特許第6336784号(P6336784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336784デジタル制御電源回路の制御回路、制御方法およびそれを用いたデジタル制御電源回路、ならびに電子機器および基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336784
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】デジタル制御電源回路の制御回路、制御方法およびそれを用いたデジタル制御電源回路、ならびに電子機器および基地局
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   H02M3/28 H
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-40979(P2014-40979)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-167443(P2015-167443A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2017年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】前出 淳
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−130708(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/003776(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁型のデジタル制御電源回路の制御回路であって、
前記デジタル制御電源回路の出力電圧に応じたフィードバック電圧をサンプリングし、デジタルのフィードバックデータに変換する第1A/Dコンバータと、
前記デジタル制御電源回路の入力電圧に応じた検出電圧をサンプリングし、デジタルのフィードフォワードデータに変換する第2A/Dコンバータと、
前記フィードバックデータと、前記フィードバック電圧の目標値を示す目標データの差分を示す誤差データを生成する誤差検出器と、
前記誤差データがゼロに近づくように値が調節されるデューティ指令値を生成する補償器と、
前記デューティ指令値を受け、前記デューティ指令値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するデジタルパルス変調器と、
前記補償器のゲインをフィードフォワードデータに応じて調節するとともに、前記パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、前記補償器のゲインの更新を中断するフィードフォワードコントローラと、
を備え、
前記制御回路は、前記絶縁型のデジタル制御電源回路に含まれるトランスの2次側に配置されることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記フィードフォワードコントローラは、前記パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、前記フィードフォワードデータの更新を中断することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記補償器は、その内部データに可変のゲイン係数を乗算する乗算器を含み、
前記フィードフォワードコントローラは、前記フィードフォワードデータにもとづいて前記ゲイン係数を演算する係数演算器を含み、前記パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、前記ゲイン係数の更新を中断することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項4】
前記補償器は、その内部データに可変のゲイン係数を乗算する乗算器を含み、
前記フィードフォワードコントローラは、
前記フィードフォワードデータを保持するメモリと、
前記メモリに格納された前記フィードフォワードデータと、前記第2A/Dコンバータから出力される前記フィードフォワードデータを受け、前記パルス幅が前記所定値より短いときに前記メモリに格納された前記フィードフォワードデータを選択し、前記パルス幅が前記所定値より長いときに前記第2A/Dコンバータから出力されるフィードフォワードデータを選択するセレクタと、
前記セレクタにより選択された前記フィードフォワードデータにもとづいて前記ゲイン係数を演算する係数演算器と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項5】
前記フィードフォワードコントローラは、
前記フィードフォワードデータにもとづいてゲイン係数を演算する係数演算器と、
前記ゲイン係数を保持するメモリと、
前記メモリに格納された前記ゲイン係数と、前記係数演算器から出力される前記ゲイン係数を受け、前記パルス幅が前記所定値より短いときに前記メモリに格納された前記ゲイン係数を選択し、前記パルス幅が前記所定値より長いときに前記係数演算器から出力される前記ゲイン係数を選択するセレクタと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項6】
