(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動伝達軸の外周を覆うとともに、装着された前記バー側に位置する一端から当該駆動伝達軸に動力を供給する駆動力供給装置が装着される他端に向けて延び、かつ当該一端と当該他端との間に屈曲部を有する覆い部を備え、
前記回転体は、前記覆い部において前記屈曲部よりも前記一端側に設けられることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドピース。
一端から他端に向けて延びるバーが装着されるとともに装着された当該バーを回転させる歯科用ハンドピースと、当該歯科用ハンドピースに駆動力を供給する駆動力供給装置とを備える歯科用切削装置であって、
前記歯科用ハンドピースは、
前記バーとともに回転可能であり、かつ当該バーと掛かり合い当該バーの着脱を制限する制限位置と当該バーから退避し当該バーの着脱を可能とする着脱位置との間で移動する移動部材と、
装着された前記バーと交差する向きに配置されるとともに、当該バーに駆動力を伝達する駆動伝達軸と、
前記駆動伝達軸の外周に設けられるとともに、当該駆動伝達軸の外周を回転することにより前記移動部材を前記制限位置から前記着脱位置に移動させる回転体と
を備えることを特徴とする歯科用切削装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<歯科用切削装置1>
図1は、歯科用切削装置1の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の歯科用切削装置1は、歯科処置工具であるバー(歯科用切削器具)10と、バー10を装着するハンドピース100と、ハンドピース100に回転駆動力を与えるモータユニット(駆動力供給装置)300とを有する。また、歯科用切削装置1は、電線、給水用のチューブ、圧縮空気供給用のチューブが内部に収容され、電力、水、圧縮空気の供給に用いられる供給管500と、供給管500とモータユニット300との接続に用いられるコネクタ700とを有する。
【0009】
<バー10>
図2(a)および(b)は、バー10の概略構成図である。さらに説明をすると、
図2(a)はバー10の側面図を示し、
図2(b)は
図2(a)における矢印IIbからみた図である。
次に、
図2(a)および(b)を参照しながら、バー10の概略構成について説明をする。
図2(a)および(b)に示すように、バー10は、一端111から他端113に向けて延びる略円柱状の部材である。バー10は、一端111側の外周面に歯牙などを切削する切削刃112を備える。また、バー10は、他端113側の外周面において、バー10の軸方向に沿って延びるよう形成された切り欠き面(所謂Dカット)115と、バー10の外周面に形成された環状溝117とを備える。
なお、このバー10の種類を変更することにより、様々な治療に対応することが可能となる。
【0010】
<ハンドピース100>
図3は、ハンドピース100の概略構成図である。
次に、
図1、
図2および
図3を参照しながら、ハンドピース100の概略構成について説明をする。
図3に示すように、歯牙の切削、研磨、清掃、インプラント埋入などの施術に利用されるハンドピース100は、バー10が装着されバー10とともに回転する回転機構103と、回転機構103に作用し回転機構103によるバー10の保持または着脱を可能とする着脱機構105と、内部に回転機構103を収容するケース106と、バー10の先端周辺を照らす光を案内する光案内管107と、これらの構成部材を内部に収容するカバー109とを備える。
ここで、
図1に示すように、このハンドピース100は、所謂コントラアングル型である。また、このハンドピース100は、長手方向の中央部に屈曲部110を備える構成である。また、ハンドピース100における先端に位置しバー10の他端113(
図2参照)を収容する部分をヘッド部(収容部)116、ヘッド部116から延び駆動軸209(後述)を収容する部分を本体部(他の収容部、覆い部)118とする。
【0011】
<回転機構103>
図4は、回転機構103の概略構成図である。
次に、
図2、
図3および
図4を参照しながら、回転機構103の概略構成について説明をする。
回転機構103は、バー10の他端113側が内部に挿入されるロータギア131と、ロータギア131の外周に設けられる円環ばね135と、バー10の他端113に対して進退可能に設けられるバーラッチ137と、ロータギア131の外周に設けられロータギア131を回転可能に支持する第1ベアリング138および第2ベアリング139とを備える。
【0012】
ここで、詳細は後述するが、バー10の他端113は、ロータギア131の内部から、ロータギア131の貫通孔141(後述)およびバーラッチ137の貫通孔171(後述)を貫通し突出した状態でロータギア131に対して装着(固定)される。なお、以下では、ロータギア131に装着されたバー10を基準として、バー10の軸方向をバー軸方向、バー10の径方向をバー径方向、バー10の周方向をバー周方向とすることがある。
また、回転機構103において、第1ベアリング138および第2ベアリング139によって支持されるロータギア131は、円環ばね135、バーラッチ137およびバー10とともに回転する(矢印A参照)。また、バーラッチ137は、バー径方向に沿って移動可能である(矢印B参照)。
【0013】
<ロータギア131>
図5(a)および(b)は、ロータギア131の概略構成図である。さらに説明をすると、
図5(a)はロータギア131の斜視図を示し、
