(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水平回転可能な托架部と、該托架部に鉛直方向に回転可能に設けられ、更に測定対象物を視準する望遠鏡部と、前記托架部を水平方向に回転駆動する水平駆動部と、前記望遠鏡部を鉛直方向に回転する鉛直駆動部と、前記托架部の水平角を検出する水平測角部と、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直測角部と、制御装置とを具備した測量装置であって、該制御装置は、前記測量装置が設置されている座標と、時刻が設定されることで、該時刻の太陽高度を演算すると共に前記鉛直駆動部を制御し前記望遠鏡部を演算された太陽高度に設定し、前記水平駆動部を制御し、設定した太陽高度で前記托架部を水平回転させて太陽のサーチを行い、太陽を捕捉し、太陽を視準し、視準した状態での水平角を前記水平測角部に基づき検出し、検出した水平角に基づき真北を測量する様構成したことを特徴とする測量装置。
前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部とを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記望遠鏡により行い、該望遠鏡を介して取得した画像に基づき、前記望遠鏡により太陽を視準させる請求項1の測量装置。
前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡の光軸と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像と前記既知の関係に基づき前記望遠鏡により太陽を視準させる請求項1の測量装置。
前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像に基づき、前記広角カメラにより太陽を視準させる請求項1の測量装置。
前記広角カメラの受光素子上に太陽視準位置が設定され、該太陽視準位置と前記望遠鏡の光軸は既知の関係にあると共に、前記望遠鏡の視野から外れた既知の位置とされ、前記制御装置は、前記広角カメラが取得した画像から太陽の像の中心を検出し、該太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致する様、前記駆動部を制御し、前記太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致した時の時刻と、前記水平測角部が検出した水平角と、前記鉛直測角部が検出した鉛直角と、前記望遠鏡の光軸に対する太陽視準位置と、前記測量装置が設置されている座標に基づき真北を測定する様構成した請求項3又は請求項4の測量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、測量者が太陽を視準することなく、安全に且つ確実に真北測量が行える様にした測量装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水平回転可能な托架部と、該托架部に鉛直方向に回転可能に設けられ、更に測定対象物を視準する望遠鏡部と、前記托架部を水平方向に回転駆動する水平駆動部と、前記望遠鏡部を鉛直方向に回転する鉛直駆動部と、前記托架部の水平角を検出する水平測角部と、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直測角部と、制御装置とを具備した測量装置であって、該制御装置は、前記測量装置が設置されている座標と、時刻が設定されることで、該時刻の太陽高度を演算すると共に前記鉛直駆動部を制御し前記望遠鏡部を演算された太陽高度に設定し、前記水平駆動部を制御し、設定した太陽高度で前記托架部を水平回転させて太陽のサーチを行い、太陽を捕捉し、太陽を視準し、視準した状態での水平角を前記水平測角部に基づき検出し、検出した水平角に基づき真北を測量する様構成した測量装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部とを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記望遠鏡により行い、該望遠鏡を介して取得した画像に基づき、前記望遠鏡により太陽を視準させる測量装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡の光軸と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像と前記既知の関係に基づき前記望遠鏡により太陽を視準させる測量装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像に基づき、前記広角カメラにより太陽を視準させる測量装