前記フィードフォワードコントローラは、前記デューティ指令値を前記所定値に応じたしきい値と比較するコンパレータを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御回路。
【請求項7】
前記補償器は、
前記誤差データが入力され、PID(比例、積分、微分)制御を行うデジタル補償器と、
前記デジタル補償器の出力と、前記ゲイン係数を乗算する乗算器と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の制御回路。
【請求項8】
ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の制御回路。
【請求項9】
デジタル制御電源回路であって、
トランスと、前記トランスの1次側に設けられたスイッチングトランジスタと、前記トランスの2次側に設けられた整流回路と、前記トランスの2次側に生ずる電圧にもとづいて、前記デジタル制御電源回路の入力電圧に応じた電圧レベルを有する検出電圧を生成する入力電圧検出回路と、を含み、前記スイッチングトランジスタのスイッチング動作に応じた直流の出力電圧を発生させる出力回路と、
前記出力電圧にもとづいて前記スイッチングトランジスタを制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は前記トランスの2次側に配置され、
前記デジタル制御電源回路の出力電圧に応じたフィードバック電圧をサンプリングし、デジタルのフィードバックデータに変換する第1A/Dコンバータと、
前記入力電圧検出回路により生成された検出電圧をサンプリングし、デジタルのフィードフォワードデータに変換する第2A/Dコンバータと、
前記フィードバックデータと、前記フィードバック電圧の目標値を示す目標データの差分を示す誤差データを生成する誤差検出器と、
前記誤差データがゼロに近づくように値が調節されるデューティ指令値を生成する補償器と、
前記デューティ指令値を受け、前記デューティ指令値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するデジタルパルス変調器と、
前記補償器のゲインをフィードフォワードデータに応じて調節するとともに、前記パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、前記補償器のゲインの更新を中断するフィードフォワードコントローラと、
を備えることを特徴とするデジタル制御電源回路。
【請求項10】
前記入力電圧検出回路は、前記2次側に生ずる電圧の上昇に高速に反応し、下降に低速に反応するよう構成されることを特徴とする請求項9に記載のデジタル制御電源回路。
【請求項11】
前記入力電圧検出回路は前記2次側に生ずる電圧をピークホールドするよう構成されることを特徴とする請求項9または10に記載のデジタル制御電源回路。
【請求項12】
前記入力電圧検出回路はRCDフィルタを含むことを特徴とする請求項9に記載のデジタル制御電源回路。
【請求項13】
前記出力回路は、フォワードコンバータであることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のデジタル制御電源回路。
【請求項14】
前記出力回路は、フライバックコンバータであることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のデジタル制御電源回路。
【請求項15】
前記出力回路は、アクティブクランプ方式であることを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載のデジタル制御電源回路。
【請求項16】
前記整流回路は、同期整流型であることを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載のデジタル制御電源回路。
【請求項17】
前記整流回路は、ダイオード整流型であることを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載のデジタル制御電源回路。
【請求項18】
請求項9から17のいずれかに記載のデジタル制御電源回路を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項19】
請求項9から17のいずれかに記載のデジタル制御電源回路を備えることを特徴とする移動体通信用の基地局。
【請求項20】
絶縁型のデジタル制御電源回路の制御方法であって、
前記デジタル制御電源回路の出力電圧に応じたフィードバック電圧をサンプリングし、デジタルのフィードバックデータに変換するステップと、
前記デジタル制御電源回路の入力電圧に応じた検出電圧をサンプリングし、デジタルのフィードフォワードデータに変換するステップと、
前記フィードバックデータと、前記フィードバック電圧の目標値を示す目標データの差分を示す誤差データを生成するステップと、
前記誤差データがゼロに近づくように値が調節される制御指令値を生成するステップと、
