特許第6336845号(P6336845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336845
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】カード台紙
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20180528BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   B42D15/02 501G
   B42D15/00 341D
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-155246(P2014-155246)
(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-30430(P2016-30430A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099357
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179534
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 かおる
(72)【発明者】
【氏名】宮田 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 美里
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−212287(JP,A)
【文献】 特開2011−68035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
B42D 15/00
B42D 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別符号が付されたカード体を表面側に保持するカード台紙であって、
前記カード台紙は、前記カード体の識別符号を当該カード台紙の裏面側から読み取り可能な領域を有し、
前記カード台紙は、前記カードの全外周縁を取り囲む該カードと略同外形の凹部を有し、
前記読み取り可能な領域は前記凹部よりも小さい開口であり、
前記カード体を前記凹部に収容して前記カード台紙の表面側に保持した際に、前記カード体の識別符号と前記開口の位置が合うことを特徴とするカード台紙。
【請求項2】
前記カード台紙は、前記カード体を保持した際に、当該カード体が当該カード台紙の表面側から離れる方向への移動を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載のカード台紙。
【請求項3】
前記規制部を前記開口に対向して設けたことを特徴とする請求項に記載のカード台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード体を保持するカード台紙、特にパスワードカードを保持する送付用のカード台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した取引が活発になってきている。インターネットバンキングによる取引にはパスワードなどの確認番号が必要であり、パスワードを得るためにパスワードカードを利用することが一般的になりつつある。パスワードカードは、カード送付用台紙に剥離可能に貼着した状態で封入し、ユーザ宛に送付されている。(以下、「従来技術1」という。例えば、特許文献1参照)。また、カード送付用台紙に、送付先を管理する目的、カードが貼着すべきカード送付用台紙に貼着されているか否かを確認するすなわちマッチングする目的、カード送付用台紙を機械により封筒に封入する目的等で、カード送付用台紙に印刷されたバーコードを用いている。
【0003】
また、個人データ入りカードに送り先情報を印字し、該送り先情報のみが現れるように、窓が設けられた台紙のポケット部に側方からカードを封入すると共に該台紙を封入する窓付封筒の窓にも現れるようにした窓付封筒封入台紙があった(以下、「従来技術2」という。例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−162694号公報(段落0016、図3図4
