【実施例1】
【0026】
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、
図1(b)は、挿入膜の平面図、
図1(c)および
図1(d)は、
図1(a)のA−A断面図である。
図1(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器、
図1(d)は例えばラダー型フィルタの並列共振器の断面図を示している。
【0027】
図1(a)および
図1(c)を参照し、直列共振器Sの構造について説明する。シリコン(Si)基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の平坦主面と下部電極12との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。下部電極12は下層12aと上層12bとを含んでいる。下層12aは例えばCr(クロム)膜であり、上層12bは例えばRu(ルテニウム)膜である。
【0028】
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする圧電膜14が設けられている。圧電膜14内に挿入膜28が設けられている。圧電膜14を挟み下部電極12と対向する領域(共振領域50)を有するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。共振領域50は、楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。上部電極16は下層16aおよび上層16bを含んでいる。下層16aは例えばRu膜であり、上層16bは例えばCr膜である。
【0029】
上部電極16上には周波数調整膜24として酸化シリコン膜が形成されている。共振領域50内の積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、挿入膜28、上部電極16および周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24はパッシベーション膜として機能してもよい。
【0030】
図1(a)のように、下部電極12には犠牲層をエッチングするための導入路33が形成されている。犠牲層は空隙30を形成するための層である。導入路33の先端付近は圧電膜14で覆われておらず、下部電極12は導入路33の先端に孔部35を有する。
【0031】
図1(a)および
図1(d)を参照し、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは直列共振器Sと比較し、上部電極16と周波数調整膜24との間に、Ti(チタン)層からなる質量負荷膜20が設けられている。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は直列共振器Sの
図1(c)と同じであり説明を省略する。
【0032】
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器Sと並列共振器Pとの両方の共振周波数の調整は、周波数調整膜24の膜厚を調整することにより行なう。
【0033】
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12のCr膜からなる下層12aの膜厚は100nm、Ru膜からなる上層12bの膜厚は250nmである。AlN膜からなる圧電膜14の膜厚は1100nmである。Al(アルミニウム)膜からなる挿入膜28の膜厚は150nmである。上部電極16のRu膜からなる下層16aの膜厚は250nm、Cr膜からなる上層16bの膜厚は50nmである。酸化シリコン膜からなる周波数調整膜24の膜厚は50nmである。Ti膜からなる質量負荷膜20の膜厚は120nmである。各層の膜厚は、所望の共振特性を得るため適宜設定することができる。
【0034】
図1(b)に示すように、挿入膜28は、共振領域50内の外周領域52に設けられ中央領域54に設けられていない。外周領域52は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。外周領域52は、例えば帯状およびリング状である。中央領域54は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の中央を含む領域である。中央は幾何学的な中心でなくてもよい。挿入膜28は、外周領域52から共振領域50外まで連続して設けられている。挿入膜28には、孔部35に対応する孔部34が設けられている。
【0035】
基板10としては、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。上部電極16を積層膜とした場合、積層膜の界面に挿入膜28を配置してもよい。例えば、上部電極16の下層16aをRu、上層16bをMoとしてもよい。圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO
3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素としてSc(スカンジウム)を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上するため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。