前記フィードフォワードデータに応じたゲイン係数を演算するステップと、
前記制御指令値に前記ゲイン係数を乗算してデューティ指令値を生成するステップと、
記デューティ指令値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するステップと、
前記パルス信号にもとづいて、スイッチングトランジスタを駆動するステップと、
前記パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、前記ゲイン係数の更新を中断するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル制御電源回路に関し、特に絶縁型の電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
与えられた入力電圧よりも高い電圧あるいは低い電圧を生成するために、DC/DCコンバータ(スイッチングレギュレータ)などの電源回路が利用される。こうした電源回路には、アナログ制御方式と、デジタル制御方式が存在する。アナログ制御方式では、電源回路の出力電圧とその目標値の誤差を、誤差増幅器によって増幅し、誤差増幅器の出力に応じてスイッチングのデューティ比を制御することで、出力電圧を目標値に安定化させる。デジタル制御方式では、電源回路の出力電圧をA/Dコンバータによってデジタル値に変換し、デジタル信号処理によってスイッチングトランジスタのデューティ比を制御する。
【0003】
デジタル制御方式の電源回路(デジタル制御電源回路、以下単に電源回路とも称する)は、制御アルゴリズムに制約が少ないため設計の自由度が高く、またソフトウェア的に制御方式を変更できるという利点がある。また、長期的な運用に際して、各種データの履歴をデジタル値として保持可能という利点もある。
【0004】
図1は、本発明者が検討したデジタル制御電源回路(単に電源回路と称する)の構成を示すブロック図である。この電源回路2rは、入力ライン200の入力電圧VINを受け、出力ライン202に接続される負荷(不図示)に所定レベルに安定化された出力電圧VOUTを供給する。
【0005】
電源回路2rは、制御回路10rおよび出力回路20を備える。出力回路20は、トランスT1、スイッチングトランジスタM1、補助トランジスタM2、同期整流トランジスタM3、M4、クランプキャパシタC2、インダクタL1、出力キャパシタC1、ドライバ204a〜204d、入力電圧検出回路206、アイソレータ208を含む。この出力回路20は、アクティブクランプ方式同期整流型のフォワードコンバータのトポロジーで配置されている。電源回路2rは絶縁型であり、その1次側と2次側は絶縁される。
【0006】
ドライバ204a〜204dは、制御回路10rの出力端子OUT1〜OUT4から出力されるパルス信号S1a〜S1dにもとづいて、対応するトランジスタM1〜M4をスイッチングする。
【0007】
制御回路10rは、トランスT1の2次側に配置される。制御回路10rが2次側に配置される構成では、制御回路10rがフォトカップラなどを介さずに直接、制御対象である出力電圧VOUTを検出することができる。アイソレータ208は、制御回路10rが生成したパルス信号S1a、S1bを1次側に絶縁された態様で伝送する。
【0008】
制御回路10rのフィードバック(FB)端子には、出力電圧VOUTが抵抗R1、R2によって分圧されたフィードバック電圧VFBが入力される。制御回路10rは、A/Dコンバータ100、108、誤差検出器102、補償器104、デジタルパルス変調器106を備える。A/Dコンバータ100は、フィードバック電圧VFBをデジタルのフィードバックデータS2に変換する。誤差検出器102は、フィードバックデータS2とその目標値DREFの差分を示す誤差データS3を計算する。補償器104は、PID制御などを行い、誤差データS3がゼロに近づくように値が調節されるデューティ指令値S5を生成する。デジタルパルス変調器106は、デューティ指令値S5を受け、それに応じたデューティ比を有するパルス信号S1a〜S1dを生成する。
【0009】
コンバータにおいて、入力電圧VINが高いほど、同じデューティ比のパルス信号を入力したときの出力電圧VOUTは高くなる。つまり出力回路20のゲインは、入力電圧VINに依存することとなり、制御系のループゲインが入力電圧VINに依存することとなる。
【0010】
そこで入力電圧VINの変動にともなうループゲイン変動を相殺するために、入力電圧VINに応じてループゲインをフィードフォワードにより補正する必要がある。ところで図1に示すように、1次側と2次側を跨ぐ配線が許されない絶縁アプリケーションにおいて、制御回路10rが2次側に配置される場合、制御回路10rが入力電圧VINを直接検出することができない。
【0011】
