(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らないことに留意すべきである。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0011】
[第1実施形態]
[1.液晶表示装置の表示例]
本実施形態の液晶表示装置に要求されるキャラクター表示の一例について説明する。
図1は、本実施形態の液晶表示装置が表示可能なキャラクターを説明する模式図である。
図1に示すように、液晶表示装置が表示可能なキャラクターには、時刻表示D1、バッテリー表示D2、及びメール表示D3が含まれる。液晶表示装置が表示するキャラクターは、ポジ表示(明るい背景に暗い文字で表示する)、及びネガ表示(暗い背景に明るい文字で表示する)が可能であり、すなわちポジネガ反転(白黒反転)表示が可能である。また、液晶表示装置が表示するキャラクターは、カラー表示が可能である。
【0012】
キャラクターが表示される背景D4は、液晶表示装置の表示画面のサイズに対応する。背景D4は、白、及び黒表示が可能である。
【0013】
時刻表示D1は、例えば4個の7セグメントD1−1と、2個のドットD1−2とを用いて表示可能である。7セグメントD1−1及びドットD1−2はそれぞれ、黒、白、及びカラー(赤、緑、及び青)表示が可能である。
【0014】
バッテリー表示D2は、第1セグメントD2−1と、第1セグメントD2−1より長い4個の第2セグメントD2−2とを用いて表示可能である。第1セグメントD2−1は、緑、白、及び黒表示が可能である。第2セグメントD2−2は、赤、青、白、及び黒表示が可能である。
【0015】
メール表示D3は、第1セグメントD3−1と第2セグメントD3−2とを用いて表示可能である。第1セグメントD3−1は、緑、白、及び黒表示が可能である。第2セグメントD3−2は、青、白、及び黒表示が可能である。
【0016】
図2は、液晶表示装置の表示例を説明する模式図である。
図2(a)において、時刻表示D1は、ポジ表示であり、すなわち、黒表示である。バッテリー表示D2は、バッテリーがいっぱいに充電されている状態であり、すなわち、第1セグメントD2−1が緑表示、第2セグメントD2−2の全てが青表示である。メール表示D3は、メールが未受信である状態であり、すなわち、第1セグメントD3−1及び第2セグメントD3−2が共に白表示である。
【0017】
図2(b)において、バッテリー表示D2は、バッテリーが半分程度まで充電されている状態であり、すなわち、第1セグメントD2−1が緑表示、第2セグメントD2−2の半分が赤表示、第2セグメントD2−2の残り半分が青表示である。メール表示D3は、メールを受信している状態であり、すなわち、第1セグメントD3−1が緑表示、第2セグメントD3−2が青表示である。
【0018】
図2(c)において、バッテリー表示D2は、バッテリーがほとんど充電されていない状態であり、すなわち、第1セグメントD2−1が緑表示、第2セグメントD2−2の全てが赤表示である。
【0019】
図3は、時刻表示D1の表示例を説明する模式図である。
図3(a)において、時刻表示D1は、ポジ表示であり、すなわち、時刻表示D1は黒表示であり、背景は白表示である。
図3(b)において、時刻表示D1は、ネガ表示であり、すなわち、時刻表示D1は白表示であり、背景は黒表示である。
図3(c)において、時刻表示D1は、赤表示である。
図3(d)において、時刻表示D1は、緑表示である。
図3(e)において、時刻表示D1は、青表示である。
図3に示すように、時刻表示D1は、カラー表示が可能であり、またポジネガ反転表示が可能である。
【0020】
[2.液晶表示装置の構成]
次に、
図1乃至
図3のキャラクターを表示するための液晶表示装置の構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係る液晶表示装置10のブロック図である。液晶表示装置10は、液晶表示パネル11、端子部12、信号線ドライバ(信号線駆動回路)13、共通線ドライバ(共通線駆動回路)14、及び制御回路15を備える。
【0021】
液晶表示パネル11は、液晶層を備え、この液晶層を透過する光に応じて画像表示を行う。液晶表示パネル11は、液晶層に電位差(電界)を印加するために、複数のセグメント電極、及び複数のセグメント電極に対向配置された1個の共通電極を備える。複数のセグメント電極にそれぞれ電気的に接続された信号線、及び共通電極に電気的に接続された共通線は、端子部12に含まれる複数の端子に電気的に接続される。
【0022】
信号線ドライバ13は、端子部12を介して複数の信号線に接続される。信号線ドライバ13は、制御回路15から送られる制御信号に基づいて、複数のセグメント電極に所定の電圧を印加する。共通線ドライバ14は、端子部12を介して共通線に接続される。共通線ドライバ14は、制御回路15から送られる制御信号に基づいて、共通電極に所定の電圧を印加する。
【0023】
制御回路15は、外部から供給される画像信号に基づいて、液晶表示パネル11に所望の画像を表示させるための種々の制御信号を生成して、信号線ドライバ13、及び共通線ドライバ14に供給する。
