(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先度は、前記ユーザにより指定されることを特徴とする請求項2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記優先度は、前記ユーザが選択した度合に基づいて設定されることを特徴とする請求項2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記優先度は、前記ユーザの乗車後評価に基づいて設定されることを特徴とする請求項2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記検出手段は、所定時間以上又は所定時刻に、所定施設に滞在しているユーザを、前記見込客として判断することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記案内手段は、前記タクシー事業者からの返礼に基づいて案内優先度を設定し、前記案内優先度に基づいて、前記検出手段により検出された地域を案内するタクシー事業者を決定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術では、ユーザが指定するタクシー会社の空車タクシーが、都合よく乗車地点近傍を走行又は待機しているとは限らないため、ユーザとタクシー会社との需給が必ずしも一致しないという課題がある。
【0005】
本発明は、ユーザとタクシー会社との需給を効果的にマッチングすることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
情報処理装置において、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出手段と、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域内の案内位置までの経路案内を行う案内手段と、
前記取得手段により取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定手段と、
を備え、
前記案内手段は、前記検出手段により検出された地域内の案内位置を決定する際、前記
ユーザ特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど前記案内位置の基準とする現在位置情報
の数値化した値を大きくすることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、
前記ユーザの行動に基づいて設定された配車における優先度に基づいて、前記タクシー事業者ごとに他のタクシー事業者よりも前記優先度が高い見込客を特定する見込客特定手段を備え、
前記案内手段は、
各タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域のうち、
前記見込客特定手段により特定された見込客が多い地域を案内することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
情報処理装置において、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出手段と、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域を案内する案内手段と、
前記取得手段により取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定手段と、
前記ユーザの行動に基づいて設定された配車における優先度に基づいて、前記タクシー事業者ごとに他のタクシー事業者よりも前記優先度が高い見込客を特定する見込客特定手段と、
を備え、
前記案内手段は、
各タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域のうち、
前記見込客特定手段により特定された見込客が多い地域を案内することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、
前記案内手段は、前記検出手段により検出された地域内の案内位置を決定する際、前記
ユーザ特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど前記案内位置の基準とする現在位置情報
の数値化した値を大きくすることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項
1、2、4
のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記乗車見込距離は、前記ユーザの乗車履歴における平均乗車距離であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項
1、2、4
のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記乗車見込距離は、前記ユーザの自宅と現在位置との距離であることを特徴とする。
【0014】
請求項
7に記載の発明は、請求項
2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記優先度は、前記ユーザにより指定されることを特徴とする。
【0015】
請求項
8に記載の発明は、請求項
2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記優先度は、前記ユーザが選択した度合に基づいて設定されることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜4、請求項2又は4を引用する請求項5、請求項2又は4を引用する請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記優先度は、前記ユーザの乗車後評価に基づいて設定されることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記検出手段は、前記
ユーザ特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど位置情報
の数値化した値を大きくすることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記検出手段は、現在位置が乗車履歴に合致するユーザを、前記見込客として判断することを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項
1〜11のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記ユーザの乗車履歴に基づく広告を提供する提供手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項