制御回路10rが入力電圧VINを検出するために、入力電圧検出回路206が設けられる。トランスT1の2次巻線には入力電圧VINに比例した振幅を有する交流電圧(2次側電圧)Vsが発生することから、フィルタ207によって2次側電圧Vsをピークホールドし、抵抗R3、R4によって分圧することにより、入力電圧VINに応じた検出電圧VFFSを生成し、制御回路10rのフィードフォワード検出(FFS)端子に入力している。制御回路10rのA/Dコンバータ108は、検出電圧VFFSをデジタルデータD5に変換する。このデジタルデータD5は補償器104に入力され、補償器104のゲインが補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−232587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、図1の電源回路2rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0014】
図2(a)、(b)は、図1の電源回路2rの動作波形図である。図2(a)は、パルス信号S1aのパルス幅有る程度大きいときの動作を示す。このとき入力電圧検出回路206の出力VFFSは、2次側電圧Vsに追従して瞬時に立ち上がり、2次側電圧Vsのピーク電圧を保持することができる。
【0015】
図2(b)は、パルス信号S1aのパルス幅が非常に短い場合の動作を示す。このようなデューティ比の低下は、負荷の急変動や軽負荷状態にともなって発生する。スイッチングトランジスタM1のオン時間が入力電圧検出回路206の応答時間と同程度かそれより短くなると、入力電圧検出回路206の出力電圧VFFSが、2次側電圧Vsのピークに到達する前に、2次側電圧Vsがローレベルに遷移してしまう。したがってA/Dコンバータ108におけるサンプルホールドのタイミングtSHにおいて、入力電圧検出回路206の出力電圧VFFSは、2次側電圧VsのピークよりΔVだけ低い電圧レベルを示すこととなり、入力電圧VINを小さく見積もることとなる。
【0016】
入力電圧VINを実際の値より小さく見積もると、(i)フィードフォワードによりループゲインが高くなり、(ii)出力電圧がオーバーシュートし、(iii)オーバーシュートした電圧を低下させるためにパルス幅が小さくなるという動作を繰り返し、発振状態に陥ってしまう。
【0017】
なおこの課題を当業者の一般的な認識としてとらえてはならず、本発明者が独自に認識したものである。またこの課題は、アクティブクランプ方式に限らず生じうる。またフォワードコンバータにも限らず、また同期整流方式にも限らずに、さまざまな電源回路において生じうる。
【0018】
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、パルス幅が小さな領域で生ずる発振を抑制可能なデジタル制御電源回路およびその制御回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のある態様は、絶縁型のデジタル制御電源回路の制御回路に関する。制御回路は、デジタル制御電源回路の出力電圧に応じたフィードバック電圧をサンプリングし、デジタルのフィードバックデータに変換する第1A/Dコンバータと、デジタル制御電源回路の入力電圧に応じた検出電圧をサンプリングし、デジタルのフィードフォワードデータに変換する第2A/Dコンバータと、フィードバックデータとフィードバック電圧の目標値を示す目標データの差分を示す誤差データを生成する誤差検出器と、誤差データがゼロに近づくように値が調節されるデューティ指令値を生成する補償器と、デューティ指令値を受け、デューティ指令値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するデジタルパルス変調器と、補償器のゲインをフィードフォワードデータに応じて調節するとともに、パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、補償器のゲインの更新を中断するフィードフォワードコントローラと、を備える。制御回路は、デジタル制御電源回路に含まれるトランスの2次側に配置される。
【0020】
この態様によると、パルス信号のパルス幅が短くなったときには、補償器のゲインを更新しないため、入力電圧検出回路の検出電圧がデジタル制御電源回路の入力電圧に応じたレベルまで到達しない場合に、小さく見積もられた入力電圧にもとづいてフィードフォワードがかかるのを防止できる。これにより、発振を抑制することができる。
【0021】
フィードフォワードコントローラは、パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、フィードフォワードデータの更新を中断してもよい。
フィードフォワードデータの更新を中断することにより、補償器のゲインを過去の値に維持することができる。
【0022】
補償器は、その内部データに可変のゲイン係数を乗算する乗算器を含んでもよい。フィードフォワードコントローラは、フィードフォワードデータにもとづいてゲイン係数を演算する係数演算器を含んでもよい。フィードフォワードコントローラは、パルス信号のパルス幅が所定値より短いときに、ゲイン係数の更新を中断してもよい。
【0023】
補償器は、その内部データに可変のゲイン係数を乗算する乗算器を含んでもよい。フィードフォワードコントローラは、フィードフォワードデータを保持するメモリと、メモリに格納されたフィードフォワードデータと第2A/Dコンバータから出力されるフィードフォワードデータを受け、パルス幅が所定値より短いときにメモリに格納されたフィードフォワードデータを選択し、パルス幅が所定値より長いときに第2A/Dコンバータから出力されるフィードフォワードデータを選択するセレクタと、セレクタにより選択されたフィードフォワードデータにもとづいてゲイン係数を演算する係数演算器と、を含んでもよい。
