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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)コンジュゲートベースのプロドラッグがナノ粒子であり;前記ナノ粒子が、必要に応じて、1nm〜1000nmのサイズである;または(ii)前記プロドラッグが、リポソーム、高分子ナノ粒子、ナノエマルジョン、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、固体脂質ナノ粒子、ナノ構造液晶、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるナノ粒子中に製剤化され;前記ナノ粒子が、必要に応じて、20nm〜500nmのサイズである、請求項1に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
前記リンカーが、エステラーゼによって切断され;かつ前記エステラーゼが、必要に応じて、リパーゼである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
前記リンカーが、マラセチア(Malassezia)真菌由来のリパーゼによって切断され、かつ前記真菌が、必要に応じて、マラセチア属の複数種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
前記コンジュゲートベースのプロドラッグがP.アクネス(P.acnes)に対して有効である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
前記担体が、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデカン酸、およびアダパレンからなる群より選択される脂肪酸である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
前記脂質が、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセロ脂質(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)、リン脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、糖脂質、ポリケチド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項15に記載のナノ粒子。
前記脂質が、グリセリルトリパルミテート(Tripalm)、Ceteth−10、卵レシチン、ダイズレシチン、グリセリルモノカプリレート(Capmul MCM C8 EP)、Capmul MCM C10、グリセロールトリカプリレート/カプレート(CAPTEX(登録商標)355 EP/NF)、グリセロールジステアレート(I型)EP(Precirol ATO 5)、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メシリン酸、ヘナトリアコンチル酸、ラッセル酸、フィリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、α−リノレン、ステアリドン、エイコサペンタエン、ドコサヘキサエン、リノール、γ−リノレン、ジホモ−γ−リノレン、アラキドン、オレイン、エライジン、エイコセン、エルカ、ネルボン、ミード、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデセン酸、ホスファチジン酸(ホスファチジデート、PA)、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン、PE)、ホスファチジルコリン(レシチン、PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールホスフェート(PIP)、ホスファチジルイノシトールビスホスフェート(PIP2)、ホスファチジルイノシトールトリホスフェート(PIP3)、セラミドホスホリルコリン(スフィンゴミエリン、SPH)、セラミドホスホリルエタノールアミン(スフィンゴミエリン、Cer−PE)、セラミドホスホリルグリセロール、コレスタン、コラン、プレグナン、アンドロスタン、エストラン、コレステロール、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エライドリノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘネイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、クルイチルアルコール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール、メリシルアルコール、1−ドトリアコンタノール、ゲジルアルコール、セテアリルアルコール、プロピレングリコールジカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート、飽和脂肪アルコールC12−C18のカプリル酸/カプリン酸エステル、プロピレングリコールジカプリロカプレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート/ジカプレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセロールトリカプリレート/カプレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリカプリレート、トリオレイン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項15または16に記載のナノ粒子。
有効量の、請求項1〜13のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグを含み;薬学的な剤または局所剤を必要に応じてさらに含む、パーソナルケア組成物。
(i)前記薬学的な剤または局所剤が、加齢によるしみ、角質繊維およびしわを改善するかまたは根絶するもの;局所の鎮痛薬および麻酔薬;抗ざ瘡剤;抗菌剤;抗酵母剤;抗真菌剤;抗ウイルス剤;フケ防止剤;抗皮膚炎剤;抗ヒスタミン剤;かゆみ止め剤;制吐剤;鎮暈剤;抗炎症剤;抗過角質溶解剤(antihyperkeratolytic agent);制汗剤;抗乾癬剤;抗脂漏剤;ヘアコンディショナーおよびヘアトリートメント剤;老化防止剤および抗しわ剤;日焼け止めおよびサンスクリーン剤;皮膚美白剤;脱色素剤;ビタミン;コルチコステロイド;日焼け剤;湿潤剤;ホルモン;レチノイド;歯周病またはオーラルケア剤;局所心血管剤;魚の目、たこ、およびいぼの除去剤;脱毛剤;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される;あるいは(ii)前記薬学的な剤または局所剤が、アゼライン酸、トリクロサン、α−ヒドロキシ酸、グリコール酸、マンデル酸、β−ヒドロキシ酸、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、ラクトビオン酸、ガラクトース、グルコン酸、アダパレン、アバカビル、アセブトロール、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセタゾラミド、アセトヒドロキサミン酸、アセチルサリチル酸、アシトレチン、アクロベート、アクリバスチン、アクティク、アシクロビル、アダパレン、アデフォビルジピボキシル、アデノシン、アルブテロール、アルフゾシン、アロプリノール、アロキサンチン、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アルプレノロール、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、クロロ水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アマンタジン、アミロライド、アミナクリン、アミノ安息香酸(PABA)、アミノカプロン酸、アミノサリチル酸、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモカルジン、アモジアキン、アモロルフィン、アモキサピン、アンフェタミン、アンピシリン、アナグレリド、アナストロゾール、アントラリン、アポモルフィン、アプレピタント、アルブチン、アリピプラゾール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトロピン、アザチオプリン、アゼライン酸、アゼラスチン、アジスロマイシン、バシトラシン、ジプロピオン酸ベクロメタソン、ベメグリド、ベナゼプリル、ベンドロフルメチアジド、ベンゾカイン、ベンゾナテート、ベンゾフェノン、ベンズトロピン、ベプリジル、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブリモニジン、ブロムフェニラミン、ブピバカイン、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブリマミド、ブテナフィン、ブトコナゾール、カベルゴリン、コーヒー酸、カフェイン、カルシポトリエン、カンファー、カンデサルタンシレキセチル、カプサイシン、カルバマゼピン、セフジトレンピボキシル、セフェピム、セフポドキシムプロキセチル、セレコキシブ、セチリジン、セビメリン、キトサン、クロルジアゼポキシド、クロルヘキシジン、クロロキン、クロロチアジド、クロロキシレノール、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、クロルプロパミド、シクロピロックス、シロスタゾール、シメチジン、シナカルセット、シプロフロキサシン、シタロプラム、クエン酸、クラドリビン、クラリスロマイシン、クレマスチン、クリンダマイシン、クリオキノール、プロピオン酸クロベタゾール、クロミフェン、クロニジン、クロピドグレル、クロトリマゾール、クロザピン、コカイン、コデイン、クロモリン、クロタミトン、シクリジン、シクロベンザプリン、シクロセリン、シタラビン、ダカルバジン、ダルホプリスチン、ダプソン、ダプトマイシン、ダウノルビシン、デフェロキサミン、デヒドロエピアンドロステロン、デラビルジン、デシプラミン、デスロラタジン、デスモプレシン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニダート、デクスラゾキサン、デクストロアンフェタミン、ジアゼパム、ジサイクロミン、ジダノシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジルチアゼム、6,8−ジメルカプトオクタン酸(ジヒドロリポ酸)、ジフェンヒドラミン、ジフェノキシレート、ジピリダモール、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドネペジル、ドーパエステル、ドーパミニド、ドーパミン、ドルゾラミド、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドキシラミン、ドキシピン、デュロキセチン、ジクロニン、エコナゾール、エフロルムチン、エレトリプタン、エムトリシタビン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エピニン、エピルビシン、エプチフィバチド、エルゴタミン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、エスモロール、エソメプラゾール、エスタゾラム、エストラジオール、エタクリン酸、エチニルエストラジオール、エチドカイン、エトミダート、ファムシクロビル、ファモチジン、フェロジピン、フェンタニル、フェルラ酸、フェキソフェナジン、フレカイニド、フルコナゾール、フルシトシン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、5−フルオロウラシル、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、ホルモテロール、フロセミド、ガラクタロラクトン、ガラクトン酸、ガラクトノラクトン、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲミフロキサシン、グリコール酸、グリセオフルビン、グアイフェネシン、グアネチジン、N−グアニルヒスタミン、ハロペリドール、ハロプロジン、ヘキシルレゾルシノール、ホマトロピン、ホモサレート、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-アセタート、ヒドロコルチゾン17-ブチラート、ヒドロコルチゾン17-バレラート、ヒドロモルフォン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエーテル、ヒドロキシジン、ヒヨスシアミン、ヒポキサンチン、イブプロフェン、イクタモール、イダルビシン、イマチニブ、イミプラミン、イミキモド、インジナビル、インドメタシン、イルベサルタン、イリノテカン、イソエタリン、イソプロテレノール、イトラコナゾール、カナマイシン、ケタミン、ケタンセリン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、コウジ酸、ラベタロール、乳酸、ラクトビオン酸、ラミブジン、ラモトリジン、ランソプラゾール、レトロゾール、ロイプロリド、レバルブテロール、レボフロキサシン、リドカイン、リネゾリド、ロベリン、ロペラミド、ロサルタン、ロキサピン、リゼルギン酸ジエチルアミド、マフェニド、リンゴ酸、マルトビオン酸、マンデリン酸、マプロチリン、メベンダゾール、メカミルアミン、メクリジン、メクロサイクリン、メマンチン、メンソール、メペリジン、メピバカイン、メルカプトプリン、メスカリン、メタネフリン、メタプロテレノール、メタラミノール、メトホルミン、メタドン、メタンフェタミン、メトトレキサート、メトキサミン、メチルドーパエステル、メチルドーパミド、3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン、メチル乳酸、ニコチン酸メチル、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチアミド、メトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、メキシレチン、ミコナゾール、ミダゾラム、ミドドリン、ミグルスタット、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミトキサントロン、モエキシプリラート、モリンドン、モノベンゾン、モルフィン、モキシフロキサシン、モキソニジン、ムピロシン、ナドロール、ナフチフィン、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナプロキセン、ネファゾドン、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネビラピン、ニカルジピン、ニコチン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニザチジン、ノルエピネフリン、ニスタチン、オクトパミン、オクトレオチド、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オフロキサシン、オランザピン、オルメサルタンメドキソミル、オロパタジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オキシコナゾール、オキソトレモリン、オキシベンゾン、オキシブチニン、オキシコドン、オキシメタゾリン、パジメートO、パロノセトロン、パントテン酸、パントイルラクトン、パロキセチン、ペモリン、ペンシクロビル、ペニシラミン、ペニシリン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペントスタチン、ペントキシフィリン、ペルゴリド、ペリンドプリル、ペルメトリン、フェンシクリジン、フェネルジン、フェニラミン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェノール、フェノキシベンザミン、フェントラミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、フィゾスチグミン、ピロカルピン、ピモジド、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピパマジン、ピペロニルブトキシド、ピレンゼピン、ポドフィロックス、ポドフィリン、プラミペキソール、プラモキシン、プラゾシン、プレドニゾン、プレナルテロール、プリロカイン、プロカインアミド、プロカイン、プロカルバジン、プロマジン、プロメタジン、プロピオン酸プロメタジン、プロパフェノン、プロポキシフェン、プロプラノロール、プロピルチオウラシル、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、ピレトリン、ピリラミン、ピリメタミン、クエチアピン、キナプリル、キネタゾン、キニジン、キヌプリスチン、ラベプラゾール、レセルピン、レソルシノール、レチナール、13−シスレチノイン酸、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、リバビリン、リボン酸、リボノラクトン、リファンピン、リファペンチン、リファキシミン、リルゾール、リマンタジン、リセドロン酸、リスペリドン、リトドリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロピニロール、ロピバカイン、サリチルアミド、サリチル酸、サルメテロール、スコポラミン、セレギリン、セレニウムスルフィド、セロトニン、セルチンドール、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、ソタロール、ストレプトマイシン、ストリキニーネ、スルコナゾール、スルファベンズ、スルファベンズアミド、スルファブロモメタジン、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファグアノール、スルファレン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファニルアミド、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファサラジン、スルファソミゾール、スルファチアゾール、スルフィソキサゾール、タダラフィル、タムスロシン、酒石酸、タザロテン、テガセロール、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモゾロミド、テノフォビルジソプロキシル、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルコナゾール、テルフェナジン、テトラカイン、テトラサイクリン、テトラヒドロゾリン、テオブロミン、テオフィリン、チアベンダゾール、チオリダジン、チオチキセン、チモール、チアガビン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チロフィバン、チザニジン、トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、トルブタミド、トルナフテート、トルテロジン、トラマドール、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサセトニド、トリアムテレン、トリアゾラム、トリクロサン、トリフルプロマジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、トロメタミン、トロパ酸、チラミン、ウンデシレン酸、尿素、ウロカニン酸、ウルソジオール、バルデナフィル、ベンラファキシン、ベラパミル、ビタミンEアセテート、ボリコナゾール、ワーファリン、キサンチン、ザフィルルカスト、ザレプロン、ジンクピリチオン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
(i)抗酸化剤、防腐剤、充填剤、界面活性剤、UVAおよび/またはUVBサンスクリーン、香料、増粘剤、加湿薬、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー、粘度安定剤/泡安定剤、乳白剤/光沢剤、封鎖剤、安定化剤、ヘアーコンディショニング剤、湿潤剤、帯電防止剤、凍結防止剤、緩衝剤、色素、顔料、炭化水素、エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、乳化剤、粘度調整剤、シリコーン系の材料、界面活性剤、エモリエント、保湿剤、安定剤、塗膜形成物質、香料、着色剤、キレート剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、防水剤、乾燥感調整剤(dry feel modifiers)、ビタミン、植物抽出物、ヒドロキシ酸、有機サンスクリーン剤、無機サンスクリーン剤、ペプチド系の無機サンスクリーン剤、およびサンレスタンニング剤からなる群より選択される、少なくとも1つの化粧品原料またはアジュバントをさらに含む;あるいは(ii)必要に応じて、シャンプー、コンディショナー、リンス、ローション、エアロゾル、ゲル、ムース、および毛髪染料からなる群より選択されるヘアケア組成物である;あるいは(iii)ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、クレンジング洗浄液、クレンジング固体バー、ペースト、フォーム、粉末、シェービングクリームおよびワイプからなる群より選択されるスキンケア組成物である、請求項20に記載のパーソナルケア組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本明細書に記載されるのは、少なくとも1種の抗真菌剤または抗菌剤と、少なくとも1つの担体とを、直接またはリンカーを介してカップリングさせることによって形成される、新規なコンジュゲートベースの抗真菌性および/または抗菌性プロドラッグである。また本明細書には、コンジュゲートされていない抗真菌剤または抗菌剤と脂質とを含むナノ粒子も記載されている。
【0020】
本明細書に記載される組成物(例えば、コンジュゲートベースの抗真菌性または抗菌性組成物、これらを含むナノ粒子、ならびにコンジュゲートされていない抗真菌剤または抗菌剤および脂質を含むナノ粒子)は、真菌感染または細菌感染の処置に用いられ得る。本明細書に記載される組成物は、局所性に(例えば、局所に)与えられてもよいし、または全身的に与えられてもよい。
【0021】
本明細書に記載される組成物は、パーソナルケア組成物、例えば、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物中で用いられてもよい。これらのパーソナルケア組成物は、フケを処置または予防するために用いられてもよい。本明細書に記載される組成物はまた、ざ瘡を処置または予防するためのスキンケア組成物中に用いられてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、真菌感染または細菌感染を処置するために用いられてもよい。例えば、本明細書に記載の組成物は、口腔カンジダ症/膣カンジダ症、白癬(身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、および水虫)、爪感染、耳感染などを処置するために用いられてもよい。
【0022】
一部の実施形態では、上記コンジュゲートベースのプロドラッグは、以下の一般式:
AFA−X−L
を有し、式中、
AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、
Lは、担体であり、
Xは、リンカーである。
【0023】
一部の実施形態では、コンジュゲートベースの抗真菌性または抗菌性プロドラッグは以下の一般式:
AFA−X−AFA
を有し、式中、
AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、
Xは、リンカーである。
【0024】
理論によって束縛されることは望まないが、本発明のコンジュゲートされたプロドラッグは、コンジュゲートされていない抗真菌剤および/または抗菌剤と比較して多数の利点を与える。例えば、ナノ粒子中へコンジュゲートされたプロドラッグを処方することによって、皮膚または頭皮の隙間によりよく捕捉されることが可能になる。これによって次に、皮膚および/または頭皮上での保持時間の向上が可能になり、活性剤を少量にすることおよびバイオアベイラビリティを向上することが可能になる。このリンカーおよび/または担体は、相乗効果を与え得る。さらに、このリンカーおよび/または担体は、浸透を増強させ得る。このコンジュゲートされたプロドラッグはまた、抗真菌剤または抗菌剤の徐放性の放出を引き起こし得、これによって良好な薬物動態が得られる。
【0025】
ナノ粒子
コンジュゲートベースのプロドラッグおよびコンジュゲートされていない抗真菌剤または抗菌剤は、粒子、例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子中に製剤化され得る。粒子中への、コンジュゲートベースのプロドラッグまたはコンジュゲートされていない薬物の処方は、有利であり得る。例えば、粒子は、皮膚または頭皮の隙間にさらに良好に捕捉され得、これによって、持続性の長時間作用効果が得られる。従って、従来の抗真菌および抗菌剤と比較して、使用する抗真菌剤または抗菌剤の濃度を低くすることが可能である。
【0026】
本明細書において用いる場合、「ナノ粒子」という用語は、サイズが、10
−9、すなわち10億分の1メートルのオーダーであり、10
−6、すなわち100万分の1メートル未満である粒子を指す。「ナノ粒子」という用語は、ナノスフェア;ナノロッド;ナノシェル;およびナノプリズムを包含する。また、これらのナノ粒子は、ナノネットワークの一部であってもよい。「ナノ粒子」という用語はまた、リポソームおよび脂質の粒子(ナノ粒子のサイズを有する)を包含する。この粒子は、例えば、単分散または多分散であってもよく、所定の分散の粒子の直径の変動は、例えば、約0.1nm〜100nmという粒径で変化してもよい。
【0027】
限定するものではないが、(1)ポリマーまたは他の材料から形成されるナノ粒子であって、ここにコンジュゲートベースのプロドラッグが吸収/吸着するか、またはナノ粒子コア上にコーティングを形成するナノ粒子;(2)コンジュゲートベースのプロドラッグによって形成されるコアから形成されるナノ粒子であって、ポリマーまたは他の材料でコーティングされるナノ粒子;(3)ポリマーまたは他の材料から形成されるナノ粒子であって、ここにコンジュゲートベースのプロドラッグが共有結合されるナノ粒子;(4)コンジュゲートベースのプロドラッグおよび他の分子から形成されるナノ粒子;(5)コンジュゲートベースのプロドラッグとナノ粒子の構成要素または他の非薬物物質との概して均一な混合物を含むように形成されたナノ粒子;(6)コンジュゲートベースのプロドラッグのコア上にコーティングを有する純粋な薬物または薬物混合物のナノ粒子;ならびに(7)コンジュゲートベースのプロドラッグから全体として構成されるナノ粒子、の少なくとも7種のナノ粒子が処方できる。上記は、コンジュゲートされたプロドラッグに関して考察されるが、コンジュゲートされていない抗菌剤または抗真菌剤を有する同様の種類のナノ粒子もまた調製されてもよい。
【0028】
一部の実施形態では、ナノ粒子は、約1nm〜約1000nm、約50nm〜約500nm、約100nm〜約250nm、または約200nm〜約350nmのサイズである。一実施形態では、このナノ粒子は、約100nm〜約1000nmである。別の実施形態では、このナノ粒子は、サイズが約80nm〜約200nmのサイズである。一実施形態では、ナノ粒子は、サイズ約50nm〜約500nmのサイズである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約158nm、約218nm、または約305nmのサイズである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約337nm、約526nm、約569nm、約362nm、約476nm、約480nm、約676nm、約445nm、約434nm、約462nm、約492nm、約788nm、約463nm、または約65nmのサイズである。
【0029】
本明細書に記載のナノ粒子は通常は、多分散性指数(PdI)によって測定される狭いサイズ分布を有する。本明細書において用いる場合、「多分散性指数」とは、サンプルの分布の広さの指標であり、典型的には、当業者によって公知であるように、相関減衰率分布の相対的な分散として規定される。キュムラント径および多分散性の考察については、B J.Fisken,「Revisiting the method of cumulants for the analysis of dynamic light−scattering data」,Applied Optics,40(24),4087〜4091(2001)を参照のこと。一般には、本明細書に記載されるナノ粒子の多分散性は、約0.8未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子の多分散性は、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、約0.25未満、約0.2未満、約0.15未満、約0.1未満、または約0.05未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子の多分散性は、約0.072、約0.1、約0.149、または約0.236、約0.165、約0.221、約0.177、約0.213、約0.264、約0.241、約0.251、約0.273、約0.211、約0.181、約0.249、約0.298、約0.348、または約0.282である。
【0030】
限定するものではないが、ナノ粒子は、本明細書に記載のプロドラッグコンジュゲートまたはコンジュゲートされていない薬物に加えて他の構成要素を含んでもよい。例えば、ナノ粒子は、1つ以上のポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両親媒性ポリマー、界面活性剤、脂質、リン脂質、カチオン性脂質、両親媒性脂質、賦形剤などを含んでもよい。ナノ粒子中に存在する場合、追加の成分の各々は、そのナノ粒子の総重量の約0.01%〜約90%、例えば、約0.01%〜約80%、約0.01%〜約70%、約0.01%〜約60%、約0.01%〜約50%、約0.01%〜約40%、約0.01%〜約30%、約0.01%〜約25%の範囲の量で存在してもよい。組成物の量は、リポソームまたはエマルジョン中の第二の成分の量に依存することが理解されるべきである。
【0031】
一部の実施形態では、追加の成分は、ステアリン酸−PEG−ステアリン酸またはレシチンである。
【0032】
ナノ粒子に添加され得る界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性および非イオン性の界面活性剤のいずれであってもよい。アニオン性界面活性剤の例としては、脂肪エステル、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムおよび半硬化性牛脂 脂肪酸ナトリウム;アルキル硫酸塩、例えば、硫酸ドデシルナトリウム、硫酸ドデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムおよび硫酸オクダデシルナトリウム;ベンゼンスルホン酸塩、例えば、ベンゼンスルホン酸ノニルナトリウム、ベンゼンスルホン酸ドデシルナトリウム、ベンゼンスルホン酸オクタデシルナトリウムおよびジスルホン酸ドデシルジフェニルエーテルナトリウム;ナフタレンスルホネート、例えば、ナフタレンスルホン酸ドデシルナトリウムおよびナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;スルホコハク酸塩、例えば、スルホコハク酸ジドデシルナトリウムおよびスルホコハク酸ジオクタドデシルナトリウム;硫酸ポリオキシエチレン、例えば、硫酸ポリオキシエチレンドデシルエーテル、トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニアポリオキシエチレンドデシルエーテルサルフェート、硫酸ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルサルフェートナトリウムおよび硫酸ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルナトリウム;ならびに硫酸塩、例えば、硫酸ドデシルカリウムおよび硫酸オクタデシルナトリウムが挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、例えば、オクタデシルアンモニウムアセテートおよびやし油アミンアセテート;ならびに四級アンモニウム塩、例えば、ドデシルトリメチル塩化アンモニウム、オクタデシルトリメチル塩化アンモニウム、ジオクタデシルジメチル塩化アンモニウムおよびドデシルベンジルジメチル塩化アンモニウムが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン、例えば、ドデシルベタインおよびオクタドデシルベタイン;ならびにアミンオキシド、例えば、ドデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルおよびポリオキシエチレン(9−オクタデセニル)エーテル;ポリオキシエチレンフェニルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;オキシランポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンドデカン酸エステル、ソルビタンヘキサデカン酸エステル、ソルビタンオクタデカン酸エステル、ソルビタン(9−オクタデセン)酸エステル、ソルビタン(9−オクタデセン)酸トリエステル、ポリオキシエチレンソルビタンドデカン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンヘキサデカン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオクタデカン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオクタン酸トリエステル、ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタデセン)酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタデセン)酸トリエステル;ソルビトール脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビトール(9−オクタデセン)酸テトラエステル;グリセリン脂肪酸エステル、例えば、グリセリンオクタデカン酸エステルおよびグリセリン(9−オクタデセン)酸エステル;ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、例えば、ポロキサマー(商品名PLURONIC(登録商標)(BASF)として市販されている)が挙げられる。
【0033】
適切な市販の両性界面活性剤としては、限定するものではないが、MIRANOL(登録商標)HMAナトリウムラウロアンホアセテート(固体38%)およびMIRANOL(登録商標)ULTRA L32ナトリウムラウロアンホアセテート(Rhodia Novecare (Cranbury,N.J.)から入手可能)が挙げられる。適切な市販の直鎖状アルコールエトキシレートとしては、限定するものではないが、SURFONIC(登録商標)L12−6(6モルの直鎖のエトキシレート、主に10〜12個の炭素数のアルコール)(Huntsman Performance Products(The Woodlands,Tex.)から入手可能)が挙げられる。適切な市販のアルキル硫酸塩としては、限定するものではないが、POLYSTEP(登録商標)B−29ナトリウムオクチルサルフェート(Stepan Company(Northfield,111.)から入手可能)が挙げられる。適切な市販の非イオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、オキソ−アルコールポリグリコールエーテル、例えば、GENAPOL(登録商標)UD 070 CI 1−オキソ−アルコールポリグリコールエーテル(7EO)(Clariant Corporation (Cranbury,N.J.)から入手可能)が挙げられる。適切な市販の直鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸およびそれらの塩としては、限定するものではないが、NAXSOFT(登録商標)98Sドデシルベンゼンスルホン酸およびNAXSOFT(登録商標)40Sスルホン酸ドデシルベンゼンナトリウム(Nease Corporate(Cincinnati,Ohio)から入手可能)が挙げられる。
【0034】
一部の実施形態では、界面活性剤は、PEG−35水素化キャスターオイル、Poloxamer 188、または硫酸ラウレスナトリウムである。
【0035】
賦形剤として機能し得る材料のいくつかの例としては、(1)糖、例えば、マンニトール、ラクトース、マルトース、グルコース、およびスクロース;(2)デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、硫酸ラウリルナトリウム、および滑石;(8)賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス;(9)オイル、例えば、ピーナツ油、綿実油、サブラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール(PEG);(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩液;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;(22)増量剤、例えば、ポリペプチドおよびアミノ酸(23)血清成分、例えば血清アルブミン、HDLおよびLDL;(22)C
2−C
12アルコール、例えばエタノール;ならびに(23)薬学的処方物中で使用される他の非毒性の適合性の物質が挙げられる。
【0036】
一部の実施形態では、賦形剤はマンニトールである。
【0037】
限定するものではないが、このコンジュゲートは、任意の種類のナノ粒子中に製剤化されてもよく、これには、限定するものではないが、リポソーム、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、高分子ナノ粒子、固体脂質ナノ粒子、ナノ構造液晶などが挙げられる。
【0038】
一部の実施形態では、このコンジュゲートされたプロドラッグまたはコンジュゲートされていない薬物は、リポソーム中に製剤化されてもよい。本明細書において用いる場合、「リポソーム」という用語は、単層であってもまたは二重層であってもよい脂質層によって囲まれる任意の区画を包含する。リポソームは膜型およびサイズにより特徴づけてもよい。リポソームはまた、当技術分野では脂質小胞とも呼ばれる。リポソームを形成するために、脂質分子は細長い無極性(疎水性)部分と極性(親水性)部分とを含む。分子の疎水性および親水性部分は、好ましくは細長い分子構造の2つの末端に位置する。このような脂質が、水中に分散するとき、ラメラまたは自己配列性小胞(self arranged vesicles)と呼ばれる二層の膜を自発的に形成する。ラメラは、脂質分子の2つの単層シートから構成され、これら単層シートの無極性(疎水性)表面は互いに面しており、その極性(親水性)表面は水性媒体に面している。脂質により形成される膜は、細胞の内容物を包む細胞膜と同様に、水相の一部を包む。従って、細胞膜内に存在するタンパク成分を保持しない細胞膜と、リポソームの二重層は類似している。
【0039】
本発明で使用されるリポソームは、好ましくは、組み合わされた場合比較的安定な小胞を形成する脂質から形成される。このようなリポソームを生成するために用いられ得る種々の膨大な脂質は、当該分野で公知である。好ましい脂質としては、限定するものではないが、天然の負に荷電されたリン脂質またはスフィンゴ脂質、および、ステロール、例えば、コレステロールが挙げられる。脂質の選択は一般には、例えば、パーソナルケア組成物中のリポソームのサイズおよび安定性を考慮して導かれる。
【0040】
リポソームは、単層の小胞を含み、これは単一の脂質層で構成されており、一般に直径が20〜100ナノメートルである。大きな単層小胞(LUVS)は、典型的には、100nmより大きく、これは多層リポソームを超音波処理することにより生成することができる。一部の実施形態では、リポソームは、20nm〜400nmの範囲の直径を有する。
【0041】
リポソームはさらに、1つ以上の追加の脂質および/または他の構成要素、例えば、ステロール、例えば、コレステロールを含んでもよい。脂質酸化を防ぐため、二重層を安定化するため、形成の間の凝集を低減するため、またはリポソーム表面に対して担体を結合するためなどの種々の目的のために、追加の脂質がリポソーム組成物中に含まれてもよい。任意の多数の追加の脂質、および/または他の構成要素が存在してもよく、これには、例としては、両親媒性、中性、カチオン性、アニオン性の脂質、およびプログラム可能な融合脂質が挙げられる。このような脂質および/または成分は、単独で用いられても、または組み合わせて用いられてもよい。
【0042】
リポソーム組成物は、当該分野で公知の種々の方法によって調製され得る。例えば、米国特許第4,235,871号;同第4,737,323号;同第4,897,355号;および同第5,171,678号;国際公開第1996/14057号および国際公開第1996/37194号;Felgner,P.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA(1987)8:7413〜7417,Bangham,ら、M.Mol.Biol.(1965)23:238,Olson,ら、Biochim.Biophys.Acta(1979)557:9、Szoka,ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1978)75:4194,Mayhew,ら、Biochim.Biophys.Acta(1984)775:169,Kim,ら、Biochim.Biophys.Acta(1983)728:339,およびFukunaga,ら、Endocrinol.(1984)115:757(それら全ての内容は参照によって本明細書に援用される)を参照のこと。
【0043】
一部の実施形態では、コンジュゲートされたプロドラッグまたはコンジュゲートされていない薬物は、エマルジョン中に製剤化されてもよい。本明細書において用いる場合、「エマルジョン」とは、1つの液体が液滴の形態で別の液体に分散される異種の系である。エマルジョンは、最初に混合され互いと分散される2つの非混和性の液相を含む二相の系である場合が多い。エマルジョンの相のいずれかは、半固体であってもまたは固体であってもよく、エマルジョン型の軟膏基剤およびクリームの場合も同様である。本コンジュゲートは、水相中の溶液で存在しても、油相で存在してもよく、またはそれ自体で、別の相として存在してもよい。
【0044】
一部の実施形態では、組成物は、ナノエマルジョンとして製剤化されてもよい。「ナノエマルジョン」という用語は、粒子がナノメートルスケールのサイズを有するエマルジョンを意味する。ナノエマルジョンはまた、熱動態的に安定な、2つの非混和性の液体の等方性の明瞭な分散(界面活性分子の界面膜によって安定化される)を含む。皮膚科学的、経口および非経口経路を介したエマルジョン処方物の適用、ならびにそれらの製造のための方法は、文献中に概説されており、例えば、Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,RiegerおよびBanker(編集),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199;Rosoff,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,RiegerおよびBanker(編集),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245;ならびにBlock,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,RiegerおよびBanker(編集),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.335(その全ての内容が、その全体が参照によって本明細書に援用される)を参照のこと。
【0045】
一部の実施形態では、コンジュゲートされたプロドラッグまたはコンジュゲートされていない薬物が、高分子ナノ粒子中で製剤化され得る。本明細書において用いる場合、「高分子ナノ粒子」という用語は、プロドラッグコンジュゲートが保持されるか、カプセル化されるか、または吸着されている担体系を指す。高分子ナノ粒子という用語は、ナノスフェアおよびナノカプセルを指して用いられ得る。ナノスフェアは、プロドラッグコンジュゲートが保持されるか、カプセル化されるか、または吸着されているポリマーマトリクスから構成されている。ナノカプセルは、核を囲んでいるポリマー容器から構成され、ここにプロドラッグコンジュゲートが核中に溶解されるか、保持されるかもしくは分散されてもよいし、および/またはポリマー壁に吸着されてもよい。
【0046】
