特許第6336714号(P6336714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336714
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20180528BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   H05K9/00 C
   H05K1/14 H
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-111241(P2013-111241)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-229878(P2014-229878A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村松 享
(72)【発明者】
【氏名】涌井 健
(72)【発明者】
【氏名】小山 利哉
(72)【発明者】
【氏名】村永 正和
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−147886(JP,A)
【文献】 特開平8−139488(JP,A)
【文献】 特開2008−159984(JP,A)
【文献】 特開2001−267710(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/077522(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に配設される第1電極を有する第1基板と、
前記第1基板の他方の面に実装される電子部品と、
前記電子部品を介して前記第1基板の上に配設され、基準電位に保持される導電層を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記導電層に接続されるシールド部と
前記シールド部で囲まれた領域内において、前記第1基板の前記他方の面に実装されるアナログ回路部品と
を含む、電子装置。
【請求項2】
前記電子部品は、前記シールド部で囲まれた領域の内部又は外部において、前記第1基板の他方の面に実装される、請求項記載の電子装置。
【請求項3】
前記シールド部は、前記第2基板側に天板を有する、請求項又は記載の電子装置。
【請求項4】
前記第2基板の上に実装される他の電子部品又は回路部品をさらに含む、請求項乃至のいずれか一項記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、配線パターンを形成した一方の面を内側にして、一定間隔を保って配置した第1及び第2回路基板と、前記第1及び第2回路基板の間で実装された複数のチップ部品とからなる実装基板ユニットがある。この実装基板ユニットにおいて、前記第1及び第2回路基板の他方の面のうち少なくとも1つは、グラウンドパターンで覆われており、一部の前記チップ部品は、その両端に端子を有し、前記第1及び第2回路基板の前記配線パターンに前記端子を固着する接続用チップ部品である。この実装基板ユニットでは、前記接続用チップ部品により前記配線パターン同士が電気的に接続されるとともに、前記第1及び第2回路基板が一体に連結される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の実装基板ユニットのような電子装置は、シールド構造を有しないため、例えば、無線通信等に用いられるようなアナログ回路を第1又は第2回路基板に実装した場合に、アナログ回路から放射される電磁波をシールドすることができない。すなわち、従来の電子装置は、シールド性が低いという課題がある。
【0005】
そこで、シールド性の高い電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態の電子装置は、一方の面に配設される第1電極を有する第1基板と、前記第1基板の他方の面に実装される電子部品と、前記電子部品を介して前記第1基板の上に配設され、基準電位に保持される導電層を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記導電層に接続されるシールド部と、前記シールド部で囲まれた領域内において、前記第1基板の前記他方の面に実装されるアナログ回路部品とを含む。

【発明の効果】
【0007】
シールド性の高い電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の電子装置100を示す図である。
図2】実施の形態1の電子装置100の電子部品130を示す図である。
図3】実施の形態1の電子装置100の組み立て方法を示す図である。
図4】実施の形態2の電子装置200を示す図である。
図5】実施の形態3の電子装置300を示す図である。
図6】実施の形態4の電子装置400を示す図である。
図7】実施の形態4の変形例の電子装置400Aを示す図である。
図8】実施の形態5の電子装置500を示す図である。
図9】実施の形態6の電子装置600の電子部品630とその周辺を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の電子装置を適用した実施の形態について説明する。
【0010】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の電子装置100を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のA−A矢視断面を示す図である。図1(A)、(B)では、直交座標系であるXYZ座標系を定義する。以下では、説明の便宜上、Z軸正方向側の面を上面と称し、Z軸負方向側の面を下面と称す。また、図2は、実施の形態1の電子装置100の電子部品130を示す図である。
【0011】
電子装置100は、基板110、120、電子部品130、IC(Integrated Circuit)チップ140、及びシールド部150を含む。電子装置100は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0012】