【特許文献2】実願平1−132734号(実開平3−70976号)のマイクロフィルム(実施例、第1図−第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術1にあっては、カード送付用台紙に印刷されたバーコードを用いることから、カード送付用台紙にバーコードを印刷する作業や、バーコードを印刷するための領域が必要となる問題があった。また、上記従来技術2にあっては、カードを台紙のポケット部に側方から封入するものであり、ポケット部がカードに対して大きいとカードの送り先情報と台紙の窓の位置合わせ作業が大変である、一方、ポケット部がカードにとほぼ同じ大きさであるとカードをポケット部に封入する作業や取り出す作業が大変であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、カード台紙にカード体を簡単に保持・取出することができ、かつ、カード台紙にカードを保持した状態でカード体に付された識別符号を読み取り可能なカード台紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のカード台紙は、
識別符号が付されたカード体を表面側に保持するカード台紙であって、
前記カード台紙は、前記カード体の識別符号を当該カード台紙の裏面側から読み取り可能な領域を有し、
前記カード台紙は、前記カードの全外周縁を取り囲む該カードと略同外形の凹部を有し、
前記読み取り可能な領域は前記凹部よりも小さい開口であり、
前記カード体を前記凹部に収容して前記カード台紙の表面側に保持した際に、前記カード体の識別符号と前記開口の位置が合うことを特徴としている。
この特徴によれば、カード台紙の裏面側からカード体の識別符号を読み取り可能な領域を設けたから、カード体をカード台紙の表面側に保持した状態で識別符号を用いてカード体を識別することができる。また、カード体をカード台紙の表面側に保持するから、ポケット部に側方から封入するものに比較して、カード台紙にカード体を簡単に保持・取出することができる。
ここで、本発明におけるカード体とは、紙の小片はもちろんのこと、液晶表示部を有するパスワードカード、セキュリティトークンなど、要するに薄く手で持てる程度の片状のものであればよく、その材質や形状は問わない。
【0010】
本発明のカード台紙は、
前記カード台紙は、前記カード体を保持した際に、当該カード体が当該カード台紙の表面側から離れる方向への移動を規制する規制部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、規制部を設けることにより、カード体はカード台紙に直交する方向の移動が規制されるから、カード体をカード台紙の表面側に精度良く保持できる。
【0011】
本発明のカード台紙は、
前記規制部を前記読み取り可能な領域に対向して設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、規制部を読み取り可能な領域に対向して設けることにより、カード体の識別符号が付された部位において、カード体はカード台紙に直交する方向の移動が規制されるから、さらに精度良く保持でき、識別符号の読み取り精度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1におけるパスワードカードをカード送付用台紙に保持する状態を説明する斜視図である。
図2】実施例1におけるパスワードカードを示すものであって、(a)は平面図、(b)は底面図である。
図3】実施例1におけるカード送付用台紙を示すものであって、(a)は平面図、(b)はパスワードカードを保持した状態の平面図である。
図4】実施例1におけるカード送付用台紙を示すものであって、(a)は底面図、(b)はパスワードカードを保持した状態の底面図である。
図5】実施例1におけるカード送付用台紙の右側面図である。
図6】実施例1におけるカード送付用台紙の正面図である。
図7】実施例1におけるカード送付用台紙の背面図である。
図8】実施例1におけるカード送付用台紙の図3(a)におけるA−A断面図である。
図9】実施例1におけるカード送付用台紙の図3(a)におけるB−B断面図である。
図10】実施例1におけるカード送付用台紙を折り畳んだ状態の平面図である。
図11】実施例1におけるカード送付用台紙を折り畳んだ状態を示すものであって、(a)は底面図、(b)はパスワードカードを保持した状態の底面図である。
図12】実施例1におけるカード送付用台紙の展開図である。
図13】実施例2におけるカード送付用台紙を示す平面図である。
図14】実施例3におけるカード送付用台紙を示す平面図である。
図15】実施例4におけるカード送付用台紙を示す平面図である。