【0024】
フィードフォワードコントローラは、フィードフォワードデータにもとづいてゲイン係数を演算する係数演算器と、ゲイン係数を保持するメモリと、メモリに格納されたゲイン係数と、係数演算器から出力されるゲイン係数を受け、パルス幅が所定値より短いときにメモリに格納されたゲイン係数を選択し、パルス幅が所定値より長いときに係数演算器から出力されるゲイン係数を選択するセレクタと、を含む。
【0025】
フィードフォワードコントローラは、デューティ指令値を所定値に応じたしきい値と比較するコンパレータを含んでもよい。
【0026】
補償器は、誤差データが入力されるデジタル補償器と、デジタル補償器の出力と、ゲイン係数を乗算する乗算器と、を含んでもよい。
【0027】
補償器は、PID(比例、積分、微分)制御を行ってもよい。あるいはP制御、PI制御を行ってもよい。
【0028】
制御回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0029】
本発明の別の態様は、デジタル制御電源回路に関する。デジタル制御電源回路は、出力回路と、上述のいずれかの制御回路と、を備える。出力回路は、少なくとも、トランスと、トランスの1次側に設けられたスイッチングトランジスタと、トランスの2次側に設けられた整流回路と、トランスの2次側に生ずる電圧にもとづいてデジタル制御電源回路の入力電圧に応じた電圧レベルを有する検出電圧を生成する入力電圧検出回路と、を含み、スイッチングトランジスタのスイッチング動作に応じた直流の出力電圧を発生させる。制御回路は、出力電圧にもとづいて出力回路のスイッチングトランジスタを制御する。
【0030】
入力電圧検出回路は、2次側に生ずる電圧の上昇に高速に反応し、下降に低速に反応するよう構成されてもよい。
【0031】
入力電圧検出回路は2次側に生ずる電圧をピークホールドするよう構成されてもよい。
【0032】
入力電圧検出回路はRCDフィルタを含んでもよい。
【0033】
出力回路は、フォワードコンバータであってもよい。出力回路は、フライバックコンバータであってもよい。
【0034】
出力回路は、アクティブクランプ方式であってもよい。
【0035】
整流回路は、同期整流型であってもよい。整流回路は、ダイオード整流型であってもよい。
【0036】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、上述のデジタル制御電源回路を備える。
【0037】
本発明の別の態様は、移動体通信用の基地局に関する。基地局は、上述のデジタル制御電源回路を備える。
【0038】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0039】
本発明のある態様によれば、パルス幅が小さな領域で生ずる発振を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明者が検討したデジタル制御電源回路の構成を示すブロック図である。
図2図2(a)、(b)は、図1の電源回路の動作波形図である。
図3】実施の形態に係る電源回路の回路図である。
図4図3のフィードフォワードコントローラおよび補償器の具体的な構成例を示すブロック図である。
図5図3の電源回路の動作波形図である。
図6】第1変形例に係るフィードフォワードコントローラおよび補償器の構成例を示すブロック図である。
図7】第2変形例に係るフィードフォワードコントローラおよび補償器の構成例を示すブロック図である。
図8図8(a)、(b)は、電源回路を備える電子機器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0042】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。また、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0043】
図3は、実施の形態に係る電源回路2の回路図である。この電源回路2は、入力ライン200の入力電圧VINを受け、出力ライン202に接続される負荷(不図示)に所定レベルに安定化された出力電圧VOUTを供給する。電源回路2は、制御回路10および出力回路20を備える。
【0044】
電源回路2は絶縁型であり、その1次側と2次側は絶縁される。出力回路20は、制御回路10に外付けされるいくつかの回路部品および配線を含む。出力回路20は、スイッチングトランジスタM1、補助トランジスタM2、整流回路(同期整流トランジスタ)M3、M4、インダクタL1、出力キャパシタC1、クランプキャパシタC2、ドライバ204a〜204d、入力電圧検出回路206、アイソレータ208を含む。この出力回路20は、図1と同様にアクティブクランプ方式同期整流型のフォワードコンバータのトポロジーで配置されている。
【0045】