基板110は、第1基板の一例であり、例えば、FR−4(Flame Retardant type 4)規格のプリント基板である。基板110の上面には、電子部品130とICチップ140が実装されるとともに、シールド部150が配設される。
【0013】
基板110は、電極111、パッド112、及びスルーホール113を有する。電極111は、基板110の下面に複数配設されている。電極111は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、又は、SDカード等のインターフェースに対応した電極であり、第1電極の一例である。電極111には、USB端子又はSDカード用のコネクタ等が接続される。
【0014】
基板110の上面にはパッド112が配設されている。パッド112には半田ボール141を介してICチップ140の端子が接続される。また、パッド112は、スルーホール113を介して一部の電極111に接続されている。
【0015】
基板110は、スルーホール113以外にも、電子部品130の端子と電極111とを接続する配線又はスルーホール等を含む。図1では図示を省略するが、基板110の配線は、基板110の表面、裏面、又は内層に形成される。
【0016】
基板120は、第2基板の一例であり、基板110と同様に、例えば、FR−4規格のプリント基板である。基板120は、電子部品130を介して基板110の上に配設される。
【0017】
基板120は、絶縁層121、導電層122、及びビア123を有する。絶縁層121は、導電層122の上面及び下面を覆っている。導電層122は、ビア123によってシールド部150に接続されている。導電層122は、ビア123、シールド部150、及び基板110を介してグランド電位に保持される。このため、導電層122は、グランド層としての役割を担う。ビア123は、図1(B)中の上端が導電層122に接続され、下端は基板120の下面に表出して、半田又は導電性接着剤等によってシールド部150に接続されている。ビア123は、少なくとも1つあればよい。
【0018】
電子部品130は、図2に示すように、下面と上面に端子131、132を有するチップ型の電子部品である。端子131、132は、それぞれ、第1端子、第2端子の一例である。電子部品130は、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等のチップ部品、又は、フィルタ、あるいは、ダイオードを内蔵するチップ部品であってもよい。
【0019】
電子部品130の端子131、132(図2参照)は、それぞれ、図1に示す基板110、120に電気的に接続される。電子部品130の端子131は、基板110の配線等を介して、ICチップ140に接続されている。すなわち、電子部品130とICチップ140は、基板110の配線等を介して電気的に接続されている。
【0020】
電子部品130は、基板110に形成される回路と、基板120に形成される回路との間に接続されるとともに、基板110と基板120とを固定するスペーサのような役割も担っている。
【0021】
電子部品130は、基板110の上面に複数配設されており、すべての電子部品130は、基板110と120との間で、XY平面視においてシールド部150によって覆われている。これは、電子部品130が電磁波等のノイズの発生源になりうるからである。
【0022】
ICチップ140は、アナログ回路部品の一例であり、半田ボール141を介して基板110の上面のパッド112に接続される。ICチップ140は、基板110の配線等を介して、電子部品130に電気的に接続されている。
【0023】
ICチップ140は、アナログ回路を含む。アナログ回路は、例えば、無線通信のための処理を行うRF(Radio Frequency)回路のような回路であり、電磁波を発する。このため、ICチップ140は、基板110と120との間で、XY平面視においてシールド部150によって覆われている。
【0024】
シールド部150は、基板110と120との間において、XY平面視で、すべての電子部品130とICチップ140とを覆っている。また、シールド部150は、ビア123を介して、基板120の導電層122に接続されている。シールド部150と導電層122はグランド電位に保持される。
【0025】
このため、すべての電子部品130とICチップ140とは、シールド部150によって側方及び上方が覆われている。なお、シールド部150は、金属製であり、例えば、アルミニウム製又は鉄製である。
【0026】
以上のように、実施の形態1の電子装置100によれば、すべての電子部品130とICチップ140とは、シールド部150と導電層122によって、側面側及び上面側が遮蔽される。
【0027】
また、電子装置100は、図示しないマザーボード等に表面実装されるので、電子部品130とICチップ140の下面側はマザーボード等の導電層(典型的にはグランド層)によって遮蔽される。
【0028】
従って、実施の形態1によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置100を提供することができる。
【0029】
また、基板110と基板120とを電子部品130で接続するため、基板110と基板120の配線を設計する際の自由度が向上する。
【0030】
また、実施の形態1の電子装置100の電子部品130は、下面と上面に端子131、132が向くように基板110に実装されるため、例えば、端子131、132が側方を向くように基板110に実装する場合に比べると、電子部品130を基板110に実装する向きがXZ平面内で90度異なる。
【0031】
これは、端子131、132が側方を向くように電子部品130を横向きに基板110に実装する場合に対して、実施の形態1では、端子131、132が上下を向くように電子部品130を縦向きに基板110に実装することを意味する。
【0032】
従って、電子部品130が横向きに長い場合は、端子131、132が上下を向くように電子部品130を縦向きに基板110に実装することにより、電子部品130を基板110に実装する面積を小さくすることができる。
