特許第6336999号(P6336999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336999
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】方向性設計のタイヤトレッド
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20180528BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20180528BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   B60C11/13 D
   B60C11/03 C
   B60C11/12 A
   B60C11/03 200A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-544418(P2015-544418)
(86)(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公表番号】特表2016-501770(P2016-501770A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2013074431
(87)【国際公開番号】WO2014082923
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年9月15日
(31)【優先権主張番号】1261418
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ルデュー ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】フレンケル ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】バトニーニ イリーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンタル マリー−エレーヌ
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−188014(JP,A)
【文献】 特開2008−155634(JP,A)
【文献】 特表2002−501458(JP,A)
【文献】 特表2012−513328(JP,A)
【文献】 特開昭63−106114(JP,A)
【文献】 特開2010−215078(JP,A)
【文献】 特表2012−500747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/00−11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の溝(3a,3b)を有するトレッドであって、前記複数本の溝は、中間平面X‐X′の各側で前記トレッドの各半分上に形成され、前記複数本の溝の各々は、外部上に軸方向に開口すると共に前記中間平面X‐X′に向かって軸方向に延び、前記複数本の溝は、前記トレッド上に、溝の方向Xrに先が向いたVという全体的形状をなす第1のパターンを形成し、前記トレッドは、複数個のサイプ(5)を有する、トレッドにおいて、前記トレッドの前記サイプの全て又はこれらサイプのうちの幾つかは、或る特定のトレッド摩耗レベルからタイヤ半径方向内方において、空所(7)を形成するために拡大状態になっており、前記空所は、斜めの方向に延びて空所の方向Xcに先が向いたVの全体的形状をなす第2のパターンを形成し、前記空所(7)の各々は、前記トレッドの前記溝(3a,3b)のうちの一方の中だけに開口し、前記複数本の溝(3a,3b)は、この摩耗レベルにおいて、同じ前記第1のパターンを形成し、
前記溝(3a,3b)は、前記トレッドのトレッド表面上に所定の曲率を有し、各溝(3a,3b)は、曲率の内側に材料の第1の壁(9a,9b)を画定すると共に材料の前記第1の壁と対向した材料の第2の壁(11a,11b)を画定し、前記空所方向Xcは、前記溝方向Xrに一致し、各空所(7)は、第1の溝(3a)の前記第1の壁(9a)と前記第1の溝に隣接して位置する第2の溝(3b)の前記第2の壁(11b)との間に延び、前記空所(7)は、前記第1の溝(3a)の前記第1の壁(9a)上に開口し、前記空所(7)は、前記第2の溝(3b)の前記第2の壁(11b)上には開口していない、トレッド。
【請求項2】
前記溝(3a,3b)は、前記トレッドのトレッド表面上に所定の曲率を有し、各溝(3a,3b)は、曲率の内側に材料の第1の壁(9a,9b)を画定すると共に材料の前記第1の壁と対向した材料の第2の壁(11a,11b)を画定し、前記空所方向Xcは、前記溝方向Xrとは逆であり、各空所(7)は、第1の溝(3a)の前記第1の壁(9a)と前記第1の溝に隣接して位置する第2の溝(3b)の前記第2の壁(11b)との間に延び、前記空所は、前記第1の溝(3a)の前記第1の壁(9a)上には開口しておらず、該空所は、前記第2の溝(3b)の前記第2の壁(11b)上に開口している、請求項1記載のトレッド。