【0024】
[3.液晶表示パネルの構成]
次に、液晶表示パネル11の構成について説明する。
図5は、液晶表示パネル11の断面図である。液晶表示パネル11は、反射型かつ高分子分散型(或いは高分子ネットワーク型)のLCDから構成される。
【0025】
カラーフィルタ基板(CF基板)20上には、反射膜21が設けられる。反射膜21としては、例えばアルミニウム(Al)が用いられる。反射膜21上には、カラーフィルタ22が設けられる。カラーフィルタ22は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bを含む。カラーフィルタ22は、隣接するフィルタ同士が接触するように構成してもよいし、隣接するフィルタ間にブラックマトリクス(黒色フィルタ)を配置するように構成してもよい。
【0026】
カラーフィルタ22上には、カラーフィルタ22全体を覆い、かつ平面状に形成された共通電極23が設けられる。共通電極23には、共通線24が接続され、この共通線24は端子部12まで引き出される。
【0027】
対向基板25は、CF基板20に対向配置される。対向基板25上には、絶縁膜26が設けられる。絶縁膜26としては、透明な絶縁材料が用いられ、例えばシリコン窒化物(SiN)が用いられる。絶縁膜26上には、複数のセグメント電極27が設けられる。複数のセグメント電極27は、所望のキャラクターを表示可能なように所望の形状に加工される。
【0028】
対向基板25上には、複数のセグメント電極27に電圧を印加するための複数の信号線(引き出し線)28が設けられる。複数の信号線28は、端子部12まで引き出される。複数のセグメント電極27と複数の信号線28とは、絶縁膜26内に設けられた複数のコンタクトプラグ29によって電気的に接続される。このように、キャラクターを表示するための複数のセグメント電極27と、複数のセグメント電極27に電圧を印加するための複数の信号線28とは異なるレベル配線層で形成され、換言すると、複数のセグメント電極27及び複数の信号線28は2層の配線層で形成される。共通電極23、共通線24、セグメント電極27、及び信号線28は、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜から構成される。
【0029】
CF基板20と対向基板25との間には、液晶層30が挟持される。液晶層30は、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、又は高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)により構成される。PDLCは、高分子層(高分子ネットワーク)内に液晶が分散された構造を有しており、すなわち高分子内において液晶が相分離した構造を有している。或いは、高分子ネットワーク中の液晶が連続相を有していてもよい。液晶層30は、表示領域(画面領域)を囲む枠状のシール材(図示せず)によって封止される。
【0030】
高分子層としては光硬化樹脂を用いることができる。例えば、PDLCは、光重合型の高分子前駆体(モノマー)に液晶を混合させた溶液に紫外線を照射し、モノマーを重合させてポリマーを形成し、そのポリマーのネットワーク中に液晶が分散される。液晶としては、例えば、誘電率異方性が正(ポジ型)のネマティック液晶が用いられる。すなわち、液晶層に電圧が印加されない場合は、液晶分子が高分子ネットワーク内にランダムに配置した状態となり、液晶層に電圧が印加される場合は、液晶分子が電界方向に立っている状態(液晶分子の長軸が電界方向に向いている状態)となる。
【0031】
図6は、カラーフィルタ22の平面図である。カラーフィルタ22は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−BからなるユニットがX方向に複数個配列されて構成される。赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bは、X方向に直交するY方向に延在するストライプ状に形成され、Y方向において表示領域の両端まで延在する。なお、前述したように、共通電極23は、カラーフィルタ22全体を覆っており、表示領域全体にわたって平面状に形成される。すなわち、共通電極23の平面形状は、カラーフィルタ22の平面形状とほぼ同じである。
【0032】
<セグメント電極の構成>
次に、セグメント電極27の構成について説明する。
図7は、所望のキャラクターを表示するためのセグメント電極群27の一例を示す平面図である。セグメント電極群27は、
図1の時刻表示D1の7セグメントD1−1を表示するためのセグメント電極群27Aと、時刻表示D1のドットD1−2を表示するためのセグメント電極群27Bと、バッテリー表示D2を表示するためのセグメント電極群27Cと、メール表示D3を表示するためのセグメント電極群27Dと、背景D4を表示するためのセグメント電極27Eとから構成される。
【0033】