図16】実施例5におけるセキュリティトークンをカード送付用台紙に保持する状態を説明する斜視図である。
図17】実施例5におけるカード送付用台紙を示すものであって、(a)はセキュリティトークンを保持した後カバー部を閉じた状態を示す斜視図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るカード台紙を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係るカード送付用台紙につき、図1図12を参照して説明する。
カード送付用台紙7は、パスワードカード1を凹部11に保持するものである。カバー部8Aを折り目8Eで内側本体部8D側に折り畳んだ状態(図10図11)のカード送付用台紙7と、宛先を印刷した書類と、他の書類例えばダイレクトメール等とを封入し、郵送などによりユーザに送付する。以下、パスワードカード1、カード送付用台紙7の詳細について説明する。
【0015】
先ず、パスワードカード1について説明する。
図2において、パスワードカード1は、縦7cm、横4.5cm、厚さ0.3cmの外形を有し、有色かつ不透明の本体部の表側に、操作ボタン2、操作ボタン2の操作に応じた表示を行う液晶の表示部3を有し、その裏側に、シリアル番号4A及びバーコード4Bからなる識別符号4、ロゴマーク5、連絡先などの注意書き6が印字されている。パソコン等を利用してインターネットバンキングによる取引を行う際に、ユーザが、パスワードカード1の操作ボタン2を操作すると、表示部3にパスワードが表示される。インターネットバンキングの取引画面(パソコンの表示部の画面)にこのパスワードを入力することにより、振込み等の取引を行うことができる。このパスワードは、1回限りのもので、一定時間毎に切り替わるいわゆるワンタイムパスワードと呼ばれるもので、取引の安全性が高い。なお、識別符号4は、一般に用いられるリーダにより読み取ることが可能であり、例えば、赤外線を用いるもの、可視光を用いるもの、撮像した画像を解析するものが挙げられる。
【0016】
次にカード送付用台紙7について説明する。
カード送付用台紙7は、厚さ1mmの厚紙を用い、図12の展開図のものを折り畳んで形成されている。具体的には、展開図は、取り扱い等の注意書きが印字されたカバー部8Aと、開口10が図12の紙面手前から奥側に向かって打ち抜いて形成された外側本体部8B(図8図9も参照。)と、開口11Aと係止片12が形成された内側本体部8Dと、外側本体部8Bから連なり開口11Bが形成された外側中間本体部9Aと、内側本体部8Dから連なり開口11Bが形成された内側中間本体部9Cとから構成されている。
【0017】
図1に示すカード送付用台紙7を作成するには、折り目9Bに沿って、外側本体中間部9Aを外側本体部8B側に折り畳み、両者を接着により一体化する。同様に、折り目9Dに沿って、内側本体中間部9Cを内側本体部8D側に折り畳み、両者を接着により一体化する。その後、折り目8Cに沿って、一体化された内側本体部8D及び内側中間本体部9Cを、一体化された外側本体部8B及び外側中間本体部9A側に折り畳み、両者を接着により一体化する。この状態が図1に示す状態である。
【0018】
凹部11は、パスワードカード1の外形と略同外形であり、開口11A、開口11B、開口11Cと、外側本体部8Bの一面とにより形成される。開口11A、開口11B、開口11Cのそれぞれの厚さ(深さ)は1mmであるから、凹部11は3mmの深さであり、その深さはパスワードカード1の厚さと比べて同等もしくは深いものである。開口11Bと開口11Cとは、同じ大きさでかつ、折り畳んだときに開口11Bの4辺と開口11Cの4辺が一致する位置に設けてある。また、開口11B、開口11Cは、凹部11Aよりも一回り大きくかつ、折り畳んだときに開口11Bの4辺と開口11Cの4辺が、開口11Aの直線状の4辺よりも外側となる位置に設けてある。このようにすることで、折り曲げる際に少しずれても、開口11B、開口11Cの4辺のいずれかが、開口11Aの4辺のいずれかよりも内側に入り込み、パスワードカード1が凹部11に入らない又は入れにくいという事態を防止できる。
【0019】
また、内側本体部8Dには、一対の円弧状の係止片12が設けられている。係止片12の両側には円弧に沿った切込みが設けてあり、係止片12は内側本体部8Dの面に直交する方向に若干であるが弾性変形可能である。したがって、パスワードカード1を凹部11に出し入れしやすい。また、パスワードカード1を凹部11に入れた状態では、係止片12は、パスワードカード1の端部を庇状に覆うから、パスワードカード1が内側本体部8Dの面に直交する方向に移動することを規制する規制部として機能する。
