(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺と前記マチ部とはシールによって接続されており、前記第2のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺と前記マチ部とはシールによって接続されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した包装袋では、切断端部が横方向に開放されているので、収容物は横方向から内部に挿入されることとなる。従って、特に収容物が液体や粘性体であるときに、収容物の挿入時に収容物が切断端部から漏れてしまうことがあるので、内部への収容物の挿入が面倒なものになりやすい。また、上述した包装袋では、内部から収容物を取り出すときに包装袋の長手方向に延在するチャックを開ける必要があり、チャックの開閉状態によって出し入れ口の形状が不安定になりやすい。このように出し入れ口の形状が不安定である場合には、チャックを開けて収容物を取り出すときに指が出し入れ口に引っ掛かることがある。よって、収容物を外部に取り出しにくいという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、内部への収容物の挿入及び外部への収容物の取り出しを簡単に行うことが可能な包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装袋は、互いに重なる第1のフィルム部及び第2のフィルム部と、第1のフィルム部及び第2のフィルム部の側縁の一部で開放される開口部と、開口部の反対側の側縁に設けられて内側に折れ線を有するマチ部と、第1のフィルム部及び第2のフィルム部のいずれか一方に設けられて外側に折れ線を有する羽根部と、を備え、マチ部の幅は、羽根部の幅と異なっている。
【0008】
本発明に係る包装袋は、開口部の反対側の側縁に設けられて内側に折れ線を有するマチ部と、第1及び第2のフィルム部のいずれかに設けられて外側に折れ線を有する羽根部とを備えている。よって、開口部から収容物を挿入するときに、折り曲げられたマチ部及び羽根部に収容物を入り込ませることが可能となるので、収容物が開口部から漏れにくくなり、内部への収容物の挿入を容易に行うことができる。また、マチ部の幅と羽根部の幅とは異なっている。よって、収容物を包装袋の内部に挿入するときに、マチ部及び羽根部のうち幅が狭い方に収容物を寄せることで包装袋の内部における収容物の位置を安定させることが可能となる。従って、内部への収容物の挿入及び外部への収容物の取り出しを簡単に行うことができ、たとえ収容物が崩れやすいものであったとしても収容物を崩さずに包装袋の内部に挿入することが可能となる。
【0009】
また、第1のフィルム部と第2のフィルム部とは長方形状となっており、マチ部は、第1のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺と、第2のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺とを接続し、羽根部は、第2のフィルム部の長手方向の途中部分で第2のフィルム部の幅方向に延在しており、開口部は、第1のフィルム部の長手方向の他端で幅方向に延在する端辺と、第2のフィルム部の長手方向の他端で幅方向に延在する端辺とによって形成されていてもよい。この場合、開口部は、第1及び第2のフィルム部における長手方向の他端に設けられているので、開口部の面積を広くすることが可能になると共に開口部の形状を安定させることができる。従って、開口部に指が引っ掛かる事態の発生を少なくすることができるので、開口部から包装袋内部への収容物の挿入と収容物の開口部からの取り出しを簡単に行うことができる。
【0010】
また、羽根部の幅は、マチ部の幅よりも狭くしてもよい。この場合、開口部側の羽根部の幅が開口部の反対側のマチ部の幅よりも狭くなっている。よって、開口部側の羽根部の幅が狭いことによって羽根部への収容物の引っ掛かりを回避しやすくなるので、包装袋に対する収容物の出し入れをより簡単に行うことができる。また、収容物が液体又は粘性体の場合には、羽根部に入り込む収容物の量を少なくすることができるので、収容物の取り出し時における残液の量を減らすことができる。更に、開口部の反対側に位置するマチ部の幅が広くなっているので、包装袋の内部における底側の部分の領域を大きくすることができ、底側の部分における収容物の位置の自由度を高めることができる。
【0011】