図8は、時刻表示D1の7セグメントD1−1を表示するためのセグメント電極群27Aの詳細な平面図である。セグメント電極群27Aは、7個のセグメント電極群27A−1〜27A−7と、2個のセグメント電極27A−8、27A−9とを含む。7個のセグメント電極群27A−1〜27A−7は、数字を表示するために使用され、2個のセグメント電極27A−8、27A−9は、背景の色を切り替えるために使用される。
図8に示した丸は、セグメント電極に接続されるコンタクトプラグ29を表している。
【0034】
セグメント電極群27A−1は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応した3個のセグメント電極を1ユニットとして、このユニットがX方向に沿って複数個配列されて構成される。セグメント電極群27A−1に含まれるセグメント電極の数は、任意に設定可能である。セグメント電極群27A−1に含まれる各セグメント電極は、Y方向(カラーフィルタ22の各フィルタの延在方向と同じ方向)に延在し、かつ1個のカラーフィルタとほぼ同じ幅を有する。セグメント電極群27A−2〜27A−7についても、セグメント電極群27A−1と同様に構成される。2個のセグメント電極27A−8、27A−9は、7セグメントの隙間を埋めるように平面状に形成される。
【0035】
図9は、時刻表示D1のドットD1−2を表示するためのセグメント電極群27Bの詳細な平面図である。セグメント電極群27Bは、2個のセグメント電極群27B−1、27B−2を含む。セグメント電極群27B−1は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応した3個のセグメント電極を1ユニットとして、このユニットがX方向に沿って1個又は複数個配列されて構成される。セグメント電極群27B−1に含まれるセグメント電極の数は、任意に設定可能である。セグメント電極群27B−1に含まれる各セグメント電極は、Y方向に延在し、かつ1個のカラーフィルタとほぼ同じ幅を有する。セグメント電極群27B−2についても、セグメント電極群27B−1と同様に構成される。
【0036】
図10は、バッテリー表示D2を表示するためのセグメント電極群27Cの詳細な平面図である。セグメント電極群27Cは、4個のセグメント電極群27C−1〜27C−4と、セグメント電極群27C−1よりX方向の長さが短いセグメント電極群27C−5とを含む。セグメント電極群27C−1は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応した3個のセグメント電極を1ユニットとして、このユニットがX方向に沿って複数個配列されて構成される。セグメント電極群27C−1に含まれるセグメント電極の数は、任意に設定可能である。セグメント電極群27C−1に含まれる各セグメント電極は、Y方向に延在し、かつ1個のカラーフィルタとほぼ同じ幅を有する。セグメント電極群27C−2〜27C−4についても、セグメント電極群27C−1と同様に構成される。
【0037】
セグメント電極群27C−5は、表示可能な色が制限されていることから、2個のカラーフィルタ(赤色フィルタ及び青色フィルタ)分とほぼ同じ幅を有する1個のセグメント電極と、1個のカラーフィルタ(緑色フィルタ)とほぼ同じ幅を有する複数のセグメント電極とを含む。セグメント電極群27C−5に含まれるセグメント電極の数は、任意に設定可能である。
【0038】
図11は、メール表示D3を表示するためのセグメント電極群27Dの詳細な平面図である。セグメント電極群27Dは、2個のセグメント電極群27D−1、27D−2を含む。セグメント電極群27D−1は、表示可能な色が制限されていることから、2個のカラーフィルタ(赤色フィルタ及び緑色フィルタ)分とほぼ同じ幅を有する複数のセグメント電極と、1個のカラーフィルタ(青色フィルタ)とほぼ同じ幅を有する複数のセグメント電極とが交互に配置されて構成される。セグメント電極群27D−2は、表示可能な色が制限されていることから、2個のカラーフィルタ(青色フィルタ及び赤色フィルタ)分とほぼ同じ幅を有する複数のセグメント電極と、1個のカラーフィルタ(緑色フィルタ)とほぼ同じ幅を有する複数のセグメント電極とが交互に配置されて構成される。セグメント電極群27D−1、27D−2に含まれるセグメント電極の数は、任意に設定可能である。
【0039】
<信号線のレイアウト>
次に、セグメント電極に接続される信号線28のレイアウトについて説明する。前述したように、信号線28は、セグメント電極の下方の配線層で構成される。
【0040】
図12は、セグメント電極群27A(セグメント電極群27A−1〜27A−7、セグメント電極27A−8、27A−9)に接続される信号線のレイアウト図である。なお、
図12において、セグメント電極群27Aには、カラーフィルタを重ねて図示している。
【0041】