【0020】
また、カード送付用台紙7の凹部11にはこの凹部11よりも小さい開口10が設けられており、この開口10は、凹部11にパスワードカード1を入れたとき、パスワードカード1の裏側に設けられた識別符号4に対応する位置に設けられている。したがって、図4(b)、図11(b)に示すように、カード送付用台紙7にパスワードカード1を入れた状態において、カード送付用台紙7の開口10から、パスワードカード1の識別符号4を見ることができる。すなわち、カード送付用台紙7の裏面側から、パスワードカード1の識別符号4が読み取り可能である。なお、識別符号4には、パスワードカード1の製造番号や固体識別番号等の当該パスワードカード1に固有の情報が含まれる。
【0021】
次いで、銀行からパスワードカード1を送付する例について説明する。
ここで、パスワードカード1は、パスワードカード1受け取ったユーザが、インターネットバンキングの画面から初期登録して使用するものである。すなわち、初期登録前には、パスワードカード1とユーザとの関係が一意に決めらいない形式のものであり、初期登録されていないパスワードカード1であればユーザはいずれのカードでも登録できる形式のものである。
【0022】
凹部11にパスワードカード1を保持したカード送付用台紙7と、図示しない送り先、宛名及びバーコードなどの識別符号が記載された書類と、他の書類とは、封筒に同封されてユーザに送られる。その封筒への同封作業では、送り先、宛名及びバーコードなどの識別符号が記載された書類の識別符号をリーダで読み取り、次いでカード送付用台紙7の開口10から識別符号4をリーダで読み取り、各書類及びカード送付用台紙7を封筒に封入する。このようにして、送り先、宛名とパスワードカード1とを対応付けすることにより、パスワードカード1を送った先を管理することができる。
【0023】
以上のように、カード送付用台紙7の裏面側からパスワードカード1の識別符号4を読み取り可能な領域として開口10を設けたから、パスワードカード1をカード送付用台紙7の表面側に保持した状態で識別符号4を用いてパスワードカード1を識別することができる。したがって、パスワードカード1を識別するための識別符号を別途カード送付用台紙に印刷する必要はない。
また、パスワードカード1をカード送付用台紙7の表面側に保持した際に、パスワードカード1の識別符号4と開口10の位置が合うから、識別符号4を簡単に読み取ることができる。なお、開口10と識別符号4の位置がずれると、リーダにより識別符号4を読み取ることが困難又は読み取れない虞もある。
【0024】
また、シート状のカード送付用台紙7に、パスワードカード1を凹部11に保持するから、袋状のポケット部に側方から封入するものに比較し、保持する作業や取り出す作業が簡単である。
【0025】
また、パスワードカード1と凹部11は略同外形であるから、パスワードカード1を凹部11に収容することにより、パスワードカード1に印字された識別符号4と、開口10の面方向における位置決めなされることとなり、開口10に対する識別符号4の位置決めが簡単である。
【0026】
また、封筒に入れたときに封筒に段差が生じにくい等の理由から、カード送付用台紙7は一定の厚さのシートであることが好ましい。加えて、凹部11にパスワードカード1を保持したときに、パスワードカード1が凹部11から突出しないようにするとよい。すなわち、凹部11の深さはパスワードカード1の厚さと同等以上であると、パスワードドカード1を凹部11に保持したときに、パスワードカード1がカード送付用台紙7から突出せず、封筒に入れたときに封筒に段差が生じにくく、また外力によりパスワードカード1の表面角部が損傷する虞が少ない等から好ましい。また、同等とすると、パスワードカード1とカード送付用台紙7とにより一定の厚さのシートとなり、封筒に封入したときに外力が作用して、封筒の凹部11に対応する部位が窪むこともなく、かつ、パスワードカード1の表面端部に接触が容易でありパスワードカード1を取り出しやすいことから好ましい。
【0027】
また、開口11は、表面側から打ち抜きにより形成されたから、表面側にはバリは生じず、パスワードカード1をカード送付用台紙1の凹部10に精度良く保持できる。
【0028】
また、係止片12を設けることにより、パスワードカード1はカード送付用台紙7の面に直交する方向の移動が規制されるから、パスワードカード1をカード送付用台紙7の表面側に精度良く保持できる。
【0029】