図5(b)は
図5(a)における矢印Vbからみた図である。
次に、
図3、
図4および
図5(a)および(b)を参照しながら、ロータギア131の概略構成について説明をする。
【0014】
図5(a)および(b)に示すロータギア131は、カバー109(
図3参照)内に収容され、バー10(
図3参照)とともに回転(共回り)する部材である。
このロータギア131は、一端133から他端134に向けて延びる略円筒状(筒状)の本体130を備える。また、ロータギア131は、本体130の一端133側の外周に設けられるギア136と、本体130の他端134側の外周に設けられ第2ベアリング139が嵌めこまれるフランジ142と、略円筒状の本体130の他端134を覆う覆い部140と、本体130の他端134において本体130の中心軸を挟んで設けられるガイド145,147とを備える。また、ロータギア131は、本体130の他端134側で本体130の外周に設けられる環状溝157と、環状溝157の周方向の一部において環状溝157の内部から本体130の他端134に向けて延びる切り欠き159と、覆い部140の外面上で本体130の周方向に沿って設けられるスリーブ161とを備える。
【0015】
ここで、覆い部140は、バー10の他端113が挿入される形状である貫通孔141を備える。この貫通孔141の内周面は、バー10が挿入された際にバー10の切り欠き面115に沿って配置される(受ける)平坦面である受け部143を備える。
また、ガイド145,147は、互いに対峙する端面151,155において、本体130の径方向に沿って形成され、バーラッチ137の移動を案内するスライド溝149,153を備える。なお、図示の例においては、ガイド145,147は互いに離間し、貫通孔141を覆わない(開放する)位置に配置される。このことにより、例えば貫通孔141の形成が容易になるなどロータギア131の製造工程が簡略化される。
【0016】
<円環ばね135>
図6は、円環ばね135の概略構成図である。
次に、
図5および
図6を参照しながら、円環ばね135の概略構成について説明をする。
図6に示すように、円環ばね135は、一端191から他端193に向けて湾曲して延び、略円環状に形成された本体190を備える。また、本体190の他端193は、折り曲げられ、略円環状に形成された本体190の中心軸方向に沿って延びる。この他端193は、本体190が弾性変形することに伴い、本体190の径方向において移動可能である(矢印F参照)。
【0017】
<バーラッチ137>
図7(a)乃至(c)は、バーラッチ137の概略構成図である。さらに説明をすると、
図7(a)はバーラッチ137の斜視図を示し、
図7(b)は
図7(a)における紙面奥側から紙面手前側に向かう向きでみたバーラッチ137の斜視図であり、
図7(c)は
図7(a)における矢印VIIc側からみた上面図である。
次に、
図3、
図4および
図7(a)乃至(c)を参照しながら、バーラッチ137の概略構成について説明をする。
【0018】
図7に示すバーラッチ(移動部材)137は、カバー109(
図3参照)内に収容され、バー10(
図3参照)とともに回転(共回り)する部材である。
このバーラッチ137は、略円板状の本体170を備える。また、バーラッチ137は、本体170の板面178,184の中央部に、バー10の他端113が挿入される形状である貫通孔171を備える。また、バーラッチ137は、本体170の外周側面に各々平坦面で構成される被ガイド面173,175を備える。なお、この被ガイド面173,175は、本体170の貫通孔171を挟んで対峙する位置に設けられるとともに、互いの面が平行である。
【0019】
また、バーラッチ137は、本体170の周方向における被ガイド面173,175の間に切り欠き177を備え、この切り欠き177と本体170の貫通孔171を挟んで対峙する位置に本体170の一方の板面178から突出する突出部179を備える。なお、この突出部179は、本体170の周方向に沿う外周面181と、被ガイド面173,175にそれぞれ沿う平坦面182,183を備える。
図7(c)に示すように、外周面181は、本体170と同心の円弧状の面(湾曲面)であり、本体170よりも径方向外側に突出する。
【0020】
また、バーラッチ137は、本体170の他方の板面184側に、貫通孔171の外周に沿って設けられる円筒状(筒状)のスリーブ(突起)185を備える。
なお、貫通孔171を形成する内周面において切り欠き177に近接する部分を係止部187とする。詳細は後述するが、この係止部187は、貫通孔171内に挿入されたバー10の環状溝117に進入する部分である。
【0021】
<回転機構103の構成部材間の関係>
図8は、回転機構103の構成部材間の関係を説明する図である。
次に、
図4および
図8を参照しながら、回転機構103の構成部材間の関係、さらに説明をすると、ロータギア131、円環ばね135およびバーラッチ137の関係について説明をする。
【0022】
まず、
図8に示すように、バーラッチ137は、ロータギア131のガイド145,147間に配置される。このとき、ガイド145,147のスライド溝149,153内に、バーラッチ137の被ガイド面173,175がそれぞれ進入している状態となる。そして、バーラッチ137は、スライド溝149,153に沿ってスライドしながら、バー径方向に移動可能となる(矢印B参照)。また、ロータギア131の貫通孔141およびバーラッチ137の貫通孔171は、各々の開口領域が互いに重なる位置に配置される。さらに、ロータギア131の切り欠き159、およびバーラッチ137の切り欠き177は、バー周方向において互いに重なる位置に配置される。