全体として、高分子ナノ粒子の生成プロセスは、インサイチュの重合化の方法、または事前形成ポリマーを用いる方法のなかで分類され得る。ナノ粒子の調製に通常用いられるポリマーは、例えば、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチドグリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(アミド)、ポリ(無水物)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(エステル)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アセタール)、ポリ(セタール)、ポリ(カーボネート)、ポリ(オルトカーボネート)、分解性ポリ(ウレタン)、キチン、キトサン、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸塩)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(アルキレンシュウ酸塩)、ポリ(アルキレンコハク酸塩)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩−コ−ヒドロキシ吉草酸塩)、およびコポリマー、ターポリマー、酸化セルロース、またはこれらの材料の組み合わせもしくは混合物である。特に興味深いと証明されたいくつかのポリマーは、ポリ(e−カプロラクトン)(PCL、例えば、ポリ(E−カプロラクトン)65 Kd-Sigma Aldrich);メタクリル酸コポリマーおよびメタクリレートまたはアクリル系エステル(例えば、EUDRAGITS(登録商標));ポリ(アルキルメタクリレート);ポリ(メチルメタクリレート)(例えば、PMM)である。
【0047】
高分子ナノ粒子は、例えば、(i)モノマー(ラテックス)のインサイチュでの重合化、または事前形成ポリマー(シュードラテックスまたは人工ラテックス)の分散(De Jaeghere F ら、Nanoparticles:Mathiowitz E,編集.The Encyclopedia of Controlled Drug Delivery.New York,N.Y.:Wiley and Sons Inc;1999:641〜664ならびにCouvreur P,ら、Controlled drug delivery with nanoparticles:Eur J Pharm Biopharm.1995;41:2−13に記載);(ii)薬学的用途のためのエマルジョン−エバポレーションの方法(Gurny R,Peppas N A,Harrington D D,Banker G S.が最初に提唱、Development of biodegradable and injectable lattices for controlled release of potent drugs.Drug Dev Ind Pharm.1981、7:1−25(米国特許第4,177,177号に基づく)(ポリマーが、水に非混和性の揮発性有機溶媒に溶解されている)。有機溶液は、乳化剤およびオイル/水エマルジョン形成を容易にする因子を含む水相中に分散される;ならびに(iii)米国特許第5,049,322号でFessiらによって記載される事前形成ポリマーの界面沈着の方法(ナノ沈殿)、によって生成することができる。本段落に引用される全引用文献の内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0048】
ナノ粒子の調製のために用いられ得る有機溶媒としては、短鎖アルコール(メエタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、短鎖ケトン(アセトン、メチル−エチル−ケトンなど)、軽質炭化水素または軽質炭化水素の混合物(ヘキサン、石油エーテルなど)、低度に塩素化された炭化水素(クロロホルム、塩酸メチレン、トリヒドロクロエイドエチレンなど)、または他の共通の軽質溶媒、例えば、アセトニトリル、ジオキサンなどが挙げられる。アセトンは、特に興味深い溶媒である。
【0049】
通常は界面活性剤を用いて、貯蔵時の粒子の凝集を回避する。用いられ得る界面活性剤の例としては、レシチン、合成の、アニオン性(例えば、硫酸ラウリルナトリウム)、カチオン性(例えば、四級アンモニウム)、または非イオン性(例えば、ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン残基が有無、脂肪アルコールおよびポリエチレングリコールから形成されたエーテル、ポリオキシエチレン−ポリプロピレングリコールなど)がある。特に興味深い組み合わせとしては、親油性界面活性剤であって、低い親水性−親油性(EHL)バランス値(例えば、ソルビタンエステル-Span 20またはSpan 60)を有する界面活性剤、および親水性界面活性剤であって、高いEHL値を有する界面活性剤(エトキシル化ソルビタンエステル−Tween 80)、または実際には、単に、単一の非イオン性界面活性剤であって、高いEHLを有する界面活性剤(例えば、Tween 80)が挙げられる。
【0050】
一部の実施形態では、プロドラッグコンジュゲートは、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)中に製剤化され得る。自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステムとは、水の存在下で穏やかに撹拌されると水中油型マイクロエマルジョンを形成する、オイル、界面活性剤、および薬物の光学的に等方性の系として記載され得る。従って、薬学的適用のためのSMEDDSは、身体に導入された場合、水中油型マイクロエマルジョンを形成する、容易に分散される濃縮物として考慮され得る。
【0051】
一部の実施形態では、プロドラッグコンジュゲートは、固体の脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。固体の脂質ナノ粒子は、例えば、Stuchlik,M.およびZak,S.(Lipid−Based Vehicle for Oral Delivery,Biomed.Papers 145(2):17−26,(2001))に記載のような、当該分野で従来の任意の方法で通常の任意の方式で調製され得る。この固体の脂質ナノ粒子は、上昇した温度で溶融した脂質のホモジナイズによる、熱ホモジナイゼーションプロセスで調製され得る。このプロセスでは、固体の脂質は溶融され、このプロドラッグコンジュゲートは、溶融脂質中に溶解される。次いで、事前加熱された分散培地を、コンジュゲートを負荷した脂質溶融物と混合して、その組み合わせを攪拌機で混合して、粗いプレエマルジョンを形成する。次いで、脂質の融点を超える温度で高圧ホモジナイゼーションを行って、オイル/水−ナノエマルジョンを生成する。このナノエマルジョンを、室温まで冷却して、固体の脂質ナノ粒子を形成する。
【0052】
あるいは、固体の脂質ナノ粒子を、冷ホモジナイゼーションプロセスで調製してもよい。このプロセスでは、液体を溶融して、プロドラッグコンジュゲートを、溶融脂質に溶解する。このプロドラッグの負荷された脂質を次に、液体窒素またはドライアイス中で固化する。この固体のプロドラッグ−脂質を、粉砕機で挽いて、50〜100μmの粒子を形成する。次いで、この脂質粒子を、冷たい水性の分散媒体中に分散して、室温またはそれより下でホモジナイズして、固体の脂質ナノ粒子を形成する。
【0053】
抗真菌剤
本明細書において用いる場合、「抗真菌剤」という用語は、真菌細胞の増殖、生存および/または再生を阻害または阻害できる物質を意味するものとする。好ましい抗真菌剤とは、動物または植物中で真菌感染を阻害または処置できるものである。好ましい抗真菌剤は、広範なスペクトルの抗真菌剤である。しかし、抗真菌剤はまた、真菌の1つ以上の種に特異的であってもよい。
【0054】
抗真菌剤の例としては、限定するものではないが、アゾール(例えば、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾールなど)、ポリエン(例えば、ナタマイシン、ルセンソマイシン、ナイスタチン、アムホテリシンB,など)、エキノカンジン(例えば、カンサイダス)、プラディマイシン(例えば、ベアノマイシン、ニッコマイシン、ソルダリン、アリルアミンなど)、トリクロサン、ピロクトン、フェンンプロピモルフ、テルビナフィン、ならびにそれらの誘導体および類縁体が挙げられる。追加的な抗真菌剤としては、例えば、国際公開番号第2001/066551号、同第2002/090354号、同第2000/043390号、同第2010/032652号、同第2003/008391号、同第2004/018485号、同第2005/006860号、同第2003/086271号、同第2002/067880号、米国特許出願公開第2008/0194661号、同第2008/0287440号、同第2005/0130940号、同第2010/0063285号、同第2008/0032994号、同第2006/0047135号、同第2008/0182885号、ならびに米国特許第6,812,238号、同第4,588,525号、同第6,235,728号、同第6,265,584号、同第4,942,162号、および同第6,362,172号(その全ての内容が、参照によって本明細書に援用される)に記載のものが挙げられる。
【0055】
一部の実施形態では、抗真菌剤は、アゾール系の抗真菌剤である。アゾール系の抗真菌剤とは、その構造中に少なくとも1つのアゾールを含む、抗真菌剤を意味する。好ましいアゾールとしては、イミダゾールおよびトリアゾールが挙げられる。例示的なアゾール系の抗真菌剤としては、限定するものではないが、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、およびラブコナゾールが挙げられる。一部の実施形態では、アゾール系の抗真菌剤は、アゾール部分の環窒素によってリンカーまたは担体に連結される。
【0056】
一部の実施形態では、抗真菌剤は、少なくとも1つの遊離のヒドロキシル基を含む。遊離のヒドロキシル基を含む例示的な抗真菌剤としては、限定するものではないが、シクロピロックス、フルコナゾール、ボリコナゾール、ピロクトン、トリクロサン、ラブコナゾール、およびイサブコナゾールが挙げられる。一部の実施形態では、遊離のヒドロキシル基を含む抗真菌は、リンカーまたは担体に対して、このような遊離のヒドロキシル基によって連結される。
【0057】
一部の実施形態では、抗真菌剤は、抗真菌ペプチドである。抗真菌性のペプチドは、当該分野で周知である(例えば、De Luccaら、Rev.Iberoam.Micol.17:116〜120(2000)を参照のこと)。抗真菌ペプチドは、天然に存在するペプチドもしくはその類縁体であってもよく、またはそれは、合成ペプチドであってもよい。本明細書において用いる場合、「類縁体」という用語は、天然に存在する抗真菌ペプチドであって、化学的に改変されて、その有効性を改善するか、および/またはその毒性/副作用を低減するものを指す。例示的な抗真菌ペプチドとしては、限定するものではないが、シリンゴマイシン、シリンゴスタチン、シリンゴトキシン、ニッコマイシン、エキノカンジン、ニューモカンジン、アクレアシン、ムルノドカジン、セクロピン、α−デフェンシン、β−デフェンシン、ノビスピリンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。他の抗真菌ペプチドとしては、例えば、米国特許第6,255,279号、および米国特許出願公開第2005/0239709号;同第2005/0187151号;同第2005/0282755号、および同第2005/0245452号(その全ての内容が参照によって本明細書に援用される)に記載のものが挙げられる。
【0058】
本明細書において用いる場合、「真菌類(fungus)」または「真菌(fungi)」という用語は、クロロフィル(葉緑素)以外の、種々の有核の有胞子生物体を包含する。例としては、酵母、うどん粉菌、かび、さび菌類、およびマッシュルームが挙げられる。真菌の例としては、限定するものではないが、アスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigates)、アスペルギルス フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス ニデュランス(Aspergillus nidulans)、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ クルーセイ(Candida krusei)、カンジダ ルシタニアエ(Candida lusitaniae)、カンジダ パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ トロピカリス(Candida tropicalis)、クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、イサトケンキア オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)、コクシジオイデス(Coccidioides)、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、ブラストミセス(Blastomyces)、およびニューロスポラ クラッサ(Neurospora crassa)が挙げられる。
【0059】
一部の実施形態では、真菌類とは、マラセチア属のもの(例えば、M.フルフル、M. パチデルマティス(M.pachydermatis)、M.グロボサ(M.globosa)、M.レストリクタ(M.restricta)、M. スルーフィエ(M.slooffiae)、M. シンポディアリス(M.sympodialis)、M.ナナ(M.nana)、M.ヤマトエンシス(M.yamatoensis)、M.デルマティス(M.dermatis)、およびM. マラセチアオブチューズ(M.obtuse))である。
【0060】
理論によって束縛されることは望まないが、フケおよび脂漏性皮膚炎の最も一般的な原因を含めて、ヒトでの最も一般的な皮膚疾患を生じるマラセチア種は、M.グロボサである(ただしM.レストリクタおよびM.フルフルも含まれる)。癜風(tinea versicolor)(癜風(pityriasis versicolor))の皮膚発疹はまた、この真菌による感染に起因する。真菌類は、増殖に脂肪を必要とするので、多くの皮脂腺のある領域:頭皮上、顔面および身体の上側部位で最も一般的である。真菌類が急速に増殖し過ぎる場合、細胞の自然な更新が妨害されて、フケが掻痒をともなって生じる(同様のプロセスがまた、他の真菌または細菌でも生じ得る)。
【0061】
従って、一部の実施形態では、この抗真菌剤は、マラセチア属の真菌に対して有効な抗真菌剤である。このいくつかのさらなる実施形態では、この抗真菌剤は、真菌M.グロボサに対して有効な抗真菌剤である。
【0062】
一部の実施形態では、この抗真菌剤は、イトラコナゾールまたはケトコナゾールである。
【0063】
抗菌剤
本明細書において用いる場合、「抗菌剤」という用語は、化合物が接触した細菌に対して殺菌効果または静菌効果のいずれかを有する化合物として規定される。本明細書において用いる場合、「殺菌性(bactericidal)」という用語は、細菌に対して破壊的な殺傷作用を有することを意味することが規定される。本明細書において用いる場合、「静菌性(bacteriostatic)」という用語は、細菌の増殖に対する阻害作用を有することを意味すると規定される。
【0064】
抗菌剤の例としては、限定するものではないが、マクロライドまたはケトライド、例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、およびテリスロマイシン;β−ラクタム、例としては、ペニシリン、セファロスポリン、およびカルバペネム、例えば、カルバペネム、イミペネム、およびメロペネム;モノラクタム、例えば、ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、アンピシリン、アモキシシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メジオシリン、ピペラシリン、アズロシリン、テモシリン、カペロシン、セファピリン、セファラジンン、セファロリジン、セファゾリン、セファマンドール、セフロキシム、セファレキシン、セフプロジル、セファクロール、ロラカルベフ、セフォキシチン、セフメタゾール、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフォペラゾン、セフタジジム、セフィキシム、セフポドキシム、セフチブテン、セフジニル、セフピロム、セフェピム、およびアズトレオナム;キノロン、例えば、ナリジクス酸、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、テマフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、ガネフロキサシン、ゲミフロキサシンおよびパズフロキサシン;抗菌性スルホンアミドおよび抗菌性スルファニルアミド、例としては、パラ−アミノ安息香酸、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾールおよびスルファサリジン;アミノグリコシド、例えば、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、パロマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、スペクチノマイシン、シソマイシン、ジベカシンおよびイセパマイシン;テトラサイクリン、例えば、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン;リファマイシン、例えば、リファンピシン(リファンピンとも呼ばれる)、リファンペンチン、リファブチン、ベンゾキサジノリファマイシンおよびリファキシミン;リンコサミド、例えば、リンコマイシンおよびクリンダマイシン;糖ペプチド、例えば、バンコマイシンおよびテイコプラニン;ストレプログラミン、例えば、キヌプリスチンおよびダフロプリスチン;オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド;ポリミキシン、コリスチンおよびコリマイシン;トリメトプリム、バシトラシン、およびホスホノマイシンが挙げられる。
【0065】
一部の実施形態では、抗菌剤は、P.アクネス(P.acnes)に対して有効である。
【0066】
一部の実施形態では、抗菌剤は、抗ざ瘡剤である。本明細書において用いる場合、「抗ざ瘡剤」という用語は、ざ瘡および/またはそれに関連する症状の処置に有効な任意の化合物を指す。抗ざ瘡剤は、米国特許出願公開第2006/0008538号および米国特許第5,607,980号(その両方の内容が参照によって本明細書に援用される)のように当該分野で周知である。有用な抗ざ瘡剤の例としては、限定するものではないが、角質溶解薬、例えば、サリチル酸、サリチル酸の誘導体、およびレゾルシノール;レチノイド、例えばレチノイン酸、トレチノイン、アダパレン、タザロテン;イオウ含有のD−およびL−アミノ酸、ならびにそれらの誘導体および塩;リポ酸;抗生物質および抗菌剤、例えば過酸化ベンゾイル、トリクロサン、グルコン酸クロルヘキシジン、オクトピロックス、テトラサイクリン、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'−トリクロロバニリド、ニコチンアミド、ティーツリーオイル、ロフェコキシブ、アゼライン酸およびその誘導体、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、エチルアセテート、クリンダマイシン、エリスロマイシン、およびメクロサイクリン;セボスタット(sebostats)、例えばフラボノイド;および胆汁塩、例えば硫酸シムノールおよびその誘導体、デオキシコラート、およびコラート;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。これらの薬剤は、パーソナルケアの分野で周知であって、一般に用いられる。
【0067】
さらに、抗ざ瘡剤は、P.アクネスに対する活性を有する抗菌ペプチドであってもよい。抗菌ペプチドは、実質上偏在性であり、かつ多くの種の先天性の免疫系で重要な役割を果たす(Zasloff,Nature 415:389〜395(2002)およびEpandら、Biochim Biophys Acta 1462:11〜28(1999))。抗菌性のペプチドは、天然に存在するペプチドもしくはその類縁体であってもよく、または合成ペプチドであってもよい。本明細書において用いる場合、「類縁体」とは、天然に存在する抗菌性ペプチドであって、その有効性を改善するか、および/またはその毒性の副作用を低減するように化学的に改変されたペプチドを指す。抗菌性のペプチドは、グラム陽性細菌に対して有効であることが公知のペプチドであってもよい。非限定的な例としては、抗生物質、例えば、ナイシン、サブチリン、エピデルミン、およびガリデルミン;デフェンシン;アタシン、例えば、サルコトキシン;セクロピン、例えば、セクロピンA、バクテリシジンおよびレピドプテラン;マガイニン;メチリン;ハイスタチン;ブレビニン;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、P.アクネスに対する活性を有する抗菌ペプチドは、例えば、米国特許出願公開第2005/0282755号;同第2005/02455452号;および同第2005/0209157号、ならびに米国特許第6,255,279号(その全ての内容は参照によって本明細書に援用される)に報告されている。P.アクネスに対する活性が報告された適切な抗菌性ペプチドの例としては、限定するものではないが、ノビスピリン(Hogenhaug,前出)、および米国特許出願公開第2007/0265431号(その内容は参照によって本明細書に援用される)に記載のものが挙げられる。
【0068】
一部の実施形態では、抗菌剤はクリンダマイシンである。
【0069】
担体
広範な種々の構成要素、例えば、担体は、抗真菌剤または抗菌剤とカップリングされてもよい。担体としては、天然に存在する分子、または組み換えもしくは合成の分子が挙げられる。担体としては、限定するものではないが、ポリマー;カルボキシル化ポリマー、水酸化されたポリマー、ポリエチレングリコール(PEG);モノ−カルボキシル化−またはジ−カルボキシル化PEG;C
6−C
26アルキルを含む脂肪酸であって、これが、必要に応じてヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリル、もしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく;C
6−C
26アルキルを含むアルコールであって、これが必要に応じてヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリル、もしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく;グリセロール;グリセロールの誘導体、アミノ酸;核酸;抗菌剤;抗真菌剤;α−ヒドロキシ酸;β−ヒドロキシ酸;二価酸;オキサジアシッド;ペプチド;ペプチド模倣物;ポリリジン、カチオン性基;スペルミン;スペルミジン;ポリアミン;サイロトロピン;メラノトロピン;レクチン;糖タンパク質;界面活性剤プロテインA;ムチン;グリコシル化ポリアミノ酸;トランスフェリン、アプタマー;免疫グロブリン(例えば、抗体);インスリン、トランスフェリン;アルブミン;糖;親油性分子(例えば、ステロイド、胆汁酸、コレステロール、コール酸、および脂肪酸);ビタミンA;ビタミンE;ビタミンK;ビタミンB;葉酸;B12;リボフラビン;ビオチン;ピリドキサール;ビタミン補因子;リポポリサッカライド;ホルモンおよびホルモン受容体;レクチン;炭水化物;多価炭水化物;放射性標識マーカー;蛍光色素;ならびにそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。担体は、1つ以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の)置換基で置換されてもよい。担体は、治療剤であってもよい。
【0070】
一部の実施形態では、この担体は、遊離のカルボキシル基または遊離のヒドロキシル基を含む。このカルボン酸基またはヒドロキシル基は、リンカーの結合ポイントであってもよい。
【0071】
一部の実施形態では、この担体は、6〜25個の炭素を含む脂肪酸である。一部の実施形態では、この担体は、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル(Pentacosylic)酸、セロチン酸、ヘプタコシル(Heptacosylic)酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデセン酸、およびアダパレンからなる群より選択される脂肪酸である。
【0072】
一部の実施形態では、この担体は、アルキルアルコール、例えば、C
6−C
25アルキルアルコールである。一部の実施形態では、この担体は、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコールからなる群より選択されるアルキルアルコールである。
【0073】
一部の実施形態では、この担体は、ポリエチレングリコール(PEG)またはその類縁体もしくは誘導体である。PEG担体は、一般式−O−CH
2CH
2[OCH
2CH
2]
aRのものであってもよく、aが1〜500であり、Rが、H、OH、O−アルキル(例えば、O−CH
3)、アミノ、アルキル化アミノ、保護アミノ基であってもよい、PEG担体である。適切なPEGとしては、限定するものではないが、約200g/モル〜約30,000g/モルの範囲の平均分子量を有するPEGが挙げられる。
【0074】
一部の実施形態では、この担体は、生体適合性ポリマーである。本明細書において用いる場合、「生体適合性」という用語は、体液または組織と接触しても、本質的に細胞毒性も免疫原性も示さないことを意味する。本明細書において用いる場合、「ポリマー」という用語は、オリゴマー、コ−オリゴマー、ポリマー、およびコ−ポリマー、例えば、ランダムブロック、マルチブロック、スター(star)、グラフト化、勾配コポリマー、ならびにそれらの組み合わせを指す。
【0075】
「生体適合性ポリマー」という用語は、対象に内部的に用いた場合、非毒性で、化学的に不活性で、実質的に非免疫原性であり、血液中で実質的に不溶性である、ポリマーを指す。生体適合性ポリマーは、非生分解性であっても、または好ましくは生分解性であってもいずれであってもよい。好ましくは、この生体適合性ポリマーはまた、インサイチュで使用された場合、また非炎症性である。
【0076】
生分解性ポリマーは、当該分野で開示される。適切な生分解性ポリマーの例としては、限定するものではないが、直鎖のポリマー、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ無水物、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリジヒドロピラン、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリヒドロキシ吉草酸塩、ポリアルキレンシュウ酸塩、ポリアルキレンコハク酸塩、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、ポリメチルメタクリレート、キチン、キトサン、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、およびコポリマー、ターポリマー、およびコポリマー(前述の1つ以上のを含む)が挙げられる。他の生分解性ポリマーとしては、例えば、ゼラチン、コラーゲン、シルク、キトサン、アルギン酸塩、セルロース、ポリ−核酸、などが挙げられる。
【0077】
適切な非生分解性の生体適合性ポリマーとしては、例えば、酢酸セルロース(例としては、二酢酸セルロース)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ヒドロゲル(例えば、アクリル樹脂)、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、ポリ(エチレンイミン)、プルロニック(Pluronic)(Poloxamers 407,188)、ヒアルロン(Hyaluron)、ヘパリン、アガロース、プルラン(Pullulan)、およびコポリマー(前述の1つ以上を含む)、例えばエチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)が挙げられる。
【0078】
一部の実施形態では、生体適合性ポリマーは、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、ポリ(エチレンイミン)、プルロニック(Pluronic)(Poloxamers 407,188)、ヒアルロン(Hyaluron)、ヘパリン、アガロース、またはプルラン(Pullulan)である。
【0079】
一部の実施形態では、担体は、アミノ酸またはペプチドである。本明細書において用いる場合、「ペプチド」という用語は、アミド結合、または改変アミド結合、または改変ペプチド結合によって互いと連結された2つ以上のアミノ酸を指す。ペプチド担体は、そのN−末端アミノ基、C−末端カルボン酸基、または官能基(例えば、アミノ、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル)によって、ペプチドのアミノ酸の側鎖で連結され得る。一部の実施形態では、ペプチド担体は、そのC−末端カルボン酸基によって連結される。一部の実施形態では、ペプチドは、2〜20個のアミノ酸を含む。一実施形態では、このペプチドは、2〜10個のアミノ酸を含む。ペプチドは、アラニン;アルギニン;アスパラギン;アスパラギン酸;システイン;グルタミン酸;グルタミン;グリシン;ヒスチジン;イソロイシン;ロイシン;リジン;メチオニン;フェニルアラニン;プロリン;セリン;トレオニン;トリプトファン;チロシン;バリン;ホモシステイン;ホスホセリン;ホスホトレオニン;ホスホチロシン;ヒドロキシプロリン;γ−カルボキシグルタメート;馬尿酸;オクタヒドロインドール−2−カルボン酸;スタチン;1,2,3,4,−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸;ペニシラミン(3−メルカプト−D−バリン);オルニチン(Orn);シトルリン;α−メチル−アラニン;パラ−ベンゾイルフェニルアラニン;パラ−アミノフェニルアラニン;p−フルオロフェニルアラニン;フェニルグリシン;プロパルギルグリシン;N−メチルグリシン(サルコシン、Sar);ならびにtert−ブチルグリシン;ジアミノ酪酸;7−ヒドロキシ−テトラヒドロイソキノリンカルボン酸;ナフチルアラニン;ビフェニルアラニン;シクロヘキシルアラニン;アミノ−イソ酪酸(Aib);ノルバリン;ノルロイシン(Nle);tert−ロイシン;テトラヒドロイソキノリンカルボン酸;ピペコリン酸;フェニルグリシン;ホモフェニルアラニン;シクロヘキシルグリシン;デヒドロロイシン;2,2−ジエチルグリシン;1−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸;1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸;アミノ−安息香酸;アミノ−ナフトエ酸;γ−アミノ酪酸;ジフルオロフェニルアラニン;ニペコ酸;N−α−イミダゾール酢酸(IMA);チエニル−アラニン;t−ブチルグリシン;デスアミノ−Tyr;アミノ吉草酸(Ava);ピログルタミン酸(<Glu);α−アミノイソ酪酸(αAib);γ−アミノ酪酸(γAbu);α−アミノ酪酸(αAbu);αγ−アミノ酪酸(αγAbu)3−ピリジルアラニン(Pal);イソプロピル−α−N
εリジン(ILys);ナフチアラニン(Nal)α−ナフチアラニン(α−Nal);β−ナフチアラニン(β−Nal);アセチル−β−ナフチアラニン(Ac−β−ナフチアラニン);α,β−ナフチアラニン;N
ε−ピコロイル−リジン(PicLys);4−ハロ−フェニル;4−ピロリジルアラニン;イソニペコカルボン酸(inip);β−アミノ酸;それらの異性体、類縁体および誘導体;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸を含んでもよい。当業者には、この定義が、D−アミノ酸およびL−アミノ酸、α−およびβ−アミノ酸、化学的に改変されたアミノ酸、天然に存在する非タンパク新生アミノ酸、まれなアミノ酸、および化学的に合成された化合物(アミノ酸の特徴であることが当該分野で公知の特性を有する)を包含することは公知である。
【0080】
さらに、本明細書において用いる場合、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸の構造とは違うが、実質的にアミノ酸の構造を有しており、その結果、活性、例えば、生物学的活性は保持したままペプチド内で置換できる化合物を包含する。従って、例えば、一部の実施形態では、アミノ酸はまた、側鎖改変または置換を有するアミノ酸を包含してもよく、また関連の有機酸、アミドなども包含し得る。限定するものではないが、アミノ酸は、タンパク質新生アミノ酸であっても、または非タンパク質新生のアミノ酸であってもよい。本明細書において用いる場合、「タンパク質新生(proteogenic)」という用語は、アミノ酸が、周知の代謝経路を通じて細胞中のタンパク質に組み込まれ得ることを示す。
【0081】
一部の実施形態では、ペプチド担体は、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)のDアミノ酸を含む。Dアミノ酸は、ペプチド中の任意の位置に存在してもよい。2つ以上のDアミノ酸が存在する場合、それらは、互いに隣り合って配置されても、または隣り合わずに配置されてもよい。3つ以上のDアミノ酸が存在する場合、Dアミノ酸のいくつかは、別のDアミノ酸の隣に存在してもよいが、Dアミノ酸のいくつかは、別のDアミノ酸に隣接しない。
【0082】
一部の実施形態では、ペプチド担体は、ペプチド中で2つのアミノ酸を一緒に連結するように少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の改変されたアミド結合を含む。改変されたペプチド結合は、ペプチド中の任意の位置に存在してもよい。より多くのペプチド置換結合が存在する場合、それらは、互いに対して隣接して配置されてもよいし(例えば、所定のアミノ酸の両側)、または互いに隣接しないで配置されてもよい(例えば、所定のアミノ酸の片側のみが、ペプチド置換結合を介して、隣のアミノ酸に結合される)。例示的な改変されたアミド結合としては、限定するものではないが、還元されたΨ(プサイ)ペプチド結合、尿素、チオ尿素、カルバメート、スルホニル尿素、トリフルオロエチルアミン、オルト−(アミノアルキル)−フェニル酢酸、パラ−(アミノアルキル)−フェニル酢酸、メタ−(アミノアルキル)−フェニル酢酸、チオアミド、テトラゾール、ボロン酸エステル、およびオレフィン基が挙げられる。
【0083】
一部の実施形態では、ペプチド担体は、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上)のβ−アミノ酸を含む。このβ−アミノ酸は、ペプチド中の任意の位置に存在し得る。2つ以上のβ−アミノ酸が存在する場合、それらは、互いに隣接して配置されても、または隣接せずに配置されてもよい。3つ以上のβ−アミノ酸が存在する場合、いくつかのβ−アミノ酸が、別のβ−アミノ酸に隣接して存在してもよいが、β−アミノのいくつかは、別のβ−アミノ酸には隣接しない。例示的なβ−アミノ酸としては、限定するものではないが、L−β−ホモプロリンハイドロクロライド;(±)−3−(Boc−アミノ)−4−(4−ビフェニルイル)酪酸;(±)−3−(Fmoc−アミノ)−2−フェニルプロピオン酸;(1S,3R)−(+)−3−(Boc−アミノ)シクロペンタンカルボン酸;(2R,3R)−3−(Boc−アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸;(2S,3R)−3−(Boc−アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸;(R)−2−[(Boc−アミノ)メチル]−3−フェニルプロピオン酸;(R)−3−(Boc−アミノ)−2−メチルプロピオン酸;(R)−3−(Boc−アミノ)−2−フェニルプロピオン酸;(R)−3−(Boc−アミノ)−4−(2−ナフチル)酪酸;(R)−3−(Boc−アミノ)−5−フェニルペンタン酸;(R)−3−(Fmoc−アミノ)−4−(2−ナフチル)酪酸;(R)−(−)−ピロリジン−3−カルボン酸;(R)−Boc−3,4−ジメトキシ−β−Phe−OH;(R)−Boc−3−(3−ピリジル)−β−Ala−OH;(R)−Boc−3−(トリフルオロメチル)−β−Phe−OH;(R)−Boc−3−シアノ−β−Phe−OH;(R)−Boc−3−メトキシ−β−Phe−OH;(R)−Boc−3−メチル−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−(4−ピリジル)−β−Homoala−OH;(R)−Boc−4−(トリフルオロメチル)−β−Homophe−OH;(R)−Boc−4−(トリフルオロメチル)−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−ブロモ−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−クロロ−β−Homophe−OH;(R)−Boc−4−クロロ−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−シアノ−β−Homophe−OH;(R)−Boc−4−シアノ−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−フルオロ−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−メトキシ−β−Phe−OH;(R)−Boc−4−メチル−β−Phe−OH;(R)−Boc−β−Tyr−OH;(R)−Fmoc−4−(3−ピリジル)−β−Homoala−OH;(R)−Fmoc−4−フルオロ−β−Homophe−OH;(S)−(+)−ピロリジン−3−カルボン酸;(S)−3−(Boc−アミノ)−2−メチルプロピオン酸;(S)−3−(Boc−アミノ)−4−(2−ナフチル)酪酸;(S)−3−(Boc−アミノ)−5−フェニルペンタン酸;(S)−3−(Fmoc−アミノ)−2−メチルプロピオン酸;(S)−3−(Fmoc−アミノ)−4−(2−ナフチル)酪酸;(S)−3−(Fmoc−アミノ)−5−ヘキセン酸;(S)−3−(Fmoc−アミノ)−5−フェニル−ペンタン酸;(S)−3−(Fmoc−アミノ)−6−フェニル−5−ヘキセン酸;(S)−Boc−2−(トリフルオロメチル)−β−Homophe−OH;(S)−Boc−2−(トリフルオロメチル)−β−Homophe−OH;(S)−Boc−2−(トリフルオロメチル)−β−Phe−OH;(S)−Boc−2−シアノ−β−Homophe−OH;(S)−Boc−2−メチル−β−Phe−OH;(S)−Boc−3,4−ジメトキシ−β−Phe−OH;(S)−Boc−3−(トリフルオロメチル)−β−Homophe−OH;(S)−Boc−3−(トリフルオロメチル)−β−Phe−OH;(S)−Boc−3−メトキシ−β−Phe−OH;(S)−Boc−3−メチル−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−(4−ピリジル)−β−Homoala−OH;(S)−Boc−4−(トリフルオロメチル)−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−ブロモ−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−クロロ−β−Homophe−OH;(S)−Boc−4−クロロ−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−シアノ−β−Homophe−OH;(S)−Boc−4−シアノ−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−フルオロ−β−Phe−OH;(S)−Boc−4−ヨード−β−Homophe−OH;(S)−Boc−4−メチル−β−Homophe−OH;(S)−Boc−4−メチル−β−Phe−OH;(S)−Boc−β−Tyr−OH;(S)−Boc−γ,γ−ジフェニル−β−Homoala−OH;(S)−Fmoc−2−メチル−β−Homophe−OH;(S)−Fmoc−3,4−ジフルオロ−β−Homophe−OH;(S)−Fmoc−3−(トリフルオロメチル)−β−Homophe−OH;(S)−Fmoc−3−シアノ−β−Homophe−OH;(S)−Fmoc−3−メチル−β−Homophe−OH;(S)−Fmoc−γ,γ−ジフェニル−β−Homoala−OH;2−(Boc−アミノメチル)フェニル酢酸;3−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ酪酸;3−アミノブタン酸;DL−3−アミノイソ酪酸;DL−β−アミノイソ酪酸 puriss;DL−β−Homoleucine;DL−β−ホモメチオニン;DL−β−ホモフェニルアラニン;DL−β−ロイシン;DL−β−フェニルアラニン;L−β−ホモアラニンハイドロクロライド;L−β−ホモグルタミン酸ハイドロクロライド;L−β−ホモグルタミンハイドロクロライド;L−β−ホモヒドロキシプロリンハイドロクロライド;L−β−ホモイソロイシンハイドロクロライド;L−β−ホモロイシンハイドロクロライド;L−β−ホモリジンジヒドロクロライド;L−β−ホモメチオニンハイドロクロライド;L−β−ホモフェニルアラニンアリル エステルハイドロクロライド;L−β−ホモフェニルアラニンハイドロクロライド;L−β−ホモセリン;L−β−ホモトレオニン;L−β−ホモトリプトファンハイドロクロライド;L−β−ホモチロシンハイドロクロライド;L−β−ロイシンハイドロクロライド;Boc−D−β−Leu−OH;Boc−D−β−Phe−OH;Boc−β
3−Homopro−OH;Boc−β−Glu(OBzl)−OH;Boc−β−Homoarg(Tos)−OH;Boc−β−Homoglu(OBzl)−OH;Boc−β−Homohyp(Bzl)−OH(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩(technical);Boc−β−Homolys(Z)−OH;Boc−β−Homoser(Bzl)−OH;Boc−β−Homothr(Bzl)−OH;Boc−β−Homotyr(Bzl)−OH;Boc−β−Ala−OH;Boc−β−Gln−OH;Boc−β−Homoala−OAll;Boc−β−Homoala−OH;Boc−β−Homogln−OH;Boc−β−Homoile−OH;Boc−β−Homoleu−OH;Boc−β−Homomet−OH;Boc−β−Homophe−OH;Boc−β−Homotrp−OH;Boc−β−Homotrp−OMe;Boc−β−Leu−OH;Boc−β−Lys(Z)−OH(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩;Boc−β−Phe−OH;エチル3−(ベンジルアミノ)プロピオネート;Fmoc−D−β−Homophe−OH;Fmoc−L−β
3−ホモプロリン;Fmoc−β−D−Phe−OH;Fmoc−β−Gln(Trt)−OH;Fmoc−β−Glu(OtBu)−OH;Fmoc−β−Homoarg(Pmc)−OH;Fmoc−β−Homogln(Trt)−OH;Fmoc−β−Homoglu(OtBu)−OH;Fmoc−β−Homohyp(tBu)−OH;Fmoc−β−Homolys(Boc)−OH;Fmoc−β−Homoser(tBu)−OH;Fmoc−β−Homothr(tBu)−OH;Fmoc−β−Homotyr(tBu)−OH;Fmoc−β−Ala−OH;Fmoc−β−Gln−OH;Fmoc−β−Homoala−OH;Fmoc−β−Homogln−OH;Fmoc−β−Homoile−OH;Fmoc−β−Homoleu−OH;Fmoc−β−Homomet−OH;Fmoc−β−Homophe−OH;Fmoc−β−Homotrp−OH;Fmoc−β−Leu−OH;Fmoc−β−Phe−OH;N−アセチル−DL−β−フェニルアラニン;Z−D−β−Dab(Boc)−OH;Z−D−β−Dab(Fmoc)−OH purum,;Z−DL−β−ホモアラニン;Z−β−D−Homoala−OH;Z−β−Glu(OtBu)−OH(technical);Z−β−Homotrp(Boc)−OH;Z−β−Ala−OH purum;Z−β−Ala−ONp purum,;Z−β−Dab(Boc)−OH;Z−β−Dab(Fmoc)−OH;Z−β−Homoala−OH;β−アラニン;β−アラニン BioXtra,;β−アラニンエチルエステルハイドロクロライド;β−アラニンメチルエステルハイドロクロライド;β−グルタミン酸ハイドロクロライド;cis−2−アミノ−3−シクロペンテン−1−カルボン酸ハイドロクロライド;cis−3−(Boc−アミノ)シクロヘキサンカルボン酸;ならびにcis−3−(Fmoc−アミノ)シクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。
【0084】
一部の実施形態では、このペプチドは、Lys、Arg、His、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸を包含する。一部の実施形態では、リンカーに連結されたアミノ酸は、Tyr、SerおよびThrからなる群より選択される。従って、ペプチドは、コンジュゲートの残りに連結するために、Tyr、Ser、またはThrを、N−末端またはC−末端に含んでもよい。一実施形態では、ペプチド担体は、Lys−His−Lys−His−Lys−Hisヘキサペプチドである。
【0085】
一部の実施形態では、担体は、ウンデシレン酸;パルミチン酸;オレイン酸、リノール酸、ラウリル酸、Lys−His−Lys−His−Lys−Hisヘキサペプチド;L−またはD−チロシン;L−またはD−セリン;L−またはD−トレオニン;2〜10個のアミノ酸のペプチド;キトサン;プルラン;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。一部の実施形態では、担体は2〜10個のアミノ酸のペプチドであり、N−末端またはC−末端アミノ酸は、L−もしくはD−チロシン、L−もしくはD−セリンまたはL−もしくはD−トレオニン;キトサン;プルラン;ならびにそれらの任意の組み合わせである。
【0086】
担体は、ナノ粒子中へコンジュゲートされたプロドラッグを処方するのに用いられ得る。例えば、担体は、粒子を形成するように自己集合する部分であってもよい。