トランスT1の2次側には、入力電圧VINに応じた振幅を有するパルス状の2次側電圧Vsが発生する。より具体的には、2次側電圧Vsは、入力電圧VINにトランスT1の巻線比n/nを乗じた電圧振幅を有する。入力電圧検出回路206は、2次側電圧Vsにもとづいて、電源回路2の入力電圧VINに応じた電圧レベルを有する検出電圧VFFSを生成する。入力電圧検出回路206は、その入力の上昇には高速に応答し、下降には低速に応答するものであり、ピークホールド機能を有するともいえる。たとえば入力電圧検出回路206は、抵抗(R)、キャパシタ(C)、ダイオード(D)を含むRCDフィルタ207と、RCDフィルタ207の出力を分圧する抵抗R3、R4を含む。なお入力電圧検出回路206の構成は特に限定されず、その他の回路、たとえば、フィルタ、ピークホールド回路、サンプルホールド回路を用いてもよい。
【0046】
制御回路10は、トランスT1の2次側に配置される。制御回路10のFB端子には、電源回路2の出力電圧VOUTに応じたフィードバック電圧VFBが入力される。また制御回路10のフィードフォワード検出(FFS)端子には、入力電圧検出回路206から出力される検出電圧VFFSが入力される。検出電圧VFFSは、2次側電圧Vsの振幅に応じており、したがって入力電圧VINに応じている。
【0047】
制御回路10は、第1A/Dコンバータ100、誤差検出器102、補償器104、デジタルパルス変調器106、第2A/Dコンバータ108、フィードフォワードコントローラ110を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。制御回路10は、汎用マイコンの一部であってもよいし、専用に設計されたASIC(Application Specific IC)であってもよい。また図3およびその他の図面に示される各ブロックは、専用のハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサにより構成してもよい。
【0048】
第1A/Dコンバータ100は、フィードバック電圧VFBをサンプリングし、デジタルのフィードバックデータS2に変換する。第2A/Dコンバータ108は、入力電圧検出回路206から出力される検出電圧VFFSを、ストローブ信号SSHがアサートされるストローブタイミングtSHにおいてサンプリングし、デジタルのフィードフォワードデータDFFに変換する。
【0049】
誤差検出器102は、フィードバックデータS2と、フィードバック電圧VFBの目標値を示す目標データDREFの差分を示す誤差データS3を生成する。補償器104は、誤差データS3がゼロに近づくように値が調節されるデューティ指令値S5を生成する。補償器104の演算処理は特に限定されないが、たとえばPID制御を行ってもよい。
【0050】
デジタルパルス変調器106は、デューティ指令値S5を受け、デューティ指令値S5に応じたデューティ比を有するパルス信号S1a〜S1dを生成する。たとえばデジタルパルス変調器106は、パルス幅変調器であってもよい。この場合、パルス信号S1のパルス幅(スイッチングトランジスタM1aのオンを指示するハイレベル時間)とデューティ比は比例する。
【0051】
フィードフォワードコントローラ110は、補償器104のゲインをフィードフォワードデータDFFに応じて調節する。そしてフィードフォワードコントローラ110は、パルス信号S1aのパルス幅が所定値TMINより短いときには、補償器104のゲインの更新を中断し、直前のゲインを継続して使用する。
【0052】
図4は、図3のフィードフォワードコントローラ110および補償器104の具体的な構成例を示すブロック図である。
【0053】
補償器104は、その内部データに可変のゲイン係数(フィードフォワードゲインともいう)Gを乗算する乗算器132を含む。デジタル補償器130は、PIDコントローラであり、誤差データS3に比例係数を乗算した値、誤差データS3を積分して積分係数を乗算した値、誤差データS3を微分して微分係数を乗算した値を加算した制御指令値S4を生成する。乗算器132は、デジタル補償器130から出力される制御指令値S4にゲイン係数Gを乗算し、デューティ指令値S5を生成する。補償器104全体のゲインはG×HPIDとなる。HPIDは、デジタル補償器130の伝達関数(ゲイン)である。
【0054】
フィードフォワードコントローラ110は、更新制御部111および係数演算器120を含む。
係数演算器120は、入力されたフィードフォワードデータDFFにもとづいて、以下の式にしたがってゲイン係数Gを演算する。
=K×(VFFS−1−1)+1
逆数演算器122は、VFFS(=DFF)の逆数を演算する。加算器124は、VFFSの逆数から1を減算する。乗算器126は、加算器124の出力に係数Kを乗算する。加算器128は、乗算器126の出力に1を加算する。なお、ゲイン係数GとフィードフォワードデータDFF(入力電圧VIN)の関係は、電源回路2の形式、出力回路20のトポロジーに応じて異なる。
【0055】
フィードフォワードコントローラ110は、パルス信号S1aのパルス幅が所定値TMINより短いときに、ゲイン係数Gの更新を中断するよう構成される。
【0056】