【0023】
また、ロータギア131の環状溝157(
図4参照)には、円環ばね135の本体190が嵌めこまれる。そして、本体190の他端193は、ロータギア131の切り欠き159、およびバーラッチ137の切り欠き177内に配置される。このことにより、円環ばね135は、切り欠き177を介して、バーラッチ137をバー径方向の一方側(
図8における右側)に向けて付勢する。なお、円環ばね135がバーラッチ137を付勢することにより、バーラッチ137がバー径方向の他方側(
図8における左側)に抜ける(外れる)ことが抑制される。
【0024】
また、バーラッチ137がバー径方向の一方側(
図8における右側)が所定位置まで移動すると、バーラッチ137のスリーブ185が、ロータギア131のスリーブ161に突き当たる。このことにより、バーラッチ137がバー径方向の一方側に抜けることが抑制される。
【0025】
また、
図8に示すように、外力を受けていない回転機構103においては、円環ばね135により付勢されることにより、バーラッチ137の係止部187がロータギア131の貫通孔141よりもバー径方向内側に位置し、かつバーラッチ137の突出部179側がロータギア131よりもバー径方向外側に位置する(突出する)。
【0026】
<回転機構103の動作>
図9(a)および(b)は、回転機構103の動作を説明する図である。さらに説明をすると、
図9(a)はバー10をロックした状態の回転機構103を示し、
図9(b)はバー10のロックを解除した状態の回転機構103を示す。
次に、
図2(a)、
図4、
図5、
図9(a)および(b)を参照しながら、回転機構103の動作を説明する。
【0027】
まず、
図2(a)、
図4、
図5および
図9(a)を参照しながら、回転機構103がバー10をロックした状態について説明をする。
図9(a)に示すように、ロータギア131の貫通孔141およびバーラッチ137の貫通孔171内に、バー10の他端113(
図2(a)参照)が挿入される。このとき、受け部143がバー10の切り欠き面115を受けることでバー周方向においてロータギア131に対するバー10の位置がずれることが抑制される。
【0028】
また、円環ばね135の付勢力を受けたバーラッチ137の係止部187が、バー10の環状溝117(
図2(a)参照)内に進入する。このことにより、バー軸方向(
図9(a)における紙面奥行方向)においてバーラッチ137に対するバー10の位置がずれることが抑制される。
このことにより、バー10が回転機構103に固定(ロック)された状態となる。このロックされた状態において、ロータギア131がギア136(
図5参照)を介して駆動力を受けると、バー10および回転機構103が一体となって回転する。
なお、以下において、
図9(a)に示すように、円環ばね135に押圧されたバーラッチ137が径方向外側へと突出し、バー10を係止した状態(バー10を保持した状態)をロック状態とすることがある。なお、ロック状態のバーラッチ137の位置は、制限位置の一例である。
【0029】
次に、
図2(a)および
図9(b)を参照しながら、回転機構103がバー10のロックを解除した状態について説明をする。
図9(b)に示すように、円環ばね135の付勢力に抗して外力を受けたバーラッチ137が、突出部179が径方向内側に移動する向きに移動すると、バーラッチ137の係止部187が、バー10の環状溝117(
図2(a)参照)から退避する。このことにより、バー軸方向におけるバー10の移動が可能となる、すなわち、バー10のロックが解除され、バー10の着脱が可能となる。なお、詳細は後述するが、バーラッチ137は、突出部179が着脱機構105(
図3参照)によって押圧される(外力を受ける)ことにより、円環ばね135の付勢力に抗して移動する。
また、以下において、
図9(b)に示すように、バーラッチ137の突出部179が径方向内側へと押圧され、バー10の係止を解除した状態(バー10を外す状態)を、解除状態とすることがある。なお、解除状態のバーラッチ137の位置は、着脱位置の一例である。
【0030】
<着脱機構105>
図10は、着脱機構105の概略構成図である。
次に、
図1、
図3、
図4および
図10を参照しながら、着脱機構105の概略構成について説明をする。
図10に示すように、着脱機構105は、バー10着脱の際にユーザ(施術者)が回転操作するロッキングシース201と、回転機構103のバーラッチ137を間に挟み込むフロントラッチ203(後述)およびリアラッチ205(後述)と、ロッキングシース201の回転力を受けて回転しながらフロントラッチ203およびリアラッチ205を移動させるスクリュー軸207(後述)とを備える。
【0031】
また、着脱機構105は、フロントラッチ板217(後述)、リアラッチ板257(後述)の先端を保持する保持部材208(
図3参照)と、スクリュー軸207の内部に設けられ駆動モータ(不図示)の駆動力をロータギア131へ伝達する駆動軸(駆動伝達軸)209とを備える。なお、図示の例においては、着脱機構105は、スクリュー軸207の外周であって駆動軸209の外周には支持管206を備える。
【0032】
ここで、ロッキングシース(回転体、被操作部)201は、ハンドピース100の外周面に露出して設けられる円環状部材である。図示の例におけるロッキングシース201は、本体部118において屈曲部110よりもバー10側(
図1参照)に配置される。なお、ロッキングシース201がバー10側に近いほど、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の長さが短くなる。