セグメント電極群27A−1のうち、複数の赤色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A1に接続される。セグメント電極群27A−1のうち、複数の緑色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A2に接続される。セグメント電極群27A−1のうち、複数の青色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A3に接続される。同様に、セグメント電極群27A−2〜27A−7は、複数の信号線28を介して端子A4〜A21に接続される。
【0042】
セグメント電極27A−8は、信号線28を介して端子X0に接続される。セグメント電極27A−9は、信号線28を介して端子X0に接続される。なお、背景D4を表示するためのセグメント電極27Eも同様に、信号線28を介して端子X0に接続される。
【0043】
図13は、セグメント電極群27B(セグメント電極群27B−1、27B−2)に接続される信号線のレイアウト図である。セグメント電極群27B−1、27B−2のうち、1個の赤色フィルタに平面視において重なるように配置された2個のセグメント電極は、2個のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A22に接続される。セグメント電極群27B−1、27B−2のうち、1個の緑色フィルタに平面視において重なるように配置された2個のセグメント電極は、2個のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A23に接続される。セグメント電極群27B−1、27B−2のうち、1個の青色フィルタに平面視において重なるように配置された2個のセグメント電極は、2個のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子A24に接続される。
【0044】
図14は、セグメント電極群27C(セグメント電極群27C−1〜27C−5)に接続される信号線のレイアウト図である。前述したセグメント電極群27Aと同様に、セグメント電極群27C−1〜27C−4の各々は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタごとに、複数のセグメント電極が1本の信号線28に共通接続されるようにして、端子部12に含まれる端子B1〜B12に接続される。
【0045】
セグメント電極群27C−5のうち、緑色フィルタに平面視において重なるように配置された2個のセグメント電極は、2個のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子B13に接続される。セグメント電極群27C−5のうち、赤色フィルタ及び青色フィルタに平面視において重なるように配置された3個のセグメント電極は、3個のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子B14に接続される。
【0046】
図15は、セグメント電極群27D(セグメント電極群27D−1、27D−2)に接続される信号線のレイアウト図である。セグメント電極群27D−1のうち、赤色フィルタ及び緑色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子C1に接続される。セグメント電極群27D−1のうち、青色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子C2に接続される。
【0047】
セグメント電極群27D−2のうち、緑色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子C3に接続される。セグメント電極群27D−2のうち、赤色フィルタ及び青色フィルタに平面視において重なるように配置された複数のセグメント電極は、複数のコンタクトプラグ29を介して、1本の信号線28に共通接続され、当該信号線28は、端子部12に含まれる端子C4に接続される。
【0048】
[4.動作]
上記のように構成された液晶表示装置10の動作について説明する。
図16は、液晶表示パネル11の白表示に関する動作を説明する模式図である。なお、
図16では、図が煩雑になるのを避けるために、絶縁膜26及び信号線28の図示を省略している。
【0049】
セグメント電極27及び共通電極23を同電圧にして高分子分散型液晶層30に電圧(電界)を印加しない場合、液晶分子がランダムに配置する。対向基板25から液晶層30に入射した光は、散乱を起こしながら液晶層30を透過し、さらにカラーフィルタ22を透過して反射膜21で反射され、観察者の目に届く。これにより、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bを透過した光が混ざり、観察者には白表示として視認される。
【0050】
図17は、液晶表示パネル11のカラー表示に関する動作を説明する模式図である。
図17では、一例として赤表示に関する動作を示している。
【0051】
