00〜8:30の時間スロットに横断される。ステップ780は、現在地650からお気に入りデータベース520内のお気に入りの目的地の各々への予想到着時刻を決定する。予想到着時刻に関連する時間スロットがトリップデータベース510内の隣接するセグメントの時間スロットに対応する場合、ステップ780において、お気に入りの目的地が選択される。いくつかの実施形態において、例えば予想到着時刻の時間スロット及びその前後の隣接する時間スロットを考慮することにより、ある程度の誤差がステップ780で許容されることが理解されるだろう。予想到着時刻は、例えば時速60km/hである所定の速度での「直線」経路に基づいて決定されてもよい。このように、現在地から道路網を通るお気に入りの目的地の各々への経路を計算する必要はない。ステップ780により、ユーザは、不案内な場所から出発してお気に入りの目的地に向かうことができる。その場合、選択されたお気に入りの目的地は、ユーザが選択できるように表示装置上に表示されてもよい。ステップ780は、トリップデータベース510からの経路を提供しなくてもよい。
【0089】
図7に示す方法700は、トリップデータベース510及びお気に入りデータベース520に基づいて、提案される目的地を提供でき、いくつかの目的地に対しては当該目的地への経路を提供できることが理解されるだろう。従って、方法700は、トリップデータベース510に格納された以前のトリップ又は行程を示す情報により特徴付けられるユーザの以前の挙動に基づいて、定期的に使用される目的地を提案するのに特に適している。
【0090】
図8は、本発明の一実施形態に係る提案された目的地インタフェース800を示す。インタフェース800は、お気に入りデータベース520に格納された場所のうちの1つであるのが好ましい上述した方法に従って提案される目的地の表示をユーザに提供する。インタフェース800は、住所を示すテキスト文字列等の提案される目的地の名称810(例えば「自宅」である格納されたお気に入りに関連付けられた単語であってもよい)、目的地に関連付けられたアイコン820、並びにユーザが提案された目的地を無効にするか又は確定するための制御830、840のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態は、提案される目的地の周辺のデジタル地図データの一部分の表現であってもよい背景画像850を更に含む。
【0091】
本発明の実施形態は、ユーザが以前に移動したことのあるセグメントを優先し、すなわち優先的に選択して目的地への経路を決定するように構成される。上述のように、デジタル地図データは、道路セグメントを使用してノードを相互接続して道路網を表す。各セグメントは1つ以上の関連する属性を有し、各属性は各々の特徴に従って当該セグメントを横断するコストを示す。例えば、第1の属性はセグメントを横断する予想速度に対するコストを示し、第2の属性はセグメントを横断する際の予想燃料消費に対するコストを示す。出発地と目的地の間の経路を決定する場合、経路指定アルゴリズムは、経路に関連付けられたコスト及び1つ以上の経路指定基準に基づいて、経路に含むセグメントを選択する。
【0092】
本発明の実施形態は、トリップデータベース510に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のセグメントに対するコストを決定又は変更する。デジタル地図データ内の少なくとも1つの道路セグメントに対するコスト属性は、トリップデータベース510における道路セグメントの存在及び/又は道路セグメントが予測モジュールにより決定された予測経路の部分を形成するかに従って更新又は変更される。
【0093】
例えば3つの道路セグメントS1、S2、S3がデジタル地図データに存在し、各道路セグメントは関連付けられたコスト属性を有する。デジタル地図データにおけるコスト値は、移動速度又は燃料消費等の道路セグメントの特徴を示すのに使用される既存のコスト値であってもよく、あるいは新規に導入されてもよい。新規に導入されるコスト値の場合、デジタル地図データ内の各道路セグメントに関連付けられるコストは、経路指定アルゴリズムが当該コスト値に基づいて道路セグメントを優先的に選択しないように、最初は同一の値に設定される。
【0094】
例示的なトリップデータベース510はセグメントS1に対するエントリを含まず、ユーザが当該セグメントを通って移動しないこと又は少なくとも最近は当該道路セグメントを通って移動していないことを示す。しかし、トリップデータベース510は道路セグメントS2及びS3に対するエントリを含むため、デジタル地図データにおけるセグメントS2及びS3に対するコスト値は、トリップデータベース510における当該セグメントの存在を反映するように更新される。経路指定アルゴリズムは、低いコストを有するセグメントを優先的に選択する。例えば経路指定アルゴリズムは、全ての他の経路指定基準がセグメントに対して等しい場合、セグメントS1よりセグメントS2及びS3を優先的に選択する。経路指定アルゴリズムは従来通り、セグメントに対する移動速度、時間、燃料消費等の1つ以上の他の要素に基づいて経路を決定してもよいことが理解されるだろう。従って、特定の出発地及び目的地に対して、従来通りセグメントS2よりセグメントS3が選択されてもよい。しかし、可能な場合、経路指定アルゴリズムはトリップデータベース510に含まれるセグメントを優先する。更に、
図7のステップ740及び770のように、経路が上述のように予測されている場合、予測経路を形成するセグメントに関連付けられたデジタル地図データにおけるコスト値は、経路指定アルゴリズムが当該セグメントを選択する傾向を増加するように更に変更されてもよい。例えば、全ての他の要素が等しいと仮定して、セグメントS3が予測経路の部分を形成する場合、セグメントS3がセグメントS2より優先的に選択されるようにコストが更に変更されるのが好ましい。
【0095】
地図データ内の道路セグメントに対するコスト情報は履歴情報に基づいて変更されてもよいことが更に理解されるだろう。一実施形態において、地図データ内のセグメントの少なくともいくつかは、複数の期間における当該道路セグメントの平均移動速度を示す履歴速度プロファイルに関連付けられる。例えば履歴速度プロファイルは、各曜日に対して5分間隔を定義し、各間隔における平均速度を定義する。履歴速度プロファイルは、プローブデータから決定されてもよい。履歴速度プロファイルは参照プロファイルであってもよいが、複数の標準的な参照プロファイルのうちの1つであってもよい。換言すると、履歴速度プロファイルが基づくプローブデータは、必ずしもその特定の道路セグメントに関連しなくてもよい。従って、その特定の道路セグメントに対して測定されたデータに従って履歴速度プロファイルをスケーリングするために、スカラが履歴速度プロファイルと共に利用されてもよい。1つ以上の履歴速度プロファイル及びスカラは地図データと別に格納及び通信されてもよく、例えばナビゲーション装置のメモリに格納されてもよい。
【0096】
リアルタイムデータは、GPSプローブデータ、GSMプローブデータ及びジャーナリスティックデータ等の1つ以上のソースから道路セグメントに対して取得されてもよい。取得されたリアルタイムデータ及び適切にスケーリングされた履歴速度に基づいて、リアルタイムデータがスケーリングされた履歴速度情報と異なる場合、交通事象が識別される。識別された交通事象に応答して、交通事象に関連する場所から所定の範囲内のナビゲーション装置に交通メッセージが通信されてもよい。特定の種別以上の道路に関連する交通メッセージ等の重要であると考えられる交通メッセージは、場所から第2の更に広い範囲内のナビゲーション装置に通信されてもよい。このように、地図データにおける道路セグメントに関連するコスト情報は、遅い移動速度を示すように変更されてもよい。