1〜12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記ユーザの情報端末により選択された少なくとも目的地を含む選択情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された選択情報を前記タクシー事業者の情報端末に送信する情報送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記検出手段は、所定時間以上又は所定時刻に、所定施設に滞在しているユーザを、前記見込客として判断することを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記案内手段は、前記タクシー事業者からの返礼に基づいて案内優先度を設定し、前記案内優先度に基づいて、前記検出手段により検出された地域を案内するタクシー事業者を決定することを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、
情報処理装置の情報処理方法であって、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出ステップと、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出ステップで検出された地域内の案内位置までの経路案内を行う案内ステップと、
前記取得ステップで取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定ステップと、
を含み、
前記案内ステップは、前記検出ステップで検出された地域内の案内位置を決定する際、前記
ユーザ特定ステップで特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど前記案内位置の基準とする現在位置情報
の数値化した値を大きくすることを特徴とする情報処理方法である。
請求項17に記載の発明は、
情報処理装置の情報処理方法であって、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出ステップと、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出ステップで検出された地域を案内する案内ステップと、
前記取得ステップで取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定ステップと、
前記ユーザの行動に基づいて設定された配車における優先度に基づいて、前記タクシー事業者ごとに他のタクシー事業者よりも前記優先度が高い見込客を特定する見込客特定ステップと、
を含み、
前記案内ステップは、
各タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出ステップで検出された地域のうち、
前記見込客特定ステップで特定された見込客が多い地域を案内することを特徴とする情報処理方法である。
【0022】
請求項18に記載の発明は、
コンピュータを
、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出手段、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域内の案内位置までの経路案内を行う案内手段、
前記取得手段により取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定手段、
として機能させ、
前記案内手段は、前記検出手段により検出された地域内の案内位置を決定する際、前記
ユーザ特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど前記案内位置の基準とする現在位置情報
の数値化した値を大きくすることを特徴とするプログラムである。
請求項19に記載の発明は、
コンピュータを、
ユーザ
の情報端末の位置情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出手段、
タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域を案内する案内手段、
前記取得手段により取得された位置情報
に含まれる前記情報端末の識別情報に基づいて、前記ユーザを特定する
ユーザ特定手段、
前記ユーザの行動に基づいて設定された配車における優先度に基づいて、前記タクシー事業者ごとに他のタクシー事業者よりも前記優先度が高い見込客を特定する見込客特定手段、
として機能させ、
前記案内手段は、
各タクシー事業者の情報端末に対し、前記検出手段により検出された地域のうち、
前記見込客特定手段により特定された見込客が多い地域を案内することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザとタクシー会社との需給を効果的にマッチングすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施形態について詳しく説明する。
[1−1.システム構成の説明]
まず、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
情報処理システム1は、
図1に示すように、情報処理装置としてのサーバ装置10と、タクシー会社が保有する端末装置(以下会社端末と称する)20と、タクシー会社が保有するタクシーTAに搭載されたナビゲーション端末(以下ナビ端末と称する)30と、ユーザの情報端末としての端末装置40と、を備えて構成されている。情報処理システム1を構成する各装置は、通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは、具体的には、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等である。
【0027】
サーバ装置10は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報機器であり、端末装置40から通信ネットワークNを介して送信されてきた位置情報が集積されるようになっている。サーバ装置10は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0028】
会社端末20は、例えば、タクシー会社が各々保有するPC、WS等の情報機器であり、サーバ装置10から通信ネットワークNを介して送信されてきた案内情報を、当該タクシー会社が保有するタクシーTAに搭載されたナビ端末30に転送する。会社端末20は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。会社端末20は、通信ネットワークN(具体的には、会社端末20の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、サーバ装置10やナビ端末30との間で相互に通信を行う。
【0029】
ナビ端末30は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等、タクシーTAのドライバが所持して使用する携帯型端末機器である。但し、ナビ端末30は、タクシーTAのダッシュボードに固定された車載固定形式の端末装置としてもよい。ナビ端末30には、目的地までの誘導経路を案内するカーナビの機能を実現するアプリケーション(以下、カーナビアプリと称する)がインストールされている。ナビ端末30は、通信ネットワークN(具体的には、ナビ端末30の通信回線や無線LAN等)を用いて、サーバ装置10や会社端末20との間で相互に通信を行う。