また、ロッキングシース201は、駆動軸209の周囲を回転可能(矢印C参照)に設けられる。さらにこのロッキングシース201には、スクリュー軸207が固定される。詳細は後述するが、ロッキングシース201は、ユーザに操作される(捩じられる)ことにより、スクリュー軸207とともに回転する。そして、このスクリュー軸207の回転にともない、フロントラッチ203およびリアラッチ205が、スクリュー軸207(駆動軸209)の軸方向に沿って各々移動する(矢印D、E参照)。
なお、このロッキングシース201は、スプリングなどの付勢部材(不図示)により駆動軸209の周方向における一方に向けて付勢されてもよい。
【0033】
保持部材208(
図3参照)は、フロントラッチ板217(後述)およびリアラッチ板257(後述)の先端を覆うように設けられる部材であり、バーラッチ137と対峙する領域に貫通孔を備える(
図3参照)。この保持部材208は、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の振動あるいは変形を抑制する。
駆動軸209は、回転機構103側(
図3参照)の端部にギア136(
図5参照)と噛み合うギア(不図示)を有する。この駆動軸209が回転することにより、ギア136を介して、ロータギア131(回転機構103)に駆動力が伝達される。なお、図示の例の駆動軸209は、支持管206によって外部が覆われるとともに回転可能に支持される。
【0034】
なお、駆動軸209の軸方向と、バー軸方向とは、互いに交差(直交)する方向である。
また、以下では、駆動軸209の軸方向を駆動軸方向、駆動軸209の径方向を駆動軸径方向、駆動軸209の周方向を駆動軸周方向とすることがある。
【0035】
<フロントラッチ203およびリアラッチ205>
図11(a)はフロントラッチ203の概略構成図を示し、(b)はリアラッチ205の概略構成図を示す。
次に、
図10、
図11(a)および(b)を参照しながら、フロントラッチ203およびリアラッチ205の構成について説明をする。
まず、
図11(a)に示すように、フロントラッチ203は、スクリュー軸207(
図10参照)の外周に設けられる環状部210と、環状部210に一端が固定された略長方形の板状部材であるフロントラッチ板(第2挟込部材、着脱部)217とを備える。
【0036】
ここで、環状部210は、内周面211から外周面212へ貫通する貫通孔214,216を、環状部210の中心を挟んで対向する位置に複数(2つ)備える。また、環状部210は、貫通孔214,216内にそれぞれ配置されるボール213,215を備える。なお、これらのボール213,215は、環状部210の内周面211および外周面212から突出するように配置される。
また、フロントラッチ板217は、フロントラッチ板217の長手方向に沿って設けられた長孔218を備える。この長孔218は、幅dfの寸法で形成される。また、この長孔218におけるフロントラッチ板217の先端側の内周面には、各々平坦な面で形成された第1面219、第2面221、第3面223を備える。図示の例においては、これら第1面219、第2面221、第3面223は、正六角形における隣接する3辺を構成する。
【0037】
次に、
図11(b)に示すように、リアラッチ205は、スクリュー軸207(
図10参照)の外周に設けられる環状部230と、環状部230に一端が固定された略長方形の板状部材であるリアラッチ板(第1挟込部材、着脱部)257とを備える。
環状部230は、内周面231から外周面232へ貫通する貫通孔234,236を、環状部230の中心を挟んで対向する位置に複数(2つ)備える。また、環状部230は、貫通孔234,236内にそれぞれ配置されるボール233,235を備える。なお、これらのボール233,235は、環状部230の内周面231および外周面232から突出するように配置される。
【0038】
また、リアラッチ板257は、幅drの寸法で形成される。この幅drは、フロントラッチ203の長孔218の幅dfと略同一の寸法である。ここでの略同一の寸法とは、リアラッチ板257がフロントラッチ203の長孔218内に配置された状態で、長孔218の幅方向におけるリアラッチ板257の移動を制限しつつ、長孔218の長手方向におけるリアラッチ板257の移動を許容する寸法である。
【0039】
また、リアラッチ板257は、リアラッチ板257の先端に切り欠き258を備える。この切り欠き258は、各々平坦な面で形成された第4面259、第5面261、第6面263を備える。図示の例においては、これら第4面259、第5面261、第6面263は、正六角形における隣接する3辺を構成する。さらに説明をすると、フロントラッチ板217の第1面219〜第3面223と、リアラッチ板257の第4面259〜第6面263とが合わさることによって、正六角形が形成される。
なお、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、例えば0.2mm〜2mm程度の厚みである。フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の厚みを抑制することにより、ハンドピース100の本体部118(
図1参照)における駆動軸径方向の寸法が抑制される。
【0040】
<スクリュー軸207>
図12は、スクリュー軸207の概略構成図を示す。
次に、
図11(a)、(b)、および
図12を参照しながら、スクリュー軸207の構成について説明をする。