【0097】
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る方法900を以下に説明する。方法900は、装置200の経路属性モジュールにより実行されてもよい。
【0098】
ステップ910において、上述のように、デジタル地図データに関連付けられた1つ以上のコスト値はトリップデータベース510に基づいて変更される。このように、一実施形態において、コスト値は、トリップデータベース510における道路セグメントの存在に基づいて変更され、それにより、ユーザが以前に横断したことのある道路セグメントが優先的に選択されるか又は経路指定アルゴリズムにより優先される。同様に、いくつかの実施形態において、コスト値の変更は、上述のように、予測経路内のセグメントが更に優先的に選択されるか又は経路指定アルゴリズムにより優先されることを含む。
【0099】
ステップ920において、ナビゲーション装置200の現在地と目的地との間の経路が計算される。目的地は、お気に入りデータベース520に格納されたお気に入りの場所であってもよい。経路の決定は、ステップ910で決定された道路セグメントに関連する変更されたコスト値に基づく。ステップ920のいくつかの実施形態において、目的地への経路はデジタル地図データのみに基づいて計算され、すなわち、変更されたコスト値を用いずに計算される。
【0100】
先行の経路計算が未変更のコスト値を使用するかに依存してオプションであるステップ930において、2つの経路の各々に関連する属性が比較される。属性は目的地への移動時間であってもよい。例えばステップ930において、2つの経路の各々が目的地に到着するのに要する時間が比較される。
【0101】
ステップ940において、ステップ930で実行された比較に基づいて、経路のうちの1つが選択される。ステップ940において、変更されたデジタル地図コストに従って決定された経路がデフォルトとして選択されてもよい。しかし、コストが変更された経路に対する所要時間等の属性が未変更のコストより所定のマージンを上回って大きい場合、元の又は未変更のデジタル地図コストに従って決定された経路が選択されてもよい。マージンは25%又は50%上回ることであってもよいが、これらは例にすぎないことが理解されるだろう。従って、一実施形態において、目的地に到着するのが50%を上回って速い場合、すなわち時間が短い場合、デジタル地図データのみに基づいて決定された経路が選択される。上記の状況が当てはまらない場合、ステップ940において、トリップデータベース510に従って変更されたコスト値に基づいて決定された経路が選択される。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態は、目的地の推定到着時刻(ETA)等の経路の属性の表示を提供する。本発明の実施形態は、例えば燃料消費等の経路の他の属性に適用されてもよいことが理解されるだろう。本発明の実施形態において、ETA値は、トリップデータベース510内のセグメントを優先的に含み且ついくつかの実施形態では予測経路内のセグメントを更に優先的に含む上述のように決定された少なくとも1つの経路に対して提供される。ETA値は、経路を形成するセグメントの予想移動速度又は予想移動時間に基づき、ナビゲーション装置200により受信される交通及び/又は天候情報等の情報に従って変更される。受信した情報により、経路に含まれる1つ以上の道路セグメントの予想移動速度が低下するか又は予想移動時間が増加する場合がある。
【0103】
本発明の実施形態は、交通及び/又は天候情報等の受信した情報に応答して、トリップデータベース510に基づく少なくとも1つの代替経路を通るETAを再計算する。受信した情報に応答して、経路は、最小のETAを有する経路を継続的に移動するように変更されてもよい。ユーザ及びナビゲーション装置200の場所が決定点に到着するか又は決定点の周辺になったときに、ETA情報が少なくとも1つの代替経路に関連するETA情報と共に表示される。決定点は、経路に沿う点であって、目的地への1つ以上の代替経路がデジタル地図の道路セグメントの「移動ネットワーク」を通って可能な点である。移動ネットワークはパーソナルネットワークの道路セグメントを含み、目的地への計算された一次経路を形成する道路セグメントと共にトリップデータベース510に格納される(目的地への予測経路が予測モジュールにより決定されない場合)。換言すると、移動ネットワークは、例えばユーザが以前に実行したトリップに基づいて、ユーザが目的地に移動する際に通ると考えられるデジタル地図の道路セグメントのサブセットである。例えば決定点は分岐点であり、その場合、分岐点からの第1の道路は移動ネットワークにおける目的地への現在の経路の部分を形成し、分岐点からの第2の道路は移動ネットワークを使用する目的地への代替経路を形成する。ETA情報は、ユーザの予想される目的地到着時刻及び予想される残りの移動時間を含む。
【0104】
図10を参照して、本発明の一実施形態に係る方法を以下に説明する。方法は、経路属性モジュールにより実行されてもよい。
【0105】
ステップ1010において、目的地が選択される。目的地は、例えばユーザが目的地の名称又は他の詳細をナビゲーション装置200に入力することにより、ナビゲーション装置200がユーザから受信してもよい。目的地は、複数の目的地からユーザにより選択されてもよい。複数の目的地は、お気に入りデータベース520に格納された目的地であってもよい。一実施形態において、お気に入りデータベース520から検索された目的地のリストがユーザに提供され、例えば表示装置の適切な領域を押下することにより、当該リストから所望の目的地を選択する。しかし、他の実施形態において、上述のように、目的地はナビゲーション装置200により予測された目的地であってもよい。目的地は、ナビゲーション装置200により自動的に選択されていてもよい。一実施形態において、目的地は、ユーザに対して自動的に提案又は提供されてもよく、目的地が正しいことを示す確認がユーザから受信される。
【0106】
ステップ1020において、選択された目的地への一次経路が計算される。一次経路は、
図9を参照して上述したように、トリップデータベース510及び/又は予測モジュールを使用して予測された経路に基づいて計算されてもよい。
【0107】
ステップ1030において、ステップ1020で決定された一次経路を移動した場合の目的地におけるユーザのETAが決定される。ETAは、道路セグメントに関連付けられた移動速度等のデジタル地図データの属性のみに基づいてもよいが、あるいは、いわゆる履歴データである1人以上のユーザが以前に当該道路セグメントに沿って移動した速度に関するデータを更に含んでもよい。更に、ETAは、経路を形成する道路セグメントの移動速度に影響を及ぼす交通及び/又は天候情報等のナビゲーション装置200が以前に受信した情報に基づいてもよい。ステップ1030において、ETAは表示装置240上に表示されてもよい。ETAは、予想される目的地到着時刻又は移動時間であってもよい。現在の経路に対するETAは一次経路ETAと呼ばれる。
【0108】