更新制御部111は、ゲイン係数Gの更新の有無を制御する。具体的には更新制御部111は、パルス信号S1aのパルス幅が所定値TMINより長いときに、現在のフィードフォワードデータDFFをそのまま係数演算器120へと出力し、フィードフォワードデータDFFを更新する。反対にパルス信号S1aのパルス幅が所定値TMINより短いときには、フィードフォワードデータDFFの更新を中断する。具体的には、過去のフィードフォワードデータDFFを保持しておき、現在のフィードフォワードデータDFFではなく、過去のフィードフォワードデータDFFを係数演算器120に出力する。
【0057】
更新制御部111は、メモリ112、セレクタ114、パルス幅判定器116を含む。メモリ112は、過去のフィードフォワードデータDFFを保持するレジスタである。セレクタ114は、メモリ112に格納されたフィードフォワードデータDFF’’と、第2A/Dコンバータ108から出力されるフィードフォワードデータDFFを受ける。
【0058】
パルス幅判定器116は、パルス信号S1aのパルス幅が所定値TMINより長いか短いかを判定し、短いときには、セレクタ114にメモリ112に格納されたフィードフォワードデータDFF’を選択させ、パルス幅が所定値TMINより長いときには、セレクタ114に第2A/Dコンバータ108からのフィードフォワードデータDFFを選択させる。デジタルパルス変調器106がパルス幅変調を行う場合、パルス信号S1aのパルス幅は、デューティ指令値S5が指示するデューティ比と線形の関係となる。そこで、パルス幅判定器116は、デューティ指令値S5を所定値TMINに応じたしきい値と比較するコンパレータで構成することができる。
【0059】
セレクタ114により選択されたフィードフォワードデータDFF’が、係数演算器120に入力されるとともにメモリ112に格納される。
【0060】
以上が電源回路2の構成である。続いてその動作を説明する。
【0061】
図5は、図3の電源回路2の動作波形図である。時刻t0〜t1に示すように、パルス信号S1aのパルス幅TONが最小値TMINより長いとき、サンプルホールドタイミングtSHにおいて、検出電圧VFFSは入力電圧VINに応じた電圧レベルVIN×n/nまで上昇する。したがってフィードフォワードコントローラ110は、サンプルホールドタイミングtSHにおける検出電圧VFFSにもとづいてフィードフォワードゲインGを更新する。図5には、i番目のサイクルにおける検出電圧をVFFSi、それに応じたフィードフォワードデータをDFFi、それに応じたフィードフォワードゲインをGFiとして示す。
【0062】
時刻t1以降、パルス信号S1aのパルス幅TONが最小値TMINより短くなっている。このとき、サンプルホールドタイミングtSHにおいて、検出電圧VFFSは入力電圧VINに応じた電圧レベルVIN×n/nまで上昇することができない。このときフィードフォワードコントローラ110は、フィードフォワードゲインGに現在の検出電圧VFFSを反映させず、前回のフィードフォワードゲインGを継続して使用する。
【0063】
以上が図3の電源回路2の動作である。
この電源回路2によれば、パルス信号S1aのパルス幅が短くなったときには、補償器104のゲインを更新しないこととした。したがって、入力電圧検出回路206の検出電圧VFFSが、入力電圧VINに応じた電圧レベルVIN×n/nまで到達しない場合に、小さく見積もられた入力電圧VINにもとづいてフィードフォワードがかかるのを防止できる。これにより、パルス信号S1aのパルス幅が短い状態が持続したとしても発振を抑制することができる。
【0064】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0065】
(第1変形例)
実施の形態では、更新制御部111によって、フィードフォワードデータDFFの更新の有無を制御する場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。
図6は、第1変形例に係るフィードフォワードコントローラ110aおよび補償器104の構成例を示すブロック図である。フィードフォワードコントローラ110aにおいて、更新制御部111は、係数演算器120の後段に設けられる。更新制御部111aおよび係数演算器120の機能は、図4のそれらと同様である。
【0066】
係数演算器120は、パルス信号S1aのパルス幅にかかわらず、現在のフィードフォワードデータDFFに応じたゲイン係数Gを演算する。更新制御部111aは、係数演算器120により演算されたゲイン係数Gを受け、パルス信号S1aのパルス幅に応じて、ゲイン係数Gを更新するか否かを選択する。
【0067】
更新制御部111は、メモリ112、セレクタ114、パルス幅判定器116を含む。メモリ112は、ゲイン係数Gを保持する。セレクタ114は、メモリ112に格納されたゲイン係数G’’と、係数演算器120から出力されるゲイン係数Gを受け、パルス幅が所定値TMINより短いときに、メモリ112に格納されたゲイン係数G’’を選択し、パルス幅が所定値TMINより長いときに係数演算器120から出力されるゲイン係数Gを選択する。セレクタ114に選択されたゲイン係数GF’が、メモリ112に格納され、後段の補償器104に入力される。
【0068】
第1変形例によっても、実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