また、羽根部の幅は、マチ部の幅よりも広くしてもよい。この場合、開口部側の羽根部の幅が開口部の反対側のマチ部の幅よりも広くなっているので、収容物は挿入時に羽根部に入り込みやすくなる。また、羽根部の幅が広い場合には、羽根部を下にして開口部を持ち上げたときに羽根部が開口部を支持しやすくなるので、開口部を上に向けやすくすることができる。従って、上から収容物を包装袋の内部に挿入することが可能となり、挿入された収容物を漏れにくくすることが可能となるので、特に収容物が液体又は粘性体の場合に、包装袋の内部への収容物の挿入を一層容易に行うことができる。
【0012】
また、羽根部から開口部までの距離は、羽根部の幅よりも長くてもよい。このように開口部から羽根部のまでの距離を長くすることによって、開口部をより上方に位置させることができる。従って、収容物の挿入をより簡単に行うことができると共に収容物の漏れをより確実に回避することができる。また、この場合、包装袋に収容された収容物の影響を開口部が受けにくくなるので、開口部の形状をより安定させることができる。従って、開口部から包装袋内部への収容物の挿入と開口部からの収容物の取り出しをより簡単に行うことができ、更に開口部のシールや包装袋の開封を簡単に行うことも可能となる。
【0013】
また、第1のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺とマチ部とはシールによって接続されており、第2のフィルム部の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺とマチ部とはシールによって接続されていてもよい。この場合、第1及び第2のフィルム部に対してマチ部がシールによって接続されることとなるので、マチ部の補強効果を高めることができる。また、この場合、マチ部におけるシールによって第1のフィルム部と第2のフィルム部とがより安定して接続することとなり、包装袋の形状を安定させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内部への収容物の挿入及び外部への収容物の取り出しを簡単に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る包装袋の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1及び
図2に示されるように、本実施形態に係る包装袋1は、食材と調味液等からなる収容物が収容されて、内部が脱気されることにより収容物が真空包装される真空袋として利用可能である。包装袋1は、互いに重なる第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3を備えている。第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3は長方形状となっており第1のフィルム部2が第2のフィルム部3に対向しているので、包装袋1は全体として扁平な形状となっている。
【0018】
第1のフィルム部2の幅は第2のフィルム部3の幅と同一である。第2のフィルム部3は、第2のフィルム部3の長手方向の途中部分で外側に折り曲げられて第2のフィルム部3の幅方向に延在する長方形状の羽根部3Aを有する。羽根部3Aは外側に折れ線3Lを有している。羽根部3Aの外縁には接続部5Aが設けられており、接続部5Aは羽根部3Aを構成する2枚のフィルムをシールによって接続している。
【0019】
包装袋1は、第1のフィルム部2の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺2Aと、第2のフィルム部3の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺3Bとを接続する第3のフィルム部4を備えている。包装袋1を構成する第1のフィルム部2、第2のフィルム部3及び第3のフィルム部4の材料としては、単層のものであってもよいが、複数の層から構成されることが好ましい。フィルムが複数の層から構成される場合、例えば、袋状に加工した際に外層をなす基材層と、内層をなすシーラント層と、基材層とシーラント層とを貼り合わせる接着剤層から構成される。または、外層をなす基材層と、内層をなすシーラント層と、外層と内層の間の中間層をなす基材層と、外層をなす基材層と中間層をなす基材層を貼り合わせる接着剤層と、中間層をなす基材層と内層をなすシーラント層を貼り合わせる接着剤層から構成される材料を用いることができる。
【0020】
外層をなす基材層及び中間層をなす基材層は、包装材料が充填されたあとに、予期せぬ破袋等が生じないように一定の強度を保つための層である。この基材層を構成するフィルムとしては、ポリプロピレン(以下、PP)製延伸フィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂の二軸延伸フィルム等が好適に用いられる。また、必要に応じて、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などのガスバリアー性フィルムも用いてもよい。