【0033】
従って、このような場合には、電子装置100のXY平面視でのサイズを小型化することができる。
【0034】
なお、このような電子装置100は、例えば、携帯電話機、PC(Personal Computer)、プリンタ等に用いることができる。
【0035】
また、このような実施の形態1の電子装置100は、次のようにして組み立てることができる。
【0036】
図3は、実施の形態1の電子装置100の組み立て方法を示す図である。
【0037】
まず、図3(A)に示すように、パッド112及び端子114が形成された基板110を用意し、電子部品130及びIC140等(図3(B)参照)を実装する。そして、図3(B)に矢印で示すように、電子部品130及びIC140等を実装した基板110の上に、基板120を取り付ける。基板120は、電子部品130の端子132(図2参照)に基板120の下面の端子を半田又は導電性接着剤等で接続することによって取り付ければよい。
【0038】
<実施の形態2>
図4は、実施の形態2の電子装置200を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B矢視断面を示す図である。図4(A)、(B)では、直交座標系であるXYZ座標系を定義する。以下では、実施の形態1の電子装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
電子装置200は、基板110、220、電子部品130、230、ICチップ140、240、及びシールド部150を含む。電子装置200は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0040】
実施の形態2の電子装置200は、実施の形態1の電子装置100(図1参照)の基板120の上に、電子部品230とICチップ240を実装した構成を有する。このため、以下では、実施の形態1の電子装置100との相違点を中心に説明する。
【0041】
基板220は、第2基板の一例であり、実施の形態1の基板120の上面にパッド212を形成した構成を有する。パッド212は、基板220の表面、内層、又は裏面に形成される配線を介して、電子部品130及び230に接続される。
【0042】
電子部品230は、チップ型の電子部品である。電子部品230は、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等のチップ部品、又は、フィルタ、あるいは、ダイオードを内蔵するチップ部品であってもよい。
【0043】
電子部品230は、実施の形態1の電子部品130のように、下面と上面に端子を有する必要はなく、側面に端子を有していてもよい。電子部品230は、基板220の表面、内層、又は裏面に形成される配線を介して、電子部品130及びパッド212に接続される。
【0044】
ICチップ240は、ICチップ140とは異なり、電磁波を放射しないICチップである。ICチップ240は、他の電子部品又は回路部品の一例である。ICチップ240の端子は、半田ボール241を介してパッド212に接続される。ICチップ240は、基板220の表面、内層、又は裏面に形成される配線を介して、電子部品130及び230に接続される。
【0045】
このような実施の形態2の電子装置200は、実施の形態1の電子装置100と同様に、すべての電子部品130とICチップ140とは、シールド部150と導電層122によって、側面側及び上面側が遮蔽される。
【0046】
また、電子装置200は、図示しないマザーボード等に表面実装されるので、電子部品130とICチップ140の下面側はマザーボード等の導電層(典型的にはグランド層)によって遮蔽される。
【0047】
従って、実施の形態2によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置200を提供することができる。
【0048】
また、実施の形態2の電子装置200は、基板220の上に電子部品230とICチップ240を実装するので、電子装置200のXY平面視でのサイズを小型化することができる。これは、基板220の上に電子部品230とICチップ240を実装せずに、XY平面方向にサイズを大きくした基板110に電子部品130、230、ICチップ140、240を実装する場合に比べて、電子装置200のXY平面視でのサイズを約半分にすることができることを意味する。
【0049】
なお、実施の形態2では、2枚の基板110、220を用いて、2つのICチップ140、240を重ねる形態について説明したが、基板とICチップを3段以上重ねてもよい。
【0050】
<実施の形態3>
図5は、実施の形態3の電子装置300を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のC−C矢視断面を示す図である。図5(A)、(B)では、直交座標系であるXYZ座標系を定義する。以下では、実施の形態1の電子装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
電子装置300は、基板110、320、電子部品330、ICチップ140、及びシールド部350を含む。電子装置300は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0052】
実施の形態3の電子装置300は、実施の形態1の電子装置100(図1参照)のシールド部150に天板を取り付け、かつ、電子部品130をシールド部150の外側に配置した構成を有する。このため、以下では、実施の形態1の電子装置100との相違点を中心に説明する。
【0053】
基板320は、第2基板の一例であり、例えば、FR−4規格のプリント基板である。基板320は、電子部品330を介して基板110の上に配設される。
【0054】
基板320は、実施の形態1のシールド部150に電気的に接続される基板120と同様に、シールド部350に電気的に接続される。シールド部350は、基板320の表面、内層、又は裏面のグランド電位の配線等に接続される。基板320の表面、内層、又は裏面の配線は、電子部品330の上面にある端子に接続される。ただし、基板320の下面は、シールド部350の天板に半田等によって固定される。