【0087】
担体は、分子であって、例えば、ゲル、例えば、ヒドロゲルまたはオルガノゲル中で処方できるポリマーであってもよい。「ヒドロゲル」という用語は、架橋された、水不溶性の、水含有物質を示す。ヒドロゲルは、生物医学適用のための多くの所望の特性を有する。例えば、それらは、組織に対して毒性がなく、かつ適合性であるように作製されてもよく、それらは通常は、水、イオン、および低分子に対して極めて透過性である。
【0088】
ゲルは一般には、相互浸透する膨張剤と釣り合った安定な系を形成できる、固体の架橋ポリマー網目状構造を含む。多くのゲル形成ポリマーは、当該分野で公知である。適切なゲルとしては、ポリマー、コポリマー、およびブロック−ポリマー(イオン化基または重合化可能な二重結合を含むモノマーに基づく)が挙げられる。例示的なモノマーとしては、限定するものではないが、アクリル酸、メチルメタクリレート、メチルアクリル酸、エチルアクリレート、ビニルスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸(例えば、p−スチレンスルホン酸)、マレイン酸、ブテン酸、ビニルホスフェート、ビニルホスホネート、エチレン、プロピレン、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−(C
1−C
6アルキル)アクリルアミド(例えば、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド)、などが挙げられる。ゲルは、前述のモノマーのいずれかのホモ重合化または共重合化によって作製される。他の適切なゲル材料としては、アルギン酸塩、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸塩、フィブリン、アガロース、およびそれらの誘導体を挙げることができる。ゲルは1つのコ−モノマーの成分としてコンジュゲートされたプロドラッグが組み込まれた、上記のようなコポリマーであってもよい。
【0089】
ゲルは、架橋されて、水和または脱水されたとき、物理的に安定な形態とるようにされる。適切な架橋は、約0.5重量%〜約1.5%重量%の架橋剤をゲル中に組み込むことによって提供され得る。架橋はまた、ゲル中に約0.01モル%〜約15モル%の架橋剤を組み込むことによっても提供され得る。
【0090】
適切な架橋剤としては、分子が複数の反応性基を有する化合物が挙げられる。このような分子架橋剤は、N,N'−メチレン−ビスアクリルアミドまたはジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタアクリレート、ジビニルケトン、ビニルメタクリレートおよびジビニルオキサレートであってもよい。金属イオンのようなイオンを用いるイオン性架橋もまた使用されてもよい。γ線のような電磁波を用いる架橋もまた可能である。架橋はまた、静電気的相互作用、水素結合、疎水性相互作用、または(微)結晶形成に基づいてもよい。
【0091】
イオン性に架橋可能なポリマーは、アニオン性であっても、またはカチオン性であってもよく、これには、限定するものではないが、カルボン酸重合体、硫酸塩重合体、ヒドロキシル重合体およびアミン官能化重合体が挙げられる。ポリマーを架橋するために用いられる架橋イオンは、そのポリマーがアニオン性に架橋可能であるか、またはカチオン性に架橋可能であるか次第で、アニオン性であっても、カチオン性であってもよい。適切な架橋イオンとしては、限定するものではないが、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、ホウ素、ベリリウム、アルミニウム、鉄、銅、コバルト、鉛、および銀のイオンからなる群より選択される陽イオンが挙げられる。アニオンは、限定するものではないが、リン酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、アジピン酸塩およびシュウ酸塩のイオンからなる群より選択され得る。さらに広義には、アニオンは、多塩基の有機酸または無機酸に由来する。好ましい架橋カチオンは、カルシウム、鉄、およびバリウムイオンである。最も好ましい架橋カチオンは、カルシウムおよびバリウムのイオンである。最も好ましい架橋アニオンは、ホスフェートである。架橋は、ポリマーと、溶解したイオンを含む噴霧液滴とを接触させることによって行われ得る。例えば、コラーゲンまたはアルギン酸塩のゲル化は、イオン性架橋または二価の陽イオン、例えば、Ca
2+、Ba
2+およびSr
2+の存在下で生じる。
【0092】
リンカー
本明細書において用いる場合、「リンカー」という用語は、ある化合物の2つの部分を接続する有機部分を指す。リンカーは典型的には、直接の結合または原子、例えば、酸素またはイオウ、ある単位、例えば、NR
1、C(O)、C(O)NH、SO、SO
2、SO
2NHまたは原子の鎖、例えば、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール(1つ以上のメチレンが、O、S、S(O)、SO
2、N(R
1)
2、C(O)、切断可能な連結基、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換の複素環式基で中断されるかまたは終わらされてもよい)を含み、R
1が水素、アシル、脂肪族または置換された脂肪族である。
【0093】
リンカーは、抗真菌剤または抗菌剤のアゾール部分の環窒素に連結されてもよい。あるいは、リンカーは、抗真菌剤または抗菌剤のヒドロキシル基またはカルボン酸基に連結され得る。リンカーはまた、抗真菌剤または抗菌剤のヘテロ原子、例えば、O、S、またはNに結合されてもよい。
【0094】
一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも1つの切断可能な連結基を含み、すなわち、このリンカーは切断可能なリンカーである。理論によって束縛されることは望まないが、切断可能なリンカーを用いることで、コンジュゲートから抗真菌剤または抗菌剤の徐放性の放出を得ることができる。これによってさらに良好な薬物動態を得ることができる。例えば、リパーゼ切断可能なリンカーを用いると、真菌の非存在下では、切断は生じないか/有意ではない。従って、薬物は遊離されないか/遊離は有意ではなく、従って、薬物の毒性は低下される。
【0095】
切断可能な連結基とは、十分に安定であるが、特定の条件または特定の酵素のもとでは切断されるものである。好ましい実施形態では、切断可能な連結基は、特定の条件下で、または第一の参照条件下(例えば、細胞内条件を模倣するかまたはそれに相当するように選択することができる)では、ある参照条件よりも少なくとも10倍以上、好ましくは少なくとも100倍以上早く切断される。
【0096】
リンカーは、特定の酵素で切断可能な連結基を備えてもよい。リンカーに組み込まれる種類の切断可能な連結基は、標的適用に依存し得る。例えば、M.グロボサは、8つの異なる種類のリパーゼを、3つのホスホリパーゼとともに用いて、頭皮のオイルを破壊する。従って、エステル結合を含むリンカーは、M.グロボサが存在しない場合よりも、M.グロボサの存在下においてより効率的に切断される。
【0097】
切断可能な連結基は、切断因子、例えば、pH、酸化還元電位、または変性分子の存在の影響を受けやすい。一般には、切断因子は、さらに広まっているか、または血清中もしくは血中よりも細胞の内側で高いレベルもしくは活性で見出される。このような変性剤の例としては、酸化還元剤(特定の基質について選択されるか、または基質特異性を有さない)、例としては、例えば、酸化酵素もしくは還元酵素もしくは還元剤、例えば、メルカプタン(還元によって酸化還元切断連結基を分解し得る細胞中に存在する);エステラーゼ;アミダーゼ;エンドソームまたは酸性環境を創出し得る因子、例えば、5以下のpHを生じるもの;一般的な酸として作用することによって酸切断性の連結基を加水分解または変性し得る酵素、ペプチダーゼ(基質特異性であってもよい)およびプロテアーゼ、およびホスファターゼが挙げられる。
【0098】
一部の実施形態では、切断可能な連結基は、マラセチア種が存在しない場合と比較して、マラセチア種の存在下では、少なくとも1.25、1.5、1.75、2、3、4、5、10、25、50、または100倍速く切断される。一部の実施形態では、この切断可能な連結基は、マラセチア種の存在下と比較して、マラセチア種が存在しない場合、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または1%未満まで切断される。
【0099】
一部の実施形態では、リンカーは、一般に安全と認められる(GRAS(GenerallyRecognized As Safe))賦形剤である。
【0100】
一部の実施形態では、リンカーは、−CH(R
1)−であり、式中R
1は、HまたはC
1−C
6アルキルであり、これらは、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよい。一実施形態では、このリンカーR
1は、Hまたはメチルであり、すなわち、リンカーは、−CH
2−または−CH(CH
3)−である。
図1に図示されるとおり、このリンカーを、アゾール系の抗真菌剤または抗菌剤とカルボキシル化された担体との連結のために用いる場合、このコンジュゲートは、この結合がエラスターゼによって切断されて、アゾール系の剤およびホルムアミドまたはアセトアルデヒドを遊離した後は、自然に切断される場合がある。同様の自然な切断がまた、抗真菌剤または抗菌剤の非環窒素で連結するためにリンカーが用いられた場合にも生じ得る。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートが
図1に示される。このリンカーを含むコンジュゲートは、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびパラアルデヒドを用いて合成され得る。
図1は、このリンカーが、剤のアゾール部分の環窒素での連結のために用いられることを示すが、このリンカーはまた、この剤の非環窒素で連結するためにも用いられ得ることを示す。このリンカーによって連結された第二の部分は、カルボン酸基またはヒドロキシル基を含んでもよい。従って、遊離のカルボン酸基または遊離のヒドロキシル基を含む任意の部分をこの剤とコンジュゲートさせてもよい。従って、このリンカーは、
図5〜7に示されるように、第二のリンカー(例えば、遊離のカルボキシル基および/または遊離のヒドロキシル基を含むリンカー)をこの剤に連結するために用いられ得る。
【0101】
リンカーは、ピリドキシン(ビタミンB
6)、またはその類縁体もしくは誘導体であってもよい。従って、一部の実施形態では、リンカーは以下:
であって、式中R
2aは、ヒドロキシル保護基であり、R
2bはC
1−C
6アルキルであり、これは必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかまたはそれらが組み入れられてもよく、R
Nは存在しないか、H、C
1−C
6アルキルもしくはアシルであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてよい。このリンカーの一部の実施形態では、R
2aは、アシル基、すなわち、C(O)R
2cであり、式中R
2cはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
2aは、C(O)CH
3である。好ましくは、R
2bは、メチルまたはエチルである。R
Nがリンカーである場合、対アニオンを含む。対アニオンは、Cl
−、Br
−、I
−、または薬学的に許容されるアニオンであってもよい。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートを
図2に示す。このリンカーを含むコンジュゲートは、ピリドキシンを利用して合成され得る。
【0102】
一部の実施形態では、このリンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)またはその類縁体もしくは誘導体である。PEGリンカーは、一般式−CH
2CH
2[OCH
2CH
2]
aOHC
2CH
2−のリンカーであって、aは1〜500である。適切なPEGとしては、限定するものではないが、約200g/モル〜約30,000g/モルの範囲の平均分子量を有するPEGが挙げられる。PEGリンカーを含むコンジュゲートは、式HOCH
2CH
2[OCH
2CH
2]
aOHC
2CH
2OH(aは1〜500である)のジヒドロキシルPEGを利用して合成され得る。
【0103】
一部の実施形態では、このリンカーは、−CH
2C(R
3aR
3b)CH(OR
3c)C(O)N(R
3d)−(CH
2)
b−であり、式中R
3aおよびR
3bは独立して、HまたはC
1−C
6アルキルであり、これは必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかまたはそれらが組み入れられてもよく、R
3cは、Hまたは担体であり、R
3dは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、bは1〜10である。R
3aおよびR
3bは、同じであってもまたは異なってもよい。ある場合には、R
3aおよびR
3bは両方ともメチルである。このリンカーの一部の実施形態では、bは2または3である。このリンカーは、2つの抗真菌剤または抗菌剤を一緒に連結するために用いられ得る。2つの抗真菌剤または抗菌剤一緒に連結するために用いる場合、担体をヒドロキシルに結合してもよい。このリンカーを含むコンジュゲートは、アルデヒド、例えば、パラホルムアルデヒドまたはパラアルデヒド、およびパンテノールまたはジヒドロキシルPEGを利用して合成され得る。この種のリンカーは、水媒介性切断を受けることができる。
【0104】
一部の実施形態では、このリンカーは以下:
であり、式中R
4はハロ、CN、CF3、アルキル、アルケニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、NO
2、OR
6、OC(O)R
4a、OC(O)OR
4a、N(R
4a)
2、NHC(O)R
4a、NHC(O)OR
4a、C(O)R
4a、C(O)OR
4a、SR
4a、またはSO
2R
4aであり、これらの各々は必要に応じて置換されていてもよく、R
4aは、各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであって、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、cは0〜4である。一実施形態では、cは0である。このリンカーを含むコンジュゲートは、p−ヒドロキシベンジルアルコールを利用して合成され得る。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートを、
図3および
図4に示す。
図3および
図4に示されるとおり、このリンカーの切断によって、p−ヒドロキシベンジルアルコールまたはその類縁体もしくは誘導体の形成が引き起こされる。
【0105】
一部の実施形態では、リンカーは、グリコール、例えば、−CH
2CH(R
6)−に基づき、式中Rは、HまたはC
1−C
6アルキルであり、これは必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよい。このリンカーの一実施形態では、R
6は、メチルである。このリンカーを、アゾール系の抗真菌剤または抗菌剤とカルボキシル化された担体とを連結するために用いる場合、このコンジュゲートは、この結合がエラスターゼによって切断されて、グリコールを遊離した後に、自然に切断される。このリンカーを含むコンジュゲートは、HOCH
2CH(R
6)OH型のグリコールを利用して合成されてもよい。
【0106】
このリンカーは、α−ヒドロキシ酸またはその類縁体もしくは誘導体に基づいてもよい。従って、一部の実施形態では、このリンカーは、−CH(R
7)C(O)−であり、式中R
7は、H、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、これらの各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよい。一実施形態では、R
7は、メチルである。一般には、このリンカーを用いて、担体を、担体中のヒドロキシル基に連結する。このリンカーが、アゾール系の抗真菌剤または抗菌剤とヒドロキシル含有担体とを連結するために用いられる場合、このコンジュゲートは、αヒドロキシ酸、例えば、乳酸またはその類縁体もしくは誘導体を遊離するためのエステラーゼによる連結の切断後に、自然な切断を受ける。このリンカーを含むコンジュゲートは、α−ヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸、乳酸、およびマンデル酸を用いて合成され得る。
【0107】
一部の実施形態では、このリンカーは、−CH(R
8)OC(O)−L'−C(O)O−であり、式中R
8は、HまたはC
1−C
6アルキルであり、L'はアルキルであり、これは必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよい。このリンカーの一実施形態では、L'は−(CH
2OCH
2)
d−であり、dは1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2)
e−であり、式中、eは1〜28である。このさらに別の実施形態では、L'は−CH(N(R
N)
2)−(CH(R
8a)
f−であり、式中R
8aは、HまたはC
1−C
6アルキルであり、R
Nは各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、fが1〜10である。好ましくは、fは、1、2、または3である。好ましくは、R
8aは、Hまたはメチルである。一実施形態では、R
Nは、メチルである。なおさらに別の実施形態では、L'は、−O−CH(R
8b)−であり、式中R
8bは、HまたはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
8bは、メチルである。一実施形態では、L'は、−CH
2CH
2C(O)O−[CH
2CH
2O]
f'C(O)CH
2CH
2−であり、式中、f'は1〜500である。このリンカーは、ヒドロキシル基を含む担体を連結するために用いられ得る。このリンカーを含むコンジュゲートは、アルデヒド、例えば、パラホルムアルデヒドまたはパラアルデヒド、およびジカルボン酸、例えば、
図5に示されるもの、ならびに本明細書に記載されるものを利用して合成され得る。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートを
図5に示す。一実施形態では、このリンカーは、アゼライン酸である。
【0108】
一部の実施形態では、このリンカーは、−CH(R
9)OC(O)−または−CH(R
9)OC(O)−L'−または−CH(R
9)OC(O)−L'−Y−C(O)−であり、式中R
9は、HまたはC
1−C
6アルキルであり、Yは、O、S、またはNHであり、L'は、アルキル、であり、これは、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよい。このリンカーの一実施形態では、L'は−(CH
2OCH
2)
gCH
2−であり、gは1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2CH
2O)
gCH
2CH
2−であり、gは、1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2)
hCH
2−であり、式中hは、1〜28である。このさらに別の実施形態では、L'は、−CH(N(R
N)
2(CH(R
9a)
iであり、式中R
9aは、Hまたは必要に応じて置換されたC
1−C
6アルキルであり、R
Nは、各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、iは1〜10である。好ましくはiは、1,2、または3である。一実施形態では、R
Nは、メチルである。一実施形態では、R
9aは、Hまたはメチルである。なおさらに別の実施形態では、L'は、−O−CH(R
8b)−であり、式中R
9bは、HまたはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
9bは、メチルである。一実施形態では、L'は、−CH
2CH
2C(O)O−[CH
2CH
2O]
i'C(O)CH
2CH
2−であり、式中、i'は、1〜500である。この一部の実施形態では、i'は、このリンカーの一実施形態では、このリンカーは、−CH(CH
3)−OC(O)O−[CH
2CH
2O]
i'CH
2CH
2−であり、式中i'は、1〜500である。このリンカーの一実施形態では、このリンカーは、−CH(CH
3)−OC(O)O−[CH
2CH
2O]
i'CH
2CH
2−であり、式中i'は、1〜500である。このリンカーの一実施形態では、このリンカーは、−CH(CH
3)−OC(O)O−[CH
2CH
2O]
i'CH
2CH
2−であり、式中i'は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。このリンカーの別の実施形態では、このリンカーは、−CH(CH
3)−OC(O)O−[CH
2CH
2O]
i'CH
2CH
2−OC(O)−CH(CH
3)−であり、式中i'は、1〜500である。このリンカーの一実施形態では、このリンカーは、−CH(CH
3)−OC(O)O−[CH
2CH
2O]
i'CH
2CH
2−OC(O)−CH(CH
3)−であり、式中i'は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。このリンカーのさらに別の実施形態では、このリンカーは、−CH
2−OC(O)O−(CH
2)
h'−C(O)−であり、式中h'は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。このリンカーを含むコンジュゲートは、アルデヒド、例えば、パラホルムアルデヒドまたはラアルデヒド、およびカルボン酸、例えば、
図6に示されるものを利用して、または1−ハロアルキルエステル、例えば、その化合物を利用して合成されてもよい。一部の実施形態では、1−ハロアルキルエステルは、1−クロロエチルエステルであってもよい。この段落に記載されるリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートが、
図6に示される。
【0109】
一部の実施形態では、このリンカーは、−CH(R
10a)OC(O)−L'−C(O)OCH(R
10b)−であって、式中R
10aおよびR
10bは独立して、HまたはC
1−C
6アルキルであり、これは必要に応じて置換されていてもよく、L'はアルキルであって、これは、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよい。R
10aおよびR
10bは、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態では、R
10aおよびR
10bは両方ともメチルである。一実施形態では、R
10aおよびR
10bは両方ともHである。このリンカーの一実施形態では、L'は、−(CH
2OCH
2)
j−であり、式中jは、1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2)
k−であり、式中kは、1〜28である。このさらに別の実施形態では、L'は、−CH(N(R
N)
2(CH(R
10c)
tであり、式中R
10cは、Hまたは必要に応じて置換されたC
1−C
6アルキルであり、R
N は、各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、tが1〜10である。好ましくはtは、1、2、または3である。一実施形態では、R
Nは、メチルである。一実施形態では、R
10cは、Hまたはメチルである。なおさらに別の実施形態では、L'は、−O−CH(R
10d)−であり、式中R
10dは、HまたはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
10dは、メチルである。一実施形態では、L'は、−CH
2CH
2C(O)O−[CH
2CH
2O]
t'C(O)CH
2CH
2−であり、式中t'は、1〜500である。−CH
2−OC(O)−(CH
2)
k'−C(O)O−CH
2−であり、式中k'は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。この一実施形態では、このリンカーはコンジュゲートであって、このリンカーを含むコンジュゲートは、アルデヒド、例えば、パラホルムアルデヒドまたはパラアルデヒド、およびジカルボン酸、例えば、
図7に示されるもの、および本明細書に記載されるものを利用して合成されてもよい。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートを、
図7に示す。
【0110】
一部の実施形態では、このリンカーは、−C(O)−L'−C(O)−、−C(O)−L'−、−C(O)−L'−Y−、または−C(O)−L'−Y−C(O)−であり、式中Yは、O、S、またはNHであり、L'はアルキルであり、これは必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよい。このリンカーの一実施形態では、L'は、−(CH
2OCH
2)
a'−であり、式中a'は、1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2)
b'−であり、式中b'は、1〜28である。一部の実施形態では、L'はC
1−C
6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、またはエチレンである。このさらに別の実施形態では、L'は、−CH(N(R
N)
2(CH(R
11c)
c'であって、式中R
11cは、Hまたは必要に応じて置換されたC
1−C
6アルキルであり、R
Nは、各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであって、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、c'は1〜10である。好ましくは、c'は、1,2、または3である。一実施形態では、R
Nは、メチルである。一実施形態では、R
11cは、Hまたはメチルである。なおさらに別の実施形態では、L'は、−O−CH(R
11d)−であって、式中R
11dは、HまたはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
11dは、メチルである。一実施形態では、L'は、−CH
2CH
2C(O)O−[CH
2CH
2O]
d'C(O)CH
2CH
2−であり、式中d'は、1〜500である。このリンカーを含むコンジュゲートは、ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸およびドデカンジオン酸を用いて合成され得る。さらに、このリンカーを含むコンジュゲートは、
図11および
図12に示される二価酸を用いて合成され得る。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートは、
図11、12および17〜21に示される。この種のリンカーは、
図17〜21に示される2つの抗真菌剤および/または抗菌剤を一緒にコンジュゲートするために用いられ得る。この2つの一緒に連結される抗真菌剤および/または抗菌剤は同じであってもまたは異なってもよい。
【0111】
一部の実施形態では、リンカーは、−C(O)−L'−C(O)O−[CH
2CH
2O]
v'−であり、式中v'は、1〜500であり、L'は、C
1−C
20アルキルであり、これは、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよい。このリンカーの一実施形態では、L'は、−(CH
2OCH
2)
e'−であり、式中e'は、1〜500である。この別の実施形態では、L'は、−(CH
2)
f'−であり、式中f'は、1〜28である。一部の実施形態では、L'は、C
1−C
6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、またはエチレンである。このさらに別の実施形態では、L'は、−CH(N(R
N)
2(CH(R
12c)
g'であり、式中R
12cは、Hまたは必要に応じて置換されたC
1−C
6アルキルであり、R
Nは、各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであって、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、g'は1〜10である。好ましくはg'は、1、2、または3である。一実施形態では、R
Nは、メチルである。一実施形態では、R
12cは、Hまたはメチルである。なおさらに別の実施形態では、L'は、−O−CH(R
13d)−であって、式中R
13dは、HまたはC
1−C
6アルキルである。一実施形態では、R
13dは、メチルである。一実施形態では、L'は、−CH
2CH
2C(O)O−[CH
2CH
2O]
h'C(O)CH
2CH
2−であり、式中h'は、1〜500である。このリンカーを含むコンジュゲートは、ジカルボン酸およびPEGを用いて合成されてもよい。このリンカーを含むいくつかの例示的なコンジュゲートは、
図16に示される。
【0112】
リンカーは、ジカルボン酸であってもよい。例示的なジカルボン酸としては、限定するものではないが、アセトンジカルボン酸;アセチレンジカルボン酸;N−アセチルグルタミン酸;ACPD;アジピン酸;アルダル酸;2−アミノ−3−カルボキシムコンセミアルデヒド;α−アミノアジピン酸;2−アミノムコン酸;アスパラギン酸;アゼライン酸;4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸);バシリチオール(Bacillithiol);ビシンコニン酸;ショウノウ酸;カルバモイルアスパラギン酸;カルボシステイン;チコリ酸;シラスタチン;クリノフィブラート;ジアミノピメリン酸;ジグリコール酸;ジヒドロキシマロン酸;ダイマー酸;ジメルカプトコハク酸;ジピコリン酸;ドコサン二酸;ドデカン二酸;葉酸;フマル酸;フマリルアセト酢酸塩;2,5−フランジカルボン酸;グルタコン酸;グルタミン酸;4−(γ−グルタミルアミノ)ブタン酸;グルタル酸;3−ヒドロキシアスパラギン酸;α−ヒドロキシグルタル酸;ヒポグリシンB;イミノ二酢酸;インジカキサンチン(Indicaxanthin);イソフタル酸;イタコン酸;α−ケトアジピン酸;α−ケトグルタル酸;リピドリド(Lepidolide);マレイン酸;マレイル酢酸;リンゴ酸;マロン酸;メコン酸;メグルトール;メサコン酸;メソキサル酸;N−メチル−D−アスパラギン酸;3−メチルグルタコン酸;メチルマロン酸;ムコン酸;ネドクロミル;シュウ酸;オキサロ酢酸;オキサリルジアミノプロピオン酸;N−オキサリルグリシン;パモン酸;PCCG−4;フタル酸;ピメリン酸;プレフェン酸;キノリン酸;セバシン酸;スチゾロビン酸;スベリン酸;コハク酸;酒石酸;タルトロン酸;テレフタル酸;チオリンゴ酸;チジアシク;およびトラウマチン酸が挙げられる。さらに、2つ以上のカルボン酸基を含むポリマーは、ジカルボン酸のようなリンカーとしても用いられ得る。リンカーとしてジカルボン酸を含むいくつかの例示的なコンジュゲートは、
図17〜21に示される。
【0113】
一部の実施形態では、リンカーは、β−ヒドロキシ酸である。リンカーとして用いることができるβヒドロキシ酸の例としては、限定するものではないが、3−ヒドロキシル−アルカン酸が挙げられ、このアルカンは、約3〜約25個の炭素原子を有するアルカンから選択される。いくつかのβ−ヒドロキシ酸は、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、トロパ酸、およびトレトカン酸である。他の適切なβ−ヒドロキシ酸は、米国特許第5,665,776号に記載されている。リンカーとしての使用に好ましい1つのβ−ヒドロキシ酸は、サリチル酸である。
【0114】
βヒドロキシル酸(BHA)は油溶性である。従って、BHAは、皮脂および死んだ細胞の積層で詰まっている細孔の内側に浸透することによって毛穴の皮脂および毛穴の黒ずみをきれいにするのに極めてよく機能する。BHAは、細孔の皮膚の詰まりを破壊し、αヒドロキシ酸よりも感染した細孔に深く到達できる強力な剥離剤である。BHAは、抗炎症作用に起因して皮膚刺激のリスクが低い。BHAは、日焼けで損傷した皮膚の色むらを低減し得る。BHAの潜在的な副作用としては、掻痒、疼痛、焼けるような感じおよび赤みが挙げられる。黒い人の方が瘢痕のリスクが高い。
【0115】
1つの例示的なBHAは、サリチル酸である。サリチル酸は、たこ、湿疹、乾癬、いぼおよびフケを低減および排除するのに有効である。サリチル酸は、損傷した皮膚細胞の脱落および新しい皮膚細胞の成長を促進することによって作用する。これは、皮膚の細孔をきれいに保ち、これによって、目詰まりを最小にして、全ての形態のざ瘡を能動的に破壊する。サリチル酸は、乾燥し損傷した皮膚パッチを、表皮のタンパク質ケラチンを軟化することによってゆるめる。サリチル酸は、細孔を十分処置するのに十分長く皮膚表面に残る。サリチル酸は、敏感な皮膚に安全であり、わずかな副作用としては、乾燥、わずかな刺すような感覚、赤みおよび剥離が挙げられる。
【0116】
一部の実施形態では、リンカーは、ポリヒドロキシ酸であり、これは通常は、有機のカルボン酸化合物(少なくとも2つのヒドロキシル基を分子中に有し、約100〜約300という好ましい分子量を有する)である。ポリヒドロキシ酸は、アルドン酸、アルダル酸、およびアルズロン酸に分けることができる。ポリヒドロキシ酸としては、グルコン酸、リボン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、ラクトビオン酸などが挙げられる。
【0117】
αヒドロキシル酸(AHA)は、細胞が皮膚表面上で別の細胞に固着することを防ぐことによって作用する。AHAは、皮膚の表層を剥離して脱落させ、新しい平滑な皮膚を下に露出させ得る。これは、湿疹、乾癬、ざ瘡および加齢によるしみのような皮膚の問題を解消するのに有効であり、細胞でコラーゲン増殖を刺激することを助ける、AHAの1つの主要な副作用は、塗布した領域での太陽過敏の増大である。AHAは、刺激、赤み、掻痒または皮膚の焼けるような感覚を生じ得、時には、より黒い皮膚の色調では瘢痕を引き起こし得る。
【0118】
1つの例示的なAHAは、グリコール酸である。グリコール酸は、皮膚に浸透する能力が優れている。グリコール酸は、しわ、瘢痕および色素沈着過剰ならびに多くの他の皮膚の状態、例えば、光線角化症、過角化症、脂漏性角化症を低減し、皮膚の外観および感触を改善するために用いられ得る。グリコール酸は、表皮の上層と反応して、一緒になって死んだ皮膚を保持している脂質の結合特性を弱める。これによって、角質層は、剥離されるようになり、生きた皮膚細胞が露出される。これは、皮膚刺激性である場合がある。
【0119】
別のAHAはマンデル酸である。マンデル酸は、抗菌特性を有し、スキンケアにおいてグリコール酸の代わりに用いられる。
【0120】
AHAは、皮膚への迅速な浸透を可能にする一本鎖の分子であるが、ポリヒドロキシ酸(PHA)は、複数の鎖の分子(およびより大きいサイズ)であって、このせいで、皮膚への浸透は遅くなる。PHAは、遅い速度で吸収され、これによって、穿刺痛または刺激のような副作用は低減される。PHAは、AHAの次世代とみなされる。なぜならPHAは、天然で非毒性であり得るからである。PHAは、皮膚の表層での細胞の発達である角質化を調整し、角質層の剥離および厚みを正常にする。穏やかな局所浸透によって、過敏性および不快感が低減される。例示的なPHAとしては、限定するものではないが、ラクトビオン酸、ガラクトースおよびグルコン酸が挙げられる。
【0121】
ラクトビオン酸は、牛乳中のラクトース(グルコノラクトン+ガラクトース)由来のPHAである。これは、より多くの水に結合する8つのヒドロキシル基のおかげで、他の湿潤剤、例えば、グリセロール、ソルビトール、およびグリコール酸よりも高機能である。ラクトビオン酸は、酸素のフリーラジカルの誘発する組織損傷をブロックする抗酸化特性を有する。これは、ゲルフィルムを形成し、このフィルムが皮膚に結合して、平滑化および治癒の利益を与え、潤いおよび張りを増大する。これは、特に鋭敏な皮膚を標的としたアンチエイジング効果を有する。
【0122】
ガラクトースは、化学的に中性のPHAである。ガラクトースは、創傷治癒およびタンパク質合成を補助する。ガラクトースは、創傷治癒を増強し得る、コラーゲン合成および細胞遊走に利用される。
【0123】
グルコン酸は、皮膚に有益な効果を与えることが公知のPHAである。
【0124】
アルドースとも呼ばれる炭水化物が、炭素1の位置でアルデヒドからカルボキシル基へ酸素化されるとき、この生成物は、アルドン酸と呼ばれる。例えば、グルコースが、炭素1の位置で酸化されるとき、この生成物は、グルコン酸である。アルドン酸は通常、複数のヒドロキシル基を有する。アルドン酸は、立体異性体として、D、LおよびDLまたはR、SおよびRS型として存在し得る。多くのアルドン酸は、分子内のラクトン、アルドノラクトンを、カルボキシル基と1つのヒドロキシル基との間で1モルの水を取り除くことによって、形成する。代表的なアルドン酸としては、2,3−ジヒドロキシプロパン酸(グリセリン酸);2,3,4−トリヒドロキシブタン酸(立体異性体、エリスロン酸、およびエリスロノラクトン、スレオン酸およびスレオノラクトン);2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸(立体異性体、リボン酸、およびリボノラクトン、アラビノン酸およびラビオラクトン、キシロン酸、およびキシロノラクトン、リキソン酸およびリキソノラクトン);2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸(立体異性体、アロン酸、およびアロノラクトン、アルトロン酸およびアルトロノラクトン、グルコン酸およびグルコノラクトン、マンノン酸およびマンノラクトン、グロン酸およびグロノラクトン、イドン酸およびイドノラクトン、ガラクトン酸およびガラクトノラクトン、タロン酸およびタロノラクトン);2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシヘプタン酸(立体異性体、アロヘプトン酸およびアロヘプトノラクトン、アルロヘプトン酸およびアルトロヘプトノラクトン、グルコヘプトン酸およびグルコヘプトノラクトン、マンノヘプトン酸およびマンノヘプトノラクトン、ガラクトヘプトン酸およびガラクトヘプトノラクトン、イドヘプトン酸およびイドヘプトノラクトン、ガラクトヘプトン酸およびガラクトヘプトノラクトン、タロヘプトン酸およびタロヘプトノラクトン)が挙げられる。
【0125】
アルダル酸は通常は、2つのカルボキシル基によって囲まれる炭素鎖に結合された複数のヒドロキシル基を有する。多くのアルダル酸は、グルカロラクトンからグルカル酸のように、2つのカルボキシル基のうちの1つと、1つのヒドロキシル基との間で1モルの水を除去することによって分子内ラクトン、アルダロラクトンを形成する。アルダル酸は、立体異性体として、D、LおよびDL、またはR、SおよびRS型として存在し得る。例示的なアルダル酸としては、限定するものではないが、2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−二酸(立体異性体;エリトラル酸およびトレアル酸);2,3,4−トリヒドロキシペンタン−1,5−二酸(立体異性体;リバル酸およびリバロラクトン、アラバル酸およびアラバロラクトン、キシラル酸およびキシラロラクトン、リキサル酸およびリキサロラクトン);2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−二酸(立体異性体;アラル酸およびアラロラクトン、アルトラル酸およびアルトラロラクトン、グルカル酸およびグルカロラクトン、マンナル酸およびマンナロラクトン、グルカル酸およびグラロラクトン、イダル酸およびイダロラクトン、ガラクタル酸およびガラクタロラクトン、タラル酸およびタラロラクトン);2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘプタン−1,7−二酸(立体異性体;アロヘプタル酸およびアロヘプタロラクトン、アルトロヘプタル酸およびアルトロヘプタロラクトン、グルコヘプタル酸およびグルコヘプタロラクトン、マンノヘプタル酸およびマンノヘプタロラクトン、グロヘプタル酸およびグロヘプタロラクトン、イドヘプタル酸およびイドヘプタロラクトン、ガラクトヘプタル酸およびガラクトヘプタロラクトン、タロヘプタル酸およびタロヘプタロラクトン)が挙げられる。
【0126】
アルズロン酸は通常は、炭水化物、アルドースから、カルボキシル基に対する末端の炭素の酸化によって得られ、炭素の1位は、アルデヒド基として残る(例えばグルクロン酸からグルコースのように)。アルドン酸およびアルダル酸に対してと同様に、アルズロン酸はまた、この場合は1つはアルデヒド基であって、1つはカルボキシル基である、2つの官能基の間の炭素鎖に結合された複数のヒドロキシル基を有する。多くのアルズロン酸が、分子内ラクトン、アルズロノラクトン(alduronolactones)として存在する(例えば、グルクロン酸由来のグルクロノラクトン)。アルズロン酸は、立体異性体として、D、LおよびDL、またはR、SおよびRS型として存在してもよい。例示的なアルズロン酸としては、限定するものではないが、エリスロウロン酸およびトレウロン酸、リブロン酸およびリブロノラクトン、アラブロン酸およびアラブロノラクトン、キシルロン酸およびキシルロノラクトン、リキスロン酸およびリキスロノラクトン、アルロン酸およびアルロノラクトン、アルツロン酸およびアルツロノラクトン、グルクロン酸およびグルクロノラクトン、マンヌロン酸およびマンヌロノラクトン、グルロン酸およびグルロノラクトン、イズロン酸およびイズロノラクトン、ガラクツロン酸およびガラクツロノラクトン、タルロン酸およびタルロノラクトン、アロヘプツロン酸およびアロヘプツロノラクトン、アルトロヘプツロン酸およびアルトロヘプツロノラクトン、グルコヘプツロン酸およびグルコヘプツロノラクトン、マンノヘプツロン酸およびマンノヘプツロノラクトン、グロヘプツロン酸およびグロヘプツロノラクトン、イドヘプツロン酸およびイドヘプツロノラクトン、ガラクトヘプツロン酸およびガラクトヘプツロノラクトン、タロヘプツロン酸およびタロヘプツロノラクトンが挙げられる。
【0127】
一部の実施形態では、リンカーは直接結合である。リンカーとして結合を有する例示的なコンジュゲートとしては、クリンダマイシンラウリル酸コンジュゲート、クリンダマイシンアダパレネム(adapalenme)コンジュゲート、およびエリスロマイシン−ラウリル酸コンジュゲート(
図16および17に示す)が挙げられる。
【0128】
一部の実施形態では、リンカーは、PLGA、PLAである。PLGAをリンカーとして含む例示的なコンジュゲートを
図17に示す。
【0129】
一部の実施形態では、リンカーは、分岐したリンカーである。この分岐したリンカーの分岐点は、少なくとも三価であってもよいが、四価、五価、もしくは六価の原子であっても、またはこのような複数の価数を示す基であってもよい。一部の実施形態では、この分岐点は、−N、−N(Q)−C、−O−C、−S−C、−SS−C、−C(O)N(Q)−C、−OC(O)N(Q)−C、−N(Q)C(O)−C、または−N(Q)C(O)O−Cであって、式中Qは独立して各々の出現についてHまたは必要に応じて置換されたアルキルである。一部の実施形態では、この分岐点は、グリセロールまたはその誘導体である。
【0130】
本明細書に記載されるリンカーを一緒に用いて、本明細書に記載の2つ以上のリンカーを含むより長いリンカーを形成してもよい。例えば、−CH(R
1)−型のリンカーを、カルボン酸分子に基づくリンカーに連結してもよい。1つのこのような例示的な伸長したリンカーは、上記のような、−CH(R
9)OC(O)−または−CH(R
9)OC(O)−L'−または−CH(R
9)OC(O)−L'−Y−C(O)−である。
【0131】
一部の実施形態では、本発明のコンジュゲートベースのプロドラッグは、2つ以上の担体分子を含んでもよい。2つ以上の担体がコンジュゲートされたプロドラッグ中に存在する場合、全ての担体は、同じであってもよいし、全てが異なってもよいし、または同じものと異なるものとの組み合わせであってもよい。限定するものではないが、各々の担体は、同様のリンカーによって連結されてもよいし、または異なる種類のリンカーによって連結されてもよい。
【0132】
パーソナルケア組成物
本発明のコンジュゲートベースのプロドラッグは、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物のようなパーソナルケア組成物中に用いられてもよい。本発明のパーソナルケア組成物は、有効量の少なくとも1つのコンジュゲートベースのプロドラッグを、組成物の総重量に対して約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の範囲の範囲で含む。本明細書において用いる場合、「有効量」とは、所望の改善を達成するのに必要なパーソナルケア組成物中のコンジュゲートベースのプロドラッグの量である。
【0133】
コンジュゲートベースのプロドラッグに加えて、本発明のパーソナルケア組成物はまた、共同作用または相乗効果のために他の薬学的な剤または局所剤を含んでもよい。組成物中に組み込むことができる薬剤および他の局所剤としては、加齢によるしみ、角質繊維およびしわを改善するかまたは根絶するもの;局所の鎮痛薬および麻酔薬;抗ざ瘡剤;抗菌剤;抗酵母剤;抗真菌剤;抗ウイルス剤;フケ防止剤;抗皮膚炎剤;抗ヒスタミン剤;かゆみ止め剤;制吐剤;鎮暈剤;抗炎症剤;抗過角質溶解剤(antihyperkeratolytic agent);制汗剤;抗乾癬剤;抗脂漏剤;ヘアコンディショナーおよびヘアトリートメント剤;老化防止剤および抗しわ剤;日焼け止めおよびサンスクリーン剤;皮膚美白剤;脱色素剤;ビタミン;コルチコステロイド;日焼け剤;湿潤剤;ホルモン;レチノイド;歯周病またはオーラルケア剤;局所心血管剤;魚の目、たこ、いぼの除去剤;ならびに脱毛剤が挙げられる。