図12に示すように、スクリュー軸207は、一端271から他端273に向けて延びる円筒状(筒状)部材である本体270を備える。また、スクリュー軸207は、本体270の外周面の一部に、ロッキングシース201(
図10参照)と係止する切り欠き面275を備える。さらに、スクリュー軸207は、本体270の外周面に螺旋状に設けられた第1螺旋溝277および第2螺旋溝279を備える。さらにまた、
図12においては図示されないが、スクリュー軸207は、
図12における紙面裏面側において、本体270の外周面に螺旋状に設けられた第3螺旋溝281(
図13参照)および第4螺旋溝(不図示)を備える。
【0041】
ここで、第1螺旋溝277〜第4螺旋溝(不図示)は、各々の長手方向と交差する方向(幅方向)における断面がフロントラッチ203のボール213,215およびリアラッチ205のボール233,235に沿う湾曲した形状を備える。また、第1螺旋溝277〜第4螺旋溝(不図示)は、幅方向におけるボール213,215,233,235の移動を制限し、長手方向におけるボール213,215,233,235の移動を許容する寸法である。
【0042】
ここで、
図12に示すように、第1螺旋溝277および第2螺旋溝279は、本体270の軸方向において異なる位置に設けられるとともに、各々の旋回向きが反対である。このことにより、本体270の周方向における位置に応じて、本体270の軸方向における第1螺旋溝277および第2螺旋溝279間の距離が変化する。
また、同様に、第3螺旋溝281および第4螺旋溝(不図示)も、本体270の軸方向において異なる位置に設けられるとともに、各々の旋回向きが反対である。このことにより、本体270の周方向における位置に応じて、本体270の軸方向における第3螺旋溝281および第4螺旋溝(不図示)間の距離が変化する。
【0043】
また、第1螺旋溝277および第4螺旋溝(不図示)は旋回向きが一致する。同様に、第2螺旋溝279および第3螺旋溝281は旋回向きが一致する。
さらに、第1螺旋溝277および第2螺旋溝279は、本体270の中心を挟んで第3螺旋溝281および第4螺旋溝(不図示)と対向する位置(反対の位置)に設けられる。なお、これらが互いに本体270の中心を挟んで両側に形成されることで、フロントラッチ203およびリアラッチ205の駆動軸方向の動作がより安定する。
【0044】
<着脱機構105の構成部材間の関係>
図13は、着脱機構105の構成部材間の関係を説明する図である。さらに説明をすると、
図13は、
図3におけるXIII―XIIIにおける断面図である。
次に、
図3、
図10、
図11(a)、および
図13を参照しながら、着脱機構105の構成部材間の関係、さらに説明をすると、フロントラッチ203、リアラッチ205、およびスクリュー軸207の関係について説明をする。
【0045】
まず、上記では説明を省略したが、
図13に示すようにカバー109は、その内周面に、内周溝283,285を備える。これらの内周溝283,285は、各々長手方向が駆動軸方向に沿い(
図3参照)、かつ長手方向と交差する方向(幅方向)における断面がボール233,235に沿うよう湾曲した面を備える。この内周溝283,285は、内周溝283,285内において、駆動軸周方向にボール233,235が移動することを制限しつつ、駆動軸方向にボール233,235が移動することを許容する寸法である。
【0046】
そして、この内周溝283,285は、リアラッチ205における環状部210の外周面232から突出したボール233,235を受けるよう配置される。このことにより、リアラッチ205のボール233,235は、駆動軸周方向における位置を固定され、駆動軸方向における位置を固定されない状態となる。
【0047】
また、スクリュー軸207の外周面に設けられた第2螺旋溝279および第3螺旋溝281は、リアラッチ205における環状部210の内周面231から突出したボール233,235を受けるよう配置される。このことにより、スクリュー軸207とリアラッチ205とが連結された状態となる。
【0048】
さて、上記のように、ロッキングシース201が操作されることにより、スクリュー軸207が駆動軸周方向に回転する(矢印C参照)。この回転にともない、第2螺旋溝279および第3螺旋溝281の各々の長手方向に沿って、ボール233,235が移動する。このとき、ボール233,235は、カバー109の内周溝283,285によって駆動軸周方向における位置が固定される一方で、駆動軸方向における位置が固定されていない状態である。その結果、
図10に示すように、ロッキングシース201の回転(矢印C参照)によって、駆動軸方向においてボール233,235が移動する。このことにともない、リアラッチ205(リアラッチ板257)が、駆動軸方向に沿って移動する(矢印E参照)。
【0049】
なお、詳細な説明は省略するが、カバー109の内周面に設けられた内周溝283,285は、フロントラッチ203が備えるボール213,215の外周側を受ける。また、スクリュー軸207の外周面に形成された第1螺旋溝277および第4螺旋溝(不図示)は、ボール213,215の内周側を受ける。このことにより、ボール213,215は、ボール233,235と同様に、駆動軸周方向における位置が固定され、駆動軸方向において位置が固定されていない状態となる。そして、
図10に示すように、ロッキングシース201の回転(矢印C参照)によって、フロントラッチ203(フロントラッチ板217)が駆動軸方向に沿って移動する(矢印D参照)。
【0050】
