【実施例1】
【0024】
本発明によるゴルフ用支援端末の実施例1を
図1〜
図7に基づき説明する。
図3において、コンピュータとしてのCPU10は、接続された各装置間を統括制御するとともに、各地点までの距離、各地点からグリーンまでの距離、各地点の座標などの算出を行う。
記憶装置11は、フラッシュメモリなどのROM,RAM,HDD等からなり、地点データ部17と,ラインデータ部18と,エリアデータ部19と,特定情報データ部20と,プログラムデータ部21等が記憶されている。
入力装置12は、ボタン、タッチパネル等からなり、操作開始から終了までの操作信号や各種データ等が入力される。
現在位置特定装置13は、アンテナ、受信機などを内蔵するGPSモジュール、通信モジュール等からなり、自局の位置を表す測位情報を取得する。
方位センサ14は、方位を算出し、加速度センサ15は、ゴルフ用支援端末の向いている方向を検出するもので、前記方位センサ14に含まれているものもある。これらの方位センサ14と加速度センサ15により方向指示手段30が構成される。
出力部16は、時計型のようにディスプレイが小形のウエアラブル型表示部22、ディスプレイがそれよりやや大形の小型携帯端末型表示部23からなり、さらに音声出力部24を具備することが望ましい。
【0025】
前記地点データ部17は、グリーンセンターgc、グリーンフロントgf、各種ハザード(例えば、バンカーやクリークの手前と奥、林・崖・OBなどの手前)その他の各地点の位置情報h1、h2,h3,h4、…を表すデータを記憶している。
前記ラインデータ部18は、
図2(c)に示すようなフェアウェイの略中心に何点か設定し、その間を結んだラインデータ18を記憶している。フェアウェイは、季節その他の理由で、広くなったり、狭くなったり、また、クリークで分断されたり、1つのホールに2つのフェアウェイがあったりするので、フェアウェイの形状に関係なく、セーフティエリアを想定し、その略中心に何点か設定し、その間を結んだラインデータ18とすることもできる。
エリアデータ部19は、面積をもったエリア(例えば、グリーン、フェアウェイ、ハザード(バンカー、クリーク、ペナルティゾーン等)等)の周縁部に複数の地点情報を設定し、これらの制御点から得られるN−1次曲線(ペジェ曲線)の他に、ポリゴンデータのような直線または曲線で囲まれた画像(区画)、ドットなどにより示される画像データなどであってもよい。
特定情報データ部20は、記憶装置11からの出力設定として、ハザードを表示するかどうか、音声出力を必要とするかなどの情報、また、そのプレーヤーのクラブ番手毎の飛距離、スライス、フックなどの特性などが特定情報データとして記憶される。
出力部16は、
図6(a)に示すような表示内容の少ないウエアラブル型端末25と、(b)に示すような表示内容の多い小型携帯型端末26がある。また、これらの端末に音声出力部24を内在してもよい。この出力部16には、液晶型、カラーディスプレー型等があり、さらにバイブレータを有するものとすることができる。
【0026】
本発明の作用を図面に基づき説明する。
図1において、ティインググラウンドt1で第1打を打ち、ボールは、フェアウェイを外れて停止した位置がb1とする。プレーヤーが本発明のゴルフ用支援端末9を携行してb1地点に到達したものとする。以下、
図4に示すフローチャートにより説明する。
(1)現在地から向いている方向にあるオブジェクト(ライン、エリア)の検出手順を説明する。
(2)b1地点に到達すると、記憶装置11の地点データ部17からそのコースの地点データを、ラインデータ部18からラインデータを、エリアデータ部19からエリアデータをそれぞれ取得する。即ち、当該コースのデータを取得する。
(3)GPSなどの現在位置特定装置13によってb1における現在位置情報をゴルフ用支援端末9に取得する。
【0027】
(4)方向指示手段30の方位センサ14によってb1における方位情報を得、かつ、加速度センサ15によって端末向き情報を得る。この端末向き情報は、