図11は、ETAを示している表示画面の一実施形態を示す。表示画面は、移動する経路の表示と予想到着時刻1110を含むETA情報1110とを提供するように構成される。理解されるように、
図11に示す表示画面は、ユーザが示された予想到着時刻1110に向けて直進し続ける必要があること、すなわち現在の道路セグメントを移動し続ける必要があることを示している。しかし、以下に説明するように、前方の左折及び関連する時間情報1120が示されることが理解される。従って、ユーザは、示される可能な方向転換を実行するかの決定を迫られる決定点に近付いている。換言すると、一次経路は直進し続けることであるが、目的地への二次経路が前方の左折を経由して存在し、一次経路及び二次経路は決定点で交差する。左折を経由する経路は、目的地への現在の最適な経路、すなわち最小のETAを有する経路を形成しないため、二次経路である。従って、二次経路は目的地への代替経路である。
【0109】
ステップ1040において、経路上の決定点に到着したか又は決定点がナビゲーション装置200の現在地の周辺に存在するかが決定される。例えばナビゲーション装置の現在地が決定点から500m等の所定の距離内に存在するかが決定される。上述のように、決定点は、現在の経路上の点であって、目的地に到達するために移動ネットワーク内に存在する複数の分岐する道路セグメントが使用可能である点である。
【0110】
ナビゲーション装置200が決定点又はその周辺に存在する場合、ステップ1050へ進む。ステップ1050において、決定点においてアクセス可能な代替経路を経由する場合の目的地におけるETAが決定される。ETAは二次経路ETAと呼ばれる。二次経路ETAは一次経路ETAより大きいことが予想される。尚、二次経路ETAは必ずしも装置が決定点の周辺に存在することに応答して計算されなくてもよい。二次経路ETAは、例えば経路計算ステップ1020、あるいは受信した交通及び/又は天候情報に応答した後続の経路再計算の結果として、ナビゲーション装置200のメモリに既に格納されていてもよい。
【0111】
ステップ1060において、一次経路ETAと二次経路ETAとの間の時間差を示すETAデルタ1120が生成され、
図11に示すように表示装置240上に表示される。いくつかの状況において、例えば受信した交通情報により示される交通条件の変化により、最初に選択された一次経路が二次経路より長いETAを有する場合がある。その場合、一次経路と二次経路とが入れ替えられてもよく、すなわち、ユーザは短いETAを有する二次経路を移動するように表示される。この場合、ETAデルタは、以前の一次経路により示される長い経路を移動する場合との差分を示す。
図11のETAデルタ1120の横に、二次経路上に存在する速度違反監視カメラを示すシンボル1130がある。これは本発明の実施形態から省略されてもよいことが理解されるだろう。
図11に示さないが、
図11の表示装置は、交通渋滞の場所及び関連する遅延、あるいは他の同様の移動情報を更に示してもよい。
【0112】
理解されるように、
図10及び
図11を参照して説明した本発明の実施形態は、ユーザが一次経路沿いの決定点に近付いたときに、目的地への経路のETA等の属性に関する情報を定期的に更新してユーザに提供する。このように、ユーザは、一次経路と二次経路との間の差分に関連する情報を考慮して、目的地まで現在の一次経路を続けるか又は二次経路を移動するかを決定できる。上記の説明は一次経路及び二次経路を参照するが、決定点から目的地への2つ以上の代替経路が存在してもよいことが理解されるだろう。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態は、表示装置240上にデジタル地図データに基づく道路網の表現を動作可能に表示するように構成される運転ビューモジュールを含む。運転ビューモジュールは、ナビゲーション装置200の場所に基づくユーザの視界内の道路網の概略的表現を生成するように構成される。表現は、ユーザの視界内の道路トポロジの表示をユーザに提供する。特に、運転ビューモジュールは、現在地の所定の範囲内の道路網の簡略化された概略的表現を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、所定の範囲は、現在地が対応する道路の種別又は種類に基づく。特に、本発明のいくつかの実施形態は、上述のように、トリップデータベース510に存在する道路とデジタル地図データのみに存在する道路とを区別するように構成される。
【0114】
運転ビューモジュールにより表示装置上に提供される表現の例を
図12に示す。上述のように、デジタル地図データは、地理的領域における道路網のレイアウトを示す情報を含み、トリップデータベース510は、ナビゲーション装置200のユーザが以前に移動した道路網のサブセット、すなわちトリップデータベース510から識別されるナビゲーション装置200のユーザのパーソナルネットワークを示す情報を格納する。運転ビューモジュールは、トリップデータベース510に存在する道路を表示装置214上で区別するように構成される。トリップデータベース510内の道路は、デジタル地図データのみに存在する道路と表現を区別される。
【0115】
図13は、デジタル地図データの一部分及びトリップデータベース510の対応する部分を示す。デジタル地図データの一部分は道路1310〜1360に関する情報を含むが、トリップデータベース510は道路1310及び1340(破線で区別される)を示す情報を含む。すなわち、ユーザは道路セグメント1310及び1340のみに沿って以前に運転したことがあり、少なくともトリップデータベース510の履歴内に例えば道路セグメント1330に沿って運転していない。道路セグメント1310、1340はデジタル地図データ及びトリップデータベース510に含まれるが、道路セグメント1330はデジタル地図データのみに含まれることが理解されるだろう。
【0116】
図12を再度参照すると、表示装置240は、ナビゲーション装置200の現在地から所定の範囲までのユーザの視界内の道路の概略図を含む運転ビュー1200を表示する。現在地1210は、表示装置240の底部中央の場所として識別される。ユーザが位置するか又は現在移動している現在の道路セグメントは、現在地1210から上方に延伸するように構成され、表示装置240の底部のユーザの場所1210から表示装置240の上部領域1220へ前方に延伸する直線として概略的に表現される。現在地1210と上部領域1220との間の道路セグメントの部分は、所定の範囲内の道路セグメントである。例示的な一実施形態において、所定の範囲は800mであるが、これは適切に選択されてもよいことが理解されるだろう。一実施形態において、所定の範囲は、主要道路等の1つ以上の所定の種別又は種類の道路に対する800m等の第1の範囲であってもよく、あるいは、非主要道路に対応する1つ以上の所定の種別に対する400m等の第2の範囲であってもよい。範囲は、第1の範囲が第2の範囲より大きくなるように適宜選択される。尚、現在の道路セグメントは直線として概略的に表現される。直線は、現在地を示す始点から水平線へ延伸する。それに対して、現在の道路セグメントを示すデジタル地図データは道路セグメントの湾曲を示す情報を含む場合があり、すなわち、道路セグメントは地理的に直線でない場合がある。
【0117】