【0134】
上述の剤の例としては、限定するものではないが、アゼライン酸、トリクロサン、α−ヒドロキシ酸、グリコール酸、マンデル酸、β−ヒドロキシ酸、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、ラクトビオン酸、ガラクトース、グルコン酸、アダパレン、アバカビル、アセブトロール、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセタゾラミド、アセトヒドロキサミン酸、アセチルサリチル酸、アシトレチン、アクロベート、アクリバスチン、アクティク、アシクロビル、アダパレン、アデフォビルジピボキシル、アデノシン、アルブテロール、アルフゾシン、アロプリノール、アロキサンチン、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アルプレノロール、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、クロロ水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アマンタジン、アミロライド、アミナクリン、アミノ安息香酸(PABA)、アミノカプロン酸、アミノサリチル酸、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモカルジン、アモジアキン、アモロルフィン、アモキサピン、アンフェタミン、アンピシリン、アナグレリド、アナストロゾール、アントラリン、アポモルフィン、アプレピタント、アルブチン、アリピプラゾール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトロピン、アザチオプリン、アゼライン酸、アゼラスチン、アジスロマイシン、バシトラシン、ジプロピオン酸ベクロメタソン、ベメグリド、ベナゼプリル、ベンドロフルメチアジド、ベンゾカイン、ベンゾナテート、ベンゾフェノン、ベンズトロピン、ベプリジル、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブリモニジン、ブロムフェニラミン、ブピバカイン、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブリマミド、ブテナフィン、ブトコナゾール、カベルゴリン、コーヒー酸、カフェイン、カルシポトリエン、カンファー、カンデサルタンシレキセチル、カプサイシン、カルバマゼピン、セフジトレンピボキシル、セフェピム、セフポドキシムプロキセチル、セレコキシブ、セチリジン、セビメリン、キトサン、クロルジアゼポキシド、クロルヘキシジン、クロロキン、クロロチアジド、クロロキシレノール、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、クロルプロパミド、シクロピロックス、シロスタゾール、シメチジン、シナカルセット、シプロフロキサシン、シタロプラム、クエン酸、クラドリビン、クラリスロマイシン、クレマスチン、クリンダマイシン、クリオキノール、プロピオン酸クロベタゾール、クロミフェン、クロニジン、クロピドグレル、クロトリマゾール、クロザピン、コカイン、コデイン、クロモリン、クロタミトン、シクリジン、シクロベンザプリン、シクロセリン、シタラビン、ダカルバジン、ダルホプリスチン、ダプソン、ダプトマイシン、ダウノルビシン、デフェロキサミン、デヒドロエピアンドロステロン、デラビルジン、デシプラミン、デスロラタジン、デスモプレシン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニダート、デクスラゾキサン、デクストロアンフェタミン、ジアゼパム、ジサイクロミン、ジダノシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジルチアゼム、6,8−ジメルカプトオクタン酸(ジヒドロリポ酸)、ジフェンヒドラミン、ジフェノキシレート、ジピリダモール、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドネペジル、ドーパエステル、ドーパミニド、ドーパミン、ドルゾラミド、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドキシラミン、ドキシピン、デュロキセチン、ジクロニン、エコナゾール、エフロルムチン、エレトリプタン、エムトリシタビン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エピニン、エピルビシン、エプチフィバチド、エルゴタミン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、エスモロール、エソメプラゾール、エスタゾラム、エストラジオール、エタクリン酸、エチニルエストラジオール、エチドカイン、エトミダート、ファムシクロビル、ファモチジン、フェロジピン、フェンタニル、フェルラ酸、フェキソフェナジン、フレカイニド、フルコナゾール、フルシトシン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、5−フルオロウラシル、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、ホルモテロール、フロセミド、ガラクタロラクトン、ガラクトン酸、ガラクトノラクトン、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲミフロキサシン、グリコール酸、グリセオフルビン、グアイフェネシン、グアネチジン、N−グアニルヒスタミン、ハロペリドール、ハロプロジン、ヘキシルレゾルシノール、ホマトロピン、ホモサレート、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-アセタート、ヒドロコルチゾン17-ブチラート、ヒドロコルチゾン17-バレラート、ヒドロモルフォン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエーテル、ヒドロキシジン、ヒヨスシアミン、ヒポキサンチン、イブプロフェン、イクタモール、イダルビシン、イマチニブ、イミプラミン、イミキモド、インジナビル、インドメタシン、イルベサルタン、イリノテカン、イソエタリン、イソプロテレノール、イトラコナゾール、カナマイシン、ケタミン、ケタンセリン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、コウジ酸、ラベタロール、乳酸、ラクトビオン酸、ラミブジン、ラモトリジン、ランソプラゾール、レトロゾール、ロイプロリド、レバルブテロール、レボフロキサシン、リドカイン、リネゾリド、ロベリン、ロペラミド、ロサルタン、ロキサピン、リゼルギン酸ジエチルアミド、マフェニド、リンゴ酸、マルトビオン酸、マンデリン酸、マプロチリン、メベンダゾール、メカミルアミン、メクリジン、メクロサイクリン、メマンチン、メンソール、メペリジン、メピバカイン、メルカプトプリン、メスカリン、メタネフリン、メタプロテレノール、メタラミノール、メトホルミン、メタドン、メタンフェタミン、メトトレキサート、メトキサミン、メチルドーパエステル、メチルドーパミド、3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン、メチル乳酸、ニコチン酸メチル、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチアミド、メトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、メキシレチン、ミコナゾール、ミダゾラム、ミドドリン、ミグルスタット、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミトキサントロン、モエキシプリラート、モリンドン、モノベンゾン、モルフィン、モキシフロキサシン、モキソニジン、ムピロシン、ナドロール、ナフチフィン、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナプロキセン、ネファゾドン、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネビラピン、ニカルジピン、ニコチン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニザチジン、ノルエピネフリン、ニスタチン、オクトパミン、オクトレオチド、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オフロキサシン、オランザピン、オルメサルタンメドキソミル、オロパタジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オキシコナゾール、オキソトレモリン、オキシベンゾン、オキシブチニン、オキシコドン、オキシメタゾリン、パジメートO、パロノセトロン、パントテン酸、パントイルラクトン、パロキセチン、ペモリン、ペンシクロビル、ペニシラミン、ペニシリン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペントスタチン、ペントキシフィリン、ペルゴリド、ペリンドプリル、ペルメトリン、フェンシクリジン、フェネルジン、フェニラミン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェノール、フェノキシベンザミン、フェントラミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、フィゾスチグミン、ピロカルピン、ピモジド、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピパマジン、ピペロニルブトキシド、ピレンゼピン、ポドフィロックス、ポドフィリン、プラミペキソール、プラモキシン、プラゾシン、プレドニゾン、プレナルテロール、プリロカイン、プロカインアミド、プロカイン、プロカルバジン、プロマジン、プロメタジン、プロピオン酸プロメタジン、プロパフェノン、プロポキシフェン、プロプラノロール、プロピルチオウラシル、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、ピレトリン、ピリラミン、ピリメタミン、クエチアピン、キナプリル、キネタゾン、キニジン、キヌプリスチン、ラベプラゾール、レセルピン、レソルシノール、レチナール、13−シスレチノイン酸、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、リバビリン、リボン酸、リボノラクトン、リファンピン、リファペンチン、リファキシミン、リルゾール、リマンタジン、リセドロン酸、リスペリドン、リトドリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロピニロール、ロピバカイン、サリチルアミド、サリチル酸、サルメテロール、スコポラミン、セレギリン、セレニウムスルフィド、セロトニン、セルチンドール、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、ソタロール、ストレプトマイシン、ストリキニーネ、スルコナゾール、スルファベンズ、スルファベンズアミド、スルファブロモメタジン、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファグアノール、スルファレン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファニルアミド、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファサラジン、スルファソミゾール、スルファチアゾール、スルフィソキサゾール、タダラフィル、タムスロシン、酒石酸、タザロテン、テガセロール、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモゾロミド、テノフォビルジソプロキシル、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルコナゾール、テルフェナジン、テトラカイン、テトラサイクリン、テトラヒドロゾリン、テオブロミン、テオフィリン、チアベンダゾール、チオリダジン、チオチキセン、チモール、チアガビン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チロフィバン、チザニジン、トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、トルブタミド、トルナフテート、トルテロジン、トラマドール、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサセトニド、トリアムテレン、トリアゾラム、トリクロサン、トリフルプロマジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、トロメタミン、トロパ酸、チラミン、ウンデシレン酸、尿素、ウロカニン酸、ウルソジオール、バルデナフィル、ベンラファキシン、ベラパミル、ビタミンEアセテート、ボリコナゾール、ワーファリン、キサンチン、ザフィルルカスト、ザレプロン、ジンクピリチオン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、およびゾルピデムが挙げられる。
【0135】
アゼライン酸は、天然に存在するジカルボン酸である。アゼライン酸は、ケラチノサイトのDNA合成を阻害し得、面皰溶解性である。アゼライン酸は、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)およびP.アクネスに対して用量依存性の抗菌効果を有する。高濃度では、アゼライン酸は、灼熱感を引き起こし得る。
【0136】
トリクロサンは、多数の家庭用備品、例えば、応急処置のクリーム、口腔洗浄液、防臭剤、歯磨き粉、ハンドソープおよび洗顔料(Clearsil)にみられる抗菌剤である。トリクロサンは、皮膚表面下の細菌増殖物を取り去る。トリクロサンの主な利点は、長期間にわたってそれが皮膚上に残る能力である。トリクロサンはそれほど水溶性ではなく、変性に時間がかかり、そのため洗浄後に皮膚上に残って細菌を破壊し続けることが可能になる。過剰使用では、抗生物質に耐性の新しい菌株の発生を引き起こす場合があり、環境的に危険を生じる場合がある。トリクロサンは、過酸化ベンゾイルまたはサリチル酸を含む生成物と組み合わせた場合、最も効果がある。トリクロサンは、ざ瘡の他の処置の期間および有効性を増大する防御剤として機能し得る。
【0137】
αヒドロキシル酸(AHA)は、細胞が皮膚表面上で別の細胞に固着することを防ぐことによって作用する。AHAは、皮膚の表層を剥離して脱落させ、新しい平滑な皮膚を下に露出させ得る。これは、湿疹、乾癬、ざ瘡および加齢によるしみのような皮膚の問題を解消するのに有効であり、細胞でコラーゲン増殖を刺激することを助ける。AHAの1つの主要な副作用は、塗布した領域での太陽過敏の増大である。AHAは、刺激、赤み、掻痒または皮膚の焼けるような感覚を生じ得、時には、より黒い皮膚の色調では瘢痕を引き起こし得る。
【0138】
1つの例示的なAHAは、グリコール酸である。グリコール酸は、皮膚に浸透する能力が優れている。グリコール酸は、しわ、瘢痕および色素沈着過剰ならびに多くの他の皮膚の状態、例えば、光線角化症、過角化症、脂漏性角化症を低減し、皮膚の外観および感触を改善するために用いられ得る。グリコール酸は、表皮の上層と反応して、一緒になって死んだ皮膚を保持している脂質の結合特性を弱める。これによって、角質層は、剥離されるようになり、生きた皮膚細胞が露出される。これは、皮膚刺激性である場合がある。
【0139】
別のAHAはマンデル酸である。マンデル酸は、抗菌特性を有し、スキンケアにおいてグリコール酸の代わりに用いられる。
【0140】
βヒドロキシル酸(BHA)は油溶性である。従って、BHAは、皮脂および死んだ細胞の積層で詰まっている細孔の内側に浸透することによって毛穴の皮脂および毛穴の黒ずみをきれいにするのに極めてよく機能する。BHAは、細孔の皮膚の詰まりを破壊し、αヒドロキシ酸よりも感染した細孔に深く到達できる強力な剥離剤である。BHAは、抗炎症作用に起因して皮膚刺激のリスクが低い。BHAは、日焼けで損傷した皮膚の色むらを低減し得る。BHAの潜在的な副作用としては、掻痒、疼痛、焼けるような感じおよび赤みが挙げられる。黒い人の方が瘢痕のリスクが高い。
【0141】
1つの例示的なBHAは、サリチル酸である。サリチル酸は、たこ、湿疹、乾癬、いぼおよびフケを低減および排除するのに有効である。サリチル酸は、損傷した皮膚細胞の脱落および新しい皮膚細胞の成長を促進することによって作用する。これは、皮膚の細孔をきれいに保ち、これによって、目詰まりを最小にして、全ての形態のざ瘡を能動的に破壊する。サリチル酸は、乾燥し損傷した皮膚パッチを、表皮のタンパク質ケラチンを軟化することによってゆるめる。サリチル酸は、細孔を十分処置するのに十分長く皮膚表面に残る。サリチル酸は、敏感な皮膚に安全であり、わずかな副作用としては、乾燥、わずかな刺すような感覚、赤みおよび剥離が挙げられる。
【0142】
AHAは、皮膚への迅速な浸透を可能にする一本鎖の分子であるが、ポリヒドロキシ酸(PHA)は、複数の鎖の分子(および、より大きいサイズ)であって、このせいで、皮膚への浸透は遅くなる。PHAは、遅い速度で吸収され、これによって、穿刺痛または刺激のような副作用は低減される。PHAは、AHAの次世代とみなされる。なぜならPHAは、天然かつ非毒性であり得るからである。PHAは、皮膚の表層での細胞の発達である角質化を調整し、角質層の剥離および厚みを正常にする。穏やかな局所浸透によって、過敏性および不快感が低減される。例示的なPHAとしては、限定するものではないが、ラクトビオン酸、ガラクトースおよびグルコン酸が挙げられる。
【0143】
ラクトビオン酸は、牛乳中のラクトース(グルコノラクトン+ガラクトース)由来のPHAである。これは、より多くの水に結合する8つのヒドロキシル基のおかげで、他の湿潤剤、例えば、グリセロール、ソルビトール、およびグリコール酸よりも高機能である。ラクトビオン酸は、酸素のフリーラジカルの誘発する組織損傷をブロックする抗酸化特性を有する。これは、ゲルフィルムを形成し、このフィルムが皮膚に結合して、平滑化および治癒の利益を与え、潤いおよび張りを増大する。これは、特に鋭敏な皮膚を標的としたアンチエイジング効果を有する。
【0144】
ガラクトースは、化学的に中性のPHAである。ガラクトースは、創傷治癒およびタンパク質合成を補助する。ガラクトースは、創傷治癒を増強し得る、コラーゲン合成および細胞遊走に利用される。
【0145】
グルコン酸は、皮膚に有益な効果を与えることが公知のPHAである。
【0146】
アダパレンは、局所のクリンダマイシンの有効性を増強することが示された。クリンダマイシンの塗付の3〜5分前に皮膚へアダパレンゲルを塗付すると、皮膚へのクリンダマイシンの浸透を増強する。これは、角質除去(ピーリング)効果および抗炎症効果の両方を有する。これは、ざ瘡の処置では、トレチノイン0.025%ゲルよりも潜在的に有効である。
【0147】
本発明のパーソナルケア組成物はさらに、ヘアケアまたはパーソナルケア製品における使用について公知の1つ以上の任意の成分を、この任意の成分が本明細書に記載される必須成分と物理的および化学的に適合性であるか、そうでなければ、製品の安定性、外観、または能力を過度に損なうことがない条件であれば、含んでもよい。このような任意の成分の個々の濃度は、この組成物の約0.001重量%〜約10重量%におよんでもよい。
【0148】
組成物中での使用のための任意の成分の非限定的な例としては、沈着助剤(deposition aid)、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、分散粒子、調整剤(コンディショニング剤)(シリコーンおよび有機コンディショニングオイル)、湿潤剤、懸濁剤、追加のフケ防止活性、粘度調整剤、色素、不揮発性溶媒または希釈剤(水溶性および不溶性)、真珠光沢助剤、起泡力増進剤、追加の界面活性剤、または非イオン性の補助界面活性剤(cosurfactant)、殺シラミ薬、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート、タンパク質、皮膚活性剤(skin active agent)、サンスクリーン、UV吸収剤、ビタミン、抗酸化剤、防腐剤、充填剤、界面活性剤、UVAおよび/またはUVBサンスクリーン、香料、増粘剤、加湿薬、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー、粘度安定剤/泡安定剤、乳白剤/光沢剤、封鎖剤、安定化剤、ヘアーコンディショニング剤、湿潤剤、帯電防止剤、凍結防止剤、緩衝剤、色素、および顔料が挙げられる。これらのアジュバントは、化粧品の分野で周知であり、多くの刊行物に記載されており、例えば、Harry's Book of Cosmeticology,第8版,Martin Rieger,編集,Chemical Publishing,New York(2000)を参照のこと。
【0149】
本発明のパーソナルケア組成物は、沈着助剤を含んでもよい。この沈着助剤は、パーソナルケア組成物成分の沈着を効果的に増強するために含まれる。この沈着助剤は、毛髪、頭髪または皮膚上へのパーソナルケア組成物の沈着を増強する任意の材料を含んでもよい。好ましくは、この沈着助剤は、カチオン性ポリマーである。このパーソナルケア組成物中の沈着助剤の濃度は、この構成要素の沈着を効率的に増強するのに十分でなければならず、通常は、このパーソナルケア組成物の重量の約0.05%〜約5%、好ましくは約0.075%〜約2.5%、より好ましくは約0.1%〜約1.0%の範囲である。
【0150】
本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含んでもよい。組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、通常は、この組成物の重量あたり約0.05%〜約3%、好ましくは約0.075%〜約2.0%、より好ましくは約0.1%〜約1.0%にわたる。好ましいカチオン性ポリマーは、少なくとも約0.9meq/gm、好ましくは少なくとも約1.2meq/gm、より好ましくは少なくとも約1.5meq/gm、ただしまた好ましくは約7meq/gm未満、より好ましくは約5meq/gin未満というカチオン性電荷密度を有する。組成物の意図した用途のpHは一般には、約pH3〜約pH9、好ましくは約pH4〜約pH8の範囲である。このような適切なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般には、約10,000〜10ミリオン、好ましくは約50,000〜約5ミリオン、より好ましくは約100,000〜約3ミリオンである。
【0151】
本発明の組成物における使用のために適切なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムまたはカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含む。カチオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の種および選択されたpH次第で、一級、二級または三級のアミン(好ましくは二級または三級)であってもよい。任意のアニオン性対イオンは、カチオン性ポリマーと、そのポリマーが水に、組成物中に、またはその組成物のコアセルベート相中で可溶性のままである限り、ならびに対イオンが、その組成物の必須の成分と物理的におよび化学的に適合性であるか、そうでなければ生成物の能力、安定性もしくは外観に影響しすぎない限り、会合されて用いられてもよい。このような対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、硫酸塩および硫酸メチルが挙げられる。
【0152】
カチオン性ポリマーの非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,第3版、Estrin,Crosley,およびHaynes,(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.(1982))に記載されている。
【0153】
適切なカチオン性ポリマーの非限定的な例としては、ビニルモノマーのコポリマーであって、カチオン性プロトン化アミンまたは四級アンモニウム官能基を、水溶性スペーサーモノマーとともに有するもの、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルおよびジアルキルアクリルアミド、アルキルおよびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトンまたはビニルピロリドンが挙げられる。
【0154】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマー中に含むために適切なカチオン性プロトン化アミノおよび四級アンモニウムモノマーとしては、ビニル化合物であって、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩、およびビニル四級アンモニウムモノマー(環状のカチオン性窒素含有環を有する)、例えば、ピリジニウム、イミダゾリウム、および四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩で置換されたものが挙げられる。
【0155】
組成物中での使用のための他の適切なカチオン性ポリマーとしては、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)(当業界では、トイレ化粧品香料工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)「CTFA」によって、Polyquaternium−16と称される)とのコポリマー;1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(当業界では、CTFAによって、Polyquaternium−11と称される);カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー、例としては、例えば、ジメチルジアリル塩化アンモニウムホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリル塩化アンモニウムとのコポリマー(当業界ではCTFAによってそれぞれ、Polyquaternium 6およびPolyquaternium 7と称される);アクリル酸の両性コポリマー、例としては、アクリル酸とジメチルジアリル塩化アンモニウムとのコポリマー(当業界では、CTFAによって、Polyquaternium 22と称される)、アクリル酸とジメチルジアリル塩化アンモニウムおよびアクリルアミドとのターポリマー(当業界ではCTFAによってPolyquaternium 39と称される)、ならびにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウムおよびメチルアクリレートとのターポリマー(当業界では、CTFAによって、Polyquaternium 47と称される)が挙げられる。
【0156】
組成物中の使用のための他の適切なカチオン性ポリマーとしては、多糖ポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体およびカチオンでんぷん誘導体が挙げられる。好ましいカチオン性 セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応されたヒドロキシエチルセルロースの塩(当業界では(CTFA)Polyquaternium 10と呼ばれ、Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、彼らのPolymer LR、JR、およびKGシリーズのポリマーで得られる)である。他の適切な種類のカチオン性セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換のエポキシドと反応されたヒドロキシエチルセルロースの高分子の四級アンモニウム塩(当業界では(CTFA)Polyquaternium 24と称される)が挙げられる。これらの材料は、商品名Polymer LM−200としてAmerchol Corp.から入手可能である。
【0157】
他の適切なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(その特定の例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されている、JaguarシリーズおよびAqualon Division of Hercules,Inc.から市販されているN−Hanceシリーズが挙げられる)が挙げられる。他の適切なカチオン性ポリマーとしては、四級窒素含有セルロースエーテル(そのいくつかの例は、米国特許第3,962,418号に記載される)が挙げられる。他の適切なカチオン性ポリマーとしては、エーテル化されたセルロース、グアーおよびでんぷんのコポリマー(そのいくつかの例は、米国特許第3,958,581に記載されている)が挙げられる。用いられた場合、本明細書の以前に記載のカチオン性ポリマーは、組成物中で可溶性であるか、または本明細書の前に記載のカチオン性ポリマーおよびアニオン性、両性および/または双性イオン性界面活性剤界面活性剤成分によって形成される組成物中の、複合コアセルベート相中で可溶性である。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、その組成物中で他の荷電された材料で形成されてもよい。
【0158】
約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書で有用である。本明細書において有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(これはまた、Union Carbideから入手可能な、Polyox WSR(登録商標)N−10として、およびPEG−2,000としても公知である);PEG−5M(Union Carbideから入手可能なPolyox WSR(登録商標)N−35およびPolyox WSR(登録商標)N−80、ならびにPEG−5,000およびポリエチレングリコール300,000としても公知である);PEG−7M(Union Carbideから入手可能なPolyox WSR(登録商標)N−750としても公知);PEG−9M(Union Carbideから入手可能なPolyox WSR(登録商標)N−3333としても公知);ならびにPEG−14 M(Union Carbideから入手可能なPolyox WSR(登録商標)N−3000としても公知)である。
【0159】
本発明の組成物は、分散型の粒子を含んでもよい。本発明の組成物は、少なくとも0.025重量%の分散型粒子、より好ましくは少なくとも0.05%、さらにより好ましくは少なくとも0.1%、なおより好ましくは少なくとも0.25%、およびさらにより好ましくは少なくとも0.5重量%の分散型粒子を含んでもよい。本発明の組成物では、約20重量%以下の分散型粒子、より好ましくは約10%以下、さらにより好ましくは5%以下、なおより好ましくは3%以下、およびさらにより好ましくは2重量%以下の分散型粒子を組み込むことが好ましい。
【0160】
調整剤(コンディショニング剤)としては、毛髪および/または皮膚に対して特定のコンディショニングの利点を与えるために用いられる任意の材料を含む。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、水溶性、水分散、不揮発性の液体であって、乳化された液体粒子を形成するか、または、アニオン性界面活性剤界面活性剤成分(上記)中で、界面活性剤ミセルによって可溶化される液体を含む。組成物中での使用のための適切なコンディショニング剤は、一般にはシリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーン・ゴム、高屈折率のシリコーン、およびシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、および脂肪エステル)またはそれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、または本明細書の水性界面活性剤マトリックス中にそうでなければ液体分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0161】
本発明の組成物のコンディショニング剤は、不溶性シリコーンコンディショニング剤であってもよい。このシリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。好ましいのは、不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。揮発性シリコーンが存在する場合、通常は、シリコーンガムおよび樹脂のような、非揮発性シリコーン材料の市販の形態のための溶媒または担体としてのそれらの使用がありがちである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、他の成分、例えば、シリコーン樹脂(シリコーン流体沈着効率を改善するか、または毛髪の光沢度を向上する)を含んでもよい。
【0162】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は通常は、この組成物の重量あたり約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の範囲である。適切なシリコーンコンディショニング剤の非限定的な例、およびシリコーン用の任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、および米国特許第5,106,609号に記載される。本発明の組成物における使用のためのシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは、25℃で測定した場合、約20〜約2,000,000センチストーク(「csk」)、より好ましくは約1,000〜約1,800,000csk、さらにより好ましくは約50,000〜約1,500,000csk、より好ましくは約100,000〜約1,500,000cskという粘度を有する。
【0163】
分散型のシリコーンコンディショニング剤粒子は通常は、約0.01m〜約50μmの範囲の容積平均粒径を有する。毛髪への小粒子の適用のために、容積平均粒径は通常は、約0.01μm〜約41μm、好ましくは約0.01μm〜約2μm、より好ましくは約0.01μm〜約0.51μmの範囲である。毛髪へのより大きい粒子適用のためには、容積平均粒径は通常は、約5μm〜約125μm、好ましくは約10μm〜約90μm、より好ましくは約15μm〜約70μm、より好ましくは約20μm〜約50μmの範囲である。
【0164】
シリコーンの流体、ガムおよび樹脂を考察するセクションを含めてシリコーンに対する背景材料、ならびにシリコーンの製造は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,第2版,第204〜308頁,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見出される。
【0165】
シリコーン流体としては、25℃で測定した場合、1,000,000csk未満、好ましくは約5csk〜約1,000,000csk、より好ましくは約100csk〜約600,000cskの粘度を有している、流動性のシリコーン材料であるシリコーン油が挙げられる。本発明の組成物中での使用のために適切なシリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。他の不溶性の、不揮発性シリコーン流体(ヘアコンディショニング特性を有する)も用いられ得る。
【0166】
本発明の組成物における使用に適切な他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンガムである。これらのガムは、ポリオルガノシロキサン材料(25℃で測定して、1,000,000csk以上の粘度を有する)である。シリコーンガムは、米国特許第4,152,416号;NollおよびWalter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press(1968);ならびにGeneral Electric silicone Rubber Product Data Sheets SE 30、SE 33、SE 54およびSE 76に記載されている。本発明の組成物中での使用のためのシリコーンガムの特定の非限定的な例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマーおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0167】
本発明の組成物における使用に適切な、他の不揮発性の、不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、少なくとも約1.46、好ましくは少なくとも約1.48、より好ましくは少なくとも約1.52、より好ましくは少なくとも約1.55という屈折率を有する「高屈折率のシリコーン」として公知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は一般には、約1.70未満、通常は約1.60未満である。この状況では、ポリシロキサン「流体」としては、オイルおよびガムが挙げられる。
【0168】
本発明の組成物における使用に適切なシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、およびSilicon compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)に開示される。
【0169】
シリコーン樹脂が、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤中に含まれてもよい。これらの樹脂は高度に架橋された高分子シロキサン系である。この架橋は、シリコーン樹脂の製造の間に、三官能性および四官能性のシランと、単官能性もしくは二官能性、または両方のシランとの組み込みを通じて導入される。
【0170】
シリコーン材料およびシリコーン樹脂は具体的には、当業者に「MDTQ」命名法として公知の短縮命名システムによって都合よく特定できる。このシステムでは、シリコーンは、シリコーンを作製する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記述される。要するに、Mという記号は、単官能性単位(CH3)3SiO05を示し、Dは、二官能性単位(CH3)2SiOを示し、Tは、三官能性単位(CH3)Si015を示し、Qは、四(quadra)−または4(tetra)−官能性単位Si02を示す。単位の記号のプライム(')(例えば、M'、D'、T、およびQ')は、メチル以外の置換基を示し、各々の存在について特に規定されなければならない。
【0171】
本発明の組成物における使用のための好ましいシリコーン樹脂としては、限定するものではないが、MQ、MT、MTQ、MDTおよびMDTQ樹脂が挙げられる。メチルは、好ましいシリコーン置換基である。特に好ましいシリコーン樹脂は、MQ樹脂であり、M:Qの比は、約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量は、約1000〜約10,000である。
【0172】
本発明の組成物のコンディショニング(調整)成分はまた、この組成物の重量あたり約0.05%〜約3%、好ましくは約0.08%〜約1.5%、より好ましくは約0.1%〜約1%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、コンディショニング剤として、単独で、または他のコンディショニング剤、例えばシリコーン(上記)と組み合わせて含んでもよい。
【0173】
本発明の組成物中でコンディショニング剤として用いるために適切な有機コンディショニングオイルとしては、限定するものではないが、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば環状の炭化水素、直鎖状の脂肪族炭化水素(飽和または不飽和の)、および分岐鎖の脂肪族炭化水素(飽和または不飽和の)(ポリマーおよびそれらの混合物を含む)が挙げられる。直鎖の炭化水素油は、好ましくは、約C〜約C19である。分岐鎖の炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)は、通常は19個を超える炭素原子を含む。
【0174】
これらの炭化水素油の特定の非限定的な例としては、灯油、鉱油、飽和および不飽和のドデカン、飽和および不飽和のトリデカン、飽和および不飽和のテトラデカン、飽和および不飽和のペンタデカン、飽和および不飽和のヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、およびそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖の異性体、およびより長い鎖長の炭化水素が用いられてもよく、この例としては、高度に分岐した飽和または不飽和のアルカン、例えば、ペルメチル置換の異性体、例えば、ヘキサデカンおよびエイコサンのペルメチル置換の異性体、例えば2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカンおよび2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(Permethyl Corporation.より入手可能)が挙げられる。炭化水素ポリマー、例えば、ポリブテンおよびポリデセンが好ましい。好ましい炭化水素ポリマーはポリブテン、例えば、イソブチレンおよびブテンのコポリマーである。この種の市販の材料は、Amoco Chemical CorporationのL−14ポリブテンである。
【0175】
本発明の組成物中での使用のための有機コンディショニングオイルとしてはまた、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体のポリ−a−オレフィン、より好ましくは水素化液体ポリ−a−オレフィンが挙げられる。本明細書での使用のためのポリオレフィンは、C4〜約C14のオレフィンのモノマー、好ましくは約C6〜約C12の重合化によって調製される。
【0176】
本明細書においてポリオレフィン液の調製おける使用のためのオレフィンのモノマーの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、分岐鎖の異性体、例えば、4−メチル−1−ペンテン、およびそれらの混合物が挙げられる。ポリオレフィン液の調製のために適切なのはまた、オレフィン含有の精製原料または流出物である。好ましい水素化a−オレフィンモノマーとしては、限定するものではないが1−ヘキセン 〜 1−ヘキサデセン、1−オクテン 〜 1−テトラデセン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0177】
本発明の組成物におけるコンディショニング剤としての使用のための他の適切な有機コンディショニングオイルとしては、限定するものではないが、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪エステルが挙げられる。これらの脂肪エステルとしては、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル(例えば、モノ−エステル、多価アルコールエステル、ならびにジ−およびトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。その脂肪エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミドおよびアルコキシ部分(例えば、エトキシまたはエーテル連結など)のような、それに対して共有結合された他の適合する官能基を含んでもよいし、有してもよい。
【0178】
好ましい脂肪エステルの特定の例としては、限定するものではないがイソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレアート、イソデシルオレアート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、ジヘキシルデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレアート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート、およびオレイルアジペートが挙げられる。
【0179】
本発明の組成物中での使用に適切な他の脂肪エステルは、一般式R'COORのモノ−カルボン酸エステルであって、式中R'およびRは、アルキルまたはアルケニルラジカルであり、R'およびRの中の炭素原子の合計は、少なくとも10、好ましくは少なくとも22である。
【0180】
本発明の組成物中の使用に適切なさらに他の脂肪エステルは、カルボン酸のジ−およびトリ−アルキルならびにアルケニルのエステル、例えば、C4−C8ジカルボン酸のエステル(例えば、C1−C22エステル、好ましくはコハク酸、グルタル酸、およびアジピン酸のC1−C6)である。カルボン酸のジ−およびトリ−アルキルならびにアルケニルのエステルの特異的な非限定的な例としては、イソセチルステアロイルステアレート、ジイソプロピルアジペート、およびトリステアリルシトレートが挙げられる。
【0181】
本発明の組成物における使用のために適切な他の脂肪エステルは、多価アルコールエステルとして公知のものである。このような多価アルコールエステルとしては、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノおよびジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレアート、ポリプロピレングリコール2000 モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ−脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0182】