ここで、上述のように、第1螺旋溝277と第2螺旋溝279は、旋回の向きが反対である。また、第3螺旋溝281と第4螺旋溝(不図示)も、旋回向きが反対である。このことにより、
図10に示すように、ロッキングシース201の回転(矢印C参照)によって、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の両者が、駆動軸方向に沿って互いに反対向きに移動する(矢印D、E参照)。なお、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の両者が移動することにより、両者がバーラッチ137からより確実に離間する。
なお、例えば、ロッキングシース201が駆動軸周方向に沿って60度回転することで、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257が、駆動軸方向に沿ってそれぞれ1mmずつ移動する構成が例示される。なお、これらの数値は単なる例示であり、例えばロッキングシース201を30度回転させることでフロントラッチ板217およびリアラッチ板257が1mmずつ移動するなど、他の数値であってももちろんよい。
【0051】
<フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の動作1>
図14(a)および(b)は、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の動作を説明する図である。さらに説明をすると、
図14(a)はバー10をロックした状態におけるフロントラッチ板217およびリアラッチ板257を示し、
図14(b)はバー10のロックを解除した状態におけるフロントラッチ板217およびリアラッチ板257を示す。
次に、
図10、
図14(a)および(b)を参照しながら、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の動作について説明をする。
【0052】
まず、
図14(a)に示すように、フロントラッチ板217の長孔218内に、リアラッチ板257がスライド可能に配置される。また、フロントラッチ板217の内周面(第1面219、第2面221、第3面223)と、リアラッチ板257の先端(第4面259、第5面261、第6面263)とにより囲まれて空間280が形成される。そして、この空間280内に、回転機構103(バーラッチ137)が配置される。さらに説明をすると、フロントラッチ板217の先端側の内周面とリアラッチ板257の先端とが、空間280内に配置されたバー10の回転軸Gを挟んで対峙する。
【0053】
付言すると、本実施の形態においては、リアラッチ板257は、バー10に対して駆動軸209側で、長手方向が駆動軸方向に沿うよう配置される。また、フロントラッチ板217は、バー10を挟んで駆動軸209とは反対側に先端を位置させつつ、駆動軸209側に根元は位置させ、かつ長手方向が駆動軸方向に沿うよう配置される。このことにより、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257のバー径方向における寸法が抑制される。
【0054】
そして、上述のように、ロッキングシース201を回転することにともない、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257が互いに反対向きに移動する(矢印D,E参照)。このフロントラッチ板217およびリアラッチ板257の反対向きの移動により、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、回転機構103がバー10をロックした状態と、バー10のロックを解除した状態とを切り替える。なお、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の反対向きの移動により、空間280の大きさ(駆動軸方向の長さ)が変化する。
【0055】
以下、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257による、回転機構103がバー10をロックした状態とロックを解除した状態についてそれぞれ具体的に説明をする。
まず、
図14(a)は、回転機構103がバー10をロックした状態である。このとき、例えばロッキングシース201には外力(ユーザによる操作力)が加わっていない状態である。また、フロントラッチ板217の内周面およびリアラッチ板257の先端が互いに離間し、空間280は広がった状態である。
そして、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、ともに回転機構103のバーラッチ137から離間する。このことにより、バーラッチ137はフロントラッチ板217およびリアラッチ板257から押圧されずに、ロック状態が維持される。
【0056】
次に、
図14(b)は、回転機構103がバー10のロックを解除した状態である。このとき、例えばロッキングシース201には外力(ユーザによる操作力)が加わって、ロッキングシース201が一方向に回転している状態である。また、フロントラッチ板217の内周面およびリアラッチ板257の先端が互いに接近し、空間280を狭めた状態である。なお、この状態における空間280は、正六角形の形となる。
【0057】
そして、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の少なくとも一方は、回転機構103のバーラッチ137と接触した状態である。このことにより、バーラッチ137は、フロントラッチ板217あるいはリアラッチ板257の少なくとも一方によって押圧され、解除状態となる。その結果、回転機構103がバー10のロックを解除した状態となる。なお、図示の例においては、リアラッチ板257の第4面259によって、バーラッチ137が押圧されている状態である。