また、一方の係止片12を開口10に対向して設けることにより、パスワードカード1の識別符号4が付された部位において、パスワードカード1はカード送付用台紙7に直交する方向の移動が規制されるから、さらに精度良く保持でき、識別符号の読み取り精度が高い。
【0030】
また、一対の係止片12,12を設ける開口11Aにおける位置として、折り目8Eに近い側に設けるよりも、折り目8Eから遠い側に設けるとより好適である。カバー部8Aを折り畳んだ状態では、カバー部8Aは折り目8Eから遠いほど、カバー部8Aはその復元力により、カバー部8Aと内側本体部8Dとの距離が離れる傾向にあり、折り目8Eから遠い側では係止片12によりパスワードカード12をカード送付用台紙7に直行する方向の移動が規制されるとともに、折り目8Eに近い側では、カバー部8Aにより係止片12を、カード送付用台紙7に直行する方向の移動が規制されるからである。
【実施例2】
【0031】
次に、実施例2に係るカード送付用台紙につき、図13を参照して説明する。実施例2は、凹部11を設ける位置をカード送付用台紙7の図13中左寄りとし、図13中右寄りの位置に注意書き13bを追加し、パスワードカード1を図13において縦置きに保持し、開口10を設ける位置を変更したものである。その他の構成は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0032】
実施例2に係るカード送付用台紙7においては、パスワードカード1を縦置きに保持するから、凹部11の図13における右側に広いスペースができる。また、凹部11を図13における左寄りに設けたから、裏面側の開口10から識別符号4を読み取る際に、右側の広い部分を把持して作業できるから、把持が容易である。
【実施例3】
【0033】
次に、実施例3に係るカード送付用台紙につき、図14を参照して説明する。実施例3は、パスワードカード1を保持する手段を、実施例1、2における凹部11に代えて、一対の切り込み16とし、本体部を内側本体部8Dのみとした、すなわち台紙をカバー部8Aと内側本体部8Dのみから形成したものである。その他の構成は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0034】
実施例3に係るカード送付用台紙は、台紙をカバー部8A及び内側本体部8Dに構成したので、台紙が薄く軽量化できる。
また、一方の切り込み16が開口10の端から延びている。したがって、切り込み16は内側本体部8Dの面に直交する方向に大きく変形するから、パスワードカード1を一対の切り込み16に挿入する作業が容易である。
また、識別符号4が設けられる位置に対応して一方の切り込み16を設けたから、パスワードカード1を切り込み16に保持させたときに、パスワードカード1は、裏面の識別符号4の領域において、内側本体部8Dの面と密着し、パスワードカード1をカード送付用台紙1の凹部10に精度良く保持でき、識別符号4を精度良く読み取ることが可能となる。
【実施例4】
【0035】
次に、実施例4に係るカード送付用台紙につき、図15を参照して説明する。実施例4は、パスワードカード1を保持する手段を、実施例1、2における凹部11に代えて、一対の切り込み17とし、その切り込み17をカバー部8Aに設け、その台紙は、本体部を内側本体部8Dのみとしたものである。その他の構成は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0036】
実施例4に係るカード送付用台紙は、台紙をカバー部8A及び内側本体部8Dに構成したので、台紙が薄く軽量化できる。
また、一対の切り込み17をカバー部8Aに設けたから、パスワードカード1をカード送付台紙7に保持した際に、カバー部材8Aが折り畳まれていない状態(図15の状態)であっても、カバー部材8Aが折り畳まれた状態のいずれの状態においても識別符号4を読み取ることができる。
【実施例5】
【0037】
次に、実施例5に係るカード送付用台紙につき、図16図17を参照して説明する。実施例5は、実施例1におけるパスワードカード1を略前方後円墳形状のトークン1R(セキュリティトークン)に代え、さらに、凹部11には係止片12,12が設けられず凹部11Rがトークン1Rの外形よりも僅かに大きい略前方後円墳形であり、凹部11Rよりも小さい開口10Rを設ける位置をトークンの略矩形部分の裏面に印刷されたバーコード(図示しない)の位置に合わせて右寄りに変更している。また、カバー部8Aをシール20により外側本体部8Bに仮止めしている。その他の構成は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0038】