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記広角カメラの受光素子上に太陽視準位置が設定され、該太陽視準位置と前記望遠鏡の光軸は既知の関係にあると共に、前記望遠鏡の視野から外れた既知の位置とされ、前記制御装置は、前記広角カメラが取得した画像から太陽の像の中心を検出し、該太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致する様、前記駆動部を制御し、前記太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致した時の時刻と、前記水平測角部が検出した水平角と、前記鉛直測角部が検出した鉛直角と、前記望遠鏡の光軸に対する太陽視準位置と、前記測量装置が設置されている座標に基づき真北を測定する様構成した測量装置に係るものである。
【0013】
更に又本発明は、GPSを更に具備し、測量装置の座標、測定時刻は、前記GPSより取得する測量装置に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水平回転可能な托架部と、該托架部に鉛直方向に回転可能に設けられ、更に測定対象物を視準する望遠鏡部と、前記托架部を水平方向に回転駆動する水平駆動部と、前記望遠鏡部を鉛直方向に回転する鉛直駆動部と、前記托架部の水平角を検出する水平測角部と、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直測角部と、制御装置とを具備した測量装置であって、該制御装置は、前記測量装置が設置されている座標と、時刻が設定されることで、該時刻の太陽高度を演算すると共に前記鉛直駆動部を制御し前記望遠鏡部を演算された太陽高度に設定し、前記水平駆動部を制御し、設定した太陽高度で前記托架部を水平回転させて太陽のサーチを行い、太陽を捕捉し、太陽を視準し、視準した状態での水平角を前記水平測角部に基づき検出し、検出した水平角に基づき真北を測量する様構成したので、測量装置を設置した座標と時刻を設定するだけで、測量者が望遠鏡を視準することなく容易に真北測量が行える。
【0015】
又本発明によれば、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部とを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記望遠鏡により行い、該望遠鏡を介して取得した画像に基づき、前記望遠鏡により太陽を視準させるので、前記望遠鏡により簡単に太陽の視準が可能となる。
【0016】
又本発明によれば、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡の光軸と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像と前記既知の関係に基づき前記望遠鏡により太陽を視準させるので、太陽を捕捉する際の精度は必要なく、簡単に太陽の視準が可能となる。
【0017】
又本発明によれば、前記望遠鏡部は、測定対象物を視準する望遠鏡と、該望遠鏡を介して視準方向の画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡と既知の関係の光軸を有し、前記望遠鏡より大きい画角を有する広角カメラとを有し、前記制御装置は、太陽の捕捉を前記広角カメラにより行い、該広角カメラが取得した画像に基づき、前記広角カメラにより太陽を視準させるので、太陽を捕捉する際の精度は必要なく、簡単に太陽の視準が可能となる。
【0018】
又本発明によれば、前記広角カメラの受光素子上に太陽視準位置が設定され、該太陽視準位置と前記望遠鏡の光軸は既知の関係にあると共に、前記望遠鏡の視野から外れた既知の位置とされ、前記制御装置は、前記広角カメラが取得した画像から太陽の像の中心を検出し、該太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致する様、前記駆動部を制御し、前記太陽の像の中心と前記太陽視準位置とが合致した時の時刻と、前記水平測角部が検出した水平角と、前記鉛直測角部が検出した鉛直角と、前記望遠鏡の光軸に対する太陽視準位置と、前記測量装置が設置されている座標に基づき真北を測定する様構成したので、高倍率の望遠鏡で直接太陽を視準する必要がなくなり、撮像装置の劣化、損傷が防止できる。
【0019】
更に又本発明によれば、GPSを更に具備し、測量装置の座標、測定時刻は、前記GPSより取得するので、測量装置の座標、測定時刻の入力も省略することができ、更に容易に真北測量を行うことができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0022】
図1、