本発明の組成物における使用に適切なさらに他の脂肪エステルは、グリセリドであり、これには、限定するものではないが、モノ−、ジ−、およびトリ−グリセリド、好ましくはジ−およびトリ−グリセリド、さらに好ましくはトリグリセリドが挙げられる。本明細書に記載の組成物での使用のためには、グリセリドは好ましくは、グリセロールおよび長鎖カルボン酸、例えば、C10−C22カルボン酸のモノ−、ジ−およびトリ−エステルである。これらの種々の種類の材料は、植物および動物の脂肪および油、例えばキャスターオイル、サフラワー油、綿実油、コーン油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボガド油、パーム油、ゴマ油、ラノリンおよびダイズ油から得ることができる。合成のオイルとしては、限定するものではないが、トリオレインおよびトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられる。
【0183】
本発明の組成物における使用に適切な他の脂肪エステルは、水不溶性合成脂肪エステルである。
【0184】
本発明の組成物における使用のための適切な合成脂肪エステルの特定の非限定的な例としては、P−43(トリメチロプロパンのC8−C10トリエステル)、MCP−684(3,3ジエタノール−1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8−C10ジエステル)(これら全ては、Mobil Chemical Companyから入手可能)が挙げられる。
【0185】
また、本明細書における組成物中での使用に適切なコンディショニング剤としては、Procter & Gamble Companyが米国特許第5,674,478号、および同第5,750,122号に記載したコンディショニング剤である。また、米国特許第4,529,586号(Clairol)、米国特許第4,507,280号(Clairol)、米国特許第4,663,158号(Clairol)、米国特許第4,197,865号(L'Oreal)、米国特許第4,217,914号(L'Oreal)、米国特許第4,381,919号(L'Oreal)、および米国特許第4,422,853号(L'Oreal)に記載のコンディショニング剤も挙げられる。
【0186】
本発明の組成物は、湿潤剤を含んでもよい。本明細書の湿潤剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、およびそれらの混合物からなる群より選択される。湿潤剤は、本明細書において用いる場合、好ましくは、この組成物の重量あたりのレベルで約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約5%である。
【0187】
本明細書で有用な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリトリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、硫酸コンドロイチンナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0188】
本明細書で有用な水溶性のアルコキシル化非イオン性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(最大で約1000までの分子量を有する)、例えば、CTFAの名称、PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、およびそれらの混合物を有するものが挙げられる。
【0189】
本発明の組成物はさらに、組成物中に分散型の水不溶性材料を懸濁するため、または組成物の粘度を改変するために有効な濃度の懸濁剤を含んでもよい。このような濃度は、この組成物の重量あたり、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.3%〜約5.0%の範囲である。
【0190】
適切な懸濁剤としては、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、またはそれらの組み合わせとして分類され得る結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4,741,855号に記載される。
【0191】
本発明の組成物は、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、およびそれらの誘導体、水溶性アミノ酸、例えば、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸およびそれらの塩、水不溶性ビタミン、例えば、ビタミンA、D、E、およびそれらの誘導体、水不溶性アミノ酸、例えば、チロシン、トリプタミン、およびそれらの塩などのビタミンおよびアミノ酸を含んでもよい。
【0192】
本発明の組成物はまた、例えば、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、ボタニカル、および水溶性の色素成分を含む天然色などの、顔料材料を含有してもよい。本発明の組成物はまた、キレート剤を含んでもよい。
【0193】
パーソナルケア組成物は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第6,274,150号;同第6,599,513号;同第6,0969,169号;同第4,735,742号;同第6,451,300号;同第4,942,161号;同第5,456,851号;同第5,854,246号;同第6,099,870号;同第7,094,422号;同第7,732,450号;同第6,663,875号;同第6,812,238号;同第7,732,450号;同第5,654,293号;同第6,099,870号;同第6,375,939号;同第6,451,300号;同第6,616,941号;同第6,649,155号;同第6,974,569号;同第6,491902号;同第6,524,594号;同第6,419,913号、同第6,284,234号;同第6,908,889号;同第6,495,498号;および同第6,514,490号、米国特許出願公開第2010/0183539号;同第2009/0317502号、同第2006/0269501号;同第2003/0003070号;同第2008/0107749号;同第2008/0200539号;同第2003/0206958号;同第2002/0176894;同第2006/0110415号;同第2010/0104646号;同第2010/0040697号;同第2010/0215775号;同第2009/0214628号;同第2007/0110700;および同第20080152611号、ならびに国際公開第2001051014;国際公開第2001066551号;国際公開番号国際公開第2002090354;国際公開番号国際公開第2003006009;国際公開第2000043390号;国際公開第2001032652号;国際公開第2001066551号;国際公開第2002090354号;国際公開第2003008391号;国際公開第2004028502号;国際公開第2004018485号;国際公開第2005006860;国際公開第2010138674号;国際公開第2003086271号;国際公開第2002067880号;国際公開第2010/051918号;国際公開第2006109642号;国際公開第2009006212号;国際公開第2007021789号;国際公開第2008006712号;国際公開第2010149424号;国際公開第2010127924号;国際公開第2009071408号;国際公開第2009053431号;国際公開第2008006712号;国際公開第2008003677号;国際公開第2004035015号;および国際公開第2002067880号(その全ての内容は参照によって本明細書に援用される)を参照のこと。上述の組成物は、本発明のコンジュゲートされたプロドラッグを用いて製剤化されてもよい。例えば、上述の組成物の活性成分は、本発明のコンジュゲートされたプロドラッグで置き換えられてもよい。
【0194】
一部の実施形態では、このパーソナルケア組成物は、ヘアケア組成物である。ヘアケア組成物は、フケにまたはフケを予防するために用いられ得る。本明細書においてヘアケア組成物は、毛髪の処置のための組成物として規定され、これには、限定するものではないが、シャンプー、コンディショナー、リンス、ローション、エアロゾル、ゲル、ムース、および毛髪染料が挙げられる。本発明のヘアケア組成物は、有効量の少なくとも1つのコンジュゲートベースのプロドラッグ(例えば、コンジュゲートベースの抗真菌のプロドラッグ)を含み、これは、この組成物の総重量に対して、約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%、およびより好ましくは約0.5%〜約3重量%の範囲である。本明細書において用いる場合、「有効量」という用語は、所望の改善を達成するために必要なヘアケア組成物中のコンジュゲートベースの抗真菌のプロドラッグの量である。
【0195】
コンジュゲートベースのプロドラッグに加えて、ヘアケア組成物は、ヘアケア組成物のための美容上許容できる媒体を含んでもよく、その例は、例えば、米国特許第6,280,747号、同第6,139,851号、および同第6,013,250号(その全てが、参照によって本明細書に援用される)に記載される。例えば、これらのヘアケア組成物は、水性、アルコール性または水性−アルコール性の溶液であってもよく、このアルコールは、好ましくは、エタノールまたはイソプロパノールであって、水性−アルコール溶液の総重量に対して約1〜約75重量%の割合である。さらに、このヘアケア組成物は、1つ以上の従来の化粧品または皮膚科学的な添加物またはアジュバントを含んでもよく、これには限定するものではないが、抗酸化剤、防腐剤、充填剤、界面活性剤、UVAおよび/またはUVBサンスクリーン、香料,増粘剤、加湿薬、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー、粘度安定剤/泡安定剤、乳白剤/光沢剤、封鎖剤、安定化剤、ヘアーコンディショニング剤、湿潤剤、帯電防止剤、凍結防止剤、緩衝剤、色素,および顔料が挙げられる。これらのアジュバントは、化粧品の分野で周知であって、多くの刊行物中、例えば、Harry's Book of Cosmeticology,第8版,Martin Rieger,編集,Chemical Publishing,New York(2000)の中で記載されている。
【0196】
コンジュゲートベースの抗真菌のプロドラッグは、シャンプーに用いてもよい。適切なシャンプー組成物は、当該分野で周知である。例えば、シャンプー組成物の成分は、Wellsらによって、米国特許第6,930,078号に、Patelらによって、米国特許第5,747,436号に、およびNiemiecらによって、米国特許第6,908,889号にそれぞれ記載されている。この毛髪シャンプー組成物は、水溶液、水−アルコール溶液、または水中油型(O/W)または水中の油中水型(wate in oil in water)(W/O/W)エマルジョンであってもよい。本発明のシャンプー組成物は、有効量のコンジュゲートベースの抗真菌のプロドラッグを、この組成物の総重量に対して約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%、およびより好ましくは約0.5%〜約3重量%含む。シャンプー組成物のバランスは、流体ビヒクル、界面活性剤、および他の添加物から構成される。典型的には、この流体ビヒクルは、水および他の溶媒を含み、これには、限定はしないが、鉱油および脂肪アルコールを挙ることができる。
【0197】
界面活性剤は、シャンプー組成物中の主な成分である。主な界面活性剤の量は、一般には、組成物の最終重量に基づいて、約10%および20%、さらに一般的には約8〜約18%の範囲である。二次的な界面活性剤も存在してもよく、一般には、約0〜約6%の範囲である。本発明によるシャンプー組成物中の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性またはカチオン性の界面活性剤のうち1つ以上またはそれらの組み合わせを含んでもよい。アニオン性界面活性剤の例としては、限定するものではないが、石鹸、アルキルおよびアルキルエーテルサルフェート、およびα−オレフィンスルホネートが挙げられる。好ましいアニオン性界面活性剤は、ラウリル(アンモニウム、ナトリウム、トリエタノールアミンおよびジエタノールアミンおよびラウレス(ナトリウムおよびアンモニウム))硫酸塩である。二次的なアニオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、スルホサクシネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、N−アシルメチルタウレート、N−アシルサスコシネート、アシルイソチオネート、N−アシルポリペプチドコンデンセート、ポリアルコキシル化エーテルグリコレート、モノグリセリドサルフェート、脂肪グリセロールエーテルスルホネートが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、限定するものではないが、脂肪アルカノールアミド、アミンオキシド、高分子エーテル、ポリソルベート20、PEG−80ソルビタン、およびノノキシノールが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、限定するものではないが、ベタイン、アルキル−置換アミノ酸(ナトリウムラウラミノプロピオネートおよびナトリウムラウリミノプロピオネート)が挙げられる。
【0198】
本発明によるシャンプー組成物はまた、粘度安定剤および泡安定剤(その組成物の最終重量に基づいて、一般には、約1.5〜約5%の範囲の量)を含んでもよい。粘度安定剤/泡安定剤の特定の例としては、限定するものではないが、アルカノールアミド(例えば、Cocamide MEA)が挙げられる。
【0199】
さらに、シャンプー組成物は、わずかな割合の1つ以上の従来の化粧品用または皮膚科学的な添加物またはアジュバントを、それらが最終製品中で所望される温和性、能力または外観的特徴を妨害しないならば、含んでもよい。通常添加される成分の総濃度は、総組成物の重量あたり5%未満、好ましくは3%未満である。このような微量の成分としては、限定するものではないが、乳白剤/光沢剤、例えば、ステアリン酸誘導体(例えば、エチレングリコールモノステアレートまたはエチレングリコールジステアレート);溶媒;封鎖剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムおよびその塩、クエン酸、またはポリリン酸塩;安定化剤;増粘剤、例えば塩(例えば、ナトリウムクロライドまたは塩化アンモニウム)(アニオン性処方物用);PEG−120 メチルグルコースジオレアートおよびPEG−150ペンタエリトリチルテトラステアレート(アニオン性/非イオン性処方物用);ヘアーコンディショニング剤、例えば、カチオン性ポリマーポリクオタリニウム 10(Ucare ポリマー)、カチオン性グアー(Jacquar C−261N)、ポリクオタリニウム−7(Merquat ポリマー)およびシリコーン、例えば、ジメチコンおよびアミノジメチコン;湿潤剤;帯電防止剤;凍結防止剤、緩衝剤;抗酸化剤、例えば、BHT、BHAおよびトコフェロール;UV吸収剤、例えばベンゾフェノン;防腐剤、例えばパラベン;香料;および色素または顔料が挙げられる。これらのアジュバントは、化粧品の分野で周知であり、多くの刊行物、例えば、Harry's Book of Cosmeticology(前出)に記載されている。
【0200】
シャンプー組成物中の最終の必須の成分は、水であり、これによって、シャンプー組成物のバランスを構成する水媒体が得られる。一般的には、水の割合は、得られたシャンプー組成物の重量あたり、約53%〜約95%、好ましくは、68%〜約92%、および最も好ましくは約80%〜約87%の範囲である。
【0201】
本発明のシャンプー組成物は、従来の処方物および混合技術を用いて調製し得る。固体の界面活性剤またはワックス成分の溶融または溶解が必要である場合、それらを界面活性剤の事前混合物に添加してもよいし、または界面活性剤のある部分を、混合して加熱して、固体の成分を溶融してもよい(例えば、約50℃〜約95℃)。次いで、この混合物を、必要に応じて、高い剪断粉砕によって処理して、冷却し、次いで残りの成分を混合してもよい。この組成物は通常は、約2,000〜約20,000cps(センチポアズ)の最終粘度を有する。この組成物の粘度は、必要に応じて、塩化ナトリウムまたはキシレンスルホン酸アンモニウムの添加を含む従来の技術によって調製され得る。
【0202】
ヘアケア組成物はまた、1つ以上のフケ防止剤を含んでもよい。本明細書において用いる場合、「フケ防止剤」という用語は、フケおよび/またはそれに関連する症状の処置に有効である任意の化合物を指す。フケ防止剤は、当該分野で周知である。例えば米国特許出願公開第2004/0202636号および同第2003/0003070号、および米国特許第6,284,234号(その全ての内容は参照によって本明細書に援用される)を参照のこと。典型的には、フケ防止剤は、真菌マラセチアに対して有効な抗真菌剤である。適切なフケ防止剤としては、限定するものではないが、ピリジンチオン塩、例えばカルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、およびジルコニウムのピリジンチオン塩;アゾール、例えばクリンバゾール、ケトコナゾール、およびイトラコナゾール、ピロクトンオラミン(オクトピロックス);ウンデシレン酸、ウンデシレンアミドプロピルベタイン(AMPHORAM U(登録商標))、コールタール(NeutrogenaT/gel,CAS No.8030−31−7;サリチル酸(Ionil T);硫化セレン(Selsun Blue)およびティーツリー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。1つのピリジンチオン塩は、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(ジンクピリジンチオンとしても公知)である。これらの抗真菌剤は一般には、商業的供給源から入手できる。例えば、ジンクピリジンチオンは、Olin Corporation(Norwalk,Conn.)から入手可能であり、オクトピロックスは、Hoechst AG(Frankfurt,Germany)から入手可能であり、AMPHORAM U(登録商標)は、CECA Arkema Group(France)から入手可能であり、ケトコナゾールは、Alfa Chem(Kings Point,N.Y.)から入手可能である。
【0203】
一部の実施形態では、パーソナルケア組成物は、スキンケア組成物である。スキンケア組成物は、ざ瘡にまたはざ瘡を予防するために用いられ得る。スキンケア組成物は、本明細書では、皮膚の処置のための組成物として規定され、この組成物としては、限定するものではないが、スキンコンディショナー、保湿剤、ファンデーション、抗しわ製品、スキンクレンザー、およびボディソープ(body washe)が挙げられる。本発明のスキンケア組成物は、皮膚に局所適用され得る任意の組成物を包含し、これには限定するものではないが、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、クレンジング洗浄液、クレンジング固体バー、ペースト、フォーム、粉末、シェービングクリームおよびワイプが挙げられる。
【0204】
本発明のスキンケア組成物は、限定するものではないが、溶液、コロイド懸濁液、分散液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、複数および非水性のエマルジョン)、ヒドロゲル、および小胞(リポソーム、ニオソーム、ノバソーム))を含む、数種類の化粧品として許容可能な局所担体を含んでもよい。適切な化粧品として許容可能な局所担体の成分および処分方法は、当該分野で周知であり、例えば、米国特許第6,797,697号および米国特許出願公開第2005/0142094号および同第2005/0008604号、国際特許出願公開番号2006/029818および同第2000/062743(その全ての内容は参照によって本明細書に援用される)に記載される。当業者は、これらの種々の生成物形態を生成するための種々の方法を理解する。
【0205】
本発明のスキンケア組成物は、有効量の少なくとも1つのコンジュゲートベースのプロドラッグ(例えば、コンジュゲートベースの抗菌性プロドラッグ)を含み、これは、この組成物の総重量に対して、約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%、およびより好ましくは約0.5%〜約3重量%の範囲である。本明細書において用いる場合、「有効量」という用語は、所望の改善を達成するのに必要なスキンケア組成物中のコンジュゲートベースのプロドラッグの量である。
【0206】
典型的には、スキンケア組成物のための化粧品として許容可能な媒体は、水および他の溶媒を含み、これには限定するものではないが、鉱油および脂肪アルコールが挙げられる。化粧品として許容可能な媒体は、この組成物の重量あたり、約10%〜約99.99%、好ましくは、この組成物の重量あたり約50%〜約99%であり、他の添加物の不在下では、組成物のバランスを形成し得る。
【0207】
本明細書において用いる場合「化粧品として許容可能な媒体」という用語は、皮膚、毛髪および/または爪を処置するために用いられ、当業者によって用いられる1つ以上の成分を含み、皮膚、毛髪および/または爪を処置するために用いられる生成物を処方する処方物を指す。化粧品として許容可能な媒体は、任意の適切な形態、すなわち、液体、クリーム、エマルジョン、ゲル、増粘ローションまたは粉末であってもよく、通常は水を含み、化粧品として許容可能な溶媒および/または1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0208】
このスキンケア組成物はさらに、基本的な化粧品原料を含んでもよく、これには限定するものではないが、炭化水素、エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、乳化剤、湿潤剤、粘度調整剤、およびシリコーン系の材料が挙げられる。本発明の組成物は、広範なこれらの基本的な成分を含んでもよい。添加された成分の総濃度は通常は、総組成物の重量あたり50%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満である。当業者は、所望の製品の形態を達成するためにこれらの基本的な成分を使用するための種々の濃度および組み合わせを理解する。
【0209】
本発明の組成物中で用いられ得る適切な炭化水素としては、限定するものではないが、鉱油、イソヘキサデカン、スクアラン、水素化ポリイソブテン、ペトロラタム、パラフィン、マイクロ結晶性ワックス、およびポリエチレンが挙げられる。
【0210】
本発明の組成物中で用いられ得る適切なエステルとしては、限定するものではないが、イソプロピルパルミテート、オクチルステアレート、カプリル/カプリントリグリセリド、植物ワックス(カンデリラ,カルナウバ)、野菜油(天然のグリセリド)および植物油(ホホバ)が挙げられる。
【0211】
本発明の組成物中で用いられ得る適切な脂肪アルコールとしては、限定するものではないが、ミリスチル、セチル、ステアリル、イソステアリル、およびベヘニルである。
【0212】
本発明の組成物中で用いられ得る適切な乳化剤としては、限定するものではないが、アニオン性(TEA/K ステアレート(トリエタノールアミン/ステアリン酸カリウム)、ラウリルステアリン酸ナトリウム、セテアリル硫酸ナトリウム、および蜜ろう/ほう砂)、非イオン性(グリセロールジ−ステアレート、PEG(ポリエチレングリコール)−100−ステアレート、ポリソルベート 20、steareth 2およびsteareth20)、およびカチオン性(ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ベヘンアルコニウムクロライドおよびステアピリウムクロライド)、ポリマー性(アクリレート/C 10−30アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリルアミド、ポリクオタリニウム−37、プロピレングリコール、ジカプリレート/ジカパレートおよびPPG−1 Trideceth−6)、およびシリコーン系の材料(アルキル修飾ジメチコンコポリオール)、およびポリグリセリルエステル、およびエトキシル化ジ脂肪酸エステルが挙げられる。
【0213】
本発明の組成物での使用のための例示的な湿潤剤としては、限定するものではないが、プロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、アセトアミド MEA(アセチルエタノールアミン)、はちみつ、およびナトリウムPCA(ナトリウム−2−ピロリドンカルボキシレート)が挙げられる。
【0214】
本発明の組成物中で用いられ得る粘度調整剤としては、限定するものではないが、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、セルロースガム、および水素化キャスターオイルが挙げられる。
【0215】
さらに、スキンケア組成物は、1つ以上の従来の機能的な化粧用または皮膚科学的な添加物またはアジュバントを、それらが最終製品中で所望される温和性、能力または外観的特徴を妨害しないならば、含んでもよい。CTFA(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association、現在はPersonal Care Products Councilとして公知)International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第11版(2006),およびMcCutcheon's Functional Materials,North America and Internationals Editions,MC Publishing Co.(2007)は、本発明の組成物中の使用に適切である、スキンケア組成物中で通常用いられる広範な種々の化粧品用および薬学的成分を記述している。本発明の組成物は、広範なこれらの追加的な任意の成分を含んでもよい。通常添加される成分の総濃度は、その総組成物の重量に対して約20%未満、好ましくは約5%未満、および最も好ましくは約3重量%未満である。このような成分としては、限定するものではないが、界面活性剤、エモリエント、保湿剤、安定剤、塗膜形成物質、香料、着色剤、キレート剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、抗菌剤、防水剤、乾燥感調整剤(dry feel modifiers)、ビタミン、植物抽出物、ヒドロキシ酸(例えば、α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸)、およびサンレスタンニング剤が挙げられる。ざ瘡処置組成物のための一般的な原料および適切なアジュバントの例は、Beumerら(前出)およびRobinsonら、(前出)に記載される。
【0216】
処置の方法
また、本発明は、対象における真菌または細菌の感染を処置または予防するための方法を提供する。この方法は、それを必要とする対象に対して本明細書に記載の組成物を投与する段階を包含する。限定するものではないが、真菌または細菌の感染は、口腔カンジダ症/膣カンジダ症、白癬(身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、耳感染からなる群より選択され得る。さらに、この対象は、ヒトまたは非ヒト動物、すわち、例えば、獣医の使用のためであってもよい。
【0217】
本明細書において用いる場合、「投与する」という用語は、本明細書に記載される組成物を、所望の部位で組成物の少なくとも部分的な局在化を生じる方法または経路によって対象に移行することを指す。本明細書に記載される組成物は、対象において有効な処置を生じる任意の適切な経路によって投与され得、すなわち投与の結果として、対象における所望の位置への送達が生じ、組成物の少なくとも一部が送達される。例示的な投与方式としては限定するものではないが、注射、注入(インフュージョン)、挿入または摂取が挙げられる。「注射」としては、限定するものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、莢膜下、くも膜下、脊椎内、脳室、脊髄、ならびに胸骨内の注射および注入が挙げられる。限定するものではないが、投与は局所であっても全身であってもよい。
【0218】
一部の実施形態では、投与は局所であり、例えば、組成物は、所望の部位へ局所的に適用される。
【0219】
また、本発明は、本明細書に記載されるような少なくとも1つのコンジュゲートベースの抗真菌プロドラッグを含むヘアケア組成物を、対象の頭皮に与えることを包含する、フケを処置または予防するための方法を提供する。このヘアケア組成物は、用いられる組成物の種類に応じて、頭皮から洗い流されてもよいし、または頭皮上に残されてもよい。本明細書に記載の組成物は、限定するものではないが、噴霧、ブラッシングおよび手による塗布を含めて種々の手段によって頭皮に適用され得る。
【0220】
別の態様では、ざ瘡を処置または予防するための方法が提供され、この方法は、本明細書に記載のスキンケア組成物を、それを必要とする対象の皮膚に塗布することを包含する。塗布後、このスキンケア組成物は、用いられる組成物の種類に応じて、皮膚から洗い流されてもよいし、または皮膚上に残されてもよい。このスキンケア組成物は、限定するものではないが、噴霧、ブラッシングおよび手による塗布を含めて種々の手段によって皮膚に適用され得る。
【0221】
本明細書において用いる場合、「対象」とは、ヒトおよび動物を意味する。通常、動物とは、霊長類、げっ歯類、家畜または狩猟動物などの脊椎動物である。霊長類としては、チンパンジー、カニクイザル、クモザルおよびマカク、例えば、アカゲザルが挙げられる。げっ歯類としては、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ、およびハムスターが挙げられる。家畜および狩猟動物としては、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ科動物、例えば、家猫、イヌ科動物、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、鳥類、例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウおよび魚類、例えば、トラウト、ナマズおよびサケが挙げられる。患者または対象としては、前述の任意の対象、例えば、ヒト、霊長類またはげっ歯類のような1つ以上の群または種を除くが上記の全てが挙げられる。本明細書に記載の局面の特定の実施形態では、上記の対象は動物、例えば、霊長類、例えば、ヒトである。「患者」および「対象」という用語は、本明細書において交換可能に用いられる。「患者」および「対象」という用語は、本明細書において交換可能に用いられる。対象とは、雄性であってもまたは雌性であってもよい。
【0222】
好ましくは、この対象とは哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマまたはウシであってもよいが、これらの例に限定はされない。ヒト以外の哺乳動物は、自己免疫疾患または炎症に関連する障害の動物モデルを示す対象として有利に用いられ得る。さらに、本明細書に記載の方法および組成物は、家畜および/またはペットを処置するために用いられ得る。
【0223】
一部の実施形態では、この対象は、ヒトである。
【0224】
いくつかの他の実施形態では、この対象は、非ヒト動物である。
【0225】
対象は、真菌感染または細菌感染によって特徴づけられる障害に罹患しているかまたは有すると以前に診断されたかまたは特定された対象であってもよい。
【0226】
一部の実施形態では、この対象はフケおよび/またはざ瘡の処置を要する。
【0227】
一部の実施形態では、この対象は、口腔または膣のカンジダ症、白癬(身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、耳感染の処置を必要とする。
【0228】
対象とは、フケ、ざ瘡、口腔または膣のカンジダ症、白癬(身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、耳感染について現在処置されている対象であってもよい。
【0229】
本明細書に記載の局面の一部の実施形態では、この方法は、さらに、本明細書に記載の方法による処置の発生の前に真菌感染について対象を診断することを包含する。
【0230】
本明細書に記載の局面の一部の実施形態では、この方法はさらに、フケ、ざ瘡、口腔または膣のカンジダ症、白癬(身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、または耳感染について、本明細書に記載の方法での処置を行う前に対象を診断することをさらに包含する。
【0231】
一部の実施形態では、この対象は動物であり、すなわち、獣医での使用のための本明細書で記載される組成物および方法である。
【0232】
プロドラッグ
理論によって束縛されることは望まないが、本明細書に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグは、抗真菌性または抗菌性プロドラッグである。本明細書において用いる場合、「プロドラッグ」とは、いくつかの化学的または物理的なプロセス(例えば、酵素的プロセスおよび代謝性加水分解)によって活性化合物に変換され得る化合物を指す。従って、「プロドラッグ」という用語はまた、薬学的に許容される、生物学的に活性な化合物の前駆体を指す。プロドラッグは、対象に投与されるとき、すなわち、エステルでは不活性である場合があるが、例えば、遊離のカルボン酸または遊離のヒドロキシルへの加水分解によって、インビボで活性型に変換される。プロドラッグ化合物は、溶解度、組織適合性または生物体中の遅延放出という利点を与える場合が多い。「プロドラッグ」という用語はまた、このようなプロドラッグが対象に投与された場合、インビボで活性化合物を放出する、任意の共有結合した担体を包含することを意味する。活性化合物のプロドラッグは、その修飾が慣用的な操作またはインビボのいずれかで、親活性化合物へと切断されるように、活性化合物に存在する官能基を修飾することにより調製することができる。プロドラッグとしては、活性化合物のプロドラッグが対象に投与されたときに、開裂して遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基、または遊離メルカプト基をそれぞれ形成する任意の基に、ヒドロキシ基、アミノ基、またはメルカプト基が結合されている化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、限定するものではないが、活性化合物中のアルコールの酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体、またはアミン官能基のアセトアミド、ホルムアミド、およびベンズアミド誘導体等が挙げられる。Harper,「Drug Latentiation」Jucker,編集、Progress in Drug Research 4:221〜294(1962);Morozowichら、「Application of Physical Organic Principles to Prodrug Design」E.B.Roche編集、Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs,APHA Acad.Pharm.Sci.40(1977);Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design,Theory and Application,E.B.Roche,ed.,APHA Acad.Pharm.Sci.(1987);Design of Prodrugs,H.Bundgaard,Elsevier(1985);Wangら、「Prodrug approaches to the improved delivery of peptide drug」Curr.Pharm.Design.5(4):265〜287(1999);Paulettiら、(1997)Improvement in peptide bioavailability:Peptidomimetics and Prodrug Strategies,Adv.Drug.Delivery Rev.27:235−256;Mizenら、(1998)「The Use of Esters as Prodrugs for Oral Delivery of(3−Lactam antibiotics,」Pharm.Biotech.ll,:345−365;Gaignaultら、(1996)「Designing Prodrugs and Bioprecursors I.Carrier Prodrugs,」Pract.Med.Chem.671〜696;Asgharnejad,「Improving Oral Drug Transport」,in Transport Processes in Pharmaceutical Systems,G.L.Amidon,P.I.Lee and E.M.Topp,編集,Marcell Dekker,p.185〜218(2000);Balant ら、「Prodrugs for the improvement of drug absorption via different routes of administration」,Eur.J.Drug Metab.Pharmacokinet.,15(2):143−53(1990);BalimaneおよびSinko,「Involvement of multiple transporters in the oral absorption of nucleoside analogues」,Adv.DrugDelivery Rev.,39(1−3):183−209(1999);Browne,「Fosphenytoin(Cerebyx)」,Clin.Neuropharmacol.20(1):1−12(1997);Bundgaard,「Bioreversible derivatization of drugs−principle and applicability to improve the therapeutic effects of drugs」,Arch.Pharm.Chemi 86(1):1−39(1979);Bundgaard H.「Improved drug delivery by the prodrug approach」,Controlled Drug Delivery 17:179−96(1987);Bundgaard H.「Prodrugs as a means to improve the delivery of peptide drugs」,Arfv.Drug Delivery Rev.8(1):1〜38(1992);Fleisherら、「Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs」,Arfv.Drug Delivery Rev.19(2):115−130(1996);Fleisherら、「Design of prodrugs for improved gastrointestinal absorption by intestinal enzyme targeting」,Methods Enzymol.112(Drug Enzyme Targeting,Pt.A):360〜81,(1985);Farquhar D,ら、「Biologically Reversible Phosphate−Protective Groups」,Pharm.Sci.,72(3):324〜325(1983);Freeman S,ら、「Bioreversible Protection for the Phospho Group:Chemical Stability and Bioactivation of Di(4−acetoxy−benzyl)methylphosphonate with Carboxyesterase」,Chem.Soc.,Chem.Commun.,875〜877(1991);Friis and Bundgaard,「Prodrugs of phosphates and phosphonates:Novel lipophilic alphaacyloxyalkyl esterderivatives of phosphate− or phosphonate containing drugs masking the negative charges of these groups」,Eur.J.Pharm.Sci.4:49〜59(1996);Gangwarら、「Pro−drug,molecular structure and percutaneous delivery」,Des.Biopharm.Prop.Prodrugs Analogs,[Symp.] Meeting Date 1976,409−21.(1977);NathwaniおよびWood,「Penicillins:a current review of thier clinical pharmacology and therapeutic use」,Drugs 45(6):866〜94(1993);Sinhababu and Thakker,「Prodrugs of anticancer agents」,Adv.Drug Delivery Rev.19(2):241〜273(1996);Stellaら、「Prodrugs.Do they have advantages in clinical practice?」,Drugs 29(5):455−73(1985);Tanら、「Development and optimization of anti−HIV nucleoside analogs and prodrugs:A review of their cellular pharmacology,structure−activity relationships and pharmacokinetics」,Adv.Drug Delivery Rev.39(1−3):117−151(1999);Taylor,「Improved passive oral drug delivery via prodrugs」,Adv.Drug Delivery Rev.,19(2):131〜148(1996);Valentino and Borchardt,「Prodrug strategies to enhance the intestinal absorption of peptides」,Drug Discovery Today 2(4):148〜155(1997);WiebeおよびKnaus,「Concepts for the design of anti−HIV nucleosid prodrugs for treating cephalic HIV infection」,Adv.Drug Delivery Rev.:39(1−3):63〜80(1999);Wallerら、「Prodrugs」,Br.J.Clin.Pharmac.28:497〜507(1989)(それら全ての内容は、その全体が参照によって本明細書に援用される)を参照のこと。
【0233】
活性剤および脂質を含むナノ粒子
利用可能な局所の抗真菌性および抗菌性処方物の主な限界の1つは、塗布表面上での薬物の残留時間が極めて短いことである。例えば、頭皮または毛髪へのフケ防止シャンプーの適用の場合、活性な薬物は、毛髪洗浄後ただちに頭皮から洗い流される。このせいで、薬物は、その応答を抗真菌効果として発揮するのに十分な時間が得られない。従って、薬物が真菌に対してその効果を示すことができるように、薬物が長時間頭皮にとどまることを可能にする処方物を設計するという必要性は満たされていない。この目的を果たすために、本明細書に提供されるのは、適用したエリアでのナノ粒子保持を増強する適切なサイズ範囲のナノ粒子の系である。フケの場合には、NPは、頭皮の微細な隙間および毛髪内の小胞空間に捕捉されて長時間とどまると期待されるが、NPの性質によって薬物の徐放性が可能になる。さらに、親油性の真菌および細菌の脂質依存は、これら微生物の食物となる安定な脂質供給源(例えば、脂肪酸;トリ−、ジ−、またはモノ−グリセリド;または他の脂質)を含むナノ粒子の系を発達させるために利用され得る。従って、ナノ粒子化されたシステムは、インタクトなNP、または放出薬物の取り込みを「トロイの木馬戦略(Trojan Horse Strategy)」を利用して増大させる。
【0234】
従って、別の局面では、本明細書に提供されるのは、ナノ粒子であって、(i)抗真菌剤、抗菌剤、またはそれらの組み合わせから選択される第一の成分と、(ii)脂質、ポリマーまたはそれらの組み合わせから選択される第二の成分と、を含む、ナノ粒子である。上記の考察および上記で考察されるナノ粒子の実施形態はまた、この局面にあてはまることが理解されるべきである。
【0235】
上記第一および第二の成分は、ナノ粒子中に任意の量で存在してもよい。例えば、第一および第二の成分は、独立して、前記ナノ粒子の総重量に基づいて約0.01重量%〜約99重量%の量で存在してもよい。一部の実施形態では、この第一または第二の成分は、上記ナノ粒子の総重量に基づいて、約0.01重量%〜約99重量% 約0.01重量%〜約90重量%、約0.01重量%〜約80重量%、約0.01重量%〜約70重量%、約0.01重量%〜約60重量%、約0.01重量%〜約50重量%、約0.01重量%〜約40重量%、約0.01重量%〜約30重量%、約0.01重量%〜約25重量%、約0.1重量%〜約80重量%、約0.1重量%〜約70重量%、約0.1重量%〜約60重量%、約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、約0.1重量%〜約30重量%、約0.0重量%〜約25重量%の量で存在する。
【0236】
一部の実施形態では、上記第一または第二の成分は、前記ナノ粒子の総重量に基づいて、約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、30、50、60、70、80または85重量%という下限、および約22、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、30、50、60、70、80、85または90重量%という上限の量で存在する。