運転ビュー1200は、現在の道路セグメントから分岐点等の出口を経由してアクセス可能な道路の表現を更に含む。道路は現在の道路セグメントに対して90度に構成されるように示されるが、これは必ずしも実世界の道路網の交差角度である必要はないことが理解されるだろう。更に、道路は、トリップデータベース510に従って2種類のうちの一方としてグラフィックに示される。トリップデータベース510において識別されない現在の道路セグメントに隣接する道路セグメントは、道路1230のように「グレーアウト」様式で示される。グレーアウトは、ユーザが以前に当該道路に沿って移動していないこと、すなわち、対応する道路セグメントがトリップデータベース510に記載されていないことをユーザに対して示すために使用される。ユーザは以前に道路に沿って移動したことがあるが、そのような記録された使用がトリップデータベース510のサイズ管理の間等にトリップデータベース510から削除された場合があることが理解されるだろう。ユーザが以前に道路を使用したことを示すトリップデータベース510において識別される道路セグメントは、道路1240のように強調表示される。強調表示は、ユーザが道路に慣れていることを示すために使用される。道路セグメント1310〜1360を含むデジタル地図データの一部分を示す
図13を再度参照すると、道路セグメントは90度で交差するように示されるが、これは図示のためにすぎないことが理解されるだろう。道路セグメント1310に沿って移動している場合、隣接する道路セグメント1340は運転ビューにおいて
図12の道路1240のように強調表示されるが、例えば道路1320はグレーアウトとして示される。現在地から前方に延在する現在の道路は強調表示されることが
図12から示される。しかし、ユーザが表示装置上に示される範囲内の前方に示される道路の一部のみに沿って以前に移動したことがある場合、現在の道路は部分的にグレーアウトされてもよいことが理解されるだろう。
【0118】
本発明の実施形態は、関連するか又は少なくとも潜在的に関連する交通情報の提供に関する。本発明のいくつかの実施形態において、ユーザに関連する可能性の高い交通情報が提供される。本発明のいくつかの実施形態において、ユーザに関連する可能性の低い交通情報が提供される。本発明の実施形態は、ユーザに対する交通情報リストの提供に関する。
【0119】
本発明の実施形態は、ユーザに交通情報を動作可能に提供するように構成される交通情報モジュールを含む。一実施形態において、交通情報モジュールは、トリップデータベース510に基づいて少なくとも潜在的にユーザに関連する交通情報を決定する。上述のように、トリップデータベース510は、少なくともトリップデータベース510の存続期間又は保守期間内にユーザが以前に横断した道路セグメントを示す情報を格納する。従って、トリップデータベース510のコンテンツは、ナビゲーション装置200のユーザのパーソナル道路網を表す。
【0120】
交通情報モジュールは、デジタル地図データに関連する交通情報を受信する。交通情報は、最初にナビゲーション装置200の別のモジュールにより例えばGPRS接続である無線接続等を介して受信され、交通情報モジュールに提供されてもよい。交通情報は、事故により生じる交通渋滞又は遅延に関する情報、道路又は車線の閉鎖、道路工事、天候状態等を含むが、それらに限定されない。交通情報は、デジタル地図データ内の各場所に関連する交通事象を含む。交通事象に関連する場所は、デジタル地図データ内の1つ以上の道路セグメントに対応してもよい。交通情報モジュールは、トリップデータベース510に存在する道路セグメントに関連する交通情報の項目を決定することにより、受信した交通情報を動作可能にフィルタリングする。交通情報モジュールは、トリップデータベース510に格納されたパーソナルネットワークに関連しない交通事象を除外するように構成される。換言すると、交通事象がトリップデータベースにおいて示されない道路セグメントに関連する場合、交通情報モジュールは当該交通事象に反応しない。しかし、交通事象がトリップデータベース510内の道路セグメントに関連する場合、交通情報モジュールは当該交通事象を更に利用するか又は処理する。このように、ユーザのパーソナル道路網に関連する交通事象のみが利用される。交通情報は、現在地からの運転時間又は運転距離、あるいは現在地からの直線距離のうちの1つ以上に基づいて交通情報モジュールにより更にフィルタリングされてもよい。以下、交通情報モジュールによるフィルタリング後に潜在的に関連すると決定された交通事象を可能性の高い交通事象と呼ぶ。
【0121】
いくつかの実施形態において、交通情報モジュールは、トリップデータベース510に基づいて無渋滞事象を生成するように構成される。用語「無渋滞」は、交通事象及び天候事象が存在しないことを含む「事象なし」を意味するために広範に使用される。無渋滞事象は、トリップデータベース510内の道路セグメント又は場所に関連する交通事象が存在しないことを示す。交通情報モジュールは、無渋滞事象が過剰に生成されるのを回避するために、1つ以上の所定の種別の道路、すなわち高速自動車道路、幹線道路等の主要道路のみに対して無渋滞事象を決定してもよい。無渋滞事象の更なる詳細を以下に提供する。
【0122】
交通情報モジュールは、可能性の高い交通事象及び無渋滞事象の一方又は双方に対する確率値を決定する。確率値は、可能性の高い渋滞事象又は無渋滞事象の各々に関連する道路セグメントに沿ってユーザが実際に移動する確率を示す。確率値は、ユーザが交通事象又は無渋滞事象を経験することを示してもよい。確率は、事象が上述のように予測された目的地等の目的地への現在の経路の部分を形成する道路セグメント上に存在するか、事象が適用する道路セグメントの方向、ナビゲーション装置200の現在地と事象との間の距離、並びに現在地と事象との間の移動時間のうちの1つ以上に基づいてもよい。
【0123】
本発明の一実施形態において、確率を決定する方法は、現在の時間スロット、すなわち現在の時刻が含まれる時間スロットを決定することを備える。これは、以下のように計算される。
【0125】
式中、3600は一時間の秒数であり、24は一日の時間数であり、7は一週間の日数であり、1800は30分間の秒数であり、%はモジュロ演算子である。このように、変数timeslotは一週間のうちの30分間の期間である。
【0126】
方法は、事象に関連するノードへの最小距離を決定することを更に備える。距離は、現在地と事象が適用する道路セグメントの端部のノード等の事象に関連する最も近いノードとの間の距離である。距離は直線距離であってもよい。
【0127】
ナビゲーション装置200のユーザが事象に到達するのに必要な時間を示す時間差timediffが計算される。時間は、最小距離及び現在の時間スロットに基づいて計算される。
【0128】
その後、時間差に基づいて確率が計算される。一実施形態において、確率Pは以下のように計算される。
【0130】
式中、336は一週間の時間スロット数であり、これは変更されてもよいことが理解されるだろう。このように、事象の確率は、ユーザの場所に近い事象ほど高い。確率値は、例えば事象が現在の経路の部分を形成する道路セグメント上に存在するか及び/又はユーザの現在の移動方向に関して事象が適用する道路セグメントの方向、すなわち北行き車道により更に変更されてもよい。
【0131】