ここで、トークン1Rは縦5cm、横2cm(略円形部分の直径1.2cm、略矩形部分の長辺3.2cm、略矩形部分の短辺2.0cm)、厚さ0.5cmの外形であり、凹部11Rは、幅5.1cm、横2.5cm、深さ0.5cmである。このような外形及び凹部11Rには係止片12,12が設けられていないから、トークン1Rを簡単に挿入することができる。なお、凹部11Rの形状をトークン1Rの外形に合わせて略前方後円墳形状としたから、凹部11R内でトークン1Rががたつかない。また、凹部11Rを実施例1のように矩形とすると凹部の形成が簡単である。なお、トークン1Rの外形は略矩形のものであってもよい。
【0039】
トークン1Rを凹部11Rに挿入した後、カバー部8Aを外側本体部8Dに接するまで折り畳み、その状態でカバー部8Aの外面と内側本体部8Bの外面にかけて粘着性のシール20を貼り、カバー部8Aを内側本体部8Bに仮着する。このとき、図17(b)に示すように、トークン1Rは、カバー部8Aの内側面と開口10Rが設けられた外側本体部8Bの内側面とにより上下方向に挟まれる。このように、カバー部8Aにより蓋をしてシール20で仮着することで、カバー部8Aがトークン1Rの押さえ片として機能する。これより、封入封緘などでコンベア上を流れてもトークン1Rがカード送付台紙1から脱落せず、開口10Rからバーコードを読むことができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、カード台紙として、カード送付用台紙、すなわち、送付用のカード台紙について説明したが、送付用に限らずカードを保持するカード台紙に適用することができる。
【0042】
また、カード体として、パスワードカード、トークンを例に説明したが、パスワード用に限らずカード体の種類は問わない。
【0043】
また、識別符号として、シリアル番号とバーコードとを併用するものについて説明したが、いずれか一方のみでもよく、また、符号の形態としては番号やバーコード以外の形態であってもよい。
【0044】
また、カード送付用台紙を1枚の厚紙から作成する例について説明したが、折り曲げ部の部位で分離し、複数枚の厚紙から作成してもよい。
【0045】
また、厚さ4mm程度の厚紙や樹脂成形品により折り曲げることなく、かつ接着することなくカード送付用台紙を作成することも可能である。また、その厚さも4mm程度よりも薄いものであっても厚いものであってもよい。
【0046】
また、カードを保持させる手段として、凹部、一対の切り込みについて説明したが、その他の手段例えば粘着テープによる手段であってもよい。
【0047】
また、カバー部8Aは必須ではないが、カバー部8Aを設け折り畳むことにより、カードが両面から挟まれるから、外力に対してカードが保護される。また、実施例1−実施例4においても、実施例5で説明したシール20による仮着を追加してもよい。
【0048】
また、実施例1において、一対の係止片12,12を設ける例について説明したが、カードの移動を規制する機能を果たすためには、1つの係止片であっても良い。なお、開口11における対向する2つの辺の内、一方の辺のみに係止片を設けることが、カードの挿入性の観点から好ましい。
【0049】
また、カードは、初期登録前からユーザとの関係が一意に決められてはいないものについて説明したが、カードにユーザ名等が印字乃至エンボス加工されているものであってもよい。この場合には、例えば、カード台紙にカードを保持した後に、カード台紙の裏面側からカードの識別符号を読み取り、また宛先及び識別符号が印字された書類の識別符号を読み取り、両識別符号のマッチングをするような形態で利用できる。
【0050】
また、カード台紙の裏面側から読み取り可能な領域として、開口10を例に説明したが、必ずしも開口である必要はない。例えば、実施例1において、外側本体部8Bを厚紙に代えて樹脂シートにより形成し、少なくとも識別符号4と対向する部位を透光性を有するものとしても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 パスワードカード(カード体)
1R トークン(カード体)
4 識別符号
7 カード送付用台紙(カード台紙)
10 開口(読み取り可能な領域)
11、11R 凹部
12 係止片(規制部)
16 スリット(規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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図16
図17