このように、ユーザがロッキングシース201を操作し回転させることにより、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257を駆動軸方向に移動させ、回転機構103に対するバー10の着脱を可能とする。なお、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、バー10を保持するバーラッチ137に作用することにより、バー10の保持と解放とを切り替える構成として捉えることができる。
【0058】
<フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の動作2>
図15(a)および(b)は、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の他の動作例を説明する図である。さらに説明をすると、
図15(a)はバー10をロックした状態におけるフロントラッチ板217およびリアラッチ板257を示し、
図15(b)はバー10のロックを解除した状態におけるフロントラッチ板217およびリアラッチ板257を示す。
次に、
図15(a)および(b)を参照しながら、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の他の動作例、具体的には回転機構103の停止角度とフロントラッチ板217およびリアラッチ板257の動作との関係について説明をする。
【0059】
まず、上述のように、回転機構103は駆動を受けてバー10とともに回転する部材である。そして、この回転機構103がバー周方向においてどの角度で停止するかは予測が困難である。したがって、回転機構103の停止角度に関わらず、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、回転機構103がバー10をロックした状態およびロックを解除した状態を切り替えることが望まれる。
【0060】
ここでは、
図15(a)および(b)に示すように、バーラッチ137の突出部179が、バー周方向において、駆動軸方向と直交する向き(図中上向き)に停止した場合について説明をする。
まず、
図15(a)に示すように、回転機構103がバー10をロックした状態においては、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、バーラッチ137の突出部179から離間する。さらに説明をすると、図示の例においては、突出部179に近接するフロントラッチ板217の第2面221およびリアラッチ板257の第5面261は、ともに突出部179から離間した状態である。
【0061】
一方、
図15(b)に示すように、回転機構103がバー10のロックを解除した状態においては、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、バーラッチ137の突出部179と接触する。さらに説明をすると、図示の例においては、突出部179に近接するフロントラッチ板217の第2面221およびリアラッチ板257の第5面261が、ともに突出部179を押圧する状態である。
【0062】
このように、本実施の形態においては、フロントラッチ板217の内周面、リアラッチ板257の先端、および突出部179それぞれの形状および寸法は、バーラッチ137の突出部179が、バー周方向において、駆動軸方向と直交する向きに停止した場合に、フロントラッチ板217の内周面(第2面221)およびリアラッチ板257の先端(第5面261)の両者によって、突出部179をバー径方向内側に押しこみ、解除状態とするように定められる。
なお、フロントラッチ板217の第2面221およびリアラッチ板257の第5面261は、それぞれフロントラッチ板217およびリアラッチ板257が移動する方向である駆動軸方向に対して交差する面として捉えることができる。
【0063】
<ハンドピース100の全体形状>
次に、再び
図1、
図2および
図10を参照しながら、本実施の形態におけるハンドピース100全体の形状について説明をする。
まず、上述のように、本実施の形態におけるハンドピース100は、ロッキングシース201を回転させることにともない着脱機構105を作動させ、バー10の着脱を可能とするものである。言い替えると、ハンドピース100の本体部118に位置する部分であるロッキングシース201を、バー10の着脱操作部としたものである。付言すると、本実施の形態のハンドピース100においては、ヘッド部116にバー10の着脱操作部は設けられていない。
【0064】
ここで、ハンドピース100におけるヘッド部116と本体部118とを比較すると、ハンドピース100を歯科治療に使用する状態においては、本体部118は、ヘッド部116よりも患者の口腔の外側に位置する。したがって、本実施の形態とは異なりヘッド部116に着脱操作部を備える構成と比較して、本実施の形態のハンドピース100においては、着脱操作部であるロッキングシース201が、意図せずに患者の口腔内で押圧されることが抑制される。
【0065】