図2は本発明が実施される測量装置1を示している。尚、用いられる測量装置1は、例えばトータルステーションであり、追尾機能を有している。測定点に対して測距光としてのパルスレーザ光線を照射し、測定点からの測距光の反射光(以下、反射光)を受光して、各パルス毎に測距を行い、測距結果を平均化して高精度の距離測定を行うものである。
【0023】
図1に示される様に、前記測量装置1は主に、図示しない三脚に取付けられる整準部2、該整準部2に設けられた基盤部3、該基盤部3に鉛直軸心を中心に回転可能に設けられた托架部4、該托架部4に水平軸心を中心に回転可能に設けられた望遠鏡部5から構成されている。
【0024】
前記托架部4は表示部6、操作入力部7を具備し、前記望遠鏡部5は、測定対象物を視準する望遠鏡8と該望遠鏡8の光学系を共有する測距部11を有している。更に、前記望遠鏡8の光学系を通して視準方向の画像を取得する撮像部12を有している。又、前記望遠鏡部5は広角カメラ9を具備している。該広角カメラ9は前記望遠鏡8と平行な光軸を有し、該望遠鏡8の視準方向、或は略視準方向の広角画像を取得可能である。
【0025】
尚、前記望遠鏡8の画角は、例えば1゜であり、前記広角カメラ9の画角は、例えば15゜〜30゜である。又、前記望遠鏡8と前記広角カメラ9とは光軸が異なっているが、両光軸間の距離は既知であり前記広角カメラ9と前記望遠鏡8間の視準方向のずれは演算により修正が可能である。
【0026】
前記広角カメラ9、前記撮像部12は撮像画像をデジタル画像信号として出力する。前記広角カメラ9、前記撮像部12が有する受光素子は、例えば画素の集合体であるCCD、CMOS等であり、受光する画素の位置が特定でき、又受光する画素の位置から画角が求められる様になっている。
【0027】
図2により、前記測量装置1の基本構成について説明する。
【0028】
上記した様に、前記望遠鏡部5は、前記望遠鏡8の光学系を共有する測距部11を内蔵し、該測距部11は測距光としてのパルスレーザ光線を前記光学系を介して射出すると共に測定対象物からの反射光を前記光学系を介して受光し、受光した反射光に基づき測定対象物迄の光波距離測定を行う。
【0029】
尚、前記測距部11は、測定対象物がプリズムであった場合はプリズム測定方式での測定が可能であり、又プリズムでない場合はノンプリズム測定方式での測定が可能であり、測定対象物に対応して測定方式の切換えが可能となっている。
【0030】
前記托架部4には、該托架部4を水平方向に回転させる為の水平駆動部15が設けられると共に前記托架部4の前記基盤部3に対する水平回転角を検出し、視準方向の水平角を検出する水平測角部16が設けられる。又前記托架部4には、水平軸心を中心に前記望遠鏡部5を回転する鉛直駆動部17が設けられると共に前記望遠鏡部5の鉛直角を検出し、視準方向の鉛直角を測角する鉛直測角部18が設けられる。
【0031】
又、前記托架部4には傾斜検出部14が設けられ、該傾斜検出部14は前記托架部4の傾き、或は水平を検出する。
【0032】
前記托架部4には制御装置21が内蔵されている。該制御装置21は、前記傾斜検出部14の検出結果に基づき、前記整準部2を制御し、前記托架部4を水平に整準する。
【0033】
又、前記制御装置21は、前記水平駆動部15の駆動を制御して前記托架部4を水平方向に回転し、更に前記鉛直駆動部17の駆動を制御して前記望遠鏡部5を高低方向に回転し、水平方向の回転と高低方向の回転の協働により、該望遠鏡部5を所定の方向に向ける。
【0034】
更に、前記制御装置21は、前記広角カメラ9が取得した画像に基づき太陽の検出、追尾、更に真北測量を実行し、前記撮像部12が取得した画像に基づき測定対象物を追尾する制御を行う。更に、前記制御装置21は、前記広角カメラ9が取得した画像、前記撮像部12が取得した画像に基づき、追尾を開始する前に測定対象物を画像中(望遠鏡視野内)に捕捉する為のサーチを行い、或は追尾中に測定対象物が画像から外れた場合に再度画像中に捕捉する為のサーチを行う。
【0035】
又、前記制御装置21は、静止状態で或は追尾中に前記測距部11を制御して所定の測定点の測距を行う。
【0036】
図2を参照して、前記制御装置21について更に説明する。
【0037】
該制御装置21は、制御演算部22、記憶部23、前記広角カメラ9が取得した画像を記録する第1画像記録部24、前記撮像部12が取得した画像を記録する第2画像記録部25、前記広角カメラ9が取得した画像、前記撮像部12が取得した画像に基づき測定点、或は測定対象物を特定する等の画像処理を行う画像処理部26、測定結果、測定状態を表示する前記表示部6、測定開始等の各種指令を入力し、或は測定に必要なデータを入力する為の前記操作入力部7等から構成されている。
【0038】