(第2変形例)
図7は、第2変形例に係るフィードフォワードコントローラ110bおよび補償器104の構成例を示すブロック図である。更新制御部111bの機能は、図4図6のそれとは異なっている。更新制御部111bは、パルス信号S1aのパルス幅が最小値TMINより長いサイクルにおいて、第2A/Dコンバータ108に入力されるストローブ信号SSHを通過させ、短いサイクルにおいてストローブ信号SSHをマスク(遮断)する。これにより、パルス信号S1aのパルス幅が最小値TMINより短いサイクルでは、第2A/Dコンバータ108によるサンプルホールドが行われなくなるため、フィードフォワードデータDFFの更新が中断され、前回のフィードフォワードデータDFFが維持される。
【0070】
第2変形例によっても、実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
(第3変形例)
補償器104の構成は、図4のそれには限定されない。デジタル補償器130は、PID制御に代えて、PI制御やP制御を行ってもよい。また乗算器132の配置も特に限定されず、デジタル補償器130の内部で生成される中間データに、フィードフォワード用のゲイン係数Gを乗算する構成としてもよい。係数演算器120における演算式は、乗算器132が配置される場所に応じて変更すればよい。
【0072】
(第4変形例)
実施の形態では、デューティ指令値S5と所定値TMINに応じたしきい値との比較により、パルス信号S1aのパルス幅と所定値TMINの大小関係を判定する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。たとえばパルス信号S1aのパルス幅をカウンタを用いてカウントし、得られたカウント値を所定値TMINを比較してもよい。あるいは、所定値TMINに対応したパルス幅を有する比較パルスを生成し、比較パルスとパルス信号を論理演算することで、パルス幅の大小関係を判定してもよい。
【0073】
(第5変形例)
実施の形態では、デジタルパルス変調器106が電圧モードのパルス幅変調を行う場合を説明したが、変調方式は特に限定されない。パルス幅変調に代えて、オン時間が変化しうるその他の変調方式、たとえばピーク電流モードや平均電流モードの変調器を備える制御回路においても本発明は有効である。
(第6変形例)
実施の形態では、アクティブクランプ方式のフォワードコンバータについて説明したが本発明はそれには限定されない。本発明はアクティブクランプ方式ではなく、1次側のスイッチングトランジスタが1個のコンバータに適用してもよい。また、フォワードコンバータではなく、フライバックコンバータに適用してもよい。またトランスT1の2次側にダイオードを有するダイオード整流型のコンバータにも適用可能である。したがって本発明は、絶縁型のコンバータに広く適用可能であり、当業者によれば、本発明は、特定の出力回路20のトポロジーに限定されることなく適用可能であることが理解される。
【0074】
(電源回路の用途)
最後に、電源回路2の用途を説明する。図8(a)、(b)は、電源回路2を備える電子機器を示すブロック図である。図8(a)の電子機器1aは、商用交流電源4からの交流電圧を整流するブリッジ回路6と、平滑キャパシタ8と、上述の電源回路2と、負荷9を備える。この場合、電源回路2としては、非絶縁型の降圧、昇圧、あるいは昇降圧コンバータなどが好適に利用できる。電子機器1aは、たとえば移動体通信用の基地局、テレビやPC、冷蔵庫などの家電製品、ファクシミリやコピー機などのOA機器、工作機械、などが例示される。
【0075】
図8(b)の電子機器1bは、電池3と、電池の電圧を受ける上述の電源回路2と、負荷9を備える。こうした電子機器1bとしては、携帯電話端末、タブレットPC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのが例示される。たとえば負荷9は、マイコンやメモリ、液晶ドライバや、液晶バックライト用LED、カメラのフラッシュ用LEDなどであってもよい。
【0076】
実施の形態にもとづき、特定の語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
2…電源回路、10…制御回路、20…出力回路、100…第1A/Dコンバータ、102…誤差検出器、104…補償器、106…デジタルパルス変調器、108…第2A/Dコンバータ、110…フィードフォワードコントローラ、111…更新制御部、112…メモリ、114…セレクタ、116…パルス幅判定器、120…係数演算器、122…逆数演算器、124…加算器、126…乗算器、128…加算器、130…デジタル補償器、132…乗算器、200…入力ライン、202…出力ライン、204…ドライバ、206…入力電圧検出回路、208…アイソレータ、M1…スイッチングトランジスタ、M2…補助トランジスタ、M3,M4…同期整流トランジスタ、T1…インダクタ、C1…出力キャパシタ、C2…クランプキャパシタ、L1…インダクタ、S1…パルス信号、S2…フィードバックデータ、S3…誤差データ、S4…制御指令値、S5…デューティ指令値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8