【請求項3】
前記空所(7)は、前記第1の溝(3a)の前記第1の壁(9a)又は前記第2の溝(3b)の前記第2の壁(11b)にそれぞれ向いた壁(13)を画定し、前記トレッド表面上における前記壁(13)の形状は、前記第1の壁(9a)の前記曲率又は前記第2の壁(11b)の前記曲率にそれぞれ平行である、請求項又は記載のトレッド。
【請求項4】
前記空所(7)は、幅wpの主要部分(15)及び前記主要部分の前記幅wpよりも小さい幅wiの中間部分(17)を有し、前記中間部分は、前記空所の前記主要部分を溝(3)に連結している、請求項1乃至の何れか1項に記載のトレッド。
【請求項5】
前記空所(7)の前記中間部分(17)の前記幅wiは、該空所の前記主要部分(15)から前記溝(3)に向かって次第に減少している、請求項記載のトレッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車に取り付けられるようになったタイヤのためのトレッドに関する。本発明は、特に、冬季における運転又は雨天における運転について向上した性能を有するタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4057089号明細書は、方向性パターンを有するトレッドを開示している。トレッドの「パターン」は、所定の設計に合わせてこのトレッド中に入れられた複数個の切れ目を意味しており、これら切れ目は、適当な幅及び適当な深さを有している。切れ目は、総称的に、溝かサイプかのいずれかを意味しており、切れ目は、互いに向かい合っていて且つ非ゼロ距離だけ互いに離れた材料の壁によって画定された空間に該当している。サイプを溝から区別するのは、具体的に言えば、この距離であり、サイプの場合、この距離は、タイヤが路面と接触状態にある接触パッチにサイプが入ったときにサイプを画定している向かい合った壁が少なくとも部分的に互いに接触することができるようにするのに合わせられている。溝の場合、この溝の壁が通常の走行条件下において互いに接触することはありえない。
【0003】
かくして、米国特許第4057089号明細書の方向性トレッドパターンは、先が全てタイヤのトレッド周りにぐるりと同一の方向に向いた一連のV字形の溝を有する。トレッドパターンのかかる形状では、水は、タイヤの側部を経て除去され、タイヤが濡れた路面と接触状態にある接触パッチの排水が向上し、従ってこの路面上におけるこのタイヤのグリップが向上する。
【0004】
欧州特許第0721853号明細書は、先が全て同一の方向に向いたV字形の溝に加えて、同様に全て先が共通の方向に向いた複数個のサイプを有する方向性トレッドパターンを開示しており、この共通の方向は、溝の方向とは逆である。トレッドパターンのかかる形態では、トレッドパターンの剛性が減少し、雪で覆われた路面上におけるタイヤのグリップ性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4057089号明細書
【特許文献2】欧州特許第0721853号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トレッド摩耗により、溝の高さが減少し、これにより、接触パッチから水を排水することができる溝の性能が低下する。さらに、この摩耗により、トレッドは、全体としてより剛性になる。したがって、濡れた路面及び雪で覆われた路面上におけるタイヤのグリップ性能は、タイヤの摩耗につれて減少する。
【0007】
本発明は、タイヤが摩耗しているときに上述のようなグリップの低下を制限する解決手段を提案する。
【0008】
定義
「タイヤ」は、これが内圧を受けるにせよそうでないにせよいずれにせよ、弾性タイヤのあらゆる形式を意味している。
【0009】
タイヤの「トレッド」は、側面及び2つの主要な面により画定された或る量のゴム材料を意味し、2つの主要面のうちの一方は、タイヤが駆動されているときに路面に接触するようになっている。
【0010】
トレッドの「トレッド表面」は、この場合、基準圧力までインフレートされたタイヤが路面に沿って駆動しているときにこの路面に接触するトレッド上の箇所の集まりを意味している。基準インフレーション圧力は、タイヤの使用条件において定められ、かかる使用条件は、特にETRTO(欧州タイヤ・リム協会)規格によって特定されている。
【0011】
「軸方向」は、タイヤの回転軸線に平行な方向を意味している。
【0012】
「半径方向」は、タイヤの回転軸線に垂直な方向を意味している(この方向は、トレッドの厚さの方向に一致している)。
【0013】
「円周方向」は、中心が回転軸線上に位置した任意の円に接する方向を意味している。この方向は、軸方向と半径方向の両方に垂直である。