【0021】
前記の外層をなす基材層及び中間層をなす基材層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
【0022】
内層をなすシーラント層は、袋形成のためにシーラント同士が熱接着できるようにするための層である。このシーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)のほか、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができる。
【0023】
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。
【0024】
第3のフィルム部4は、包装袋1の内側に折り曲げられるマチ部4Aを構成している。マチ部4Aは、内側に折れ線4Lを有しており、第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3の幅方向に延在している。マチ部4Aは、第1のフィルム部2側に位置する長方形状の折り曲げ領域4aと、第2のフィルム部3側に位置する長方形状の折り曲げ領域4bとによって構成されている。
【0025】
マチ部4Aにおいて、折り曲げ領域4aの形状及び大きさは、折り曲げ領域4bの形状及び大きさと同一である。また、羽根部3Aは、第3のフィルム部4側に位置する長方形状の折り曲げ領域3aと、第3のフィルム部4の反対側に位置する長方形状の折り曲げ領域3bとによって構成されている。折り曲げ領域3aの形状及び大きさは、折り曲げ領域3bの形状及び大きさと同一である。
【0026】
マチ部4Aにおける折り曲げ領域4aの外縁には、折り曲げ領域4aと第1のフィルム部2とを接続する接続部5Bが設けられている。接続部5Bは、折り曲げ領域4aと第1のフィルム部2とをシールによって接続している。また、マチ部4Aにおける折り曲げ領域4bの外縁には、折り曲げ領域4bと第2のフィルム部3とを接続する接続部5Cが設けられている。接続部5Cは、折り曲げ領域4bと第2のフィルム部3とをシールによって接続している。
【0027】
第1のフィルム部2における端辺2Aの一端で第1のフィルム部2の長手方向に延びる辺2Bと、第2のフィルム部3における端辺3Bの一端で第2のフィルム部3の長手方向に延びる辺3Cとは接続部5Dによって接続されている。接続部5Dは、第1のフィルム部2の長手方向に延びる辺2Bと、第2のフィルム部3の長手方向に延びる辺3Cとをシールによって接続する。
【0028】
第1のフィルム部2の端辺2Aの他端で第1のフィルム部2の長手方向に延びる辺2Cと、第2のフィルム部3における端辺3Bの他端で第2のフィルム部3の長手方向に延びる辺3Dとは接続部5Eによって接続されている。接続部5Eは、上述した接続部5Dと同様、第1のフィルム部2の長手方向に延びる辺2Cと第2のフィルム部3の長手方向に延びる辺3Dとをシールによって接続する。
【0029】
このように接続部5D,5Eは、マチ部4Aが内側に折り曲げられた状態において、第1のフィルム部2の長手方向に延びる2つの辺2B,2Cと、第2のフィルム部3の長手方向に延びる2つの辺3C,3Dとを接続する。なお、上述した接続部5A〜5Eによるシールは、超音波によるシール機やヒートシールによる製袋機を用いて、フィルムの向き合った内面同士を溶着することによって行われる。
【0030】
包装袋1は、第1のフィルム部2の長手方向の他端で幅方向に延在する端辺2Dと、第2のフィルム部3の長手方向の他端で幅方向に延在する端辺3Eとによって形成される開口部6を備えている。開口部6は、第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3の側縁の一部で開放されている。この開口部6から包装袋1の内部に収容物を挿入すると共に、包装袋1の内部における収容物を開口部6から取り出すことが可能となっている。開口部6は、第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3の幅方向の全長に亘って形成されている。また、開口部6の反対側の側縁にマチ部4Aが設けられている。
【0031】
また、包装袋1において、羽根部3Aの折り曲げ領域3a,3bの幅Cは、マチ部4Aの折り曲げ領域4a,4bの幅Aよりも狭くなっている。すなわち、第2のフィルム部3における羽根部3Aの幅Cは、第3のフィルム部4におけるマチ部4Aの幅Aよりも狭くなっている。また、羽根部3Aから開口部6までの距離Dは、羽根部3Aの幅Cよりも長くなっている。よって、包装袋1の内部において、開口部6から羽根部3Aまでの領域Sが十分に確保されるようになっている。