前記記憶部23には測定を実行させる為のシーケンスプログラム、前記画像処理部26に表示させる為の画像表示プログラム、座標値(緯度、経度)、時刻に基づき太陽の高度(鉛直角)を演算し、更に測定(測距、測角)に必要な計算を実行する為の演算プログラム、前記広角カメラ9及び前記撮像部12で取得した画像について画像処理を行う為の画像処理プログラム、処理された画像から太陽の位置を演算し、真北測量を実行する真北測量プログラム、測定点を測距し、或は測定対象物を追尾して測距する測距プログラム、測定対象物を画像中に捕捉する為のサーチプログラム等のプログラムが格納されている。
【0039】
又、前記制御演算部22には、前記測距部11、前記水平測角部16、前記鉛直測角部18からの測定結果が入力される。前記制御演算部22はシーケンスプログラム、演算プログラム、測距プログラム等により距離測定、鉛直角、水平角の測定を実行し、又太陽高度演算プログラムにより太陽高度を演算し、更に前記水平駆動部15、前記鉛直駆動部17を駆動制御してサーチ動作を行わせ、又画像表示プログラム等により測定結果を前記記憶部23に格納すると共に前記表示部6に表示する様になっている。
【0040】
前記画像処理プログラムは、前記画像処理部26に前記広角カメラ9が取得した画像、前記撮像部12が取得した画像に基づき測定点、或は測定対象物を抽出する等の画像処理を実行させる。
【0041】
又、前記制御演算部22は測距プログラムによる測定対象物に対する通常測量モードと、真北測量プログラムによる真北測量を行う真北測量モードとを実行可能であり、前記操作入力部7から測量モードを選択することで、真北測量に必要な所要の動作を実行可能である。
【0042】
以下、本実施例に係る前記測量装置1により、真北測量を行う場合の作用について説明する。
【0043】
前記測量装置1を既知点、即ち緯度、経度が既知の点に設置し、前記整準部2により整準する。
【0044】
前記操作入力部7より真北測量モードを選択する。尚、真北測量モードを選択する場合は、前記望遠鏡8、前記広角カメラ9にはそれぞれ減光フィルタ(図示せず)を装着する。
【0045】
設置された位置の緯度、経度、及び測定時刻が、前記操作入力部7により前記制御装置21に入力される。尚、前記測量装置1がGPSを装備している場合は、GPSから前記測量装置1の設置座標を取得し、更にGPSから測定時の時刻を取得してもよい。
【0046】
緯度、経度、及び測定時刻が入力されると、前記制御装置21は、太陽高度を演算する。尚、緯度、経度、高度、方位の関係は
図3に示す。
図3中、中心位置が前記測量装置1が設置されている位置である。
【0047】
太陽高度が演算されると、前記鉛直駆動部17は前記望遠鏡部5を鉛直方向に回転させ、前記鉛直測角部18からの検出結果に基づき前記望遠鏡8の視準方向の鉛直角を前記太陽高度と一致させる(
図4参照)。
【0048】
前記制御装置21は、前記鉛直測角部18からの鉛直角が前記太陽高度に一致すると、前記水平駆動部15に制御信号を発し、前記望遠鏡部5の鉛直角を保持した状態で、該水平駆動部15により前記托架部4を水平方向に回転させる。
【0049】
図3に示される様に、視準方向が太陽高度と一致した状態で、前記托架部4を360゜水平回転させれば、360゜水平回転のどこかで、太陽を必ず前記望遠鏡8の視野に捕捉することができる(太陽のサーチ)。該望遠鏡8の視野に太陽を捕捉すると、前記測量装置1は追尾機能を実行して太陽を正確に視準することができる。前記望遠鏡8が太陽を捕捉したかどうかは、前記撮像部12が取得した画像によって判断することができる。
【0050】
前記望遠鏡8により太陽を正確に視準し、視準した位置での水平角を前記水平測角部16により測定する。又、正確に視準した時点での時刻が、GPSから取得される。前記制御装置21は、視準した時点での時刻と、前記水平測角部16で測定した水平角と、前記鉛直測角部18で測定した鉛直角に基づき、方位角を逆算することで(
図3参照)、真北を測量することができる。
【0051】
尚、上記真北測量は、前記望遠鏡8により太陽を視準することで行われたが、真北測量は、前記広角カメラ9が取得した画像に基づき測量することもできる。
【0052】
該広角カメラ9の光軸と前記望遠鏡8の光軸との関係は既知となっている。例えば前記広角カメラ9の光軸と前記望遠鏡8の光軸とは平行であり、且つ2つの光軸の距離は既知となっている。
【0053】
前記広角カメラ9を用いて真北測量を行う場合、前記広角カメラ9の視野は広いので概略の方向が合っていれば、太陽を前記広角カメラ9に捕捉することができる。
【0054】
前記制御装置21が太陽高度を演算すると、演算結果に基づき前記鉛直駆動部17が前記望遠鏡部5を鉛直方向に回転させ、前記広角カメラ9の視準方向の鉛直角を前記太陽高度と一致させる。前記望遠鏡部5の鉛直角を保持した状態で、前記水平駆動部15により前記托架部4を水平方向に回転させ、前記広角カメラ9により太陽のサーチを実行する。
【0055】
該広角カメラ9により太陽を捕捉できると、該広角カメラ9の光軸と前記望遠鏡8の光軸との関係は既知となっているので、前記広角カメラ9の画像上の太陽の位置に基づき前記望遠鏡8の光軸を太陽に合致させる(該望遠鏡8による太陽の視準)ことができる。
