【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現行のターボドリルのドリル装置の高速回転時における動的平衡問題を解決することにある。
【0005】
本発明は、下記の構成により実現されている。すなわち、歯科用ターボドリル装置であって、ターボとターボシャフトとを含み、前記ドリル装置には平衡チャンバが設けられ、前記平衡チャンバ内に自動平衡部材が設けられている。
【0006】
前記自動平衡部材が金属玉である。
【0007】
前記自動平衡部材が砂粒である。
【0008】
前記自動平衡部材が軟性体である。
【0009】
前記軟性体が軟性コロイド体、又は軟性ヒドロゲル体、又は軟性の発泡プラスチックである。
【0010】
前記軟性体は、軟性ポケット体であり、前記軟性ポケット体は、軟性ハウジング体において液体、軟性コロイド体、軟性ヒドロゲル体、金属玉及び 砂粒のうちの少なくとも1種を充填するように構成されている。
【0011】
前記軟性ハウジング体は、軟性ラテックスハウジング体、軟性シリカゲルハウジング体、及び軟性ネット状ハウジング体のうちの1種である。
【0012】
前記ドリル装置のターボ及びブレードは、ターボシャフトを周る空芯構造を形成し、空芯部分が平衡チャンバである。
【0013】
前記ドリル装置のターボシャフト内にはクランプ爪が設けられ、クランプ爪の一端がクランプ爪ロッドに連結され、クランプ爪ロッドがターボシャフトホールから延出してバネリテーニングプレートに連結され、バネリテーニングプレートとターボシャフトとの一端側においてクランプ爪ロッドを周ってバネを設けてあり、前記バネリテーニングプレートは空芯構造を形成し、空芯部分は平衡チャンバである。
【0014】
前記ドリル装置のターボシャフト内にはクランプ爪が設けられ、クランプ爪の一端がクランプ爪ロッドに連結され、クランプ爪ロッドがターボシャフトホールから延出してバネリテーニングプレートに連結される。バネリテーニングプレートとターボシャフトとの側においてクランプ爪ロッドを周ってディスクバネを設けてあり、ディスクバネとバネリテーニングプレートとの間において環状の平衡チャンバが形成され、又は、バネリテーニングプレートとターボシャフトとの一端側においてクランプ爪ロッドを周って2つの結合されたディスクバネが設けられ、2つのディスクバネの間に環状の平衡チャンバが形成される。前記自動平衡部材が環状の平衡チャンバに合致する環状である。
【0015】
歯科用ドリルヘッドであって、ヘッドハウジングと、ウィンドホイールと、軸受けとから構成され、ウィンドホイールがウィンドホイールシャフトとウィンドホイールブレードとを含み、前記ウィンドホイールシャフトの端部内に動的平衡孔が設けられ、動的平衡孔内に動的平衡体が設けられる。
【0016】
前記ウィンドホイールシャフトにはウィンドホイールシャフトホールが設けられ、ウィンドホイールシャフトホール内においてクランプ爪がクランプロッドに連結され、クランプ爪ロッドの端部がウィンドホイールシャフトホールから延出すると共にクランプ爪ロッドの端部内に動的平衡孔が設けられ、動的平衡孔内に動的平衡体が設けられる。
【0017】
前記動的平衡体と前記動的平衡孔との間において、柔軟性を有するゴム又はスポンジが設けられる。
【0018】
前記ウィンドホイールシャフトの端部内にスプライン孔が設けられ、スプライン孔内において隙間ばめでスプラインをフィットさせ、スプラインがスプライン孔から延出して動的平衡ディスクを固定する。
【0019】
前記ウィンドホイールシャフトにはウィンドホイールシャフトホールが設けられ、ウィンドホイールシャフトホール内においてクランプ爪がクランプ爪ロッドに連結され、クランプ爪ロッドの端部がウィンドホイールシャフトホールから延出すると共にクランプ爪ロッドの端部内にスプライン孔が設けられ、スプライン孔内において隙間ばめでスプラインをフィットさせ、スプラインがスプライン孔から延出して動的平衡ディスクを固定する。
【0020】
前記スプラインが球状スプラインであり、球状スプラインのスプラインが、球表面においてターボシャフトの軸方向に沿って円弧形状に分布する。球状スプラインに嵌め合うスプライン孔が球状チャンバスプライン孔であり、球状チャンバスプライン孔内において球状スプラインに嵌め合うスプライン溝が設けられる。
【0021】
前記スプラインと前記スプライン孔との間において柔軟性を有するゴム又はスポンジが設けられている。
【0022】