図17の例において、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧(電界)を印加し、かつ赤色フィルタ22−Rに対応する液晶層30に電圧を印加しない場合、電圧が印加された液晶分子が電界方向に配列し(液晶分子の長軸が電界方向に向き)、一方、電圧が印加されない液晶分子がランダムに配置する。緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bの領域では、対向基板25から液晶層30に入射した光は、液晶層30で散乱が起こらず、反射膜21で正反射するため、観察者に届く光が減少する。また、赤色フィルタ22−Rの領域では、対向基板25から液晶層30に入射した光は、散乱を起こしながら液晶層30を透過し、観察者の目に届く。これにより、
図17の例では、観察者には赤表示として視認される。
【0052】
赤表示と同様の原理により、緑表示を行う場合は、赤色フィルタ22−R及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加し、かつ緑色フィルタ22−Gに対応する液晶層30に電圧を印加しない。青表示を行う場合は、赤色フィルタ22−R及び緑色フィルタ22−Gに対応する液晶層30に電圧を印加し、かつ青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加しない。さらに、黒表示を行う場合は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加しない。これにより、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bの領域において観察者に届く光が減少するため、観察者には暗い表示として認識される。
【0053】
図18は、信号線ドライバ13、及び共通線ドライバ14の動作を説明する電圧波形である。
図18(a)に示すように、共通線ドライバ14は、共通電極23に0Vを印加する。
【0054】
図18(b)に示すように、信号線ドライバ13は、液晶層30に電圧を印加する、すなわち液晶層30をオンさせる場合、オンさせるべき液晶層30に対応するセグメント電極27に接続された端子(例えばA1、A2、A3、・・・)に、周波数fで振幅V
0の矩形波の電圧を印加する。例えば、周波数f=1〜100Hz、振幅V
0=2〜10Vである。また、
図18(c)に示すように、信号線ドライバ13は、液晶層30に電圧を印加しない、すなわち液晶層30をオフさせる場合、オフさせるべき液晶層30に対応するセグメント電極27に接続された端子(例えばA1、A2、A3、・・・)に、0Vを印加する。なお、
図18(a)の例では、端子A1と端子A2と電圧波形の位相が180°ずれているが、オンさせる全ての端子に同じ位相の矩形波を印加してもよい。
【0055】
図19は、信号線ドライバ13、及び共通線ドライバ14の他の動作例を説明する電圧波形である。
図19(a)に示すように、共通線ドライバ14は、共通電極23に周波数fで振幅V
0/2の矩形波の電圧を印加する。
【0056】
図19(b)に示すように、信号線ドライバ13は、液晶層30をオンさせる場合、オンさせるべき液晶層30に対応するセグメント電極27に接続された端子(例えばA1、A2、A3、・・・)に、共通電極23に印加した電圧波形の位相を180°ずらした電圧波形(共通電極23に印加した電圧波形の極性を反転した電圧波形)を印加する。また、
図19(c)に示すように、信号線ドライバ13は、液晶層30をオフさせる場合、オフさせるべき液晶層30に対応するセグメント電極27に接続された端子(例えばA1、A2、A3、・・・)に、共通電極23に印加した電圧波形と同じ電圧波形を印加する。
図19の例では、
図18の例に比べて、振幅V
0から振幅V
0/2へと電圧を低くすることができる。
【0057】
図20は、時刻表示D1の7セグメントD1−1を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図20の端子A1〜A21、X0は、
図12の端子A1〜A21、X0に対応する。
図20のオンは、
図18(b)又は
図19(b)のオン用の電圧波形を端子に印加することを意味し、
図20のオフは、
図18(c)又は
図19(c)のオフ用の電圧波形を端子に印加することを意味する。
図20に示す電圧制御により、7セグメントのカラー表示、及びポジネガ反転表示(白黒反転表示)が可能である。
【0058】
図21は、バッテリー表示D2を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図21の端子B1〜B14は、
図14の端子B1〜B14に対応し、端子X0は、バッテリー表示D2の背景を表示するセグメント電極に接続される端子である。
図21に示す電圧制御により、バッテリー表示D2のカラー表示、及びポジネガ反転表示が可能である。
【0059】
図22は、メール表示D3を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図22の端子C1〜C4は、
図15の端子C1〜C4に対応し、端子X0は、メール表示D3の背景を表示するセグメント電極に接続される端子である。