図14は、トリップデータベース510から決定されたパーソナルネットワークの一部分を示す。パーソナルネットワーク内に含まれる通行可能なセグメント上に存在する第1の可能性の高い渋滞1710、第2の可能性の高い渋滞1720、第3の可能性の高い渋滞1730に関して、ナビゲーション装置の場所を1700で示す。第1の渋滞1710及び第2の渋滞1720はそれぞれ0より大きい関連する確率を有するため、ユーザが遭遇するだろう可能性の高い渋滞を表す。しかし、第3の可能性の高い渋滞は、パーソナルネットワークを形成する通行可能なセグメント上であり且つ現在地1700の所定の範囲内に存在するが、例えば道路セグメントに関係する交通事象がユーザの現在の移動方向と逆の移動方向を有するため、0%の確率を有する。
【0132】
図15は、複数の無渋滞事象が生成されたパーソナルネットワークの領域を示す。そのうちの1つのみを図中符号1810で示す。各無渋滞事象は、名称に数字を有する少なくとも所定の種別又は種類の道路であり、600m等の所定の長さより長い道路セグメントであり、示されるように50km等の現在地の所定の範囲1820内に存在する道路であり、現在地から35分等の所定の移動時間内の道路に関して決定される。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態において、交通情報モジュールは、可能性の低い交通事象を決定するように構成される。可能性の低い交通事象は、ユーザに関連する可能性があるがパーソナルネットワークに関さない交通事象である。すなわち、可能性の低い渋滞は、トリップデータベース510に格納されたパーソナルネットワークの部分を形成しないデジタル地図データ内の通行可能なセグメントに関する。可能性の低い交通事象は、ナビゲーション装置200の現在地から所定の距離内の道路セグメント又は場所に関すると決定される。所定の距離は、例えば現在地から50kmであってもよく、現在地からの半正矢距離、直線距離又は道路網を通る距離であってもよい。更に、本発明のいくつかの実施形態において、可能性の低い交通事象は、交通事象に関連する道路セグメントの進路又は針路とナビゲーション装置の針路の前方の所定の角度との一方又は双方に関して所定の方向に関すると決定される。
【0134】
図16を参照すると、ナビゲーション装置200の現在地が1910で示され、ナビゲーション装置200の現在の針路が1911で示される。現在の針路1911は、ナビゲーション装置200の移動方向である。針路は瞬間的に決定され、すなわち、その瞬間の移動方向に基づいて決定される。しかし、いくつかの実施形態において、移動方向は、瞬間的に決定される方向に影響を及ぼす例えば道路の湾曲部による影響を過剰に受けないように、現在の時刻の前の所定の期間にわたる平均移動方向に基づいて決定される。現在の移動方向1911の前方の所定のセクタ1920が決定される。所定のセクタ1920は、現在の方向1911の両側に例えば±60度である角度を仮定してもよいが、他の角度が選択されてもよいことが理解されるだろう。所定のセクタ1920内に位置しない交通事象1925等の交通事象は、可能性の低い交通事象として考慮されない。いくつかの実施形態において、各交通事象の方向1930が考慮される。交通事象の方向は道路セグメントから決定され、場合によっては交通事象が関連する道路セグメント上での方向から決定される。交通事象は、道路セグメントの1つの車道に関連する場合は単方向であり、双方の車道又は道路セグメント全体に適用する場合は双方向である。交通事象の方向を1930で示す。方向1930が特に1935で示す現在の移動方向の所定の角度内に存在する場合、交通事象は可能性の低い交通事象である。例えば交通事象1940は、方向が現在の移動方向1935の所定の角度1920内に存在しないため、可能性の低い交通事象でない。所定の角度は、所定のセクタ1920に対して使用されたのと同一であってもよく、異なる角度を仮定してもよい。
【0135】
図17は、本発明の一実施形態に係る特定事象リスト2000を示す。特定事象リスト2000は交通情報モジュールにより生成され、表示装置240上に表示される。特定事象リスト2000は、複数の特定事象情報項目2010、すなわち特定事象項目を含む。特定事象リスト2000は、所定の最大数の特定事象項目を含んでもよい。特定事象情報項目は、本発明の一実施形態に従って決定されたランク順で列挙されてもよい。そのようなランク順において、ユーザに最も関連する特定事象項目がリスト2000の最上部に表示される。各項目2010は、項目が適用する道路セグメントの表示、特定事象の種類の表示及び特定事象に関連する遅延時間の表示を含む。特定事象の種類の表示は、複数の特定事象の種類の中から選択されたグラフィック表示であってもよい。例えば
図17のリスト2000の先頭の特定事象は、特定事象が関連する28分の遅延を有する交通渋滞であることをグラフィックで示し、第2の特定事象は14分の遅延を有する事故の種類である。遅延の重大度を示すために、グラフィック表示の色が選択されてもよい。
【0136】
特定事象リスト2000は、上述の可能性の高い交通事象、無渋滞事象及び可能性の低い交通事象に基づいて交通情報モジュールにより生成される。一実施形態において、可能性の高い交通事象及び無渋滞事象は可能性の低い渋滞事象より優先される。すなわち、可能性の低い交通事象は、特定事象リスト2000が可能性の高い交通事象又は無渋滞事象により完全に占有されない場合のみ表示される。更に、特定事象リスト2000が3つの事象の全てを含む場合、可能性の高い事象及び無渋滞事象は可能性の低い交通事象より上に記載される。特定事象2010は、道路セグメントの名称又は番号に基づくアルファベット順、重大度、現在地からの距離を含む基準によりソートされてもよい。しかし、一実施形態において、特定事象は、本発明の一実施形態に従って決定される関連性スコアに基づいてソートされる。
【0137】
いくつかの実施形態において、交通情報モジュールは、可能性の高い交通事象及び無渋滞事象の各々の関連性を決定するように構成される。関連性は、交通事象までの距離、交通事象により生じる遅延(すなわち、重大度)、交通事象の傾向(すなわち、事象により生じる遅延が増加しているか及び/又は減少しているか)、並びに交通事象の予測される持続期間(すなわち、交通事象の終了時間の予測)のうちの少なくとも1つに基づく。
【0138】
本発明の一実施形態において、各交通事象の関連性は次式に従って決定される。
【0140】
式中、Rは関連性スコアであり、Pは0〜1の値を仮定する上述の交通事象に関連する確率であり、Dは交通事象に関連する遅延であり、Diは交通事象から現在地の距離であり、cは一実施形態において7であるが他の値が選択されてもよいことが理解される定数である。
【0141】
一実施形態において、可能性の低い交通事象の関連性は以下のように決定される。
【0143】
式中、Diは現在地からの距離から20kmを減算したものであるが、0を下回ることはない。
【0144】
いくつかの実施形態において、特定事象リスト2000は表示装置240上の専用画面又はGUIに表示され、すなわち、特定事象リストは表示装置240のほぼ全体を占有する。いくつかの実施形態において、短い特定事象リストが、
図12に示すようなナビゲーション装置200の場所の周辺の道路網の表現と組み合わせて表示される。短い特定事象リスト2100の一実施形態を
図18に示す。短い特定事象リスト2100は、
図17に示す特定事象リスト2000の横に示される。しかし、2つの特定事象リストは表示装置上に共に表示されるのではなく、説明のために