【0014】
「斜めの方向」は、円周方向成分と軸方向成分の両方を有する方向を意味している。
【0015】
トレッドの「摩耗度」は、トレッドが摩耗により失った厚さとトレッドを交換する必要がある前にトレッドが失うことができる全厚の比を意味している。かくして、25%という摩耗度は、トレッドが摩耗可能なゴム材料の1/4を失ったことを意味している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、複数本の溝を有するトレッドに関し、複数本の溝は、中間平面の各側でトレッドの各半分上に形成されている。複数本の溝の各々は、外部上に軸方向に開口すると共に中間平面に向かって軸方向に延び、複数本の溝は、トレッド上に、溝の方向に先が向いたVという全体的形状をなす第1のパターンを形成している。トレッドは、複数個のサイプを更に有する。トレッドのサイプの全て又はこれらサイプのうちの幾つかは、或る特定の摩耗度から先へ、空所を形成するために拡大状態になっており、これら空所は、斜めの方向に延びて空所の方向に先が向いたVの全体的形状をなす第2のパターンを形成している。これら空所の各々は、トレッドの溝のうちの一方の中だけに開口している。複数本の溝は、この摩耗レベルにおいて、同じ第1のパターンを形成する。
【0017】
かくして、本発明は、トレッドが或る特定の摩耗レベルに達すると、サイプの延長部をなす空所の形成に進むことを提案する。これら空所は、トレッドのトレッド表面上に追加のエッジコーナを形成し、それにより、雪の中へ「食い込む」トレッドの能力が向上し、従って、雪で覆われた路面上におけるこのトレッドのグリップが最適化されることになる。さらに、これら空所は、濡れた路面から水を蓄えることができるリザーバとなる。これら空所は、外部に向かって軸方向に開口している溝に連結されているので、接触パッチからの水の排除も又、最適化される。
【0018】
実施形態の変形形態では、溝は、トレッドのトレッド表面上に所定の曲率を有し、各溝は、曲率の内側に材料の第1の壁を画定すると共に材料の第1の壁と対向した材料の第2の壁を画定している。空所方向は、溝方向に一致し、各空所は、第1の溝の第1の壁と第1の溝に隣接して位置する第2の溝の第2の壁との間に延びている。空所は、第1の溝の第1の壁上に開口している。空所は、第2の溝の第2の壁上には開口していない。
【0019】
空所を溝の曲率の内側で溝の壁上に開口させることによって、空所からの水の良好な除去が可能になる。これは、空所がこの場合、溝と同一の方向に向いているからであり、副次的流れと呼ばれる空所からの水の流れは、主要流れと呼ばれている溝からの水の流れと同一の方向に向くことになる。このようにすると、空所からの副次的な流れが主要流れと出会ったときの渦の効果が制限され、かかる渦は、溝からの水の除去を妨げることがあり得る。
【0020】
実施形態の変形形態では、空所の方向は、溝の方向とは逆であり、各空所に関し、この空所は、第1の溝の第1の壁上には開口せず、第2の溝の第2の壁上に開口する。
【0021】
法人企業である本出願人は、溝の第1の壁の剛性の低下の結果として、これら溝が接触パッチから水を除去する能力の低下が取るに足りないということはないという知見を得た。第1の壁に設けられた開口部がどのようなものであれ、それによって、潜在的に、この壁の剛性が低下する。かくして、空所を溝の第1の壁上に開口させないようにすることによって、溝のこれら第1の壁の剛性が低下することがなくなる。
【0022】
空所は、第1の溝の第1の壁又は第2の溝の第2の壁にそれぞれ向いた壁を画定する。この壁の曲率は、第1の壁の曲率又は第2の壁の曲率にそれぞれ平行である。
【0023】
このようにすると、トレッド表面上に空所により形成されるエッジコーナの長さが最適化され、タイヤが摩耗状態にあるときであっても雪で覆われた路面中に「食い込む」トレッドの能力が向上する。
【0024】
好ましい一実施形態では、空所は、幅の主要部分及び主要部分の幅よりも小さい幅の中間部分を有し、この中間部分は、空所の主要部分を溝に連結している。
【0025】
空所からの出口のところでの幅の減少を生じさせるようにすることによって、この空所からの水の除去量が増大する。
【0026】
好ましい一実施形態では、空所の中間部分の幅は、この空所の主要部分から溝に向かって次第に減少している。
【0027】
中間部分は、その幅の減少に鑑みて、タイヤが駆動されているときに高い機械的応力を受ける。幅が次第に減少する中間部分を作ることによって、トレッドの全体的な機械的強度がこの中間部分のところで高くなる。
【0028】
本発明の他の特徴及び他の利点は、添付の図面を参照して非限定的な実施例により与えられる以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】新品状態における本発明のトレッドのトレッド表面を概略的に示す図である。
図2】摩耗状態における図1のトレッドの一部の拡大図である。