【0237】
一部の実施形態では、上記第一および第二の成分は、共有結合されてもよい。上記第一および第二の成分が、一緒に共有結合される場合、それらは、上記で考察されるような、コンジュゲートされたプロドラッグの形態であってもよい。あるいは、この第一の成分および第二の成分は、共有結合されない。
【0238】
上記第一および第二の成分を含むナノ粒子は、リポソーム、高分子ナノ粒子、ナノエマルジョン、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造液晶、アルブミンベースのナノ粒子、デンドリマー、カーボンナノチューブ、ナノ構造脂質担体(NLC)、ポリマーソーム、ナノ結晶、ナノエマルジョンなどからなる群より選択され得る。
【0239】
一部の実施形態では、上記第一および第二の成分を含むナノ粒子はさらに、界面活性剤を含んでもよい。例示的な界面活性剤は、上記されている。
【0240】
一部の実施形態では、上記第一および第二の成分を含むナノ粒子は、さらに賦形剤を含んでもよい。賦形剤として用いられ得る例示的な分子はやはり上記されている。
【0241】
一部の実施形態では、上記第二の成分は脂質である。この脂質は、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセロ脂質(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)、リン脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、糖脂質、ポリケチド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0242】
一部の実施形態では、この脂質は、グリセリルトリパルミテート(Tripalm)、Ceteth−10、卵レシチン、ダイズレシチン、グリセリルモノカプリレート(Capmul MCM C8 EP)、Capmul MCM C10、グリセロールトリカプリレート/カプレート(CAPTEX(登録商標)355 EP/NF)、グリセロールジステアレート(I型)EP(Precirol ATO 5)、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル(Nonacosylic)酸、メシリン酸、ヘナトリアコンチル酸、ラッセル酸、フィリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、α−リノール、ステアリドン、エイコサペンタエン、ドコサヘキサエン、リノール、γ−リノール、ジホモ−γ−リノレン、アラキドン、オレイン、エライジン、エンコセン、エルカ、ネルボン、ミード、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデセン酸、ホスファチジン酸(ホスファチジデート、PA)、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン、PE)、ホスファチジルコリン(レシチン、PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールホスフェート(PIP)、ホスファチジルイノシトールビスホスフェート(PIP2)、ホスファチジルイノシトールトリホスフェート(PIP3)、セラミドホスホリルコリン(スフィンゴミエリン、SPH)、セラミドホスホリルエタノールアミン(スフィンゴミエリン、Cer−PE)、セラミドホスホリルグリセロール、コレスタン、コラン、プレグナン、アンドロスタン、エストラン、コレステロール、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エライドリノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘネイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−セヘプタコサノール、モンタニルアルコール、クルイチルアルコール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール、メリシルアルコール、1−ドトリアコンタノール、ゲジルアルコール、セテアリルアルコール、プロピレングリコールジカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート、飽和脂肪アルコールC12−C18のカプリル酸/カプリン酸エステル、プロピレングリコールジカプリロカプレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート/ジカプレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセロールトリカプリレート/カプレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリカプリレート、トリオレイン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択され得る。
【0243】
本明細書に記載のナノ粒子の系は、親油性の真菌および親油性の細菌によるインタクトなNPおよび/または放出された薬物の取り込みを増強するための新規な機構を提供する。これらのナノ粒子系は、ヒトおよび他の動物における真菌感染および細菌感染の処置のために有用である。本発明は、一般的な図的記述によって示されるNPを示す(
図32)。
【0244】
本明細書に開示されるナノ粒子の系は、高分子NP、リポソーム、アルブミンベースのNP、デンドリマー、カーボンナノチューブ、固体の脂質NP(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、ポリマーソーム、ナノ結晶、ナノエマルジョンなどとして製剤化されてもよい。これらのナノ粒子は、異なる種類のナノ粒子を調製するために当業者によって通常用いられている方法を用いて調製され得る。
【0245】
製造後、NP分散物を高速の遠心分離にかけて、NPを沈降させてもよいし、または遠心分離ろ過デバイス、透析膜、接線流(直交流)ろ過システムを用いて濃縮してもよい。この濃縮された分散物は、自由流動のNPを得るために凍結保護物質を用いて凍結乾燥されてもよい。NP分散または凍結乾燥された粉末を、Scanning Electron Microscopy(SEM)および/またはTransmission Electron Microscopy(TEM)および/またはAtomic Force Microscopy(AFM)イメージングなどを用いて特徴付けてもよい。さらに、NPは、特定の臨床適用に対する医薬使用次第で、最終的に任意の剤形に製剤化されてもよい。
【0246】
本発明はさらに、以下の番号付きの項のうちの1つ以上によって記述され得る。
1.以下の式:
(i)(AFA)
m−X−(L)
nを有し、式中、AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、Lは、担体であり、Xは、リンカーであり、mは、1〜10の範囲にあり、nは、2〜10の範囲にあるか、
(ii)[(AFA)
m'−X]
p−Lを有し、式中、AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、Lは、担体であり、Xは、リンカーであり、m'は、1〜10であり、pは、1〜10であるか、
(iii)AFA−[X−(L)
n']
qを有し、式中、AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、Lは、担体であり、Xは、リンカーであり、n'は、1〜10であり、qは、1〜10であり、ただし、q'およびnは、いずれも1ではないか、あるいは
(iv)(AFA)
m"−Xを有し、式中、AFAは、抗真菌剤または抗菌剤であり、Xは、リンカーであり、m"は、1〜10である、
コンジュゲートベースの抗真菌性または抗菌性プロドラッグ。
2.m'およびpが1である、項1に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
3.qが1であり、n'が2である、項1に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
4.m"が2である、項1に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
5.ナノ粒子である、項1に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
6.上記ナノ粒子が1nm〜1000nmのサイズである、項5に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
7.リポソーム、高分子ナノ粒子、ナノエマルジョン、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、固体脂質ナノ粒子、ナノ構造液晶、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるナノ粒子中に製剤化される、項1〜6のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
8.上記ナノ粒子が、20nm〜500nmのサイズである、項7に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
9.上記リンカーが、上記抗真菌剤もしくは抗菌剤のアゾール部分の環窒素に連結されているか、または上記リンカーが上記抗真菌剤もしくは抗菌剤のヒドロキシル基に連結されている、項1〜8のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
10.上記リンカーが切断可能なリンカーである、項1〜9のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
11.上記リンカーが、エステラーゼによって切断される、項1〜10のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
12.上記エステラーゼが、リパーゼである、項11に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
13.上記リンカーが、マラセチア真菌由来のリパーゼによって切断される、項1〜12のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
14.上記真菌が、マラセチア属の複数種である、項13に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
15.上記リンカーが、
(i)−CH(R
1)−であって、式中R
1はHまたはC
1−C
6アルキルであり、これが必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリル、およびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよく、
(ii)以下:
であって、式中R
2aが、ヒドロキシル保護基であり、R
2bがC
1−C
6アルキルであり、これが必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかまたはそれらが組み入れられてもよく、R
Nは存在しないか、H、C
1−C
6アルキルもしくはアシルであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてよく、
(iii)aが1〜50である、式−CH
2CH
2[OCH
2CH
2]
aOHC
2CH
2−のポリエチレングリコール、
(iv)−CH
2C(R
3aR
3b)CH(OR
3c)C(O)N(R
3d)−(CH
2)
b−であって、式中R
3aおよびR
3bが独立して、HまたはC
1−C
6アルキルであり、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられてもよく、R
3cがHまたは担体であり、R
3dがH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、bが1〜10であり、
(v)以下:
であって、式中R
4がハロ、CN、CF3、アルキル、アルケニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、NO
2、OR
6、OC(O)R
4a、OC(O)OR
4a、N(R
4a)
2、NHC(O)R
4a、NHC(O)OR
4a、C(O)R
4a、C(O)OR
4a、SR
4a、またはSO
2R
4aであって、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、R
4aが各々の存在について独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、cが0〜4であり、
(vi)−CH
2CH(R
6)−であって、式中RがHまたはC
1−C
6アルキルであり、これが必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、
(vii)−CH(R
7)C(O)−であって、式中R
7がH、C
1−C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、これらの各々が必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルおよびヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、
(viii)−CH(R
8)OC(O)−L'−C(O)O−であって、式中R
8がHまたはC
1−C
6アルキルであり、L'がアルキル基であって、これが必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々がまた必要に応じて置換されていてもよく、
(ix)−CH(R
9)OC(O)−、−CH(R
9)OC(O)−L'−、−CH(R
9)OC(O)−L'−Y−または−CH(R
9)OC(O)−L'−Y−C(O)−であって、式中R
9がHまたはC
1−C
6アルキルであり、YがO、S、またはNHであり、L'がアルキルであり、これらが必要に応じて1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、
(x)−CH(R
10a)OC(O)−L'−C(O)OCH(R
10b)−であって、式中R
10aおよびR
10bが独立して、HまたはC
1−C
6アルキルであり、これが必要に応じて置換されていてもよく、L'がC
1−C
20アルキルであって、これが必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、
(xi)−C(O)−L'−C(O)−、−C(O)−L'−、−C(O)−L'−Y−、または−C(O)−L'−Y−C(O)−であって、式中YがO、S、またはNHであり、L'がアルキルであって、これが必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、
(xii)−C(O)−L'−C(O)O−[CH
2CH
2O]
v'−であって、式中v'が1〜500であり、L'がアルキルであり、これらが必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリルもしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく、これらの各々が必要に応じて置換されていてもよく、
(xiii)PLGA、
(xiv)直接結合、
(xv)ジカルボン酸、
(xvi)β−ヒドロキシ酸、
(xvii)ポリヒドロキシ酸、ならびに
(xviii)それらの任意の組み合わせ
からなる群より選択される、項1〜14のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
16.上記抗真菌剤が、アゾール部分またはヒドロキシル基を含む、項1〜15のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
17.上記抗真菌剤が、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、ナタマイシン、ルセンソマイシン、ナイスタチン、アムホテリシンB、エキノカンジン、カンサイダス、プラディマイシン、ベアノマイシン、ニッコマイシン、ソルダリン、アリルアミン、トリクロサン、ピロクトン、フェンプロピモルフ、テルビナフィン、抗真菌ペプチド、ならびにそれらの誘導体および類縁体からなる群より選択される、項1〜16のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
18.上記抗菌剤がP.acneに対して有効である、項1〜17のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
19.上記抗菌剤が、マクロライドまたはケトライド、例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンおよびテリスロマイシン;β−ラクタム、例としては、ペニシリン、セファロスポリン、およびカルバペネム、例えば、カルバペネム、イミペネム、およびメロペネム;モノバクタム、例えば、ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、アンピシリン、アモキシシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メジオシリン、ピペラシリン、アズロシリン、テモシリン、カペロシン、セファピリン、セファラジン、セファロリジン、セファゾリン、セファマンドール、セフロキシム、セファレキシン、セフプロジル、セファクロール、ロラカルベフ、セフォキシチン、セフメタゾール、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフォペラゾン、セフタジジム、セフィキシム、セフポドキシム、セフチブテン、セフジニル、セフピロム、セフェピム、およびアズトレオナム;キノロン、例えば、ナリジクス酸、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、テマフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、ガネフロキサシン、ゲミフロキサシンおよびパズフロキサシン;抗菌性スルホンアミドおよび抗菌性スルファニルアミド、例としては、パラ−アミノ安息香酸、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾールおよびスルファサリジン;アミノグリコシド、例えば、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、パロマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、スペクチノマイシン、シソマイシン、ジベカシンおよびイセパマイシン;テトラサイクリン、例えば、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン;リファマイシン、例えば、リファンピシン(リファンピンとも呼ばれる)、リファンペンチン、リファブチン、ベンゾキサジノリファマイシンおよびリファキシミン;リンコサミド、例えば、リンコマイシンおよびクリンダマイシン;糖ペプチド、例えば、バンコマイシンおよびテイコプラニン;ストレプログラミン、例えば、キヌプリスチンおよびダフロプリスチン;オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド;ポリミキシン、コリスチンおよびコリマイシン;ならびにトリメトプリムおよびバシトラシンからなる群より選択される、項1〜15または18のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
20.上記担体がカルボン酸基またはヒドロキシル基を含む、項1〜19のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
21.上記担体が、ポリマー;カルボキシル化されたポリマー、水酸化されたポリマー、ポリエチレングリコール;カルボキシル化されたPEG、C
6−C
26アルキルを含む脂肪酸であって、これが、必要に応じてヘテロ原子、アリール、ヘテロアリール、シクリル、もしくはヘテロシクリルで置換されるかおよび/またはそれらが組み入れられていてもよく;アミノ酸;ペプチド;核酸;グリセロール、置換されたグリセロール、抗菌剤、抗真菌剤;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、ジカルボン酸、オキサジアシッド、ならびにそれらの任意の組み合わせである、項1〜20のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
22.上記担体が、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデカン酸、アダパレン、からなる群より選択される脂肪酸である、項1〜21のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
23.上記担体が、PLGA、PLA、PEG、キトサン、プルラン、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ無水物、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリジヒドロピラン、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリヒドロキシ吉草酸塩、ポリアルキレンシュウ酸塩、ポリアルキレンコハク酸塩、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、ポリメチルメタクリレート、キチン、キトサン、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、およびコポリマー、ターポリマー、ゼラチン、コラーゲン、シルク、キトサン、アルギン酸塩、セルロース、ポリ−核酸、酢酸セルロース(二酢酸セルロースを含む)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ヒドロゲル(例えば、アクリル樹脂)、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、ポリ(エチレンイミン)、プルロニック(Pluronic)(Poloxamers 407,188)、ヒアルロン(Hyaluron)、ヘパリン、アガロース、プルラン(Pullulan)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ならびに前述の1つ以上を含むコポリマーからなる群より選択される、項1〜21のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
24.上記担体が、ウンデシレン酸;パルミチン酸;オレイン酸、リノール酸、ラウリル酸、lys−his−lys−his−lys−hisヘキサペプチド;L−またはD−チロシン;L−またはD−セリン;L−またはD−トレオニン;2〜10個のアミノ酸のペプチド;キトサン、およびプルランからなる群より選択される、項1〜21のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
25.上記コンジュゲートが、ケトコナゾールメチレンパルミテート、ケトコナゾール1−エチレンパルミテート、ケトコナゾールメチレンラウレート、ケトコナゾール1−エチレンラウレート、ケトコナゾールメチレンウンデシレネート、ケトコナゾール1−エチレンウンデシレネート、ケトコナゾールメチレンオレアート、ケトコナゾール1−エチレンオレアート、ケトコナゾールメチレンリノレート、ケトコナゾール1−エチレンリノレート、ケトコナゾール−メチレン−PLGA、ケトコナゾール−ピリドキシン−ウンデシレン酸、ケトコナゾール−パンテノール二量体、ケトコナゾール−プロピレングリコール−ヘキサペプチド、ケトコナゾール−乳酸−キトサン、ケトコナゾール−メチレン−オキサアシッド(oxaacid)酸−キトサン、ケトコナゾール−メチレン−オキサジアシッド二量体、ケトコナゾール−メチレン−グルタミン酸二量体、クリンダマイシンラウリル酸コンジュゲート、クリンダマイシン−グリコール酸−PLGAコンジュゲート、クリンダマイシン−コハク酸−PLGAコンジュゲート、クリンダマイシン−アダパレンコンジュゲート、エリスロマイシン−ラウリル酸コンジュゲート、エリスロマイシン−乳酸−ラウリル酸コンジュゲート、ラウリル酸−PLGA−エリスロマイシンコンジュゲート、アダパレン−トリエチレングリコン−エリスロマイシンコンジュゲート、クリンダマイシン二量体、アゼライン酸とのクリンダマイシン二量体、カルボキシル化されたPEGとのクリンダマイシン二量体、グルタミン酸とのクリンダマイシン二量体、オキシ二酢酸とのクリンダマイシン二量体、クリンダマイシントリクロサンコンジュゲート、クリンダマイシン−グルタミン酸−トリクロサンコンジュゲート、またはクリンダマイシン−オキシ二酢酸−トリクロサンコンジュゲートである、項1〜24のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグ。
26.(i)抗真菌剤、抗菌剤、またはそれらの組み合わせから選択される第一の成分と、(ii)脂質、ポリマーまたはそれらの組み合わせから選択される第二の成分と、を含む、ナノ粒子。
27.上記第一の成分が、上記ナノ粒子の総重量に基づいて、約0.01重量%〜約99重量%である、項26に記載のナノ粒子。
28.上記脂質が、上記ナノ粒子の総重量に基づいて、約0.01重量%〜約99重量%である、項26または27に記載のナノ粒子。
29.上記第一の成分および第二の成分が、互いに共有結合されない、項26〜28のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
30.リポソーム、高分子ナノ粒子、ナノエマルジョン、自己マイクロ乳化型ドラッグデリバリーシステム(SMEDDS)、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造液晶、アルブミンベースのナノ粒子、デンドリマー、カーボンナノチューブ、ナノ構造脂質担体(NLC)、ポリマーソーム、ナノ結晶、ナノエマルジョン、などからなる群より選択される、項26〜29のいずれか1項に記載のナノ粒子。
31.約1nm〜約1000nmのサイズである、項26〜30のいずれか1項に記載のナノ粒子。
32.約20nm〜約500nmのサイズである、項26〜31のいずれか1項に記載のナノ粒子。
33.界面活性剤をさらに含む、項26〜32のいずれか1項に記載のナノ粒子。
34.上記界面活性剤が、上記ナノ粒子の総重量に基づいて、約0.01重量%〜約30重量%である、項33に記載の方法。
35.担体または賦形剤をさらに含む、項26〜34のいずれか1項に記載のナノ粒子。
36.上記賦形剤が、上記ナノ粒子の総重量に基づいて約0.01重量%〜約30重量%である、項35に記載のナノ粒子。
37.上記脂質が、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセロ脂質(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)、リン脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、糖脂質、ポリケチド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項26〜36のいずれか1項に記載のナノ粒子。
38.上記脂質が、グリセリルトリパルミテート(Tripalm)、Ceteth−10、卵レシチン、ダイズレシチン、グリセリルモノカプリレート(Capmul MCM C8 EP)、Capmul MCM C10、グリセロールトリカプリレート/カプレート(CAPTEX(登録商標)355 EP/NF)、グリセロールジステアレート(I型)EP(Precirol ATO 5)、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メシリン酸、ヘナトリアコンチル酸、ラッセル酸、フィリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、α−リノール、ステアリドン、エイコサペンタエン、ドコサヘキサエン、リノール、γ−リノール、ジホモ−γ−リノレン、アラキドン、オレイン、エライジン、エンコセン、エルカ、ネルボン、ミード、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘネイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレライド酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、cis−11−オクタデセン酸、cis−11−エイコセン酸、ウンデシレン酸、cis−13−ドコセン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、10−ウンデセン酸、ホスファチジン酸(ホスファチジデート、PA)、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン、PE)、ホスファチジルコリン(レシチン、PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールホスフェート(PIP)、ホスファチジルイノシトールビスホスフェート(PIP2)、ホスファチジルイノシトールトリホスフェート(PIP3)、セラミドホスホリルコリン(スフィンゴミエリン、SPH)、セラミドホスホリルエタノールアミン(スフィンゴミエリン、Cer−PE)、セラミドホスホリルグリセロール、コレスタン、コラン、プレグナン、アンドロスタン、エストラン、コレステロール、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エライドリノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘネイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−セヘプタコサノール、モンタニルアルコール、クルイチルアルコール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール、メリシルアルコール、1−ドトリアコンタノール、ゲジルアルコール、セテアリルアルコール、プロピレングリコールジカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート、飽和脂肪アルコールC12−C18のカプリル酸/カプリン酸エステル、プロピレングリコールジカプリロカプレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、1,3−プロパンジオールジカプリレート/ジカプレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート、カプリル/カプリントリグリセリド、グリセロールトリカプリレート/カプレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリカプリレート、トリオレイン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項26〜37に記載のナノ粒子。
39.上記抗真菌剤が、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、アバファンギン、アルバコナゾール、アリシン、アモロルフィン、アンチデュラファンギン、安息香酸と角質溶解剤、ブテナフィン、ブトコナゾール、カスポファンギン、シクロピロックス(シクロピロックスオラミン)、シトロネラ油、クロトリマゾール、やし油、クリスタルバイオレット、エコナゾール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルシトシンまたは5−フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロギン、ヨウ素、イサブコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、レモン・マートル、ミカファンギン、ミコナゾール、ナフチフィン、ニームシードオイル、オリーブ葉抽出物、オモコナゾール、オレンジ油、オキシコナゾール、パルマローザ油、パチョリ、ポリゴジアール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、セレニウム、セルタコナゾール、スルコナゾール、ティーツリーオイル−ISO 4730(「メラルーカの油、テルピネン−4−オール型」)、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、トルナフテート、ウンデシレン酸、ボリコナゾール、硫化亜鉛セレン、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、ナタマイシン、ルセンソマイシン、ナイスタチン、アムホテリシンB、エキノカンジン、カンサイダス、プラディマイシン、ベアノマイシン、ニッコマイシン、ソルダリン、アリルアミン、トリクロサン、ピロクトン、フェンプロピモルフ、テルビナフィン、抗真菌ペプチド、ならびにそれらの誘導体および類縁体からなる群より選択される、項26〜38のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
40.上記抗菌剤が、マクロライドまたはケトライド、例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンおよびテリスロマイシン;β−ラクタム、例としては、ペニシリン、セファロスポリン、およびカルバペネム、例えば、カルバペネム、イミペネム、およびメロペネム;モノバクタム、例えば、ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、アンピシリン、アモキシシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メジオシリン、ピペラシリン、アズロシリン、テモシリン、カペロシン、セファピリン、セファラジンン、セファロリジン、セファゾリン、セファマンドール、セフロキシム、セファレキシン、セフプロジル、セファクロール、ロラカルベフ、セフォキシチン、セフメタゾール、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフォペラゾン、セフタジジム、セフィキシム、セフポドキシム、セフチブテン、セフジニル、セフピロム、セフェピム、およびアズトレオナム;キノロン、例えば、ナリジクス酸、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、テマフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、ガネフロキサシン、ゲミフロキサシンおよびパズフロキサシン;抗菌性スルホンアミドおよび抗菌性スルファニルアミド、例としてはパラ−アミノ安息香酸、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾールおよびスルファサリジン;アミノグリコシド、例えば、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、パロマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、スペクチノマイシン、シソマイシン、ジベカシンおよびイセパマイシン;テトラサイクリン、例えば、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン;リファマイシン、例えば、リファンピシン(リファンピンとも呼ばれる)、リファンペンチン、リファブチン、ベンゾキサジノリファマイシンおよびリファキシミン;リンコサミド、例えば、リンコマイシンおよびクリンダマイシン;糖ペプチド、例えば、バンコマイシンおよびテイコプラニン;ストレプログラミン、例えば、キヌプリスチンおよびダフロプリスチン;オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド;ポリミキシン、コリスチンおよびコリマイシン;ならびにトリメトプリムおよびバシトラシンからなる群より選択される、項26〜39のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
41.有効量の、項1〜25のいずれか1項に記載のコンジュゲートベースのプロドラッグまたは項26〜40のいずれか1項に記載のナノ粒子を含む、パーソナルケア組成物。
42.薬学的な剤または局所剤をさらに含む、項41に記載のパーソナルケア組成物。
43.上記薬学的な剤または局所剤が、加齢によるしみ、角質繊維およびしわを改善するかまたは根絶するもの;局所の鎮痛薬および麻酔薬;抗ざ瘡剤;抗菌剤;抗酵母剤;抗真菌剤;抗ウイルス剤;フケ防止剤;抗皮膚炎剤;抗ヒスタミン剤;かゆみ止め剤;制吐剤;鎮暈剤;抗炎症剤;抗過角質溶解剤(antihyperkeratolytic agent);制汗剤;抗乾癬剤;抗脂漏剤;ヘアコンディショナーおよびヘアトリートメント剤;老化防止剤および抗しわ剤;日焼け止めおよびサンスクリーン剤;皮膚美白剤;脱色素剤;ビタミン;コルチコステロイド;日焼け剤;湿潤剤;ホルモン;レチノイド;歯周病またはオーラルケア剤;局所心血管剤;魚の目、たこ、およびいぼの除去剤;脱毛剤;ならびにそれらの任意の組み合わせ、からなる群より選択される、項42に記載のパーソナルケア組成物。
44.上記薬学的な剤または局所剤が、アゼライン酸、トリクロサン、α−ヒドロキシ酸、グリコール酸、マンデル酸、β−ヒドロキシ酸、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、ラクトビオン酸、ガラクトース、グルコン酸、アダパレン、アバカビル、アセブトロール、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセタゾラミド、アセトヒドロキサミン酸、アセチルサリチル酸、アシトレチン、アクロベート、アクリバスチン、アクティク、アシクロビル、アダパレン、アデフォビルジピボキシル、アデノシン、アルブテロール、アルフゾシン、アロプリノール、アロキサンチン、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アルプレノロール、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、クロロ水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アマンタジン、アミロライド、アミナクリン、アミノ安息香酸(PABA)、アミノカプロン酸、アミノサリチル酸、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモカルジン、アモジアキン、アモロルフィン、アモキサピン、アンフェタミン、アンピシリン、アナグレリド、アナストロゾール、アントラリン、アポモルフィン、アプレピタント、アルブチン、アリピプラゾール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトロピン、アザチオプリン、アゼライン酸、アゼラスチン、アジスロマイシン、バシトラシン、ジプロピオン酸ベクロメタソン、ベメグリド、ベナゼプリル、ベンドロフルメチアジド、ベンゾカイン、ベンゾナテート、ベンゾフェノン、ベンズトロピン、ベプリジル、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブリモニジン、ブロムフェニラミン、ブピバカイン、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブリマミド、ブテナフィン、ブトコナゾール、カベルゴリン、コーヒー酸、カフェイン、カルシポトリエン、カンファー、カンデサルタンシレキセチル、カプサイシン、カルバマゼピン、セフジトレンピボキシル、セフェピム、セフポドキシムプロキセチル、セレコキシブ、セチリジン、セビメリン、キトサン、クロルジアゼポキシド、クロルヘキシジン、クロロキン、クロロチアジド、クロロキシレノール、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、クロルプロパミド、シクロピロックス、シロスタゾール、シメチジン、シナカルセット、シプロフロキサシン、シタロプラム、クエン酸、クラドリビン、クラリスロマイシン、クレマスチン、クリンダマイシン、クリオキノール、プロピオン酸クロベタゾール、クロミフェン、クロニジン、クロピドグレル、クロトリマゾール、クロザピン、コカイン、コデイン、クロモリン、クロタミトン、シクリジン、シクロベンザプリン、シクロセリン、シタラビン、ダカルバジン、ダルホプリスチン、ダプソン、ダプトマイシン、ダウノルビシン、デフェロキサミン、デヒドロエピアンドロステロン、デラビルジン、デシプラミン、デスロラタジン、デスモプレシン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニダート、デクスラゾキサン、デクストロアンフェタミン、ジアゼパム、ジサイクロミン、ジダノシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジルチアゼム、6,8−ジメルカプトオクタン酸(ジヒドロリポ酸)、ジフェンヒドラミン、ジフェノキシレート、ジピリダモール、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドネペジル、ドーパエステル、ドーパミニド、ドーパミン、ドルゾラミド、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドキシラミン、ドキシピン、デュロキセチン、ジクロニン、エコナゾール、エファリズマブ、エフロルムチン、エレトリプタン、エムトリシタビン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エピニン、エピルビシン、エプチフィバチド、エルゴタミン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、エスモロール、エソメプラゾール、エスタゾラム、エストラジオール、エタクリン酸、エチニルエストラジオール、エチドカイン、エトミダート、ファムシクロビル、ファモチジン、フェロジピン、フェンタニル、フェルラ酸、フェキソフェナジン、フレカイニド、フルコナゾール、フルシトシン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、5−フルオロウラシル、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、ホルモテロール、フロセミド、ガラクタロラクトン、ガラクトン酸、ガラクトノラクトン、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲミフロキサシン、グリコール酸、グリセオフルビン、グアイフェネシン、グアネチジン、N−グアニルヒスタミン、ハロペリドール、ハロプロジン、ヘキシルレゾルシノール、ホマトロピン、ホモサレート、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-アセタート、ヒドロコルチゾン17-ブチラート、ヒドロコルチゾン17-バレラート、ヒドロモルフォン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエーテル、ヒドロキシジン、ヒヨスシアミン、ヒポキサンチン、イブプロフェン、イクタモール、イダルビシン、イマチニブ、イミプラミン、イミキモド、インジナビル、インドメタシン、イルベサルタン、イリノテカン、イソエタリン、イソプロテレノール、イトラコナゾール、カナマイシン、ケタミン、ケタンセリン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、コウジ酸、ラベタロール、乳酸、ラクトビオン酸、ラミブジン、ラモトリジン、ランソプラゾール、レトロゾール、ロイプロリド、レバルブテロール、レボフロキサシン、リドカイン、リネゾリド、ロベリン、ロペラミド、ロサルタン、ロキサピン、リゼルギン酸ジエチルアミド、マフェニド、リンゴ酸、マルトビオン酸、マンデリン酸、マプロチリン、メベンダゾール、メカミルアミン、メクリジン、メクロサイクリン、メマンチン、メンソール、メペリジン、メピバカイン、メルカプトプリン、メスカリン、メタネフリン、メタプロテレノール、メタラミノール、メトホルミン、メタドン、メタンフェタミン、メトトレキサート、メトキサミン、メチルドーパエステル、メチルドーパミド、3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン、メチル乳酸、ニコチン酸メチル、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチアミド、メトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、メキシレチン、ミコナゾール、ミダゾラム、ミドドリン、ミグルスタット、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミトキサントロン、モエキシプリラート、モリンドン、モノベンゾン、モルフィン、モキシフロキサシン、モキソニジン、ムピロシン、ナドロール、ナフチフィン、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナプロキセン、ネファゾドン、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネビラピン、ニカルジピン、ニコチン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニザチジン、ノルエピネフリン、ニスタチン、オクトパミン、オクトレオチド、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オフロキサシン、オランザピン、オルメサルタンメドキソミル、オロパタジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オキシコナゾール、オキソトレモリン、オキシベンゾン、オキシブチニン、オキシコドン、オキシメタゾリン、パジメートO、パロノセトロン、パントテン酸、パントイルラクトン、パロキセチン、ペモリン、ペンシクロビル、ペニシラミン、ペニシリン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペントスタチン、ペントキシフィリン、ペルゴリド、ペリンドプリル、ペルメトリン、フェンシクリジン、フェネルジン、フェニラミン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェノール、フェノキシベンザミン、フェントラミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、フィゾスチグミン、ピロカルピン、ピモジド、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピパマジン、ピペロニルブトキシド、ピレンゼピン、ポドフィロックス、ポドフィリン、プラミペキソール、プラモキシン、プラゾシン、プレドニゾン、プレナルテロール、プリロカイン、プロカインアミド、プロカイン、プロカルバジン、プロマジン、プロメタジン、プロピオン酸プロメタジン、プロパフェノン、プロポキシフェン、プロプラノロール、プロピルチオウラシル、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、ピレトリン、ピリラミン、ピリメタミン、クエチアピン、キナプリル、キネタゾン、キニジン、キヌプリスチン、ラベプラゾール、レセルピン、レソルシノール、レチナール、13−シスレチノイン酸、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、リバビリン、リボン酸、リボノラクトン、リファンピン、リファペンチン、リファキシミン、リルゾール、リマンタジン、リセドロン酸、リスペリドン、リトドリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロピニロール、ロピバカイン、サリチルアミド、サリチル酸、サルメテロール、スコポラミン、セレギリン、セレニウムスルフィド、セロトニン、セルチンドール、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、ソタロール、ストレプトマイシン、ストリキニーネ、スルコナゾール、スルファベンズ、スルファベンズアミド、スルファブロモメタジン、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファグアノール、スルファレン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファニルアミド、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファサラジン、スルファソミゾール、スルファチアゾール、スルフィソキサゾール、タダラフィル、タムスロシン、酒石酸、タザロテン、テガセロール、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモゾロミド、テノフォビルジソプロキシル、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルコナゾール、テルフェナジン、テトラカイン、テトラサイクリン、テトラヒドロゾリン、テオブロミン、テオフィリン、チアベンダゾール、チオリダジン、チオチキセン、チモール、チアガビン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チロフィバン、チザニジン、トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、トルブタミド、トルナフテート、トルテロジン、トラマドール、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサセトニド、トリアムテレン、トリアゾラム、トリクロサン、トリフルプロマジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、トロメタミン、トロパ酸、チラミン、ウンデシレン酸、尿素、ウロカニン酸、ウルソジオール、バルデナフィル、ベンラファキシン、ベラパミル、ビタミンEアセテート、ボリコナゾール、ワーファリン、キサンチン、ザフィルルカスト、ザレプロン、ジンクピリチオン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項42または43に記載のパーソナルケア組成物。