【0030】
端末装置40は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等の各ユーザが所持して使用する携帯型端末機器である。端末装置40には、現在地周辺の地図を表示させる処理や、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内する処理等を実行するアプリケーション(以下、地図アプリと称する)がインストールされている。端末装置40は、通信ネットワークN(具体的には、端末装置40の通信回線や無線LAN等)を用いて、サーバ装置10との間で相互に通信を行う。
【0031】
[1−2.サーバ装置の構成の説明]
次に、サーバ装置10の構成について説明する。
サーバ装置10は、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信部15と、を備えて構成されている。
【0032】
制御部11は、サーバ装置10の動作を中央制御する。具体的には、制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部14に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、サーバ装置10の各部を統括制御する。
【0033】
操作部12は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0034】
記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部11から読み書き可能に記憶する。また、記憶部14は、地図データ、音声データ等を格納している。地図データには、例えば、広域をカバーした地図情報(複数縮尺に対応)、道路情報、施設、海、川等の各種シンボル情報等が記憶されている。また、音声データには、例えば、経路案内に必要な、単語や文節等からなるメッセージのデータ等が予め記憶されている。
【0035】
通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0036】
[1−3.会社端末の構成の説明]
次に、会社端末20の構成について説明する。
会社端末20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、通信部25と、を備えて構成されている。
【0037】
制御部21は、会社端末20の動作を中央制御する。具体的には、制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部24に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、会社端末20の各部を統括制御する。
【0038】
操作部22は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。
表示部23は、例えば、LCDなどのディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0039】
記憶部24は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。
【0040】
通信部25は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部21の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0041】
[1−4.ナビ端末の構成の説明]
次に、ナビ端末30の構成について説明する。
ナビ端末30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、音声出力部34と、記憶部35と、現在位置検出部36と、通信部37と、を備えて構成されている。
【0042】
制御部31は、ナビ端末30の動作を中央制御する。具体的には、制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部34に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、ナビ端末30の各部を統括制御する。
また、制御部31は、カーナビアプリを実行することにより、サーバ装置10と協働して、カーナビの機能を実現する。具体的には、制御部31は、サーバ装置10から案内情報が送信されると、案内情報に基づく画面(経路表示画面)を表示部33に表示させるとともに、音声出力部34から音声出力させる。これにより、カーナビの機能が実現される。
【0043】
操作部32は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部33と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部31へと出力する。
表示部33は、例えば、LCD、有機EL素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などのディスプレイを備え、制御部31から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部33は、制御部31から出力された表示用データ(地図データ等)に基づいて、各種情報(例えば、地図画面やアイコン、経路案内等のナビゲーション用の表示情報、自車の現在位置を示す自車マーク等)を表示する。
【0044】
音声出力部34は、D/A変換器、アンプ、スピーカ等を備えて構成され、制御部31から出力された音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力する。
【0045】
記憶部35は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部31から読み書き可能に記憶する。
【0046】
現在位置検出部36は、GPSモジュール、自律航法ユニット等を備えて構成されている。GPSモジュールは、GPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいてタクシーTAの絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部31に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備える。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、タクシーTAの移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号および車速パルス信号により、タクシーTAの相対的な位置変化を算出して制御部31に出力する。
【0047】
通信部37は、アンテナや通信回路を備え、制御部31による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部37は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0048】