【0036】
周波数調整膜24としては、酸化シリコン膜以外にも窒化シリコン膜または窒化アルミニウム等を用いることができる。質量負荷膜20としては、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、RhもしくはIr等の単層膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等の窒化金属または酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。質量負荷膜20は、上部電極16の層間以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間または圧電膜14と上部電極16との間に形成することができる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
【0037】
図2(a)から
図2(c)は、実施例1に係る直列共振器の製造方法を示す断面図である。
図2(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層38を形成する。犠牲層38の膜厚は、例えば10〜100nmであり、MgO、ZnO、GeまたはSiO
2等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。その後、犠牲層38を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層38の形状は、空隙30の平面形状に相当する形状であり、例えば共振領域50となる領域を含む。次に、犠牲層38および基板10上に下部電極12として下層12aおよび上層12bを形成する。犠牲層38および下部電極12は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜される。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
【0038】
図2(b)に示すように、下部電極12および基板10上に圧電膜14aおよび挿入膜28を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。挿入膜28を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。挿入膜28は、リフトオフ法により形成してもよい。
【0039】
図2(c)に示すように、圧電膜14b、上部電極16の下層16aおよび上層16bを、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。圧電膜14aおよび14bから圧電膜14が形成される。上部電極16を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。
【0040】
なお、
図1(d)に示す並列共振器においては、下層16aを形成した後に、質量負荷膜20を、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。質量負荷膜20をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。その後、上層16bを形成する。
【0041】
周波数調整膜24を例えばスパッタリング法またはCVD法を用い形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い周波数調整膜24を所望の形状にパターニングする。
【0042】
その後、孔部35および導入路33(
図1(a)参照)を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。これにより、犠牲層38が除去される。犠牲層38をエッチングする媒体としては、犠牲層38以外の共振器を構成する材料をエッチングしない媒体であることが好ましい。特に、エッチング媒体は、エッチング媒体が接触する下部電極12がエッチングされない媒体であることが好ましい。積層膜18(
図1(c)、
図1(d)参照)の応力を圧縮応力となるように設定しておく。これにより、犠牲層38が除去されると、積層膜18が基板10の反対側に基板10から離れるように膨れる。下部電極12と基板10との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成される。以上により、
図1(a)および
図1(c)に示した直列共振器S、および
図1(a)および1(d)に示した並列共振器Pが作製される。
【0043】
挿入膜28の材料を変え、反共振点のQ値について有限要素法を用いシミュレーションした。有限要素法は、
図1(c)のような断面の2次元解析により行なった。積層膜18の各膜厚および材料は
図1(a)から
図1(d)の2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器として例示したものとした。すなわち、圧電膜14をAlNとした。挿入膜28の膜厚を150nmとし、共振領域50と挿入膜28との重なる幅Wを2μmとした。軸の長さが挿入膜28は、圧電膜14の膜厚方向の中間位置に設けられているとした。
【0044】
図3(a)は、ヤング率に対する反共振点のQ値、