45.抗酸化剤、防腐剤、充填剤、界面活性剤、UVAおよび/またはUVBサンスクリーン、香料、増粘剤、加湿薬、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー、粘度安定剤/泡安定剤、乳白剤/光沢剤、封鎖剤、安定化剤、ヘアーコンディショニング剤、湿潤剤、帯電防止剤、凍結防止剤、緩衝剤、色素、顔料、炭化水素、エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、乳化剤、粘度調整剤、シリコーン系の材料、界面活性剤、エモリエント、保湿剤、安定剤、塗膜形成物質、香料、着色剤、キレート剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、防水剤、乾燥感調整剤、ビタミン、植物抽出物、ヒドロキシ酸、有機サンスクリーン剤、無機サンスクリーン剤、ペプチド系の無機サンスクリーン剤、およびサンレスタンニング剤からなる群より選択される、少なくとも1つの化粧品原料またはアジュバントをさらに含む、項41〜44のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
46.シャンプー、コンディショナー、リンス、ローション、エアロゾル、ゲル、ムース、および毛髪染料からなる群より選択されるヘアケア組成物である、項41〜45のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
47.フケを処置または予防するための方法であって、それを必要とする対象の頭皮に対して項41〜46のいずれかの記載の組成物を適用する段階を包含する、方法。
48.ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、クレンジング洗浄液、クレンジング固体バー、ペースト、フォーム、粉末、シェービングクリームおよびワイプからなる群より選択されるスキンケア組成物である、項41〜45のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
49.対象におけるざ瘡を処置または予防するための方法であって、それを必要とする対象の皮膚に対して項41〜46または48のいずれかの記載の組成物を加える段階を包含する、方法。
50.対象における真菌感染または細菌感染を処置または予防するための方法であって、項1〜25または26〜40のいずれか1項に記載の組成物を投与する段階を包含する、方法。
51.上記投与が局所または全身である、項50に記載の方法。
52.上記真菌感染または細菌感染が、口腔カンジダ症/膣カンジダ症、白癬(例えば、身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、耳感染、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項50または51に記載の方法。
53.上記対象が哺乳動物である、項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
54.上記対象がヒトである、項50〜53のいずれか1項に記載の方法。
55.上記対象が非ヒト哺乳動物である、項50〜53のいずれか1項に記載の方法。
56.対象における真菌感染または細菌感染の処置または予防のための、項1〜25または26〜40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
57.上記組成物が局所的に適用されるか、または全身に投与される、項56に記載の使用。
58.上記真菌感染または細菌感染が、口腔カンジダ症/膣カンジダ症、白癬(例えば、身体、頭皮、髭の白癬感染、頑癬、水虫)、爪感染、耳感染、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項56または57に記載の使用。
59.上記対象が哺乳動物である、項56〜58のいずれか1項に記載の使用。
60.上記対象がヒトである、項56〜59のいずれか1項に記載の使用。
61.上記対象が非ヒト哺乳動物である、項56〜59のいずれか1項に記載の使用。
【0247】
定義
便宜上、本明細書において詳細な説明、実施例および添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語は、本明細書に収集される。別段言及しない限り、または文脈上含意するのでなければ、以下の用語および表現は、下で提供される意味を包含する。別段明らかに述べない限り、または前後関係から明らかでなければ、下の用語および句は、その用語または句が関与する当該分野で獲得する意味を排除しない。この定義は、特定の実施形態を記載することを助けるものであり、特許請求される本発明を限定するものではない。なぜなら、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ制限されるからである。さらに、文脈上、別段要求されない限り、単数の用語は、複数を包含し、複数の用語は、単数を包含するものとする。
【0248】
別段規定されない限り、本明細書に用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が関連する当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。任意の公知の方法、デバイスおよび材料が本発明の実施または試験で用いられ得るが、これに関する方法、デバイスおよび材料は、本明細書に記載されている。
【0249】
本明細書において用いる場合「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、本発明にとって必須の組成物、方法、およびそのそれぞれの構成要素に関して用いられるが、必須であるかどうかにかかわらず、明記されていない要素の包含も受け入れられる。
【0250】
本明細書において用いる場合、「本質的に〜からなる」という用語は、所与の態様に必要とされる要素を意味する。この用語は、本発明のその実施形態の基本的かつ新規または機能的な特徴に著しく影響をおよぼさない、さらなる要素の存在を許容する。
【0251】
「〜からなる」という用語は、その実施形態のその記載に列挙されていない任意の要素を除く、本明細書に記載の組成物、方法、およびそのそれぞれの構成要素を意味する。
【0252】
作業実施例中、またはそれ以外に示されている場合を除き、本明細書において用いられる構成要素または反応条件の量を表す全ての数は、すべての場合に「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。パーセンテージに関連して用いられる場合、「約」という用語は±1%を意味し得る。
【0253】
「ある(a、an)」、および「この、その(the)」という単数形は、文脈上、別段明らかに示されないかぎり、複数の言及を包含する。同様に、「または」という用語は、文脈上、別段明らかに示されないかぎり、「および」を包含するものとする。
【0254】
本明細書に記載のものと類似の又は等価の方法および物質は、本開示の実施または検査において用いられ得るが、適切な方法および物質は下に記載される。「含む(comprises)」という用語は、「含む(includes)」を意味する。略字「例えば(e.g.)」はラテン語exempli gratiaに由来し、本明細書において非限定的例を示して用いられる。したがって略字「例えば(e.g.)」は、「例えば」という用語と同義である。
【0255】
「低減する」、「減少した」、「低下」、「低減する」、または「阻害する」、という用語は全てが、本明細書において一般には統計学的に有意な量の低減を意味して用いられる。しかし、誤解を避けるため、「減少した」、「低下」、「低減する」、または「阻害する」とは、参照レベルに比較して少なくとも10%まで、例えば、参照レベルに比べて、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%もしくは最大で100%まで低下(例えば、参照サンプルに比較した値の低下)、または10〜100%の間の任意の低下を意味する。
【0256】
「増大された」、「増大する」または「向上する、改善する」または「活性化する」という用語は全てが、本明細書において一般には統計学的に有意な量の増大を意味して用いられる。誤解を避けるため、「増大された」、「増大する」または「向上する、改善する」または「活性化する」という用語は、参照レベルに比較して少なくとも10%、例えば、参照レベルに比べて、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%もしくは最大で100%までの増大、もしくは10〜100%の間の任意の増大、または参照レベルに比較して、少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍もしくは少なくとも約10倍もしくは2倍と10倍との間の任意の増大を意味する。
【0257】
「統計的に有意な」または「統計学的に」という用語は、統計学的な有意差を指し、一般的に、マーカーの濃度の正常よりも、標準偏差の2倍分(2SD)下であることを意味する。この用語は、差異が存在することの統計学的証拠を意味する。これは帰無仮説が実際に真実である場合に帰無仮説を棄却する決定を下す確率として定義される。決定はしばしば、p値を用いて行われる。
【0258】
「処置」、「予防」または「改善」とは、疾患または障害の発現を遅延または予防すること、このような疾患または障害と関連する病態の進行または重篤度の進行、増悪または悪化を逆転、緩和、改善、阻害、遅延または停止することを意味する。一実施形態では、疾患または障害のうちの少なくとも1つの症状が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%まで緩和される。
【0259】
本明細書において用いる場合、「有効な」および「有効性」という用語は、薬理学的有効性および生理学的安全性の両方を包含する。薬理学的有効性とは、患者において所望の生物学的効果を生じるための処置の能力を指す。生理学的安全性とは、処置の実施から生じる、毒性のレベル、または細胞、器官および/または生物体のレベルでの他の有害な生理学的影響(副作用と呼ばれる場合も多い)を指す。「有効性が少ない」とは、処置が、治療上有意に低いレベルの薬理学的な有効性および/または治療上大きいレベルの有害な生理学的影響を生じることを意味する。
【0260】
簡易化のために、定義されており、全体を通して言及される化学部分とは、一価の化学部分(例えば、アルキル、アリール等)であってもよいし、または当業者に明白な適切な構造状況下で多価部分であってもよい。例えば、「アルキル」部分とは、一価のラジカル(例えば、CH
3−CH
2−)のことをさしてもよいし、または他の場合は、アルキルが二価のラジカル(例えば−CH
2−CH
2−)であることを当業者が理解する場合は、二価の結合部分は「アルキル」であり得、用語「アルキレン」と等価である。同様に、二価の部分が必要とされ、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」であると記載される状況では、当業者は、用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」が、対応する二価の部分のことを指すと理解する。
【0261】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の任意のラジカルを指す。
【0262】
「アシル」という用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、またはヘテロアリールカルボニル置換基を指し、このいずれかは、置換基によってさらに置換されてもよい。例示的なアシル基としては、限定するものではないが、(C
1−C
6)アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル、t−ブチルアセチル、など)、(C
3−C
6)シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、など)、複素環式のカルボニル(例えば、ピロリジニルカルボニル、ピロリド−2−オン−5−カルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、テトラヒドロフラニルカルボニル、など)、アロイル(例えば、ベンゾイル)およびヘテロアロイル(例えば、チオフェニル−2−カルボニル、チオフェニル−3−カルボニル、フラニル−2−カルボニル、フラニル−3−カルボニル、1H−ピロリル−2−カルボニル、1H−ピロリル−3−カルボニル、ベンゾ[b]チオフェニル−2−カルボニル、など)が挙げられる。さらに、このアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびアシール基のヘテロアリール部分は、それぞれの定義で規定される基の任意の1つであってもよい。
【0263】
用語「アルキル」としては、N、OまたはSを必要に応じて挿入されてもよい、特定の数の炭素原子(これらは、限定するものではないが、プロピル、アルルまたはプロパルギルを含む)を含む、直鎖であってもまたは分岐鎖であってもよい、飽和または不飽和の非芳香族の炭化水素鎖を指す。例えば、C
1−C
6とは、その基が、1〜6個(包括的)の炭素原子をその中に有し得ることを示す。
【0264】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含むアルキルを意味する。例示的なアルケニル基には、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0265】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含むアルキルを意味する。
【0266】
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキルラジカルを意味する。
【0267】
「アミノアルキル」という用語は、アミノで置換されているアルキルを意味する。
【0268】
「メルカプト」という用語は、−SHラジカルを意味する。
【0269】
「チオアルコキシ」という用語は、−S−アルキルラジカルを意味する。
【0270】
「アリール」という用語は、各環の0、1、2、3、または4個の原子が置換基によって置換されていてもよい、単環式、二環式、または三環式芳香環系を指す。例示的なアリール基としては限定するものではないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アズレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。
【0271】
「アリールアルキル」という用語は、アリールで置換されているアルキルを意味する。
【0272】
「シクリル」または「シクロアルキル」という用語は、3から12個の炭素、例えば3から8個の炭素、および例えば、3から6個の炭素を有する、飽和および部分不飽和環式炭化水素基を意味し、シクロアルキル基はさらに置換されていてもよい。例示的なシクロアルキル基としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
【0273】
「ヘテロアリール」という用語は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有しており、このヘテロ原子はO、N、またはSから選択される(例えば、単環式、二環式、または三環式の場合にそれぞれ、炭素原子およびN、O、またはSの1〜3個、1〜6個、または1〜9個のヘテロ原子)(各環の0、1、2、3、または4個の原子は置換基によって置換されていてもよい)芳香族5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を意味する。例示的なヘテロアリール基としては、限定するものではないが、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル、ナフチリジニルなどが挙げられる。
【0274】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを意味する。
【0275】
「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有しており、このヘテロ原子がO、N、またはSから選択される(例えば、炭素原子、および単環式、二環式、または三環式の場合にそれぞれ、N、O、またはSの1〜3個、1〜6個、または1〜9個のヘテロ原子)(各環の0、1、2、または3個の原子は置換基によって置換されていてもよい)、非芳香族の5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を意味する。例示的なヘテロシクリル基としては、限定するものではないが、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
【0276】
「ハロアルキル」という用語は、それに連結している1、2、3個またはそれ以上のハロゲン原子を有するアルキル基を意味する。例示的なハロアルキル基としては、限定するものではないが、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
【0277】
「必要に応じて置換されている」という用語は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基などの、指定の基または部分が置換されていないか、または「置換基」の定義において以下に列挙する置換基の群から独立して選択されるか、もしくはそれ以外に指定する、1つ以上の(典型的には1〜4つの置換基)で置換されていることを意味する。
【0278】
「置換基」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基上で、その基の任意の原子において「置換されている」基を意味する。適切な置換基としては、限定するものではないが、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバノイル、アリールカルバノイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドが挙げられる。一部の実施形態では、2つの置換基は、それらが連結している炭素と一緒になって、環を形成することができる。
【0279】
多くの場合、本発明の化合物の調製中に保護基を用いる。本明細書において用いられる「保護されている」という用語は、示された部分がその上に連結された保護基を有することを意味する。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、化合物は1つまたは複数の保護基を含む。本発明の方法においては広範な種々の保護基を使用することができる。一般に、保護基は化学官能基を特定の反応条件に対して不活性にさせ、分子の残部を実質的に損なうことなく、分子内のそのような官能基に連結し、それらから除去することができる。
【0280】
代表的な保護基は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis,第2章,第2版,John Wiley & Sons,New York,199に開示されている。ヒドロキシル保護基の例としては、限定するものではないが、t−ブチル、t−ブトキシメチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、2−トリメチルシリルエチル、p−クロロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、p,p'−ジニトロベンズヒドリル、p−ニトロベンジル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、ピバロエート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、9−フルオレニルメチルカーボネート、メシレートおよびトシレートが挙げられる。例示的なアミノ保護基としては、限定するものではないが、カルバメート保護基、例えば、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル(Bpoc)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、およびベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アミド保護基、例えば、ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル、およびニトロフェニルアセチル、2−ニトロベンゼンスルホニルなどのスルホンアミド保護基、ならびにフタルイミドおよびジチアスクシノイルなどのイミンおよび環式イミド保護基が挙げられる。
【0281】
「異性体」という用語は本明細書において用いる場合、分子式は同一であるが構造が異なる化合物を意味する。立体配置および/または立体配座のみが異なる異性体は、「立体異性体」と称する。「異性体」という用語はまた、対掌体を意味するのにも用いられる。
【0282】
「鏡像異性体」という用語は、互いに鏡像の関係にあり重ね合わせできない一対の分子異性体の1つを記載するのに用いられる。鏡像異性体を表すか、または意味するのに用いられる他の用語としては、「立体異性体」(キラル中心の回りの異なる配置、すなわち立体化学が異なるため、鏡像異性体はすべて立体異性体であるが、立体異性体は必ずしも全てが鏡像異性体ではない)または「光学異性体」(純粋な鏡像異性体は光学活性(光学活性は、異なる純粋な鏡像異性体が平面偏光を異なる方向に回転させる能力である)であるため)が挙げられる。鏡像異性体は一般に、融点および沸点のような物理的性質が同一であり、また分光特性も同一である。鏡像異性体は、平面偏光との相互作用に関して、および生物活性に関して互いに異なる可能性がある。
【0283】
「R」および「S」という記号は、キラル中心周囲の分子の絶対配置を示すのに用いられる。この記号表示は、接頭語または接尾語として表示することができ、それらは、ハイフンによって異性体から分離してもよいし、しなくてもよく、ハイフンでつないでもつながなくてもよく、それらは丸括弧で囲んでも囲まなくてもよい。
【0284】
記号表示または接頭語「(+)および(−)」は、化合物による平面偏光の回転の印を示すのに用い、(−)は、化合物が左旋性(左に回転する)であることを意味する。(+)が前につけられた化合物は右旋性(右に回転する)である。
【0285】
「ラセミ混合物」、「ラセミ化合物」または「ラセミ体」という用語は、1つの化合物の2つの鏡像異性体の混合物を意味する。理想的なラセミ混合物は、(+)鏡像異性体の旋光性が(−)鏡像異性体の旋光性を相殺するように、1つの化合物の両鏡像異性体の50:50混合物であるものである。
【0286】
「分割する」または「分割」という用語は、ラセミ混合物に関して使用する場合には、ラセミ体を2つの鏡像異性体型(すなわち(+)および(−)、または(R)および(S)型)に分離することを意味する。これらの用語はまた、ラセミ体の一方の異性体を生成物にエナンチオ選択的に転化することを意味し得る。
【0287】
「鏡像異性体過剰」または「ee」という用語は、一方の鏡像異性体が他方の鏡像異性体より多く生成された反応生成物を意味し、(+)-および(−)-鏡像異性体の混合物に関して定義され、鏡像異性体混合物の組成は、モルまたは重量もしくは体積分率F
(+)およびF
(−)(F
(+)およびF
(−)の和=1)として示される。鏡像異性体過剰は、
*F
(+)−F
(−)*として定義し、鏡像異性体過剰%は100×
*F
(+)−F
(−)*によって定義する。鏡像異性体の「純度」は、そのeeまたはeeパーセント値(%ee)によって記述される。
【0288】
「精製された鏡像異性体」または「純粋な鏡像異性体」または「分割(された)鏡像異性体」または「鏡像異性体過剰の化合物」のいずれで表されても、これらの用語は、一方の鏡像異性体の量が他方の鏡像異性体の量より多いことを示すものである。従って、鏡像異性体製剤に関しては、多い方の鏡像異性体のパーセント(例えば、モル%または重量%または容量%)および(または)多い方の鏡像異性体の鏡像異性体過剰%の両方(またはいずれか)を、製剤が精製鏡像異性体製剤であるかを判定するのに用いてもよい。
【0289】
異性体の「鏡像異性体の純度」または「鏡像異性体純度」という用語は、精製された鏡像異性体の定性的または定量的指標を意味し、典型的には、測定値はeeまたは鏡像異性体過剰に基づいて表される。
【0290】
「実質的に精製された鏡像異性体」、「実質的に分割された鏡像異性体」、「実質的に精製された鏡像異性体製剤」という用語は、一方の鏡像異性体が他方の鏡像異性体よりも多く含まれる製剤(例えば、光学活性でない出発原料、基質または中間体に由来するもの)、より好ましくは、他方の鏡像異性体が、鏡像異性体または鏡像異性体製剤の20%未満、より好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満、さらに好ましくは2%未満に相当する製剤を示すものとする。
【0291】
「精製された鏡像異性体」、「分割された鏡像異性体」および「精製された鏡像異性体製剤」という用語は、一方の鏡像異性体(例えば、R−鏡像異性体)が他方の鏡像異性体よりも多く含まれる製剤(例えば、光学活性でない出発原料、基質または中間体に由来するもの)、より好ましくは、他方の鏡像異性体(例えば、S−鏡像異性体)が製剤の30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満(例えば、この場合には、R−鏡像異性体はS−鏡像異性体を実質的に含まない)、さらに好ましくは5%未満、さらにいっそう好ましくは2%未満に相当する製剤を示すものとする。精製鏡像異性体は他方の鏡像異性体を実質的に含まずに合成してもよいし、あるいは精製鏡像異性体は立体的に好ましい手順で合成した後に分離工程を行ってもよいし、あるいは精製鏡像異性体はラセミ混合物由来であってもよい。
【0292】
「エナンチオ選択率」という用語は、鏡像異性体比とも称され、記号「E」で示され、酵素が、生成物ラセミ混合物中において他方の鏡像異性体に比べて一方の鏡像異性体をラセミ基質から生成する選択的な能力を意味し、言い換えれば、エナンチオ選択率とは、酵素が複数の鏡像異性体を区別する能力の尺度である。非選択的反応はEが1であるが、Eが20超の分割は一般に合成または分割に有用であると考えられる。エナンチオ選択性は、当該鏡像異性体間の転化速度の差に存在する。反応生成物は、鏡像異性体の一方が濃縮された形で得られ、逆に、残留基質は他方の鏡像異性体が濃縮されている。実際的には、鏡像異性体の一方が大過剰で得られることが一般に望ましい。これは、ある程度の転化率で転化プロセスを終了させることによって達成される。
【0293】
本明細書において用いる場合、「薬学的に受容可能な塩」という用語は、ある化合物の通常の非毒性の塩または四級アンモニウム塩(例えば、非毒性の有機または無機の酸由来)を指す。これらの塩は、投与ビヒクル中でまたは剤形製造プロセスで、または精製された化合物を遊離の塩基または酸の形態で、適切な有機のまたは無機の酸または塩基と別個に反応させること、およびこのように形成された塩を引き続く精製の間に単離することによって、インサイチュで調製され得る。従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などに由来する塩;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸などから調製される塩が挙げられる。例えば、その全体が参照によって本明細書に援用される、Bergeら、「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)を参照のこと)。
【0294】
本明細書に記載される態様の一部の実施形態では、代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチレート、メシレート、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオネート、およびラウリル硫酸塩などが挙げられる。
【0295】
「類縁体」という用語は、本明細書で用いる場合、親化合物からの、種々の有機基または水素原子が置換、交換、または欠失した化合物を指す。そのため、モノテルペノイドの一部は、モノテルペンの類縁体、またはある場合には、モノテルペンの誘導体を含む他のモノテルペノイドの類縁体と考えることができる。類縁体とは、親化合物に構造上類似しているが、それが置換する元素と同じ原子価および周期表の族の単一元素だけ異なっているのでもよい。
【0296】
「誘導体」という用語は、本明細書において用いる場合、別の、すなわち「オリジナル」物質と構造上関連する化学物質であって、「親」化合物と呼ぶことができる化学物質を指す。「誘導体」とは、1つ以上の工程で構造上関連する親化合物から作ることができる。語句「密接に関連する誘導体」とは、その分子量が親化合物の分子量を50%超えて上回らない誘導体を意味する。さらに、密接に関連する誘導体の全般的な物理的および化学的性質も、親化合物に類似している。
【0297】
好ましい実施形態を、本明細書に詳細に説明および記載してきたが、当該分野の当業者には、種々の改変、付加、置換などが、本発明の主旨から逸脱することなくなされ得、従って、これらは、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲内とみなされることが明らかである。さらに、これまでに示されてはいないが、当業者は、本明細書に記載および例示された種々の実施形態のいずれについても、さらに改変して、本明細書に開示の他の任意の実施形態に示された特徴を組み込むことができることを理解するものである。
【0298】
以下の実施例は本発明の一部の実施形態および態様を説明する。種々の改変、追加、置換等が、本発明の趣旨または範囲を変更することなく実施することができ、そのような改変および変形が以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内に包含されることは、当業者には明らかである。以下の実施例は、本発明を限定するものでは決してない。
【実施例】
【0299】
実施例1:ケトコナゾール−メチレン−脂肪酸エステルコンジュゲートの合成。
ケトコナゾール−メチレン−脂肪酸コンジュゲート(3a−3h)は、スキーム1に示されるように合成した。
スキーム1
【0300】
ケトコナゾール−メチレン−パルミテート コンジュゲート(3b):
工程−1:クロロメチルパルミテート(2b)の合成:パルミチン酸(0.3g、1.17mmol)を、5mlジクロロメタン(DCM)に溶解し、続いて炭酸水素ナトリウム(0.4g、4.68mmol)、5mlの水およびテトラブチルアンモニウムサルフェート(0.135ml,0.117mmol)を添加した。得られた溶液を、0℃で激しく撹拌した。10分後、クロロメチルクロロ硫酸塩(0.14ml、1.4mmol)を含有するDCMを反応混合物に添加して、得られた溶液を、室温になるまで激しく撹拌した。有機層を、DCMで抽出して、ブラインで洗浄して、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥して、純粋なクロロメチルパルミテート(0.3g、85%の収率)を得た。
【0301】
工程−2:ケトコナゾール−メチレン−パルミテートコンジュゲート(3b)の合成:ケトコナゾール(0.26g、0.49mmol)、クロロメチルパルミテート(0.3g、0.98mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.147g、0.98mmol)を、アセトニトリル中に懸濁して、得られた溶液を、アルゴン雰囲気下で4時間還流させた。その反応混合物を、濾過して、濃縮して、その残渣を、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、粗生成物を得た。その粗生成物をシリカ(60〜120メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製し、4〜5%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、固体の化合物(0.3gm、65%の収率)を得た。
【0302】
同様に、他のメチレン脂肪酸エステルコンジュゲートはまた、3bについて上記されたのと同様の手順を用いてケトコナゾールから合成された。合成されたケトコナゾール−メチレン−脂肪酸コンジュゲートのいくつかの質量分析データを表1に示す。
【0303】
(表1)
【0304】
実施例2:ケトコナゾール−1−エチレン−脂肪酸エステルコンジュゲートの合成。
ケトコナゾール−1−エチレン−脂肪酸エステルコンジュゲート(6a−6g)をスキーム2に示されるように合成した。
スキーム2
【0305】
ケトコナゾール−1−エチレン−パルミテートコンジュゲート(6b):
工程1:塩化パルミトイル(4b)の合成:パルミチン酸(0.2g、0.78mmol)を含む6〜7mlのDCMの撹拌溶液に、一滴のジメチルホルムアミド(DMF)、続いて塩化オキサリル(0.087ml、1.014mmol)を添加した。その反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、得られた生成物(85〜90%単離収率)をさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0306】
工程2:1−クロロエチルパルミテート(5b)の合成:塩化パルミトイル(2.0ml、6.6mmol)を、最小量のアセトニトリルおよびパラアルデヒド(0.3ml、2.2mmol)に溶解し、塩化亜鉛(無水)(0.027g、0.199mmol)とともに4Åの分子ふるいを、得られた反応混合物に加えた。その反応混合物を、60〜65℃で2時間加熱して、室温まで冷却させた。得られた混合物を、ジクロロメタンで希釈して、セライトを通じて濾過した。その濾液を濃縮して、その残渣を、フラッシュシリカカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュ)によって精製した。得られた半固体の白色生成物(0.84gm、40%の収率)を、1〜2%のEtOAC/ヘキサンで溶出しながら得た。
【0307】
工程3:ケトコナゾール−1−エチレン−パルミテートコンジュゲート(6b)の合成:ケトコナゾール(0.1g、0.19mmol)、1−クロロエチルパルミテート(0.121g、0.38mmol)、ヨウ化ナトリウム(NaI、0.057g、0.38mmol)を、10mlのアセトニトリル中に懸濁して、得られた溶液を、アルゴン雰囲気下で4時間還流した。その反応混合物を冷却して、濾過し、濃縮して粗残渣を得た。その残渣を、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、フラッシュシリカ(60〜120メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製し、4〜6%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、固体の化合物(0.1g、60%の収率)を得た。
【0308】
同様に、他のエチレン脂肪酸エステルコンジュゲートをまた、6bについて上記したのと同様の手順を用いてケトコナゾールから合成した。合成されたケトコナゾール−エチレン−脂肪酸コンジュゲートのいくつかについての質量分析データを表2に示す。
【0309】
(表2)
【0310】
実施例3:ケトコナゾール−N−ヘキサデシル−アセトアミドコンジュゲート(8)の合成。
ケトコナゾール−N−ヘキサデシル−アセトアミドコンジュゲート(8)は、スキーム3に示すとおりであった。これは、メチレンおよびエチレン脂肪酸エステルプロドラッグコンジュゲートとの比較のための陰性対照化合物とみなされた。この化合物8の生物学的有効性を、他のプロドラッグエステルおよびカーボネートコンジュゲートと比較した。
スキーム3
【0311】
工程−1:2−クロロ−N−ヘキサデシル−アセトアミド(7)の合成:10mlのDCM中のヘキサデシルアミン(0.4g、1.65mmol)の撹拌溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP,0.243g、1.98mmol)を添加した。その溶液を−15℃まで冷却し、クロロ酢酸無水物(0.24g、1.98mmol)のDCM溶液を、−15℃で温度を維持することによって反応混合物に滴下した。その得られた溶液を5〜6時間の撹拌後に室温に到達させた。その反応混合物を、エチルアセテートで希釈して、水、1NのHClおよび最終的にはブラインを用いて洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、エバポレートして褐色の粗固体を得た。得られた固体はほとんど純粋であって、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
【0312】
工程−2:ケトコナゾール−N−ヘキサデシル−アセトアミドコンジュゲート(8)の合成:ケトコナゾール(0.15g、0.28mmol)、2−クロロ−N−ヘキサデシル−アセトアミド(0.3g、0.946mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.142g、0.946mmol)を10mlアセトニトリル中に懸濁して、得られた溶液をアルゴン雰囲気下で4時間還流した。その反応混合物を濾過して、濃縮し、その残渣をジエチルエーテルを用いて粉砕し粗生成物を得た。その粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、4〜6%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、固体の化合物(0.17g、65%の収率)を得た。
【0313】
実施例4:ケトコナゾール−1−エチレン−脂肪酸カーボネートコンジュゲートの合成。
ケトコナゾール−1−エチレン−脂肪酸カーボネートコンジュゲート(11a−e)を、スキーム4に示すとおりに合成した。
スキーム4
【0314】
ケトコナゾール−1−エチレン−ラウリルカーボネートコンジュゲート(11b)の合成:
工程−1:1−クロロエチル−ラウリルカーボネート(10b)の合成:ラウリルアルコール(1g、5.36mmol)を、6mlのDCMに溶解し、トリエチルアミン(1.2ml、8.58mmol)をそこに添加した。得られた溶液を−15℃で冷却させて、DCM中のクロロエチルクロロホルメート(0.75ml、6.97mmol)を反応混合物中に緩徐に添加した。得られた溶液を、室温に達するまで撹拌した。8時間の終わりに、反応混合物をDCMで希釈して、水およびブライン溶液で洗浄し、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥した。その粗液をケトコナゾールでの四級化のために次の工程に直接用いた。
【0315】
工程−2:ケトコナゾール−1−エチレン−ラウリルカーボネート(11b)の合成:ケトコナゾール(0.7g、1.32mmol),1−クロロエチル−ラウリルカーボネート(1.1g、3.95mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.6g、3.95mmol)を、15mlのアセトニトリル中に懸濁して、得られた溶液をアルゴン雰囲気下で4時間還流した。その反応混合物を濾過し、濃縮して、その残渣をジエチルエーテルを用いて粉砕し粗生成物を得た。その粗生成物を、シリカカラム(60〜120メッシュ)クロマトグラフィーによって精製し、4〜5%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、固体の化合物(0.72g、60%の収率)を得た。
【0316】
同様に、他の脂肪酸カーボネートコンジュゲートをまた、11bについて上記されたのと同様の手順を用いてケトコナゾールから合成した。合成されたケトコナゾール−カーボネート−脂肪酸コンジュゲートのいくつかについての質量分析データを表3に示す。
【0317】
(表3)
【0318】
実施例5:ケトコナゾール−1−エチレン−DEG/TEG/PEG−脂肪酸カーボネートコンジュゲート18a−d、19a−d、および20a−dの合成。
ケトコナゾール−1−エチレン−DEG/TEG/PEG−脂肪酸カーボネートコンジュゲート18a−d、19a−d、および20a−dは、スキーム5に示すとおり合成した。
スキーム5
【0319】
ケトコナゾール−ラウリルトリエチレングリセリル−カーボネートコンジュゲート(19b)の合成:
工程−1:塩化ラウリル(4b)の合成:10mlのジクロロメタンの中のラウリン酸(1g、5.0mmol)の撹拌溶液に、1滴のジメチルホルムアミド、続いて塩化オキサリル(0.556ml、6.48mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、得られた生成物0.98g(85〜90%の収率)をさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0320】
工程−2:トリエチレングリセリル−ラウレート(13b)の合成:トリエチレングリコール(TEG、1.65ml、12.36mmol)を10mlのDCM中に溶解し、また、トリエチルアミン(0.7ml、4.94mmol)をその中に添加した。ラウリン酸クロライド(0.9g、4.12mmol)を、最小量のDCM中に溶解して、反応混合物中にゆっくり添加した。得られた溶液を室温で、アルゴン雰囲気下で一晩撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈して、連続して水(2×10ml)、0.5N HCl(10ml×2)で洗浄し、最終的には硫酸ナトリウムで乾燥して、純粋な固体の粗生成物を得て(0.9g、70%の収率)、これを直接クロロエチル化反応に用いた。