[1−5.端末装置の構成の説明]
次に、端末装置40の構成について説明する。
端末装置40は、制御部41と、操作部42と、表示部43と、記憶部44と、現在位置検出部45と、通信部46と、を備えて構成されている。
【0049】
制御部41は、端末装置40の動作を中央制御する。具体的には、制御部41は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部44に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、端末装置40の各部を統括制御する。
【0050】
操作部42は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部43と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部41へと出力する。
表示部43は、例えば、LCD、有機EL素子を用いたFPDなどのディスプレイを備え、制御部41から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0051】
記憶部44は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部41から読み書き可能に記憶する。
【0052】
現在位置検出部45は、GPSモジュール等を備えて構成されている。GPSモジュールは、GPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて端末装置40の絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部41に出力する。
【0053】
通信部46は、アンテナや通信回路を備え、制御部41による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部46は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0054】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の具体的な動作について、
図2のフローチャートを参照して説明する。具体的には、サーバ装置10が、端末装置40から送信された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出し、検出された地域をタクシー事業者に案内する処理を説明する。この処理は、定期的に所定間隔(例えば5分間隔)で行われるが、これに限定されるものではなく、状況に応じて任意の間隔に変更可能である。なお、本発明のタクシー配車に係る各処理は、端末装置40にインストールされた地図アプリの一つの機能として実施される。
【0055】
まず、前提として、サーバ装置10の制御部11が、端末装置40から送信された位置情報を取得するまでの処理を説明する。
まず、端末装置40の制御部41は、自装置の位置情報を取得する。ここで、位置情報には、少なくとも現在位置検出部45により検出された現在位置(緯度、経度)の情報が含まれる。
次に、制御部41は、取得した位置情報を、通信部46を介してサーバ装置10に送信する。
なお、端末装置40の制御部41による上記の各処理は、端末装置40にインストールされた地図アプリの起動の有無にかかわらず、地図アプリの一つの機能として実施される。これらの処理は、定期的に所定間隔(例えば5秒間隔)で行われるが、これに限定されるものではなく、状況に応じて任意の間隔に変更可能である。
【0056】
以上の処理により、サーバ装置10の制御部11は、端末装置40から送信された位置情報を取得する。即ち、制御部11は、本発明の取得手段として機能する。
以下、サーバ装置10が、見込客が多い地域を検出し、検出された地域をタクシー事業者に案内する処理を説明する。
【0057】
まず、サーバ装置10の制御部11は、
図2に示すように、端末装置40から送信された位置情報を集計し、集計された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する処理を行う(ステップS101)。ここで、地域とは、例えば、地図上の1ブロック(1区画)に相当する領域である。なお、地域の設定は、上記例に限られるものではなく、適宜任意に設定可能である。また、ステップS101の処理の対象となる地域は、全国を対象としてもよいが、予めタクシー会社毎に定められた営業地域内を対象としてもよい。
ステップS101において、制御部11は、集計された位置情報に基づいて地域毎に見込客を抽出し、地域間の相対的な比較で他の地域よりも見込客が多いと判定した地域を、見込客が多い地域として検出する。即ち、制御部11は、本発明の検出手段として機能する。なお、ステップS101の処理を行った結果、地域毎の見込客に特定の偏りがみられなかった場合は、見込客が多い地域を検出することができないと判定する。
【0058】
ここで、見込客の判断基準の一例は、所定時間以上又は所定時刻に、所定施設に滞在しているユーザであることである。例えば、終電後の深夜1:00にガード下の居酒屋に滞在しているユーザは、タクシーを利用する見込みがあると判断し、見込客として判断する。また、例えば、3時間以上会議場に滞在しているユーザは、参加している会議やイベントの終了が間近であると予想されることから、タクシーを利用する見込みがあると判断し、見込客として判断する。
【0059】
また、見込客の判断基準の他の例は、現在位置が乗車履歴に合致するユーザであることである。例えば、過去に○○ビルからの乗車履歴のあるユーザが、○○ビルに滞在している場合、タクシーを利用する見込みがあると判断し、見込客として判断する。なお、現在位置のみならず、現在時刻も乗車履歴に合致するユーザを、見込客として判断するようにしてもよい。
【0060】
ここで、乗車履歴は、ユーザが所有する端末装置40の識別情報(例えば端末ID等)と関連付けて、ユーザの属性に係る情報(属性情報)とともに記憶部14に記憶されている。また、地図アプリの利用には、通常ログインが必要であることから、送信される位置情報には端末装置40の識別情報が含まれており、制御部11は、取得した位置情報に基づいてユーザを特定することができる。即ち、制御部11は、本発明の特定手段として機能する。そして、制御部11は、特定したユーザの乗車履歴を参照することで、見込客を判断することができる。
【0061】
なお、ステップS101で見込客が多い地域を検出する際、取得した位置情報に基づいて特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど位置情報の比重を大きくするようにしてもよい。例えば、乗車見込距離が所定値よりも長いユーザを2人分としてカウントするようにしてもよい。また、乗車見込距離を複数の段階に分けて、乗車見込距離が短い順に1人分、2人分、3人分、…としてカウントするようにしてもよい。
【0062】
ここで、乗車見込距離の算出方法の一例は、ユーザの乗車履歴における平均乗車距離を算出することである。この場合、制御部11は、記憶部14に記憶されている乗車履歴を参照し、乗車履歴に残る乗車距離の平均値を算出して、乗車見込距離を算出する。なお、乗車履歴に残る乗車距離の平均値ではなく、乗車履歴に残る乗車距離の中央値を、乗車見込距離とするようにしてもよい。