【0056】
即ち、前記広角カメラ9で太陽をサーチし、該広角カメラ9のサーチの結果に基づき前記望遠鏡8で太陽を視準する。前記広角カメラ9は広角であるので、高速で太陽のサーチが実行でき、太陽の視準が能率よく、高速で行える。
【0057】
次に、前記広角カメラ9のみで真北測量を実行することもできる。
【0058】
前記制御装置21が太陽高度を演算し、演算された太陽高度に基づき前記鉛直駆動部17が前記望遠鏡部5を鉛直方向に回転させ、前記広角カメラ9の視準方向の鉛直角を前記太陽高度と一致させる。前記望遠鏡部5の鉛直角を保持した状態で、前記水平駆動部15により前記托架部4を水平方向に回転させ、前記広角カメラ9により太陽のサーチを実行する。
【0059】
前記広角カメラ9の画像上には、前記広角カメラ9が太陽を視準したとする視準位置が設定される。該視準位置は、前記広角カメラ9の光軸の位置が好ましい。又視準位置は、前記望遠鏡8の視準位置(前記望遠鏡8の光軸)とはずらして設定される。
【0060】
前記広角カメラ9の太陽視準位置と前記望遠鏡8の視準位置との関係は、
図5に示される様に、前記望遠鏡8の視野31から完全に外れた位置となっている。又、太陽視準位置と前記望遠鏡8の視準位置とのずれ量は、既知であり、少なくとも前記望遠鏡8の視野31からは外れる量とする。太陽視準位置と前記望遠鏡8の視準位置とのずれ量は既知であるので、太陽視準位置は演算により、前記望遠鏡8の視準位置に合致する様、補正することができる。
【0061】
図5は、前記広角カメラ9が最終的に太陽を視準した状態を示している。前記望遠鏡8の視準位置に対して太陽視準位置はどちらの方向にずらしてもよいが、真北測量に於いては、水平角の精度が重要であるので、水平角のキャリブレーション誤差を少なくする為、鉛直方向にずらしている。
【0062】
又、前記広角カメラ9が撮像した画像が、前記表示部6に表示される様になっており、太陽を前記広角カメラ9で捕捉したかどうかは、前記表示部6の画像30によって容易に確認することができる。
【0063】
前記画像処理部26は、前記第1画像記録部24からの画像を処理して太陽の像32を抽出すると共に、太陽の像32の中心位置を検出する。太陽の像32の中心位置と前記太陽視準位置とを比較し、太陽の像32の中心位置と前記太陽視準位置との間のずれ量、ずれている方向を演算し、演算結果を前記制御演算部22に入力する。
【0064】
前記整準部2は、前記画像処理部26から入力された、ずれ量、ずれ方向に基づき前記水平駆動部15、前記鉛直駆動部17を駆動させ、検出した太陽の像32の位置を、前記太陽視準位置に合致させる。
【0065】
合致させた時の時刻と、前記水平測角部16が検出した水平角及び前記鉛直測角部18が検出した鉛直角が取込まれる。
【0066】
而して、合致させた時の時刻と検出した水平角、鉛直角は太陽視準位置と前記望遠鏡8の視準位置とのずれ量に基づき、水平角、鉛直角が補正され、更に設置位置の前記緯度、経度に基づき真北が測定される。従って、前記望遠鏡8が太陽を視準していない状態で、真北測量が実行できる。
【0067】
更に、前記広角カメラ9のみで真北測量を実行する場合、太陽が前記望遠鏡8の視野に入らない様にすることができる。
【0068】
前記広角カメラ9の受光素子上には、前記望遠鏡8の視野31に相当する範囲が受光禁止範囲として設定される。
【0069】
前記制御演算部22は、太陽の中心位置と前記太陽視準位置とから、太陽の像32の中心位置を前記太陽視準位置迄移動させる為の経路を演算する。
【0070】
更に、前記制御演算部22は、受光素子上の太陽の中心位置を前記太陽視準位置に合致させる場合に、最短距離で移動させた場合に太陽の像32の中心位置が前記望遠鏡8の視野31を通過する様な場合は、前記望遠鏡8の視野31を迂回して、前記太陽視準位置に到達する様な経路を演算し、演算した経路に基づき前記水平駆動部15、前記鉛直測角部18を駆動制御する。
【0071】
或は、前記望遠鏡8の光学系に、電気式、機械式等の任意のシャッタを設け、前記広角カメラ9の真北測量モードでは、前記望遠鏡8の光路を遮断する様にしてもよい。
【0072】
本実施例では、真北測量を行う場合に、前記測量装置1の座標データ、時刻を入力するだけで、測量装置1が自動で太陽をサーチし、更に自動で真北測量が実行される。又、真北測量の進行状態、真北測量の結果は前記表示部6により確認できるので、作業性に優れる。
【0073】
又、真北測量モードに設定することで、高倍率の望遠鏡8へは太陽光が入射することが防止されるので、強い光が前記撮像部12の受光素子に入射することが抑止され、該受光素子の劣化、損傷を防止できる。
【0074】
尚、測定開始時に、前記操作入力部7より通常測量モードを選択することで、測定対象物の測距、測角、或は測定対象物の追尾測定が可能であることは言う迄もない。