さてここで、従来技術としては、バー10の着脱操作部をヘッド部116に設けるものが存在する。さらに説明すると、この従来技術における着脱操作部は、例えばバー10を着脱する際に押圧されるプッシュボタン(不図示)である。また、このプッシュボタンは、ヘッド部116のバー10が挿入される側とは反対側の面119に設けられる。そして、このプッシュボタンは、歯科治療に使用する状態においては、治療している歯とかみ合う側の歯(対合歯)や頬粘膜(頬の内側)により押圧され得る。
【0066】
一方で、本実施の形態のハンドピース100は、
図1に示すように、ヘッド部116のバー10とは反対側の面119にプッシュボタンを備えない。したがって、歯科治療中に、意図せずに患者の口腔内で押圧されることが抑制される。また、本実施の形態のハンドピース100においては、バー10の一端111から面119までのバー軸方向の寸法が抑制される。
なお、
図1に示すように、本実施の形態におけるハンドピース100の面119は、平坦な面である。また、面119は、滑らかに連続する面であれば、平面あるいは湾曲面であってもよい。
【0067】
<他の実施の形態>
図16は、他の実施形態におけるフロントラッチ板403およびリアラッチ板405を説明する図である。
次に、
図16を参照しながら、他の実施形態におけるフロントラッチ板403およびリアラッチ板405を説明する。
上述の実施の形態においては、フロントラッチ板217の内周面(第1面219、第2面221、第3面223)と、リアラッチ板257の先端(第4面259、第5面261、第6面263)によって、正六角形を形成する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、三角形、四角形、五角形、七角形などの多角形や楕円形など他の形状でもよい。
【0068】
さらに説明をすると、
図16に示すように、フロントラッチ板403の内周面およびリアラッチ板405の先端がそれぞれ半円形状を有し、合わさることで1つの円形を形成する構成でもよい。
ここで、フロントラッチ板403は、フロントラッチ板403の長手方向に沿って設けられた長孔410を備える。この長孔410におけるフロントラッチ板403の先端側の内周面には、半円形状の切り欠き411を備える。また、フロントラッチ板403は、長孔410における切り欠き411と連続する部分に角部413を備える。
また、リアラッチ板405は、リアラッチ板405の先端に半円形状の切り欠き421を備える。また、リアラッチ板405は、リアラッチ板405の先端に切り欠き421と連続する部分に角部423を備える。
【0069】
さて、
図16に示すように、突出部179における外周面181のバー周方向における両端180,186よりも、フロントラッチ板403の角部413およびリアラッチ板405の角部423がバー径方向外側に配置されている。
このことにより、
図16に示すように、バーラッチ137の突出部179が、バー周方向において、駆動軸方向と直交する向き(図中上向き)に停止した場合においては、フロントラッチ板403およびリアラッチ板405が互いに接近すると、フロントラッチ板403の角部413およびリアラッチ板405の角部423が、突出部179の外周面181を押圧し、バーラッチ137を径方向内側に向けて押し込む。その結果、ロック状態のバーラッチ137を解除状態とし、バー10が着脱可能となる。
【0070】
<変形例>
上記の説明においては、ハンドピース100が駆動モータ(不図示)の駆動によりバー10を回転させることを説明したが、これに限定されない。バー10を回転駆動させるものであれば、その構成は特に限定されず、例えば所謂タービン式のハンドピース100においても上記形態は適用可能である。
また、上記の説明においては、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257を板状部材として説明したが、これに限定されない。フロントラッチ板217およびリアラッチ板257は、それぞれ長尺状の部材であれば、円柱状、角柱状など他の形状であってもよい。
【0071】
また、上記の説明においては、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257の両者が、駆動軸方向に沿って各々移動することを説明したが、これに限定されない。フロントラッチ板217およびリアラッチ板257のいずれか一方が、ロッキングシース201の回転にともない移動することで、バーラッチ137を押圧する構成であってもよい。
また、上記の説明においては、フロントラッチ板217およびリアラッチ板257が、バーラッチ137を押圧(操作)することを説明したが、これに限定されない。フロントラッチ板217およびリアラッチ板257が移動することにより、バー10を直接保持あるいはこの保持を解除する構成であってもよい。
【0072】
また、上記の説明においては、バーラッチ137が突出部179を備えることを説明したが、これに限定されない。バーラッチ137がフロントラッチ板217およびリアラッチ板257に押圧されることにより、バー径方向に移動可能であれば、バーラッチ137が突出部179を備えない構成や、バーラッチ137が外周面に凹部(不図示)を備えるなど、他の形状であってもよい。
また、上記の説明においては、スクリュー軸207をロッキングシース201により回転させることを説明したが、これに限定されない。外力によりスクリュー軸207を回転させる構成であれば、例えばスクリュー軸207から駆動軸径方向外側に延びるレバーを設け、このレバーを操作することによりスクリュー軸207を回転させる構成や、モータによりスクリュー軸207を回転させる構成であってもよい。
【0073】
さて、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。