【0063】
また、乗車見込距離の算出方法の他の例は、ユーザの自宅と現在位置との距離を算出することである。ユーザの自宅の情報は、地図アプリの会員登録等により、ユーザの属性情報として、ユーザが所有する端末装置40の識別情報と関連付けて記憶部14に記憶されている。制御部11は、記憶部14に記憶されている属性情報を参照し、ユーザの自宅の情報を読み出して、現在位置との距離を算出する。なお、ユーザの自宅と現在位置との距離ではなく、ユーザの職場と現在位置との距離を、乗車見込距離とするようにしてもよい。
【0064】
次に、制御部11は、ステップS101で見込客が多い地域を検出する処理を行った結果、見込客が多い地域を検出することができたか否かを判定する(ステップS102)。
制御部11は、見込客が多い地域を検出することができたと判定した場合(ステップS102:YES)、ステップS103へと移行する。
一方、制御部11は、見込客が多い地域を検出することができなかったと判定した場合(ステップS102:NO)、処理を終了する。
【0065】
次に、制御部11は、タクシー事業者の情報端末に対し、ステップS101で検出された地域を案内するための案内情報を生成する(ステップS103)。ここで、タクシー事業者には、タクシー会社の他、タクシー会社が保有するタクシーTAも含まれる。従って、タクシー事業者の情報端末とは、タクシー会社が保有する会社端末20及びタクシーTAに搭載されたナビ端末30のことである。案内情報は、例えば、ステップS101で検出された地域内の所定の目的地までの経路を含む情報である。
次に、制御部11は、ステップS103で生成された案内情報を、通信部15を介してタクシー会社が保有する会社端末20に送信する(ステップS104)。
制御部11は、ステップS103及びステップS104の処理を行うことで、本発明の案内手段として機能する。
【0066】
なお、ステップS103の処理を行うに際し、ステップS101で検出された地域内の案内位置(所定の目的地)を決定する際、取得した位置情報に基づいて特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど案内位置の基準とする現在位置情報の比重を大きくするようにしてもよい。例えば、乗車見込距離が所定値よりも長いユーザを2人分としてカウントするようにしてもよい。また、乗車見込距離を複数の段階に分けて、乗車見込距離が短い順に1人分、2人分、3人分、…としてカウントするようにしてもよい。上記のように、ステップS101で検出された地域の中でも乗車見込距離が長いユーザが滞在する位置を優先して評価することで、当該案内位置に向かうタクシーTAが、乗車見込距離が長いユーザを拾う確率を向上させることができる。
【0067】
また、ステップS103の処理を行うに際し、各タクシー事業者の情報端末に対して、ステップS101で検出された地域のうち、他のタクシー事業者よりも配車における優先度が高い見込客が多い地域を案内するようにしてもよい。例えば、A社に対してはA社の優先度が高い見込客が多い地域を案内するようにし、B社に対してはB社の優先度が高い見込客が多い地域を案内する。なお、他のタクシー事業者よりも優先度が高い見込客が多いとは、他のタクシー事業者よりも所定数以上見込客が多い場合であってもよいし、他のタクシー事業者よりも相対的に見込客が多い場合であってもよい。
【0068】
ここで、優先度の設定方法の一例は、ユーザにより指定する方法である。例えば、ユーザは、端末装置40の表示部43に表示された優先度設定画面(
図3参照)において、所定の操作を行うことで、優先度を設定することができる。
優先度設定画面は、
図3に示すように、優先度の設定対象となるタクシー会社の名称を表示する会社名表示部E1と、優先するタクシー会社を設定するための優先チェックボックスE2と、配車対象から除外するタクシー会社を設定するための除外チェックボックスE3と、優先度の設定を完了するためのOKボタンE4と、優先度設定画面を終了して前画面に戻るためのキャンセルボタンE5と、等により構成されている。
図3に示す例では、A社の優先チェックボックスE2と、C社の除外チェックボックスE3が選択されている。従って、
図3に示す例では、A社の優先度が高くなるように設定されるとともに、C社が配車対象から除外されるように設定される様子が示されている。なお、残りのB社及びD社は、配車対象ではあるものの、A社よりも優先度が低くなるように設定される。
【0069】
ユーザにより指定された優先度の設定は、端末装置40の通信部46を介してサーバ装置10に送信され、端末装置40の識別情報と関連付けて、サーバ装置10の記憶部14に記憶される。
図4に、ユーザ毎の優先度の設定を管理するテーブルT1の一例を示す。テーブルT1は、優先度の設定を識別可能に管理するための番号である管理番号T11、端末装置40の識別情報T12、優先度の高いタクシー会社を示す優先対象T13、配車対象から除外するタクシー会社を示す除外対象T14のフィールドを有する。例えば、
図4には、識別情報T12「00030450」、優先対象T13「A社」、除外対象T14「C社」を、管理番号T11「1」と関連付けたレコード等を含むテーブルT1の例が示されている。テーブルT1の1番目のレコードからは、識別情報T12が「00030450」である端末装置40を所有するユーザにとって、優先対象T13のタクシー会社が「A社」であり、除外対象T14のタクシー会社が「C社」である旨を読み取ることができる。
【0070】
なお、上記
図3に示す例では、優先チェックボックスE2及び除外チェックボックスE3の2つのチェックボックスを設ける構成を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、この会社しか乗らないというタクシー会社を設定するためのチェックボックスやなるべくなら避けるタクシー会社を設定するためのチェックボックス等を追加することで、3つ以上のチェックボックスを設ける構成であってもよい。また、チェックボックスに優先順位を示す数字を入力する構成であってもよい。
【0071】
また、優先度の設定方法の他の例は、ユーザが選択した度合に基づいて設定する方法である。選択した度合とは、選択した回数が多いことであってもよいし、選択した割合が大きいことであってもよい。例えば、ユーザが複数のタクシー会社(例えばA社、B社、C社、D社)を選択することができる場合であって、A社が10回、B社が3回、C社が0回、D社が1回選択された場合、最も選択された回数が多い(割合が大きい)A社の優先度が高くなるように設定される。勿論、上記例の場合、A社、B社、D社、C社の順に優先順位を付けるようにしてもよい。
【0072】
また、優先度の設定方法の他の例は、ユーザの乗車後評価に基づいて設定する方法である。例えば、ユーザは、タクシーTA降車後に、端末装置40の表示部43に表示されたアンケート画面(図示省略)において、アンケートに対する回答や口コミ情報等の入力操作を行うことで、乗車後評価を行うことができる。この乗車後評価は、通信部46を介してサーバ装置10へと送信され、端末装置40の識別情報等と関連付けて、記憶部14に記憶される。サーバ装置10の制御部11は、記憶部14に記憶された乗車後評価を参照することで、タクシー会社の評価を抽出し、評価が高いタクシー会社の優先度が高くなるように優先度を設定する。