【0321】
工程−3:1−クロロエチル−ラウリルトリエチレングリセリル−カーボネートの合成(16b):6mlのDCMの中の1−クロロエチルクロロホルメート(0.2ml、1.95mmol)の撹拌溶液に、10mlのDCMの中のトリエチレングリセリル−ラウレート(0.5g、1.5mmol)およびトリエチルアミン(0.3ml、2.1mmol)の混合物を、温度を−15℃に維持することによって滴下した。この反応物を、室温に達するまで撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈して、連続して、水、0.5NのHCl、ブライン溶液で洗浄し、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥した。その粗油状生成物(0.46g、70%)を、ケトコナゾールでの四級化のために次の工程に直接用いた。
【0322】
工程−4:ケトコナゾール−ラウリルトリエチレングリセリル−カーボネートコンジュゲート(19b)の合成:ケトコナゾール(0.454g、0.85mmol)、1−クロロエチル−ラウリルトリエチレングリセリル−カーボネート(1.12g、2.55mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.39g、2.6mmol)を、15mlのアセトニトリル中に懸濁し、得られた溶液をアルゴン雰囲気下で3〜4時間還流した。その反応混合物を、濾過し、濃縮して、その残渣をジエチルエーテルを用いて粉砕し、粗生成物を得た。その粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーによって精製して、4〜5%のMeOH/DCMで溶出して、黄色くなった純粋な固体の化合物(0.5g、55%の収率)を得た。
【0323】
実施例6:ジ−(ケトコナゾール−1−エチレン)]−DEG/TEG/PEG−ジカーボネートコンジュゲート23a−cの合成。
ジ−(ケトコナゾール−1−エチレン)]−DEG/TEG/PEG−ジカーボネートコンジュゲート(23a−c)を、スキーム6に示されるとおり合成した。
スキーム6
【0324】
[ジ−(ケトコナゾール−1−エチレン)]−トリエチレングリセリル−ジカーボネートコンジュゲート(23b)の合成:
工程−1:(ジ−1−クロロエチル)−トリエチレングリセリル−ジカーボネート(22b)の合成:10mlのDCM中の1−クロロエチルクロロホルメート(5.6ml、52mmol)の撹拌溶液に、トリエチレングリコール(3.0g、20mmol)およびトリエチルアミン(6.9ml、50.0mmol)の混合物を、−15℃に温度を維持することによって滴下した。その反応混合物を、室温にさせて、6〜8時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈した後、水、ブラインで洗浄し、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥した。その有機層をエバポレートして、粗生成物の塊を得た。その粗生成物(4.1gm、65%)を、さらに精製することなく直接次の工程に用いた。
【0325】
工程−2:[ジ−(ケトコナゾール−1−エチレン)]−トリエチレングリセリル−ジカーボネートコンジュゲート(23b)の合成:10mlのアセトニトリルの中のジ−[1−クロロエチル−トリエチレングリセリルカーボネート](0.3g、0.94mmol)の撹拌溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.35g、2.35mmol)およびケトコナゾール(1.0g、1.88mmol)を添加した。その反応混合物を、85℃で4〜5時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、濾過し、濃縮して粗生成物の塊を得た。この粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、5〜6%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、純粋な固体の化合物を、50%(0.75gm)の単離収率で得た。
【0326】
実施例7:ジ−(ケトコナゾール−メチレン−酸 エステル)コンジュゲートの合成。
ジ−(ケトコナゾール−メチレン−酸エステル)コンジュゲート(26)をスキーム7に示すとおり合成した。
スキーム7
【0327】
工程−1:(ジ−1−クロロメチル)−ノナン−ジエステル(25)の合成:アゼライン酸(3.0g、15.94mmol)を、50mlのDCMに溶解し、続いて炭酸水素ナトリウム(10.71g、127.52mmol)、50mlの水およびテトラブチルアンモニウムサルフェート(3.7ml、3.19mmol)を添加した。得られた溶液を、0℃で激しく撹拌した。10分後、DCM中に含有されるクロロメチルクロロ硫酸塩(3.9ml、38.25mmol)を、反応混合物中に添加して、得られた溶液を室温に達するまで激しく撹拌した。その有機層をDCMで抽出し、ブラインで洗浄して、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥し、純粋なジ−(1−クロロメチル)−ノナン−二価酸エステル(3.8g、85%の収率)を得た。
【0328】
工程−2:[ジ−(ケトコナゾール−メチレン)]−ノナン−ジエステルコンジュゲート)(26)の合成:ケトコナゾール(7.48g、14.08mmol)、(ジ−1−クロロメチル)−ノナン−ジエステル(2.0g、7.04mmol)、ヨウ化ナトリウム(2.1g、14.08mmol)を、アセトニトリル中に懸濁して、得られた溶液を、アルゴン雰囲気下で4時間還流した。その反応混合物を濾過し、濃縮し、その残渣をジエチルエーテルを用いて粉砕して、粗生成物を得た。その粗生成物をシリカ(60〜120メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製し、4〜5%のMeOH/DCMで溶出して、黄色の、固体の化合物(5gm、50%の収率)を得た。
【0329】
実施例8:イトラコナゾール−メチレン−脂肪酸エステルコンジュゲートの合成。
イトラナゾール−メチレン−脂肪酸エステルコンジュゲート(27a−g)は、スキーム8に示されるように合成した。
スキーム8
【0330】
イトラコナゾール−メチレン−カプリレートコンジュゲートs(27g)の合成:
工程−1:クロロメチルカプリレート(2g)の合成:カプリル酸(5.0g、34.7mmol)を、40mlのDCM中に溶解し、続いて炭酸水素ナトリウム(11.66g、138.8mmol)、40mlの水およびテトラブチルアンモニウムサルフェート(3.7ml、3.47mmol)を添加した。得られた溶液を、0℃で激しく攪拌した。10分後、DCMの中のクロロメチルクロロ硫酸塩(4.2ml、41.6mmol)を、反応混合物に添加し、得られた溶液を、室温になるまで激しく攪拌した。その有機層を、DCMで抽出し、ブラインで洗浄して、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥して、純粋なクロロメチルカプリレート(5.3g、80%の収率)を得た。
【0331】
工程−2:イトラコナゾール−メチレン−カプリレートコンジュゲート(27g)の合成:イトラナゾール(3.67g、5.2mmol)、クロロメチルカプリレート(2.0g、10.41mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.56g、10.41mmol)を、アセトニトリル中に懸濁し、得られた溶液をアルゴン雰囲気下で4時間還流した。その反応混合物を、濾過して、濃縮して、その残渣をジエチルエーテルを用いて粉砕し、粗生成物を得た。その粗生成物をシリカ(60〜120メッシュ)カラムクロマトグラフィーで精製し、4〜5%のMeOH/DCMで溶出して、黄色くなった固体の化合物(2.7gm、60%の収率)を得た。ESI−MS,m/z実測値861.7(M)、理論値861.36(M)。
【0332】
実施例9:ケトコナゾールプロドラッグコンジュゲートのナノ粒子化。
ケトコナゾール−脂肪酸コンジュゲートのいくつかのナノ粒子化は、2つの異なる方法によって試験した:ナノ沈殿およびナノエマルジョン。
【0333】
ナノ沈殿:この方法では、プロドラッグコンジュゲートおよび種々の外側の両親媒性担体、例えば、脂質またはポリマーを、最初にテトラヒドロフランおよびアセトン(1:3)の混合物溶液に溶解し、激しい攪拌条件下で界面活性剤(0.1〜0.25%)含有の水中に滴下した。次いで、最終溶液を室温で18〜20時間攪拌して、有機溶媒をエバポレートした。次いで、該当の溶液を希釈し、遠心分離して、ゼータサイザー(zeta−sizer)によって分析して、粒径および溶液の均質性を得た。表4は、ケトコナゾール−メチレン−カプリレートコンジュゲート(KMC)から調製したナノ粒子のいくつかの組成物、サイズおよび多分散性(PDI)を示す。
【0334】
(表4)
【0335】
ナノエマルジョン:このプロセスでは、プロドラッグを、ラウリルアルコールまたはエタノールおよびcaptex 355の混合物(カプリル酸のジ/トリグリセリド)のいずれかに溶解した。この脂質系の溶液を、特定のパーセンテージの界面活性剤、例えば、水素化PEG 35キャスターオイル(Cremophor EL)に添加した。次いで、その脂質および界面活性剤の混合物を、それが明らかに粗いエマルジョンからなる濁った液体を形成するまで水に対して倍散した。該当の溶液を、ゼータサイザーによって分析して、粒径および溶液の均質性を得た。表5は、ケトコナゾール−メチレン−カプリレートコンジュゲート(KMC)から調製したナノ粒子のいくつかの組成物、およびサイズを示す。
【0336】
(表5)
【0337】
実施例10:抗菌性クリンダマイシンコンジュゲートの合成。
クリンダマイシン脂肪酸コンジュゲート、32a−fは、スキーム9に示されるとおり合成した。
スキーム9
【0338】
クリンダマイシンウンデシレネート(32a)の合成
工程−1:クリンダマイシンアセトニド(30)の合成:アセトン(20ml)の中のクリンダマイシン塩酸塩(1g、2.167mmol)の溶液に、ヨウ素のペレット(0.220g、0.866mmol)を、アルゴン下でRTで添加した。その反応混合物をRT(室温)で5〜6時間撹拌した。次いで、ヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチして、過剰のアセトンを、ロータリーエバポレーターを用いてエバポレートした。残りの水相をDCM(3×15ml)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラム(溶出液−MeOH:DCM;0.2:9.8)を通過させて、クリンダマイシンアセトニドを白色のフワッとした粉末として得た。R
f 0.6(MeOH:DCM;1:9)。
【0339】
工程−2:クリンダマイシンアセトニドウンデシレネート(31a)の合成:乾燥DCMの中のウンデシレン酸(0.238g、1.292mmol)の攪拌溶液に、DICを0℃で滴下した。その反応混合物を、RT(室温)で15分間攪拌させた。次いで、DCM中のクリンダマイシンアセトニド(0.5g、1.077mmol)&DMAP(0.039g、0.323mmol)の溶液を、0℃で滴下して、撹拌をさらに4時間続けた。その反応混合物をDCMで希釈して、塩化アンモニウムおよび1NのHClの飽和水溶液でクエンチした。その合わせた有機物を無水の硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出−MeOH:DCM;0.1:9.9)、クリンダマイシンアセトニドウンデシレネートを、粘着性の黄色い化合物として得た。R
f 0.9(MeOH:DCM;1:9)。
【0340】
工程−3:クリンダマイシンウンデシレネート(32a)の合成:MeOHの中のクリンダマイシンアセトニドウンデシレネート(0.713g、1.1308mmol)の撹拌溶液に、HBF
4(1.34ml)水溶液を0℃で滴下した。その反応混合物をRTで1時間撹拌した。メタノールをエバポレートした、NaHCO
3の水性懸濁液をその残渣に添加し、次いでDCMで抽出した(3×15ml)。合わせた有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.125:9.875)クリンダマイシンウンデシレネートを、シロップ状の淡黄色の化合物として得た。
【0341】
クリンダマイシンパルミテート(32b)の合成:クリンダマイシンパルミテートは、クリンダマイシンウンデシレネートについて記載したのと同様の方法でクリンダマイシンから合成した。
【0342】
同様に、他の脂肪酸コンジュゲートもまた、32bについて上記で示されるのと同様の手順を用いてクリンダマイシンから合成した。合成されたクリンダマイシンコンジュゲート脂肪酸コンジュゲートのいくつかに関する質量分析データを表6に示す。
【0343】
(表6)
【0344】
実施例11:クリンダマイシンサリチル酸コンジュゲートの合成。
クリンダマイシンサリチル酸コンジュゲートは、スキーム10に示されるように合成した。
スキーム10
【0345】
工程−1:クリンダマイシンアセトニド(30)の合成:アセトン(20ml)の中のクリンダマイシン塩酸塩(1g、2.167mmol)の懸濁物に、ヨウ化物ペレット(0.220g、0.866mmol)をアルゴン下で、RTで添加した。その反応混合物をRTで5〜6時間撹拌した。次いで、ヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチして、過剰のアセトンを、ロータリーエバポレーターを用いてエバポレートした。残りの水相を、DCMで抽出した(3×15ml)。合わせた有機物を、ブラインで洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.2:9.8)、クリンダマイシンアセトニドを、白色のフワッとした粉末として得た。R
f0.6(MeOH:DCM;1:9)。
【0346】
工程−2:クリンダマイシンアセトニドアセチルサリチル酸塩(35)の合成:DCMの中の塩化オキサリル(0.21g、1.666mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に、DMF(0.5ml)を0℃で滴下した。バブリングの停止後、この混合物を、DCM中にアセチルサリチル酸塩(アスピリン)(0.15g、0.833mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に添加して、2時間撹拌した。その反応混合物を、乾燥DCM中にクリンダマイシンアセトニド(0.351g、0.7575mmol)、TEA(0.114g,1.1363mmol)を含む反応混合物に0℃で滴下して、3時間撹拌した。その反応混合物を、1NのHClで洗浄し、DCMで抽出した。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、黄色っぽい粉末を得た。R
f0.4(EtOAc:Hex;1:1)。
【0347】
工程−3:クリンダマイシンアセチルサリチル酸塩(36)の合成:MeOH中にクリンダマイシンアセトニドアセチルサリチル酸塩(0.5g、0.7972mmol)を含む撹拌中の反応混合物に、水性のHBF
4(1.5ml)を0℃で滴下して、5時間撹拌した。2〜3滴の濃HClを添加して、72時間撹拌した。メタノールをエバポレートし、NaHCO
3の水性懸濁物を添加して、DCM(3×15ml)で抽出した。合わせた有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.15:9.85)、黄色っぽい粉末を得た。
【0348】
同様に、他のメチレン脂肪酸エステルコンジュゲートをまた、クリンダマイシンアセチルサリチル酸塩36について上記されたのと同様の手順を用いてケトコナゾールから合成した。
【0349】
実施例12:アゼライン酸のクリンダマイシン二量体の合成。
アゼライン酸のクリンダマイシン二量体(38)は、スキーム11に示すように行った。
スキーム11
【0350】
工程−1:クリンダマイシンアセトニド(30)の合成:アセトン(20ml)の中のクリンダマイシン塩酸塩(1g,2.167mmol)の懸濁物に、ヨウ素ペレット(0.220g、0.866mmol)を、アルゴン下で、RTで添加した。その反応混合物をRTで5〜6時間撹拌した。次いで、ヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液でクエンチして、過剰のアセトンを、ロータリーエバポレーターを用いてエバポレートした。残りの水相をDCMで抽出した(3×15ml)。合わせた有機物をブラインで洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.2:9.8)クリンダマイシンアセトニドを、白色のフワッとした粉末として得た。R
f0.6(MeOH:DCM;1:9)。
【0351】
工程−2:クリンダマイシンアセトニドとアゼライン酸との二量体の合成(37):乾燥DCM中のアゼライン酸(0.202g,1.077mmol)の撹拌の溶液に、DIC(0.380g,3.015mmol)を0℃で滴下した。その反応混合物を、RTで15分間撹拌した。次いで、DCMの中のクリンダマイシンアセトニド(1.0g,2.154mmol)&DMAP(0.078g、0.646mmol)の溶液を、0℃で滴下して、撹拌を4時間継続した。その反応混合物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液および1NのHClでクエンチして、DCMで抽出した。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.1:9.9)、所望のクリンダマイシン誘導体を固体の無色の化合物として得た。R
f0.8(MeOH:DCM;1:9)。
【0352】
工程−3:クリンダマイシンとアゼライン酸との二量体(38)の合成:メタノール中にアゼライン酸とのクリンダマイシンアセトニド二量体(0.690g、0.689mmol)を含む撹拌中の反応混合物に、水性のHBF
4(1.16ml)を0℃で滴下して、それを2時間撹拌した。メタノールをエバポレートした。NaHCO
3の水性懸濁液を、残渣に添加し、次いでDCMで抽出した(3×15ml)。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0.1:9.9)、所望のクリンダマイシン二量体誘導体を固体の無色の化合物として得た。
【0353】
実施例13:クリンダマイシントリクロサンコンジュゲートの合成。
クリンダマイシントリクロサンコンジュゲート(41)は、スキーム12に示されるように合成した。
スキーム12
【0354】
工程−1:クリンダマイシンアセトニドコハク酸塩の合成(39):THF中に無水コハク酸(0.214g,2.154mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に、THF中のDMAP(N,N'−ジメチルアミノピリジン)の溶液(0.052g、0.4308mmol)を0℃で滴下して、1時間撹拌した。上記の撹拌中の反応混合物に、THF中のクリンダマイシンアセトニド(0.5g,1.077mmol)およびTEAの溶液を0℃で滴下して、18時間撹拌した。次いで、これを35℃で20時間加熱した。撹拌中の反応混合物を真空中で濃縮した。その残渣を、1NのHClで洗浄し、DCM(3×15ml)で抽出した。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、真空中で濃縮した。R
f0.4(MeOH:DCM;1:9)。
【0355】
工程−2:クリンダマイシンアセトニドスクシネートトリクロサン(40)の合成:乾燥DCM中にクリンダマイシンアセトニドコハク酸塩(0.323g、0.5715mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に、DIC(0.1g、0.8001mmol)を0℃で滴下して、10分間撹拌した。上記の撹拌中の反応混合物に、乾燥DCM中のトリクロサン(0.165g、0.5715mmol)およびDMAP(N,N'−ジメチルアミノピリジン)(0.020g、0.1714mmol)の溶液を0℃で滴下し、3時間撹拌した。その反応混合物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液および1NのHClでクエンチして、DCMで抽出した(3×15ml)。この合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して粘着質の黄色い化合物を得た。R
f0.9(MeOH:DCM;1:9)。
【0356】
工程−3:クリンダマイシンスクシネートトリクロサン(41)の合成::MeOH中にクリンダマイシンアセトニドスクシネートトリクロサン(0.210g、0.2510mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に、水性のHBF
4(0.4ml)を0℃で滴下して、18時間撹拌した。メタノールをエバポレートした、NaHCO
3の水性懸濁物を添加して、DCM(3×ml)で抽出した。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;1:9)、黄色っぽい粉末を得た。
【0357】
実施例14:トリクロサン脂肪酸コンジュゲートの合成。
トリクロサン脂肪酸コンジュゲート(43)は、スキーム13に示されるとおり合成した。
スキーム13
【0358】
工程−1:トリクロサンラウレート(43)の合成:DCM中に塩化オキサリル(2.534g,19.96mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に、DMF(0.6ml)を、0℃で滴下した。バブリングの停止後、この混合物を、DCM中にラウリル酸(2.0g,9.98mmol)を含有する撹拌中の反応混合物に添加して、2時間撹拌した。その反応混合物を、乾燥DCM中にトリクロサン(2.64g,9.14mmol)、TEA(2.09g,20.72mmol)を含有する反応混合物に0℃で滴下して、3時間撹拌した。その反応混合物を、1NのHClで洗浄して、DCMで抽出した。合わせた有機物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカカラムを通過させ(溶出液−MeOH:DCM;0:10)、油状の液体を得た。
【0359】
実施例16:クリンダマイシンコンジュゲートのナノ粒子の調製。
クリンダマイシンプロドラッグクリンダマイシンコンジュゲートのうちいくつかを、ナノ粒子形成に供した。ナノ粒子は、ナノ沈殿(nanoprecipitation)による高分子ナノ粒子、およびフィルム水和法による自己集合ナノ粒子の2つの技術によって形成した。
【0360】
ナノ沈殿による高分子ナノ粒子:クリンダマイシンウンデシレネート(25mg)を、THF(1.0ml)中に溶解した。次いで、この溶液を、RTで、1200rpmで撹拌しながら1%のPVA水溶液に滴下した。この撹拌を24時間継続してTHFを除いた。次いで、この分散物を1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子を除いた。
図23に示されるとおり、得られた分散物は、約218nmという平均粒子サイズを有し、先鋭な分布であった(PDI=0.149)。
【0361】
フィルム水和法による自己集合ナノ粒子:卵レシチン(3mg)およびラウリン酸クリンダマイシン(10mg)を4.0mlのジクロロメタンに溶解した。溶媒を減圧下で除き、残渣を、1.0mlの水で水和した。得られた混合物を、60℃、大気圧で、ロータリーエバポレーター上で1時間回転させて、粗自己アセンブル粒子(またはリポソーム)を得た。粗粒子を、Sephadex G−25カラムを通過させて、遊離のラウリン酸クリンダマイシンを除去した。最初の濁った画分を収集し、一緒にプールして、最終的にサイズ押し出し機(extruder)を(30回交互に行き来させて)通過させて、200nmの膜で固定した。処理したリポソームの懸濁物を、Malvern ZetaSizerによって特徴づけて、サイズ分布を得た。得られた分布は狭く、リポソームの平均サイズは
図24に示されるように約158nmであった。
【0362】
実施例17:合成した抗真菌コンジュゲートのインビトロでの生物学的有効性試験。
本発明の抗真菌コンジュゲートの有効性は、主に以下の3つの方法によって検討した。
(i)a)寒天プレート連続希釈による、ならびにb)マクロおよびマイクロ希釈法の両方による、最小阻害濃度(MIC)の決定。
(ii)a)寒天ウェル拡散法、およびb)Kirby Bauerディスク拡散法による、阻害ゾーン(Zone of Inhibition)(ZOI)の決定
(iii)Alamar blueおよび生存カウント法(viable count method)による時間依存的殺傷動態(Time Kill Kinetics)アッセイ。
【0363】
最小阻害濃度(MIC):MICは、最小殺真菌濃度(MFC)と等価である、真菌の増殖を100%阻害する最小阻害濃度とみなされる。
【0364】
M.フルフルは、Leeming Notman(LN)培地[Journal of Clinical Microbiology(1987)、25:2017〜9およびその中の引用文献]で作製されている寒天プレート上で増殖される。寒天希釈方法によるMICについては、可溶化された抗真菌組成物の適切な希釈物を、モルテンLN培地を含むオートクレーブされたシリンダーに添加した。その溶液を、ボルテックスして、内容物を適宜表示した別々の無菌のペトリ皿中に注いだ。プレートをセットした後に、特定のCFU/mlを含むように調節されたM.フルフル接種物を、寒天プレート上にストリークして、CO
2大気中で2日間インキュベートした。インキュベーション後、そのプレートを、M.フルフルの増殖をみるために視覚的に観察した。MICは、増殖を生じない、抗真菌活性物の試験した最低希釈と規定する。対照化合物であるケトコナゾールについてのMIC値に対する、抗菌活性物のMIC値の比較を行った。抗真菌活性物の力価は、相当するMIC値によって示した。
【0365】
機器および試薬:微生物:マラセチア フルフル(MTCC 1374)、寒天培地:60ml Leeming Notman 培地(試験すべき各々の活性物についてそれらのそれぞれの濃度で)、溶媒:DMSO(ジメチルスルホキシド)、水、その他活性物に適切なもの、ペトリ皿:試験濃度1つあたり抗真菌活性物1つあたり3つの皿、サイズ=15mm×100mm。
【0366】
実験手順:ブロスおよび寒天の希釈は、抗菌感受性の試験のために慣用的に用いられる方法である。従って、MICを試験するために、寒天プレート希釈方法は、LN培地で使用した。各々の実験設定は、三連で行い、以下のように実施した。
(i)LN培地は、製造業者の指示に従って調製した。
(ii)この培地を、オートクレーブして(121℃、15分)、50℃まで冷却した。抗生物質クロラムフェニコール(作用濃度0.25mg/ml)およびシクロヘキシミド(作用濃度0.04mg/ml)および2%オリーブ油を、適宜添加した。
(iii)培地を冷却した後に、抗真菌の組成物および対照溶液の必要な量を計算した。抗真菌の組成物および対照ストックを、DMSO中で特定の濃度で調製した。濃度の範囲は、抗真菌のMICに応じて試験した。
(iv)適切な容積(最高希釈のため)は、それぞれストックからとって、LN培地でさらに希釈して、最終容積中で必要な範囲を達成した。
(v)一例として、第一希釈物は、最大120mlで作成し、滅菌条件下で200mlのオートクレーブしたシリンダー中で混合し、20秒間ボルテックスして、各々20mlを、適切に表示した3つの滅菌ペトリプレートに注いだ。同様に、対照はまた、上記の手順で調製した。この方法で、全ての希釈を行い、抗真菌の組成物および対照を含む寒天プレートを調製した。
(vi)このプレートは、バイオセーフティーフード中で凝固させて、固化後、それらを、汚染のチェックのために重ねて保管し、チェックは翌日行った。
(vii)接種物の調製は、翌日行い、接種物の密度は、5.1×10
3に調節し、薬物を含む寒天プレートに無菌的にストリークした。
(viii)プレートは、CO
2インキュベーター中で(30±2)℃および5%CO
2でインキュベートして、読み取りは、6日間にわたって24時間ごとに行った。
【0367】
図25は、TEGベースのコンジュゲートのMIC寒天プレートアッセイのそれぞれの写真を示す。
図26は、メチレンおよびエチレンベースのコンジュゲートについてのMIC寒天プレートアッセイのそれぞれの写真を示す。
図27は、コンジュゲートKMPおよびKAHについてのMIC寒天プレートアッセイのそれぞれの写真を示す。
【0368】
いくつかの例示的なケトコナゾールプロドラッグコンジュゲートについてのMIC値を、表7にまとめる。
【0369】
(表7)ケトコナゾールのいくつかの例示的なコンジュゲートのMIC値
【0370】
阻害ゾーン(ZOI)アッセイによるケトコナゾールコンジュゲートの比較試験:マラセチア フルフルは、ヒト皮膚の正常な微生物叢であって、これは細胞外リパーゼを分泌し、これがそれらの周囲の環境中の脂肪酸のエステル結合/カーボネート結合に作用して、それらの生存のための栄養を提供する。陰性対照化合物、ケト−N−ヘキサデシルアセトアミド(KAH)は、実施例3に記載のように合成した。KAHは、脂肪酸とケトコナゾールとの間のリンカーがアミド結合である場合、陰性対照として作用する。リパーゼは、アミド結合には作用できず、化合物を切断してケトコナゾールに戻すことはできない。比較の生物学的有効性の試験を、ケトコナゾールコンジュゲート(KMP)を用い、陰性対照(KAH)および陽性対照のケトコナゾールを用いて行った。
【0371】
寒天ウェル拡散方法によるZOIの決定を行って、微生物の増殖の完全な阻害を試験した。
【0372】
機器および試薬:微生物:マラセチア フルフル(MTCC 1374)、寒天培地:60ml Leeming Notman 培地(試験すべき各々の活性物についてそれらのそれぞれの濃度で)、溶媒:DMSO、水、その他活性物に適切なもの、ペトリ皿:試験濃度1つあたり抗真菌活性物1つあたり3つの皿(滅菌)、サイズ=15mm×100mm、寒天プレートへのパンチングホールのための滅菌のストロー(6mm径)。
【0373】
実験手順:微生物の増殖の阻害を示すために、寒天ウェル拡散方法によるZOIの決定を行った。実験は、以下のように実施した。
(i)サブロー(Sabaroud)のデキストロース寒天(SDA)培地を、製造業者の指示に従って調製した。
(ii)SDA培地をオートクレーブして(121℃,15分)、50℃まで冷却した。クロラムフェニコール(作用濃度0.25mg/ml)、シクロヘキシミド(作用濃度0.04mg/ml)および2%オリーブ油を、適宜添加した。
(iii)接種物の調製は、血球計で行い、接種密度は、5.1×10
3に調節し、薬物を含む寒天プレートに無菌的にストリークした。
(iv)培地を冷却した後、無菌のストローを用いて、寒天プレート上で6mm幅のウェルを穿孔した。
(v)抗真菌組成物および対照溶液の量は、必要に応じて計算した。抗真菌の組成物および対照ストックを、特定濃度のDMSO中で調製した。
(vi)60μlという適切な容積を、ストックから採取し、プロドラッグのそれぞれの濃度は陰性対照化合物に沿った。
(vii)プレートは、CO
2インキュベーター中で(30±2)℃および5%CO
2でインキュベートして、読み取りは、6日間にわたって24時間ごとに行った。ZOIとは、M.フルフルの完全阻害がウェルの周囲で確認される、薬物の最低濃度として規定される。
【0374】
図28は、寒天ウェル拡散方法によって決定されるそれぞれのZOIの写真を示す。
図29にまとめられるデータが示すとおり、ケトコナゾール−脂肪酸コンジュゲートおよびケトコナゾールの阻害ゾーンサイズは同様であった。しかし、陰性対照であるKAHについての阻害ゾーンのサイズは、存在しなかった。
【0375】
時間依存的殺傷動態アッセイ:微生物の増殖の阻害を示す実験を行った。制御された条件下での1つ以上の抗真菌剤による酵母単離株の殺傷の決定は、時間依存的殺傷アッセイとして公知である。時間依存的殺傷動態の結果は、抗真菌/細菌有効性のための指標である。一般には、真菌増殖の阻害は、試験されたプロドラッグ化合物の抗真菌有効性と正比例する。
【0376】
2%オリーブ油を含む培地サブローデキストロースブロス(SDB)を含有するフラスコに、マラセチア フルフルを接種した。次に、対照化合物であるケトコナゾールとともに特定の濃度の活性なプロドラッグ化合物を、ブロス培地に添加した。サンプルを、所定の時点でフラスコから抜き取って、無菌水で希釈して、SDA寒天プレート上にストリークした。M.フルフルのコロニーの視覚的増殖を、特定の温度でのプレートの接種後に観察した。観察されたコロニーの数をカウントして、1mlあたりのコロニー形成単位の数値に変換した(すなわち、SDB培地1mlあたりのCFU)。従って、CFU/mlの値が低くなるほど、試験される化合物の抗真菌性効果は良くなる。
【0377】
機器および試薬:微生物:マラセチア フルフル(MTCC 1374);寒天培地:60mlのLeeming Notman 培地(試験すべき各々の活性物についてそれらのそれぞれの濃度で);溶媒:DMSO、水、およびその他活性物に適切なもの;ペトリ皿:試験活性物1つあたり濃度1つあたり抗真菌活性物1つあたり3つの皿(滅菌)、サイズ=15mm×100mm;および試験管:15mlのファルコン無菌試験管。
【0378】
実験手順:実験は以下のように実施した。
(i)M.フルフルは、これをSDA寒天プレート上で一晩培養することによって対数期になった。細胞濃度は、実験の出発接種物の密度について血球計によって決定し、1mlの調整された接種物を、シクロヘキシミドおよびクロラムフェニコール抗生物質を有する2%オリーブ油を含む9mlのSDBに添加した。
(ii)ブロスの添加後、接種物の密度は、希釈倍数1:10まで低下した。例えば、出発接種物が5×10
5CFU/mlであれば、これを5×10
4CFU/mlまで希釈した。
(iii)各々が1.5mlのブロス−希釈接種物を15mlのファルコン試験管に添加した。これらの反応試験管は、0.25×MIC、0.5×MIC、1×MIC、2×MIC、および4×MICおよび8×MICのプロドラッグ化合物濃度に調製され、その試験管を穏やかにボルテックスした。
(iv)事前に決定したポイントを適宜選択した。各時間の間隔で、各々100μlを、ピペッティングして、30秒間ボルテックスした。この反応試験管を、可及的速やかに、30℃、5%CO
2のインキュベーターに戻した。
(v)100μlの溶液から、各々30μlを、SDA寒天プレート上にプレートした。プレートをストリークして、インキュベートした後、そのコロニーを、48時間後、手作業でカウントした。
【0379】
酵母の抗真菌性の時間依存的殺傷試験の標準化パラメーターを、表8に示す。時間依存的殺傷動態アッセイの結果を表9および
図30〜
図31Bに示す。
図30のデータである時間依存的殺傷曲線では、4時間で0.25μg/mlで、ケトコナゾールと比べて良好なKMCの取り込みが示された。従って、KMCは、ケトコナゾールよりも0.25μg/mlでより早く作用することが見出された。この観察は、
図31Aおよび31Bで実証されるケトコナゾールおよびKMCの両方の濃度の範囲(0.125〜1.0μg/ml)について妥当である。
【0380】
(表8)抗真菌剤についての酵母の時間依存性殺傷アッセイの標準的なプロトコール
【0381】
(表9)ケトコナゾール、KMCおよび薬物なしの場合の時間依存性殺傷動態アッセイのデータ
【0382】
ケトコナゾールコンジュゲートのリパーゼ媒介性加水分解:この試験では、ケトコナゾールコンジュゲートのリパーゼ媒介性加水分解を試験した。
【0383】
機器および試薬:微生物:マラセチア フルフル(MTCC 1374)、培地:SDB50ml(2つの異なる濃度(125および250μg/ml)の試験すべき活性物を有する)、溶媒:培地、水、その他活性物に適切もの、および試験管:15mlのファルコン無菌試験管。
【0384】
実験手順:この実験は以下のように実施した。
(i)M.フルフルは、これをSDA寒天プレート上で一晩培養することによって対数期になった。細胞濃度は、実験の出発接種物の密度を得るための血球計によって決定した。
(ii)1mlの調整された接種物5×10
5CFU/mlを、シクロヘキシミドおよびクロラムフェニコール抗生物質を250μg/mlの濃度のプロドラッグとともに有する2%オリーブ油を含む10mlのSDBに添加した。最終混合物を30秒間ボルテックスした。
(iii)上記の混合物のうち5mlを、15mlのファルコン試験管にピペッティングして、5mlのSDBO(オリーブ油を含むSDB)を連続して添加して、125μg/ml濃度のプロドラッグを作製し、得られた溶液をボルテックスした。
(iv)同様に、陰性対照であるKAHを、接種なしの同じ濃度のプロドラッグを含むSDBO培地中に入れた。その試験管を後に、32℃、5%CO
2でインキュベートした。3日目、1mlの反応混合物(それをKAHとともに含む)を、採取して、酢酸エチルを用いて3回抽出して、同じ実験条件の下で残っているプロドラッグおよび変換された薬物の両方を定量的に測定した。
(v)サンプルを、濃縮してHPLCによって分析した。
【0385】
表10のデータからわかるように、ケトコナゾールコンジュゲートは、アミドコンジュゲートKAHと比較して、真菌によって分泌されるリパーゼに対して感受性であった。プロドラッグの薬物への切断割合の決定は、HPLCによって分析した。試験生物体は、マラセチア フルフルであって、試験原理は、プロドラッグの加水分解速度を評価して行った。
【0386】
(表10)HPLC分析によるプロドラッグから薬物へのリパーゼ媒介性の切断
【0387】
実施例18:合成された抗菌性コンジュゲートのインビトロ有効性試験。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、多くの他の種の感染に加えて皮膚感染を生じる。これは、蜂窩織炎(皮膚のすぐ下にある皮膚および組織の感染)、おでき(毛包の膿が詰まった感染)、膿瘍(皮膚の中または下の膿の堆積)、吹き出物(膿瘍より大きい感染、通常は皮膚のいくつかの開口を伴う)、膿痂疹(膿の詰まった疱疹を伴う皮膚感染)、および発疹(皮膚が赤みを帯びるかまたは赤色の領域となる)を引き起こしうる。本発明の合成されたコンジュゲートの有効性を検討するために、微生物の増殖の完全な阻害を示す実験を行った。この実験では、MICは、合成されたコンジュゲートの有効性を評価するための寒天プレート連続希釈法によって決定した。
【0388】
最小阻害濃度(MIC):MICは、抗ざ瘡効力を測定する指標である。一般的には、細菌の増殖を阻害する固有の能力が理由で、組成物のMIC値が低いほど、その抗菌効力は高い。
【0389】
この実験では、黄色ブドウ球菌を、Chapman Mediumで作製された寒天プレート上で増殖させた[American Veterinary Research(1947)8:173]。寒天希釈法によるMICに関しては、可溶化された抗菌性組成物の適切な希釈物を、モルテンChapman Medium(CM)を含むオートクレーブされた測定シリンダーに添加した。そのシリンダーを、ボルテックスして、内容物を適宜表示した別々の無菌のペトリ皿中に注いだ。プレートをセットした後に、特定のCFU/mlを含むように調節された黄色ブドウ球菌接種物を、寒天プレート上にストリークして、嫌気性のジャーの中で2日間インキュベートした。インキュベーション後、そのプレートを、可視の黄色ブドウ球菌の増殖について観察した。MICは、増殖を生じない、抗菌活性物の試験した最低希釈と規定した。対照化合物であるクリンダマイシンのMIC値に対する、抗菌活性物のMIC値の比較を行った。抗真菌活性の力価は、MIC値によって示される。
【0390】
機器および試薬:微生物:黄色ブドウ球菌(MTCC3160);寒天培地:60ml Champman培地(試験すべき各々の活性物についてそれらのそれぞれの濃度で);溶媒:DMSO(ジメチルスルホキシド)、水、その他活性物に適切なもの;および試験濃度1つあたり抗真菌活性物1つあたり3連の滅菌ペトリ皿。
【0391】
実験手順:ブロスおよび寒天の希釈は、抗菌感受性の試験のために慣用的に用いられる方法である。最終阻害濃度を試験するために、寒天プレート希釈法は、Chapman培地で使用した。各々の実験設定は、三連で行った。実験は以下のように実施した。
(i)Chapman培地は、製造業者の指示に従って調製した。
(ii)この培地を、オートクレーブして(121℃、15分)、50℃まで冷却し、続いて抗生物質を添加した。
(iii)培地を冷却した後に、抗真菌の組成物および対照溶液の量を必要に応じて計算した。抗真菌の組成物および対照ストックを、DMSO中で必要な濃度で調製した。
(iv)適切な容積は、それぞれストックからとって、Chapman培地でさらに希釈して、最終容積中で必要な範囲を達成した。
(v)一例として、第一希釈物は、最大120mlで作成し、滅菌条件下で混合し、20秒間ボルテックスして、各々20mlを、適切に表示した3つの滅菌ペトリプレートに注いだ。同様に、対照もまた、上記の手順で調製した。
(vi)このプレートは、バイオセーフティーフード中で凝固させて、固化後、プレートを、重ねて保管した。
(vii)接種物の調製は、翌日行い、接種物の密度を調節し、薬物を含む寒天プレートを無菌的にストリークした。
(viii)プレートは、インキュベーター中で(36±2)℃で、嫌気性条件下で、インキュベートして、読み取りは、6日間にわたって24時間ごとに行った。MICは、黄色ブドウ球菌の完全な阻害が確認される薬物の最低濃度として規定される。
【0392】
クリンダマイシンプロドラッグコンジュゲートのいくつかについてのMIC値を表11に示す。
【0393】
(表11)クリンダマイシンの種々のコンジュゲートのMIC値濃度(μg/ml)
【0394】
実施例19:抗真菌剤および抗菌剤のナノ化
局所用途のためのいくつかの抗真菌および抗菌剤をナノ化に供した。そのナノ粒子を、単一のポリマーを用いるナノ沈殿、およびポリマーの組み合わせを用いるナノ沈殿の2つの手法を用いて形成した。ナノ沈殿を用いるポリマーナノ粒子形成および得られた分散物のさらなる処理は、ジンクピリチオンを抗真菌剤として用いて例示された。
【0395】
ZPTOの高分子ナノ粒子の調製
ジンクピリチオンを、種々のポリマーおよび脂肪酸/脂質の組み合わせとともに用いて、いくつかのナノ粒子分散物を調製し、そのいくつかをさらなる処理に供して、最終的に、安定なナノ粒子および認識できる薬物含量を有する自由流動性粉末を得た。
【0396】
ポリ(ビニルアルコール)(PVA)でのZPTOのナノ沈殿:ジンクピリチオン、DMSOおよびTHFの溶液を、約1200rpmで撹拌しながらPVAの1%水溶液(80%加水分解)に滴下した。この分散物を、24時間継続して撹拌してTHFを除き、次いで、1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子があれば除いた。次いで、調製物をDynamic Light Scattering(DLS)分析[Z
avg:337nm,PDI:0.165]に対して、Malvern ZetaSizer ZS90を用いて供した。
【0397】
トリパルミチン(グリセリルトリパルミテート)およびPVAによるZPTOのナノ沈殿:ジンクピリチオン、トリパルミチン、DMSOおよびTHFの溶液を、約1200rpmで撹拌しながらPVAの1%水溶液(80%加水分解)に滴下した。この分散物を、24時間継続して撹拌してTHFを除き、次いで、1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子があれば除いた。次いで、調製物をDLS分析[Z
avg:526nm,PDI:0.221]に供した。
【0398】
Capmul MCM C8EP(グリセリルモノカプリレート)およびPVAによるZPTOのナノ沈殿:ジンクピリチオン、capmul MCM C8EP(Abitecのもの)、DMSOおよびTHFの溶液を、約1200rpmで撹拌しながらPVAの1%水溶液(80%加水分解)に滴下した。この分散物を、24時間継続して撹拌し、次いで、1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子があれば除いた。上清を、遠心分離濾過ユニット(50KD;Millipore)によって濃縮した。次いで、濃縮された分散物をDLS分析[Z
avg:731nm,PDI:0.349]、薬物負荷効率(90%)、ナノ処方化されていないZPTOと比較した生理活性に供した。濃縮された分散物を最終的に、スクロースを凍結保護物質(5%)として凍結乾燥し、薬物含量(7%)もまた決定した。
【0399】
PLGA、Capmul MCM C8EPおよびPVAによるZPTOのナノ沈殿:ジンクピリチオン、PLGA、capmul MCM C8EP(Abitecのもの)およびDMSOの溶液を、約1200rpmで撹拌しながらPVAの1%水溶液(80%加水分解)に滴下した。この分散物を、24時間継続して撹拌し、次いで、1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子があれば除いた。次いで、調製物をDLS分析[Z
avg:330nm,PDI:0.176]に供した。
【0400】
PLGA、Capmul MCM C8EPおよびSLES(ラウレス硫酸ナトリウム)によるZPTOのナノ沈殿:ジンクピリチオン、PLGA、capmul MCM C8EPおよびDMSOの溶液を、約1200rpmで撹拌しながらSLESの0.1%水溶液に滴下した。この分散物を、さらに48時間継続して撹拌し、次いで、1000rpmで10分間遠心分離して、大きい粒子があれば除いた。上清を、遠心分離濾過ユニット(50KD;Millipore)によって濃縮した。次いで、濃縮された分散物をDLS分析[Z
avg:140nm,PDI:0.231]、薬物負荷効率(48%)、ナノ処方化されていないZPTOと比較した生理活性に供した。濃縮された分散物を最終的に、マンニトールを凍結保護物質(2〜5%)として凍結乾燥し、薬物含量(8%)もまた決定した。
【0401】
表12には、ジンクピリチオンの例示的なナノ沈殿のいくつかについてのデータをまとめる。
【0402】
(表12)ジンクピリチオンに関するナノ調製物のいくつかの平均サイズ分布(Z
avg)、多分散性指数(PDI)および主な組成物