図6(a)又は(b)に示すようにウエアラブル型端末25からなる端末本体29または小型携帯型端末26からなる端末本体29を目的の方向に向けることで取得できる。この端末本体29の向き情報を得るには、その他に、
図7(a)に示すように、小型携帯型端末26の端末本体29に設けたのぞき窓27の中心点を目的の地点に合わせることで得ることもできるし、また、(b)に示すように、端末本体29の側辺部に形成した方位スリット28を目的の方向に向けることで取得することができる。
(5)取得した位置情報、端末向き・方位情報、地点データ部17とラインデータ部18とエリアデータ部19などのコースデータにて現在地からの各距離と端末9の方位の先のオブジェクトの交点の有無をCPU10で算出する。
【0028】
(6)〜(14)までのループは、対象ホール内のオブジェクトの数だけ繰り返す。本発明のゴルフ用支援端末9が
図1におけるA方向、B方向、C方向に向けている場合を想定してそれぞれについて説明する。
(7)「端末の向いている方向の直線上に交点はあるか?」を判断する。
・A方向の場合:
A方向がグリーンセンターgc方向であって、エリア又はラインとの交点がなく、各地点の位置情報グリーセンターgcのみであるから、この判断はnoとなり、ボール位置b1からグリーセンターgcのでの距離(例えば、220ヤード)を算出し、(14)の「ループ終了か?」に移行する。
・B方向及びC方向の場合:
「エリア又はラインとの交点があるか?」がyesとなって次の工程に移行する。
(8)B方向及びC方向の場合には、「オブジェクトは、エリアデータか?」がyesとなって、(9)の工程に移行する。エリアデータは、メモリ容量が大きいので、特に、
図5(b)で示す小型携帯型端末26の場合に好適である。
【0029】
(9)エリアのもう一点の交点を算出し、端末の向きの方向にあるエリアの手前、奥及びこれらから算出した中央の各地点と距離を算出する。例えば、B方向の場合、
図2(b)に示すように、手前(b31)まで95,奥(b32)まで145,中央(b3)まで120ヤードのように算出する。C方向の場合、同じく
図2(b)に示すように、手前(b21)まで80,奥(b22)まで120,中央(b2)まで100ヤードのように算出する。
(10)プレーヤーが地点b1にいる時点で、前工程で算出したエリアの手前、奥及び中央の各地点からグリーンセンターgcまでの距離を算出する。例えば、B方向の場合、b3からグリーンまで104ヤード、C方向の場合、b2からグリーンまで184ヤードを算出する。
【0030】
(11)エリアの手前、中央、奥の地点のウエアラブル型表示部22又は小型携帯型表示部23での表示上の座標を算出する。
(12)前記工程(8)において、「オブジェクトは、エリアデータか?」がnoの場合、即ち、オブジェクトがラインデータである場合、端末本体29の向きの方向にあるライン上の地点と距離を算出し、この地点からグリーンセンターgcまでの距離を算出する。例えば、B方向の場合、
図2(c)に示すように、b3からグリーンまで104ヤード、C方向の場合、b2からグリーンまで184ヤードを算出する。ラインデータは、メモリ容量が小さいので、特に、
図5(c)で示すウエアラブル型端末25の場合に好適である。
(13)ラインと交点の表示上における座標を算出する。
【0031】
(14)表示上の座標を算出すると、「ループ終了か?」が判断される。前記(10)及び(12)工程で算出した地点からグリーンまでの距離を算出するが、算出した地点からグリーンまでの間にハザード等があったときは、noとなり、前記(6)の工程に戻り、(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)の工程を繰り返し、各地点からハザードのエリアデータの手前、奥及び中央の各地点までの距離を算出する。例えば、C方向の場合、グリーンまで184、ハザード奥まで152,ハザード手前まで132ヤードのように算出する。これらの算出値は、ウエアラブル型表示部22又は小型携帯型表示部23でのハザードエリアの手前、中央、奥の地点の表示上の座標点として算出される。