図3(b)は、ヤング率に対する実効的電気機械結合係数k
2effを示す図である。比較例1は、挿入膜28を設けない共振器に対応する。挿入膜28の材料として、Al、SiO
2、Ti、Cr,AlN、RuおよびWについて計算した。
【0045】
図3(a)を参照し、ヤング率が小さい材料を挿入膜28とすることにより反共振点のQ値が高くなる。ヤング率がAlNより小さくなると、Q値が比較例1より高くなる。これは、以下の理由による。すなわち、外周領域52にヤング率が小さい挿入膜28が設けられることにより、共振領域50の外周領域52において弾性波の振動が小さくなる。これにより、共振領域50の外周が固定端として弾性波が固定端反射される。よって、弾性波のエネルギーが共振領域50の外に漏れることを抑制する。これにより、Q値が高くなる。挿入膜28のヤング率は、圧電膜14のヤング率より小さいことが好ましく、圧電膜14のヤング率の90%以下がより好ましく、80%以下がより好ましい。
【0046】
図3(b)を参照し、実効的電気機械結合係数k
2effは、挿入膜28を金属とすると高くなる。挿入膜28を金属とすることにより共振領域50における弾性波の電界分布が揃うためと推測される。
【0047】
図4および
図5は、T1/T2に対するFOMを示す図である。横軸は、挿入膜28の膜厚T1、共振領域50内の中央領域54における積層膜18の膜厚T2のときのT1/T2である。縦軸のFOMは、実効的電気機械結合係数×√(共振点のQ値×反共振点のQ値)から導出される。
図4を参照し、挿入膜28をAlまたはSiO
2とした場合についてシミュレーションした。FOMが高くなるとフィルタの損失が小さくなる。T1/T2を0.2以下とすることにより、FOMを比較例1より大きくできる。T1/T2は、0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。また、0.03以上であることが好ましい。
【0048】
図5は、挿入膜28をAlとした場合についてシミュレーションした。比較例2は、圧電膜14と下部電極12との間の界面に挿入膜28を設けた場合の例である。比較例3は、圧電膜14と上部電極16との間の界面に挿入膜28を設けた場合の例である。実施例1のように、挿入膜28を圧電膜14の膜厚方向の中間位置に設けることで、FOMを大きくできる。挿入膜28は圧電膜14の中間位置に設けることにより、FOMを最も大きくできる。挿入膜28は圧電膜14の中間位置でなくても圧電膜14内に設けられることが好ましい。これにより、比較例2および3よりFOMを大きくできる。
【0049】
図6は、挿入膜の正規化した幅に対するFOMを示す図である。挿入膜28の幅Wは、共振領域50内の外周に直交する方向の幅である(
図1(b)参照)。
図6を参照し、挿入膜28をAlとし、膜厚を150nmとした場合についてシミュレーションした。幅Wは厚み振動の弾性波の波長λで正規化した。ここで、波長λは共振領域50内の中央領域54における積層膜の膜厚T2の2倍に等しい。W/λが2.5以下において、FOMが比較例1より大きくなる。このように、挿入膜28の共振領域50内における挿入膜28の幅Wは、弾性波の波長λの2.5倍以下が好ましい。幅Wは波長λの0.3倍以上かつ1.7倍以下がより好ましい。1.5倍以下がさらに好ましい。
【0050】
実施例1によれば、挿入膜28が圧電膜14中に挿入され、共振領域50内の外周領域52の少なくとも一部に設けられる。一方、共振領域50の中央領域54には設けられていない。これにより、横方向に伝搬する弾性波が共振領域50外に漏れることが抑制される。よって、Q値を改善できる。また、
図5のように、下部電極12または上部電極16と圧電膜14との界面に挿入膜28を設ける場合に比べFOMを改善できる。
【0051】
図7(a)および
図7(b)は、共振領域50の端部近傍の拡大模式図である。
図7(a)においては、挿入膜28を設けていない。共振領域50外の圧電膜14を除去することにより、共振領域50からの弾性波の漏洩を抑制している。
図7(b)は、実施例1に対応する。
図7(a)および
図7(b)のように、空隙30は、Q値向上のため、共振領域50より大きい。このため、
図7(a)において、圧電膜14を除去した領域58は下部電極12により共振領域50の積層膜が支持される。よって、下部電極12に亀裂が生じ易い。特に、高周波数に対応した圧電薄膜共振器においては、下部電極12が薄くなるため亀裂が生じ易い。
【0052】
図7(b)のように、挿入膜28を設けることにより、領域58には、下部電極12に加え圧電膜14および挿入膜28が設けられる。よって、下部電極12の亀裂を抑制できる。さらに、領域58に、挿入膜28が設けられず、圧電膜14が設けられる場合に比べても圧電膜14の亀裂を抑制できる。
【0053】
このように、挿入膜28は、外周領域52の少なくとも一部から共振領域59外にかけて設けられていることが好ましい。これにより、共振領域50の外周における圧電膜14のクラックを抑制できる。挿入膜28は、共振領域50外であって空隙30上に設けられることが好ましい。以上のようなクラック抑制効果は、特に2.5GHz以上の高周波帯向けに膜厚が薄くなる場合に有効である。
【0054】
図3(a)のように、挿入膜28のヤング率は圧電膜14より小さいことが好ましい。これにより、Q値を向上できる。また、