【0055】
電子部品330は、例えば、デジタル信号が入力され、電磁波を放射しない電子部品である。電子部品330の下面の端子は、基板110の配線等に電気的に接続される。電子部品330は、例えば、Bluetooth(登録商標), 無線LAN, ZigBee等の機能を有する無線モジュールである。
【0056】
シールド部350は、ICチップ140の側面(四面)と上面とを覆う。シールド部350は、金属製であり、例えば、アルミニウム製又は鉄製である。シールド部350の高さは、基板110と320との間のZ軸方向の距離と合わせられている。すなわち、シールド部350と電子部品330とは高さが等しい。
【0057】
シールド部350は、実施の形態1のビア123のようなビア等を介して基板320の表面、内層、又は裏面のグランド電位の配線等に接続されており、グランド電位に保持される。このため、ICチップ140は、シールド部350によって側方及び上方が覆われている。シールド部350の天板は、基板320の下面に半田等によって固定される。
【0058】
以上のように、実施の形態3の電子装置300によれば、ICチップ140は、シールド部350によって、側面側及び上面側が遮蔽される。
【0059】
また、電子装置300は、図示しないマザーボード等に表面実装されるので、電子部品ICチップ140の下面側はマザーボード等の導電層(典型的にはグランド層)によって遮蔽される。
【0060】
従って、実施の形態3によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置300を提供することができる。
【0061】
また、シールド部350の天板が基板320の下面に半田等によって固定されるため、基板110と320の接合強度を増大させた電子装置300を提供することができる。
【0062】
<実施の形態4>
図6は、実施の形態4の電子装置400を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のD−D矢視断面を示す図である。図6(A)、(B)では、直交座標系であるXYZ座標系を定義する。以下では、実施の形態1、3の電子装置100、300と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
電子装置400は、基板110、320、電子部品330、ICチップ140、及びシールド部450を含む。電子装置400は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0064】
実施の形態4の電子装置400は、実施の形態1の電子装置100(図1参照)のシールド部150と電子部品130との位置を入れ替えたものである。換言すれば、実施の形態4の電子装置400は、実施の形態3の電子装置300(図5参照)のシールド部350の天板を取り除いたものである。電子部品330は、実施の形態3の電子部品330と同様であり、電磁波を放射しない電子部品である。
【0065】
このため、以下では、実施の形態1、3の電子装置100、300との相違点を中心に説明する。
【0066】
基板320は、電子部品330を介して基板110の上に配設される。基板320の表面、内層、又は裏面の配線は、電子部品330の上面にある端子に接続される。基板320は、実施の形態1のシールド部150に電気的に接続される基板120と同様に、シールド部450に電気的に接続される。シールド部450は、基板320の表面、内層、又は裏面のグランド電位の配線等に接続される。
【0067】
シールド部450は、実施の形態1のシールド部150と同様であり、ICチップ140の側面(四面)と上面とを覆う。シールド部450は、金属製であり、例えば、アルミニウム製又は鉄製である。
【0068】
シールド部450は、実施の形態1のビア123のようなビア等を介して基板320の表面、内層、又は裏面のグランド電位の配線等に接続されており、グランド電位に保持される。このため、ICチップ140は、シールド部450によって側方及び上方が覆われている。
【0069】
以上のように、実施の形態4の電子装置400によれば、ICチップ140は、シールド部450によって、側面側及び上面側が遮蔽される。
【0070】
また、電子装置400は、図示しないマザーボード等に表面実装されるので、電子部品ICチップ140の下面側はマザーボード等の導電層(典型的にはグランド層)によって遮蔽される。
【0071】
従って、実施の形態4によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置400を提供することができる。
【0072】
なお、実施の形態4の電子装置400の基板320の上に、電子部品230とICチップ240を実装してもよい。
【0073】
図7は、実施の形態4の変形例の電子装置400Aを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のE−E矢視断面を示す図である。
【0074】
図7に示す電子装置400Aは、基板110、220、電子部品130、230、ICチップ140、240、及びシールド部450を含む。
【0075】
実施の形態4の変形例の電子装置400Aは、実施の形態1の電子装置100の基板120の上に電子部品230とICチップ240を実装することによって実施の形態2の電子装置200を実現したことと同様に、実施の形態4の電子装置400(図5参照)に、電子部品230とICチップ240を追加した構成を有する。
【0076】
従って、実施の形態4の変形例によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置400Aを提供することができる。
【0077】
また、電子装置400Aは、XY平面視でのサイズを小型化を図ることができる。
【0078】
なお、図7には、2枚の基板110、220を用いて、2つのICチップ140、240を重ねる構成を示したが、基板とICチップを3段以上重ねてもよい。
【0079】
<実施の形態5>