(15)前記工程(14)で「ループ終了か?」がyesになると、結果出力処理に移行する。
【0032】
図5に基づき、結果出力処理を説明する。
(16)記憶装置11の特定情報データ部20から出力設定、プレーヤーの飛距離などの予め、又は、プレー毎に記憶した特定情報を参照する。
(17)「端末の方向に交点のあるオブジェクトがあったか?」が判断される。
図1の例では、A方向は、地点データがあってもエリアやラインとの交点がないのでno、B方向及びC方向は、エリアやラインとの交点があるのでyesとなる。
(18)A方向(no)の場合、現在地からグリーン及び各種ハザードまでの距離を出力対象とする。
図1の例では、グリーンセンターgcまで220ヤード、グリーンフロントgfまで196ヤードのように表示される。
(19)「端末の方向から設定の距離や角度(例えば残り200ヤードで中心角約3度)内にグリーンがあるか?」が判断される。この工程でyesの場合とは、前記(17)の工程で端末の方向に交点のあるオブジェクトがある場合であって、かつ、設定角度内にグリーンがある例えば、
図2(a)のような場合が相当する。グリーンまでの間にハザード(エリアデータ)があるような場合には、ハザードの手前、奥、中央などの各地点までの距離とグリーンセンターgcとgfグリーンフロントgfまでの距離が表示される。
【0033】
(20)
図2(a)において、対象となるオブジェクトに特定情報を加味して、ハザードエリアの場合は、手前(b3)と奥(b4)までの、また、ライン18の場合には、その交点(b2)までの現在地点(b1)からの距離を出力する。
(21)前記工程(19)において、「端末本体29の方向から設定の角度内にグリーンがあるか?」がnoの場合(
図1のB方向とC方向)、対象となるオブジェクトに特定情報を加味して、セーフティエリアの場合は中心を、ラインの場合は交点をセーフティ地点とする。具体的には、
図2(b)に示すように、セーフティエリア19の場合は、B方向を向いているときには、エリア19の手前(b31)と奥(b32)から中心地点(b3)をセーフティ地点として算出する。C方向を向いているときには、エリア19の手前(b21)と奥(b22)から中心地点(b2)をセーフティ地点とする。また、
図2(c)に示すように、セーフティライン18の場合は、B方向を向いているときには、ライン18との交点(b3)をセーフティ地点とし、C方向を向いているときには、ライン18との交点(b3)をセーフティ地点とする。
【0034】
(22)現在地点(b1)からセーフティ地点(b2)及び(b3)までの距離を出力とする。
図1の例では、B方向を向いているときには、現在地点(b1)から中心地点(b3)までの距離120ヤードを出力する。また、C方向を向いているときには、現在地点(b1)から中心地点(b2)までの距離100ヤードを出力する。
(23)セーフティ地点からグリーンまでの距離を出力する。セーフティ地点座標(b3及びb2)は、前記工程(21)で算出され、かつ、グリーンの地点データ17は、予め記憶装置11に記憶されているので、ボールが地点b1にある時点で、セーフティ地点座標(b3及びb2)からグリーンセンターgcまでの距離は算出され出力される。
【0035】
(24)結果を表示する。前記工程(18)による距離、前記工程(20)による距離、前記工程(23)による距離は、出力部16のウエアラブル型表示部22又は小型携帯型表示部23で表示される。また、必要に応じて音声出力部24で、音声にて出力する。例えば、
図6(b)の場合、「グリーンセンターまで220ヤード、フロントまで196ヤード、前方114ヤードに林があります。林越え142ヤードです。」等の音声が出力される。
【0036】
記憶装置11の特定情報データに基づき、表示部22または23での表示は、プレーヤーの飛距離で届く範囲のハザードを優先度高く案内することがより好ましい。