図3(b)のように、挿入膜28を金属膜とすることにより実効的電気機械結合係数を向上できる。さらに、圧電膜14が窒化アルミニウムを主成分とする場合、挿入膜28は、Al、Au、Cu、Ti、Pt、Ta、Crおよび酸化シリコンの少なくとも一つを主成分とすることが好ましい。
【実施例8】
【0074】
実施例8は、挿入膜28の側面をテーパーとする例である。
図16は、作製した実施例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。各層の膜厚は以下である。下部電極12のCr膜からなる下層12aの膜厚は100nm、Ru膜からなる上層12bの膜厚は200nmである。AlN膜からなる圧電膜14の膜厚は1200nmである。酸化シリコン膜からなる挿入膜28の膜厚は150nmである。上部電極16のRu膜からなる下層16aの膜厚は250nm、Cr膜からなる上層16bの膜厚は50nmである。酸化シリコン膜からなる周波数調整膜24の膜厚は50nmである。圧電膜14に、挿入膜28の端を起点にクラック60が発生した。
【0075】
クラックの影響を調査するため、
図16の構造において、クラック60の有る場合とない場合のQ値をシミュレーションした。シミュレーションは有限要素法を用いた。
図17は、周波数に対するQ値をクラック有無について示した図である。
図17を参照し、クラックがある場合、無い場合よりQ値が低くなる。特に、共振点以上の周波数において、クラックによりQ値が低くなる。
【0076】
図18(a)および
図18(b)は、それぞれ比較例4および実施例8に係る挿入膜の端部の拡大図である。
図18(a)を参照し、挿入膜28の側面74が、下面70および上面72に対しほぼ直角に形成されている場合、側面74と上面72との交わる角76を起点にクラック60が発生してしまう。
図18(b)を参照し、側面74を上面72が下面70より小さくなるテーパーを有するように形成する。側面74と下面とのなすテーパー角αは鋭角となる。すなわち、側面74と上面72とのなす角度が鈍角となる。よって、角76を起点としたクラックの発生を抑制できる。
【0077】
図2(b)において挿入膜28を加工するときに、挿入膜28の側面74がテーパーを有するように加工する。加工方法は、例えばドライエッチングまたはウェットエッチングを用いる。エッチング条件および/またはエッチングマスクの条件を適宜変更することにより、テーパー角αを任意に設定できる。
【0078】
図19は、角度αに対するクラック発生率を示す図である。テーパー角αのサンプルを作製し、作製したサンプルの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用い観察した。サンプルのうちクラックが観察されるサンプルをクラックが発生したサンプルとした。観察したサンプルに対するクラックの発生したサンプルの割合をクラック発生率とした。
図19の実線は、測定点を近似した線である。
図19を参照し、テーパー角αが60°を越えるとクラック発生率が80%を越える。よって、テーパー角αは60°以下が好ましい。テーパー角が40°以下ではクラック発生率はほぼ0%である。よって、テーパー角αは40°以下がより好ましい。
【0079】
テーパー角αを30°と75°とした
図16の構造の圧電薄膜共振器を作製しQ値を測定した。テーパー角αが75°のサンプルはクラックが発生しており、テーパー角αが30°のサンプルはクラックが発生していない。各膜厚は
図16において説明したとおりである。共振領域50は主軸が225μm、副軸が140μmの楕円形状である。W/λは0.7である。
図20は、αが30°と75°のときの周波数に対するQ値を示す図である。
図20を参照し、テーパー角αが30°のサンプルは、75°に比べQ値が高い。特に、共振点以上において、30°サンプルはQ値が改善している。このように、テーパー角αを60°以下とすることにより、クラックの発生が抑制され、Q値が向上する。
【0080】
図21(a)から
図22(b)は、圧電薄膜共振器の平面図である。
図21(a)から
図22(b)は、それぞれ実施例1の
図1(b)、実施例2の
図8(b)、実施例3の
図9(b)、実施例4の
図10(b)および実施例5の
図11(b)に相当する図である。太い実線62は、挿入膜28の側面がテーパーを有することを示している。
図21(a)を参照し、実施例1に実施例8を適用し、挿入膜28に形成された開口に沿った側面をテーパーとする。
図21(b)を参照し、実施例2において、挿入膜28に形成された開口に沿った側面に加え、挿入膜の外周に沿った側面をテーパーとする。
図21(c)を参照し、実施例3において、挿入膜28が設けられていない一部55の沿った側面をテーパーとする。
図22(a)を参照し、実施例4において、挿入膜28の側面をテーパーとする。
図22(b)を参照し、実施例5において、挿入膜28の側面をテーパーとする。
【0081】
以上のように、実施例8を実施例1から6に適用することができる。なお、主に共振領域50内および近傍に発生したクラックが問題となる。このため、共振領域50内および近傍の挿入膜28の側面がテーパーを有し、その他の挿入膜28の側面はテーパーを有さなくてもよい。また、実施例8に係る圧電薄膜共振器をフィルタまたはデュプレクサに用いることもできる。
【0082】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。