歯科用ターボドリルヘッドであって、ヘッドハウジングと、ウィンドホイールと、軸受けとから構成され、ウィンドホイールがウィンドホイールシャフトとウィンドホイールブレードとを含み、ウィンドホイールシャフトとウィンドホイールブレードとが一体形成された構造である。
【0023】
ヘッドハウジングとウィンドホイールとの間にゴム製部材が設けられ、自然状態下では、前記ゴム製部材がヘッドハウジングとウィンドホイールとの両方に対して同時に接触し、作動状態下では、前記ゴム製部材がヘッドハウジングとウィンドホイールとのいずれか一方に対して分離する。
【0024】
前記ゴム製部材が、ヘッドハウジングにおけるヘッドカバーの内側において固定されたゴム層であり、前記ゴム層とヘッドカバーとが空洞を形成する。
【0025】
前記ヘッドカバーに通孔が設けられ、通孔が前記ゴム層とヘッドカバーとが空洞を形成して連通する。
【0026】
前記ウィンドホイールシャフトの端部においてブレーキディスクが設けられ、自然状態下では、前記ゴム層とブレーキディスクとが接触し、作動状態下では、前記ゴム層とブレーキディスクとが分離する。
【0027】
前記ウィンドホイールシャフトの端部にブレーキディスクが設けられ、ブレーキディスクに環状溝Iが設けられ、環状溝I内にゴム製リングIが設けられ、自然状態下では、ゴム製リングIがヘッドカバーに接触し、作動状態下では、ゴム製リングIが遠心力により溝内に入り、ヘッドカバーと分離する。
【0028】
前記ウィンドホイールシャフトのウィンドホイールブレード側方に環状溝IIが設けられ、環状溝II内にゴム製リングIIが設けられ、自然状態下では、ゴム製リングIIが軸受け座に接触し、作動状態下では、ゴム製リングIIが遠心力により溝内に入り、軸受け座と分離する。
【0029】
前記ウィンドホイールシャフトの端部内に動的平衡孔が設けられ、動的平衡孔内に動的平衡体が設けられ、動的平衡体と動的平衡孔との間に柔軟性を有するゴム又はスポンジが設けられている。
【0030】
前記ウィンドホイールシャフトの端部内にスプライン孔が設けられ、スプライン孔内に隙間ばめでスプラインをフィットさせ、スプラインがウィンドホイールシャフトの端部から延出して動的平衡ディスクを固定し、スプラインとスプライン孔との間に柔軟性を有するゴム又はスポンジが設けられる。
【0031】
前記ウィンドホイールシャフトにクランプ爪ホールが設けられ、クランプ爪ホール内においてクランプ爪がクランプ爪ロッドに連結され、クランプ爪ロッドに平衡孔又はスプライン孔が設けられる。
【0032】
上記技術的方案を用いる本発明は、下記のメリットを有する。
【0033】
1.平衡チャンバ内に金属玉を設けてあるため、高速回転時に不平衡が起こる場合、金属玉の転がりにより不平衡が修正される。ただし、騒音が大きい。また、砂粒を用いる場合、特に金属砂粒を用いる場合、不平衡を修正するとともに、騒音を低減させる。軟性体を用いる場合、同じ質量の自動平衡部材が不平衡を修正する有効部分が減少するものの、騒音が発生せず、重量を調整すれば、自動的平衡に到達可能なことに変わりがない。
【0034】
2.ウィンドホイールシャフト内に動的平衡体を設けることで、歯科用ドリルの外形における本来の寸法が保持され、回転部分の不平衡を自動的に調整可能である。スプライン穴を設け、スプライン孔内において隙間ばめでスプラインをフィットさせることで、スプラインがウィンドホイールシャフトの端部を延出して動的平衡ディスクを固定し、動的平衡ディスクが動的平衡を大幅に調節可能であるため、ウィンドホイールの不平衡の量が大きくても、例えば、ダイカスト成形の部品であっても自動的に調節可能であり、高精度加工のためのコストが低減される。
【0035】
3.プレス面積が小さくなると共に、ゴム層とヘッドカバーとの間にチャンバが設けられているため、歯がプレス部分に接触しにくくなり、たまにしかプレス部分に接触することになる。チャンバが設けられ、ブレーキディスクに接触できなくなっているため、回転速度への影響が回避可能である。環状溝内にゴム製リングが設けられることにより、逆吸引を防止すると共に自動的に平衡を調節することは、一石二鳥であり、コストが低減される。ウィンドホイールシャフト内に動的平衡体が設けられ、ドリルの本来の寸法が保持され、スプライン穴を設け、スプライン穴内において隙間ばめでスプラインをフィットさせ、スプラインがウィンドホイールシャフトの端部を延出して動的平衡ディスクを固定する。このような構造により、動的平衡の調節可能な量が大きくなるため、仮にウィンドホイールの不平衡的な量が大きいとしても自動的に調節可能となり、高精度加工のためのコストが低減される。