図18で並べて示されることが理解されるだろう。短い特定事象リスト2100は、長い又は完全な特定事象リスト内の特定事象項目から選択された特定事象項目を含む。従って、本発明の一実施形態に係る方法ステップは、完全な特定事象リスト2000から1つ以上の項目を選択することを含む。選択される項目は、完全な特定事象リスト2000からの第1の所定の数の項目であってもよい。第1の所定の数は、完全な特定事象リスト2000からの上位1番目及び2番目の項目等の最も関連する項目であってもよい。しかし、ナビゲーション装置200の場所が完全な特定事象リスト内の上位にランク付けされた1番目の特定事象から所定の距離内に存在する場合、1番目の特定事象は短い特定事象リスト2100から省略されてもよい。所定の距離は800mであってもよいが、他の距離が使用されてもよいことが理解されるだろう。この場合、2番目の特定事象項目及び3番目の特定事象項目が短い特定事象リスト2100に含むために選択される。3つ以上の特定事象項目が短い特定事象リストに示されてもよいが、完全な特定事象リスト2000内より少ない数であることが理解されるだろう。更に、短い特定事象リスト2100における特定事象項目の順序は完全な特定事象リスト2000における順序の逆であることが
図18から理解される。完全な特定事象リスト2000から選択された1番目の特定事象項目及び2番目の特定事象項目(完全な特定事象リスト2000における2番目の特定事象項目及び1番目の特定事象項目)は、順序を入れ替えられて短い特定事象リスト2100を形成する。1つの可能性の高い特定事象項目のみが特定事象項目として完全な特定事象リストに存在し且つ残りの項目が無渋滞項目である場合、全ての道路上に無渋滞が存在することを示す項目が短い特定事象リスト2100に表示されてもよい。
【0145】
図19は、本発明の一実施形態に係る交通情報を提供する方法2200を示す。方法は、交通情報モジュールにより実行されてもよい。方法を形成するステップの詳細は上述した。方法2200は、交通情報を受信するステップ2210を備える。交通情報は、例えばサーバからデータ接続を介して、あるいは例えばFM又はデジタル無線信号を介する同報通信の形態で、ナビゲーション装置により無線受信されてもよい。ステップ2220において、受信した交通情報及びトリップデータベース510に基づいて、可能性の高い交通事象が決定される。ステップ2230において、無渋滞事象が決定される。ステップ2240において、可能性の高い交通事象及び無渋滞交通事象に対して確率値が決定される。ステップ2250において、受信した交通情報及びデジタル地図データに基づいて、可能性の低い交通事象が決定される。ステップ2260において、事象の関連性が決定される。ステップ2270において、特定事象リスト2000が生成され、ステップ2280において、短い特定事象リスト2100が表示装置240上に表示するために生成される。
【0146】
本発明の一実施形態に係る例示的な装置及びその上で動作するソフトウェアの概要を以下に説明する。装置の主要な特徴を以下に示す。
【0147】
・通勤者を支援する設計。ナビゲーション装置自体はターンバイターン案内命令を提供せず、目的地が入力されない(すなわち、フリードライビング)場合に、お気に入りが選択され且つ交通に近付いたときにパーソナル交通/移動情報を提供することを目的とする。
・パーソナル主要経路及び代替経路を使用するお気に入りの目的地へのETA及びETAデルタ。
・ユーザが入力したお気に入りのうちの1つからの目的地の予測。
・パーソナル関連交通の決定。
・永続的なActive Dock、Click and Goのソリューション。
・エコシステム。お気に入りを例えば追加及び削除して保守し、ユーザのお気に入りに対する現在の交通の閲覧し、登録するためのウェブポータル及び/又はモバイルアプリ。
・速度違反監視カメラの警報及び報告。
・7つの静電容量式タッチ領域を有する2.4インチカラー画面。
・例えば交通、速度違反監視カメラ、天候、OTAソフトウェアの更新であるLIVEサービスのためにサーバと通信するGPRS装置。
・装置の場所を決定するGPS装置。
・電力供給されていない場合に最低必要量をサポートする小型バッテリ(例えば、GPRS動作、盗難防止のユースケース及び最小限の動作時間)。
・装置背面のオン/オフ/リセット用ハードボタン。
・音声ではなく音に適した基本的なスピーカ。
・例えばウェブポータルからのリモートロック及びロック解除、装置におけるPIN保護(場合によっては、ドッキング解除及びドッキング後の最初の起動に対してのみ)である盗難防止の特徴。
【0148】
お気に入りデータベース
お気に入りデータベースは、例えば自宅、職場、駅、学校、家族、レストラン等のPOIである1つ以上のお気に入りの場所を名称、アイコン及び/又は色(全てユーザにより編集可能である)と共に最大数まで含む。従って、各お気に入りは通常は地点である。お気に入りは、ユーザがデジタル地図上で場所を選択するか又は装置の現在地に基づいてデータベースに追加される。
【0149】
お気に入りは、装置上で又はウェブポータルを使用して追加される。
【0150】
各お気に入りは、例えばお気に入りの場所を中心とする半径250mの円である関連する区域を有してもよい。新規のお気に入りが既存のお気に入りの区域内に追加される場合、既存のお気に入りの場所を変更するかユーザに尋ねる。
【0151】
ウェブポータルを使用する場合、1つ以上の(以前に入力した)お気に入りを選択でき、全ての選択されたお気に入りを含むサイズに変更された地図の表現と、地図上に重ねられた現在の交通情報とが示される。これにより、ユーザは、行程を開始する前に特定のお気に入りの間の移動に対する現在の交通状況を閲覧できる。
【0152】
お気に入りデータベースは、装置に格納されるか又は装置の識別子と関連付けてリモートサーバに格納される。
【0153】
トリップデータベース
トリップデータベースは、装置/ユーザが移動した経路を移動時刻と関連付けて格納する。トリップデータベースは基本的に、デジタル地図により表されるネットワークのサブセットであるパーソナル(又は学習済み)ネットワークである。
【0154】
経路は、デジタル地図に関して格納される。デジタル地図は、通行可能なセグメントのネットワークを表す複数のセグメントを含む。従って、各経路は複数のセグメントを含み、経路の各セグメントに対して以下のデータが格納される。
【0155】
・セグメント識別子
・時間スロット識別子(セグメントに沿う移動が発生した時間を記録する。好適な実施形態において、一週間のうちの30分間の時間スロット、すなわち336個の時間スロットが使用されるが、長い又は短い時間スロットを要望に応じて使用できる)
・先行セグメントのセグメント識別子(すなわち、装置/ユーザが現在のセグメントに移行した直前のセグメントを識別する)
【0156】
従って、経路は、例えば朝の自宅から職場への経路が夕方の職場から自宅への経路とは別の経路として格納されるような方法で格納される。
【0157】
トリップデータベースは、セグメントが所定の時間スロットにおいて横断された回数を更に格納する。当該回数は、古くて使用頻度の少ないトリップを新しい経路と必要に応じて入れ替えることによりトリップデータベースを最新の状態に維持するために(及び利用可能なメモリ容量が制限される場合に)使用される。従って、トリップデータベースは、装置/ユーザの最新の移動挙動を常に反映する。
【0158】
トリップデータベース内の各経路の最後のセグメントは、お気に入りデータベースからのお気に入りと関連付けられる。理解されるように、ユーザは特定のお気に入りの周辺の複数の異なる場所に停車/駐車する場合があり、従って、異なる最後のセグメントが同一のお気に入りに関する場合がある。