【0073】
また、ステップS103の処理を行うに際し、タクシー事業者からの返礼に基づいて案内優先度を設定し、案内優先度に基づいて、ステップS101で検出された地域を案内するタクシー事業者を決定するようにしてもよい。ここで、返礼とは、仲介手数料やキックバック等、タクシー事業者から本発明のタクシー配車に係るシステムを提供するシステム提供者に対して支払われる報酬のことである。具体的には、返礼の多いタクシー事業者ほど案内優先度を高く設定する。なお、返礼の多さを高く評価することの意義は、システム提供者の収益の向上に留まらない。即ち、返礼を多く支払うタクシー事業者は、本システムの重要性を認識していることが予想され、ユーザにとって好適なサービスを提供する可能性が高く、社会的な貢献を期待することができるからである。
【0074】
次に、会社端末20の制御部21は、ステップS104でサーバ装置10から送信された案内情報を、通信部25を介して自社が保有するタクシーTAに搭載されたナビ端末30に送信する(ステップS105)。
次に、ナビ端末30の制御部31は、ステップS105で会社端末20から送信された案内情報に基づく画面(経路表示画面)を、表示部33に表示させる(ステップS106)。これにより、タクシーTAのドライバは、ステップS101で検出された地域内の所定の目的地までの経路を認識することができる。以降、制御部31は、カーナビアプリを実行することにより、サーバ装置10と協働して、カーナビの機能を実現する。
以上の処理により、サーバ装置10は、見込客が多い地域を、タクシー事業者に案内することができる。
【0075】
図5に、端末装置40から送信された位置情報に基づいて見込客が多いと検出された地域をタクシー事業者に案内する処理の概念図を示す。
図5に示す例では、タクシーTAが担当するエリアとして、地域A、地域B、地域C、地域Dが割り当てられている様子が示されている。また、
図5に示す例では、地域Aに8人、地域Bに3人、地域Cに1人、地域Dに2人の見込客が検出されている。本実施形態では、地域間の相対的な比較で他の地域よりも見込客が多いと判定した地域を、見込客が多い地域として検出するので、見込客が多い地域として地域Aが検出されている。
従って、制御部11は、タクシー事業者に対し見込客が多い地域として検出された地域Aを案内するための案内情報を生成し、会社端末20を介してタクシーTAに搭載されたナビ端末30に送信する。そして、ナビ端末30の制御部31が、案内情報に基づく画面(経路表示画面)を表示部33に表示させることで、タクシーTAのドライバは、見込客が多い地域として検出された地域A内の所定の目的地までの経路を認識することができる。
以上の処理により、端末装置40から送信された位置情報に基づいて見込客が多いと検出された地域をタクシー事業者に案内することができる。
【0076】
なお、
図2の処理により、見込客が多い地域をタクシーTAに案内した結果、ユーザが乗車した場合に、当該ユーザの乗車履歴に基づく広告を提供するようにしてもよい。
以下、サーバ装置10が、ユーザの乗車履歴に基づく広告を提供する処理を説明する。この処理は、サーバ装置10の制御部11が、タクシーTAへのユーザの乗車を検出したことを契機として開始される。なお、乗車の検出方法は、例えば、端末装置40の位置情報及びタクシーTAの位置情報が、同じ位置、同じ速度で移動していることを検出する方法などが挙げられる。この場合、端末装置40の位置情報により特定されたユーザが乗車したと判定される。また、他の方法として、タクシーTAのドライバが、ユーザの乗車をサーバ装置10に連絡する手段を設ける(例えば、ナビ端末30に乗車ボタンを設ける等)ようにしてもよい。この場合、タクシーTAの位置情報と位置が一致する端末装置40の位置情報により特定されたユーザが乗車したと判定される。
【0077】
まず、サーバ装置10の制御部11は、
図6に示すように、記憶部14を参照して、タクシーTAに乗車したユーザの乗車履歴が記憶されているか否かを判定する(ステップS201)。
【0078】
制御部11は、乗車したユーザの乗車履歴が記憶されていると判定した場合(ステップS201:YES)、乗車したユーザの乗車履歴に基づく広告を抽出する(ステップS202)。例えば、羽田空港への乗車履歴がある場合は、航空会社の広告等を抽出し、深夜に居酒屋近辺からの乗車履歴がある場合は、二日酔い予防薬の広告等を抽出する。
一方、制御部11は、乗車したユーザの乗車履歴が記憶されていないと判定した場合(ステップS201:NO)、所定の広告を抽出する(ステップS203)。所定の広告とは、例えば、タクシーTAを保有するタクシー会社と広告契約を結んだ企業の広告等である。なお、所定の広告は上記例に限らず、例えば、乗車したユーザの属性情報に基づく広告であってもよい。例えば、乗車したユーザが野球に興味関心がある場合は、野球用品の広告等を抽出し、乗車したユーザが若い女性であった場合は、若い女性向けの化粧品の広告等を抽出する。
【0079】
次に、制御部11は、ステップS202又はステップS203で抽出された広告をタクシーTAのモニタ(図示省略)に表示させるための広告情報を生成する(ステップS204)。
次に、制御部11は、ステップS204で生成された広告情報を、通信部15を介してタクシー会社が保有する会社端末20に送信する(ステップS205)。
【0080】
次に、会社端末20の制御部21は、ステップS205でサーバ装置10から送信された広告情報を、通信部25を介して自社が保有するタクシーTAに搭載されたナビ端末30に送信する(ステップS206)。
次に、ナビ端末30の制御部31は、ステップS206で会社端末20から送信された広告情報に基づく広告を、後部座席用に助手席の後面等に設置されたモニタ(図示省略)に表示させる(ステップS207)。なお、広告をモニタに表示させる代わりに、ユーザの端末装置40の表示部43に表示させるようにしてもよい。この場合、サーバ装置10からユーザの端末装置40へと直接広告情報が送信される。また、ユーザがタクシーTAから降車して帰宅後に、ユーザの自宅PCの表示部に表示させるようにしてもよい。この場合、サーバ装置10からユーザの自宅PCへと直接広告情報が送信される。
以上の処理により、タクシーTAに乗車したユーザの乗車履歴に基づく広告を提供することができる。即ち、制御部11は本発明の提供手段として機能する。
【0081】
また、ユーザがタクシー会社に配車依頼を行った場合であって、予め目的地や経路、経由地等を端末装置40の表示部43における画面操作等で特定済みである場合に、目的地や経路、経由地等の情報を含む選択情報を、タクシー会社が保有する会社端末20に送信するようにしてもよい。
具体的には、制御部11は、まず、端末装置40から送信される選択情報を取得する。即ち、制御部11は、本発明の情報取得手段として機能する。なお、選択情報は、ユーザの端末装置40により選択された少なくとも目的地を含む情報である。
次に、制御部11は、取得された選択情報を、通信部15を介してタクシー会社が保有する会社端末20に送信する。即ち、制御部11は、本発明の情報送信手段として機能する。