図22に示す電圧制御により、メール表示D3のカラー表示、及びポジネガ反転表示が可能である。
【0060】
[5.効果]
以上詳述したように第1実施形態では、高分子分散型液晶を用いた反射型液晶表示装置10において、キャラクターを表示するために加工された複数のセグメント電極27と、複数のセグメント電極27及び複数の信号線ドライバ13を接続する信号線28とを異なるレイヤーの配線層で形成している。また、カラーフィルタをストライプ状に形成し、カラーフィルタを構成する赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタの各々の幅に合わせてセグメント電極27を加工している。
【0061】
従って第1実施形態によれば、様々な形状のキャラクターを表示可能であり、さらにカラー表示、及びポジネガ反転表示(白黒反転表示)を実現できる。また、信号線28のレイアウトに関係なくセグメント電極27を加工できるため、より複雑な形状を有するキャラクターを表示可能となる。
【0062】
また、カラーフィルタ22をストライプ状に形成し、共通電極23を平面状に形成している。これにより、カラーフィルタ22及び共通電極23を低コストで製造できる。この結果、カラー表示が可能な液晶表示装置を低コストで製造することができる。
【0063】
また、偏光板を用いずにカラー表示が可能であるため、明るい表示が可能となり、また製造コストを低減できる。
【0064】
また、キャラクターのパターンを変更する場合、カラーフィルタ22及び共通電極23の設計変更が不要であり、セグメント電極のパターンを設計変更すればよい。これにより、キャラクターの設計変更に容易に対応可能なカラー液晶表示装置を実現できる。
【0065】
[第2実施形態]
図23は、第2実施形態に係る液晶表示パネル11の断面図である。液晶表示パネル11は、垂直配向(VA:Vertical Alignment)型液晶を用いたVAモードが用いられる。すなわち、液晶層30としては、例えば、誘電率異方性が負(ネガ型)のネマティック液晶が用いられ、液晶分子は、無電圧(無電界)時には基板面に対してほぼ垂直に配向させる。VAモードの液晶分子配列は、無電圧時に液晶分子の長軸(ダイレクタ)が垂直に配向し、電圧印加(電界印加)時に液晶分子のダイレクタが水平方向に向かって傾く(水平方向に寝た状態となる)。なお、液晶モードはホモジニアスモードでも良いが、コントラストを向上させる観点からは、VAモードの方が最適である。
【0066】
液晶層30として、いわゆるマルチドメイン方式を用いてもよい。具体的には、液晶層30に接する部材(本実施形態では、後述する配向膜44)に円錐形の複数の突起を設け、液晶分子が傾く方向を制御する。この複数の突起により、液晶層30は、液晶分子が傾く方向が異なる複数の領域(ドメイン)から構成される。マルチドメイン方式を用いることで、視野角依存性を改善することができる。
【0067】
共通電極23上には、配向膜42が設けられ、複数のセグメント電極27上には、配向膜44が設けられる。配向膜42、44は対をなし、液晶層30がVAモードになるように液晶分子の配向を制御する。
【0068】
液晶表示パネル11の表示面と反対面には、面光源(バックライト)40が対向配置される。このバックライト40は、例えば、サイドライト型(エッジライト型)のバックライト装置が用いられる。すなわち、バックライト40は、LED(発光ダイオード)等からなる複数の発光素子が導光板の端面から入射するように構成されており、導光板の一方の板面から液晶層30へ向けて光が出射される。例えば、バックライト40は、反射シート、導光板、拡散シート、及びプリズムシートが積層されて構成されている。
【0069】
CF基板20のバックライト40側には、偏光板41が設けられ、対向基板25の表示面側には、偏光板43が設けられる。偏光板41、43は、ランダムな方向の振動面を有する光から、透過軸と平行な一方向の振動面を有する光、すなわち直線偏光の偏光状態を有する光を取り出すものである。偏光板41、43は、面内において互いの吸収軸及び透過軸がそれぞれ直交するように配置される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0070】
次に、上記のように構成された液晶表示装置10の動作について説明する。
図24は、液晶表示パネル11の白表示に関する動作を説明する模式図である。
図24の右側には、偏光板41、43、及び液晶層30の上面図を図示している。なお、
図24では、図が煩雑になるのを避けるために、絶縁膜26、信号線28、及び配向膜42、44の図示を省略している。信号線ドライバ13及び共通線ドライバ14によるセグメント電極27及び共通電極23への電圧印加動作は、第1実施形態の
図18及び
図19と同じである。
【0071】