【0032】
また、辺2Bと辺3Cとを接続する接続部5Dにおける羽根部3Aから開口部6までの間にはV字状に切り欠かれたノッチ7Aが形成され、接続部5Eにおける羽根部3Aから開口部6までの間にもノッチ7Aと同様のノッチ7Bが形成される。これらのノッチ7A,7Bによって、第1のフィルム部2及び第2のフィルム部3を手で切断可能となる。
【0033】
次に、包装袋1に収容物を挿入し、包装袋1によって収容物を真空包装する方法について説明する。まず、
図2(b)に示されるように、第1のフィルム部2が上を向くと共に羽根部3Aを有する第2のフィルム部3が下を向くように包装袋1を配置する。そして、
図3に示されるように、開口部6を広げると共に、第2のフィルム部3における羽根部3Aより開口部6側の部分(領域Sを構成する部分)を上方に持ち上げながら羽根部3Aを包装袋1の外側に広げる。これによって、開口部6を上に向けやすくすることが可能となる。
【0034】
このように開口部6を上に向けた状態で食材や調味液等の収容物を開口部6から包装袋1の内部に挿入する。包装袋1の内部への収容物の挿入が完了した後には、包装袋1の内部の真空度を高めるための真空ノズルを開口部6から包装袋1の領域Sに挿入して包装袋1内の脱気を行う。そして、包装袋1内の脱気を行って包装袋1内の真空度が所定の値に達したときに領域Sで包装袋1のシールを行うことによって包装袋1を密封する。こうして包装袋1によって収容物を真空保存することが可能となる。また、包装袋1の中から収容物を取り出すときには、ノッチ7A又はノッチ7Bを指で切断するだけで簡単に収容物を包装袋1の外に取り出すことができる。
【0035】
以上、包装袋1は、開口部6の反対側の側縁に設けられて内側に折れ線4Lを有するマチ部4Aと、第2のフィルム部3に設けられて外側に折れ線3Lを有する羽根部3Aとを備えている。よって、開口部6から収容物を挿入するときに、折り曲げられた羽根部3A,マチ部4Aに収容物を入り込ませることが可能となるので、収容物が開口部6から漏れにくくなり、内部への収容物の挿入を容易に行うことができる。
【0036】
また、開口部6は、第1及び第2のフィルム部2,3における長手方向の他端に設けられているので、開口部6の面積を広くすることが可能になると共に開口部6の形状を安定させることができる。従って、開口部6に指が引っ掛かる事態の発生を少なくすることができるので、開口部6から包装袋1内部への収容物の挿入と収容物の開口部6からの取り出しを簡単に行うことができる。
【0037】
また、開口部6側の羽根部3Aの幅Cは、開口部6の反対側のマチ部4Aの幅Aよりも狭くなっている。よって、開口部6側の羽根部3Aの幅Cが狭いことによって羽根部3Aへの収容物の引っ掛かりを回避しやすくなるので、包装袋1に対する収容物の出し入れを簡単に行うことができる。また、収容物が液体又は粘性体の場合には、羽根部3Aに入り込む収容物の量を少なくすることができるので、収容物の取り出し時における残液の量を減らすことができる。更に、開口部6の反対側に位置するマチ部4Aの幅Aが広くなっているので、包装袋1の内部における底側の部分の領域を大きくすることができ、底側の部分における収容物の位置の自由度を高めることができる。
【0038】
また、羽根部3Aから開口部6までの距離Dは、羽根部3Aの幅Cよりも長くなっている。このように開口部6から羽根部3Aまでの距離Dを長くすることによって、開口部6をより上方に位置させることができる。従って、収容物の挿入をより簡単に行うことができると共に収容物の漏れをより確実に回避することができる。
【0039】
また、距離Dを羽根部3Aの幅Cよりも長くすることによって、包装袋1に収容された収容物の影響を開口部6が受けにくくなるので、開口部6の形状をより安定させることができる。従って、開口部6から包装袋1内部への収容物の挿入と開口部6からの収容物の取り出しをより簡単に行うことができ、更に開口部6のシールや包装袋1の開封を簡単に行うことも可能となる。また、距離Dを羽根部3Aの幅Cよりも長くすることによって領域Sを大きく確保できるので、本実施形態のように包装袋1で真空包装を行う場合には、真空ノズルが入り込む領域等、真空包装を行うにあたって必要な領域を確保することができる。
【0040】
また、第1のフィルム部2の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺2Aとマチ部4Aとは接続部5Bのシールによって接続されており、第2のフィルム部3の長手方向の一端で幅方向に延在する端辺3Bとマチ部4Aとは接続部5Cのシールによって接続されている。よって、第1及び第2のフィルム部2,3に対してマチ部4Aがシールによって接続されていることとなるので、マチ部4Aの補強効果を高めることができる。また、接続部5B,5Cのシールによって第1のフィルム部2と第2のフィルム部3とがより安定して接続することとなり、包装袋1の形状を安定させることができる。