次に、会社端末20の制御部21は、サーバ装置10から送信された選択情報を、通信部25を介して自社が保有するタクシーTAに搭載されたナビ端末30に送信する。
次に、ナビ端末30の制御部31は、会社端末20から送信された選択情報に基づく画面(経路表示画面)を、表示部33に表示させる。これにより、タクシーTAのドライバは、乗車するユーザが所望する経路を認識することができる。
【0082】
なお、制御部11は、選択情報を取得した際、選択情報に含まれる目的地が乗車履歴に残っている場合には、当該乗車履歴に基づく経路を案内するための情報を生成して、選択情報の代わりに会社端末20に送信するようにしてもよい。これにより、乗車履歴に基づいた経路を走行することができるので、ユーザによる細かな設定や説明を省略することができる。
【0083】
[3.効果]
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置(サーバ装置10)は、ユーザの位置情報を取得する取得手段(制御部11)と、取得手段により取得された位置情報に基づいて見込客が多い地域を検出する検出手段(制御部11)と、タクシー事業者の情報端末(会社端末20及びナビ端末30)に対し、検出手段により検出された地域を案内する案内手段(制御部11)と、を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、見込客が多い地域にタクシーTAを案内することができるので、ユーザとタクシー会社との需給を効果的にマッチングすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、取得手段により取得された位置情報に基づいて、ユーザを特定する特定手段(制御部11)を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザを特定した状態でタクシーTAを案内することができるので、個々のユーザの要望に応じたタクシー配車を実現することができる。
【0085】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、検出手段は、特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど位置情報の比重を大きくする。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、乗車見込距離が長いユーザが乗車する確率を高めることができるので、タクシー会社の収益を向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、案内手段は、検出手段により検出された地域内の案内位置を決定する際、特定手段により特定されたユーザのうち乗車見込距離が長いユーザほど案内位置の基準とする現在位置情報の比重を大きくする。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、乗車見込距離が長いユーザが乗車する確率をより高めることができるので、タクシー会社の収益をより確実に向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、乗車見込距離は、ユーザの乗車履歴における平均乗車距離である。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザの乗車見込距離を精度よく算出することができるので、タクシー会社の収益をより確実に向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、乗車見込距離は、ユーザの自宅と現在位置との距離である。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザの乗車見込距離を高い確率で正確に算出することができるので、タクシー会社の収益をより確実に向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、検出手段は、現在位置が乗車履歴に合致するユーザを、見込客として判断する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが乗車する確率を高めることができるので、ユーザとタクシー会社との需給を精度よくマッチングすることができる。
【0090】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、案内手段は、タクシー事業者の情報端末に対し、検出手段により検出された地域のうち、他のタクシー事業者よりも配車における優先度が高い見込客が多い地域を案内する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、タクシー会社の各々に好適な地域を案内することができるので、タクシーTAの実車率を向上させることができ、タクシー会社の収益を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、優先度は、ユーザにより指定される。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、配車に際し、ユーザの希望を反映させることができるので、ユーザとタクシー会社との需給を精度よくマッチングすることができる。
【0092】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、優先度は、ユーザが選択した度合に基づいて設定される。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、配車に際し、ユーザの過去の選択実績を反映させることができるので、ユーザとタクシー会社との需給を精度よくマッチングすることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、優先度は、ユーザの乗車後評価に基づいて設定される。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、配車に際し、ユーザの過去の評価を反映させることができるので、ユーザとタクシー会社との需給を精度よくマッチングすることができる。
【0094】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの乗車履歴に基づく広告を提供する提供手段(制御部11)を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザの興味関心を惹き付ける広告を提供することができるので、広告効果の向上を期待することができる。また、乗車中に広告を提供する場合は、乗車中のユーザの手持ち無沙汰を解消することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの情報端末(端末装置40)により選択された少なくとも目的地を含む選択情報を取得する情報取得手段(制御部11)と、情報取得手段により取得された選択情報をタクシー事業者の情報端末に送信する情報送信手段(制御部11)と、を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、タクシーTAのドライバが、経路に係るユーザの希望を事前に把握することができるので、乗車時の手間や諍いの発生を抑制することができる。