セグメント電極27及び共通電極23間に電圧(電界)を印加する場合、液晶分子が水平方向に寝る。液晶層30は、液晶分子が水平方向に寝た状態で、入射光に対して位相差λ/4を与えるように構成される。バックライト40から偏光板41を透過した光は、液晶層30で位相差λ/4を与えられた後、偏光板43を透過して観察者の目に届く。白表示を行う場合、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加する。これにより、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bを透過した光が混ざり、観察者には白表示として視認される。
【0072】
図25は、液晶表示パネル11のカラー表示に関する動作を説明する模式図である。
図25では、一例として赤表示に関する動作を示している。
【0073】
図25の例において、赤色フィルタ22−Rに対応する液晶層30に電圧(電界)を印加し、かつ緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加しない場合、電圧が印加された液晶分子が水平方向に寝た状態となり、一方、電圧が印加されない液晶分子が垂直方向に配向する。緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bの領域では、偏光板41から液晶層30に入射した光は、液晶層30で位相差が与えられず、偏光板43で遮断される。このため、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bを透過した光は、観察者に届かず、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bの領域では、黒表示となる。また、赤色フィルタ22−Rの領域では、偏光板41から液晶層30に入射した光は、液晶層30で位相差λ/4を与えられた後、偏光板43を透過して観察者の目に届く。これにより、
図25の例では、観察者には赤表示として視認される。
【0074】
赤表示と同様の原理により、緑表示を行う場合は、緑色フィルタ22−Gに対応する液晶層30に電圧を印加し、赤色フィルタ22−R及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加しない。青表示を行う場合は、青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加し、赤色フィルタ22−R及び緑色フィルタ22−Gに対応する液晶層30に電圧を印加しない。さらに、黒表示を行う場合は、赤色フィルタ22−R、緑色フィルタ22−G、及び青色フィルタ22−Bに対応する液晶層30に電圧を印加しない。
【0075】
図26は、時刻表示D1の7セグメントD1−1を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図26に示す電圧制御により、7セグメントのカラー表示、及びポジネガ反転表示(白黒反転表示)が可能である。
【0076】
図27は、バッテリー表示D2を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図27に示す電圧制御により、バッテリー表示D2のカラー表示、及びポジネガ反転表示が可能である。
【0077】
図28は、メール表示D3を表示する場合にセグメント電極に印加する電圧を説明するグラフである。
図28に示す電圧制御により、メール表示D3のカラー表示、及びポジネガ反転表示が可能である。
【0078】
(効果)
以上詳述したように第2実施形態では、VA型液晶を用いた液晶表示装置10において、様々な形状のキャラクターを表示可能であり、さらにカラー表示、及びポジネガ反転表示(白黒反転表示)を実現できる。また、第2実施形態のカラー液晶表示装置10は、画素ごとにTFT及び画素電極を備えたカラー液晶表示装置に比べて、製造コストを低減できる。その他の効果は、第1実施形態と同じである。
【0079】
なお、VAモードの液晶表示パネル11に外光を反射する部材を設け、半透過型液晶表示パネルを構成してもよい。具体的には、偏光板41として、半透過反射型偏光板を使用する。半透過反射型偏光板は、入射光の一部を反射し、残りを透過する。このようにVAモードかつ半透過型の液晶表示パネルを実現することで、屋外のような外光が強い環境では外光を反射して表示に利用し、一方、外光が弱い環境ではバックライト光を用いて表示を行う。これにより、消費電力を低減することができる。
【0080】
第1及び第2実施形態で説明した液晶表示装置は、デジタル時計や、カメラなどのファインダに文字や図形を重ねて表示するパターン表示型の液晶表示装置に適用することができる。その他、冷蔵庫や洗濯機などの家庭用電気器具に備えられた表示部などに使用することができる。
【0081】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、構成要素を変形して具体化することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、1つ実施形態に開示される複数の構成要素の適宜な組み合わせ、若しくは異なる実施形態に開示される構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、これらの構成要素が削除された実施形態が発明として抽出されうる。