【0159】
好適な実施形態において、トリップデータベースは装置上で作成及び格納される。しかし、トリップデータベースは装置(又は装置の特定のユーザ)の識別子と関連してサーバ上で作成及び格納されることが考えられる。後者の実施形態の場合、装置は、例えばGPS装置から受信したタイムスタンプ付き緯度/経度座標である時間に関する通行可能なネットワーク上での動きを表す位置データをサーバに送出する。
【0160】
関連交通アルゴリズム
装置の1つの機能は、関連するパーソナル交通情報をユーザに提供することである。
【0161】
領域内の全ての現在の交通事象をデジタル地図の表現に重ねてユーザに示すことは既知である。以前に計算された経路上の「関連する」交通を例えば交通バー上で運転者に通知することも既知である。
【0162】
交通情報は装置により受信され、例えばGPRS接続を介するHDTフィードである。交通情報は、学習済みネットワークのみでなく基本地図に関して受信される。交通情報は、事故、道路閉鎖、道路工事、車線閉鎖等により生じる交通渋滞/遅延に関する情報を含む。
【0163】
3つのグループの交通事象がユーザに関連すると決定され、渋滞リストにおいてユーザに示される。渋滞リストの一部分は、運転ビューと同時に表示される短い渋滞リストにおいて示されるのが好ましい。渋滞リスト内の各交通事象は、道路の名称又は番号、交通事象の方向(N、S、E又はW)、交通事象の種類を表すアイコン、交通事象までの距離、並びに交通特定事象により生じる遅延のうちの少なくとも1つと共に表示される。使用時、交通事象に対するエントリは、事象までの距離の表示と事象により生じる遅延の表示との間で繰り返し切り替わってもよい。
【0164】
・可能性の高い渋滞:学習済みネットワーク上に存在する交通事象である。識別された交通事象の関連性は、交通事象までの距離、交通事象により生じる遅延(すなわち、重大度)、交通事象の傾向(すなわち、事象により生じる遅延が増加しているか及び/又は減少しているか)、並びに交通事象の予測される持続期間(すなわち、交通事象の終了時間の予測)のうちの少なくとも1つに基づく。
【0165】
・関連する無渋滞:通常は例えば高速自動車道路、幹線道路等の主要道路である学習済みネットワーク上のセグメントであって、現在交通事象を有さないセグメントがユーザに通知される。そのような「無渋滞」メッセージは、通常は現在地周辺の主要道路に関する。
【0166】
・可能性の低い渋滞:ユーザの行程に影響を及ぼす可能性があるが、学習済みネットワークを使用して決定されない交通事象である。可能性の低い交通渋滞は、装置の現在地から所定の距離(例えば、半正矢距離<50km)内に存在し、渋滞の方向が装置の進路の所定の角度(例えば、±120°)内に存在し且つ渋滞が装置の現在地の前方の所定のセクタ(例えば、±120°)内に存在する場合に決定される。
【0167】
可能性の高い渋滞及び関連する無渋滞は、表示される渋滞リストにおいて可能性の低い渋滞より優先される。交通事象は、所定の最大数まで渋滞リストに表示される。渋滞リスト内の交通事象は、道路の名称及び/又は番号に基づくアルファベット順、重大度、現在地からの距離等を含む基準を要望に応じて使用してソートされる。
【0168】
目的地予測アルゴリズム
予測エンジンは、ユーザがトリップを開始したときに学習済みネットワーク及びお気に入りデータベースから可能性のある目的地を予測するために使用される。
【0169】
予測エンジンは、現在地、時間スロット及び学習済みネットワークを使用して、ユーザが向かっている少なくとも最も可能性の高いお気に入りを予測する。予測された目的地/お気に入りはユーザに対して示され、それが正しいかの確認が要求される。予測エンジンが結果を返せない場合又は予測された目的地/お気に入りが誤りであるとユーザが返した場合、ユーザは所期の目的地/お気に入りを選択するか又は単に「運転のみ」を選択できる。
【0170】
予測エンジンは、予測された目的地に移動するための最も可能性の高い経路を返すこともでき、ユーザが「運転のみ」を選択した場合でも行うことができる。予測経路は、以下に説明する「経路計算」の節のステップにおいて使用される。
【0171】
予測エンジンは、ノードから延伸する各セグメント上を移動した相対回数に基づくコスト値を使用して学習済みネットワークを探索するために、A*又はその変形等の経路探索アルゴリズムを使用する。例えば20回移動された第1のパス及び10回移動された第2のパスである2つの可能なパスを決定点に有する学習済みネットワーク内のノードにおいて、第1のパスを通る確率は2/3であり、第2のパスを通る確率は1/3である。
【0173】
(i)予測エンジンは、装置の現在地及び現在の時刻を取得し、現在地から250mの範囲内に存在し且つ現在の時刻を含む時間スロット又はそれに隣接する時間スロットの片方に一致する時間スロットが関連付けられた学習済みネットワークのセグメントを識別しようとする。そのようなセグメントが識別される場合、予測エンジンは、識別された各セグメントから開始して学習済みネットワーク上で経路探索を実行し、最も可能性の高い経路(従って、最も可能性の高い目的地)を決定する。
【0174】
(ii)ステップ(i)においてセグメントが識別されない場合、時間スロットに関係なく、現在地から250mの範囲内に存在するセグメントを識別する。識別された各セグメントから学習済みネットワークの経路探索を繰り返すが、ノードからの潜在パスに関連する確率が所望の時間スロットとパスに関連付けられた時間スロットとの間の差に基づいて変更され、通常は減少される。
【0175】
(iii)ステップ(iii)においてセグメントが識別されない場合、お気に入りに関連付けられたセグメント、すなわち「最後の」セグメントに関連付けられた時間スロットを調べる。平均時速60kmで現在地からお気に入りへの「直線」経路を仮定して、現在の時間スロットとの差が最も少ない時間スロットが関連付けられたお気に入りを提案する。
【0176】
ステップ(i)及び(ii)は可能性の高い目的地/お気に入り及び経路を提供するが、ステップ(iii)は可能性の高い目的地のみを提供する。
【0177】
理解されるように、予測エンジンの精度は、学習済みネットワークにおける位置及び時間スロットの存在、例えば「通勤」挙動であるユーザの規則的な移動挙動、並びに学習済みネットワーク内のデータ密度の高さにより向上する。
【0178】
概略的に示される道路の生成
運転ビューは、デジタル地図の概略的表現を使用して、交通事象及びそれらの属性、速度違反監視カメラの場所、目的地、ETAラベル及びETAデルタラベルを含む情報をユーザに提供する。ETAラベル及びETAデルタラベルを以下に更に詳細に説明する。
【0179】
現在の道路及び/又は現在の道路からの出口における交通事象に関する交通情報は、概略的表現上に表示されるレイヤとして描かれる。従って、学習済みネットワーク上及び学習済みネットワーク外に存在する周辺の交通事象がユーザに通知される。交通レイヤは、渋滞の始点及び/又は終点までの距離、並びに渋滞に関連する遅延をユーザに通知するために使用されるのが好ましい。
【0180】
概略的表現は、例えば現在の道路からの道路の出口、現在の道路における湾曲部及び現在の道路における行き止まりである前方の道路の道路トポロジを現在地の前方の所定の範囲まで示す。ユーザが主要道路を移動している場合、例えば800mである第1の所定の範囲が使用され、ユーザが非主要道路を移動している場合、例えば400mである第2の所定の範囲が使用される。学習済みネットワーク上に存在する概略的に示される道路の部分及び基本地図のみに存在する部分を示すために、異なる配色が使用されるのが好ましい。