【0096】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、検出手段は、所定時間以上又は所定時刻に、所定施設に滞在しているユーザを、見込客として判断する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ユーザが乗車する確率を高めることができるので、ユーザとタクシー会社との需給を精度よくマッチングすることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、案内手段は、タクシー事業者からの返礼に基づいて案内優先度を設定し、案内優先度に基づいて、検出手段により検出された地域を案内するタクシー事業者を決定する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、本発明のタクシー配車に係るシステムの重要性を認識しているタクシー会社を優遇することができるので、ユーザに好適なサービスを提供することができるとともに、システム提供者の収益を向上させることができる。
【0098】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0099】
[4.変形例]
例えば、上記実施形態では、見込客が多い地域を検出する際、地域間の相対的な比較で他の地域よりも見込客が多いと判定した地域を見込客が多い地域として検出するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、集計された位置情報に基づいて見込客を抽出し、抽出された見込客が所定数以上である地域を、見込客が多い地域として検出するようにしてもよい。
【0100】
また、例えば、通常時の見込客からの偏差に基づいて、見込客が多い地域を検出するようにしてもよい。即ち、例えば、各地域において、通常時の見込客数を平均値である50とした場合の偏差値を算出し、その偏差値が通常時の見込客数(偏差値50)から1σ以上上方に離れている地域を、見込客が多い地域として検出する。なお、上記の例は一例であり、算出された偏差値が通常時の見込客数から上方に離れていればよく、例えば、通常時の見込客数から2σ以上上方に離れている地域を、見込客が多い地域として検出するようにしてもよい。
【0101】
なお、通常時の見込客数は、例えば、同一条件での統計情報に基づいて算出される。具体的には、通常時の見込客数は、例えば、日時、曜日、時間帯、天候などが同一条件である場合の統計情報に基づき、所定の算出方法にて算出される。所定の算出方法は、既存の統計手法を適宜用いるものであってよく、例えば、平均値を算出する方法であってもよいし、中央値を算出する方法であってもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、タクシーTAに乗車したユーザの乗車履歴に基づく広告をタクシーTA内のモニタに表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザがタクシーTAに乗車中であれば、乗車履歴の有無にかかわらず、乗車したユーザの属性情報に基づく広告をモニタに表示させるようにしてもよい。
【0103】
また、タクシー事業者に対し、ステップS101で検出された地域を案内する際、見込客の数を算出するようにし、算出された見込客の数に応じて、上記の地域を案内するための案内情報を送信するタクシーTAの数を制御するようにしてもよい。例えば、見込客の数に対し案内情報を送信するタクシーTAの数を3割と設定した場合、見込客の数が10人のときには、3台のタクシーTAに案内情報を送信し、見込客の数が20人のときには、6台のタクシーTAに案内情報を送信する。
【0104】
また、ステップS101で検出された地域を案内するための案内情報をタクシーTAに搭載されたナビ端末30に送信する際、見込客の数と周辺のタクシーTA数との比率を算出して、比率に応じた案内情報を送信するようにしてもよい。例えば、見込客の数に対し周辺のタクシーTA数が少ない場合には、見込客を拾える確率が高いため、「今行くとおいしそうだぞ!」等、ドライバを強く煽るような表示を経路表示画面上に表示させるようにしてもよい。また、見込客の数に対し周辺のタクシーTA数が多い場合には、見込客を拾える確率がさほど高くないため、「今よりはちょっとマシじゃないですか」等、ドライバを軽く煽るような表示を経路表示画面上に表示させるようにしてもよい。
また、表示内容の他、色や文字の大きさ等で、おススメ度合い(強調度合い)を制御するようにしてもよい。
【0105】
また、タクシー事業者に対し、ステップS101で検出された地域を案内する際、基本的には、時間的なロスを避けるため、最寄りの地域を優先して案内することとなるが、最寄りの地域に数台のタクシーTAを既に向かわせたような場合には、少し遠めの地域を案内するようにしてもよい。これにより、同一会社のタクシーTAによる競合を避けることができるので、タクシー会社の収益の低下を抑制することができる。
【0106】
また、上記実施形態では、サーバ装置10から、会社端末20を介して、各種情報(案内情報、広告情報、選択情報等)をタクシーTA(ナビ端末30)に送信するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置10から、会社端末20を介することなく、直接各種情報をタクシーTA(ナビ端末30)に送信するようにしてもよい。即ち、本発明において、会社端末20は必須の構成ではなく、会社端末20を備えない構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、サーバ装置10の制御部11が、広告配信に係る処理(広告を抽出する処理、広告情報を生成して会社端末20に送信する処理等)を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置10とは別に、広告配信に係る処理を行わせるための広告配信サーバを備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の情報処理装置として、サーバ装置10を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の取得手段、検出手段や案内手段、その他の機能(取得手段等)を会社端末20又はナビ端末30に備えることで、会社端末20又はナビ端末30を本発明の情報処理装置とすることも可能である。
【0108】
また、本出願に示す各態様は、方法、プログラムなどとしても把握することができる。方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、例えば、「工程」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめて若しくは随時一部分ずつ実行するよう変更したりすることができる。
【0109】
その他、サーバ装置、会社端末、ナビ端末及び端末装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。