【0041】
(第2実施形態)
図4及び
図5に示されるように、第2実施形態に係る包装袋21は、羽根部3A,マチ部4Aとは幅が異なる羽根部23A及びマチ部24Aを備える点が、第1実施形態に係る包装袋1と異なっている。すなわち、包装袋21では、開口部6側に位置する羽根部23Aの幅Cが、開口部6の反対側に位置するマチ部24Aの幅Aよりも広くなっている。
【0042】
この包装袋21では、開口部6側の羽根部23Aの幅Cがマチ部24Aの幅Aよりも広くなっているので、収容物は挿入時に羽根部23Aに入り込みやすくなる。また、羽根部23Aの幅Cが広い第2実施形態では、羽根部23Aを下にして開口部6を持ち上げたときに羽根部23Aが開口部6を支持しやすくなるので、第1実施形態よりも開口部6を上に向けやすくすることができる。従って、上から収容物を包装袋1の内部に挿入することが可能となり、挿入された収容物を漏れにくくすることが可能となるので、特に収容物が液体又は粘性体の場合に、包装袋1の内部への収容物の挿入を一層容易に行うことができる。
【0043】
次に、
図6(a)を参照しながら、第1実施形態に係る包装袋1における各部の好ましい寸法について第1〜第4実施例として説明する。以下の第1〜第4実施例では、
図6(a)に示されるように、包装袋1におけるマチ部4Aの幅をA1、マチ部4Aから羽根部3Aまでの距離をB1、羽根部3Aの幅をC1、羽根部3Aから開口部6までの距離をD1、第1及び第2のフィルム部2,3の幅方向における開口部6の長さをE1、とする。
【0044】
(第1実施例)
第1実施例において、包装袋1の内部に挿入する収容物は、魚の切り身、又は魚と味噌からなる西京漬けである。この第1実施例では、A1=50mm、B1=90mm、C1=30mm、D1=140mm、E1=290mmであることが好ましい。この場合、羽根部3Aの幅C1に対するマチ部4Aの幅A1の比率は約1.7となる。
【0045】
このような包装袋1では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり、開口部6を広くして、且つ開口部6側の羽根部3Aの幅C1がマチ部4Aの幅A1よりも狭くなっている。よって、収容物である魚を崩さずに開口部6から出し入れすることができる。また、マチ部4Aの幅A1が羽根部3Aの幅C1よりも広いので、包装袋1の奥部に広い空間を形成することができ、味噌等の調味料による魚への味付けを均一にしやすいという利点が得られる。
【0046】
(第2実施例)
第2実施例において、収容物は、筑前煮又は肉じゃが等の煮物である。この第2実施例では、A1=55mm、B1=85mm、C1=30mm、D1=140mm、E1=230mmであることが好ましい。この場合、羽根部3Aの幅C1に対するマチ部4Aの幅A1の比率は約1.8となる。
【0047】
このような包装袋1では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり、開口部6を広くして、且つ開口部6側の羽根部3Aの幅C1がマチ部4Aの幅A1よりも狭くなっている。よって、煮物の具材の形を崩さずに、煮物の包装袋1からの取り出しを行うことができる。また、マチ部4Aの幅A1が羽根部3Aの幅C1よりも広い。従って、包装袋1の奥部に広い空間を形成することができ、スプーンを包装袋1の内部に入れて操作しやすくすることができるので、調味料による煮物への味付けを均一にしやすい。更に、開口部6側の羽根部3Aの幅C1が狭いので、包装袋1からの煮物の取り出し時に煮汁を羽根部3Aに残りにくくすることができ、完全に煮汁を取り出しやすくすることができる。
【0048】
(第3実施例)
第3実施例において、収容物は、ミックスベジタブル又はブロッコリー等の冷凍野菜である。第3実施例では、A1=60mm、B1=80mm、C1=40mm、D1=150mm、E1=230mmであることが好ましい。この場合、羽根部3Aの幅C1に対するマチ部4Aの幅A1の比率は1.5となる。
【0049】
このような包装袋1では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり、開口部6を広くして、且つ開口部6側の羽根部3Aの幅C1がマチ部4Aの幅A1よりも狭くなっている。よって、開口部6への冷凍野菜の出し入れを簡単に行うことができる。また、開口部6側の羽根部3Aの幅C1が狭いので、冷凍野菜が取り出し時に羽根部3Aに引っ掛かりにくくなる。従って、包装袋1から冷凍野菜を完全に取り出しやすくすることができる。
【0050】