図8は、実施の形態5の電子装置500を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)のF−F矢視断面を示す図である。図8(A)、(B)では、直交座標系であるXYZ座標系を定義する。以下では、実施の形態1の電子装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
電子装置500は、基板110、520、電子部品130、ICチップ140、及びシールド部150を含む。電子装置500は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0081】
実施の形態5の電子装置500は、実施の形態1の電子装置100(図1参照)の基板120を基板520に置き換えた構成を有する。このため、以下では、実施の形態1の電子装置100との相違点を中心に説明する。
【0082】
基板520は、第2基板の一例であり、例えば、FR−4規格のプリント基板である。基板520は、電子部品130を介して基板110の上に配設される。
【0083】
基板520は、実施の形態1の基板120の上面に電極525を配設したものである。電極525は、第2電極の一例である。
【0084】
電極525は、基板520の表面、内層、又は裏面の配線等を介して、電子部品130に接続されている。電子部品130は、基板110を介してICチップ140に接続されているため、電極525は、ICチップ140に接続されている。
【0085】
また、ICチップ140は、基板110の電極111に接続されているため、電極525は、ICチップ140を介して、電極111に接続されている。
【0086】
実施の形態5の電子装置500では、電極111と525は、互いに異なる規格のインターフェース用の電極である。例えば、電極111がUSB端子のインターフェースに対応した電極である場合には、電極525は、例えば、SDカードのインターフェースに対応した電極であればよい。
【0087】
このように、電極111と525は、互いに異なる規格のインターフェース用の電極である。電極111及び525は、互いに異なる規格のインターフェース用の電極であればよいため、USB端子とSDカードのインターフェースに対応した電極の組み合わせに限られず、他の規格のインターフェース用の電極であってもよい。
【0088】
なお、電極111に入力される信号を電極525に伝送する際に、又は、電極525に入力される信号を電極111に伝送する際に、信号処理が必要な場合は、ICチップ140が信号処理を行うようにすればよい。
【0089】
以上のように、実施の形態5によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置500を提供することができる。
【0090】
また、電極111と525とで互いに異なる規格の信号を取り扱うことのできる電子装置500を提供することができる。このような構成により、基板110の下面と、基板520の上面とに、それぞれ、電極111と電極525を効率よく配置することができ、この結果、電極の数や電極の面積を低減することができる。
【0091】
なお、実施の形態5では、電極111と電極525とが互いに異なる規格のインターフェース用の電極である形態について説明したが、電極111と電極525とは、互いに等しい規格のインターフェース用の電極であってもよい。
【0092】
<実施の形態6>
図9は、実施の形態6の電子装置600の電子部品630とその周辺を示す断面図である。
【0093】
実施の形態6の電子装置600は、基板110、電子部品630、ICチップ140、及びシールド部150を含む。電子装置600は、表面実装型の電子装置であり、基板110の下面を図示しないマザーボード等に接続することによって、マザーボード等に表面実装される。
【0094】
実施の形態6の電子装置600は、実施の形態1の電子装置100(図1参照)の電子部品130を電子部品630に置き換えた構成を有する。このため、以下では、実施の形態1の電子装置100との相違点を中心に説明する。
【0095】
また、図9には、基板110、120、及び電子部品630のみを示す。図9で省略するICチップ140及びシールド部150については、図1と同様である。
【0096】
電子部品630は、側面に端子631、632を有する。端子631、632は、第1端子、第2端子の一例である。すなわち、電子部品630は、横向きに実装される電子部品である。これは、端子131、132を上下に有し、縦向きに実装される実施の形態1の電子部品130とは実装される向きがXZ平面内で90度異なる。
【0097】
基板110は、上面に端子115、116を有し、基板120は、下面に端子125、126を有する。
【0098】
電子部品630の端子631の下端は、端子115に接続され、端子631の上端は、端子125に接続される。この状態で、端子631と端子115、125は、半田660Aによって固定される。
【0099】
同様に、電子部品630の端子632の下端は、端子116に接続され、端子632の上端は、端子126に接続される。この状態で、端子632と端子116、126は、半田660Bによって固定される。
【0100】
このように、実施の形態1の縦向きの電子部品130の代わりに、横向きの電子部品630を用いてもよい。
【0101】
以上、実施の形態6によれば、シールド性の高い表面実装型の電子装置600を提供することができる。
【0102】
以上、本発明の例示的な実施の形態の電子装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 電子装置
110、120 基板
130 電子部品
140 ICチップ
150 シールド部
200 電子装置
220 基板
230 電子部品
240 ICチップ
300 電子装置
320 基板
330 電子部品
350 シールド部
400、400A 電子装置
450 シールド部
500 電子装置
520 基板
600 電子装置
630 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9