【0181】
「概略的に示される道路」は、現在横断されている道路を表示ウィンドウの底部から表示ウィンドウの上部に延伸する線として示し、底部は装置の現在地を表し、上部は所定の範囲を表す。現在横断中の道路からの出口及び現在の道路における45°より大きい湾曲部は、当該線に沿って適宜左又は右に延伸するように示される。
【0182】
「概略的に示される道路」は、デジタル地図内に存在する通行可能なネットワークのトポロジ及びジオメトリに基づいて実行時に作成される簡略化された地図データ構造から生成される。
【0183】
簡略化された地図データ構造の作成
デジタル地図の各セグメントは始端ノード及び終端ノードを有し、これらの少なくとも一方はデジタル地図内の少なくとも他のセグメントに接続している。2つのセグメントのみを接続するノードの一例は、例えば名称、速度制限等の道路の属性のうちのいくつかが当該ノードの位置において変化するため同一の道路が2つのセグメントに分割される場合である。1つのセグメントと複数の外向きのセグメントとを接続するノードの一例は、通常、当該ノードの位置において1つ以上の出口を有する道路である。
【0184】
セグメントのうちの少なくともいくつかは、セグメントのジオメトリを示す関連データを更に有する。これは、クロソイド等のジオメトリの数学的表現であってもよく、あるいはセグメントは、道路のジオメトリの変化を示すために使用される1つ以上の中間ノードを含んでもよい。後者は一般的な方法であり、これを以下に説明する。
【0185】
簡略化された地図データ構造の目的は、基本的に、(現在のセグメントを横断中の)現在の進路と車両の前方のセグメントの進路との比較に基づいて、「左」、「右」又は「直進」等の車両の前方の道路の特徴を識別することである。実施形態において、これは、セグメントのマスタ参照線とセグメントの1つ又は複数の参照線との間の角度を考慮することにより行われる。「マスタ参照線」は、現在地と次のノード(又は中間ノード)とを接続する直線である。「参照線」は、ノード(又は中間ノード)と次のノード(又は別の中間ノード)との間の直線である。
【0186】
出口は、概略的に示される道路に対する選択された縮尺に基づいて、「概略的に示される道路」に沿って地図内での各々の位置に対応する位置に配置される。縮尺は通常は線形でなく、事前に定義された関数に従って変化する。
【0187】
概略的に示される道路は車両が道路に沿って進行する際に継続的に更新され、運転者が左/右への出口に進むか又は左/右への湾曲部を移動する場合、概略的に示される道路は適切な回転点を中心に左又は右に回転する。
【0188】
経路計算
通常は最速の経路である最小コストの経路は基本地図を使用して目的地まで計算されるが、セグメントに沿う横断に関連付けられるコスト値が学習済みネットワークを使用して変更される。特に、基本地図のコスト値は、経路指定アルゴリズムが予測エンジンからの予測経路を形成するセグメント(使用可能である場合)及び学習済みネットワーク内のセグメントを優先するように変更される。予測経路のセグメントは、学習済みネットワーク上の経路より優先される。
【0189】
経路指定アルゴリズムは、現在の交通状況を考慮するように設計され、好適な実施形態において、道路セグメントに対する時間に依存する平均速度は、受信した交通情報により減少される。
【0190】
理解されるように、基本地図のセグメントコストを上記のように変更することより、計算された経路はユーザの優先度が高い経路において目的地への最速経路である(現在の交通を考慮して)。しかし、これは常に全体の中で目的地への最速経路ではない。
【0191】
いくつかの実施形態において、学習済みネットワークにより変更された基本地図を使用して決定された最速経路が基本地図のみに存在する経路より大幅に遅く、例えば50%又は要望に応じた何らかの閾値レベル遅い場合、経路は基本地図上の最速経路を単純に反映するように再計算される。
【0192】
時間、すなわち最速経路等に関して本発明を説明したが、本発明は、例えば最も経済的である等の他のコストに適用可能である。
【0193】
運転ビューにおいて、一次経路、すなわち最速経路上のETAラベルがユーザに対して示されると共に、代替経路に対する最大で2つのETAデルタラベルが表示される。
【0194】
ETAラベル及びETAデルタラベルを決定するために、以下が実行される。
【0195】
1.ユーザは最初に目的地を選択する。これは、予測エンジンからの目的地の確認であってもよく、あるいは、お気に入りデータベース内の格納済みの場所からの単なるユーザ選択であってもよい。
【0196】
2.現在地から選択された目的地への一次経路を決定する。使用可能であれば交通情報を使用し、あるいは、受信した交通情報を一度再計算する。
【0197】
3.ETAを計算し、一次経路に対するETAラベルを運転ビュー上に表示する。
【0198】
4.ユーザが移動する際、学習済みネットワークの各決定点において、すなわち、同一のお気に入り/目的地に到達する同一のセグメントからの複数のパスが存在する各点において、優先度の低いパス(変更された基本地図上で)及び決定されたETAデルタを使用して代替経路が計算される。
【0199】
5.交通の更新が継続的に受信され、一次パス及び代替パスは継続的に監視され、受信した交通情報に基づいて再計算される。交通により、代替パスが一次パスになる場合があり、すなわち速いETAを有する場合がある。その場合、ETAラベルは「新しい」一次パスに適用され、ETAデルタラベルは「新しい」代替パスに適用される。
【0200】
以上、本発明の種々の態様及び実施形態を説明したが、本発明の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むことが理解されるだろう。
【0201】
例えば、前述の詳細な説明中で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際はGPSに追加して)あらゆる種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーション装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星を使用するシステムに限定されず、地上ビーコン、あるいは装置が自身の地理的場所を決定できるようにする他の種類のシステムを使用しても容易に機能できる。
【0202】
説明した実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するが、その機能性はハードウェアのみで(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)同様に実現可能であり、あるいは実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現可能であることが当業者には更に理解されるだろう。そのため、本発明の範囲はソフトウェアでの実現のみに限定されると解釈されるべきでない。
【0203】
最後に、添付の特許請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の特許請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態のあらゆる組み合わせを含む。