(第4実施例)
第4実施例において、収容物は、シチュー又はカレー等、具材が多い汁物である。第4実施例では、A1=60mm、B1=60mm、C1=50mm、D1=170mm、E1=290mmであることが好ましい。この場合、羽根部3Aの幅C1に対するマチ部4Aの幅A1の比率は1.2となる。
【0051】
このような包装袋1では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり、開口部6を広くして、且つ開口部6側の羽根部3Aの幅C1がマチ部4Aの幅A1よりも狭くなっている。よって、具材の形を崩さずに包装袋1から汁物を取り出すことができる。また、開口部6の反対側に位置するマチ部4Aの幅A1が広く包装袋1の奥部に広い空間が形成されるので、人参又はジャガイモといった固形の具材を開口部6から遠い位置に挿入することができ、挿入作業中に具材が転がり落ちる事態を回避することができる。更に、開口部6側の羽根部3Aの幅C1が狭いので、包装袋1からの汁物の取り出し時に具材や汁を羽根部3Aに残りにくくすることができ、完全に汁物を取り出しやすくすることができる。
【0052】
次に、
図6(b)を参照しながら、第2実施形態に係る包装袋21における各部の好ましい寸法について第5、第6実施例として説明する。第5実施例及び第6実施例では、
図6(b)に示されるように、包装袋21におけるマチ部24Aの幅をA2、マチ部24Aから羽根部23Aまでの距離をB2、羽根部23Aの幅をC2、羽根部23Aから開口部6までの距離をD2、第1及び第2のフィルム部2,3の幅方向における開口部6の長さをE2、とする。
【0053】
(第5実施例)
第5実施例において、包装袋21の内部に挿入する収容物は、コンソメスープ等、具材が少ない汁物である。この第5実施例では、A2=50mm、B2=60mm、C2=60mm、D2=170mm、E2=290mmであることが好ましい。この場合、羽根部23Aの幅C2に対するマチ部24Aの幅A2の比率は約0.8となる。
【0054】
このような包装袋21では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり開口部6を広くしているので、具材が少ない汁物を簡単に出し入れすることができる。また、羽根部23Aを下に向けて開口部6を持ち上げることによって、上述したように簡単に開口部6を上に向けることができるので、汁物を包装袋21からこぼれにくくすることができる。
【0055】
(第6実施例)
第6実施例において、収容物は、コーヒーの粉又は粉末茶等、粉ものである。この第6実施例では、A2=25mm、B2=80mm、C2=50mm、D2=140mm、E2=230mmであることが好ましい。この場合、羽根部23Aの幅C2に対するマチ部24Aの幅A2の比率は0.5である。
【0056】
この包装袋21では、開口部6が第1及び第2のフィルム部2,3の長手方向の端部にあり開口部6を広くしているので、粉ものの出し入れを簡単にすることができる。また、開口部6側に位置する羽根部23Aの幅C2が広いので、粉を開口部6側の羽根部23Aに溜めることによって粉を集めることができる。従って、スプーン等を用いて包装袋1の内部の粉を羽根部23Aに集めることによって、包装袋1から粉ものを完全に取り出しやすくすることができる。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【0058】
上記実施形態では、
図1に示されるように、接続部5A〜5Eがいずれもシールによる接続を行っていた。しかし、接続部5A〜5Cの少なくともいずれかにおける第1及び第2のフィルム部2,3の幅方向に延びる箇所については、折り込みによる接続とすることも可能である。また、接続部5A〜5Cにおける上記幅方向に延びる箇所を全て折り込みとした場合には、第2のフィルム部3の端辺3Eから第1のフィルム部2の端辺2Dまでが1枚のフィルムとなる。この場合、包装袋1全体が1枚のフィルムで形成されるので、包装袋1の製造工程の簡略化が可能になると共に製造等のコストの低減に寄与する。
【0059】
上記実施形態では、第1及び第2のフィルム部2,3が長方形状となっている例について説明したが、第1及び第2のフィルム部2,3の形状と大きさは適宜変更可能である。形状として長方形状以外に台形状,平行四辺形状などであってもよい。また、外側に折れ線を有する羽根部が第1のフィルム部2に設けられていてもよい。
【0060】
上記実施形態では、包装袋1が真空包装を行う真空袋である例について説明したが、真空袋以外の袋に対しても本発明を適用させることができる。また、本発明に係る包装袋には、食料品以外の収容物を収容させることも可能であり、例えばウェットティッシュといった小物等が収容物であってもよい。