図3】第3の実施形態としてのトレッド表面の部分図である。
図4】第4の実施形態としてのトレッド表面の部分図である。
図5】第5の実施形態としてのトレッド表面の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明において、実質的に同一又は類似した要素は、同一の参照符号で示される。
【0031】
図1は、新品状態におけるトレッド1のトレッド表面を概略的に示している。このトレッドを有するタイヤが駆動されているときに路面に接触するようになるのはこのトレッド表面である。
【0032】
詳細に説明すると、トレッド1は、中間平面X‐X′の各側でトレッドの各半分上に形成された複数本の溝3a,3bを有する。これら溝の各々は、外部に、即ち、タイヤの肩部分(これら肩部分は、ここでは図示されていない)に向かって軸方向に開口し、所定の曲率を有する状態で中間平面X‐X′に向かって軸方向に延びている。これら溝3a,3bは、トレッド上に、先が溝方向Xrに向いたVという全体的形状をなす第1のパターンを形成している。具体的に言えば、各溝は、溝の曲率の内側に材料の第1の壁9a,9bを画定すると共に材料の第1の壁と対向して材料の第2の壁11a,11bを画定している。トレッドは、複数個のサイプ5を更に有している。これらサイプの各々は、この場合、2つの隣り合う溝相互間で斜めの方向に延びている。
【0033】
図2は、トレッド1が或る特定の摩耗レベルに達したとき、例えば、トレッドの摩耗度が20%に達したときのトレッド1の状態を示している。この摩耗レベルでは、サイプは、空所7を形成するよう拡大状態になる。これら空所の各々は、溝3a,3bのうちの一方の中だけに開口する。これら空所7は、トレッドの表面上に第2のパターンを形成している。この第2のパターンは、Vという全体形状を有すると共に空所の方向Xcに向いている。
【0034】
図2に示された実施形態では、空所7は、溝3a,3bの方向Xrとは逆の方向Xcに向いており、各空所は、第1の溝3aの第1の壁9aとこの第1の溝3aに隣接して位置する第2の溝3bの第2の壁との間に延びている。この場合、空所7は、第2の溝3bの第2の壁11b上に開口するが、この空所は、第1の溝3aの第1の壁9a上には開口していない。かくして、副次的流れFsと呼ばれる空所7から除去されている水の流れは、溝3a,3bから除去されていて、主要な流れFpと呼ばれる水の流れと同一の方向に進むことになる。
【0035】
図5に示された別の実施形態では、空所7は、溝の方向Xrと平行な方向Xcに向いている。したがって、これら空所7は、第1の溝3aの第1の壁9a上に開口し、これら空所7は、第2の溝3bの第2の壁11b上には開口しない。かくして、空所7から除去されている水の流れFsは、溝3a,3bから除去されている水の流れFpと同一の方向に進むことになる。
【0036】
図2は、空所7の一端のところの拡大図であり、この端は、溝3a,3bのうちの一方中には開口していない。空所7は、この端のところで、第1の溝の第1の壁9aに向いた壁13を画定する。この壁は、トレッドの表面上に、この場合、第1の壁9aの曲率Cに平行な形状を有する。注目されるように、第1の壁9aと壁13上の3つの箇所との間の距離d1,d2,d3を測定することが可能であり、これら距離は、それぞれ、壁13の端のところ及びこの壁の中央のところに分布して配置されている。「平行」という用語は、距離d1,d2,d3相互の差を測定した場合、これら差のうちの最も大きなものが最も小さな距離d1,d2,d3の10%未満であることが必要であることを意味している。
【0037】
上述した設計は、図5の空所7の壁13にも利用できる。
【0038】
図3は、空所7の実施形態の変形形態を示しており、この変形形態では、この空所は、幅wpの主要な部分15及びこの空所の主要な部分15を溝に連結している中間部分17を有している。この中間部分は、この場合、サイプの形態で示されている。
【0039】
図4は、空所7の実施形態の別の変形形態を示しており、この変形形態では、中間部分は、この空所の主要部分から溝に向かって幅が次第に減少している。
【0040】
本発明は、説明すると共に図示した実施例には限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、これら実施例に対して種々の改造を行うことができる。
【0041】
かくして、サイプが延びている主要な方向は、図2で理解できるようにこれらサイプの延長部としての空所が延びる方向に全体として平行であり、このことは、図1で理解できる。他の実施形態では、サイプが延びる主要な方向を空所の延びる主要な方向に対して角度的にずらすことが可能である。
【0042】
さらに、空所は、全体として長方形の形を有するものとして図示されている。変形例として、空所が、その長さに沿って、互いに異なる形状、例えば湾曲した形状を有する。
図1
図2
図3
図4
図5